特許訂正審判
2021-390072
高められたFcレセプター結合親和性及びエフェクター機能をもつCD20抗体
- 審判番号
- 2021-390072
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2006-538995
- 登録番号
- 4653109
- 請求日
- 2021年04月23日
- 審決日
- 2021年10月19日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ロシュ グリクアート アクチェンゲゼルシャフト
- 【請求人代理人】青木 篤
- 【請求人代理人】三橋 真二
- 【請求人代理人】渡辺 陽一
- 【請求人代理人】中島 勝
- 【請求人代理人】武居 良太郎
- 審判長/審判官
- 審判長 長井 啓子
- 審判官 松野 広一
- 審判官 田村 聖子
- 分類
- P141 .851-Y (C12N) / P141 .841-Y (C12N) / P141 .854-Y (C12N) / P141 .855-Y (C12N) / P141 .856-Y (C12N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第131条の2第1項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第4653109号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第4653109号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-26〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4653109号(以下、「本件特許」という。)は、平成16年11月 5日(パリ条約による優先権主張 平成15年11月 5日 米国)を国際出願日とする特許出願であって、その請求項1-26に係る発明について平成22年12月24日にその特許権の設定登録がされ、令和 3年 4月23日に訂正審判の請求がなされたものである。
その後、当審において、令和 3年 6月30日付けで訂正拒絶理由を通知し、同年 8月20日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 審判請求書の補正とその適否について
当審が令和 3年 6月30日付けで請求人に通知した訂正拒絶理由の要旨は、請求項18についての訂正事項16による訂正は特許法第126条第1項ただし書きに掲げるいずれの事項を目的とするものでない、というものである。この訂正拒絶理由に対し、請求人は令和 3年 8月20日付けで意見書、及び審判請求書を補正(以下、「本件補正」という。)する手続補正書を提出した。
本件補正の内容は、令和 3年 4月23日付け審判請求書の「訂正特許請求の範囲」の請求項18の「配列番号26又は配列番号27のB-Ly1重鎖CDR2」との記載から、「又は配列番号27」との記載を削除し、「配列番号26のB-Ly1重鎖CDR2」とするものであり、訂正事項16についてのいわゆる減縮的変更であると認められるから、本件補正は、審判請求書の要旨を変更するものでない。
よって、本件補正は、特許法第131条の2第1項本文の規定に適合するから、これを認める。そして、下記第4の3で判断するとおり、本件補正により補正された請求項18についての訂正事項16は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められるから、上記の訂正拒絶理由は解消した。
第3 請求の趣旨及び訂正事項
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4653109号の特許請求の範囲を、令和 3年 8月20日付け手続補正書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1-26について訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その訂正事項は以下のとおりである。
なお、上記で検討した本件補正に係る事項については、審判請求書の「6.請求の理由」に明記されていないものの、請求項18に対する訂正事項16に関連するものと認められるため、訂正事項16に含めて記載する。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1において、「該抗体の重鎖可変領域フレームワーク領域(FRs)FR1、FR2、及びFR3は、VH1_10ヒト生殖細胞系配列によりコードされるヒトFR配列であり」とあるのを「該抗体の重鎖可変領域フレームワーク領域(FRs)FR1、FR2、及びFR3は、下記に示すとおり:
FR1: QVQLVQSGAE VKKPGSSVKV SCKAS;
FR2: SWINWVRQAP GQGLEWMGRI;
FR3: YNGKFKGRVT ITADKSTSTA YMELSSLRSE DTAVYYCAR;
