商標拒絶査定不服審判
2021-650064
イイ、チュングエン、トラングヌグエン、チュン、トラング、グエン、ヌグエン、エナジーカフェ、エネルギーカフェ、ナングルオングカフェ、ナンルオンカフェ、エナジー、エネルギー、ナングルオング、ナンルオン
- 審判番号
- 2021-650064
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 1509070
- 請求日
- 2021年12月13日
- 審決日
- 2022年07月07日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】TRUNG NGUYEN INVESTMENT CORPORATION
- 【請求人代理人】安達 友和
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .261-Z (W16213043) / T18 .262-Z (W16213043) / T18 .263-Z (W16213043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
国際登録第1509070号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。
結論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第16類、第21類、第30類及び第43類に属する日本国を指定する国際登録において指定された別掲2の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2019年6月12日にViet Namにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2019年(令和元年)10月25日に国際商標登録出願されたものである。
本願は、令和3(2021)年2月15日付けで暫定拒絶の通報がされ、同年9月6日付けで拒絶査定がされた。
これに対して令和3(2021)年12月14日受付で拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
ア.引用商標1(国際登録第912381A号)
商標 別掲3のとおり
指定役務 第43類「Services for providing food and drink; temporary accommodation.」
国際商標登録出願日 平成18(2006)年12月7日
設定登録日 平成20(2008)年3月21日
更新登録日 平成28(2016)年12月7日
イ.引用商標2(国際登録第1030769号)
商標 別掲4のとおり
指定商品 第30類「Coffee.」
国際商標登録出願日 平成21(2009)年11月24日
設定登録日 平成23(2011)年10月7日
更新登録日 平成31(2019)年11月24日
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、黒い四角形を背景に、上から順に、○で囲んだ「E」の文字、「TRUNG NGUYEN」、「ENERGY CAFE(最後の「E」の上にアクセント記号がある。以下同じ。)」の文字を表し、「ENERGY」の文字の下に「NANG LUONG」の文字を表し、下段に上下に横線を配した「THE No.1 COFFEE!」の小さめの文字を、いずれも白抜きで表してなるものである。
そして、中央部分に位置する「TRUNG NGUYEN」の文字は請求人の名称の一部であるが、ベトナム語の表記方法をもって表されていることから、我が国の一般的な需要者にとっては、例え一部のオンライン辞典に掲載されている文字であるとしても、ベトナム語の読み方に倣って「チュングエン」と称呼できるものとはいい難く、その他の読み方によっても称呼し難い文字である。
これに対し、「ENERGY CAFE」の文字部分は、「ENERGY」の文字と「CAFE」の文字の大きさに多少の差異があるものの、それぞれ「活力」等を意味する文字及び「カフェ、喫茶店」を意味する文字として、我が国において親しまれたものであるから、その構成文字に相応して「エナジーカフェ」又は「エネルギーカフェ」の称呼が無理なく生じるものといえ、本願の指定商品及び指定役務との関係において、出所識別標識として機能し得る部分である。
また、「ENERGY」の文字の下に表された「NANG LUONG」の文字は、英語の「ENERGY」に相当するベトナム語であるが、他の文字より背景とのコントラストが弱く、看取しづらいことに加え、ベトナム語を解さない一般的な我が国の需要者にとって、当該文字が有する意味及び「ナン ルオン」と発音されることを容易に理解できるものとはいえない。
さらに、下段の「THE No.1 COFFEE!」の文字は、他の文字に比べて小さく表されている上、コーヒーに関連する本願の指定商品及び指定役務との関係においては、商品及び役務の品質、質を表すものであるから、出所識別標識としての機能が弱い部分であるといえる。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中、親しまれ、称呼しやすい「ENERGY CAFE」の文字部分に着目し、これより生じる「エナジーカフェ」又は「エネルギーカフェ」の称呼をもって取引に資する場合がむしろ多いものというのが相当であるから、本願商標から「ENERGY CAFE」の文字を抽出し、この部分を他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
よって、本願商標は、「ENERGY CAFE」の文字部分が要部であるといえ、当該文字部分より、「エナジーカフェ」又は「エネルギーカフェ」の称呼が生じ、「活力のあるカフェ」程度の観念的な意味合いを理解させるものである。
(2)引用商標
引用商標2については、2021(令和3)年9月23日に「Change of ownership」が国際事務局に提出された結果、原査定における引用商標2の商標権者は、本願の請求人と同一人になった。
したがって、本願商標が引用商標2との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
そこで、引用商標1について検討すると、引用商標1は、別掲3のとおり、黒い四角形を背景に、上段に「ENERGIE」の文字を、下段にやや右にずらして「cafe(「e」の文字の上にアクセント記号がある。以下同じ。)」の文字を大きく、いずれも白抜きでまとまりよく一体的に表してなるものである。
そして、「ENERGIE」の文字のうち、2番目の「E」の文字が図案化されているものの、前後の文字から、当該文字が「E」の文字であろうことは自然に理解できる範囲であるといえる。また、「ENERGIE」の文字は、英語の「ENERGY」に相当するドイツ語であるが、ドイツ語を解さない需要者であっても、綴りに従って称呼すると、「エナジーカフェ」又は「エネルギーカフェ」と普通に読める文字である。
なお、請求人も「ENERGIE」の文字から「エナジー」又は「エネルギー」の称呼が生じることを認めている。
よって、引用商標1からは、その構成文字に相応して「エナジーカフェ」又は「エネルギーカフェ」の称呼が生じ、「活力のあるカフェ」程度の観念的な意味合いを理解させるものである。
(3)本願商標と引用商標1の類否
本願商標の要部と引用商標1とを比較すると、綴りにおいて「ENERGY」の「Y」と「ENERGIE」の「IE」の相違、「CAFE」と「cafe」の文字のうち、「E」と「e」の上のアクセント記号の向きに相違があるものの、その余の文字を共通にするものであるから、外観上類似するものというべきである。また、全体を比較した場合でも、両商標ともに黒い四角形を背景に白抜き文字で表されている点において、外観上、似かよった印象を与えるものといえる。
そして、本願商標の要部と引用商標1は、ともに「エナジーカフェ」又は「エネルギーカフェ」の称呼が生じ、「活力のあるカフェ」程度の観念的な意味合いを理解させるものである。
そうすると、本願商標と引用商標1は、それぞれの外観、称呼及び観念を総合的に考察すると、これらよって取引者、需要者に与える印象、記憶及び連想等を総合して、全体的に考察すれば、相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否
本願の指定役務である第43類「Self-service restaurant services; cafe services; food and drink catering.」と、引用商標1の指定役務のうち、第43類「Services for providing food and drink.」は、同一又は類似の役務である。
(5)請求人の主張について
請求人は、本願商標の構成中「TRUNG NGUYEN」の文字は、英辞郎にも掲載されている「チュングエン社(ベトナムのコーヒーチェーン店)」のことであるから、ベトナムコーヒーに精通している取引者・需要者には目にとまりやすく、「チュングエン」「チュングエン エナジー」「チュングエン エナジー カフェ」と称呼される割合が高い旨主張する。
しかしながら、我が国の一般的な需要者にとっては、ベトナム語の読み方に倣って「チュングエン」と称呼できるものとはいい難く、その他の読み方によっても称呼し難い文字であることは、前記(1)のとおりであり、また、本願の指定商品及び指定役務の需要者はベトナムコーヒーに精通している取引者・需要者に限られるものではないから、請求人の主張は採用できない。
(6)まとめ
以上によれば、本願商標は、引用商標1と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標1の指定役務と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-650064