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特許異議申立

2021-700940

無線通信装置

審判番号
2021-700940
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-113684
登録番号
6852755
請求日
2021年09月30日
審決日
2022年06月09日
公報発行日
2022年09月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ブラザー工業株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人 快友国際特許事務所
  • 【異議申立人】工藤 望
審判長/審判官
  • 審判長 中木 努
  • 審判官 廣川 浩
  • 審判官 横田 有光
分類
P1651.121-YAA(H04W) / P1651.537-YAA(H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法113条2号特許法113条4号特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第113条第2号、特許法第113条第4号、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第7項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6852755号発明「無線通信装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6852755号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-15〕、16について訂正することを認める。 特許第6852755号の請求項1ないし6、8ないし16に係る特許を維持する。 特許第6852755号の請求項7に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6852755号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし16に係る特許についての出願は、平成24年1月31日に出願された特願2012―19087号の一部を、平成28年3月9日に新たな特許出願とした特願2016-45369号の一部を、平成29年6月20日に新たな特許出願とした特願2017-120241号の一部を、平成30年7月25日に新たな特許出願とした特願2018-139677号の一部を、令和元年6月19日に新たな特許出願としたものであり、令和3年3月15日にその特許権の設定登録がされ、令和3年3月31日に特許掲載公報が発行された。 これに対し、令和3年9月30日に特許異議申立人 工藤 望(以下、「申立人」という。)により、請求項1ないし16に係る特許に対する特許異議の申立てがなされた。 その後の経緯は、次のとおりである。 令和3年12月22日付け 取消理由通知書 令和4年 3月 2日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和4年 4月21日 申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和4年3月2日に提出された訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の請求(以下、「本件訂正請求」という。)の内容は、以下のとおりである(下線は、訂正請求書の記載のとおり。)。 (1)請求項1ないし15からなる一群の請求項に係る訂正 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を子局として動作させることなく親局として動作させることを設定する動作設定部」と記載されているのを、「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための子局として動作させることなく前記第1種の接続のための親局として動作させることを設定する動作設定部」に訂正する。 (請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2ないし6、8ないし15も同様に訂正する。) イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に「前記決定部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定する、」と記載されているのを、「前記決定部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定し、」に訂正する。 (請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2ないし6、8ないし15も同様に訂正する。) ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1において、「前記決定部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定する、」と「無線通信装置。」との間に、 「前記無線通信装置は、さらに、 前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状態決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行部であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が前記第1種の接続のための親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が前記第1種の接続のための子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行部を備え、 前記第1の接続部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記状態決定通信が実行された後に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する、」という記載を追加する訂正を行う。 (請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2ないし6、8ないし15も同様に訂正する。) エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項5に「前記親局及び前記子局」と記載されているのを、「前記第1種の接続のための前記親局及び前記第1種の接続のための前記子局」に訂正する。 (請求項5の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6、8ないし15も同様に訂正する。) オ 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項6に「前記親局は、前記Wi-Fi DirectのGroup Ownerであり、前記子局は、前記Wi-Fi Directのクライアントである、」と記載されているのを、「前記第1種の接続のための前記親局は、前記Wi-Fi DirectのGroup Ownerであり、前記第1種の接続のための前記子局は、前記Wi-Fi Directのクライアン卜である、」に訂正する。 (請求項6の記載を直接的又は間接的に引用する請求項8ないし15も同様に訂正する。) カ 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 キ 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項8に「請求項7に記載の無線通信装置。」と記載されているのを、「請求項1から6のいずれか一項に記載の無線通信装置。」に訂正する。 (請求項8の記載を直接的又は間接的に引用する請求項9ないし15も同様に訂正する。) ク 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項9に「請求項1から8のいずれか一項に記載の無線通信装置。」と記載されているのを、「請求項1から6及び8のいずれか一項に記載の無線通信装置。」に訂正する。 (請求項9の記載を直接的又は間接的に引用する請求項10ないし15も同様に訂正する。) ケ 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項11に「請求項1から10のいずれか一項に記載の無線通信装置。」と記載されているのを、「請求項1から6及び8から10のいずれか一項に記載の無線通信装置。」に訂正する。 (請求項11の記載を直接的又は間接的に引用する請求項12ないし15も同様に訂正する。) コ 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項14に「請求項1から13のいずれか一項に記載の無線通信装置。」と記載されているのを、「請求項1から6及び8から13のいずれか一項に記載の無線通信装置。」に訂正する。 (請求項14の記載を直接的に引用する請求項15も同様に訂正する。) サ 訂正事項11 特許請求の範囲の請求項15に「請求項1から14のいずれか一項に記載の無線通信装置。」と記載されているのを、「請求項1から6及び8から14のいずれか一項に記載の無線通信装置。」に訂正する。 (2)請求項16に係る訂正 ア 訂正事項12 特許請求の範囲の請求項16に「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を子局として動作させることなく親局として動作させることを設定する動作設定処理」と記載されているのを、「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための子局として動作させることなく前記第1種の接続のための親局として動作させることを設定する動作設定処理」に訂正する。 イ 訂正事項13 特許請求の範囲の請求項16に「前記決定処理は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定する、」と記載されているのを、「前記決定処理は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線涌信装置を前記第1種の接続のための前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定し、」に訂正する。 ウ 訂正事項14 特許請求の範囲の請求項16において、「前記決定処理は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定する、」と「コンピュータプログラム。」との間に、 「前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、さらに、 前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状熊決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行処理であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が前記第1種の接続のための親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が前記第1種の接続のための子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行処理を実行させ、 前記第1の接続処理は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記状態決定通信が実行された後に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する、」という記載を追加する訂正を行なう。 2 一群の請求項、訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (1)請求項1ないし15からなる一群の請求項に係る訂正について ア 一群の請求項について 本件訂正前の請求項2ないし15は、本件訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用したものであり、訂正事項1ないし3に係る訂正によって記載が訂正される請求項1と連動して訂正されるものである。したがって、請求項1ないし15は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 イ 訂正事項1について (ア)訂正の目的 訂正事項1は、本件訂正前の「親局」、「子局」を、それぞれ「前記第1種の接続のための親局」、「前記第1種の接続のための子局」であることに限定している。したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 明細書の段落【0100】には「本実施例では、図3のWFD接続処理の代わりに、図6のWFD接続処理が実行される。図6のS40~S44は、図3のS40~S44と同様である。S40でYESの場合、S61において、第1の接続部30は、プリンタ10を自律G/Oモードに設定する。自律G/Oモードは、G/O状態で動作することをプリンタ10に維持させるモードである。従って、S60の段階ではWFD接続が確立されていないが、プリンタ10は、G/O状態に設定されている。」との記載、段落【0101】には「S60でプリンタ10が自律G/Oモードに設定されると、プリンタ10は、G/Oネゴシエーションを実行しない。」との記載がある。 ここで、段落【0099】には「WFD接続、非WFD接続が、それぞれ、「第1種の接続」、「第2種の接続」の一例である。」との記載があり、当該記載によれば、「WFD接続」が「第1種の接続」である。そして、図6はWFD接続処理を表しているから、第1種の接続のための動作を表しているといえる。また段落【0099】には「G/O状態、クライアント状態が、それぞれ、「親局状態」、「子局状態」の一例である。」との記載があり、当該記載によれば、上記段落【0100】の「G/O状態で動作」させることは「親局」として動作させることであって、「子局」として動作させないことは明らかである。 また、段落【0064】の「S40でYESの場合(非WFD接続が現在確立されている場合)」との記載を考慮すれば、段落【0100】の「S40でYESの場合、S61において、第1の接続部30は、プリンタ10を自律G/Oモードに設定する。自律G/Oモードは、G/O状態で動作することをプリンタ10に維持させるモードである。」との記載は、非WFD接続が現在確立されている場合に、プリンタ10をG/O状態で動作することを維持させることを表している。そして、「非WFD接続」について、段落【0020】の「プリンタ10は、AP4との接続(以下では「非WFD接続」と呼ぶ)を確立可能であり、これにより、非WFDネットワークが構築される。」との記載を考慮すれば、「非WFD接続」は「AP」、すなわちアクセスポイントとの接続を表している。以上のことから、段落【0100】及び図6には、アクセスポイントとの第2の接続が確立されている場合に、プリンタをG/O状態で動作することを維持させることが記載されている。 さらに、段落【0100】の「本実施例では、図3のWFD接続処理の代わりに、図6のWFD接続処理が実行される。」との記載は、段落【0043】の「ユーザが予め決められているWFD接続指示を操作部12に入力する場合に、制御部20は、図3のWFD接続処理を開始する。」との記載を考慮すれば、図6のフローは、WFD接続指示を操作部に入力される場合に開始されることは明らかである。 そうすると、段落【0100】、及び図6において、S40でYESの場合に、S61で「第1の接続部30は、プリンタ10を自律G/Oモードに設定する。」ことは、プリンタ10を、「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、」訂正事項1である「第1種の接続のための子局」として動作させることなく、「第1種の接続のための親局」として動作させることに設定することに対応するといえる。 したがって、訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項1は、「親局」、「子局」を、それぞれ「前記第1種の接続のための親局」、「前記第1種の接続のための子局」であることに限定することで、特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 ウ 訂正事項2について (ア)訂正の目的 訂正事項2は、本件訂正前の「前記親局」を、「前記第1種の接続のための前記親局」であることに限定している。また本件訂正前の「決定する、」と「決定し、」と訂正することは、訂正事項3に係る訂正に伴い、付加される発明特定事項との接続関係を明瞭にしている。したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び同第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 上記「イ」の「(イ)」で検討したことと同様に、段落【0100】、及び図6において、S40でYESの場合に、S61の「第1の接続部30は、プリンタ10を自律G/Oモードに設定する。」ことは、「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、」プリンタ10を、訂正事項2である「第1種の接続のための親局」として動作させることに設定することに対応するといえる。 また、本件訂正前の「決定する、」を「決定し、」とすることは、表現上の違いのみであって、新規事項を追加するものでないことは明らかである。 したがって、訂正事項2は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項2は、本件訂正前の「親局」を、「前記第1種の接続のための親局」であることに限定することで、特許請求の範囲を減縮するものであり、また「決定する、」を「決定し、」とすることは、付加される発明特定事項との接続関係を明瞭にするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 エ 訂正事項3について (ア)訂正の目的 訂正事項3は、本件訂正前の「無線通信装置」が「さらに、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状態決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行部であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が前記第1種の接続のための親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が前記第1種の接続のための子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行部を備え、」ることを、直列的に付加することで、本件訂正前の無線通信装置を限定している。また本件訂正前の「第1の接続部」が「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記状態決定通信が実行された後に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する、」ことを限定している。したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 明細書の段落【0100】には「図6のWFD接続処理が実行される。図6のS40~S44は、図3のS40~S44と同様である。」との記載、段落【0043】には「図3を参照して、デバイス状態のプリンタ10によって実行されるWFD接続処理の内容を説明する。ユーザが予め決められているWFD接続指示を操作部12に入力する場合に、制御部20は、図3のWFD接続処理を開始する。」との記載、段落【0044】には「S40では、第1の接続部30は、プリンタ10とAP4との間に非WFD接続が確立されているのか否かを判断する。・・・(中略)・・・非WFD接続が確立されていない場合(S40でNOの場合)には、S42に進む。」との記載、段落【0047】には「S42では、第1の接続部30は、G/Oネゴシエーションを実行して、プリンタ10及び携帯端末8のうちの一方の機器をG/Oとして決定し、プリンタ10及び携帯端末8のうちの他方の機器をクライアントとして決定する。具体的に言うと、第1の接続部30は、まず、メモリ24に保存されているプリンタ10のIntent値を、携帯端末8に送信する。また、第1の接続部30は、携帯端末8に保存されている携帯端末8のIntent値を、携帯端末8から受信する。」との記載、段落【0050】には「S42では、第1の接続部30は、さらに、プリンタ10のIntent値と、携帯端末8のIntent値と、を比較して、G/O及びクライアントを決定する。」との記載、段落【0052】には「S42のG/Oネゴシエーションが終了すると、S44に進む。」との記載、及び段落【0056】には「S44では、さらに、第1の接続部30は、WPS(Wi-Fi Protected Setup)ネゴシエーションを実行して、携帯端末8とのWFD接続を確立する。」との記載がある。 ここで、段落【0023】には「制御部20は、無線インターフェイス18を利用して、WFDに従った無線通信機能と通常の無線通信機能との両方を同時的に実行し得る。」との記載がある。また、段落【0002】の「一対の機器の間でWFDに従った接続が確立されるべき場合に、一対の機器のそれぞれは、G/Oネゴシエーションを実行して、G/O及びクライアントのどちらで動作すべきかを決定する。」との記載から、「G/Oネゴシエーション」はWFDに従った無線通信機能の一部といえる。そうすると、「G/Oネゴシエーション」は「無線インターフェイス」を利用して行われるものといえる。また、段落【0099】には「G/O状態、クライアント状態が、それぞれ、「親局状態」、「子局状態」の一例である。」、及び「WFD接続、非WFD接続が、それぞれ、「第1種の接続」、「第2種の接続」の一例である。」との記載があり、当該記載によれば、「G/O」は訂正事項3の「第1種の接続のための親局」、「クライアント」は訂正事項3の「第1種の接続のための子局」に対応する。さらに、段落【0099】には「WFD接続、非WFD接続が、それぞれ、「第1種の接続」、「第2種の接続」の一例である。」との記載、段落【0019】には「アクセスポイント(以下では「AP」と呼ぶ)」及び「プリンタ10は、携帯端末8とのWFD接続を確立可能」との記載、段落【0020】には「AP4との接続(以下では「非WFD接続」と呼ぶ)」との記載があり、当該記載によれば、「WFD接続」が「携帯端末」との「第1種の接続」であり、「非WFD接続」が「アクセスポイント」との「第2種の接続」であることは明らかである。また、上記段落【0099】には「G/Oネゴシエーションが、「状態決定処理」の一例である。」との記載があり、当該記載によれば、「G/Oネゴシエーション」が「状態決定処理」であり、段落【0047】に記載された「G/Oネゴシエーション」で行われる「Intent値」の送信、受信が、訂正事項3の「状態決定通信」に対応し、「G/Oネゴシエーション」を実行する「第1の接続部」が、訂正事項3の「状態決定通信実行部」に対応するといえる。 