商標拒絶査定不服審判
2021-000373
ハッコーノチカラ、チカラ
- 審判番号
- 2021-000373
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-099898
- 請求日
- 2021年01月12日
- 審決日
- 2021年08月10日
- 公報発行日
- 2021年10月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】キッコーマン株式会社
- 【請求人代理人】涌井 謙一
- 【請求人代理人】山本 典弘
- 【請求人代理人】鈴木 一永
- 【請求人代理人】工藤 貴宏
- 【請求人代理人】三井 直人
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .13 -WY (W2930)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
商願2019-99898拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
【理 由】
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「発酵のちから」の文字を標準文字で表してなり、第29類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和元年7月23日に登録出願されたものである。
原審では、令和2年6月24日付けで拒絶理由の通知、同年8月3日付けで意見書及び手続補正書の提出、同年10月5日付けで拒絶査定されたもので、これに対して令和3年1月12日付けで本件拒絶査定不服審判が請求されている。
本願商標の指定商品は、原審における上記の手続補正書により、第29類「食用油脂,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと,肉・魚・野菜などに調味料を合わせたそうざいのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆」及び第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,食用酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用グルテン,食用粉類」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「発酵のちから」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「発酵」の文字は、「一般的に、酵母・細菌などの微生物などが、有機化合物を分解してアルコール・有機酸・炭酸ガスなどを生じる過程。本態は酵素反応。酒・醤油・味噌、さらにビタミン・抗生物質などはこの作用を利用して製造する。」の意味を、「ちから」の文字は「効能」の意味をそれぞれ有する語であるから、全体として「発酵の効能」ほどの意味合いを認識させる。
ところで、食品に係る業界においては、発酵の作用(効能)を利用した商品が広く一般に取り扱われており、それらを称するにあたって「発酵の力(ちから)」の語が使用されている実情がある。
そうすると、本願商標は、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は「発酵の作用(効能)を利用した商品」ほどの意味合いを認識するにすぎず、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審の判断
本願商標は、「発酵のちから」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「発酵」の文字は「酵母・細菌などの微生物が、有機化合物を分解してアルコール・有機酸・二酸化炭素などを生じる過程。」の意味を、「ちから」の文字は「自らの体や他の物を動かし得る、筋肉の働き。能力。実力。ききめ。おかげ。」などの意味を有する(参照:「広辞苑 第7版」岩波書店)もので、これらの文字を格助詞「の」で結合してなる構成文字全体としては、各語の語義を結合した多様な意味合い(例えば「発酵の実力」、「発酵のききめ」など)を連想、想起させ得る。
そして、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、「発酵のちから(力)」の文字が、商品の品質、効能又は生産方法等を表示する語として取引上一般的に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標は、構成文字全体としては意味合いが漠然としており、その指定商品に係る商品の品質、効能又は生産方法等を表示するものとして取引上普通に使用されている実情もないから、商品の品質や生産方法等を直接表示するものではない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しないから、本願商標が同項同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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