2021-390119
記録装置、記録方法
- 審判番号
- 2021-390119
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-254337外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6789808
- 請求日
- 2021年08月06日
- 審決日
- 2022年01月12日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】TVS REGZA 株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人スズエ国際特許事務所
- 分類
- P141 .852-Y (H04N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第3項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
特許第6789808号は、平成28年12月27日に特許出願されたものであって、令和2年11月6日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和3年8月6日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、
「特許第6789808号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲の訂正後の請求項1及び2、の通り訂正することを認める、との審決を求める。」
というものである。
2 訂正の内容
請求人が求めている訂正の内容は、以下のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の末尾の行から逆戻り第4行目までの記載において、
「要件1:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は不可;要件2:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可;要件3:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は可;要件4:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可。」
とあるのを
「要件1:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は不可;要件2:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は不可;要件3:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は可;要件4:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可。」
と訂正する(請求項1を引用する請求項2も同様に訂正する。)。
なお、下線部は訂正箇所を示す(以下、同様)。
(2)訂正事項2
明細書の段落【0009】に
「【0009】一実施形態の記録装置は、現行のコピープロテクション方式より高度なコピープロテクション方式を使うか否かを指定する第1の指定情報、および映像の高度化に伴う現行放送との差異に応じた変換を受信側でするか否かを指定する第2の指定情報を放送波に配置するように構成した符号化映像フォーマットを採用する前記放送波を受信する装置からの映像信号を記録する記録装置であって、前記放送波がMMT方式の放送波であり、続きを表示(全14行)前記映像の高度化とは、解像度、画素ビット(階調)、フレーム周波数(フレームレート)、カラリメトリ(色域)、ダイナミックレンジのうちの1つ以上のパラメータが現行放送の映像よりも高度であることを示し、前記第1の指定情報及び又は前記第2の指定情報が放送番組毎のMPT(MMTパッケージテーブル)に配置可能な記述子により構成されており、前記第2の指定情報が、前記1つ以上の前記パラメータのいずれかについて、前記放送波の受信側における変換の可否を示す制御情報を含み、前記MMT方式の放送波を受信する受信手段と、前記受信した放送波に含まれる映像を処理する場合に、前記第1の指定情報と前記第2の指定情報に基づいて処理する処理手段と、を具備し、前記高度なコピープロテクション方式を高度コピープロテクト制御とし、前記映像の解像度変換を解像度制御とし、前記映像のダイナミックレンジ変換をDR制御としたときに、前記記述子に基づき、以下に列挙する要件のうち少なくとも1つが受信側の前記処理にて実行される記録装置である。要件1:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は不可;要件2:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可;要件3:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は可;要件4:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可。」
とあるのを
