2022-000426
ビキニ型/ローライズブリーフ型の使い捨て吸収性物品及びアレイ用の臀部-側部シルエット及び腰部-側部シルエット
- 審判番号
- 2022-000426
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-569998外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年01月11日
- 審決日
- 2023年04月05日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 分類
- P18 .121-Z (A61F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、2018年(平成30年)6月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年6月30日(以下「優先日」という。)米国(US)、2017年7月10日米国(US))を国際出願日とする特許出願であって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。
第2 令和4年1月11日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年1月11日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1) 本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「中央シャーシを有する吸収性物品であって、前記中央シャーシが、トップシートと、バックシートと、吸収性コアと、を備え、前記吸収性物品が、前側腰部領域及び前側腰部縁部と、後側腰部領域及び後側腰部縁部と、前記前側腰部領域に配設された前側ベルトと、前記後側腰部領域に配設された後側ベルトと、を備え、前記前側及び後側ベルトがサイドシームで接合されて、腰部開口部及び脚部開口部を形成し、前記吸収性物品が、2.3~6の製品臀部-側部シルエットを有し、前記吸収性物品が、2.3~6の製品腰部-側部シルエットを有し、ターゲット消費者の体重に対する、前記製品臀部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体臀部-側部シルエットよりも大きく、前記ターゲット消費者の体重に対する、前記製品腰部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体腰部-側部シルエットよりも大きい、吸収性物品。」
(2) 本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和3年4月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「中央シャーシを有する吸収性物品であって、前記中央シャーシが、トップシートと、バックシートと、吸収性コアと、を備え、前記吸収性物品が、前側腰部領域及び前側腰部縁部と、後側腰部領域及び後側腰部縁部と、前記前側腰部領域に配設された前側ベルトと、前記後側腰部領域に配設された後側ベルトと、を備え、前記前側及び後側ベルトがサイドシームで接合されて、腰部開口部及び脚部開口部を形成し、前記吸収性物品が、2.3~6の製品臀部-側部シルエットを有し、前記吸収性物品が、2.3~6の製品腰部-側部シルエットを有する、吸収性物品。」
2 本件補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に、
「前記吸収性物品が、2.3~6の製品臀部-側部シルエットを有し、前記吸収性物品が、2.3~6の製品腰部-側部シルエットを有する、吸収性物品」とあるのを、
「前記吸収性物品が、2.3~6の製品臀部-側部シルエットを有し、前記吸収性物品が、2.3~6の製品腰部-側部シルエットを有し、ターゲット消費者の体重に対する、前記製品臀部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体臀部-側部シルエットよりも大きく、前記ターゲット消費者の体重に対する、前記製品腰部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体腰部-側部シルエットよりも大きい、吸収性物品」と補正するものであり、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「製品臀部-側部シルエット」及び「製品腰部-側部シルエット」について、上記のとおりの限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2) 引用文献の記載事項
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ア 引用文献1
(ア) 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願(優先日)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、米国特許出願公開第2015/0320619号明細書(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(以下、当審が作成した日本語訳を示す。また、下線は、当審で付与したものである。他の文献についても同様。)。
a 「[0012] 別の実施形態では、パッケージのアレイは、2またはそれ以上の異なるサイズの使い捨て吸収性物品を含むことができる。アレイは、第1及び第2の使い捨て吸収性物品を含む第1及び第2のパッケージを含んでもよい。第1及び第2の吸収性物品は、トップシート、バックシート、吸収性コア、及び一対のサイドシームを含んでもよい。第1の吸収性物品は、第1のサイズであってもよく、閉じた形態であってもよい。第2の吸収性物品は、第2のサイズは第1のサイズとは異なる場合があり、また、閉じた形態であってもよい。第1および第2パッケージのアレイ平均製品臀部-側部シルエット比は、約2.2~約6.0であってもよい。そして、第1及び第2パッケージは、同じブランド名/サブブランド名を含むことができる。[0013] 別の実施形態では、成人失禁の使い捨て式吸収性物品は、2.3から約6.0までの製品臀部-側部シルエット比を有していてもよい。また、成人失禁の使い捨て式吸収性物品は、フォームを閉じることができる。」