そうすると、上記明細書の段落【0043】、【0044】、【0047】、【0050】、【0052】、及び【0056】の記載における、ユーザがWFD接続指示を操作部12に入力し、S40にて第1の接続部30がプリンタ10とAP4との間に非WFD接続が確立されていない場合に、S42にて第1の接続部30は、無線インターフェース18を利用してG/Oネゴシエーションを実行して、プリンタ10のIntent値を携帯端末8に送信し、携帯端末8のIntent値を携帯端末8から受信し、プリンタ10及び携帯端末8のうちの一方の機器をG/Oとして決定し、プリンタ10及び携帯端末8のうちの他方の機器をクライアントとして決定し、G/Oネゴシエーションが終了すると、S44にて第1の接続部30は、携帯端末8とのWFD接続を確立することは、訂正事項3である「前記無線通信装置は、さらに、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状態決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行部であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が前記第1種の接続のための親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が前記第1種の接続のための子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行部を備え、前記第1の接続部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記状態決定通信が実行された後に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する、」ことに対応する。 したがって、訂正事項3は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項3は、「無線通信装置」が「さらに、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状態決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行部であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が前記第1種の接続のための親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が前記第1種の接続のための子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行部を備え、」ること、「第1の接続部」が「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記状態決定通信が実行された後に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する、」ことを限定することで、特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 オ 訂正事項4 (ア)訂正の目的 訂正事項4は、訂正事項1と同様に、本件訂正前の「前記親局」、「前記子局」を、それぞれ「前記第1種の接続のための前記親局」、「前記第1種の接続のための前記子局」であることに限定している。したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 訂正事項4は、訂正事項1において、「親局」を「前記第1種の接続のための親局」と訂正し、「子局」を「前記第1種の接続のための子局」と訂正することに伴う訂正であるから、訂正事項1と同様に、訂正事項4も本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。そうすると、訂正事項4についても、上記「イ」の「(イ)」のとおり、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項4は、訂正事項1と同様に、本件訂正前の「前記親局」、「前記子局」を、それぞれ「前記第1種の接続のための前記親局」、「前記第1種の接続のための前記子局」であることに限定することで、特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 カ 訂正事項5 (ア)訂正の目的 訂正事項5は、訂正事項1と同様に、本件訂正前の「前記親局」、「前記子局」を、それぞれ「前記第1種の接続のための前記親局」、「前記第1種の接続のための前記子局」であることに限定している。したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 訂正事項5は、訂正事項1において、「親局」を「前記第1種の接続のための親局」と訂正し、「子局」を「前記第1種の接続のための子局」と訂正することに伴う訂正であるから、訂正事項1と同様に、訂正事項5も本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。そうすると、訂正事項5についても、上記「イ」の「(イ)」のとおり、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項5は、訂正事項1と同様に、本件訂正前の「前記親局」、「前記子局」を、それぞれ「前記第1種の接続のための前記親局」、「前記第1種の接続のための前記子局」であることに限定することで、特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 キ 訂正事項6 (ア)訂正の目的 訂正事項6は、本件訂正前の請求項7を削除するものである。したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 訂正事項6は、本件訂正前の請求項7を削除するものであって、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項6は、本件訂正前の請求項7を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 ク 訂正事項7 (ア)訂正の目的 訂正事項7は、本件訂正前の請求項8が請求項7を引用し、請求項7が請求項1ないし6を引用するものであったところ、訂正事項3において、本件訂正前の請求項7に記載された事項が請求項1に記載され、訂正事項6において、本件訂正前の請求項7が削除されたために、本件訂正後の請求項8で引用する請求項を、本件訂正前の請求項7が引用する請求項1ないし6を引用するものとしたものであり、本件訂正に伴う請求項の引用関係を整合させるものである。したがって、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 訂正事項7は、本件訂正前の請求項8が請求項7を引用し、請求項7が請求項1ないし6を引用するものであったところ、訂正事項3において、本件訂正前の請求項7に記載された事項が請求項1に記載され、訂正事項6において、本件訂正前の請求項7が削除されたために、本件訂正後の請求項8で引用する請求項を、本件訂正前の請求項7が引用する請求項1ないし6を引用するものとしたものであって、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項7は、本件訂正前の請求項8が請求項7を引用し、請求項7が請求項1ないし6を引用するものであったところ、訂正事項3において、本件訂正前の請求項7に記載された事項が請求項1に記載され、訂正事項6において、本件訂正前の請求項7が削除されたために、本件訂正後の請求項8で引用する請求項を、本件訂正前の請求項7が引用する請求項1ないし6を引用するものとしたものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 ケ 訂正事項8 (ア)訂正の目的 訂正事項8は、本件訂正前の請求項9が請求項1から8を引用するものであったところ、訂正事項6において、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項9で引用する請求項を請求項1ないし6及び8としたものであるから、請求項の引用関係を整合させるものであり、また引用する請求項の数を減少させるものである。したがって、訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、又は同第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 訂正事項8は、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項9で引用する請求項を請求項1ないし6及び8としたものであるから、実質的な技術的内容が変更されるものではなく、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項8は、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項9で引用する請求項を請求項1ないし6及び8としたものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 コ 訂正事項9 (ア)訂正の目的 訂正事項9は、本件訂正前の請求項11が請求項1から10を引用するものであったところ、訂正事項6において、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項11で引用する請求項を請求項1ないし6及び8ないし10としたものであるから、請求項の引用関係を整合させるものであり、また引用する請求項の数を減少させるものである。したがって、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、又は同第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 訂正事項9は、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項11で引用する請求項を請求項1ないし6及び8ないし10としたものであるから、実質的な技術的内容が変更されるものではなく、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項9は、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項11で引用する請求項を請求項1ないし6及び8ないし10としたものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 サ 訂正事項10 (ア)訂正の目的 訂正事項10は、本件訂正前の請求項14が請求項1から13を引用するものであったところ、訂正事項6において、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項14で引用する請求項を請求項1ないし6及び8ないし13としたものであるから、請求項の引用関係を整合させるものであり、また引用する請求項の数を減少させるものである。したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、又は同第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 訂正事項10は、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項14で引用する請求項を請求項1ないし6及び8ないし13としたものであるから、実質的な技術的内容が変更されるものではなく、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項10は、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項14で引用する請求項を請求項1ないし6及び8ないし13としたものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 シ 訂正事項11 (ア)訂正の目的 訂正事項11は、本件訂正前の請求項15が請求項1から14を引用するものであったところ、訂正事項6において、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項15で引用する請求項を請求項1ないし6及び8ないし14としたものであるから、請求項の引用関係を整合させるものであり、また引用する請求項の数を減少させるものである。したがって、訂正事項11は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、又は同第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること) 訂正事項11は、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項15で引用する請求項を請求項1ないし6及び8ないし14としたものであるから、実質的な技術的内容が変更されるものではなく、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかである。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 (ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、また変更する訂正ではないこと) 訂正事項11は、本件訂正前の請求項7が削除されたことに伴い、本件訂正後の請求項15で引用する請求項を請求項1ないし6及び8ないし14としたものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。したがって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合する。 (2)請求項16に係る訂正について 本件訂正前の請求項16に係る発明は、本件訂正前の請求項1に係る無線通信装置の発明を無線通信装置のためのコンピュータプログラムの発明として表現したものであり、訂正事項12ないし14は、訂正事項1ないし3と同様の訂正事項である。 したがって、上記「(1)」の「イ」ないし「エ」で説示したことと同様に、訂正事項12及び14は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正事項13は特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び同第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、上記「(1)」の「イ」ないし「エ」で説示したことと同様に、訂正事項12ないし14は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 さらに、上記「(1)」の「イ」ないし「エ」で説示したことと同様に、訂正事項12ないし14は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 3 独立特許要件(特許出願の際に独立して特許を受けることができることについて) 本件訂正請求においては、本件訂正前の請求項1ないし16について特許異議の申立てがされているので、訂正事項1ないし6、8ないし14に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の規定(独立特許要件)は課されない。 4 小活 以上のとおり、請求項1ないし15からなる一群の請求項、及び請求項16についての訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし15〕、16について訂正することを認める。 第3 本件訂正後の本件発明 上記「第2」のとおり本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1ないし16に係る発明(以下「本件発明1」ないし「本件発明16」という。)は、本件訂正請求の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし16に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(下線部は、訂正箇所である。)。 「【請求項1】 無線通信装置であって、 操作部と、 第1種の接続で利用されるべきMACアドレスと、第2種の接続で利用されるべきMACアドレスと、の両方が割り当てられている物理的に1個のインターフェースと、 前記操作部を介して、前記第1種の接続を確立するための第1の指示が入力される場合に、複数個の無線チャネルのうちの第1の無線チャネルを利用することを決定する決定部と、 前記決定部によって決定された前記第1の無線チャネルを利用して、前記インターフェースを介して、特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する第1の接続部と、 前記操作部を介して、前記第2種の接続を確立するための第2の指示が入力される場合に、前記複数個の無線チャネルのうちの第2の無線チャネルを利用して、前記インターフェースを介して、前記特定デバイスとは異なるアクセスポイントとの前記第2種の接続を確立する第2の接続部と、 前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための子局として動作させることなく前記第1種の接続のための親局として動作させることを設定する動作設定部と、を備え、 前記決定部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定し、 前記無線通信装置は、さらに、 前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状態決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行部であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が前記第1種の接続のための親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が前記第1種の接続のための子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行部を備え、 前記第1の接続部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記状態決定通信が実行された後に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する、無線通信装置。 【請求項2】 前記第2の接続部は、前記アクセスポイントから受信された前記第2の無線チャネルを利用して、アクセスポイントとの前記第2種の接続を確立する、請求項1に記載の無線通信装置。 【請求項3】 前記無線通信装置は、さらに、 前記特定デバイスとの前記第1種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第2の指示が入力される場合に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を切断する切断部を備え、 前記第2の接続部は、前記特定デバイスとの前記第1種の接続が切断された後に、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続を確立する、請求項1又は2に記載の無線通信装置。 【請求項4】 前記切断部は、 前記特定デバイスとの前記第1種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第2の指示が入力され、かつ、前記第1種の接続で利用されている前記第1の無線チャネルの値と、前記アクセスポイントから受信された前記第2の無線チャネルの値と、が一致しない場合に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を切断し、 前記特定デバイスとの前記第1種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第2の指示が入力され、かっ、前記第1種の接続で利用されている前記第1の無線チャネルの値と、前記アクセスポイントから受信された前記第2の無線チャネルの値と、が一致する場合に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を切断しない、請求項3に記載の無線通信装置。 【請求項5】 前記第1種の接続のための前記親局及び前記第1種の接続のための前記子局のそれぞれは、Wi-Fi Direct(登録商標)に準拠するものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の無線通信装置。 【請求項6】 前記第1種の接続のための前記親局は、前記Wi-Fi DirectのGroup Ownerであり、 前記第1種の接続のための前記子局は、前記Wi-Fi Directのクライアントである、請求項5に記載の無線通信装置。 【請求項7】 (削除) 【請求項8】 前記状態決定通信は、Wi-Fi Direct(登録商標)のGroup Owner Negotiationである、請求項1から6のいずれか一項に記載の無線通信装置。 【請求項9】 前記第1の接続部は、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する際に、前記決定部によって決定された前記第1の無線チャネルを利用して、前記インターフェースを介して、Wi-Fi Protected Setupネゴシェーションを実行する、請求項1から6及び8のいずれか一項に記載の無線通信装置。 【請求項10】 前記Wi-Fi Protected Setupネゴシェーションは、 前記決定部によって決定された前記第1の無線チャネルを利用して、前記インターフェースを介して、無線プロファイルを前記特定デバイスに送信することと、 前記決定部によって決定された前記第1の無線チャネル及び前記無線プロファイルを利用して、前記インターフェースを介して、前記特定デバイスとの特定の無線通信を実行することと、 を含み、 前記特定の無線通信は、Authentication Request、Authentication Response、Association Request、Association Response、及び、4way Handshakeのうちの少なくとも一つの無線通信を含む、請求項9に記載の無線通信装置。 【請求項11】 前記無線通信装置は、さらに、 前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立することに応じて、前記特定デバイスの識別情報を管理リストに追加する管理制御部を備える、請求項1から6及び8から10のいずれか一項に記載の無線通信装置。 【請求項12】 前記無線通信装置は、前記特定デバイスの前記識別情報が前記管理リストに追加された後に、前記特定デバイスと前記管理リストに登録されている他の機器との間の無線通信を中継する、請求項11に記載の無線通信装置。 【請求項13】 前記識別情報は、MACアドレスである、請求項11又は12に記載の無線通信装置。 【請求項14】 前記第2種の接続は、IEEE802.11に準拠する無線通信を実行するための無線接続である、請求項1から6及び8から13のいずれか一項に記載の無線通信装置。 【請求項15】 前記第1種の接続は、Wi-Fi Direct(登録商標)に準拠する無線通信を実行するための無線接続である、請求項1から6及び8から14のいずれか一項に記載の無線通信装置。 