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特許異議申立

2021-700008

バイオマス由来の樹脂層を備えた積層体

審判番号
2021-700008
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-175258
登録番号
6721017
請求日
2021年01月06日
審決日
2022年07月19日
公報発行日
2022年12月28日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】大日本印刷株式会社
  • 【権利者代理人】中村 行孝
  • 【権利者代理人】宮嶋 学
  • 【権利者代理人】浅野 真理
  • 【権利者代理人】柏 延之
  • 【異議申立人】飯田 進
  • 【異議申立人】土田 裕介
  • 【異議申立人代理人】長谷川 芳樹
  • 【異議申立人代理人】黒木 義樹
  • 【異議申立人代理人】吉住 和之
審判長/審判官
  • 審判長 藤原 直欣
  • 審判官 藤井 眞吾
  • 審判官 塩治 雅也
分類
P1651.121-ZAA(B32B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6721017号発明「バイオマス由来の樹脂層を備えた積層体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6721017号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、3~8〕、2、9~17について訂正することを認める。 特許第6721017号の請求項1~17に係る特許を取り消す。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6721017号の請求項1~8に係る特許についての出願は、平成25年1月9日に出願された特願2013-2029号の一部を平成28年11月8日に新たな特許出願(特願2016-218129号)とし、さらにその一部を平成30年9月19日に新たな特許出願(特願2018-175258号)としたものであって、令和2年6月22日にその特許権の設定登録がされ、令和2年7月8日に特許掲載公報が発行された。 本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和3年 1月 6日 :特許異議申立人飯田進(以下「申立人1」という。)による請求項1~8に係る特許に対する特許異議の申立て 令和3年 1月 6日 :特許異議申立人土田裕介(以下「申立人2」という。)による請求項1~8に係る特許に対する特許異議の申立て 令和3年 5月31日付け:取消理由通知書 令和3年 9月 1日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和3年10月12日 :申立人1による意見書の提出 令和3年10月13日 :申立人2による意見書の提出 令和3年12月24日付け:取消理由通知書(決定の予告) 令和4年 3月 8日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出(以下、訂正請求書による訂正の請求を「本件訂正請求」といい、訂正自体を「本件訂正」という。) 令和4年 5月19日 :申立人2による意見書の提出 令和4年 5月20日 :申立人1による意見書の提出 なお、上記令和3年9月1日提出の訂正請求書による訂正の請求は、本件訂正請求がされたから、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 第2 本件訂正の適否 1 本件訂正の内容 本件訂正の内容は、訂正箇所に下線を付して示すと、次のとおりである。 (1)訂正事項1 本件訂正前の請求項1に記載された 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなる、積層体。」を、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層である、 積層体。」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項3~8も同様に訂正する。)。 (2)訂正事項2 本件訂正前の請求項2に、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、請求項1に記載の積層体。」と記載されているのを、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体。」に訂正する。 (3)訂正事項3 本件訂正前の請求項3に記載された「請求項1または2に記載の」を、「請求項1に記載の」に訂正する(請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項4~8も同様に訂正する)。 (4)訂正事項4 ア 訂正事項4-1 本件訂正前の請求項4に記載された「請求項1~3のいずれか一項に記載の」を、「請求項3に記載の」に訂正する(請求項4の記載を直接的又は間接的に引用する請求項5~8も同様に訂正する)。 イ 訂正事項4-2 本件訂正前の請求項4に、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。」と記載されているうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、積層体。」に訂正し、新たに請求項9とする。 ウ 訂正事項4-3 本件訂正前の請求項4に、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。」と記載されているうち、請求項1を引用する請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなり、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)。」に訂正し、新たに請求項10とする。 (5)訂正事項5 ア 訂正事項5-1 本件訂正前の請求項5に記載された「請求項1~4のいずれか一項に記載の」を、「請求項1,3,4のいずれか一項に記載の」に訂正する(請求項5の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6~8も同様に訂正する)。 イ 訂正事項5-2 本件訂正前の請求項5に、「前記バリア層が金属箔からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。」と記載されているうち、請求項1を引用する請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 金属箔からなり、無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)。」に訂正し、新たに請求項11とする。 (6)訂正事項6 本件訂正前の請求項6に記載された「請求項1~5のいずれか一項に記載の」を、「請求項1,3~5のいずれか一項に記載の」に訂正する(請求項6の記載を直接的又は間接的に引用する請求項7、8も同様に訂正する)。 (7)訂正事項7 ア 訂正事項7-1 本件訂正前の請求項7に記載された「請求項1~6のいずれか一項に記載の」を、「請求項1,3~6のいずれか一項に記載の」に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項8も同様に訂正する)。 イ 訂正事項7-2 本件訂正前の請求項7に、「前記ヒートシール層が、ポリエチレンを含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体。」と記載されているうち、請求項1を引用する請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であって、ポリエチレンを含んでなり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)。」に訂正し、新たに請求項12とする。 (8)訂正事項8 ア 訂正事項8-1 本件訂正前の請求項8に記載された「請求項1~7のいずれか一項に記載の」を、「請求項1,3~7のいずれか一項に記載の」に訂正する。 イ 訂正事項8-2 本件訂正前の請求項8に、「請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装製品。」と記載されているうち、請求項1を引用する請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体を備える、包装製品。」に訂正し、新たに請求項13とする。 ウ 訂正事項8-3 本件訂正前の請求項8に、「請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装製品。」と記載されているうち、請求項1を引用する請求項4を引用するものについて、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、積層体を備える、包装製品。」に訂正し、新たに請求項14とする。 エ 訂正事項8-4 本件訂正前の請求項8に、「請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装製品。」と記載されているうち、請求項1を引用する請求項2を引用する請求項4を引用するものについて、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなり、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)を備える、包装製品。」に訂正し、新たに請求項15とする。 オ 訂正事項8-5 本件訂正前の請求項8に、「請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装製品。」と記載されているうち、請求項1を引用する請求項2を引用する請求項5を引用するものについて、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 金属箔からなり、無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)を備える、包装製品。」に訂正し、新たに請求項16とする。 カ 訂正事項8-6 本件訂正前の請求項8に、「請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装製品。」と記載されているうち、請求項1を引用する請求項2を引用する請求項7を引用するものについて、独立形式に改め、 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であって、ポリエチレンを含んでなり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)を備える、包装製品。」に訂正し、新たに請求項17とする。 2 一群の請求項、及び別の訂正単位とする求め (1)一群の請求項 本件訂正前の請求項1~8は、請求項2~8が、本件訂正前の請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項について請求されている。 (2)別の訂正単位とする求め 本件訂正後の請求項2、9~17に係る訂正について、特許権者は、当該訂正が認められるときに請求項1とは別の訂正単位として扱われることを求めている。 3 訂正の目的、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の適否について (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1について、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり」、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層である」ことを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について (ア)「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについて 「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについて、本件特許の明細書には、「【0100】・・・非バイオマスポリオレフィン樹脂層は、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなる樹脂層であり、バイオマス度は0%である。積層体のコア層およびシール層のいずれか一方のみがバイオマスポリオレフィン樹脂層である場合には、他方は非バイオマスポリオレフィン樹脂層であってもよい。非バイオマスポリオレフィン樹脂層は、非バイオマスポリオレフィン樹脂層は、従来公知の原料を用いて形成することができ、その組成および形成方法は、特に限定されない。積層体が、非バイオマスポリオレフィン樹脂層をさらに有することで、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させることができる。・・・」と記載されているから、「ヒートシール層」としての「非バイオマスポリオレフィン層」は、「従来公知の原料を用いて形成することができ、その組成および形成方法は、特に限定されない」ものであったところ、訂正事項1により、後述する引用発明の内容となっている特定の事項を除外すること、すなわち「エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く」ことによって、「ヒートシール層」としての「非バイオマスポリオレフィン層」について、新たな機能・作用を奏する等、本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)から導かれる技術的事項に何らかの変更を生じさせるものではないから、訂正事項は新たな技術的事項を導入しないものである。 (イ)「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることについて 本件特許の明細書には、「【0100】・・・。なお、積層体は、非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してもよい。・・・」と記載されているから、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることは、本件特許明細書等に記載された事項である。 (ウ)「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層である」ことについて 本件特許の明細書には、「【0148】バイオマス由来のPETフィルム(厚さ12μm、バイオマス度:14%)に、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製:LC701、MFR:14、密度:0.919)50質量部とバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(Braskem社製:SLL318、MFR:2.7、密度:0.918、バイオマス度:87%)50質量部とをドライブレンドした樹脂を、アンカーコートを介して300℃の樹脂温で押出し(15μm)、アルミ箔(日本製箔社製:1N30材、厚さ7μm)と貼合した。・・・」と記載されているから、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層である」ことは、本件特許明細書等に記載された事項である。 (エ)小括 したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正事項2は、本件訂正前の請求項2が、請求項1の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」ることを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について (ア)「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについて a 「エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く」ことについては、上記(1)イ(ア)に示したとおり、新たな技術的事項を導入しないものである。 b 本件特許の明細書には、「【0100】・・・非バイオマスポリオレフィン樹脂層は、化石燃料由来の原料を含む樹脂材料からなる樹脂層であり、バイオマス度は0%である。積層体のコア層およびシール層のいずれか一方のみがバイオマスポリオレフィン樹脂層である場合には、他方は非バイオマスポリオレフィン樹脂層であってもよい。非バイオマスポリオレフィン樹脂層は、非バイオマスポリオレフィン樹脂層は、従来公知の原料を用いて形成することができ、その組成および形成方法は、特に限定されない。積層体が、非バイオマスポリオレフィン樹脂層をさらに有することで、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させることができる。・・・」、「【0101】・・・非バイオマスポリオレフィン樹脂層としては、・・・樹脂を使用できる。これらの樹脂を・・・予め、Tダイ法またはインフレーション法等により製膜したフィルムとして、耐熱性基材層とドライラミネートあるいは押出ラミネート法等により積層しても良い。」と記載されているから、「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層」であることは、本件特許明細書等に記載された事項である。 (イ)「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」ることについて 「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」ることについては、上記(1)イ(ウ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項である。 (ウ)小括 したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項2は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項2に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)訂正事項3、4-1、5-1、6、7-1、8-1について 訂正事項3、4-1、5-1、6、7-1、8-1は、引用する請求項の数を減少させるものであるから、許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項3、4-1、5-1、6、7-1、8-1は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (4)訂正事項4-2について ア 訂正の目的について 訂正事項4-2は、本件訂正前の請求項4が、請求項1の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについては、上記(1)イ(ア)に示したとおり、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることについては、上記(1)イ(イ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項、あるいは新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、訂正事項4-2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項4-2は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (5)訂正事項4-3について ア 訂正の目的について 訂正事項4-3は、本件訂正前の請求項4が、請求項1、2の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1、2の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり」、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について (ア)「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることについて 「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについては、上記(1)イ(ア)に示したとおり、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることについては、上記(1)イ(イ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項、あるいは新たな技術的事項を導入しないものである。 (イ)「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことについて 「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」については、後述する引用発明の内容となっている特定の事項を除外するものであり、当該事項によって「積層体」について、新たな機能・作用を奏する等、本件特許明細書等から導かれる技術的事項に何らかの変更を生じさせるものではないから、新たな技術的事項を導入しないものである。 (ウ)小括 したがって、訂正事項4-3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項4-3は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項4に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (6)訂正事項5-2について ア 訂正の目的について 訂正事項5-2は、本件訂正前の請求項5が、請求項1、2の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1、2の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり」、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり」、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについては、上記(1)イ(ア)に示したとおり、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることについては、上記(1)イ(イ)に示したとおり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことについては、上記(5)イ(イ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項、あるいは新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、訂正事項5-2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項5-2は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項5に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (7)訂正事項7-2について ア 訂正の目的について 訂正事項7-2は、本件訂正前の請求項7が、請求項1、2の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1、2の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」り、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり」、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり」、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについては、上記(2)イ(ア)に示したとおり、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることについては、上記(1)イ(イ)に示したとおり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」ることに関しては、上記(1)イ(ウ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項、あるいは新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、訂正事項7-2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項7-2は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項7に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (8)訂正事項8-2について ア 訂正の目的について 訂正事項8-2は、本件訂正前の請求項8が、請求項1、2の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1、2の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」ることを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについては、上記(2)イ(ア)に示したとおり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」ることに関しては、上記(1)イ(ウ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項、あるいは新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、訂正事項8-2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項8-2は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項8に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (9)訂正事項8-3について ア 訂正の目的について 訂正事項8-3は、本件訂正前の請求項8が、請求項1、4の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1、4の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについては、上記(1)イ(ア)に示したとおり、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることに関しては、上記(1)イ(イ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項、あるいは新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、訂正事項8-3は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項8-3は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項4を引用する請求項8に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (10)訂正事項8-4について ア 訂正の目的について 訂正事項8-4は、本件訂正前の請求項8が、請求項1、2、4の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1、2、4の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり」、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについては、上記(1)イ(ア)に示したとおり、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることに関しては、上記(1)イ(イ)に示したとおり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことについては、上記(5)イ(イ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項、あるいは新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、訂正事項8-4は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項8-4は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項4を引用する請求項8に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (11)訂正事項8-5について ア 訂正の目的について 訂正事項8-5は、本件訂正前の請求項8が、請求項1、2、5の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1、2、5の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり」、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり」、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについては、上記(1)イ(ア)に示したとおり、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることに関しては、上記(1)イ(イ)に示したとおり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」ることについては、上記(2)イ(イ)に示したとおり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことについては、上記(5)イ(イ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項、あるいは新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、訂正事項8-5は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項8-5は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項5を引用する請求項8に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (12)訂正事項8-6について ア 訂正の目的について 訂正事項8-6は、本件訂正前の請求項8が、請求項1、2、7の記載を引用する記載であったものを、当該請求項1、2、7の記載を引用しないものとし、「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であって」、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり」、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり」、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことを限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」ることについては、上記(2)イ(ア)に示したとおり、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」ることに関しては、上記(1)イ(イ)に示したとおり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」ることについては、上記(2)イ(イ)に示したとおり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」ことについては、上記(5)イ(イ)に示したとおり、本件特許明細書等に記載された事項、あるいは新たな技術的事項を導入しないものである。 したがって、訂正事項8-6は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の適否について 訂正事項8-6は、本件訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項7を引用する請求項8に係る発明の発明特定事項をさらに限定するものであり、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 4 本件訂正の適否のまとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、3~8〕、2、9~17について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり本件訂正が認められたことから、本件特許の請求項1~17に係る発明(以下「本件発明1」等という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~17に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 【請求項1】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層である、 積層体。 【請求項2】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体。 【請求項3】 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、請求項1に記載の積層体。 【請求項4】 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、請求項3に記載の積層体。 【請求項5】 前記バリア層が金属箔からなる、請求項1,3,4のいずれか一項に記載の積層体。 【請求項6】 前記ポリエステル樹脂層が、前記バイオマスポリエステル樹脂層である、請求項1,3~5のいずれか一項に記載の積層体。 【請求項7】 前記ヒートシール層が、ポリエチレンを含んでなる、請求項1,3~6のいずれか一項に記載の積層体。 【請求項8】 請求項1,3~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装製品。 【請求項9】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、積層体。 【請求項10】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなり、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)。 【請求項11】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 金属箔からなり、無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)。 【請求項12】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であって、ポリエチレンを含んでなり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)。 【請求項13】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体を備える、包装製品。 【請求項14】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、積層体を備える、包装製品。 【請求項15】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなり、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)を備える、包装製品。 【請求項16】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 金属箔からなり、無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)を備える、包装製品。 【請求項17】 ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層と、をこの順に有してなり、 前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であって、ポリエチレンを含んでなり、 前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してなり、 前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる、積層体(但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く)を備える、包装製品。 第4 取消理由の概要 令和3年9月1日提出の訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1~8に係る特許に対して、当審が取消理由通知書(決定の予告)で特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 取消理由(進歩性) 本件特許の請求項1~8に係る発明は、引用文献2に記載された発明及び周知技術、又は引用文献4に記載された発明、引用文献2に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2001-179891号公報(申立人1が特許異議申立書に添付した甲第1号証) 2.