b 「[0020] 図6は、弛緩したおよび折り畳まれていない状態でAIパンツ製品を示している。」
c 「[0026] 図12は、前側および後側腰部領域において連続ベルトを備えたパンツおむつの平面図である。」
d 「[0029] 図15は、ベルトが対向する腰部領域を接続している図12に示されるパンツ型おむつの斜視図である。」
e 「[0049] 製品臀部-側部シルエット比とは、弛緩製品側部長(303)(mm)で割った弛緩製品臀部幅(301)(mm)を意味する。図6を参照されたい。」
f 「[0062] より良いフィット性、適合性、ガスケット性の製品を実現するために、製品臀部-側部シルエット比をターゲットとする消費者の体の臀部-側部シルエット比に関連付けることが所望され得る。漏れを低減する一方で、各消費者のための装着の心地よさを増大させることができる。さらに、その後に続く各大きなサイズの製品臀部-側部シルエット比が、その後に続く各大きなサイズの体の臀部-側部シルエット比と同じ一般的傾向に従う製品アレイは、それぞれのBMIにかかわらず、各消費者により良いフィット性、適合性の製品を供給することができる。」
g 「[図:0001400995000001.jpg][図:0001400995000002.jpg](表の各列は左からターゲット腰部幅、平均ターゲット腰部幅、ターゲットBMI幅、平均ターゲットBMI、弛緩製品側部長、弛緩製品臀部幅、製品臀部-側部シルエット比、アレイ平均製品臀部-側部シルエット比、を意味する。)」
h 「[0066] 一実施形態では、吸収性物品は、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートの間に少なくとも部分的に配置された吸収性コアを含むシャーシを含むことができる。吸収性シャーシはウエストバンド、レッグカフ及び/又は弾性ストランドを含み得る。様々な実施形態において、図12を参照すると、吸収性物品10は、固定部品53a及びbを結合する前の平坦な非収縮状態で示されている。」
i 「[0068] 一実施形態では、図12を参照すると、吸収性物品10のシャーシ100は、第1の長手方向に延びる側縁部137aと、横方向に対向し、第2の長手方向に延びる側縁部137bを含むことができる。側部縁137は両方とも、前側腰部端縁部136と後側腰部端縁部138との間に長手方向に延びていてもよい。シャーシ100は、前側腰部領域36において横方向に延びる前側腰部端縁部136の一部と、後側腰部領域38で長手方向に対向して横方向に延びる後側腰部端縁部138の一部を形成することができる。また、シャーシ100は、内面102、外面104、長手方向軸42、横方向軸44を含むことができる。長手方向軸42は、前側腰部端縁部136の中点を通じ、かつ後側腰部端縁部138の中点を通って延び、横方向軸44は、第1の側縁部137aの中点を通じ、かつ第2側縁部137bの中点を通じて延びてもよい。」
j 「[図:0001400995000003.jpg]」
k 「[図:0001400995000004.jpg]」
l 「[図:0001400995000005.jpg]」
(イ) 特に上記(ア)a~c、j~lの記載を踏まえれば、引用文献1には、前側腰部領域36及び後側腰部領域38に備えられた連続ベルトが一対のサイドシームで接続され、腰部開口部及び脚部開口部を形成している構成が記載されていることが分かる。
(ウ) 上記(ア)~(イ)を総合し、特に(ア)gの表2の「2nd Inventive Array」の「3rd Package in Array」の実施形態に着目すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「成人失禁の使い捨て式吸収性物品であって、前記吸収性物品は、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートの間に少なくとも部分的に配置された吸収性コアを含むシャーシ100を含み、前記シャーシ100は、前側腰部領域36において横方向に延びる前側腰部端縁部136の一部と、後側腰部領域38で長手方向に対向して横方向に延びる後側腰部端縁部138の一部を形成し、前側腰部領域36及び後側腰部領域38に備えられた連続ベルトが一対のサイドシームで接続され、腰部開口部及び脚部開口部を形成しており、ターゲット腰部幅が1220~1630mm、平均ターゲット腰部幅が1425mm、ターゲットBMI幅が38~51、平均ターゲットBMIが45、弛緩製品側部長が71mm、弛緩製品臀部幅が384mm、製品臀部-側部シルエット比が5.405である成人失禁の使い捨て式吸収性物品。」
イ 引用文献2
(ア) 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願(優先日)前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、米国特許出願公開第2015/0320613号明細書(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
a 「[0012] 別の実施形態では、パッケージのアレイは、2またはそれ以上の異なるサイズの使い捨て吸収性物品を含むことができる。アレイは、第1及び第2の使い捨て吸収性物品を含む第1及び第2のパッケージを含んでもよい。第1及び第2の吸収性物品は、トップシート、バックシート、吸収性コア、及び一対のサイドシームを含んでもよい。第1の吸収性物品は、第1のサイズであってもよく、閉じた形態であってもよい。第2の吸収性物品は、第2のサイズは第1のサイズとは異なる場合があり、また、閉じた形態であってもよい。第1および第2パッケージのアレイ平均製品腰部-側部シルエット比は、約1.7~約6.0であってもよい。そして、第1及び第2パッケージは、同じブランド名/サブブランド名を含むことができる。[0013] 別の実施形態では、成人失禁の使い捨て式吸収性物品は1.7から約6.0まで製品腰部-側部シルエット比を有していてもよい。また、成人失禁の使い捨て式吸収性物品は、閉じた形態であってもよい。」