【請求項16】 無線通信装置のためのコンピュータプログラムであって、 前記無線通信装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、 前記無線通信装置の操作部を介して、前記第1種の接続を確立するための第1の指示が入力される場合に、複数個の無線チャネルのうちの第1の無線チャネルを利用することを決定する決定処理と、 前記決定処理によって決定された前記第1の無線チャネルを利用して、前記無線通信装置のインターフェースを介して、特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する第1の接続処理であって、前記インターフェースは、前記第1種の接続で利用されるべきMACアドレスと、第2種の接続で利用されるべきMACアドレスと、の両方が割り当てられている物理的に1個のインターフェースである、前記第1の接続処理と、 前記操作部を介して、前記第2種の接続を確立するための第2の指示が入力される場合に、前記複数個の無線チャネルのうちの第2の無線チャネルを利用して、前記インターフェースを介して、前記特定デバイスとは異なるアクセスポイントとの前記第2種の接続を確立する第2の接続処理と、 前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための子局として動作させることなく前記第1種の接続のための親局として動作させることを設定する動作設定処理と、を実行させ、 前記決定処理は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定し、 前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、さらに、 前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状態決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行処理であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が前記第1種の接続のための親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が前記第1種の接続のための子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行処理を実行させ、 前記第1の接続処理は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記状態決定通信が実行された後に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する、コンピュータプログラム。」 第4 取消理由通知書に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 本件訂正前の本件特許の請求項1ないし16に係る発明に対して、当審が令和3年12月22日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 理由1(進歩性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。(特許法第113条第2号) 理由2(サポート要件)本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。(特許法第113条第4号) 理由3(明確性)本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。(特許法第113条第4号) 記 (引用例等については引用例等一覧参照) <理由1(進歩性)について> (1)請求項1及び16に対して、 甲第1号証、甲第2号証及び甲第11号証 (2)請求項2に対して、 (甲第1号証、甲第2号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第6号証及び甲第11号証) (3)請求項3及び4に対して、 (甲第1号証、甲第2号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第6号証及び甲第11号証) (4)請求項5及び6に対して、 (甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証及び甲第11号証) (5)請求項9に対して、 (甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第7号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証、甲第8号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証ないし甲第8号証及び甲第11号証) (6)請求項10に対して、 (甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第7号証及び甲第11号証) (7)請求項11ないし13に対して、 (甲第1号証、甲第2号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第6号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第7号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証ないし甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証ないし甲第9号証及び甲第11号証) (8)請求項14に対して、 (甲第1号証、甲第2号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第6号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第7号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証、甲第8号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証ないし甲第8号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第6号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第7号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証ないし甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証ないし甲第9号証及び甲第11号証) (9)請求項15に対して、 (甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第7号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証、甲第8号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証ないし甲第8号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証、甲第7号証、甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第7号証ないし甲第9号証及び甲第11号証) 又は(甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証、甲第6号証ないし甲第9号証及び甲第11号証) <理由2(サポート要件)、理由3(明確性)について> ・請求項1ないし16に対して、 請求項1の第7段落には「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を子局として動作させることなく親局として動作させること」との記載があるが、「無線通信装置を子局として動作させることなく」との記載が「第1種の接続」に関する動作であるのか、「第2種の接続」に関する動作であるのか、「第1種の接続」及び「第2種の接続」の両方に関する動作であるのか、又はそれ以外の接続に関する動作であるのか、明確でない。 よって、請求項1に係る発明は明確でない。(明確性) また、上記「無線通信装置を子局として動作させることなく」との記載が「第1種の接続」に関する動作である場合、「第1種の接続」及び「第2種の接続」の両方に関する動作である場合、又はそれ以外の接続に関する動作である場合において、上記請求項1の第7段落の記載が、発明の詳細な説明におけるどの記載に対応するものであるのか、明確でない。 よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。(サポート要件) 当該請求項1を引用する請求項2ないし15に係る発明、同様の記載を有する請求項16に係る発明についても、同様の記載不備がある。(明確性、サポート要件) したがって、請求項1ないし16に係る発明は明確でなく、発明の詳細な説明に記載したものではない。 <甲号証一覧> 甲第1号証.特開2012-19487号公報 甲第2号証.特開2012-9964号公報(周知技術を示す文献) 甲第4号証.Wi-Fi Peer-to-Peer(P2P) Technical Specification Version 1.1、Wi-Fi Alliance、平成22年 甲第6号証.特開2011-124980号公報(周知技術を示す文献) 甲第7号証.特開2009-112005号公報(周知技術を示す文献) 甲第8号証.特開2011-124960号公報(周知技術を示す文献) 甲第9号証.特開2007-201782号公報(周知技術を示す文献) 甲第11号証.米国特許出願公開第2008/0194201号明細書(周知技術を示す文献) 2 甲号証の記載事項、及び甲号証発明 (1)甲第1号証について 取消理由で引用された甲第1号証(特開2012-19487号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている(なお、下線は当審で付与した。)。 ア 「【0002】 近年、IEEE802.11仕様に準拠した、無線LAN用のインタフェースを備える無線機器が数多く製品化され、無線LANが広く利用されるようになっている。無線LANでは、通信を中継する無線アクセスポイントを利用することにより、機器間で通信を行ったり、各機器からインターネットへアクセスしたりすることができる。一般に、このような通信形態はインフラモード接続と呼ばれている。 ・・・(中略)・・・ 【0005】 このように、最近ではインフラモード接続においてもアドホックモード接続においても、ネットワーク参加者として動作する役割と、ネットワーク作成者として動作する役割の両方が存在する。」 イ 「【0013】 一方で、プリンタ101等の機器に搭載される無線LAN用のインタフェースは、通常、アンテナが1つのみ配されており、また、物理的なインタフェースの個数も1つのみであることが多い。このため、上述のような複数の機器とのネットワーク接続を同時にサポートする場合、ネットワーク接続する機器ごとにチャネルが異なっていると、チャネルの切り替え処理を行う必要が生じてしまう。」 ウ 「【0022】 [第1の実施形態] <1.システムの構成> 本発明の第1の実施形態に係る通信装置(無線LAN用のインタフェース)が搭載されたプリンタ101がネットワーク接続されるシステムの構成は図1に示す通りである。なお、図1に示す各機器の詳細、並びに、各機器とのネットワーク接続の詳細については、既に説明済みであるため、ここでは説明を省略する。 【0023】 <2.プリンタの機能構成> 次に、プリンタ101の機能構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置(無線LAN用のインタフェース)が搭載されたプリンタ101の機能構成図である。 【0024】 図2において、操作部210は、プリンタ101に対するユーザの各種指示を受け付ける機能を備えており、システムコントローラ211を介してCPU215と接続されている。 ・・・(中略)・・・ 【0027】 無線通信機能部204は、無線通信を行う機能として、無線の規格となるパケットのフレーミング、データに対する応答処理、データの暗号/復号処理などを行う機能を備えている。また、RF部205は、他の機器が備える無線通信機能部との間で無線信号の送受信を行う機能を備えている。RF部205と無線通信機能部204は1つのブロック(無線LAN用インタフェース)として実現されてもよい。 ・・・(中略)・・・ 【0029】 また、本発明は、RF部が1つのみ配されていることを前提としているが、RF部が複数配されている場合であっても、各RF部が同一のチャネルで動作する限りにおいては、本発明を適用することが可能である。」 エ 「【0031】 <3.テーブルの構成> 次に、図1に示す各ネットワーク接続における、通信形態及び優先度が規定されたテーブルについて説明する。図3は、図1に示す各ネットワーク接続についての、通信形態及び優先度が規定されたテーブルであり、プリンタ101のフラッシュROM214に格納されているものとする。 【0032】 図3において、301はプリンタ101と各機器とのネットワーク接続についての「優先度」を規定する。302は、各ネットワーク接続における通信に用いられる、「ESSID」を規定する。303は、各ネットワーク接続における「ネットワークタイプ」(通信形態)を規定している。304は各ネットワーク接続におけるプリンタ101の動作モードを規定している。305は、各ネットワーク接続におけるプリンタ101の役割を規定している。なお、306はプリンタ101とネットワーク接続される各機器を規定している。 【0033】 図3に示すように、図1に示すシステムにおいて、優先度のもっとも高いネットワーク接続は、プリンタ101とアクセスポイント102との接続である。なお、プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続において、プリンタ101は、端末モードで動作し、アクセスポイント102にインフラモードにより接続する(ESSID=Infra1)。 【0034】 また、優先度“2”のネットワーク接続は、プリンタ101とデジタルカメラ104との接続である。なお、プリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続において、プリンタ101はアクセスポイントモードで動作し、端末モードとして動作するデジタルカメラ104とは、インフラモードにより接続する(ESSID=Infra2)。 【0035】 また、優先度“3”のネットワーク接続は、プリンタ101と携帯端末105との接続である。なお、プリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続において、プリンタ101は、ネットワークの作成者の役割で動作し、携帯端末105とは、アドホックモードにより接続する(ESSID=Adhoc1)。」 オ 「【0040】 ステップS401においてネットワークの接続要求が発行されると、ステップS402では、ステップS401にて要求されたネットワーク接続の優先度“n”と比較して優先度の高いネットワーク接続の有無を、図3を参照しながら判定する。 【0041】 例えば、要求されたネットワーク接続が、プリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続であったとする。この場合、当該ネットワーク接続の優先度は“2”である。そして、当該優先度と比較して優先度の高いネットワーク接続として、優先度が“1”のネットワーク接続が既に存在しているか否かを判定し、存在していると判定された場合には、ステップS403に進む。一方、優先度が“1”のネットワーク接続がその時点で存在していないと判定された場合には、ステップS406に進む。 【0042】 ステップS406では、プリンタ101がネットワーク参加者として動作する場合には、所定のチャネル(ネットワーク作成者が規定するチャネル)を利用して接続する。また、ネットワーク作成者として動作する場合には、所定のチャネルもしくは空きチャネルを利用してネットワークを生成する。 【0043】 図3の例では、優先度“1”、ESSIDがInfra1のネットワークに接続する。これによって、プリンタ101はアクセスポイント102と接続して、PC103と通信することができるようになる。なお、ここでは、チャネル“7”で接続されたものとする。 【0044】 一方、ステップS403では、要求されたネットワーク接続において、プリンタ101がネットワーク作成者として動作するか否かを判定する。具体的には、要求されたネットワーク接続が、インフラモード接続の場合には、アクセスポイントとして起動するのか、端末モードで起動するのかが、ユーザによって指定されるため、ここでは、いずれのモードが指定されたかを判定する。 【0045】 ステップS403においてネットワーク作成者として動作すると判定された場合には、ステップS404に進む。具体的には、インフラモード接続において、アクセスポイントとして起動することをユーザが指定した場合には、ステップS404に進む。 【0046】 ステップS404では、要求されたネットワーク接続の優先度“n”と比較して優先度の高いネットワーク接続において既に利用されているチャネルと同じチャネルでネットワークを作成することができるか否かを判定する。具体的には、ネットワークをスキャンし、その結果、例えば、1つのチャネルに既に多くのネットワークが存在していることが確認された場合には、同じチャネルでネットワークを作成することができないと判定する。あるいは、プリンタ101が作成したネットワークの数が、所定の数(閾値)を超えているかを判断し、超えている場合には、同じチャネルでネットワークを作成することができないと判定する。 【0047】 ステップS404において、同じチャネルでネットワークを作成することができないと判定された場合には、ステップS410に進み、ネットワーク接続に失敗した旨(エラー)を出力する。一方、ステップS404において、同じチャネルでネットワークを作成することができると判定された場合には、ステップS405に進む。ステップS405では、要求されたネットワーク接続の優先度“n”と比較して優先度の高いネットワークにおいて既に利用されているチャネルと同じチャネルでネットワークを作成する。 【0048】 例えば、要求されたネットワーク接続が、プリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続であったとすると、当該ネットワーク接続の優先度は“2”であり、アクセスポイントモードして動作することから、ステップS405に進む。このとき、既に、優先度“2”と比較して優先度の高いネットワーク接続(優先度“1”、ESSID=Infra1)が存在することから、当該ネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルでネットワークを作成する。これにより、プリンタ101はアクセスポイント102への接続を維持しつつ、デジタルカメラ104が接続できるネットワークを作成することができる。なお、この場合、1つのチャネルに2つのネットワークが存在することとなる。 【0049】 更に、要求されたネットワーク接続が、プリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続であったとすると、当該ネットワーク接続の優先度は“3”であり、ネットワーク作成者として動作することから、ステップS405に進む。このとき、既に、優先度“3”と比較して優先度の高いネットワーク接続(優先度“1”、ESSID=Infra1、優先度“2”、ESSID=Infra2)が存在する。このため、当該ネットワーク接続において利用されているチャネル“7”と同じチャネルでネットワークを作成する。これにより、プリンタ101はアクセスポイント102への接続を維持しつつ、デジタルカメラ104が接続できるネットワークを作成することができる。この結果、1つのチャネルに3つのネットワークが存在することとなる。」 カ 「【0095】 [他の実施形態] また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。」 キ 「【図3】 [図:0001388389000001.jpg] 」 ク 「【図4】 [図:0001388389000002.jpg] 」 甲第1号証の上記記載、及び無線通信分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 (ア)上記「ウ」の段落【0022】の「本発明の第1の実施形態に係る通信装置(無線LAN用のインタフェース)が搭載されたプリンタ101がネットワーク接続されるシステムの構成は図1に示す通りである。」との記載によれば、プリンタ101が記載されている。 (イ)上記「ウ」の段落【0023】の「図2は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置(無線LAN用のインタフェース)が搭載されたプリンタ101の機能構成図である。」との記載、及び【0024】の「図2において、操作部210は、プリンタ101に対するユーザの各種指示を受け付ける機能を備えており」との記載によれば、プリンタ101は、プリンタ101に対するユーザの各種指示を受け付ける操作部210と、無線LAN用のインタフェースを備えている。 また、上記「イ」の段落【0013】の「プリンタ101等の機器に搭載される無線LAN用のインタフェースは、通常、アンテナが1つのみ配されており、また、物理的なインタフェースの個数も1つのみであることが多い。」との記載、上記「ウ」の段落【0027】の「RF部205と無線通信機能部204は1つのブロック(無線LAN用インタフェース)として実現されてもよい。」との記載、及び段落【0029】の「本発明は、RF部が1つのみ配されていることを前提としている」との記載によれば、プリンタ101が備える無線LAN用のインタフェースは、物理的に1つの無線LAN用のインタフェースである。 以上のことから、プリンタ101は、プリンタ101に対するユーザの各種指示を受け付ける操作部210と、物理的に1つの無線LAN用のインタフェースを備えている。 (ウ)上記「エ」の段落【0031】の「図3は、図1に示す各ネットワーク接続についての、通信形態及び優先度が規定されたテーブルであり、プリンタ101のフラッシュROM214に格納されているものとする。」との記載、段落【0032】の「図3において、301はプリンタ101と各機器とのネットワーク接続についての「優先度」を規定する。302は、各ネットワーク接続における通信に用いられる、「ESSID」を規定する。303は、各ネットワーク接続における「ネットワークタイプ」(通信形態)を規定している。304は各ネットワーク接続におけるプリンタ101の動作モードを規定している。305は、各ネットワーク接続におけるプリンタ101の役割を規定している。なお、306はプリンタ101とネットワーク接続される各機器を規定している。」との記載、上記「ア」の段落【0005】の「インフラモード接続においてもアドホックモード接続においても、ネットワーク参加者として動作する役割と、ネットワーク作成者として動作する役割の両方が存在する。」との記載、上記「エ」の段落【0033】の「プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続において、プリンタ101は、端末モードで動作し、アクセスポイント102にインフラモードにより接続する(ESSID=Infra1)。」