商標拒絶査定不服審判
2022-006303
ベニコージノチカラ、チカラ
- 審判番号
- 2022-006303
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-020523
- 請求日
- 2022年04月26日
- 審決日
- 2023年07月24日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】杉村 光嗣
- 【請求人代理人】藤本 一
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 20523拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年2月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月 5日付け:拒絶理由通知書
令和3年 9月16日 :意見書の提出
令和4年 2月 7日付け:拒絶査定
令和4年 4月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和4年10月28日付け:証拠調べ通知
令和4年12月19日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「紅麹の力」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載の商品を指定商品として登録出願され、その後、指定商品については、当審における前記1の手続補正書により、第5類「紅麹を原材料とする薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,医療用接着テープ,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,紅麹を原材料とする乳幼児用粉乳,紅麹を原材料とするサプリメント,紅麹を原材料とする食餌療法用飲料,紅麹を原材料とする食餌療法用食品,紅麹を原材料とする乳幼児用飲料,紅麹を原材料とする乳幼児用食品,紅麹を原材料とする栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「紅麹の力」の文字を標準文字で表示してなるところ、その構成中、「紅麹」及び「力」の各文字は、それぞれ「清酒や味噌に用いられる麹菌の仲間」及び「物事をするときに助けとなるもの。助力。ききめ。効果。効力。」の意味を有するものであるから、その構成全体からは、「紅麹のききめ(効果)」程の意味合いを容易に認識させる。そして、「紅麹」には、悪玉コレステロール値の低減や血圧降下の効果・効能があることが一般に知られており、薬剤はもとより、サプリメントや健康補助食品についても、こうした健康効果があるものとして、その原材料に「紅麹」を使用していることを謳ったものが一般的に取引されている実情が認められる。また、「紅麹の力」や「紅麹のチカラ」等の文字が、原材料である紅麹による効果・効能を表すものとして使用されている実情も認められる。そうすると、本願商標をその指定商品中「紅麹を原材料とする薬剤・同乳幼児用粉乳・同サプリメント・同食餌療法用飲料・同食餌療法用食品・同乳幼児用飲料・同乳幼児用食品・同栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、その商品が「紅麹の効果・効能を有する商品」であるという、商品の品質、原材料又は効能を表示したものとして理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ない。したがって、本願商標は、商品の品質、原材料又は効能を普通に用いられる方法で表示してなるものであるから商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の指定商品中「薬剤,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和5年4月10日付け審尋により、別掲1ないし別掲4に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)「紅麹の力」の文字から「紅麹の有する力」程の意味合いが理解されるとしても「紅麹の有する何らかの力」であることを漠然と理解できるにとどまり、「紅麹の力」そのものから、本願指定商品中「紅麹を原材料とするサプリメント」の具体的な効果、効能(「「コレステロール低下」、「糖代謝改善効果」、「血圧降下」、「血流改善」、「リフレッシュ効果」をはじめとする複数の効果、効能」のうちいずれか具体的なもの)を直接的に理解することはできない。
(2)本願商標を構成する「紅麹の力」の文字から理解される意味合いに「紅麹の効果、効能のあるサプリメント」などと、「サプリメント」が含意されることはないから、本願商標が「紅麹を原材料とする薬剤,紅麹を原材料とする乳幼児用粉乳,紅麹を原材料とする食餌療法用飲料,紅麹を原材料とする食餌療法用食品,紅麹を原材料とする乳幼児用飲料,紅麹を原材料とする乳幼児用食品,紅麹を原材料とする栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」に使用されたとしても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「紅麹の力」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「紅麹」の文字は「麹(菌)の一種」であること、そして、当該「紅麹」は、「コレステロール低下」、「糖代謝改善効果」、「血圧降下」、「血流改善」、「リフレッシュ効果」をはじめとする複数の効果、効能を有するものとして知られていることが別掲1よりうかがえる。
また、「力」の文字は「ききめ。効果。効力。」等の意味を有する語(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)であるから、これらの文字を格助詞「の」で結合してなる本願商標は、その構成全体から「紅麹のききめ」、「紅麹の効果」の意味合いを容易に想起し得るものである。
そして、本願の指定商品中、「紅麹を原材料とするサプリメント」に関連する「サプリメント」を取り扱う業界(以下「サプリメント業界」という。)では、別掲2のように、紅麹の有する効果、効能に着目して、紅麹を原材料とする商品が販売されている事実がうかがえ、また、それらの商品の中には、上記の効果、効能をうたう商品も存在する。
さらに、サプリメント業界では、「○○の力」(○○は原材料名)及びこれに通ずる「○○のチカラ」、「○○のちから」の文字が、「○○のききめ」、「○○の効果」程の意味合いを表すものとして使用されていることが別掲3よりうかがえる。
加えて、当該業界では、「紅麹の力」の文字及びこれに通ずる「紅麹のチカラ」の文字が、「紅麹のききめ」「紅麹の効果」程の意味合いを表す語として使用されていることが別掲4よりうかがえる。
以上の内容を踏まえると、本願商標を、その指定商品中「紅麹を原材料とするサプリメント」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「(上記したような)何らかの効果、効能を有する紅麹の効き目、効果のあるサプリメント」程の商品の品質を表示したものと認識、理解するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、過去の登録例を挙げ、本願もこれと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については前記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
したがって、請求人の前記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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