杉原正泰編,「医薬品の包装設計」,第1版,株式会社南山堂,1984年(昭和59年)10月20日,p.370~375(申立人2が特許異議申立書に添付した甲第2号証) 3.特開2012-97163号公報(申立人1が特許異議申立書に添付した甲第8号証) 4.特開2012-96410号公報(申立人2が特許異議申立書に添付した甲第1号証) 5.特開2012-251006号公報(申立人1が特許異議申立書に添付した甲第6号証、申立人2が特許異議申立書に添付した甲第5号証) 6.特開2012-250350号公報(申立人2が特許異議申立書に添付した甲第6号証) 7.特開2001-129954号公報(申立人1が特許異議申立書に添付した甲第9号証) 8.特開2017-35894号公報(申立人2が特許異議申立書に添付した甲第7号証) 第5 当審の判断 1 引用文献の記載事項 (1)引用文献1(本決定では不使用のため参考までに提示する。) 引用文献1には、次の事項が記載されている。 「【0010】本発明による積層包装材料は、基材層、バリア層、易接着性樹脂からなる押出ラミネート樹脂層の少なくとも3層が積層して構成されたことを特徴とするが、包装材料の用途、或いは包装材料として要求される剛性や耐久性等を考慮した場合、必要に応じて他の層を積層することが出来る。例えば、基材層とバリア層との間にポリエチレン層を積層したり、バリア層と易接着性樹脂からなる押出ラミネート樹脂層との間にポリエチレンテレフタレート、または、ナイロンなどのプラスチックフィルムを積層してもよい。」 (2)引用文献2 ア 引用文献2には、次の事項が記載されている。 (ア)「ピロー包装とは,ロールから繰り出される1枚のフラットな原反フィルムで被包装物を巻くように包みながら,長手方向の両端を合わせつつヒートシールし,・・・包装形式である.」(370ページ8~11行) (イ)「ピロー包装には,表13-1のような包材が使用されており,特に防湿性や酸化防止を必要とする場合には,アルミ箔を使用した包材が使われ,・・・」(371ページ1~2行) (ウ)「 [図:0001391979000001.jpg] 」(373ページ表13-1) イ 引用文献2に記載された発明 上記ア(特に、表13-1の上から4番目の包材参照。)から、引用文献2には次の発明(以下「引用発明2」、「引用発明2の2」という。)が記載されている。 引用発明2 「ポリエステル層と、ポリエチレン層と、防湿性や酸化防止のためのアルミ箔からなる層と、ポリエチレン層と、をこの順に積層した構成のピロー包装に使用される包材。」 引用発明2の2 「ポリエステル層と、ポリエチレン層と、防湿性や酸化防止のためのアルミ箔からなる層と、ポリエチレン層と、をこの順に積層した構成のピロー包装に使用される包材が使用されたピロー包装。」 (3)引用文献3 引用文献3には、次の事項が記載されている。 「【0003】 近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれており、バイオマスの利用が注目されている。バイオマスは、二酸化炭素と水から光合成された有機化合物であり、それを利用することにより、再度二酸化炭素と水になる、いわゆるカーボンニュートラルな再生可能エネルギーである。昨今、これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでおり、汎用高分子材料であるポリエステルをこれらバイオマス原料から製造する試みも行われている。」 (4)引用文献4 ア 引用文献4には、次の事項が記載されている。 「【請求項1】 少なくとも2層を有する積層体であって、 第1の層が、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなり、 第2の層が、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料からなることを特徴とする、積層体。 ・・・ 【請求項10】 第2の層が、セロハン、でんぷん、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、およびセルロースからなる群から選択される1種または2以上のバイオマス由来の樹脂材料からなる、請求項1~9のいずれか一項に記載の積層体。 【請求項11】 無機物または無機酸化物からなる第3の層をさらに有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の積層体。 ・・・ 【請求項13】 請求項1~11のいずれか一項に記載の積層体からなる、包装用袋。」 「【0003】 近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれており、バイオマスの利用が注目されている。バイオマスは、二酸化炭素と水から光合成された有機化合物であり、それを利用することにより、再度二酸化炭素と水になる、いわゆるカーボンニュートラルな再生可能エネルギーである。昨今、これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでおり、汎用高分子材料であるポリエステルをこれらバイオマス原料から製造する試みも行われている。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明者らは、ポリエステルの原料であるエチレングリコールに着目し、従来の化石燃料から得られるエチレングリコールに代えて、植物由来のエチレングリコールをその原料としたポリエステルは、従来の化石燃料から得られるエチレングリコールを用いて製造されたポリエステルと、機械的特性等の物性面で遜色ないものが得られるとの知見を得た。さらに、このようなバイオマス由来のポリエステルからなる層を有する積層体も、従来の化石燃料から得られる原料からなる積層体と、機械的特性等の物性面で遜色ないものが得られるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。 【0008】 したがって、本発明の目的は、バイオマスエチレングリコールを用いたカーボンニュートラルなポリエステルを含む樹脂組成物からなる層を有する積層体を提供することであって、従来の化石燃料から得られる原料から製造された積層体と機械的特性等の物性面で遜色ないポリエステル樹脂フィルムの積層体を提供することである。」 【0060】 <第2の層> 本発明において、第2の層は、バイオマス由来の原料を含む樹脂材料からなるものである。第2の層をバイオマス由来の原料を含む樹脂材料から形成することで、カーボンニュートラルな樹脂層を形成することができる。したがって、化石燃料の使用量を大幅に削減することができ、環境負荷を減らすことができる。なお、積層体は、第2の層を2層以上有してもよい。第2の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。 【0061】 第2の層は、セロハン、でんぷん、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、およびセルロースからなる群から選択される1種または2以上のバイオマス由来の樹脂材料からなることが好ましい。第2層を形成する樹脂材料には、その少なくとも一部にバイオマス原料が使用されていればよい。また、第2の層は、従来公知の方法により形成することができ、特に限定されるものではない。なお、本発明においては、第1の層と第2の層が、同様のバイオマス由来の原料(例えば、バイオマスエタノール)から形成されたものであってもよい。さらには、第1の層と同様に市販のバイオマスエチレングリコールを使用して、第2の層を形成するための樹脂材料を合成してもよい。なお、第2の層の組成は、第1の層の組成と同一の組成であってもよい。」 「【0063】 <第3の層> 本発明において、第3の層は、無機物または無機酸化物からなるものであり、無機物もしくは無機酸化物の蒸着膜または金属箔からなるものが好ましい。蒸着膜は、従来公知の無機物または無機酸化物を用いて、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。積層体が、第3の層をさらに有することで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性を、付与ないし向上させることができる。なお、積層体は、第3の層を2層以上有してもよい。第3の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。 ・・・ 【0068】 また、他の態様によれば、第3の層は、金属を圧延して得られた金属箔であってもよい。金属箔としては、従来公知の金属箔を用いることができる。酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性の点からは、アルミニウム箔等が好ましい。」 「【0069】 <第4の層> 本発明において、第4の層は、従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層である。第4の層は、従来公知の原料を用いて形成することができ、その組成および形成方法は、特に限定されない。積層体が、第4の層をさらに有することで、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させることができる。なお、積層体は、第4の層を2層以上有してもよい。第4の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。 【0070】 第4の層としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用できる。これらの樹脂を押し出しラミネート法により形成しても良いし、予め、Tダイ法またはインフレーション法等により製膜したフィルムとして、耐熱性基材層とドライラミネートあるいは押出ラミネート法等により積層しても良い。」 「【0072】 <他の層> 本発明による積層体は、第1~第4の層以外に、その他の層を少なくとも1層さらに有してもよい。その他の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。その他の層は、第1~第4の層のいずれか1層または2層以上の上に、形成することができる。その他の層としては、例えば、印刷層や接着層を挙げることができる。・・・また、接着層は、いずれか2層をラミネートにより貼合するために形成される、接着剤層または接着樹脂層である。・・・ 【0073】 また、接着樹脂層としては、熱可塑性樹脂層からなる樹脂層が使用される。具体的には、接着樹脂層の材料としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン・αオレフィンとの共重合体樹脂、エチレン・ポリプロピレン共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン・マレイン酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂、無水マレイン酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂等を使用することができる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。」 「【0074】 <層構成> 本発明の積層体の層構成については、第1の層および第2の層をそれぞれ少なくとも1層有するものであれば、特に限定されず、従来の積層フィルムと同様の層構成であってもよい。・・・」 「【0081】 <フィルムの作製3> 従来の化石燃料由来の原料から製造されているポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.83dl/g)60質量部と、リサイクルPET(フィルム製膜時の耳ロス等の製造工程内ロス部分をリペレットしたもの)30質量部と、上記で使用したポリエチレンテレフタレートマスターバッチ10質量部とを乾燥した後押出機に供給し、285℃で溶融し、Tダイよりシート状に押し出し、冷却ロールにて冷却固化させて未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを、低速側駆動ロールの速度を6.5m/min、高速側駆動ロールの速度を22m/minとして、縦方向に3.5倍の倍率で延伸し、さらに、テンターにて横方向に3.5倍の倍率で延伸して厚みが12.06μmである二軸延伸ポリエステルフィルム3を得た。」 イ 引用文献4に記載された発明 上記アから、請求項1を引用する請求項10を引用する請求項11であり、請求項10における第2の層として選択される1種または2以上のバイオマス由来の樹脂がポリエチレンであって、かつ、【0069】及び【0070】に記載された「第4の層」を有する積層体、及び当該積層体からなる包装用袋に着目すると、引用文献4には次の発明(以下「引用発明4」、「引用発明4の2」という。)が記載されている。 引用発明4 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる第1の層を有し、 バイオマス由来の原料を含む樹脂材料からなる第2の層を有し、第2の層が、ポリエチレンのバイオマス由来の樹脂材料からなり、 無機物からなる第3の層を有し、 従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層である第4の層を有してなり、 第4の層は、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるために、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用したものであり、Tダイ法またはインフレーション法等により製膜したフィルムとして、積層した、積層体。」 引用発明4の2 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる第1の層を有し、 バイオマス由来の原料を含む樹脂材料からなる第2の層を有し、第2の層が、ポリエチレンのバイオマス由来の樹脂材料からなり、 無機物からなる第3の層を有し、 従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層である第4の層を有してなり、 第4の層は、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるために、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用したものであり、Tダイ法またはインフレーション法等により製膜したフィルムとして、積層した、積層体からなる、包装用袋。」 ウ 引用文献4に記載された事項 上記アの【0072】及び【0073】から、第1~第4層のいずれか2層をラミネートにより調合するために接着樹脂層が形成されること、及び接着樹脂層として、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状ポリエチレン樹脂等の材料の一種以上を組み合わせて使用することが、【0026】には、第1の層がポリエステルを主成分として含む樹脂組成物からなる層であることが、また、【0068】には、第3の層がアルミニウム箔であることが記載されている。 そうすると、引用文献4には、次の事項(以下「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。 「ポリエステル層とアルミ箔からなる層の間の層を、低密度ポリエチレンおよび/または直鎖状ポリエチレンを含むポリエチレン層とすること。」 (5)引用文献5 引用文献5には、次の事項が記載されている。 「【請求項1】 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリオレフィンを含んでなる樹脂組成物からなる樹脂フィルムであって、 前記樹脂組成物が、前記バイオマス由来のエチレンを前記樹脂組成物全体に対して5質量%以上含んでなり、前記樹脂組成物が、0.91~0.96g/cm3の密度を有する、樹脂フィルム。」 「【0005】 そのため、ポリエチレンの製造にバイオマス由来の原料を用いて、化石燃料の使用量を削減することが望まれている。・・・」 「【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明者らは、ポリオレフィン樹脂フィルムの原料であるエチレンに着目し、従来の化石燃料から得られるエチレンに代えて、バイオマス由来のエチレンをその原料としたポリオレフィン樹脂フィルムは、従来の化石燃料から得られるエチレンを用いて製造されたポリオレフィン樹脂フィルムと、機械的特性等の物性面で遜色ないものが得られるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。 【0008】 したがって、本発明の目的は、バイオマス由来のエチレンを用いたカーボンニュートラルなポリオレフィンを含む樹脂組成物からなる樹脂フィルムを提供することであって、従来の化石燃料から得られる原料から製造された樹脂フィルムと機械的特性等の物性面で遜色ないポリオレフィン樹脂フィルムを提供することである。」 「【0035】 ポリオレフィン 本発明において、バイオマス由来のポリオレフィンは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるものである。バイオマス由来のエチレンには、上記の製造方法により得られたものを用いることが好ましい。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレンを用いているため、重合されてなるポリオレフィンはバイオマス由来となる。なお、ポリオレフィンの原料モノマーは、バイオマス由来のエチレンを100質量%含むものでなくてもよい。」 「【0038】 上記のポリオレフィンが、ポリエチレンであることが好ましい。バイオマス由来の原料であるエチレンを用いることで、理論上100%バイオマス由来の成分により製造することが可能となるからである。」 「【0042】 本発明において、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。重合温度や重合圧力は、重合方法や重合装置に応じて、適宜調節するのがよい。重合装置についても特に限定されず、従来公知の装置を用いることができる。以下、エチレンを含むモノマーの重合方法の一例を説明する。 【0043】 ポリオレフィン、特に、エチレン重合体やエチレンとα-オレフィンの共重合体の重合方法は、目的とするポリエチレンの種類、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の密度や分岐の違いにより、適宜選択することができる。・・・」 「【0052】 また、ポリオレフィンとして、エチレンの重合体やエチレンとα-オレフィンの共重合体を、単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。 【0053】 樹脂組成物 ・・・ 【0054】 上記の樹脂組成物は、0.91~0.96g/cm3、好ましくは0.915~0.955g/cm3、より好ましくは0.92~0.95g/cm3の密度を有するものである。樹脂組成物の密度は、JIS K6760-1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112-1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。