との記載、及び上記「キ」の【図3】によれば、プリンタ101は、テーブルを格納したフラッシュROM214を備え、前記テーブルには、プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続における優先度が“1”、ネットワークタイプがインフラモード、動作モードが端末モード(Joiner)、役割がネットワーク参加者であることが規定されている。 さらに、上記「エ」の段落【0034】の「優先度“2”のネットワーク接続は、プリンタ101とデジタルカメラ104との接続である。なお、プリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続において、プリンタ101はアクセスポイントモードで動作し、端末モードとして動作するデジタルカメラ104とは、インフラモードにより接続する(ESSID=Infra2)。」との記載、及び上記「キ」の【図3】によれば、テーブルには、プリンタ101とデジタルカメラ104との接続における優先度が“2”、ネットワークタイプがインフラモード、動作モードがAPモード(Creator)、役割がネットワーク作成者であることが規定されている。 加えて、上記「エ」の段落【0035】の「優先度“3”のネットワーク接続は、プリンタ101と携帯端末105との接続である。なお、プリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続において、プリンタ101は、ネットワークの作成者の役割で動作し、携帯端末105とは、アドホックモードにより接続する(ESSID=Adhoc1)。」との記載、及び上記「キ」の【図3】によれば、テーブルには、プリンタ101と携帯端末105との接続における優先度が“3”、ネットワークタイプがアドホックモード、動作モードが端末モード(Creator)、役割がネットワーク作成者であることが規定されている。 (エ)上記「オ」の段落【0043】の「優先度“1”、ESSIDがInfra1のネットワークに接続する。これによって、プリンタ101はアクセスポイント102と接続して、PC103と通信することができるようになる。なお、ここでは、チャネル“7”で接続されたものとする。」との記載は、プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続が要求された場合の動作であることは明らかである。そして、この場合の動作についての明確な記載がないため、上記「ク」の【図4】を参酌して検討する。まず、【図4】のステップS401において、プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続が要求される。続くステップS402において、プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続は優先度が“1”であるから、当該ネットワーク接続より高い優先度のネットワークは存在しないため、ステップS406に進む。ステップS406に関して、段落【0042】には「ステップS406では、プリンタ101がネットワーク参加者として動作する場合には、所定のチャネル(ネットワーク作成者が規定するチャネル)を利用して接続する。」との記載があり、また上記「(ウ)」で説示したように、テーブルには、プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続における動作モードが端末モード(Joiner)、役割がネットワーク参加者であると規定されている。これらのことから、プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続では、プリンタ101はネットワーク参加者として動作するものであって、その場合、ネットワーク作成者、すなわちアクセスポイント102が規定するチャネル“7”でネットワークに接続することで、アクセスポイント102とのネットワークを作成することは明らかである。すなわち、プリンタ101は、優先度が“1”のプリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続が要求される場合、動作モードが端末モード(Joiner)、役割がネットワーク参加者で、アクセスポイント102が規定するチャネル“7”で、アクセスポイント102とのネットワークを作成する。 (オ)上記「オ」の段落【0041】の「要求されたネットワーク接続が、プリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続であったとする。この場合、当該ネットワーク接続の優先度は“2”である。そして、当該優先度と比較して優先度の高いネットワーク接続として、優先度が“1”のネットワーク接続が既に存在しているか否かを判定し、・・・(中略)・・・優先度が“1”のネットワーク接続がその時点で存在していないと判定された場合には、ステップS406に進む。」との記載、段落【0042】の「ステップS406では、・・・(中略)・・・ネットワーク作成者として動作する場合には、所定のチャネルもしくは空きチャネルを利用してネットワークを生成する。」との記載、上記「キ」の【図3】、及び上記「ク」の【図4】のS401、S402、S406によれば、プリンタ101は、優先度が“2”のプリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在していない場合、動作モードがAPモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で空きチャネルを利用して、デジタルカメラ104とのネットワークを作成する。 (カ)上記「オ」の段落【0041】の「要求されたネットワーク接続が、プリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続であったとする。この場合、当該ネットワーク接続の優先度は“2”である。そして、当該優先度と比較して優先度の高いネットワーク接続として、優先度が“1”のネットワーク接続が既に存在しているか否かを判定し、存在していると判定された場合には、ステップS403に進む。」との記載、段落【0044】の「ステップS403では、要求されたネットワーク接続において、プリンタ101がネットワーク作成者として動作するか否かを判定する。」との記載、段落【0045】の「ステップS403においてネットワーク作成者として動作すると判定された場合には、ステップS404に進む。」との記載、段落【0046】の「ステップS404では、要求されたネットワーク接続の優先度“n”と比較して優先度の高いネットワーク接続において既に利用されているチャネルと同じチャネルでネットワークを作成することができるか否かを判定する。」との記載、段落【0047】の「ステップS404において、同じチャネルでネットワークを作成することができると判定された場合には、ステップS405に進む。ステップS405では、要求されたネットワーク接続の優先度“n”と比較して優先度の高いネットワークにおいて既に利用されているチャネルと同じチャネルでネットワークを作成する。」との記載、段落【0048】の「既に、優先度“2”と比較して優先度の高いネットワーク接続(優先度“1”、ESSID=Infra1)が存在することから、当該ネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルでネットワークを作成する。」との記載、上記「キ」の【図3】、及び上記「ク」の【図4】のS401、S402、S403、S404、S405によれば、プリンタ101は、優先度が“2”のプリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがAPモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、デジタルカメラ104とのネットワークを作成する。 (キ)上記「オ」の段落【0049】には「要求されたネットワーク接続が、プリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続であったとすると、当該ネットワーク接続の優先度は“3”であり、ネットワーク作成者として動作する」との記載があり、上記「キ」の【図3】、及び上記「ク」の【図4】の優先度が“1”のネットワーク接続が存在していない場合であるS401、S402、S406を参照すれば、プリンタ101は、優先度が“3”のプリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在していない場合、動作モードがアドホックモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で空きチャネルを利用して、携帯端末105とのネットワークを作成する。 (ク)上記「オ」の段落【0049】には「要求されたネットワーク接続が、プリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続であったとすると、当該ネットワーク接続の優先度は“3”であり、ネットワーク作成者として動作することから、ステップS405に進む。このとき、既に、優先度“3”と比較して優先度の高いネットワーク接続(優先度“1”、ESSID=Infra1、優先度“2”、ESSID=Infra2)が存在する。このため、当該ネットワーク接続において利用されているチャネル“7”と同じチャネルでネットワークを作成する。これにより、プリンタ101はアクセスポイント102への接続を維持しつつ、デジタルカメラ104が接続できるネットワークを作成することができる。」との記載があり、ここで優先度“1”のネットワーク接続において利用されているチャネル“7”は、利用されていることは明らかであること、また上記「キ」の【図3】、及び上記「ク」の【図4】を参照すれば、プリンタ101は、優先度が“3”のプリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがアドホックモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、携帯端末105とのネットワークを作成する。 したがって、上記「(ア)」ないし「(ク)」を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「プリンタ101であって、 プリンタ101に対するユーザの各種指示を受け付ける操作部210と、 物理的に1つの無線LAN用インタフェースと、 テーブルを格納したフラッシュROM214を備え、 前記テーブルには、プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続における優先度が“1”、ネットワークタイプがインフラモード、動作モードが端末モード(Joiner)、役割がネットワーク参加者であること、プリンタ101とデジタルカメラ104との接続における優先度が“2”、ネットワークタイプがインフラモード、動作モードがAPモード(Creator)、役割がネットワーク作成者であること、プリンタ101と携帯端末105との接続における優先度が“3”、ネットワークタイプがアドホックモード、動作モードが端末モード(Creator)、役割がネットワーク作成者であることが規定されており、 優先度が“1”のプリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続が要求される場合、動作モードが端末モード(Joiner)、役割がネットワーク参加者で、アクセスポイント102が規定するチャネル“7”で、アクセスポイント102とのネットワークを作成し、 優先度が“2”のプリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在していない場合、動作モードがAPモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で空きチャネルを利用して、デジタルカメラ104とのネットワークを作成し、 優先度が“2”のプリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがAPモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、デジタルカメラ104とのネットワークを作成し、 優先度が“3”のプリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在していない場合、動作モードがアドホックモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で空きチャネルを利用して、携帯端末105とのネットワークを作成し、 優先度が“3”のプリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがアドホックモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、携帯端末105とのネットワークを作成する、プリンタ101。」 (2)甲第2号証について 取消理由で引用された甲第2号証(特開2012-9964号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) ア 「【0024】 各ノートPC21a、21b、21c、31a、31bは、ネットワーク・インターフェース・カード(NIC)を搭載している。各ノートPCのNICは、仮想APおよびステーションの2つの動作ができるようにソフトウエアで仮想化されている。したがって、各ノートPCはステーションとして動作してAP20またはAP30に対する接続を維持しながら、プリンタ、プロジェクタ、カメラ、または他のノートPCといったようなWLANのNICを搭載したパーソナル機器と通信することができる。ノートPC21bは、仮想APとして動作してパーソナル機器40b、40cとの間にWLANとは異なる独自の無線ネットワークを構築している。 【0025】 以後、各ノートPC21a、21b、21c、31a、31bとAP20、30により構成される通信ネットワークをWLANといい、仮想APとして動作する各ノートPC21a、21b、21c、31a、31bと対応するパーソナル機器により構成される通信ネットワークを無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)ということにする。ただし本発明におけるWPANは、IEEE802.15に規定するBluetooth(登録商標)またはUWB(Ultra Wide Band)の通信方式とは異なり、IEEE802.11の規格に基づくWLANの通信方式を採用する。管理サーバ13の機能および各ノートPCの構成については後に説明する。 【0026】 [ノートPCの構成] 図2は、ノートPC21a、21b、21c、31a、31bに対応するノートPC100のハードウエア構成を示す概略の機能ブロック図である。ノートPC100は中央演算処理装置(CPU)101、メイン・メモリ103、ディスク・ドライブ105、液晶ディスプレイ装置(LCD)107、入出力デバイス109およびNIC111がバス115に接続されている。ディスク・ドライブ105には、オペレーティング・システム(OS)、アプリケーション・プログラム、およびデバイス・ドライバの他に本実施の形態に関わるプログラムが格納されている。NIC111には、アンテナ113が接続されている。 【0027】 NIC111はデバイス・ドライバと協働してTCP/IP階層モデルのネットワーク・インターフェース層に位置する送信機および受信機として動作する。NIC111は、バス115と無線媒体との間でフレームを双方向に転送する際のバッファ機能を含む。NIC111は、送信時にIPパケットにMACヘッダを付加してフレームを生成したり、受信時にフレームからMACヘッダを除去したりするプロトコル変換機能を含む。」 イ 「【0058】 WLANとWPANを同時に構築しているノートPC21b、21c、31aのネットワーク制御部183は、仮想AP184が使用する仮想MACアドレスとステーション186が使用する実MACアドレスを保持している。WLANだけを構築しているノートPC21a、31bのネットワーク制御部183はいまだ仮想APがイネーブルに設定されていない場合は、ステーション186が使用する実MACアドレスだけを保持している。」 ウ 「【図6】 [図:0001388389000003.jpg] 」 (3)甲第3号証について 異議申立書において申立ての証拠として挙げられた甲第3号証(国際公開第2005/034434号)には、図面ととともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) ア 「[0082] このモード設定部25は、例えば、物理的なスィッチで構成することができる。例えば、無線通信装置1本体に、AP固定モード、STA固定モード、AP/STAモードを指定するスィッチを設け、スィッチを切換えることによりモードが選択され、端末機能情報記憶部23に該選択したモードが記憶される。なお、この場合には、例えば、上記各モードの情報を図示しない他の記憶部に記憶しておき、これらモードを呼び出して、端末機能情報記憶部23記憶させればよい。 [0083] また、モードの設定に際しては、上記モード表示部24の表示画面、または、外部接続したモニタの表示画面を設定画面として利用してもよい。さらに、モード設定部25を用いた情報の変更等は、無線通信装置1が稼動中に行える構成としてもよいし、稼動中には行えない構成としておいてもよい。また、アプリケーションの設計仕様上の理由により、該アプリケーションが子局上でしか動作しないようなものである場合、こ のアプリケーションが、モード設定部25により、上記モードおよびパラメータの値を設定・変更を行う構成としてもよい。 ・・・(中略)・・・ [0085] AP(Access Point)固定モードとは、無線通信装置1を親局に設定して、動作制御を行うモードのことである。また、STA(Station)固定モードとは、無線通信装置1を子局に設定して、動作制御を行うモードのことである。さらに、AP/STA(Access Point/Station)モードとは、無線通信装置1を、親局あるいは子局の何れかの局にでも設定可能とし、設定された局として動作制御を行うモードのことである。このAP/STA(Access Point/Station)モードでは、無線通信装置は、先ず子局として起動する。 [0086] 次に、無線通信装置1の起動時の動作について、図2のフローチャートに基づいて説明する。ただし、以下の説明では、無線通信装置1が親局となる場合には、この無線通信装置が通信品質局としても機能する場合について説明する。つまり、無線通信装置1は、通信品質制御可能な親局、または、子局としてのみ機能する場合を示す。 ・・・(中略)・・・ [0091] S1において、端末機能情報記憶部23に記憶されている情報がAP固定モードの情報でないと判断された場合には、モード制御部21は、予めユーザまたはアプリケーシヨンによって通信チャネルが端末機能情報記憶部23に指定(記憶)されているか否かを判断する(S2)。 [0092] S2において、通信チャネルが指定されている場合、モード制御部21は子局機能制御部19を通じて無線通信制御部15に指令を出し、その指定された通信チャネルで のみ親局を検索する(S3)。一方、S2において、チャネルが指定されていないときは、モード制御部21は子局機能制御部19を通じて無線通信制御部15に指令を出し、 全ての通信チャネルにおいて親局を検索する(S4)。 [0093] S3およびS4の後は、親局が発見されたか否かが判断される(S5)。S5において、親局を発見した場合には、モード制御部21は子局機能制御部19を通じて無線通信制御部15に指令を出し、その親局に参加する(S6)。一方、 S5において、親局を発見できなかった場合には、モード判定部22により、端末機能情報記憶部23に記憶されている情報がSTA固定モードの情報であるか否かが判断される(S7)。 ・・・(中略)・・・ [0095] 以上の処理により、端末機能情報記憶部23に記憶されている情報が、AP固定モードの情報である場合には、指定されたチャネルまたは空きチャネルで、無線通信装置1が親局として機能する。また、端末機能情報記憶部23に記憶されている情報が、STA固定モードの情報である場合には、無線通信装置1は子局として機能する。さらに、端末機能情報記憶部23に記憶されている情報が、AP/STAモードの情報である場合には、親局がいる場合には子局として機能し、親局がいない場合には親局として機能することになる。」 イ 「[0111] ところで、上記図2に示したフローの処理の開始タイミングは、例えば、無線通信装置1の電源が投入された場合とすればよい。また、上記モード設定部25により設定・変更が完了した直後であってもよい。さらに、無線通信装置1の筐体に上記フローの処理の開始指示を与えるスタートボタンを設け、このスタートボタンを押したときにフローの処理が開始する構成としてもよい。また、モード設定部 25内に、上記スタートボタンに相当するボタンを設ける構成としてもよい。」 (4)甲第4号証について 取消理由で引用された甲第4号証(Wi-Fi Peer-to-Peer(P2P) Technical Specification Version 1.1、Wi-Fi Alliance、平成22年)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) ア 「1.4 Definitions ・・・(中略)・・・ Client: A P2P Client or a Legacy Client that is connected to a P2P Group Owner. ・・・(中略)・・・ Legacy Client: A STA that is Wi-Fi CERTIFIEDTM, but not P2P compliant. ・・・(中略)・・・ P2P Client: A P2P Device that is connected to a P2P Group Owner. ・・・(中略)・・・ P2P Device: WFA P2P certified device that is capable of acting as both a P2P Group Owner and a P2P Client. ・・・(中略)・・・ P2P Group: A set of devices consisting of one P2P Group Owner and zero or more Clients. ・・・(中略)・・・ P2P Group Owner: An “AP-like” entity that may provide and use connectivity between Clients. ・・・(中略)・・・ Provisioning: A phase of P2P Group Formation in which Credentials for the P2P Group are exchanged based on the use of Wi-Fi Simple Configuration [6]. 」(第16ページ第26行ないし第17ページ第35行) (当審仮訳:1.4 定義 ・・・(中略)・・・ クライアント:P2Pグループオーナーに接続されるP2Pクライアント又はレガシークライアント。 ・・・(中略)・・・ レガシークライアント:Wi-Fi CertifiedTMであり、P2Pに準拠しないSTA。 ・・・(中略)・・・ P2Pクライアント:P2Pグループオーナーに接続されるP2Pデバイス。 ・・・(中略)・・・ P2Pデバイス:P2PグループオーナーとP2Pクライアントの両方として機能できるWFA P2P認証デバイス。 ・・・(中略)・・・ P2Pグループ:1つのP2Pグループオーナーと0かそれ以上のクライアントから構成されるデバイスのセット。 ・・・(中略)・・・ P2Pグループオーナー:クライアント間の接続性を提供、利用できる“APのような”エンティティ。 ・・・(中略)・・・ プロヴィジョニング:Wi-Fi Simple Configurationの使用に基づいて、P2Pグループの認証情報が交換される、P2Pのグループ形成のフェーズ。) イ 「As an example, Figure 3 shows a P2P Concurrent Device that has one MAC entity operating as a WLAN-STA and the second MAC entity operating as a P2P Device. The dual MAC functionality can be provided via two separate physical MAC entities each associated with its own PHY entity, two virtual MAC entities over one PHY entity, or any other approach. Implementation of multiple MAC functionality is out of scope of this specification. 」(第21ページ第10行ないし第15行) (当審仮訳:例として、図3は、WLAN-STAとして動作する1つのMACエンティティと、P2Pデバイスとして動作する第2のMACエンティティを有するP2Pコンカレントデバイスを示す。2つのMAC機能は、それぞれが自分のPHYエンティティに関連付けられた2つの分離された物理MACエンティティ、又は1つのPHYエンティティにわたる2つの仮想MACエンティティ、その他のアプローチによって提供され得る。複数のMAC機能の実装は、この仕様書のスコープ外である。) ウ 「3.1.4 Group Formation procedure 3.1.4.1 General procedure A P2P Device may autonomously start a P2P Group by becoming a P2P Group Owner as described in §3.2.2. A P2P Device may use the Group Formation Procedure to form a new P2P Group. Group Formation is used to determine which device shall be the P2P Group Owner, exchange Credentials for the P2P Group and determine its characteristics e.g. whether it shall be a Persistent P2P Group or a Temporary P2P Group. Group Formation Procedure consists of Group Owner Negotiation and Provisioning, as described in the following sections. ・・・(中略)・・・ The P2P Group Owner is always the WSC Registrar and the selected PIN (from the display of either the P2P Client or P2P Group Owner) is indicated using Device Password ID attribute in the WSC M1/M2 messages as shown in Table 1. ・・・(中略)・・・ Group Formation begins with the Group Owner Negotiation and completes with Provisioning as described in §3.1.4.3. 」(第37ページ第1行ないし第39ページ第4行) (当審仮訳:3.1.4 グループ形成プロシージャ 3.1.4.1 一般的なプロシージャ P2Pデバイスは、3.2.2節で述べられているように、P2Pグループオーナーになることによって、自律的にP2Pグループを開始し得る。P2Pデバイスは、新しいP2Pグループを形成するために、グループ開始プロシージャを利用し得る。グループ形成は、どのデバイスが、P2Pグループオーナーになるべきかを決定すること、P2Pグループのための認証情報を交換すること、その特性、例えば、永続的なP2Pグループか、一時的なP2Pグループかといった特性を決定することのために使用される。グループ形成プロシージャは、続く節で述べられているように、グループオーナーネゴシエーション、プロヴィジョニングから構成される。 ・・・(中略)・・・ P2Pグループオーナーは、常にWSCレジストラであり、選択されたPINは(P2Pクライアント又はP2Pグループオーナーのいずれかの表示から)、表1に示されるように、WSC M1/M2メッセージ内で、デバイスパスワードIDの属性を使用して示される。 ・・・(中略)・・・ グループ形成は、3.1.4.3節で述べられているように、グループオーナーネゴシエーションで始まり、プロヴィジョニングで完了する。) エ 「3.1.4.2 Group Owner Negotiation Group Owner Negotiation is a three way frame exchange used to agree which P2P Device shall become P2P Group Owner and to agree on characteristics of the P2P Group, as illustrated in Figure 6. The details of those three frames are described in the following sections. [図:0001388389000004.jpg] Figure 6-Group Owner Negotiation message exchange」(第39ページ第5行ないし第11行) (当審仮訳:3.1.4.2 グループオーナーネゴシエーション グループオーナーネゴシエーションは、図6に図示されるように、どのP2PデバイスがP2Pグループオーナーになるべきかに合意すること、P2Pグループの特性について合意することのために使われる、3ウェイフレーム交換である。これらの3つのフレームの詳細は、続く節で述べられる。 (図の部分については省略。) 図6-グループオーナーネゴシエーションメッセージ交換) オ 「The P2P Group Owner shall serve the role as the AP with Internal Registrar. It shall only allow association by the P2P Device that it is currently in Group Formation with. Since the user has entered the WSC PIN or triggered the WSC PushButton functionality on both devices, the Registrar shall send M2 in response to M1 and shall not send M2D. The P2P Client shall serve the role as the STA Enrollee. It shall associate to the P2P Device that it is currently in Group Formation with.」(第45ページ第7行ないし第13行) (当審仮訳:P2Pグループオーナーは内部レジストラを持つAPとしての役割を提供する。現在、グループ形成中のP2Pデバイスによるアソシエーションのみを許可する。) ユーザは、WSC PINを入力、又は両方のデバイスのWSCプッシュボタン機能をトリガーすると、レジストラは、M1に応答してM2を送信し。M2Dを送信しない。P2Pクライアントは、STAエンローリーとしての役割を提供する。それは、現在、グループ形成中のP2Pデバイスにアソシエーションする。 カ 「3.2.6 Communication in a P2P Group Communication within a P2P Group shall employ WPA2-Personal security with AES-CCMP as the encryption cipher. Immediately after a successful association, the P2P Group Owner and the newly connected P2P Client shall execute the 4-way handshake, as specified in §8.5.3 of IEEE Std 802.11-2007 [1], in which the P2P Group Owner shall act as the authenticator and the P2P Client shall act as the supplicant.」(第55ページ第21行ないし第27行) (当審仮訳:3.2.6 P2Pグループ内の通信 P2Pグループ内の通信は、暗号化の暗号として、AES-CCMPを使用したWPA2-パーソナルセキュリティを使用する。アソシエーションに成功するとすぐに、P2Pグループオーナーと新しく接続されたP2Pクライアントは、IEEE802 Std 802.11-2007[1]で仕様化されたような、P2Pグループオーナーがオーセンティケイターとして動作し、P2Pクライアントがサプリカントとして動作すし、4ウェイハンドシェイクを実行する。) キ 「 [図:0001388389000005.jpg] 」(第140ページ) (当審仮訳:シナリオ2:P2Pデバイスが動作中のP2Pグループを発見する。 (図の部分については省略。) 注: 1)アクティブ、又はパッシブスキャン) 2)サービスディスカバリー(SD)のサポートはオプションである。 3)P2Pデバイスが、存在するP2Pグループに参加する時、プロヴィジョンディスカバーリーリクエストフレームを送信し、ネットワークに登録することを望んでいることを示す。 4)ダイアグラムは、すべてのメッセージパラメータを示していない。 (5)甲第5号証について 異議申立書において申立ての証拠として挙げられた甲第5号証(ANSI/IEEE Std 802.11、1999 Edition)には、図面ととともに以下の事項が記載されている。 ア 「7.2.3.9 Probe Response frame format The frame body of a management frame of subtype Probe Response contains the information shown in Table 12. 」(第48ページ下から2行目ないし1行目) (当審仮訳:7.2.3.9 プローブレスポンスフレームフォーマット) サブタイププローブレスモンスの管理フレームのボディは、表12で示される情報を含む。) イ 「 [図:0001388389000006.jpg] 」(第49ページ) (当審仮訳:表12 - プローブレスポンスフレームボディ --------------------------------- |順|情報 |注 | --------------------------------- |1|タイムスタンプ | | --------------------------------- |2|ビーコン間隔 | | --------------------------------- |3|能力情報 | | --------------------------------- |4|SSID | | --------------------------------- |5|サポートされるレート| | --------------------------------- |6|FHパラメータセット|FHパラメータセット情報要素は、周波| | | |数ホッピングPHYを使用するSTAに| | | |よって生成されるプローブレスポンスフ| | | |レーム内に存在する。 | --------------------------------- |7|DSパラメータセット|DSパラメータセットの情報要素は、直| | | |接シーケンスPHYを使用するSTAに| | | |よって生成されるプローブレスポンスフ| | | |レーム内に存在する。 | --------------------------------- |8|CFパラメータセット|CFパラメータセットの情報要素は、P| | | |CFをサポートするAPによって生成さ| | | |れるプローブレスポンスフレーム内にの| | | |み存在する。 | --------------------------------- |9|IBSSパラメータ|IBSSパラメータセットの情報要素は、| | |セット |IBSS内のSTAによって生成されるプ| | | |ローブレスポンスフレーム内にのみ存在す| | | |る |。 ---------------------------------) ウ 「7.3.2.4 DS Parameter Set element The DS Parameter Set element contains information to allow channel number identification for STAs using a direct sequence spread spectrum (DSSS) PHY. The information field contains a single parameter containing the dot11CurrentChannelNumber (see 15.4.6.2 for values). The length of the dot11CurrentChannelNumber parameter is 1 octet. See Figure 38. 」(第56ページ下から9行目ないし5行目) (当審仮訳:7.3.2.4 DSパラメータセット要素 DSパラメータセット要素は、直接拡散方式(DSSS)PHYを使用するSTAのチャネル番号識別を可能とする情報を含む。この情報フィールドは、dot11CurrentChannelNumberを含む単一のパラメータを含む(値については、15.4.6.2を参照。)。dot11CurrentChannelNumberパラメータの長さは1オクテットである。図38参照。) (6)甲第6号証について 取消理由で引用された甲第6号証(特開2011-124980号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) ア 「【0003】 また、無線LANシステムにおける利用周波数は、一般的に、親機により自律的に設定される、あるいは、ユーザにより設定される。そして、IEEE802.11で規定される無線LANシステムにおいては、子機が親機の利用周波数を検出し、検出した周波数で親機に接続することにより無線通信装置のグループが構成される。なお、子機は、親機から報知情報として送信されるビーコンにより親機の利用周波数を検出することも、ブローブリクエストおよびブローブレスポンスの送受信を行うことによって親機の利用周波数を検出することも可能である。」 イ 「【0029】 また、図1においては、親機20の一例として、親機20Cはアクセスポイント、親機20AはPC(Personal Computer)である場合を示し、子機22の一例として携帯電話(22A、22C)、携帯型音楽再生装置(22B)、および撮像装置(22D)を示したが、親機20および子機22などの無線通信装置はかかる例に限定されない。例えば、無線通信装置は、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの情報処理装置であってもよい。 【0030】 ここで、異なるグループに属する無線通信装置間で通信を行うためには、一方のグループにおける複数の無線通信装置間の接続を切断し、当該複数の無線通信装置を他方のグループの無線通信装置と接続処理を行う方法が考えられる。例えば、グループ2に属する親機20A、子機22Aおよび22Bは、図2に示したように、親機20Aと子機22Aおよび22Bとの接続を切断し、グループ1に属する親機22Cと再接続する方法が考えられる。」 (7)甲第7号証について 取消理由で引用された甲第7号証(特開2009-112005号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) 「【0005】 (他の理由のうちで)無線アクセス・ポイントを使用するホーム・ネットワークの構成処理を単純化するために、ワイファイ・アライアンスは、西暦2007年に、ワイファイ・プロテクテッド・セットアップ(「WPS」)標準を発表した。WPSは、無線ホーム・ネットワークを簡単かつセキュアに設定するためのプロトコルを規定する標準である。WPSの目標は、何れかのホーム装置を無線ネットワークに接続する処理を単純化することである。元々、標準は、「ワイファイ単純構成(Wi-Fi Simple Config)」と命名されている。更に、WPSは、他者による、認可されていないアクセスからユーザのホーム・ネットワークをホーム・ユーザがセキュアにすることを支援することを意図している。ある家の居住者が、利用に対する支払を行わずに近所の別の家のインターネット接続を利用するために、認可なしでその近所の別の家の無線ネットワークにアクセスするという問題に悩む地域もある。WPSは、「WPS Specification Version 1.0h (西暦2006年12月)」に開示されている。WPS標準に準拠する無線アクセス・ポイントは通常、その無線アクセスポイントと相互作用するよう構成することが可能な装置を、ユーザの相互の最小の操作を必要とするいくぶんか自動的なかたちで検出し、構成することができる。そうした構成後、前述の装アクセスポイント・ポイントを介してホーム・ネットワークにアクセスすることができる。」 (8)甲第8号証について 取消理由で引用された甲第8号証(特開2011-124960号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) 「【0004】 最近では、業界標準団体であるWi-Fi Allianceから通信パラメータの設定機能に関する標準規格(WPS:Wi-Fi Protected Setup)が策定されている(非特許文献1)。WPSでは、ステーション(子局)がアクセスポイント(基地局)を介して通信するインフラストラクチャモードにおける通信パラメータの自動設定方法が規定されている。」 (9)甲第9号証について 取消理由で引用された甲第9号証(特開2007-201782号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) ア 「【要約】 【課題】移動端末のGW-APからのホップ数に基づいて優先制御を行うマルチホップネットワークにおいて、簡易なメッセージ交換方法を用いて、各移動端末からGW-APまでのマルチホップ数を管理する。 【解決手段】アクセスポイント12aは、アクセスポイント12bから端末登録要求を受信すると、当該端末登録要求内の移動端末13bの識別子及びホップ数カウンタの値と、アクセスポイント12bの識別子とを自身の保持する登録端末管理リストに登録し、ホップ数カウンタの値を一増加して端末登録要求を転送する。GW-AP11は、受信した端末登録要求内の移動端末13bの識別子及びホップ数カウンタの値と、アクセスポイント12aの識別子とを自身の保持する登録端末管理リストに登録する。アクセスポイント12a及びGW-AP11はホップ数に対応した複数のキューを具備し、ホップ数の多い移動端末宛のトラフィックをより早く送信する。」 イ 「【0025】 図2において、各アクセスポイント12は、自局を経由して有線ネットワーク10にアクセスする全ての移動端末13を管理するための登録端末管理リストを具備しており、アクセスポイント12aは、端末登録要求メッセージを受信すると、移動端末の識別子とホップ数カウンタの値を抽出するとともに、当該端末登録要求メッセージを直接転送したアクセスポイント(ここではアクセスポイント12b)の識別子(例えば、MACアドレス)を転送先アクセスポイントの識別子として取得し、当該登録端末管理リストに登録する(ステップS106)。アクセスポイントのMACアドレスはMACフレームのヘッダに含まれるため、容易に取得することができる。次に、アクセスポイント12aは、ホップ数カウンタの値を一つ増加し、同様にWDSフレームを用いてGW-AP11に端末登録要求メッセージを転送する(ステップS107)。」 (10)甲第10号証について 異議申立書において申立ての証拠として挙げられた甲第10号証(特開2006-87132号)には、図面ととともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) 「【0038】 図1及び2には、典型的なWLANの一部分1が示されている。WLANは、カバレージエリア21を各々有する多数のアクセスポイント装置20を備え、これらのアクセスポイント装置は、カバレージエリアにわたり、1つ以上のクライアント装置25(例えば、ラップトップコンピュータ)との間で情報をやり取りすることができる。隣接するカバレージエリア21は重畳し、そしてエリアネットワークは、1つのクライアント装置25がローミングして、エリアネットワークから切断されずに隣接カバレージエリア21へ移動できるように構成される。 ・・・(中略)・・・ 【0040】 現在、同じアクセスポイント装置20に接続されたクライアント装置25は、アクセスコントローラ40により送信が遮られることなく、共通のアクセスポイント25を経て互いに通信することができる(図1、経路A)。このような通信は、ユニキャスト、マルチキャスト又はブロードキャスト送信により行われる。又、隣接するアクセスポイント装置20に接続されたクライアント装置25は、この場合も、アクセスコントローラ40により送信が遮られることなく、ユニキャスト、マルチキャスト又はブロードキャスト送信により互いに通信することができる(図1、経路B)。例えば、ARPブロードキャストの場合には、データパケットは、WLANに接続された全ての装置25にブロードキャストされる。データパケットは、送信者が通信の際に関心のあるIPアドレスを含む。ほとんどの装置25は、データパケットを無視する。しかしながら、ターゲット装置25は、データパケットのIPアドレスをそれ自身で確認し、そして応答を返送する。」 (11)甲第11号証について 取消理由で引用された甲第11号証(米国特許出願公開第2008/0194201号明細書)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) ア 「[0034] In one embodiment of the present invention, two logical MAC entities are introduced into a terminal provided with a single physical radio. In other words, the MAC and the MAC management layers comprise logically separate MAC entities for both the infrastructure mode and the ad-hoc mode. This may be implemented by using two MAC entities, each with a dedicated MAC address, or by using a single MAC entity and multiplexing traffic on a frame-by-frame basis depending on the addressing and knowing the membership of the IBSS. ・・・(中略)・・・ [0035] If the two MAC entities operate on different channels, there is no possibility of a collision between two MAC transmissions. However, since there is only a single radio, each MAC entity will only have part-time access to the radio. Therefore, the terminal has to be provided with a mechanism for allocating the radio resources to the two logical MAC entities.」 (当審仮訳:[0034] 本発明の一実施形態では、2つの論理MACエンティティが、単一の物理的無線を備えた端末に導入される。言い換えると、MAC層とMAC管理層は、インフラストラクチャモードとアドホックモードの両方で論理的に分離されたMACエンティティで構成される。これは、それぞれが専用のMACアドレスを有する2つのMACエンティティを用いることによって、又は1つの単一MACエンティティと、IBSSのメンバーシップのアドレスと知識に基づいてフレーム毎に多重化されたトラフィックを用いることによって実装され得る。・・・(中略)・・・ [0035] もし、2つのMACエンティティが異なるチャネル上で動作する場合、2つのMAC伝送の間で衝突の可能性はない。しかしながら、1つの単一の無線しかないため、それぞれのMACエンティティは、無線へ一部のアクセスしか持たない。それゆえ、端末は、2つの論理MACエンティティに、無線リソースを割り当てるためのメカニズムを備えなければならない。) イ 「[0040] Having informed the access point about its power save state, the terminal starts an IBSS or joins an existing IBSS (step 404). When operating in the ad-hoc mode, the terminal periodically suspends the ad-hoc operation to receive infrastructure beacons from the access point channel and to check whether the access point has buffered data for it (steps 406 to 408). Upon detecting that the access point has buffered data for it, the terminal gets ready to receive the said data. The reception of the data is discussed in connection with FIG. 5. If there is no data for the terminal, the terminal will revert back to the IBSS channel. This is discussed in connection with FIG. 6. 」 (当審仮訳:[0040] アクセスポイントに省電力状態を通知すると、端末はIBSSを開始するか、既存のIBSSに参加する(ステップ404)。アドホックモードで動作している場合、端末は、アクセスポイントチャネルからインフラストラクチャビーコンを受信し、そのアクセスポイントがそのためのデータをバッファリングしているかどうかを確認するために、アドホック動作を定期的に中断する(ステップ406ないし408)。 アクセスポイントが、そのためのバッファリングしたデータを有することを検出すると、端末はそのデータを受信する準備を行う。データの受信は、図5に関連して説明される。端末にデータがない場合、端末はIBSSチャネルに戻る。これは、図6に関連して説明される。) ウ 「[0054] In another embodiment of the invention, the infrastructure access point and the IBSS operate on the same channel, i.e. the IBSS is either established onto the channel of the access point or the terminals of the IBSS move to that channel. ・・・(中略)・・・. [0055] Using the above mechanism, the common radio resources may be shared by the two operation modes.・・・(後略)・・・」 (当審仮訳:[0054] 本発明の別の実施形態では、インフラストラクチャ アクセスポイントとIBSSは同じチャネル上で動作する。つまり、IBSSはアクセスポイントのチャネル上に確立されるか、又はIBSSの端末がそのチャネルに移動する。・・・(中略)・・・ [0055] 上記のメカニズムを使用すると、共通無線リソースを2つの動作モードで共有できる。) (12)甲第12号証について 異議申立書において申立ての証拠として挙げられた甲第12号証(守倉 正博、久保田 周治、インプレス標準教科書シリーズ 改訂版 802.11高速無線通信LAN教科書、株式会社インプレスネットビジネスカンパニー、2005年7月21日)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 ア 「3 STA(端末)がネットワークを検索する機能 802.11では、STA(端末)がネットワークを検索するための機能があります。この機能は、スキャニング(Scanning)と呼ばれており、 (1) アクティブ・スキャニング (2) パッシブ・スキャニング の2 種類の方法が規定されています。 ・・・(中略)・・・ [1] アクティブ・スキャニングによる検索方法 ・・・(中略)・・・ インフラストラクチャ・ネットワークでは、プローブ要求を正常に受信したAPは、そこに設定されているSSIDが自身のSSIDに一致するか、またはブロードキャストSSIDであった場合、それに対する応答としてブローブ要求の送信元に対してプローブ応答フレー厶を返します。アドホック・ネットワークの場合には、最後にビーコンを送信したSTAがプローブ応答を返すことになっています。 [2] パッシブ・スキャニングによる検索方法 パッシブ・スキャニングは、STAが、ビーコン(制御信号)をモニタ(監視)することにより、ネットワークを検索する方法です。バッシブ・スキャニングの場合には、STAは他の局(インフラストラクチャ・ネットワークではAP、アドホック・ネットワークではSTA)が送信するビーコンを受信し、そこに含まれる情報要素をもとに、接続するネットワークを決定します。利用可能なチャネルが複数存在する場合には、各チャネルに対して順番に検索を行います。」(第105ページ第23行ないし第106ページ第22行) イ 「2 アソシエーションとリアソシエーシヨン(接続と再接続) アソシエーション(Association、接続)は、STAがAPと接続を行うための手順であり、この処理によって、STAとAPとの対応が一意に決定されます。接続処理では、STAとAPの間でアソシエーション要求/応答フレー厶の交換が行われ、パラメータのネゴシェーション(交渉)やAID(Association ID、接続識別子)の割り当てなどが行われます。 [1] STA側の接続処理 ・・・(中略)・・・ (1) STAは認証を行ったAPに対して、アソシエーション要求フレー厶を送信します。 (2) STAは処理の結果をコード(番号)で表したステータス・コードが、"success"(成功)のアソシエーション応答フレー厶を受信した場合、接続処理が成功したと解釈します。 ・・・(中略)・・・ [2] AP側の接続処理 STAが接続する場合、APでは次の処理を行います。 (1) 認証が終了したSTAからアソシエーション要求を受信したAPは、ステータス・コードを設定したアソシエーション応答を返します。このとき、ステータス・コードが“success”の場合にはAIDを付与します。認証が済んでいないSTAから受信したアソシエーション要求に対しては、APは未認証(Deauthenticate)フレー厶を返します。 (2) アソシエーション要求に対する確認応答(ACK)を受信した場合、APは当該STAの接続が完了したものとみなします。」(第112ページ第6行ないし第113ページ第14行) (13)甲第13号証について 令和4年4月21日に提出された意見書において申立ての証拠として挙げられた甲第13号証(Wi-Fi Peer-to-Peer(P2P) Technical Specification Version 1.1、Wi-Fi Alliance、平成22年)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。また、甲第13号証は、甲第4号証と同じ証拠について、引用する箇所を追加したものであるから、甲第4号証と重複する記載については省略する。) ア 「3.1.5 P2P Invitation procedure The P2P Invitation Procedure is an optional procedure used for the following: A P2P Group Owner inviting a P2P Device to become a P2P Client in its P2P Group.」(第45ページ第25行ないし第28行) (当審仮訳:3.1.5 P2Pインビテーションプロシージャ P2Pインビテーションプロシージャは、以下のために使用されるオプションのプロシージャである。: P2Pグループオーナーは、P2Pデバイスが、P2PグループのP2Pクライアントになるように招待をする。) イ 「 [図:0001388389000007.jpg] 」(第144ページ) (当審仮訳:シナリオ5:グループオーナーであるP2PデバイスがP2Pグループに参加するようにP2Pデバイスを招待する。 (図の部分については省略) 注: 1)ダイアグラムは、すべてのメッセージパラメータを示していない。 2)NoAはGOの不在を通知するために使用され得る。) (14)甲第14号証について 令和4年4月21日に提出された意見書において申立ての証拠として挙げられた甲第14号証(特開2010-68021号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) ア 「【0023】 図8は、PBCにおける通常の接続手順を示している。図中に示す通信は全て無線通信である。図中に示すレジストラは、認証やネットワークの接続に係る設定情報の提供などの役割を行う端末である。インフラストラクチャモードでは、ほとんどの場合、ルータがレジストラとしてふるまう。また、エンローリーは、無線通信による接続時に認証を要求する端末(EAP Requestを送信する端末)である。」 イ 「【0033】 次に、図4を参照しながら、通信端末間の接続手順を説明する。以下では、接続元端末を図2のカメラ201とし、接続先端末を図2のプリンタ202として説明する。また、カメラ201とプリンタ202の構成として、図1に示した通信端末100の構成を用いて説明する。 【0034】 接続先端末たるプリンタ202において、通信コントローラ102は、定期的にビーコンを、WLANモジュール103を介してブロードキャストで送信している。このビーコンには、プリンタ202を識別する情報としてプリンタ202のMACアドレスが含まれている。接続元端末たるカメラ201の通信コントローラ102は、WLANモジュール103を介してビーコンを受信し、ビーコンに含まれるプリンタ202のMACアドレスに基づいて、プリンタ202が存在していることを認識する(ステップS101)。 【0035】 カメラ201の接続設定ボタン201-BT(接続設定ボタン101)が押されると、カメラ201の通信コントローラ102は、無線通信の接続要求を示すプローブリクエストを、WLANモジュール103を介してプリンタ202へ送信する(ステップS102)。このプローブリクエストには、PBCによる接続であることを示す情報と、カメラ201がレジストラ(認証側)で接続したいのか、エンローリー(被認証側)で接続したいのか、それともどちらでも良いのかを示す情報とが含まれている。 【0036】 プリンタ202の通信コントローラ102は、WLANモジュール103を介して、カメラ201からのプローブリクエストを受信する。続いて、通信コントローラ102は、プリンタ202における有線または無線による通信の状況と、プローブリクエストに含まれる情報とに基づいて、接続可能であるか否かを判定する(ステップS103)。この判定には、カメラ201とプリンタ202のどちらがレジストラ/エンローリーとなるべきであるのかについての判定も含まれる。この判定の詳細は後述する。 【0037】 接続可能と判定された場合、通信コントローラ102はLED104を点灯させる。これによって、ユーザは、プリンタ202の接続設定ボタン202-BT(接続設定ボタン101)を押せば接続が確立することを知ることができる。また、接続不可能と判定された場合、通信コントローラ102は特に何も行わず、そのままの状態を維持し続ける。接続可能と判定された後、接続設定ボタン202-BTが押された場合、通信コントローラ102は、プローブリクエストの応答であるプローブレスポンスを、WLANモジュール103を介してカメラ201へ送信する(ステップS104)。このプローブレスポンスには、カメラ201とプリンタ202のどちらがレジストラでどちらがエンローリーであるのかを示す情報が含まれる。図4に示す例では、プリンタ202がレジストラであり、カメラ201がエンローリーであるものとする。 【0038】 カメラ201の通信コントローラ102は、WLANモジュール103を介して、プリンタ202からのプローブレスポンスを受信する。通信コントローラ102は、プローブレスポンスに含まれる情報に基づいて、カメラ201がエンローリーになることを認識する(ステップS105)。この後、通常のWPSの接続手順と同様に、共通鍵の交換(ステップS106)、認証やIPアドレスの生成および割り当て(ステップS107)が順次行われ、接続のための設定が完了する。認証に関しては、例えば、プリンタ202の通信コントローラ102は、カメラ201から通知されたMACアドレスが、予め登録されているMACアドレスと一致するか否かを判定することにより、認証を行う。 【0039】 この後、カメラ201とプリンタ202の双方において、接続が完了したことを示すメッセージ等がLCD106に表示される(ステップS108)。」 ウ 「【0043】 図5に示す判定処理の結果として、4種類の結果(接続不可能、条件1で接続を要求する、条件2で接続を要求する、条件3で接続を要求する)が得られる。条件1は、自身がレジストラとエンローリーのどちらにもなり得ることを示している。条件2は、自身がエンローリーにはなれないがレジストラにはなれることを示している。条件3は、自身がレジストラにはなれないがエンローリーにはなれることを示している。」 エ 「【0048】 現在の接続が切断可能である場合、処理は前述したステップS208へ進む。また、現在の接続が切断不可能である場合、通信コントローラ102は自端末がレジストラ機能を有しているか否かを判定する(ステップS209)。自端末がレジストラ機能を有している場合、通信コントローラ102は条件2で接続を要求すると判定し、判定処理を終了する。また、自端末がレジストラ機能を有していない場合、通信コントローラ102は接続不可能であると判定し、判定処理を終了する。」 オ 「【0049】 次に、図6を参照しながら、プローブリクエストを受信する側の通信端末100(図4の接続先端末)が行う判定処理の手順を説明する。図6は、通信端末100が、自身の通信状況およびレジストラの機能の有無に基づいて、接続が可能であるか否かを判定する処理の手順を示している。図6に示す条件1,2,3はそれぞれ図5に示した条件1,2,3と同一である。 【0050】 プローブリクエストが受信されると、通信コントローラ102は自端末がPBCによる接続設定に対応しているか否かを判定する(ステップS301)。自端末がPBCによる接続設定に対応していない場合、通信コントローラ102は接続不可能であると判定し、判定処理を終了する。また、自端末がPBCによる接続設定に対応している場合、通信コントローラ102はWLANモジュール103が他の通信端末と接続中であるか否かを判定する(ステップS302)。 【0051】 WLANモジュール103が他の通信端末と接続中でない場合(ステップS302でNo)、通信コントローラ102は自端末がレジストラ機能を有しているか否かを判定する(ステップS303)。自端末がレジストラ機能を有している場合、通信コントローラ102は条件1で接続すると判定し、判定処理を終了する。また、自端末がレジストラ機能を有していない場合、通信コントローラ102は、条件3で接続すると判定し、判定処理を終了する。 【0052】 一方、WLANモジュール103が他の通信端末と接続中である場合(ステップS302でYes)、通信コントローラ102は、接続の種類がアドホック接続とインフラストラクチャ接続のどちらであるかを判定する(ステップS304)。接続の種類がインフラストラクチャ接続である場合(ステップS304でNo)、通信コントローラ102は接続不可能であると判定し、判定処理を終了する。また、接続の種類がアドホック接続である場合(ステップS304でYes)、通信コントローラ102は、自端末がレジストラとして接続しているか否かを判定する(ステップS305)。 【0053】 自端末がレジストラとして接続している場合(ステップS305でYes)、通信コントローラ102は現在の接続が切断可能であるか否かを判定する(ステップS306)。この判定は、予め設定されている情報の内容(通信の実行中でなければ切断してよい、常に切断してよい、切断してはいけないなど)に基づいて行われる。現在の接続が切断可能である場合、通信コントローラ102は条件1で接続すると判定し、判定処理を終了する。また、現在の接続が切断不可能である場合、通信コントローラ102は条件2で接続すると判定し、判定処理を終了する。 【0054】 また、自端末がエンローリーとして接続している場合(ステップS305でNo)、通信コントローラ102は現在の接続が切断可能であるか否かを判定する(ステップS307)。この判定は、上記と同様の情報の内容に基づいて行われる。現在の接続が切断可能である場合、処理は前述したステップS303に進む。また、現在の接続が切断不可能である場合、通信コントローラ102は接続不可能であると判定し、判定処理を終了する。 【0055】 次に、図7を参照しながら、通信端末100が行う最終的な判定処理の内容を説明する。図5および図6に示した判定処理では、判定の主体となる通信端末100が、これから接続の相手となる通信端末100の状況を考慮せずに、自身の通信の状況およびレジストラ機能の有無に基づいて、接続が可能であるか否かを判定している。この判定の結果を受けて最終的に、接続を要求する側、要求される側の双方の通信端末100の状況を考慮して、接続が可能であるか否か、およびどちらの通信端末100がレジストラ/エンローリーとなるのかが判定される。図4に示した例では、プローブレスポンスを受信した接続先端末(プリンタ202)が、この最終的な判定処理を行う。 【0056】 図7は、図5に示した判定処理で得られた接続元端末の接続条件と、図6に示した判定処理で得られた接続先端末の接続条件との組み合わせに応じて、どちらの端末がレジストラ/エンローリーになるのかを示している。図中のSは接続元端末がレジストラ(接続先端末がエンローリー)となることを示し、Dは接続先端末がレジストラ(接続元端末がエンローリー)となることを示している。また、×は接続が不可能であることを示している。 【0057】 例えば、接続元端末が条件1で接続を要求し、接続先端末は条件1で接続が可能である場合、接続元端末と接続先端末は両方ともレジストラとエンローリーのどちらにもなれる。また、接続元端末が条件2で接続を要求し、接続先端末は条件1で接続が可能である場合、接続元端末がレジストラとなり、接続先端末がエンローリーとなる。また、接続元端末が条件3で接続を要求し、接続先端末は条件1で接続が可能である場合、接続先端末がレジストラとなり、接続元端末がエンローリーとなる。その他の場合も同様である。」 (15)甲第15号証について 令和4年4月21日に提出された意見書において申立ての証拠として挙げられた甲第15号証(特開2008-300982号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) ア 「【0006】 同規格の場合、アドホックモードにおいては、最初に無線通信機能を起動した電子機器が無線通信ネットワークのBSSIDと呼ばれるネットワーク識別子を決定するよう動作する。以下、この動作を行う電子機器をクリエータと呼ぶ。 【0007】 また、2台目以降の電子機器は、同一のESSIDのビーコンを探し、ビーコンに含まれるBSSIDを用いて当該無線通信ネットワークに参加するよう動作する。以下、この動作を行う電子機器をジョイナと呼ぶ。」 イ 「【0028】 撮像装置101及び撮像装置102では、無線通信制御部212を起動すると、自らが無線通信ネットワークのクリエータ(制御装置)となって、それぞれが無線通信ネットワークを構築するよう動作する(ステップS312、S322)。このように、無線通信制御部212を起動させると同時にスキャン処理をせずにクリエータとなって動作を開始することで、起動時の時間の短縮を図ることができる。 ・・・(中略)・・・ 【0030】 図4は、スキャン処理の詳細な流れを示すフローチャートである。なお、図4に示すスキャン処理は、撮像装置101~103により、それぞれステップS313、S323、S333にて共通して実行される処理であるが、ここでは、撮像装置101によるスキャン処理(ステップS313)の場合について説明する。 【0031】 ステップS401では、Probe RequestランダムタイマT1をセットし、ステップS402においてT1のタイムアップを待つ。ステップS402において、T1のタイムアップが完了すると、ステップS403では、撮像装置101がProbe Request(探索要求)(301)を撮像装置102に送信する。 【0032】 ここで、撮像装置102は、すでにクリエータとして動作しているため、その存在を、Probe Response(302)を送信することにより、撮像装置101に報知する。 ・・・(中略)・・・ 【0034】 一方、ステップS404において、Probe Response(302)を受信したと判定された場合には、スキャン処理(ステップS313)を終了する。 【0035】 図3に戻る。スキャン処理(ステップS313)が終了すると、ステップS314では受信したProbe Response(302)に基づいて、判定処理を行う。 【0036】 図5は、判定処理(ステップS314)の詳細な流れを示すフローチャートである。なお、図5に示す判定処理は、撮像装置101~103により、それぞれステップS314、S324、S334にて共通して実行される処理であるが、ここでは、撮像装置101の判定処理(ステップS314)の場合について説明する。 