商標拒絶査定不服審判
2024-020225
ダイロンポウ、ダイロンポー
- 審判番号
- 2024-020225
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-005767
- 請求日
- 2024年12月17日
- 審決日
- 2025年09月29日
- 公報発行日
- 2025年12月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社オークラインターナショナル
- 【請求人代理人】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .13 -Z (W293043) / T18 .16 -Z (W293043) / T18 .272-Z (W293043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法3条1項6号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024- 5767拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年1月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 6月19日付け:拒絶理由通知書
令和6年 8月 5日 :意見書の提出
令和6年 9月10日付け:拒絶査定
令和6年12月17日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「大籠包」及び「ダイロンポウ」の文字を上下二段に横書きしてなり、第29類「肉製品」、第30類「ぎょうざ,しゅうまい,中華まんじゅう」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原審において、以下のとおり認定、判断し、拒絶したものである。
(1)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号
本願商標は、「大籠包」及び「ダイロンポウ」の文字を二段に横書きしてなるものであり、片仮名部分は、本願商標の指定商品を前提とすると「ショウロンポウ」と称呼される中華の点心「小籠包」がよく知られていることに加え、本願商標中の位置からみて「大籠包」の読みを表したものと理解される。
ところで、本願商標の指定商品の分野では、上述のとおり、「小籠包」が親しまれていることからすると、本願商標に係る「大籠包」(ダイロンポウ)は、小籠包を大きくしたものであると、指定商品の需要者に認識されるものというのが相当である。
また、通常の「小籠包」より大きなものを「大籠包」(ダイロンポウ)と称して取引されている事実も存在する。
そうすると、本願商標は、「通常の小籠包より大きな小籠包」を需要者に一般に認識させるにとどまり、商標(自己の業務に係る商品と、他者の業務に係る商品とを識別し、商品の出所を表す標識)として認識されるものとはいえない。
してみれば、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
加えて、通常の小籠包より大きな小籠包を需要者に一般に認識させる本願商標は、指定商品との関係で、その商品が大きな小籠包であるかのように認識させ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものである(本願の指定商品中には小籠包は含まれていない)。
よって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第3号
本願商標は、上記(1)のとおり、通常の小籠包よりも大きな小籠包と理解されるものであるところ、本願商標の指定役務については、その役務の提供に係る料理(中華の点心)として需要者に認識されるものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、その指定役務の提供の用に係る物を普通に用いられる方法で表してなるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「大籠包」及び「ダイロンポウ」の文字を、普通に用いられる方法で、上下二段に横書きしてなるところ、下段の片仮名部分は、上段の漢字部分の読みを表したものと理解されるものである。
ところで、飲食料品関連の分野においては、「小籠包」が「中国料理の点心。スープの入った小型饅頭。」(出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)として、よく知られている。
また、原審で通知した証拠に加え、別掲のとおり、通常の小籠包よりも大きなスープの入った饅頭が「大籠包」(ダイロンポウ)と称されている実情が確認できる。
そうすると、本願商標の構成中の「大籠包」の文字は、一般的な辞書等に載録された成語ではないものの、これに接する需要者において、「小籠包」の文字に含まれ、「小さいこと。」を意味する「小」の文字を、その対義語である「大」の文字に置き換えて表したものであって、「スープの入った大型饅頭」ほどの意味合いを容易に想起させるものというのが相当である。
そうとすると、本願商標をその指定商品に使用するときには、「通常の小籠包よりも大きなスープの入った大型饅頭」程の意味合いを認識させるにすぎず、これに接する需要者は、本願商標について、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識するというよりはむしろ、商品の特性等を示す語の一類型として認識、理解するにとどまるというべきである。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
また、本願商標を、その指定商品中、上述の商品以外の商品に使用するときは、あたかもその商品が「通常の小籠包より大きなスープの入った大型饅頭」であるかのごとく、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記(1)のとおり、「通常の小籠包より大きなスープの入った大型饅頭」と認識されるものであるところ、これをその指定役務に使用しても、これに接する需要者に、当該役務において提供される飲食物が、「通常の小籠包より大きなスープの入った大型饅頭」であること、すなわち、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものとして認識させるにすぎないものというのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
5 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、請求人の創作に係る造語であり、自他商品役務の識別機能を果たしうるものである旨主張する。
しかしながら、上記4のとおり、飲食料品関連の分野において「小籠包」がよく知られており、通常の小籠包よりも大きなスープの入った大型饅頭が「大籠包」と称して取引されている実情があることから、本願商標構成中の「大籠包」の文字は、「小籠包」の構成文字中の「小」の文字を、その対義語である「大」の文字に置き換えて表したと理解できるものであって、「スープの入った大型饅頭」ほどの意味合いを容易に想起させることからすれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、需要者は「通常の小籠包より大きなスープの入った大型饅頭」程の意味合いを認識するにとどまるというのが相当である。
(2)請求人は、請求人が神奈川県横浜市内に2店舗を運営する、本格食べ歩き中華専門店「開華楼」(2019年オープン)において提供されるメニューである「大籠包」が、多くのメディアで取り上げられ(甲第6号証ないし甲第20号証)、当該料理を求めて全国から多くの観光客等が集まり、行列ができていることから、本願商標は、請求人の提供に係る商品役務の識別標識として機能している旨主張する。
しかしながら、請求人の業務に係る「大籠包」を取り扱う店舗は、神奈川県横浜市内のみと限定された地域にとどまり、当該「大籠包」が、テレビ番組、インターネット記事等において紹介されていることはうかがえるものの、その回数などからすれば、我が国の全国の需要者に広く認識されていることが推認できるほどに、頻繁に又は大規模に紹介されていたとはいえない。また、請求人が本願商標を使用したと主張する商品及び役務の販売期間は、6年程度であり、決して長期間であるとはいえず、また、その販売実績、広告宣伝実績の詳細は明らかではない。
加えて、上記4(1)のとおり、請求人以外の者によって通常の小籠包よりも大きなスープの入った大型饅頭が「大籠包」(ダイロンポウ)と称されている実情が認められる。
よって、提出された資料によっては、未だ、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務にかかる商品又は役務であることを認識することができるに至っているものとは認められない。
(3)したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
6 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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