樹脂組成物の密度が0.91g/cm3以上であれば、該樹脂組成物からなる樹脂フィルムの剛性を高めることができる。また、樹脂組成物の密度が0.96g/cm3以下であれば、該樹脂組成物からなる樹脂フィルムの透明性や機械的強度を高めることができる。」 「【0064】 用途 本発明による樹脂フィルムは、容器や袋等の包装製品、化粧シートやトレー等のシート成形品、積層フィルム、光学フィルム、樹脂板、各種ラベル材料、蓋材、およびラミネートチューブ等の各種用途に好適に使用することができ、特に、包装製品およびシート成形品が好ましい。」 「【0067】 樹脂フィルムの製造 下記の実施例1~7および比較例1~2で用いた押出製膜機の条件は、以下のとおりであった。 スクリュー径:90mm スクリュー型式:フルフライト L/D:28 Tダイ:11S型ストレートマニホールド Tダイ有効開口長:560mm 【0068】 実施例1 バイオマス由来の高密度ポリエチレン(Braskem社製、商品名:SHA7260、バイオマス度:94.5%、密度:0.955g/cm3、MFR:20g/10分)を290℃の樹脂温度にて、厚み12μmのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:E5100)上に押し出して、樹脂フィルムを得た。押出成形の条件を、有効巾は560mm、押出厚みは30μm、押出速度は100m/分に設定した。 ・・・ 【0072】 樹脂組成物および樹脂フィルムの評価 ・・・ 【0077】 (5)ループスティフネス 上記の実施例1~3および比較例1で得られた樹脂フィルムを、幅15mm、長さ150mmに切り出し、剛性試験機(東洋精機製作所社製、商品名:ループステフネステスタ)を用いてフィルムの剛性(N)の測定を行った。ループの長さは60mmとした。測定結果は、下記の表1に示される通りであった。 【0078】 【表1】 [図:0001391979000002.jpg] 」 「【0081】 実施例6 バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(Braskem社製、商品名:SLL318、バイオマス度:87%、密度:0.918g/cm3、MFR:2.7g/10分)33質量部と、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:LC604、バイオマス度:0%、密度:0.918g/cm3、MFR:8g/10分)37質量部と、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:KC573、バイオマス度:0%、密度:0.910g/cm3、MFR:15g/10分)30質量部とをメルトブレンドした樹脂(バイオマス度:29%、密度:0.916g/cm3、MFR:8.4g/10分)を、320℃の樹脂温度にて、厚み12μmのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:E5100)上に押し出して、樹脂フィルムを得た。押出成形の条件を、有効巾は560mm、押出厚みは30μm、押出速度は100m/分に設定した。」 「【0083】 比較例2 化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:LC600A、バイオマス度:0%、密度:0.919g/cm3、MFR:7g/10分)を320℃の樹脂温度にて、厚み12μmのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:E5100)上に押し出して、樹脂フィルムを得た。押出成形の条件を、有効巾は560mm、押出厚みは30μm、押出速度は100m/分に設定した。」 「【0089】 (10)シール開始温度 上記の実施例4~7および比較例2で得られた樹脂フィルムを、厚さ幅15mm、長さ200mmに切り出し、シール温度は90~150℃、シール圧力は30N/cm2、シール時間は1秒でヒートシールして、シールが開始される温度(℃)を特定した。測定結果は、下記の表2に示される通りであった。 【0090】 【表2】 [図:0001391979000003.jpg] 」 (6)引用文献6 引用文献6には、次の事項が記載されている。 「【請求項1】 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリオレフィンを含んでなる樹脂組成物からなる樹脂層を、少なくとも2層有してなる複層樹脂フィルムであって、 前記バイオマス由来のエチレンを5質量%以上含んでなり、0.915~0.96g/cm3の密度を有し、10~100μmの厚さを有する、第1の樹脂層と、 前記バイオマス由来のエチレンを5質量%以上含んでなり、0.90~0.925g/cm3の密度を有し、1~50μmの厚さを有する、第2の樹脂層と を有してなり、 第1の樹脂層の密度d1と第2の樹脂層の密度d2が、d1>d2を満たし、 第1の樹脂層の厚さt1と第2の樹脂層の厚さt2が、t1>t2を満たす、複層樹脂フィルム。」 「【0005】 そのため、ポリエチレンの製造にバイオマス由来の原料を用いて、化石燃料の使用量を削減することが望まれている。例えば、現在までに、ポリオレフィン樹脂の原料となるエチレンやブチレンを、再生可能な天然原料から製造することが研究されてきた(例えば、特許文献1を参照)。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明者らは、ポリオレフィン複層樹脂フィルムの原料であるエチレンに着目し、従来の化石燃料から得られるエチレンに代えて、バイオマス由来のエチレンをその原料としたポリオレフィン複層樹脂フィルムは、従来の化石燃料から得られるエチレンを用いて製造されたポリオレフィン複層樹脂フィルムと、機械的特性等の物性面で遜色ないものが得られるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。 【0008】 したがって、本発明の目的は、バイオマス由来のエチレンを用いたカーボンニュートラルなポリオレフィンを含む樹脂組成物からなる樹脂層を、少なくとも2層有してなる複層樹脂フィルムを提供することであって、従来の化石燃料から得られる原料から製造された複層樹脂フィルムと機械的特性等の物性面で遜色ないポリオレフィン複層樹脂フィルムを提供することである。」 「【0038】 ポリオレフィン 本発明において、バイオマス由来のポリオレフィンは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるものである。バイオマス由来のエチレンには、上記の製造方法により得られたものを用いることが好ましい。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレンを用いているため、重合されてなるポリオレフィンはバイオマス由来となる。なお、ポリオレフィンの原料モノマーは、バイオマス由来のエチレンを100質量%含むものでなくてもよい。」 「【0041】 上記のポリオレフィンが、ポリエチレンであることが好ましい。バイオマス由来の原料であるエチレンを用いることで、理論上100%バイオマス由来の成分により製造することが可能となるからである。」 「【0045】 本発明において、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。重合温度や重合圧力は、重合方法や重合装置に応じて、適宜調節するのがよい。重合装置についても特に限定されず、従来公知の装置を用いることができる。以下、エチレンを含むモノマーの重合方法の一例を説明する。 【0046】 ポリオレフィン、特に、エチレン重合体やエチレンとα-オレフィンの共重合体の重合方法は、目的とするポリエチレンの種類、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の密度や分岐の違いにより、適宜選択することができる。・・・」 「【0063】 第1の樹脂層 第1の樹脂層は、複層樹脂フィルムのコア層としての機能を果たすものである。第1の樹脂層は、コア層としての剛性が求められる。複層樹脂フィルムは、コア層を有することで、破断せず、優れた屈曲性を示すことができる。 ・・・ 【0065】 第1の樹脂層は、0.915~0.96g/cm3、好ましくは0.92~0.955g/cm3、より好ましくは0.93~0.955g/cm3の密度を有するものである。第1の樹脂層の密度は、JIS K6760-1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112-1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。第1の樹脂層の密度が0.915g/cm3以上であれば、第1の樹脂層の剛性を高めることができる。また、第1の樹脂層密度が0.96g/cm3以下であれば、第1の樹脂層の透明性や機械的強度を高めることができる。」 「【0078】 本発明による複層樹脂フィルムの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。本発明においては、押出成形されてなることが好ましく、押出成形が、Tダイ法またはインフレーション法により行われることがより好ましい。」 「【0081】 用途 本発明による複層樹脂フィルムは、容器や袋等の包装製品、化粧シートやトレー等のシート成形品、積層フィルム、光学フィルム、樹脂板、各種ラベル材料、蓋材、およびラミネートチューブ等の各種用途に好適に使用することができ、特に、包装製品およびシート成形品が好ましい。」 「【0084】 樹脂フィルムの製造 下記の参考例1~7および参考比較例1~2で用いた押出製膜機の条件は、以下のとおりであった。 スクリュー径:90mm スクリュー型式:フルフライト L/D:28 Tダイ:11S型ストレートマニホールド Tダイ有効開口長:560mm 【0085】 第1の樹脂層(コア層)用樹脂フィルム 参考例1 バイオマス由来の高密度ポリエチレン(Braskem社製、商品名:SHA7260、バイオマス度:94.5%、密度:0.955g/cm3、MFR:20g/10分)を290℃の樹脂温度にて、厚み12μmのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:E5100)上に押し出して、樹脂フィルムを得た。押出成形の条件を、有効巾は560mm、押出厚みは30μm、押出速度は100m/分に設定した。 ・・・ 【0089】 樹脂組成物および樹脂フィルムの評価 ・・・ 【0093】 (5)ループスティフネス 上記の参考例1~3および参考比較例1で得られた樹脂フィルムを、幅15mm、長さ150mmに切り出し、剛性試験機(東洋精機製作所社製、商品名:ループステフネステスタ)を用いてフィルムの剛性(N)の測定を行った。ループの長さは60mmとした。測定結果は、下記の表1に示される通りであった。 【0094】 【表1】 [図:0001391979000004.jpg] 」 「【0096】 参考例5 バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(Braskem社製:SLL318、バイオマス度:87%、密度:0.918g/cm3、MFR:2.7g/10分)33質量部と、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:LC604、バイオマス度:0%、密度:0.918g/cm3、MFR:8g/10分)67質量部とをメルトブレンドした樹脂(バイオマス度:29%、密度:0.918g/cm3、MFR:6.3g/10分)を、320℃の樹脂温度にて、厚み12μmのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:E5100)上に押し出して、樹脂フィルムを得た。押出成形の条件を、有効巾は560mm、押出厚みは30μm、押出速度は100m/分に設定した。」 「【0099】 参考比較例2 化石燃料由来の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:LC600A、バイオマス度:0%、密度:0.919g/cm3、MFR:7g/10分)を320℃の樹脂温度にて、厚み12μmのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:E5100)上に押し出して、樹脂フィルムを得た。押出成形の条件を、有効巾は560mm、押出厚みは30μm、押出速度は100m/分に設定した。」 「【0105】 (10)シール開始温度 上記の参考例4~7および参考比較例2で得られた樹脂フィルムを、厚さ幅15mm、長さ200mmに切り出し、シール温度は90~150℃、シール圧力は30N/cm2、シール時間は1秒でヒートシールした。この試験片を引張試験機(テンシロンRTC-125A、オリエンテック社製)を用いて、引張速度300mm/分でT時剥離強度の測定を行い、シールが開始される温度(℃)を特定した。測定結果は、下記の表2に示される通りであった。 【0106】 【表2】 [図:0001391979000005.jpg] 」 (7)引用文献9(特開平8-143452号公報(申立人1が令和4年5月20日に提出した意見書に添付した参考資料3、申立人2が令和4年5月19日に提出した意見書に添付した参考資料1)) 引用文献9には、次の事項が記載されている。 「【0004】例えば、包装袋の積層材として以下のようなものがある。 ・紙/PE/Al/EMAA ・PET/PE/Al/PE 上記記号は下記の物質を示すものとする。以下同様とする。 ・PE:ポリエチレン ・EMAA:エチレン-メタクリル酸共重合体 ・Al:アルミニウム ・PET:ポリエチレンテレフタレート」 「【0015】上記印刷基材、バリヤー層、非収着性シール層をラミネートする方法としては、従来より公知のドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、ウェットラミネーション法等が利用できる。例えば、PET/Al/PANの構成の積層材を作製する場合、PETとAlはPEの押し出しラミネーション法によりラミネートして、PET/PE/Alとし、更に、この積層材とPANをドライラミネーション法でラミネート(以下LMDとする)して、PET/PE/Al/LMD/PANの構成の積層材を作製する。」 (8)引用文献10(特開2009-262935号公報(申立人2が令和3年10月13日に提出した意見書に添付した参考資料1)) 引用文献10には、次の事項が記載されている。 「【0099】 (4)ヒートシール性フィルム ヒートシール性フィルムとしては、熱によって溶融し相互に融着し得る各種のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂、その他等を使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン-α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、これらの金属架橋物、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。これらの中でも、加熱加圧殺菌を行う場合には、ポリプロピレンが好適である。 【0100】 また、本発明では、前記底材または蓋材のいずれかのヒートシール層はイージーピール性を有することが好ましい。このようなイージーピール性のヒートシール層としては、・・・共押出しで2層または3層からなるフィルムであり、サポート層とシール層の接着強度が低く調整された層間剥離タイプ、EVAなどの易接着性樹脂からなる界面剥離タイプなどがあり、・・・」 (9)引用文献11(特開2012-188137号公報(申立人2が令和3年10月13日に提出した意見書に添付した参考資料2)) 引用文献11には、次の事項が記載されている。 「【0054】 ここで、上記したイージーピール機能の「層間剥離タイプ」、「凝集剥離タイプ」、および、「界面剥離タイプ」の概念について説明する。 【0055】 層間剥離タイプは、多層の易剥離層123の層間で剥離する。易剥離層123が2層(シール層(第1層)、および、サポート層(第2層))以上の多層フィルムで構成される場合、シール層とサポート層との接着強度を低くしておくことによって、初期開封力によりシール層である第1層が裂け、次に、第1層と第2層との層間で剥離する。第1層と本体シート110とが同種の樹脂であれば、完全シール(融着)となり、良好なシール安定性、および、良好な夾雑物シール性が得られる。・・・ 【0056】 凝集剥離タイプでは、易剥離層123が凝集破壊(樹脂層自体が破壊)されて剥離する。例えば、異種の樹脂であるPE(ポリエチレン)とPP(ポリプロピレン)とは熱融着できないので、この性質を利用して、例えば、PEとPPとを所定比率で混合したフィルムとPP製の本体シート110をシールした場合、ミクロの部分で同種樹脂(PP)部分はシールされ、異種樹脂部分はシールされない。つまり、手で剥離できる程度のシール強度に設計可能となる。易剥離層123は、サポート層とシール層(=ピール層)との2層の場合と、サポート層/ピール層/シール層の3層の場合がある。3層の場合において、シール層として、本体シート110と同種の樹脂を選べば完全シール(融着)となり、良好なシール安定性、良好な夾雑物シール性が得られる。・・・ 【0058】 層間剥離タイプの場合、易剥離層123の材料には、オレフィン系樹脂、またはエラストマー系樹脂の材料が用いられる。また、易剥離層123の材料としては、オレフィン系樹脂の場合は、クッション性の観点からポリエチレン系樹脂の素材が好ましく、低温シール性の観点から低密度ポリエチレンが特に好ましい。エラストマー系樹脂の場合は、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーが好ましい。 【0059】 凝集剥離タイプの場合、易剥離層123の材料には、ポリエチレン、オレフィン系樹脂、または、エラストマー系樹脂の材料が用いられる。また、封止シート120を破壊しやすくするために、易剥離層123の材料には、ポリエチレン、オレフィン系樹脂の材料と相溶しにくい副成分が混ぜられることが好ましい。相溶しにくい副成分としては、スチレン系樹脂の材料、例えば、ポリスチレンまたはポリアクリルスチレン等が用いられる。」 2 引用文献2を主引例とした理由 (1)本件発明1について ア 対比 「ポリエステル」が「ジオール単位とジカルボン酸単位」とからなることは技術常識であるから、引用発明2において「ポリエステル層」は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層」の限りで、本件発明1における「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」と一致する。 「ポリエチレン」が「ポリオレフィン」であることは技術常識であるから、引用発明2における「ポリエステル層」と「アルミ箔からなる層」の間の「ポリエチレン層」は、「ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層」の限りで、本件発明1における「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」であり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層である」ことと一致し、また、引用発明2における最外層の「ポリエチレン層」は、「ポリオレフィン樹脂層」である限りで、本件発明1における「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」ことと一致する。 