「【0009】一実施形態の記録装置は、現行のコピープロテクション方式より高度なコピープロテクション方式を使うか否かを指定する第1の指定情報、および映像の高度化に伴う現行放送との差異に応じた変換を受信側でするか否かを指定する第2の指定情報を放送波に配置するように構成した符号化映像フォーマットを採用する前記放送波を受信する装置からの映像信号を記録する記録装置であって、前記放送波がMMT方式の放送波であり、続きを表示(全14行)前記映像の高度化とは、解像度、画素ビット(階調)、フレーム周波数(フレームレート)、カラリメトリ(色域)、ダイナミックレンジのうちの1つ以上のパラメータが現行放送の映像よりも高度であることを示し、前記第1の指定情報及び又は前記第2の指定情報が放送番組毎のMPT(MMTパッケージテーブル)に配置可能な記述子により構成されており、前記第2の指定情報が、前記1つ以上の前記パラメータのいずれかについて、前記放送波の受信側における変換の可否を示す制御情報を含み、前記MMT方式の放送波を受信する受信手段と、前記受信した放送波に含まれる映像を処理する場合に、前記第1の指定情報と前記第2の指定情報に基づいて処理する処理手段と、を具備し、前記高度なコピープロテクション方式を高度コピープロテクト制御とし、前記映像の解像度変換を解像度制御とし、前記映像のダイナミックレンジ変換をDR制御としたときに、前記記述子に基づき、以下に列挙する要件のうち少なくとも1つが受信側の前記処理にて実行される記録装置である。要件1:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は不可;要件2:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は不可;要件3:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は可;要件4:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可。」
と訂正する。
第3 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正前の請求項2は請求項1を引用したものであり、訂正事項1に係る訂正によって記載が訂正される請求項1と連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1、2は一群の請求項であるから、本件訂正は特許法第126条第3項の規定に基づき一群の請求項ごとにされたものである。
2 訂正前の請求項1の記載事項
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訂正前の請求項1には以下の記載がある。(括弧付き数字は合議体が付したものであり、以下、構成(A)~(I)という。以下同じ。)
「【請求項1】(A) 現行のコピープロテクション方式より高度なコピープロテクション方式を使うか否かを指定する第1の指定情報、および(B) 映像の高度化に伴う現行放送との差異に応じた変換を受信側でするか否かを指定する第2の指定情報を放送波に配置するように構成した符号化映像フォーマットを採用する前記放送波を受信する装置からの映像信号を記録する記録装置であって、(C) 前記放送波がMMT方式の放送波であり、続きを表示(全14行)(D) 前記映像の高度化とは、解像度、画素ビット(階調)、フレーム周波数(フレームレート)、カラリメトリ(色域)、ダイナミックレンジのうちの1つ以上のパラメータが現行放送の映像よりも高度であることを示し、(E) 前記第1の指定情報及び又は前記第2の指定情報が放送番組毎のMPT(MMTパッケージテーブル)に配置可能な記述子により構成されており、(F) 前記第2の指定情報が、前記1つ以上の前記パラメータのいずれかについて、前記放送波の受信側における変換の可否を示す制御情報を含み、(G) 前記MMT方式の放送波を受信する受信手段と、(H) 前記受信した放送波に含まれる映像を処理する場合に、前記第1の指定情報と前記第2の指定情報に基づいて処理する処理手段と、を具備し、(I) 前記高度なコピープロテクション方式を高度コピープロテクト制御とし、前記映像の解像度変換を解像度制御とし、前記映像のダイナミックレンジ変換をDR制御としたときに、前記記述子に基づき、以下に列挙する要件のうち少なくとも1つが受信側の前記処理にて実行される記録装置:要件1:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は不可;要件2:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可;要件3:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は可;要件4:前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可。」
3 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
ア 訂正前の請求項1に係る発明は、構成(I)の「要件2」と「要件4」に「前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可」という同じ内容が重複して記載されているところ、訂正事項1は、「要件2」について「前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は不可;」と訂正するものである。
イ 明細書には以下の記載がある(下線は合議体が付した。)。
「【0049】以上のルールを実現するための制御ビットと受信機実装に求められる要件(コンプライアンスルール)として、例えば図10にそれぞれ示すような組み合わせが考えられる。【0050】図9A、図9B、図9Cは、上記に示したA)からD)のコピー制御のコンプライアンスルールを実現するために制御ビットとして3ビットを割り当てた場合のビットアサインの例である。図9Aは、3ビット(b2-b0)のフィールドのうちの最上位ビット(b2)のビットアサインを示しており、高度コピープロテクトの要不要を示す高度コピープロテクト制御フラグである。図9Bは、引き続く1ビット(b1)のビットアサインを示しており、解像度の変換の可否を示す解像度制御フラグである。図9Cは引き続く1ビット(b0)のビットアサインを示しており、HDR/SDRの変換の可否を示すHDR/SDR制御フラグを示している。【0051】図9Dは、受信機で一般的なHDを超える解像度、HDR/SDR、色域等の変換を可という前提の場合に、受信機での変換の実施結果に応じてコピープロテクト技術を適用するためにb1-b0の2ビットを用いて、このビットアサインにより実現する受信機実装に求められる要件(コンプライアンスルール)の例を示したものである図10は、図9A(b2)、図9B(b1)および図9C(b0)の3ビットのビットアサインにより実現するコンプライアンスルールの他の例を示したものである。」