【0037】 ステップS501では、Probe Response(302)より、撮像装置102のBSSID、TimeStamp、Capability Informationを取得する。 【0038】 ステップS502では、受信したProbe Response(302)にネットワークコードが入力されているか否かを判定する。ステップS502においてネットワークコードが入力されていないと判定された場合には、無線通信ネットワークが構築されていないと判断し、ステップS503に進む。ステップS503では、撮像装置101がクリエータとして動作するかジョイナ(被制御装置)として動作するかを判定する。 【0039】 ステップS503における判定は、例えば、BSSIDを条件に行うのであれば、撮像装置101のBSSIDと撮像装置102のBSSIDとを比較して、大きい方をクリエータ、小さい方をジョイナと判定する。言うまでもなく、この関係は逆であっても良い。 【0040】 なお、ステップS503における判定方法は、これに限られず、例えば、Probe Responseから得たBSSID以外の情報を用いて同様の比較を行い、クリエータとジョイナとを判定するようにしてもよい。 【0041】 一方、ステップS502においてネットワークコードが入力されていると判定された場合には、すでに無線通信ネットワークが構築されていると判断し、ステップS505に進み、クリエータ動作を停止する。 【0042】 なお、本実施形態の場合、この段階(ステップS314の段階)では2以上の撮像装置による無線通信ネットワークの構築がなされていない。このため、Vender Specific Information Elementにはネットワークコードが入力されておらず、撮像装置101がステップS502で“No”と判定され、ステップS505に進むことはない。 【0043】 一方、ステップS504では、ステップS503における判定結果が、クリエータであった場合には、そのまま判定処理を終了する。一方、ステップS503における判定結果が、クリエータでなかった場合には、ステップS505に進み、クリエータ動作を停止する。更にステップS506において、ジョイナ動作を開始する(クリエータからジョイナに切り替える)。 ・・・(中略)・・・ 【0048】 したがって、撮像装置102の場合、図5のステップS502において、ネットワークコード有りと判定され、ステップS505において、クリエータ動作を停止し、ステップS506においてジョイナ動作を開始することとなる。 【0049】 図3に戻る。撮像装置101の判定処理(ステップS314)および撮像装置102の判定処理(ステップS324)が完了することにより、撮像装置101と撮像装置102との間に無線通信ネットワーク100’が構築される。 ・・・(中略)・・・ 【0051】 続いて、撮像装置103の処理について説明する。撮像装置103の無線通信制御部212は、撮像装置101と撮像装置102との間の無線通信ネットワーク100’が構築された後、起動されるものとする(ステップS331)。 【0052】 撮像装置103についても、無線通信制御部212が起動された場合、自らが無線通信ネットワークのクリエータとなって、無線通信ネットワークを構築するよう動作する(ステップS332)。このように、無線通信制御部212を起動すると同時にスキャン処理をせずにクリエータとなって動作を開始することで、起動時の時間の短縮を図ることができる。 【0053】 次に、ステップS333において、撮像装置103の無線通信制御部212が、無線通信部204を介してスキャン処理を行い、撮像装置103の周囲に構築されている無線通信ネットワークの有無を調べる。なお、スキャン処理(ステップS333)の詳細は、図4を用いてすでに説明済みであるため、ここでは説明は省略する。 【0054】 更に、ステップS334では、判定処理を行う。判定処理(ステップS334)の詳細も、図5を用いてすでに説明済みであるため、ここでは説明は省略する。ただし、撮像装置101による判定処理(ステップS314)と異なり、ステップS315の段階において、撮像装置101が既にVender Specific Information Elementにネットワークコードを入力している。このため、ステップS501においてProbe Response(306)より抽出されるVender Specific Information Elementにはネットワークコードが入力されている。 【0055】 したがって、撮像装置103の場合、図4のステップS502において、ネットワークコード有りと判定され、ステップS505において、クリエータ動作を停止し、ステップS506においてジョイナ動作を開始することとなる。」 (16)甲第16号証について 令和4年4月21日に提出された意見書において申立ての証拠として挙げられた甲第16号証(特開2011-244151号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付与した。) ア 「【0024】 このような通信グループAにおいて、無線通信装置20Bに記憶されているコンテンツデータを無線通信装置20Aにおいて表示する場合、無線通信装置20Bがコンテンツデータの供給元となる。このため、DLNA(Digital Living Network Alliance)では、無線通信装置20BなどのPCはDMS(Digital Media Server)として、無線通信装置20Aなどの表示装置(テレビジョン装置やワイヤレスモニター)はDMR(Digital Media Renderer)としてカテゴライズされている。また、PCは、DMSとしてのみだけでなく、DMRとしてもカテゴライズされている。」 イ 「【0051】 まず、図5に示したように、新たな無線通信装置20から通信グループへの参入依頼が受信されると(S304)、無線通信装置20は、この新たな無線通信装置20を通信グループに受け入れる(S308)。このとき、新たな無線通信装置20は、例えば暫定的に子機として通信グループに参入する。 【0052】 その後、無線通信装置20は、通信グループ内の無線通信装置20のサービス情報を収集する(S312)。具体的には、無線通信装置20は、通信グループ内の各無線通信装置20から、各無線通信装置20が、例えばDMSまたはDMRなど、どの機能を利用するかを示すサービス情報を収集する。 【0053】 そして、無線通信装置20は、収集したサービス情報および自己のサービス情報に基づき、通信グループのトポロジを変更する必要があるか否かを判断する(S316)。ここで、図6を参照し、S316の判断処理を詳細に説明する。 【0054】 図6に示したように、無線通信装置20の制御部216は、最後に参入してきた新たな無線通信装置20との直接通信により、新たな無線通信装置のサービスを実現可能であるか否かを判断する(S317)。すなわち、無線通信装置20の制御部216は、新たな無線通信装置20のサービスと対になるサービスを無線通信装置20が実行可能か否かを判断する。 ・・・(中略)・・・ 【0058】 一方、S317において無線通信装置20と新たな無線通信装置20との直接通信により新たな無線通信装置20のサービスを実現可能であると判断された場合、または、S318において新たな無線通信装置20のサービスと対になるサービスを行う他の無線通信装置20が通信グループ内に存在しないと判断された場合、無線通信装置20は、図5に示したように通信グループを継続し、トポロジ構成を維持する(S320)。」 ウ 「【0068】 (第2の例) 次に、図8を参照し、本発明の実施形態により形成されるトポロジの第2の例を説明する。図8の左部に示したように、親機として動作する無線通信装置20Aと、子機として動作する無線通信装置20Bが通信グループを形成している。また、無線通信装置20AをDMR、無線通信装置20BをDMSとするサービスが実行中であり、DMSである無線通信装置20Cが通信グループへの新規参入を希望している。 【0069】 この場合、通信グループにおいて親機として動作する無線通信装置20Aは、図6に示したように、無線通信装置20Cとの直接通信により無線通信装置20Cのサービスを実現可能であるか否かを判断する(S317)。図8に示した例では、無線通信装置20Aは、DMSである無線通信装置20Cと対になるDMRであるので、無線通信装置20Aは、無線通信装置20Cとの直接通信により無線通信装置20Cのサービスを実現可能であると判断する。 【0070】 したがって、無線通信装置20Aは、図8の右図に示したように、自身が親機として動作するトポロジを維持する。このトポロジによれば、無線通信装置20Aおよび無線通信装置20Bによるサービス、無線通信装置20Cおよび無線通信装置20Aによるサービスのいずれも、中継を必要としない直接通信により実現することができる。したがって、第1の例と同様に、情報経路の簡略化、および使用リソースの削減などを図ることができる。」 第5 対比及び判断 1 取消理由1(特許法第29条第2項)について (1)本件発明1について 本件発明1と甲1発明を対比する。 ア 甲1発明の「プリンタ101」は、「無線LAN用インタフェース」を備え、「アクセスポイント102とのネットワークを作成」すること、「デジタルカメラ104とのネットワークを作成」すること、「携帯端末105とのネットワークを作成」することで「アクセスポイント102」、「デジタルカメラ104」、「携帯端末105」と通信できるものであるから、本件発明1の「無線通信装置」に含まれる。 イ 甲1発明の「操作部」は、本件発明1の「操作部」に相当する。 ウ 甲1発明の「物理的に1つの無線LAN用インタフェース」は、本件発明1の「物理的に1個のインターフェース」に含まれる。一方で、甲1発明の「物理的に1つの無線LAN用インタフェース」は、本件発明1の「第1種の接続で利用されるべきMACアドレスと、第2種の接続で利用されるべきMACアドレスと、の両方が割り当てられている」ことが特定されていない点で、本件発明1と相違する。 エ 本件発明1の「第1の接続」は「特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する」との特定事項から明らかなように、「特定デバイス」との接続である。これに対して、甲1発明は「プリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され」る場合、「デジタルカメラ104とのネットワークを作成」する、又は「プリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され」る場合、「携帯端末105とのネットワークを作成」するものである。ここで、「デジタルカメラ104」、「携帯端末105」がデバイスであることは技術常識であることを考慮すると、甲1発明の「デジタルカメラ104」又は「携帯端末105」は、本件発明1の「特定のデバイス」に含まれ、甲1発明の「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続」、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続」は、本件発明1の「第1種の接続」に含まれる。 オ 甲1発明は「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され」る場合、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され」る場合、デジタルカメラ104又は携帯端末105との間のネットワークを作成するものであって、ネットワークを作成する過程において、ネットワーク接続を確立することが技術常識であることを考慮すると、甲1発明における「ネットワーク接続」の「要求」は、「ネットワーク接続」を確立するための要求であるといえる。また、甲1発明の「操作部210」が「プリンタ101に対するユーザの各種指示を受け付ける」ものであることを考慮すると、甲1発明における「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続」の「要求」、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続」の「要求」は、「操作部210」を介して指示されることは自明である。そして、上記「イ」及び「エ」で検討したことを考慮すると、甲1発明の「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続」の「要求」、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続」の「要求」が、本件発明1の「第1種の接続を確立するための第1の指示」に含まれ、甲1発明の「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され」ること、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され」ることは、本件発明1の「前記操作部を介して、第1種の接続を確立するための第1の指示が入力される」ことに含まれる。 以上のことから、甲1発明の「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され」る場合、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され」る場合は、本件発明1の「前記操作部を介して、前記第1種の接続を確立するための第1の指示が入力される場合」に含まれる。 カ 甲1発明の「デジタルカメラ104とのネットワーク」又は「携帯端末105とのネットワーク」は、「空きチャネルを利用して」、又は「優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネル」を利用して作成されるものであり、無線LANにおいて使用されるチャネルは、無線チャネルであって、複数個存在することが技術常識である。そうすると、甲1発明の「空きチャネル」又は「優先度“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネル」は、本件発明1の「第1の無線チャネル」に含まれ、甲1発明の「空きチャネルを利用」すること、又は「優先度“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネル」を利用することは、本件発明1の「複数個の無線チャネルのうちの第1の無線チャネルを利用する」ことに含まれる。そして、甲1発明が上記「チャネル」を利用することに先立ち、利用する「チャネル」を決定すること、そして決定するための決定部を有していることは自明である。 キ 上記「エ」ないし「カ」を総合すると、甲1発明は「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され」る場合、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され」る場合、「空きチャネルを利用して」、又は「優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネル」を利用して作成するから、本件発明1と甲1発明は「前記操作部を介して、前記第1種の接続を確立するための第1の指示が入力される場合に、複数個の無線チャネルのうちの第1の無線チャネルを利用することを決定する決定部」を備える点で一致する。 ク 甲1発明の「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続」、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続」が「無線LAN用インタフェース」を介して行われること、また甲1発明が、当該ネットワーク接続を確立するための接続部を備えることは明らかであり、当該接続部を「第1の接続部」と呼称することは任意である。 ケ 上記「エ」ないし「ク」を考慮すると、本件発明1と甲1発明は「前記決定部によって決定された前記第1の無線チャネルを利用して、前記インターフェースを介して、特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する第1の接続部」を備える点で一致する。 コ 本件発明1の「第2の接続」は「前記特定デバイスとは異なるアクセスポイントとの前記第2種の接続を確立する」との特定事項から明らかなように、特定デバイスとは異なる「アクセスポイント」との接続である。これに対して、甲1発明は「プリンタ101とアクセスポイント102との間のネットワーク接続が要求される場合」、「アクセスポイント102とのネットワークを作成」するものである。そうすると、甲1発明の「デジタルカメラ104」、「携帯端末105」とは異なる「アクセスポイント102」は、本件発明1の「前記特定デバイスとは異なるアクセスポイント」に相当し、甲1発明の「アクセスポイント102との間のネットワーク接続」は、本件発明1の「第2種の接続」に相当する。 サ 甲1発明は「アクセスポイント102との間のネットワーク接続が要求される場合」、アクセスポイント102とのネットワークを作成するものであって、ネットワークを作成する過程において、ネットワーク接続を確立することが技術常識であることを考慮すると、甲1発明における「ネットワーク接続」の「要求」は、「ネットワーク接続」を確立するための要求であるといえる。また、甲1発明の「操作部210」が「プリンタ101に対するユーザの各種指示を受け付ける」ものであることを考慮すると、甲1発明における「アクセスポイント102との間のネットワーク接続」の「要求」は、「操作部210」を介して指示されることは自明である。そして、上記「イ」及び「コ」で検討したことを考慮すると、甲1発明の「アクセスポイント102との間のネットワーク接続」の「要求」は、本件発明1の「前記操作部を介して第2種の接続を確立するための第2の指示」に相当し、甲1発明の「アクセスポイント102との間のネットワーク接続が要求される」ことは、本件発明1の「前記操作部を介して第2種の接続を確立するための第2の指示が入力される」ことに相当する。 以上のことから、甲1発明の「アクセスポイント102との間のネットワーク接続が要求される場合」は、本件発明1の「前記操作部を介して、前記第2種の接続を確立するための第2の指示が入力される場合」に相当する。 シ 甲1発明の「アクセスポイント102との間のネットワーク」は、「アクセスポイント102が規定するチャネル“7”」で作成される、すなわちチャネル“7”を利用して作成されるものであり、無線LANにおいて、チャネルは複数個存在することが技術常識である。そうすると、甲1発明の「チャネル“7”」は、本件発明1の「第2の無線チャネル」に含まれ、甲1発明の「アクセスポイント102が規定するチャネル“7”」を利用して作成されることは、本件発明1の「前記複数個の無線チャネルのうちの第2の無線チャネルを利用」することに含まれる。 そして、甲1発明の「アクセスポイント102との間のネットワーク接続」が「無線LAN用インタフェース」を介して行われること、また甲1発明が、当該ネットワーク接続を確立するための接続部を備えることは明らかであり、当該接続部を「第2の接続部」と呼称することは任意である。 ス 上記「コ」ないし「シ」を考慮すると、甲1発明は「アクセスポイント102との間のネットワーク接続が要求される場合」、「アクセスポイント102が規定するチャネル“7”」で作成されるから、本件発明1と甲1発明は「前記操作部を介して、前記第2種の接続を確立するための第2の指示が入力される場合に、前記複数個の無線チャネルのうちの第2の無線チャネルを利用して、前記インターフェースを介して、前記特定デバイスとは異なるアクセスポイントとの前記第2種の接続を確立する第2の接続部」を備える点で一致する。 セ 甲1発明は「優先度が“2”のプリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがAPモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、デジタルカメラ104とのネットワークを作成」するもの、又は「優先度が“3”のプリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがアドホックモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、携帯端末105とのネットワークを作成」するものである。 ここで、「優先度が“1”のネットワーク接続」は「アクセスポイント102との間のネットワーク接続」であり、「優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合」は、アクセスポイント102との間のネットワーク接続が確立している状態といえる。 すなわち、甲1発明の「優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合」は、本件発明1の「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態」に相当する。 そして、上記「オ」で検討したように、甲1発明の「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され」る場合、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され」る場合が、本件発明1の「前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合」に含まれること、上記「コ」で検討したように、甲1発明の「アクセスポイント102との間のネットワーク接続」は、本件発明1の「第2種の接続」に相当すること、甲1発明の「アクセスポイント102との間のネットワーク接続における優先度が“1”」であることを考慮すれば、甲1発明の「優先度が“2”のプリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合」、又は「優先度が“3”のプリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合」は、本件発明1の「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合」に含まれる。 ソ さらに、甲1発明の「役割がネットワーク参加者」においては、「アクセスポイント102が規定するチャネル“7”で、アクセスポイント102とのネットワークを作成する」ものである。そうすると、「役割がネットワーク参加者」であることは、アクセスポイント102のような他の局からの指示により動作する者の役割であるといえ、これは通常、ネットワーク接続における子局と呼ばれる役割であることが明らかである。逆に、「役割がネットワーク作成者」であることは、ネットワーク接続における親局の役割であることも、同様に明らかである。 そして、上記「エ」で検討したことを考慮すると、甲1発明の「プリンタ101」が「デジタルカメラ104とのネットワーク」、又は「携帯端末105とのネットワーク」を作成する際の「役割がネットワーク参加者」であること、「役割がネットワーク作成者」であることは、それぞれ本件発明1の「無線通信装置」を「第1の接続のための子局」、「第1の接続のための親局」として動作させることに含まれる。 さらに、甲1発明の「プリンタ101」の「役割がネットワーク作成者」であること、すなわち親局として動作させる場合、「ネットワーク参加者」、すなわち子局として動作させることがないのは自明である。加えて、甲1発明の「プリンタ101」を「役割がネットワーク作成者」として動作させることに先立ち、そのような動作を設定すること、また動作を設定するための動作設定部を備えていることは自明である。 