引用発明2の「防湿性や酸化防止のためのアルミ箔からなる層」は本件発明1の「無機物を含むバリア層」に相当する。 本件発明1と引用発明2とは、以下の一致点1で一致し、相違点1-1~1-4で相違する。 [一致点1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層と、 ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 ポリオレフィン樹脂層と、をこの順に有してなる、積層体。」 [相違点1-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明1は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であるのに対して、引用発明2は、「ポリエステル層」である点。 [相違点1-2] 「ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明1は「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」であり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層である」のに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点1-3] 「ポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明1は「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点1-4] 本件発明1は、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」るのに対して、引用発明2はそのようなものであるか不明である点。 イ 判断 (ア)相違点1-1について 「ポリエステル樹脂組成物」として、バイオマス由来のもの、化石燃料由来のものはいずれも周知であり(例えば、バイオマス由来のものについて、引用文献3【0003】、引用文献4【0003】、【0060】、【0061】)、引用発明2における「ポリエステル層」を構成する「ポリエステル」を、「ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコール」である「バイオマス樹脂組成物」とし、当該「ポリエステル層」を「バイオマスポリエステル樹脂層」とすること、又は「ジオール単位」と「ジカルボン酸単位」とを化石燃料由来とし、当該「ポリエステル層」を「化石燃料ポリエステル樹脂層」とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点1-2について 「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用いることは、例えば、引用文献5(【請求項1】、【0035】、【0053】)、引用文献6(【請求項1】、【0038】、【0056】)に示されるように周知である。 また、樹脂材料において、バイオマス由来の原料を用いて、化石燃料の使用量を削減することは、引用文献3(【0003】)、引用文献4(【0003】)、引用文献5(【0005】)、引用文献6(【0005】)に示されるように周知の課題である(以下「周知課題」という。)。 してみると、引用発明2において、周知課題を解決するために、当該周知技術を参考にして、「ポリエチレン層」を構成するポリエチレンを「バイオマス由来のエチレン」を含むモノマーが重合してなるものとすることに格別の困難性はない。 また、ポリエチレン層をどのように積層するかは、技術の具体的適用に伴う積層方法の選択であり、ポリエステル樹脂層とアルミニウム層との間に位置するポリエチレン層を、ポリエチレン樹脂を用いた押出ラミネーション法により積層することは、例えば、引用文献9(【0015】)に示されるように周知であるから、引用発明2における「ポリエチレン層」を「押し出しラミネート層」とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (ウ)相違点1-3、1-4について 引用文献2(上記1(2)ア(ア))には、「ピロー包装とは,ロールから繰り出される1枚のフラットな原反フィルムで被包装物を巻くように包みながら,長手方向の両端を合わせつつヒートシールし,・・・」と記載されていることを踏まえると、ピロー包装に使用される包材である引用発明2における「ポリエステル層と、ポリエチレン層と、防湿性や酸化防止のためのアルミ箔からなる層と、ポリエチレン層」の4つ目の層の「ポリエチレン層」は「ヒートシール層」であると認められる。 ヒートシール性のポリエチレンとして、密度が0.90~0.925g/cm3に含まれる非バイオマスのものは、例えば、引用文献5(【0083】、【0089】、【0090】)、引用文献6(【0099】、【0105】、【0106】)に示されるように周知であり、引用発明2における4つ目の層の「ポリエチレン層」を、密度が「0.90~0.925g/cm3」である「非バイオマス」のものとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 また、積層体において、ヒートシール層として用いられる、ポリエチレン樹脂層を2層以上有してなるヒートシールフィルムは、例えば、引用文献10(【0100】)、引用文献11(【0055】、【0056】、【0058】、【0059】)に示されるように周知であり、引用発明2におけるヒートシール層である4つ目の層の「ポリエチレン層」の具体的構成として、当該周知技術を採用して2層以上有するものとすることに格別の困難性はない。 その際、ポリオレフィン樹脂層を、エポキシ化植物油が添加されていないものとすることは、当業者が適宜決め得る事項である。 (エ)小括 したがって、本件発明1は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)本件発明2について ア 対比 本件発明2と引用発明2とは、以下の一致点2で一致し、相違点2-1~2-3で相違する。 [一致点2] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層と、 ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 ポリオレフィン樹脂層と、をこの順に有してなる、積層体。」 [相違点2-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明2は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であるのに対して、引用発明2は、「ポリエステル層」である点。 [相違点2-2] 「ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明2は「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」であり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」のに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点2-3] 「ポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明2は「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 イ 判断 (ア)相違点2-1について 相違点2-1については、上記相違点1-1における判断と同様であり、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点2-2について 「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来の低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用いることは、例えば、引用文献5(【請求項1】、【0035】、【0042】、【0043】、【0052】、【0053】)、引用文献6(【請求項1】、【0038】、【0045】、【0046】、【0063】、【0065】)に示されるように周知である。 してみると、引用発明2において、上記周知課題を解決するために、当該周知技術を参考にして、「ポリエチレン層」を「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」とし、当該「ポリエチレン層」を構成するポリエチレンを「バイオマス由来の低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン」を含んでなるものとすることに格別の困難性はない。 また、ポリエチレン層をどのように積層するかは、技術の具体的適用に伴う積層方法の選択であり、ポリエステル樹脂層とアルミニウム層との間に位置するポリエチレン層を、ポリエチレン樹脂を用いた押出ラミネーション法により積層することは、例えば、引用文献9(【0015】)に示されるように周知であるから、引用発明2における「ポリエチレン層」を「押し出しラミネート層」とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (ウ)相違点2-3について 引用文献2(上記1(2)ア(ア))には、「ピロー包装とは,ロールから繰り出される1枚のフラットな原反フィルムで被包装物を巻くように包みながら,長手方向の両端を合わせつつヒートシールし、・・・」と記載されていることを踏まえると、ピロー包装に使用される包材である引用発明2における「ポリエステル層と、ポリエチレン層と、防湿性や酸化防止のためのアルミ箔からなる層と、ポリエチレン層」の4つ目の層の「ポリエチレン層」は「ヒートシール層」であると認められる。 ヒートシール性のポリエチレンとして、密度が0.90~0.925g/cm3に含まれる、Tダイ法により行われる押出成形で製膜した非バイオマスのものは、例えば、引用文献5(【0067】、【0083】、【0089】、【0090】)、引用文献6(【0084】、【0099】、【0105】、【0106】)に示されるように周知であり、押出成形が、インフレーション法により行われることも、例えば、引用文献6(【0078】)に示されるように周知である。 そうすると、引用発明2における4つ目の層の「ポリエチレン層」を、ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した、密度が0.90~0.925g/cm3である非バイオマスのものとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 その際、ポリオレフィン樹脂層を、エポキシ化植物油が添加されていないものとすることは、当業者が適宜決め得る事項である。 (エ)小括 したがって、本件発明2は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)本件発明3について ア 対比 本件発明3と引用発明2とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1-1、1-3、1-4及び次の相違点3で相違する。 [相違点3] 「ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明3は「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」であり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」り、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」のに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 イ 判断 (ア)相違点1-1、1-3、1-4について 上記述べたことと同様に、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点3について 「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来の低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用い、「バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料由来の低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用いることは、例えば、引用文献5(【請求項1】、【0035】、【0053】、【0080】~【0082】)、引用文献6(【請求項1】、【0038】、【0056】、【0096】~【0098】)に示されるように周知である。 してみると、引用発明2において、上記周知課題を解決するために、当該周知技術を参考にして、「ポリエチレン層」を「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」とし、当該「ポリエチレン層」を構成するポリエチレンを「バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料由来の低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとを含んでなる」もの、すなわち、「低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」ものとすることに格別の困難性はない。 また、ポリエチレン層をどのように積層するかは、技術の具体的適用に伴う積層方法の選択であり、ポリエステル樹脂層とアルミニウム層との間に位置するポリエチレン層を、ポリエチレン樹脂を用いた押出ラミネーション法により積層することは、例えば、引用文献9(【0015】)に示されるように周知であるから、引用発明2における「ポリエチレン層」を「押し出しラミネート層」とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (ウ)小括 したがって、本件発明3は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)本件発明4について ア 対比 本件発明4と引用発明2とは、上記一致点1で一致し、上記相違点1-1、1-3、1-4及び次の相違点4で相違する。 [相違点4] 「ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明4は「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」であり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」り、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでな」り、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる」のに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 イ 判断 (ア)相違点1-1、1-3、1-4について 上記述べたことと同様に、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点4について 「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来の低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用い、「バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料由来の低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用いることは、例えば、引用文献5(【請求項1】、【0035】、【0053】、【0080】~【0082】)、引用文献6(【請求項1】、【0038】、【0056】、【0096】~【0098】)に示されるように周知であり、ここで例示した引用文献5(【請求項1】、【0053】)、引用文献6(【請求項1】、【0056】)には、樹脂組成物が、バイオマス由来のエチレンを樹脂組成物全体に対して5質量%以上含んでなるものであることが記載されている。 してみると、引用発明2において、上記周知課題を解決するために、当該周知技術を参考にして、「ポリエチレン層」を「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」とし、当該「ポリエチレン層」を構成するポリエチレンを「バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料由来の低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとを含んでなる」もの、すなわち、「直鎖状低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」ものとし、バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来のエチレンをバイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなるようにすることに格別の困難性はない。 また、ポリエチレン層をどのように積層するかは、技術の具体的適用に伴う積層方法の選択であり、ポリエステル樹脂層とアルミニウム層との間に位置するポリエチレン層を、ポリエチレン樹脂を用いた押出ラミネーション法により積層することは、例えば、引用文献9(【0015】)に示されるように周知であるから、引用発明2における「ポリエチレン層」を「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」とし、当該「ポリエチレン層」を構成するポリエチレンを「直鎖状低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」ものとし、バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来のエチレンをバイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなるようにする際に、当該「ポリエチレン層」を「押し出しラミネート層」として、相違点4に係る本件発明4の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (ウ)小括 したがって、本件発明4は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (5)本件発明5について 引用発明2における「アルミ箔」は、本件発明5の「金属箔」に相当する。 そうすると、本件発明5と引用発明2とは、上記一致点1及び次の一致点5で一致し、上記相違点1-1~1-4、3及び4で相違する。 [一致点5] 「前記バリア層が金属箔からなる」点。 