であり」に訂正する。(下線は訂正箇所である。以下、同様。)
また、請求項1を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1において、「該抗体の重鎖可変領域FR4は、JH4ヒト生殖細胞系配列によりコードされるヒトFR配列であり」とあるのを「該抗体の重鎖可変領域FR4は、下記に示すとおり:
FR4: WGQGTLVTVS Sであり」に訂正する。
また、請求項1を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1において、「該抗体の軽鎖可変領域フレームワーク領域(FRs)FR1、FR2、及びFR3は、VK_2_40ヒト生殖細胞系配列によりコードされるヒトFR配列であり」とあるのを「該抗体の軽鎖可変領域フレームワーク領域(FRs)FR1、FR2、及びFR3は、下記に示すとおり:
FR1: DIVMTQTPLS LPVTPGEPAS ISC;
FR2: WYLQKPGQSP QLLIY;
FR3: GVPDRFSGSG SGTDFTLKIS RVEAEDVGVY YC;
であり」に訂正する。
また、請求項1を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1において、「該抗体の軽鎖可変領域FR4は、JK4ヒト生殖細胞系配列によりコードされるヒトFR配列である」とあるのを「該抗体の軽鎖可変領域FR4は、下記に示すとおり:
FR4: FGGGTKVEIKである」に訂正する。
また、請求項1を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
5 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項2において、「前記抗体が、配列番号32又は配列番号40の重鎖可変領域配列を含む単離ポリペプチドを含む」とあるのを「前記抗体が、配列番号40の重鎖可変領域配列を含む単離ポリペプチドを含む」に訂正する。
また、請求項2を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
6 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
7 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項4において、「請求項1~3のいずれか1項に記載の抗体」とあるのを「請求項1又は2に記載の抗体」に訂正する。
8 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項5において、「前記抗体が、配列番号32又は配列番号40の重鎖可変領域配列を含む第一単離ポリペプチド」とあるのを「前記抗体が、配列番号40の重鎖可変領域配列を含む第一単離ポリペプチド」に訂正する。
また、請求項5を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
9 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項5において、「請求項1~4のいずれか1項に記載の抗体」とあるのを「請求項1、2又は4に記載の抗体」に訂正する。
10 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項6を削除する。
11 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項7において、「請求項1~6のいずれか1項に記載の抗体」とあるのを「請求項1、2、4又は5のいずれか1項に記載の抗体」に訂正する。
12 訂正事項12
特許請求の範囲の請求項8において、「請求項1~7のいずれか1項に記載の抗体」とあるのを「請求項1、2、4、5又は7のいずれか1項に記載の抗体」に訂正する。
13 訂正事項13
特許請求の範囲の請求項9において、「請求項1~8のいずれか1項に記載の抗体」とあるのを「請求項1、2、4、5、7又は8のいずれか1項に記載の抗体」に訂正する。
14 訂正事項14
特許請求の範囲の請求項12において、「請求項1~11のいずれか1項に記載の抗体」とあるのを「請求項1、2、4、5又は7~11のいずれか1項に記載の抗体」に訂正する。
15 訂正事項15
特許請求の範囲の請求項17において、「請求項2、3、5又は6のいずれか1項に記載のポリペプチド」とあるのを「請求項2又は5のいずれか1項に記載のポリペプチド」に訂正する。
16 訂正事項16
訂正前の請求項18において、「配列番号26又は配列番号27のB-Ly1重鎖CDR2」とあるのを「配列番号26のB-Ly1重鎖CDR2」とするとともに、「VH1_10ヒト生殖細胞系配列によりコードされるフレームワーク領域(FRs)FR1、FR2、及びFR3」とあるのを「下記に示すとおりのフレームワーク領域(FRs)FR1、FR2、及びFR3:
FR1: QVQLVQSGAE VKKPGSSVKV SCKAS;
FR2: SWINWVRQAP GQGLEWMGRI;