「【0060】他のコンプライアンスルールとして、8Kの解像度をもつ映像をベースに考えた場合、以下のようなビットアサイン(b1-b0)で、解像度変換を定義することも可能である。【0061】b1、b0続きを表示(全21行)11:変換不可10:4Kへの変換は可能、2Kへの変換は不可能01:未定義00:4K以下への変換は可能図14は、一実施の形態に係る送信側の処理を説明するフローチャートである。このフローチャートの説明に入る前に、このフローチャートで用いられる用語と他の実施形態で用いられる用語との関連性を簡単に述べておく。【0062】例えば図9Aあるいは図10の何れかにアサインされた高度コピープロテクト制御フラグは、第1の指定情報に対応し、1または複数ビットで表現される。現行のコピープロテクション方式としてDTCPやAACSを例にとると、より高度なコピープロテクション方式としてDTCP2やAACS2が考えられる。第1の指定情報は、現行のコピープロテクション方式(DCTP等)より高度なコピープロテクション方式(DCTP2等)を使うか否かを指定する情報となっている。【0063】例えば図9Bあるいは図10の何れかに示された解像度制御フラグは、第2の指定情報に対応し、1または複数ビットで表現される。図9Cあるいは図10の何れかに示されたHDR/SDR制御フラグは、第3の指定情報に対応し、1または複数ビットで表現される。図9A、図9B、図9Cあるいは図10の何れかでは示していないが、例えば図7の階調、フレームレート、色の表現範囲を示すカラリメトリ(色域)などを示すフラグも、第4の指定情報に対応させることができる。なお、第2の指定情報と第3の指定情報は、いずれも映像の表現を進化させるパラメータであるので、第2の指定情報と第3の指定情報とを1つの指定情報として複数のビットで表現してもよい。同様に、第4の指定情報も第2の指定情報あるいは第3の指定情報と合わせて、「映像品質に関する1つの指定情報」として複数のビットで表現してもよい。【0064】以降の処理フローの説明においては、第2の指定情報として、解像度制御フラグ、HDR/SDR制御フラグ、図7の階調、フレームレート、色の表現範囲を示すカラリメトリ(色域)などを示すフラグを含んでいるものとして説明する。なお第2の指定情報にこれら複数種類のフラグを含まず、第2の指定情報は解像度制御フラグだけを含み、第3の指定情報はHDR/SDR制御フラグだけを含む、というように各指定情報は各フラグ1つを含む場合も、下記に示す処理フローにおいて各々の指定情報に対する処理(1402、1403、1502,1503)を順序実行するだけで、処理フロー自体は同一である。【0065】送信側の処理(1400)において、まず、制御対象となる映像(番組)に対して適用可能なコピー制御方式(DTCP/DTCP2やAACS/AACS2)の適用有無を指定する第1の指定情報に設定するビットパターンを決定する。具体的には、図9A乃至図10の何れかの高度コピープロテクト制御フラグを”1(高度コピープロテクト制御あり)”にするか”0(高度コピープロテクト制御なし)”にるすかを決定する(1401)。【0066】次に、制御対象の映像の品質に関連するパラメータ(解像度、階調、フレームレート、色域、輝度ダイナミックレンジなど)の変換の可否を指定する第2の指定情報を決定する。具体的には図9B、図10の解像度制御フラグおよびHDR/SDR制御フラグを”1(変換不可)”にするか”0(変換可)”にるすかを決定する(1402)。【0067】第1の指定情報および第2の指定情報のうち、少なくとも1つを、放送波(またはネットワーク上の伝送信号)の所定箇所に設定する(1403)。所定の設定箇所としては、例えばMPEG-TSのPMT(プログラムマップテーブル)が考えられる。MMTであればMPT(MMTパッケージテーブル)が考えられる。」
「【図9A】[図:0001383983000001.jpg]」
「【図9B】[図:0001383983000002.jpg]」
「【図10】[図:0001383983000003.jpg]」
「【図14】[図:0001383983000004.jpg]」
上記の記載から、本件明細書及び図面には以下の事項が記載されているといえる。
(ア)高度コピープロテクトの「要不要」を示す「高度コピープロテクト制御フラグ」は、「第1の指定情報」に対応し、現行のコピープロテクション方式より高度なコピープロテクション方式を使うか否かを指定する情報となっている。
そして、送信側の処理(1400)において、”1(高度コピープロテクト制御あり)”にするか”0(高度コピープロテクト制御なし)”にするかを決定している(1401)。(【0050】、【0062】、【0065】、図9A及び図14)
(イ)解像度の変換の「可否」を示す「解像度制御フラグ」は、「第2の指定情報」に対応し、制御対象の映像の品質に関連するパラメータ(解像度)の変換の可否を指定する情報となっている。
そして、送信側の処理(1400)において、”1(変換不可)”にするか”0(変換可)”にするかを決定している(1402)。(【0050】、【0063】、【0066】、図9B及び図14)
(ウ)「第1の指定情報」及び「第2の指定情報」のうち、少なくとも1つを放送波(またはネットワーク上の伝送信号)の所定箇所に設定し(1403)、所定の設定箇所としては、MMTであればMPT(MMTパッケージテーブル)が考えられる。(【0067】及び図14)
(エ)制御ビットである「高度コピープロテクト制御フラグ」及び「解像度制御フラグ」には、1(要)1(不可)、1(要)0(可)、0(不要)1(不可)、0(不要)0(不可)の4通りの組合せがある。(【0049】、【0051】、図10)
ウ 訂正前の請求項1の構成(I)は、要件1~4までの4つの要件を定義しているのにもかかわらず、「要件2」と「要件4」に同じ内容が重複しており、実質的に3つの要件しか定義していないことから、何らかの誤記が存在しているといえる。