相違点1-1~1-4、3及び4については、上記述べたことと同様に、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明5は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (6)本件発明6について ア 対比 本件発明6と引用発明2とは、上記一致点1、5で一致し、上記相違点1-2~1-4、3、4及び次の相違点6で相違する。 [相違点6] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明6は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層」であるのに対して、引用発明2は、「ポリエステル層」である点。 イ 判断 (ア)相違点1-2~1-4、3及び4について 相違点1-2~1-4、3及び4については、上記述べたことと同様に、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点6について 「ポリエステル樹脂組成物」として、バイオマス由来のものは周知であり(例えば、引用文献3【0003】、引用文献4【0003】、【0060】、【0061】)、引用発明2における「ポリエステル層」を構成する「ポリエステル」を、「ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコール」である「バイオマス樹脂組成物」とし、当該「ポリエステル層」を「バイオマスポリエステル樹脂層」とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ)小括 したがって、本件発明6は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (7)本件発明7について ア 対比 本件発明7と引用発明2とは、上記一致点1、5で一致し、上記相違点1-1、1-2、1-4、3、4、6及び次の相違点7で相違する。 [相違点7] 「ポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明7は「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であり」、「前記ヒートシール層が、ポリエチレンを含んでなる」のに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 イ 判断 (ア)相違点1-1、1-2、1-4、3、4及び6について 相違点1-1、1-2、1-4、3、4及び6については、上記述べたことと同様に、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点7について 上記相違点1-3の検討において、引用発明2における4つ目の層の「ポリエチレン層」を、密度が「0.90~0.925g/cm3」である「非バイオマス」のものとした「ヒートシール層」は、ポリエチレンを含んでなるものであるから、相違点7に係る本件発明7の構成とすることも、同様に当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ)小括 したがって、本件発明7は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (8)本件発明8について 本件発明8と引用発明2の2とは、次の一致点8及び一致点5で一致し、上記相違点1-1~1-4、3、4、6及び7で相違する。 [一致点8] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層と、 ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 ポリオレフィン樹脂層と、をこの順に有してなる、積層体を備える、包装製品。」 相違点1-1~1-4、3、4、6及び7については、上記述べたことと同様に、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明8は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (9)本件発明9について ア 対比 本件発明9と引用発明2とは、次の一致点9で一致し、相違点9-1~9-4で相違する。 [一致点9] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層と、 ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 ポリオレフィン樹脂層と、をこの順に有してなる、積層体。」 [相違点9-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明9は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であるのに対して、引用発明2は、「ポリエステル層」である点。 [相違点9-2] 「ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明9は「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」であり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる」のに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点9-3] 「ポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明9は「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点9-4] 本件発明9は、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」るのに対して、引用発明2はそのようなものであるか不明である点。 イ 判断 相違点9-1については、上記相違点1-1における判断と同様、相違点9-2については、上記相違点4における判断と同様、相違点9-3、9-4については上記相違点1-3及び1-4における判断と同様、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明9は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (10)本件発明10について ア 対比 本件発明10と引用発明2とは、次の一致点10で一致し、相違点10-1~10-4で相違する。 [一致点10] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層と、 ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 ポリオレフィン樹脂層と、をこの順に有してなる、積層体。」 [相違点10-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明10は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」のに対して、引用発明2は、「ポリエステル層」である点。 [相違点10-2] 「ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明10は「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」であり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなり、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる」のに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点10-3] 「ポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明10は「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点10-4] 本件発明10は、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」るのに対して、引用発明2はそのようなものであるか不明である点。 イ 判断 (ア)相違点10-3、10-4について 相違点10-3、10-4については、上記相違点1-3及び1-4における判断と同様、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点10-1について a ポリエステル樹脂層が「化石燃料ポリエステル樹脂層」である場合 ポリエステル樹脂組成物として、化石燃料由来のものは周知であり、引用発明2における「ポリエステル層」を構成する「ポリエステル」を、「ジオール単位」と「ジカルボン酸単位」とを化石燃料由来とし、当該「ポリエステル層」を「化石燃料ポリエステル樹脂層」とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 b ポリエステル樹脂層が「バイオマスポリエステル樹脂層」である場合 「ポリエステル樹脂組成物」として、バイオマス由来のものは周知であり(例えば、引用文献3【0003】、引用文献4【0003】、【0060】、【0061】)、引用発明2における「ポリエステル層」を構成する「ポリエステル」を、「ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコール」である「バイオマス樹脂組成物」とし、当該「ポリエステル層」を「バイオマスポリエステル樹脂層」とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 例示した引用文献3、4には、従来の化石燃料から得られるエチレングリコールに代えて、植物由来のエチレングリコールをその原料としたポリエステルは、従来の化石燃料から得られるエチレングリコールを用いて製造されたポリエステルと、機械的特性等の物性面で遜色ないものが得られるとの知見を得たこと(引用文献3【0007】、引用文献4【0007】)、及び樹脂組成物中に、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルが、樹脂組成物全体に対して50~95質量%含まれることで、カーボンニュートラルなポリエステル樹脂を実現できること(引用文献3【0016】、引用文献4【0021】)が記載されている。 そうすると、ポリエステルをどの程度カーボンニュートラルなものとするかは、当業者が適宜決め得ることであるから、引用発明2における「ポリエステル層」を構成する「ポリエステル」を「バイオマスポリエステル樹脂層」とする際に、カーボンニュートラルの程度を低くし、「ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して」、50質量%より少なく含むこと、あるいは、カーボンニュートラルの程度を高くし、95質量%より多く含むことは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (ウ)相違点10-2について 「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来の低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用いることは、例えば、引用文献5(【請求項1】、【0035】、【0042】、【0043】、【0052】、【0053】)、引用文献6(【請求項1】、【0038】、【0045】、【0046】、【0063】、【0065】)に示されるように周知であり、ここで例示した引用文献5(【請求項1】、【0053】)、引用文献6(【請求項1】、【0056】)には、樹脂組成物が、バイオマス由来のエチレンを樹脂組成物全体に対して5質量%以上含んでなるものであることが記載されている。 してみると、引用発明2において、上記周知課題を解決するために、当該周知技術を参考にして、「ポリエチレン層」を「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」とし、当該「ポリエチレン層」を構成するポリエチレンを「バイオマス由来の低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン」を含んでなるものとし、バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来のエチレンをバイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなるようにすることに格別の困難性はない。 (エ)小括 したがって、本件発明10は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (11)本件発明11について ア 対比 本件発明11と引用発明2とは、次の一致点11で一致し、相違点11-1~11-4で相違する。 [一致点11] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層と、 ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層と、 金属箔からなり、無機物を含むバリア層と、 ポリオレフィン樹脂層と、をこの順に有してなる、積層体。」 [相違点11-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明11は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」のに対して、引用発明2は、「ポリエステル層」である点。 [相違点11-2] 「ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明11は「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」であり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」のに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点11-3] 「ポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明11は「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点11-4] 本件発明11は、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」るのに対して、引用発明2はそのようなものであるか不明である点。 イ 判断 相違点11-1については、上記相違点10-1における判断と同様、相違点11-2については、上記相違点2-2における判断と同様、相違点11-3、11-4については、上記相違点1-3及び1-4における判断と同様であり、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明11は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (12)本件発明12について ア 対比 本件発明12と引用発明2とは、次の一致点12で一致し、相違点12-1~12-4で相違する。 [一致点12] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層と、 ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 ポリオレフィン樹脂層と、をこの順に有してなる、積層体。」 [相違点12-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明12は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」のに対して、引用発明2は、「ポリエステル層」である点。 [相違点12-2] 「ポリエチレンを含んでなるポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明12は「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」であり、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」のに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点12-3] 「ポリオレフィン樹脂層」に関して、本件発明12は「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であって、ポリエチレンを含んでな」るのに対して、引用発明2は「ポリエチレン層」である点。 [相違点12-4] 本件発明12は、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」るのに対して、引用発明2はそのようなものであるか不明である点。 イ 判断 相違点12-1については、上記相違点10-1における判断と同様、相違点12-2については、上記相違点2-2における判断と同様、相違点12-3については、上記相違点2-3における判断と同様、相違点12-4については上記相違点1-4における判断と同様であり、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明12は、引用発明2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (13)本件発明13について 本件発明13は、本件発明2に係る積層体を備える包装製品である。 本件発明13と引用発明2の2とを対比すると、一致点2に係る積層体を備える、包装製品である点で一致し、上記相違点2-1~2-3で相違する。 相違点2-1~2-3については、上記判断と同様であり、引用発明2の2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明13は、引用発明2の2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (14)本件発明14~17について 本件発明14~17は、それぞれ本件発明9~12に係る積層体を備える包装製品である。 したがって、上記(13)と同様、本件発明14~17は、引用発明2の2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (15)効果についての検討 これらの相違点を総合的に勘案しても、本件発明1~17の奏する作用効果は、引用文献2に記載された発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (16)引用文献2を主引例とした理由のまとめ 本件発明1~17は、引用文献2に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 3 引用文献4を主引例とした理由 (1)本件発明1について ア 対比 引用発明4における「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる第1の層」は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層」の限りで、本件発明1における「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」と一致する。 