FR3: YNGKFKGRVT ITADKSTSTA YMELSSLRSE DTAVYYCAR」に訂正する。
また、請求項18を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
17 訂正事項17
訂正前の請求項18において、「JH4ヒト生殖細胞系配列によりコードされるFR4」とあるのを「下記に示すとおりのFR4
FR4: WGQGTLVTVS S」に訂正する。
また、請求項18を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
18 訂正事項18
訂正前の請求項18において、「VK_2_40ヒト生殖細胞系配列によりコードされる軽鎖FR1、FR2、及びFR3」とあるのを「下記に示すとおりの軽鎖FR1、FR2、及びFR3:
FR1: DIVMTQTPLS LPVTPGEPAS ISC;
FR2: WYLQKPGQSP QLLIY;
FR3: GVPDRFSGSG SGTDFTLKIS RVEAEDVGVY YC」に訂正する。
また、請求項18を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
19 訂正事項19
訂正前の請求項18において、「JK4ヒト生殖細胞系配列によりコードされる軽鎖FR4」とあるのを「下記に示すとおりの軽鎖FR4
FR4: FGGGTKVEIK」に訂正する。
また、請求項18を直接的または間接的に引用する請求項についても同様に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項1-4について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は請求項1の重鎖可変領域のFR1-3を具体的なアミノ酸配列に特定する訂正であり、訂正前の請求項1においては重鎖可変領域が重鎖CDR1-3である配列番号16、26、28、及び、VH1_10ヒト生殖細胞系配列によるコードされるFR配列、JH4ヒト生殖細胞系配列によるコードされるFR配列からなることが記載されていた。また、訂正前の請求項1に従属する下位の請求項である訂正前の請求項2には、重鎖可変領域の配列が配列番号32又は配列番号40であることが特定されていた。
ここで、本願の発明の詳細な説明の【0066】等にも記載されているように、抗体の可変領域はFR1+CDR1+FR2+CDR2+FR3+CDR3+FR4からなることは本願出願時の技術常識であり、本願の発明の詳細な説明の【0115】に配列番号40の具体的な配列が開示されているところ、訂正事項1による訂正は、訂正前の請求項1の重鎖可変領域を、本願に開示されており、かつ、従属項で特定されている下位概念に相当する配列番号40の配列で特定するとともに、重鎖CDR1-3の配列番号16よりもN末側、配列番号16と配列番号26の間、配列番号26と配列番号28の間の配列をそれぞれFR1-3として、その具体的な配列を記載したものと認められる。
したがって、訂正事項1の訂正は、訂正前の請求項1の重鎖可変領域を下位概念の具体的な配列に限定するものであるから、その目的は特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。また、訂正事項1の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもないため、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は請求項1の重鎖可変領域のFR4を具体的なアミノ酸配列に特定する訂正であり、訂正前の請求項1においては、上記したように、重鎖可変領域が重鎖CDR1-3である配列番号16、26、28、及び、VH1_10ヒト生殖細胞系配列によるコードされるFR配列、JH4ヒト生殖細胞系配列によるコードされるFR配列からなることが記載されていた。また、訂正前の請求項1に従属する下位の請求項である訂正前の請求項2には、重鎖可変領域の配列が配列番号32又は配列番号40であることが特定されていた。
FR4に関して、本件特許の明細書には、「フレームワーク4領域は生殖系列V遺伝子の可変領域の一部ではないので、この位置のアラインメントは個別に行った。JH4領域を重鎖について選択し、JK4領域を軽鎖について選択した。」(【0212】)等と記載されており、また、審判請求人が審判請求書において参照している「V BASE」に関する添付資料1によれば、JH4ヒト生殖細胞系配列は「YFDYWGQGTLVTVS S」であって、下線部はJH4のCDR3の一部であるから、下線部を除く「WGQGTLVTS S」がJH4のFR配列に相当するものであり、配列番号40のCDR3のC末側に位置する配列とも一致するものであることが把握できる。してみると、訂正事項2による訂正は、重鎖のFR4を訂正前の請求項1の従属項である訂正前の請求項2で記載されており、請求項1の重鎖可変領域の下位概念に相当する配列番号40のCDR3のC末側に位置する配列で特定するものと認められる。