b 「[0020] 図6は、弛緩したおよび折り畳まれていない状態でAIパンツ製品を示している。」
c 「[0026] 図12は、前側および後側腰部区域において連続ベルトを備えたパンツ型おむつの平面図である。」
d 「[0029] 図15は、図12に示されるパンツ型おむつの斜視図であるベルトは、対向する腰部領域を接続している。」
e 「[0049] 製品腰部-側部シルエット比とは、弛緩製品側部長(303)(mm)で割った弛緩製品腰部幅(301)(mm)を意味する。図6を参照されたい。」
f 「[0062] より良いフィット性、適合性、ガスケット性の製品を実現するために、製品腰部-側部シルエット比をターゲットとする消費者の体の腰部-側部シルエット比に関連付けることが所望され得る。漏れを低減する一方で、各消費者のための装着の心地よさを増大させることができる。さらに、その後に続く各大きなサイズの製品腰部-側部シルエット比が、その後に続く各大きなサイズの体の腰部-側部シルエット比と同じ一般的傾向に従う製品アレイは、それぞれのBMIにかかわらず、各消費者により良いフィット性、適合性の製品を供給することができる。」
g 「[図:0001400995000006.jpg][図:0001400995000007.jpg](表の各列は左からターゲット腰部幅、平均ターゲット腰部幅、ターゲットBMI幅、平均ターゲットBMI、弛緩製品側部長、弛緩製品腰部幅、製品腰部-側部シルエット比、アレイ平均製品腰部-側部シルエット比、を意味する。)」
h 「[0066] 一実施形態では、吸収性物品は、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートの間に少なくとも部分的に配置された吸収性コアを含むシャーシを含むことができる。吸収性シャーシはウエストバンド、レッグカフ及び/又は弾性ストランドを含み得る。様々な実施形態において、図12を参照すると、吸収性物品10は、固定部品53a及びbを結合する前の平坦な非収縮状態で示されている。」
i 「[0068] 一実施形態では、図12を参照すると、吸収性物品10のシャーシ100は、第1の長手方向に延びる側縁部137aと、横方向に対向し、第2の長手方向に延びる側縁部137bを含むことができる。側部縁137は両方とも、前側腰部端縁部136と後側腰部端縁部138との間に長手方向に延びていてもよい。シャーシ100は、前側腰部区域36において横方向に延びる前側腰部端縁部136の一部と、後側腰部区域38で長手方向に対向して横方向に延びる後側腰部端縁部138の一部を形成することができる。また、シャーシ100は、内面102、外面104、長手方向軸42、横方向軸44を含むことができる。長手方向軸42は、前側腰部端縁部136の中点を通じ、かつ後側腰部端縁部138の中点を通って延び、横方向軸44は、第1の側縁部137aの中点を通じ、かつ第2側縁部137bの中点を通じて延びてもよい。」
j 「[図:0001400995000008.jpg]」
k 「[図:0001400995000009.jpg]」
l 「[図:0001400995000010.jpg]」
(イ) 上記記載、特に(ア)gの表2の「2nd Inventive Array」の「3rd Package in Array」の実施形態に着目すると、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。
「ターゲット腰部幅が1220~1630mm、平均ターゲット腰部幅が1425mm、ターゲットBMI幅が38~51、平均ターゲットBMIが45、弛緩製品側部長が71mm、弛緩製品腰部幅が372mm、製品腰部-側部シルエット比が5.226である成人失禁の使い捨て式吸収性物品。」
(3) 引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
(ア) 次の引用発明の欄に記載した引用発明の各構成は、それぞれ、本件補正発明の欄に記載した本件補正発明の構成に相当する。
<引用発明> <本件補正発明>
シャーシ100 中央シャーシ
成人失禁の使い捨て式吸収性物品 吸収性物品
トップシート トップシート
バックシート バックシート
吸収性コア 吸収性コア
前側腰部領域36 前側腰部領域
前側腰部端縁部136 前側腰部縁部
後側腰部領域38 後側腰部領域
後側腰部端縁部138 後側腰部縁部
連続ベルト 前側ベルト、後側ベルト
サイドシーム サイドシーム
(イ) 引用発明の「成人失禁の使い捨て式吸収性物品」が、「前記シャーシ100は、前側腰部領域36において横方向に延びる前側腰部端縁部136の一部と、後側腰部領域38で長手方向に対向して横方向に延びる後側腰部端縁部138の一部を形成し」、「前側腰部領域36及び後側腰部領域38に備えられた連続ベルトが一対のサイドシームで接続され」た態様は、本件補正発明の「吸収性物品」が、「前側腰部領域及び前側腰部縁部と、後側腰部領域及び後側腰部縁部と、前記前側腰部領域に配設された前側ベルトと、前記後側腰部領域に配設された後側ベルトと、を備え」た態様に相当する。
(ウ) 本件補正発明の「製品臀部-側部シルエット」について、本願明細書の「「製品臀部-側部シルエット」とは、弛緩製品側部長(303)(mm)で割った弛緩製品臀部幅(301)(mm)を意味する。図6及び7を参照のこと。」(段落【0018】)との記載並びに上記(2)ア(ア)e及びjの記載を勘案すれば、引用発明の「製品臀部-側部シルエット比」は、本件補正発明の「製品臀部-側部シルエット」に相当するとともに、引用発明の「製品臀部-側部シルエット比が5.405」である態様は、本件補正発明の「2.3~6の製品臀部-側部シルエットを有し」ている態様に相当する。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「中央シャーシを有する吸収性物品であって、前記中央シャーシが、トップシートと、バックシートと、吸収性コアと、を備え、前記吸収性物品が、前側腰部領域及び前側腰部縁部と、後側腰部領域及び後側腰部縁部と、前記前側腰部領域に配設された前側ベルトと、前記後側腰部領域に配設された後側ベルトと、を備え、前記前側及び後側ベルトがサイドシームで接合されて、腰部開口部及び脚部開口部を形成し、前記吸収性物品が、2.3~6の製品臀部-側部シルエットを有した吸収性物品。」