「ポリエチレン」は、エチレンを含むモノマーが重合してなるものであり、また、ポリオレフィンであるから、引用発明4における「バイオマス由来の原料を含む樹脂材料からな」り、「ポリエチレンのバイオマス由来の樹脂材料からな」る「第2の層」は、本件発明1における「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層」に相当する。 引用発明4の「無機物からなる第3の層」は本件発明1の「無機物を含むバリア層」に相当する。 引用発明4における「第4の層」が「従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層である」ことは、「第4の層」が「非バイオマス樹脂層」の限りで、本件発明1における「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であることと一致する。 本件発明1と引用発明4とは、以下の一致点Aで一致し、相違点A-1~A-5で相違する。 [一致点A] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 第4の層と、を有してなり、 第4の層が非バイオマス樹脂層である、積層体。」 [相違点A-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明1は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であるのに対して、引用発明4は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる第1の層」である点。 [相違点A-2] 「第4の層が非バイオマス樹脂層」であることに関して、本件発明1は、「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明4は、「第4の層」が「従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層であ」って、「耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるために、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用した」ものである点。 [相違点A-3] 本件発明1は、「ポリエステル樹脂層」と、「バイオマスポリオレフィン樹脂層」と、「バリア層」と、「ヒートシール層」と、を「この順に有してな」るのに対して、引用発明4は、各層の順が不明である点。 [相違点A-4] 本件発明1は、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」るのに対して、引用発明4はそのようなものであるか不明である点。 [相違点A-5] 本件発明1は、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層である」のに対して、引用発明4はその点が不明である点。 イ 判断 (ア)相違点A-1について 引用発明4の「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる」ことは、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである」ことといえるから、相違点4は実質的な相違点ではない。 また、引用文献4(【0081】)には、「ポリエステル」として、「従来の化石燃料由来の原料から製造されているポリエチレンテレフタレート」を主成分としたもの、すなわち、「化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物」が記載されている。 そうすると、バイオマス由来の樹脂を用いた積層体において、バイオマス由来のものをどの程度用いるかは、当業者が適宜決め得る事項であるから、引用発明4における「第1の層」を、「化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物」からなる「化石燃料ポリエステル樹脂層」とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (イ)相違点A-2について 引用発明4の第4の層は、ヒートシール性を付与させるための材料として、低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとが示されていると認められる。そして、積層体の表層をヒートシール層とすることは通常態様であるところ、一般に、低密度ポリエチレンの密度が0.918g/cm3、0.919g/cm3程度、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.910g/cm3、0.918g/cm3程度であることから(引用文献5【0081】、【0083】、引用文献6【0096】、【0099】)、相違点A-2に係る本件発明1の構成は、引用発明4に基づき当業者が容易に想到し得たものである。 (ウ)相違点A-3について 引用文献4(【0074】)には、「<層構成>本発明の積層体の層構成については、第1の層および第2の層をそれぞれ少なくとも1層有するものであれば、特に限定されず、従来の積層フィルムと同様の層構成であってもよい。・・・」と記載されているところ、従来の積層フィルムの層構成としては、引用文献2に記載されたポリエステル層と、ポリエチレン層と、アルミ箔からなる層と、ポリエチレン層と、をこの順に積層したものが存在するから、引用発明4の第1の層~第4の層の順番を引用文献2に記載されているような順番とし、相違点A-3に係る本件発明1の構成とすることは、引用発明4を具体化する際、設計上適宜なし得る程度のことである。 (エ)相違点A-4について 引用文献4(【0069】)には、「第4の層は、従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層である。第4の層は、従来公知の原料を用いて形成することができ、その組成および形成方法は、特に限定されない。積層体が、第4の層をさらに有することで、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させることができる。なお、積層体は、第4の層を2層以上有してもよい。第4の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。」と記載され、同文献【0070】には、第4の層に使用できる樹脂としてポリオレフィン樹脂が列挙されている。 引用文献4のこれら記載を参考にして、引用発明4において、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるため、第4の層を2層以上として、非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有するものとすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (オ)相違点A-5について ポリエチレン層をどのように積層するかは、技術の具体的適用に伴う積層方法の選択であり、ポリエステル樹脂層と無機物からなる層との間に位置するポリエチレン層を、ポリエチレン樹脂を用いた押出ラミネーション法により積層することは、例えば、引用文献9(【0015】)に示されるように周知であるから、引用発明4において、ポリエステル樹脂層と無機物からなる層との間に位置するポリエチレン層である「第2の層」を「押し出しラミネート層」として、相違点A-5に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (カ)小括 したがって、本件発明1は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)本件発明2について ア 対比 本件発明2と引用発明4とは、以下の一致点Bで一致し、相違点B-1~B-4で相違する。 [一致点B] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 第4の層と、を有してなり、 第4の層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマス樹脂層である、積層体。」 [相違点B-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明2は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であるのに対して、引用発明4は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる第1の層」である点。 [相違点B-2] 「第4の層が非バイオマス樹脂層」であることに関して、本件発明2は、「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層」が「非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明4は、「第4の層」が「従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層であ」って、「耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるために、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用した」ものである点。 [相違点B-3] 本件発明2は、「ポリエステル樹脂層」と、「バイオマスポリオレフィン樹脂層」と、「バリア層」と、「ヒートシール層」と、を「この順に有してな」るのに対して、引用発明4は、各層の順が不明である点。 [相違点B-4] 本件発明2は、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」のに対して、引用発明4はその点が不明である点。 イ 判断 (ア)相違点B-1~B-3について 相違点B-1、B-2及びB-3については、上記相違点A-1、A-2及びA-3における判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点B-4について ポリエチレン層をどのように積層するかは、技術の具体的適用に伴う積層方法の選択であり、ポリエステル樹脂層と無機物からなる層との間に位置するポリエチレン層を、ポリエチレン樹脂を用いた押出ラミネーション法により積層することは、例えば、引用文献9(【0015】)に示されるように周知であるから、引用発明4において、ポリエステル樹脂層と無機物からなる層との間に位置するポリエチレン層である「第2の層」を「押し出しラミネート層」とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 また、引用文献4には、「ポリエステル層とアルミ箔からなる層の間の層を、低密度ポリエチレンおよび/または直鎖状ポリエチレンを含むポリエチレン層とすること」(上記認定した引用文献4記載事項)が記載されているから、引用発明4におけるバイオマス由来の原料を含む樹脂材料からなる第2の層を、「バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」ものとすることに格別の困難性はない。 (ウ)小括 したがって、本件発明2は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)本件発明3について ア 対比 本件発明3と引用発明4とは、上記一致点Aで一致し、上記相違点A-1~A-4及び次の相違点Cで相違する。 [相違点C] 本件発明3は、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」り、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」のに対して、引用発明4は「第2の層が、ポリエチレンのバイオマス由来の樹脂材料からな」る点。 イ 判断 (ア)相違点A-1~A-4について 相違点A-1、A-2、A-3及びA-4については、上記判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点Cについて 「バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来の低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用い、「バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料由来の低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用いることは、例えば、引用文献5(【請求項1】、【0035】、【0053】、【0080】~【0082】)、引用文献6(【請求項1】、【0038】、【0056】、【0096】~【0098】)に示されるように周知である。 引用文献4には、「ポリエステル層とアルミ箔からなる層の間の層を、低密度ポリエチレンおよび/または直鎖状ポリエチレンを含むポリエチレン層とすること」(上記認定した引用文献4記載事項)が記載されているから、上記周知技術を参考にして、引用発明4の「第2の層」を構成するポリエチレンを「バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料由来の低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとを含んでなる」もの、すなわち、「低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」ものとすることに格別の困難性はない。 また、ポリエチレン層をどのように積層するかは、技術の具体的適用に伴う積層方法の選択であり、ポリエステル樹脂層と無機物からなる層との間に位置するポリエチレン層を、ポリエチレン樹脂を用いた押出ラミネーション法により積層することは、例えば、引用文献9(【0015】)に示されるように周知であるから、引用発明4において、ポリエステル樹脂層と無機物からなる層との間に位置するポリエチレン層である「第2の層」を「押し出しラミネート層」として、相違点Cに係る本件発明3の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (ウ)小括 したがって、本件発明3は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)本件発明4について ア 対比 本件発明4と引用発明4とは、上記一致点Aで一致し、上記相違点A-1~A-4及び次の相違点Dで相違する。 [相違点D] 本件発明4は、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であ」り、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでな」り、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる」のに対して、引用発明4は「第2の層が、ポリエチレンのバイオマス由来の樹脂材料からな」る点。 イ 判断 (ア)相違点A-1~A-4について 相違点A-1、A-2、A-3及びA-4については、上記判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点Dについて 「バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料由来の低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂」を「ポリオレフィン樹脂」として用いることは、例えば、引用文献5(【請求項1】、【0035】、【0053】、【0080】~【0082】)、引用文献6(【請求項1】、【0038】、【0056】、【0096】~【0098】)に示されるように周知であり、ここで例示した引用文献5(【請求項1】、【0053】)、引用文献6(【請求項1】、【0056】)には、樹脂組成物が、バイオマス由来のエチレンを樹脂組成物全体に対して5質量%以上含んでなるものであることが記載されている。 してみると、引用発明4において、上記周知課題を解決するために、当該周知技術を参考にして、「第2の層」を構成するポリエチレンを「バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料由来の低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとを含んでなる」もの、すなわち、「直鎖状低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」ものとし、バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来のエチレンをバイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなるようにすることに格別の困難性はない。 また、ポリエチレン層をどのように積層するかは、技術の具体的適用に伴う積層方法の選択であり、ポリエステル樹脂層と無機物からなる層との間に位置するポリエチレン層であるポリエチレン層を、ポリエチレン樹脂を用いた押出ラミネーション法により積層することは、例えば、引用文献9(【0015】)に示されるように周知であるから、引用発明4において、ポリエステル樹脂層と無機物からなる層との間に位置するポリエチレン層である「第2の層」を「押し出しラミネート層」として、相違点Dに係る本件発明4の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (ウ)小括 したがって、本件発明4は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (5)本件発明5について ア 対比 本件発明5と引用発明4とは、上記一致点Aで一致し、上記相違点A-1~A-4、C、D及び次の相違点Eで相違する。 [相違点E] 本件発明5は「前記バリア層が金属箔からなる」のに対して、引用発明4の「第3の層」はその点が不明である点。 イ 判断 (ア)相違点A-1~A-4、C、Dについて 相違点A-1、A-2、A-3、A-4、C及びDについては、上記判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点Eについて 引用文献4(【0068】)には、第3の層を金属箔とすることが記載されており、引用発明4における「第3の層」を金属箔からなるものとし、相違点Eに係る本件発明5の構成とすることに格別の困難性はない。 (ウ)小括 したがって、本件発明5は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (6)本件発明6について 引用発明6の「第1の層」はバイオマスポリエステル樹脂層である。 そうすると、本件発明6と引用発明4とは、上記一致点A及び次の一致点Fで一致し、上記相違点A-1~A-4、C~Eで相違する。 [一致点F] 「前記ポリエステル樹脂層が、前記バイオマスポリエステル樹脂層である」点。 