以上のことから、甲1発明の「役割がネットワーク作成者」で「デジタルカメラ104とのネットワークを作成」すること、又は「役割がネットワーク作成者」で「携帯端末105とのネットワークを作成」することは、本件発明1の「前記無線通信装置を前記第1種の接続のための子局として動作させることなく前記第1種の接続のための親局として動作させることを設定する動作設定部」を備えることに含まれる。 タ 上記「セ」及び「ソ」を総合すると、甲1発明では、「優先度が“2”のプリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがAPモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、デジタルカメラ104とのネットワークを作成」すること、又は「優先度が“3”のプリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがアドホックモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、携帯端末105とのネットワークを作成」することから、本件発明1と甲1発明は「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための子局として動作させることなく前記第1種の接続のための親局として動作させることを設定する動作設定部」を備える点で一致する。 チ 甲1発明は「優先度が“2”のプリンタ101とデジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがAPモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、デジタルカメラ104とのネットワークを作成」するもの、又は「優先度が“3”のプリンタ101と携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合、動作モードがアドホックモード(Creator)、役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、携帯端末105とのネットワークを作成」するものである。 ここで、甲1発明の「優先度が“1”のネットワーク接続」は「アクセスポイント102との間のネットワーク接続」であって、当該優先度が“1”のネットワーク接続において利用されている「チャネル“7”」は、上記「シ」で検討したとおり、本件発明1の「第2の無線チャネル」に含まれる。また、上記「カ」で検討したことを考慮すれば、甲1発明が「チャネル“7”と同じチャネル」を利用することに先立ち、上記「カ」で説示した「決定部」で、利用する「チャネル」を「チャネル“7”」と決定していることは自明である。 そうすると、甲1発明の「優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、デジタルカメラ104とのネットワークを作成」することが、本件発明1の「前記決定部」は「前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定」することに含まれる。 ツ 上記「チ」で検討したことを考慮すれば、甲1発明の「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合」、「役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において既に利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、デジタルカメラ104とのネットワークを作成」すること、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続が要求され、優先度が“1”のネットワーク接続が存在している場合」、「役割がネットワーク作成者で、優先度が“1”のネットワーク接続において利用されているチャネル“7”と同じチャネルで、携帯端末105とのネットワークを作成」することは、本件発明1の「前記決定部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定」することに含まれる。 テ 甲1発明は、本件発明1の「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状態決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行部であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が前記第1種の接続のための親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が前記第1種の接続のための子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行部を備え」、「前記第1の接続部」が「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記状態決定通信が実行された後に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する」ことが特定されていない点で、本件発明1と相違する。 したがって、上記「ア」ないし「テ」を総合すれば、本件発明1と甲1発明は、以下の点で一致し、また相違する。 <一致点> 「 無線通信装置であって、 操作部と、 物理的に1個のインターフェースと、 前記操作部を介して、前記第1種の接続を確立するための第1の指示が入力される場合に、複数個の無線チャネルのうちの第1の無線チャネルを利用することを決定する決定部と、 前記決定部によって決定された前記第1の無線チャネルを利用して、前記インターフェースを介して、特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する第1の接続部と、 前記操作部を介して、前記第2種の接続を確立するための第2の指示が入力される場合に、前記複数個の無線チャネルのうちの第2の無線チャネルを利用して、前記インターフェースを介して、前記特定デバイスとは異なるアクセスポイントとの前記第2種の接続を確立する第2の接続部と、 前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための子局として動作させることなく前記第1種の接続のための親局として動作させることを設定する動作設定部と、を備え、 前記決定部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための前記親局として動作させることが設定される場合に、前記第2の無線チャネルの値に一致する値を前記第1の無線チャネルの値として決定する、 無線通信装置。」 <相違点1> 本件発明1の「物理的に1個のインターフェース」が「第1種の接続で利用されるべきMACアドレスと、第2種の接続で利用されるべきMACアドレスと、の両方が割り当てられている」のに対して、甲1発明の「物理的に1つの無線LAN用インタフェース」は当該発明特定事項について特定されていない点。 <相違点2> 本件発明1は「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状態決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行部であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が前記第1種の接続のための親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が前記第1種の接続のための子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行部を備え」、「前記第1の接続部は、前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記状態決定通信が実行された後に、前記特定デバイスとの前記第1種の接続を確立する」のに対して、甲1発明は当該発明特定事項について特定されていない点。 上記相違点について検討するにあたり、事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討する。 甲1発明は、「アクセスポイント102」、「デジタルカメラ104」、「携帯端末105」との間の各「ネットワーク接続」について、「優先度」(「“1”」ないし「“3”」)、「ネットワークタイプ」(「インフラモード」、「アドホックモード」)、「動作モード」(「端末モード(Joiner)」、「APモード(Creator)」、「端末モード(Creator)」)、「役割」(「ネットワーク参加者」、「ネットワーク作成者」)が規定された「テーブル」を備え、当該「テーブル」に基づいてネットワークを作成するものである。つまり、甲1発明は、「ネットワーク接続」における「プリンタ101」の「役割」が1つに規定されたネットワークを作成するものであり、ネットワークの作成中に、改めて、プリンタ101、デジタルカメラ104、携帯電話105のいずれが「ネットワーク参加者」又は「ネットワーク作成者」して動作するかを決定するものではなく、また改めて役割を決定する必要性も存在しないことは明らかである。 また、甲第4号証や甲第13号証に示されるような、グループオーナーネゴシエーションを含むグループ形成処理を行うことによって、どのデバイスがP2Pグループオーナーとなるべきかを決定するWi-Fi P2P技術や、無線LANにおける甲第14号証に示されるようなプリンタとカメラがレジストラ(認証側)として接続するか、エンローリー(非認証側)として接続するかを判定する処理や、甲第15号証に示されるような複数の映像機器のいずれをクリエータ動作させ、いずれをジョイナ動作させるかを判定する処理や、甲第16号証に示されるような通信グループのトポロジを変更するか、維持するかを判断する処理が周知技術であったとしても、「ネットワーク接続」における「役割」が予め1つに規定されたネットワークを作成する甲1発明において、「テーブル」に規定された各ネットワーク接続に対して、当該「ネットワーク接続」における「役割」を、ネットワーク作成中に改めて決定するようなネゴシエーションを行う技術を採用する動機付けはなく、むしろ、当該周知技術を採用することにより、「テーブル」に規定された「ネットワーク接続」における「役割」を必ず得ることができなくなるから、阻害要因が存在するといえる。 仮に、甲1発明において、「デジタルカメラ104との間のネットワーク接続」、又は「携帯端末105との間のネットワーク接続」の際に、上記周知技術を適用したとすると、「テーブル」に規定された「ネットワーク接続」における「役割」を得られるようにするために、グループオーナーネゴシエーションや、上記判定処理、判断処理を行っても、予め1つに定まった「役割」が必ず得られるような仕組みが必要となる。 しかしながら、甲第4号証や甲第13号証に示されるような、グループオーナーネゴシエーションを含むグループ形成処理には、そのような仕組みはない。なお、上記「第4」の「2」の「(13)」に記載された甲第13号証のP2Pインビテーションプロシージャは、グループオーナーであるP2Pデバイスが、P2PデバイスをP2Pグループに招待し、当該P2PデバイスをP2Pグループのクライアントとする処理であって、そもそも互いの役割(グループオーナーとなるか、クライアントとなるか)を決定する処理ではない。 また、甲第14号証に示される上記判定処理では、上記「第4」の「2」の「(14)」の「オ」の段落【0055】に記載されるように、「判定の主体となる通信端末100が、これから接続の相手となる通信端末100の状況を考慮せずに、自身の通信の状況およびレジストラ機能の有無に基づいて、接続が可能であるか否かを判定している。この判定の結果を受けて最終的に、接続を要求する側、要求される側の双方の通信端末100の状況を考慮して、接続が可能であるか否か、およびどちらの通信端末100がレジストラ/エンローリーとなるのかが判定される。図4に示した例では、プローブレスポンスを受信した接続先端末(プリンタ202)が、この最終的な判定処理を行う。」ものであるから、予め1つに定まった「役割」が得られるものではない。 さらに、甲第15号証に示される上記判定処理では、上記「第4」の「2」の「(15)」の「イ」の段落【0028】に記載されるように「撮像装置101及び撮像装置102では、無線通信制御部212を起動すると、自らが無線通信ネットワークのクリエータ(制御装置)となって、それぞれが無線通信ネットワークを構築するよう動作する(ステップS312、S322)。」ものであるが、その後、段落【0038】、【0039】に記載されるように「ステップS502では、受信したProbe Response(302)にネットワークコードが入力されているか否かを判定する。ステップS502においてネットワークコードが入力されていないと判定された場合には、無線通信ネットワークが構築されていないと判断し、ステップS503に進む。ステップS503では、撮像装置101がクリエータとして動作するかジョイナ(被制御装置)として動作するかを判定する。」、「ステップS503における判定は、例えば、BSSIDを条件に行うのであれば、撮像装置101のBSSIDと撮像装置102のBSSIDとを比較して、大きい方をクリエータ、小さい方をジョイナと判定する。」ものであるから、予め1つに定まった「役割」が得られるものではない。 そして、甲第16号証に示される上記判断処理は、上記「第4」の「2」の「(16)」の「イ」の段落【0053】に記載されているように「無線通信装置20は、収集したサービス情報および自己のサービス情報に基づき、通信グループのトポロジを変更する必要があるか否かを判断する(S316)。」ものであるから、予め1つに定まった「役割」が得られるものではない。 以上のように、甲第4号証や甲第13号証、並びに甲第14号証ないし甲第16号証は、そのような仕組みを何ら開示していない。また甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証ないし甲第12号証にも開示されていない。 したがって、「ネットワーク接続」における「プリンタ101」の「役割」が予め規定されたネットワークを作成する甲1発明に、どのデバイスがP2Pグループオーナーとなるべきかが不確実となるような上記周知技術を採用することは、当業者が容易に想到し得ないというべきである。また、仮に上記周知技術を採用しても、予め1つに定まった「役割」が得られる仕組みは周知技術ではないことから、相違点2については、当業者が容易に想到し得ないというべきである。 よって、上記相違点1について判断するまでもなく、本件発明1は、当業者であっても、甲1発明、及び甲第2号証ないし甲第16号証に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。 (2)本件発明2ないし6,8ないし15について 本件発明2ないし6、ないし8ないし15は、本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、上記(1)で述べた理由と同じ理由により、当業者であっても、甲1発明、及び甲第2号証ないし甲第16号証に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明16について 本件発明16は、上記「(1)」で対比、判断した本件発明1を、コンピュータプログラムの発明として表現したものである。 そうすると、本件発明1をコンピュータプログラムの発明として表現した本件発明16についても、上記「(1)」で述べた理由と同様な理由により、当業者であっても、甲1発明、及び甲第2号証ないし甲第16号証に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。 2 取消理由2(特許法第36条第6項第1号)、及び取消理由3(特許法第36条第6項第2号)について 本件訂正請求により、本件訂正前の請求項1の第7段落の「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を子局として動作させることなく親局として動作させること」との記載は、「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための子局として動作させることなく前記第1種の接続のための親局として動作させること」(下線は、訂正箇所を示す。)と訂正されたことにより、上記「無線通信装置を子局として動作させることなく」との記載が「第1種の接続」に関する動作であることが明確となった。また、上記訂正後の記載は、上記「第2」の「2」の「イ」の「(イ)」で説示したとおり、発明の詳細な説明に記載したものである。そして、請求項1を引用する請求項2ないし6,8ないし15の記載も明確となり、また訂正後の記載は、発明の詳細な説明に記載したものである。 同様に、本件訂正前の請求項16の第6段落の「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を子局として動作させることなく親局として動作させること」との記載は「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されている状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を前記第1種の接続のための子局として動作させることなく前記第1種の接続のための親局として動作させること」と訂正されたことにより、請求項16の記載は明確となり、また訂正後の記載は、発明の詳細な説明に記載したものである。 以上のとおりであるから、請求項1ないし6、8ないし16に係る発明は明確であり、また発明の詳細な説明に記載したものとなった。また、請求項7は、本件訂正により削除されたため、請求項7に関する取消理由2、及び3は、理由がないものとなった。よって、上記取消理由2、及び3は解消した。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 特許法第36条第6項第1号について 申立人は、特許異議申立書において、本件訂正前の請求項7の「前記アクセスポイントとの前記第2種の接続が確立されていない状態で、前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記インターフェースを介して、状態決定通信を前記特定デバイスと実行する状態決定通信実行部であって、前記状態決定通信は、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの一方が親局として動作し、前記無線通信装置と前記特定デバイスとのうちの他方が子局として動作することを決定するための通信である、前記状態決定通信実行部」との記載が、発明の詳細な説明に記載したものではない旨の取消理由を主張している。 当該主張について検討する。発明の詳細な説明に「状態決定通信」との記載はないものの、段落【0099】には「G/Oネゴシエーションが、「状態決定処理」の一例である。」との記載があるから、このG/Oネゴシエーションが状態決定処理に対応する。そして、G/Oネゴシエーションに関して、例えば、段落【0047】には「第1の接続部30は、G/Oネゴシエーションを実行して、プリンタ10及び携帯端末8のうちの一方の機器をG/Oとして決定し、プリンタ10及び携帯端末8のうちの他方の機器をクライアントとして決定する。具体的に言うと、第1の接続部30は、まず、メモリ24に保存されているプリンタ10のIntent値を、携帯端末8に送信する。また、第1の接続部30は、携帯端末8に保存されている携帯端末8のIntent値を、携帯端末8から受信する。」との記載があるから、G/Oネゴシエーションにおいて、プリンタ10は、プリンタ10のIntent値を携帯端末8に送信し、携帯端末8のIntent値を携帯端末8から受信する。そうすると、G/Oネゴシエーションにおけるプリンタ10のIntent値の送信や、携帯端末8のIntent値の受信が、状態決定処理における通信、すなわち請求項7の「状態決定通信」に対応することが明らかである。 また、「状態決定通信部」は「第1の指示が入力される場合に・・・(中略)・・・状態決定通信を実行する」ものである。ここで「第1の指示」とは「第1種の接続を確立するための」ものであり、「第1種の接続」について、段落【0107】には「「第1種の接続」は、WFD接続に限られず、無線通信装置が親局状態と子局状態とのうちの一方の状態で選択的に動作するための他の種類の接続であってもよい。」との記載がある。さらに、請求項は、発明の詳細な説明に記載された一又は複数の具体例に対して拡張ないし一般化した記載とすることができるものであることを考慮すれば、「状態決定通信」がWFD接続のG/Oネゴシエーションにおける通信に限定されず、より一般的な親局状態と子局状態とのうちの一方の状態で選択的に動作することを決定するための通信を含むことも、発明の詳細な説明に記載したものといえる。 したがって、本件訂正前の上記請求項7に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものであり、本件訂正により、本件訂正前の上記請求項7の記載事項と同様な記載がなされた本件発明1は、発明の詳細な説明に記載したものであるから、申立人が主張する前記理由は採用できない。 2 特許法第36条第6項第2号について 申立人は、特許異議申立書において、本件訂正前の請求項1の「動作設定部」の「前記操作部を介して前記第1の指示が入力される場合に、前記無線通信装置を子局として動作させることなく親局として動作させることを設定する」ことと、「決定部」の「前記操作部を介して前記第1の指示が入力され、前記無線通信装置を前記親局として動作させることが設定される場合」との関係が明確でない旨の取消理由を主張している。 しかしながら、「第1の指示」、すなわち第1の接続を確立することが指示された場合、「第1の接続」という1つの接続において、親局として動作させるとともに子局としても動作させることはない、若しくは動作させることはできないことが技術常識であるから、1つの接続において親局として動作させることが設定されていれば、同じ接続において子局として動作させることがないことは自明である。そうすると、上記動作設定部の設定した内容と、上記決定部の動作条件は同じものであることが、明らかであるといえる。 したがって、本件訂正前の上記請求項1に係る発明は明確であり、同様に、本件発明1は明確であるから、申立人が主張する前記理由は採用できない。 第7 むすび 以上のとおり、本件特許の請求項1ないし6、8ないし16に係る発明は、当業者であっても、甲第1号証に記載された発明、及び甲第2号証ないし甲第16号証に記載された技術的事項に基いて、容易に発明をすることができないものである。 また、本件特許の請求項1ないし6、8ないし16に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものであり、また明確である。 したがって、取消理由通知に記載した取消理由、及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1ないし6、8ないし16に係る発明は、特許法第113条第2号、又は第4号に該当せず、取り消すことはできない。 また、他に、本件特許の請求項1ないし6、8ないし16に係る発明を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項7に係る特許は訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項7に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700940

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