【相違点1】
「製品腰部-側部シルエット」について、本件補正発明は、「2.3~6」であるとともに、「前記ターゲット消費者の体重に対する、前記製品腰部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体腰部-側部シルエットよりも大きい」のに対して、引用発明は、「弛緩製品側部長が71mm」、「弛緩製品臀部幅が384mm」である点は特定されているものの、腰部幅が不明であるため、当該比率が不明であるとともに、「前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体腰部-側部シルエット」との関係も不明な点。
【相違点2】
「製品臀部-側部シルエット」について、本件補正発明は、「ターゲット消費者の体重に対する、前記製品臀部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体臀部-側部シルエットよりも大き」いのに対して、引用発明がそのような関係を有するのか不明な点。
(4) 判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1について
引用発明と引用文献2に記載された事項とは、いずれも「ターゲット腰部幅が1220~1630mm、平均ターゲット腰部幅が1425mm、ターゲットBMI幅が38~51、平均ターゲットBMIが45、弛緩製品側部長が71mm」の「成人失禁の使い捨て式吸収性物品」である点で共通する。
そうすると、「製品腰部-側部シルエット」に相当する「製品腰部-側部シルエット比」に関して、引用発明に対し、引用文献2に記載された事項である5.226という値を採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。
また、本件補正発明の「前記ターゲット消費者の体重に対する、前記製品腰部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体腰部-側部シルエットよりも大きい」という特定事項について、当該記載がそれ自体では明確ではないものの、本願明細書の段落【0096】及び図26の記載を踏まえれば「製品腰部-側部シルエット」の値が上述した5.226であれば、「前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体腰部-側部シルエットよりも大きい」といえることが分かる。
そうすると、上述したように、引用発明における「製品腰部-側部シルエット比」の値を5.226とした際は、「前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体腰部-側部シルエット」との関係も本件補正発明と同様の関係となることが分かる。
以上のとおりであるから、引用文献2に記載された事項を参照し、引用発明において、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2について
本件補正発明の「ターゲット消費者の体重に対する、前記製品臀部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体臀部-側部シルエットよりも大き」いという特定事項について、当該記載がそれ自体では明確ではないものの、本願明細書の段落【0096】及び図10の記載を踏まえれば、「製品臀部-側部シルエット」の値が5.405であれば、「前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体臀部-側部シルエットよりも大き」いといえることが分かる。
そうすると、引用発明は「製品臀部-側部シルエット比が5.405」であるから、引用発明における「前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体臀部-側部シルエット」との関係も本件補正発明と同様の関係となり、相違点2は実質的な相違点ではない。
ウ 本件補正発明の効果について
上述した相違点1~2を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
エ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年1月11日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年4月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものを含むものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び2並びにそれらの記載事項は、上記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記第2[理由]2で検討したように、本件補正発明から、「ターゲット消費者の体重に対する、前記製品臀部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体臀部-側部シルエットよりも大きく、
前記ターゲット消費者の体重に対する、前記製品腰部-側部シルエットは、前記ターゲット消費者の体重に対する、ターゲット消費者の身体腰部-側部シルエットよりも大きい」という限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2[理由]2(3)及び(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-000426