相違点A-1、A-2、A-3、A-4、C、D及びEについては、上記における判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明6は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (7)本件発明7について ア 対比 本件発明7と引用発明4とは、上記一致点A、Fで一致し、上記相違点A-1、A-3、A-4、C~E及び次の相違点Gで相違する。 [相違点G] 「第4の層が非バイオマス樹脂層」であることに関して、本件発明7は、「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であ」り、「前記ヒートシール層が、ポリエチレンを含んでなる」であるのに対して、引用発明4は、「第4の層」が「従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層であ」って、「耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるために、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用した」ものである点。 イ 判断 (ア)相違点A-1、A-3、A-4、C~Eについて 相違点A-1、A-3、A-4、C、D及びEについては、上記における判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点Gについて 引用発明4における「第2の層」は、「低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用した」ものであるところ、例示された樹脂のうちいずれを選択するかは、当業者が適宜決め得る事項であり、ポリエチレンを含んでなるものとすることに格別の困難性はない。 (ウ)小括 したがって、本件発明7は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (8)本件発明8について 本件発明8と引用発明4の2とは、次の一致点H及び上記一致点Fで一致し、上記相違点A-1、A-3、A-4、C~E、Gで相違する。 [一致点H] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 第4の層と、を有してなり、 第4の層が非バイオマス樹脂層である、積層体を備える、包装製品。」 相違点A-1、A-3、A-4、C、D、E及びGについては、上記判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明7は、引用発明4の2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (9)本件発明9について ア 対比 本件発明9と引用発明4とは、次の一致点Iで一致し、相違点I-1~I~4で相違する。 [一致点I] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 第4の層と、を有してなり、 第4の層が非バイオマス樹脂層である、積層体。」 [相違点I-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明9は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であるのに対して、引用発明4は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる第1の層」である点。 [相違点I-2] 「第4の層が非バイオマス樹脂層」であることに関して、本件発明9は、「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明4は、「第4の層」が「従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層であ」って、「耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるために、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用した」ものである点。 [相違点I-3] 本件発明9は、「ポリエステル樹脂層」と、「バイオマスポリオレフィン樹脂層」と、「バリア層」と、「ヒートシール層」と、を「この順に有してな」るのに対して、引用発明4は、各層の順が不明である点。 [相違点I-4] 本件発明9は、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる」のに対して、引用発明4の「第2の層」はそのようなものであるか不明である点。 イ 判断 相違点I-1については、上記相違点A-1における判断と同様、相違点I-2については、上記相違点A-2における判断と同様、相違点I-3については、上記相違点A-3における判断と同様、相違点I-4については、上記相違点Dにおける判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明9は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (10)本件発明10について ア 対比 本件発明10と引用発明4とは、次の一致点Jで一致し、相違点J-1~J-4で相違する。 [一致点J] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 第4の層と、を有してなり、 第4の層が非バイオマス樹脂層である、積層体。」 [相違点J-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明10は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」るのに対して、引用発明4は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる第1の層」である点。 [相違点J-2] 「第4の層が非バイオマス樹脂層」であることに関して、本件発明10は、「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明4は、「第4の層」が「従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層であ」って、「耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるために、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用した」ものである点。 [相違点J-3] 本件発明10は、「ポリエステル樹脂層」と、「バイオマスポリオレフィン樹脂層」と、「バリア層」と、「ヒートシール層」と、を「この順に有してな」るのに対して、引用発明4は、各層の順が不明である点。 [相違点J-4] 本件発明10は、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなり、前記バイオマス由来のエチレンを前記バイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなる」のに対して、引用発明4の「第2の層」はそのようなものであるか不明である点。 イ 判断 (ア)相違点J-2、J-3について 相違点J-2については、上記相違点A-2における判断と同様、相違点J-3については、上記相違点A-3と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点J-1について a ポリエステル樹脂層が「化石燃料ポリエステル樹脂層」である場合 ポリエステル樹脂組成物として、化石燃料由来のものは周知であり、ポリエステルをどの程度カーボンニュートラルなものとするかは、当業者が適宜決め得ることであるから、引用発明4における「第1の層」を構成する「ポリエステル」を、「ジオール単位」と「ジカルボン酸単位」とを化石燃料由来とし、当該「ポリエステル層」を「化石燃料ポリエステル樹脂層」とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 b ポリエステル樹脂層が「バイオマスポリエステル樹脂層」である場合 引用文献4には、従来の化石燃料から得られるエチレングリコールに代えて、植物由来のエチレングリコールをその原料としたポリエステルは、従来の化石燃料から得られるエチレングリコールを用いて製造されたポリエステルと、機械的特性等の物性面で遜色ないものが得られるとの知見を得たこと(引用文献4【0007】)、及び樹脂組成物中に、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルが、樹脂組成物全体に対して50~95質量%含まれることで、カーボンニュートラルなポリエステル樹脂を実現できること(引用文献4【0021】)が記載されている。 そうすると、ポリエステルをどの程度カーボンニュートラルなものとするかは、当業者が適宜決め得ることであるから、引用発明4における「第1の層」を構成する「ポリエステル」を、カーボンニュートラルの程度を低くし、「ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して」、50質量%より少なく含むこと、あるいは、カーボンニュートラルの程度を高くし、95質量%より多く含むことは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。 (ウ)相違点J-4について 引用文献4には、「ポリエステル層とアルミ箔からなる層の間の層を、低密度ポリエチレンおよび/または直鎖状ポリエチレンを含むポリエチレン層とすること」(上記認定した引用文献4記載事項)が記載されている。 また、樹脂組成物が、バイオマス由来のエチレンを樹脂組成物全体に対して5質量%以上含んでなるものは、例えば、例示した引用文献5(【請求項1】、【0053】)、引用文献6(【請求項1】、【0056】)に示されるように周知である。 してみると、引用発明4において、上記周知課題を解決するために、「第2の層」が有する「バイオマス由来の原料を含む樹脂材料」を、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなり、バイオマス由来のエチレンをバイオマスポリオレフィン樹脂層全体に対して5質量%以上含んでなるものとすることに格別の困難性はない。 (エ)小括 したがって、本件発明10は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (11)本件発明11について ア 対比 本件発明11と引用発明4とは、次の一致点Kで一致し、相違点K-1~K-6で相違する。 [一致点K] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 第4の層と、を有してなり、 第4の層が非バイオマス樹脂層である、積層体。」 [相違点K-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明11は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」るのに対して、引用発明4は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる第1の層」である点。 [相違点K-2] 「第4の層が非バイオマス樹脂層」であることに関して、本件発明11は、「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層が非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)」であるのに対して、引用発明4は、「第4の層」が「従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層であ」って、「耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるために、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用した」ものである点。 [相違点K-3] 本件発明11は、「ポリエステル樹脂層」と、「バイオマスポリオレフィン樹脂層」と、「バリア層」と、「ヒートシール層」と、を「この順に有してな」るのに対して、引用発明4は、各層の順が不明である点。 [相違点K-4] 本件発明11は、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」るのに対して、引用発明4はそのようなものであるか不明である点。 [相違点K-5] 本件発明11は、「バリア層」が「金属箔からな」るのに対して、引用発明4の「第3の層」はその点が不明である点。 [相違点K-6] 本件発明11は、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」のに対して、引用発明4の「第2の層」はそのようなものであるか不明である点。 イ 判断 相違点K-1については、上記相違点J-1における判断と同様、相違点K-2については、上記相違点A-2における判断と同様、相違点K-3については、上記相違点A-3における判断と同様、相違点K-4については、上記相違点A-4における判断と同様、相違点K-5については、上記相違点Eにおける判断と同様、相違点K-6については、上記相違点B-4における判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明11は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (12)本件発明12について ア 対比 本件発明12と引用発明4とは、次の一致点Lで一致し、相違点L-1~L-5で相違する。 [一致点L] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層と、 バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるバイオマス由来のポリエチレンを含んでなるバイオマスポリオレフィン樹脂組成物からなるバイオマスポリオレフィン樹脂層と、 無機物を含むバリア層と、 第4の層と、を有してなり、 第4の層がTダイ法またはインフレーション法により製膜した非バイオマス樹脂層である、積層体。」 [相違点L-1] 「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル樹脂層」に関して、本件発明12は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなるバイオマスポリエステル樹脂組成物からなり、前記ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールである、バイオマスポリエステル樹脂層、または化石燃料由来のジオール単位と化石燃料由来のジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる化石燃料ポリエステル樹脂組成物からなる、化石燃料ポリエステル樹脂層」であり、「但し、前記ポリエステル樹脂層の樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなるものを除く」るのに対して、引用発明4は、「ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%含んでなる第1の層」である点。 [相違点L-2] 「第4の層が非バイオマス樹脂層」であることに関して、本件発明12は、「0.90~0.925g/cm3の密度を有するヒートシール層」であって、「前記ヒートシール層」が「非バイオマスポリオレフィン樹脂層(但し、エポキシ化植物油が添加された樹脂層を除く)であって、ポリエチレンを含んでな」るのに対して、引用発明4は、「第4の層」が「従来の化石燃料由来の原料から得られる樹脂層であ」って、「耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、およびその他の物性を付与ないし向上させるために、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等樹脂を使用した」ものである点。 [相違点L-3] 本件発明12は、「ポリエステル樹脂層」と、「バイオマスポリオレフィン樹脂層」と、「バリア層」と、「ヒートシール層」と、を「この順に有してな」るのに対して、引用発明4は、各層の順が不明である点。 [相違点L-4] 本件発明12は、「前記のものを含め非バイオマスポリオレフィン樹脂層を2層以上有してな」るのに対して、引用発明4はそのようなものであるか不明である点。 [相違点L-5] 本件発明12は、「前記バイオマスポリオレフィン樹脂層が押し出しラミネート層であり、バイオマス由来の低密度ポリエチレンおよび/またはバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでなる」のに対して、引用発明4の「第2の層」はそのようなものであるか不明である点。 イ 判断 相違点L-1については、上記相違点J-1における判断と同様、相違点L-2については、上記相違点A-2における判断と同様、相違点L-3については、上記相違点A-3における判断と同様、相違点L-4については、上記相違点A-4における判断と同様、相違点L-5については、上記B-4における判断と同様であり、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明12は、引用発明4及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (13)本件発明13について ア 対比 本件発明13は、本件発明2に係る積層体を備える包装製品である。 本件発明13と引用発明4の2とを対比すると、一致点Bに係る積層体を備える、包装製品である点で一致し、相違点B-1~B-4で相違する。 相違点B-1~B-4については、上記判断と同様であり、引用発明4の2及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件発明13は、引用発明4の2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (14)本件発明14~17について 本件発明14~17は、それぞれ本件発明9~12に係る積層体を備える包装製品である。 したがって、上記(13)における判断と同様、本件発明14~17は、引用発明4の2及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (15)効果についての検討 これらの相違点を総合的に勘案しても、本件発明1~17の奏する作用効果は、引用文献4に記載された発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (16)引用文献4を主引例とした理由のまとめ 本件発明1~17は、引用文献4に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第6 結び 以上のとおり、請求項1~17に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当するから、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700008

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