そこで、要件1~4で定義する高度コピープロテクトの「要不要」と解像度の変換の「可否」の組合せについて、明細書及び図面に記載された事項との対応関係を見てみると、構成(I)における「要件1:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は不可」が、上記イ(エ)で述べた1(要)1(不可)に対応し、同じく「要件3:前記高度コピープロテクト制御は必要、前記解像度制御は可」が1(要)0(可)に対応し、「要件2」及び「要件4」に重複して記載された「前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は可」が0(不要)0(可)に対応している。
そうすると、構成(I)には、上記イ(エ)の「高度コピープロテクト制御フラグ」及び「解像度制御フラグ」のうち、0(不要)1(不可)に対応する要件がなく、内容が重複する「要件2」または「要件4」の何れかが0(不要)1(不可)に対応するもの、すなわち、正しくは「前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は不可;」であることが理解できる。
また、請求項1と同じMMT方式の放送波として特定されており、請求項1の「記録装置」を「記録方法」のカテゴリに変更しただけの請求項3には、上記4つの組合せにそれぞれ対応する要件が記載されているところ、「記録装置」の発明である請求項1においても、同様に4つの組合せに対応する要件が定義されるべきものといえる。
以上のことより、明細書及び図面、特許請求の範囲の記載全体からみても、構成(I)において重複する内容となっている「要件2」または「要件4」は、何れかが「前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は不可;」の誤記であることは自明のことである。
したがって、構成(I)の「要件2」について「前記高度コピープロテクト制御は不要、前記解像度制御は不可;」と訂正する訂正事項1は、訂正前の請求項1に存在する明らかな誤記を、明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から自明な事項として定まる記載に訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、「誤記の訂正」を目的としたものと認められる。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であることについて
上記(1)において検討したとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に存在する明らかな誤記を、明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から自明な事項として定まる記載に訂正するものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の全てを総合することによって導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことについて
上記(1)において検討したとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に存在する明らかな誤記を、明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から自明な事項として定まる記載に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)独立特許要件について
訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものであって、新たな拒絶理由が生じるものではないから、訂正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
4 訂正事項2について
(1)訂正の目的
訂正事項2は、明細書の段落【0009】の記載が訂正後の特許請求の範囲の記載との関係で不明瞭な記載とならないように、明細書の段落【0009】の記載を、特許請求の範囲における訂正事項1に係る訂正と対応させて訂正するものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であることについて
訂正事項2は、明細書の段落【0009】の記載を訂正事項1に係る訂正後の特許請求の範囲の記載と対応させるものであり、上記3(2)に記載したのと同様に、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことについて
訂正事項1は、上記3(3)に記載したように、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないところ、訂正事項2は、明細書の段落【0009】の記載を訂正事項1に係る訂正後の特許請求の範囲と対応させるものであるから、訂正事項に係る特許請求の範囲と対応する事項については、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
また、訂正事項2には、その他、請求項に記載された事項の解釈に影響を与え、その結果、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更することに至るような事項も存在しない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおり、請求項1、2からなる一群の請求項についての訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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