したがって、訂正事項2の訂正は、訂正前の請求項1の重鎖可変領域FR4を下位概念の具体的な配列に限定するものであるから、その目的は特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。また、訂正事項2の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもないため、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は請求項1の軽鎖可変領域のFR1-3を具体的なアミノ酸配列に特定する訂正であり、訂正前の請求項1においては軽鎖可変領域が軽鎖CDR1-3である配列番号18、19、20、及び、VK_2_40ヒト生殖細胞系配列によるコードされるFR配列、JK4ヒト生殖細胞系配列によるコードされるFR配列からなることが記載されていた。また、訂正前の請求項1に従属する下位の請求項である訂正前の請求項4や5には、軽鎖可変領域の配列が配列番号76であることが特定されていた。
ここで、本願の発明の詳細な説明の【0066】等にも記載されているように、抗体の可変領域はFR1+CDR1+FR2+CDR2+FR3+CDR3+FR4からなることは本願出願時の技術常識であり、本願の発明の詳細な説明の【0117】に配列番号76の具体的な配列が開示されているところ、訂正事項3による訂正は、訂正前の請求項1の軽鎖可変領域を、本願に開示されており、かつ、従属項で特定されている下位概念に相当する配列番号76の配列で特定するとともに、軽鎖CDR1-3の配列番号18よりもN末側、配列番号18と配列番号19の間、配列番号19と配列番号20の間の配列をそれぞれFR1-3として、その具体的な配列を記載したものと認められる。
したがって、訂正事項3の訂正は、訂正前の請求項1の軽鎖可変領域を下位概念の具体的な配列に限定するものであるから、その目的は特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。また、訂正事項3の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもないため、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(4)訂正事項4について
訂正事項4は請求項1の軽鎖可変領域のFR4を具体的なアミノ酸配列に特定する訂正であり、上記したように、訂正前の請求項1においては軽鎖可変領域が軽鎖CDR1-3である配列番号18、19、20、及び、VK_2_40ヒト生殖細胞系配列によるコードされるFR配列、JK4ヒト生殖細胞系配列によるコードされるFR配列からなることが記載されていた。また、訂正前の請求項1に従属する下位の請求項である訂正前の請求項4や5には、軽鎖可変領域の配列が配列番号76であることが特定されていた。
FR4に関して、本件特許の明細書には、「フレームワーク4領域は生殖系列V遺伝子の可変領域の一部ではないので、この位置のアラインメントは個別に行った。JH4領域を重鎖について選択し、JK4領域を軽鎖について選択した。」(【0212】)等と記載され、また、審判請求人が審判請求書において参照している「V BASE」に関する添付資料1によれば、JK4ヒト生殖細胞系配列は「LTFGGGTKVEIK」であって、下線部はJK4のCDR3の一部であるから、下線部を除く「FGGGTKVEIK」がJK4のFR配列に相当するものであり、軽鎖可変領域の配列である配列番号76から軽鎖CDR1-3を除いた配列を順にFR1-4とした場合のFR4に相当する配列に「FGGGTKVEIK」が含まれていることが把握できる。してみると、訂正事項4による訂正は、軽鎖のFR4を訂正前の請求1の従属項である訂正前の請求項4や5で記載されており、請求項1の軽鎖可変領域の下位概念に相当する配列番号76のCDR3のC末側に位置する配列で特定するものと認められる。
したがって、訂正事項4の訂正は、訂正前の請求項1の軽鎖可変領域FR4を下位概念の具体的な配列に限定するものであるから、その目的は特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。また、訂正事項2の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもないため、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(5)独立特許要件について
上記(1)-(4)で検討したように、訂正事項1-4による請求項1に対する訂正は、請求項1に係る抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のフレームワーク領域FR1-4を具体的な配列で特定するものであって、訂正後の請求項1及び請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、訂正事項1-4は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2 訂正事項5-15について
訂正事項5-15はそれぞれ、請求項2-9、12、17を対象とした訂正であって、請求項における選択肢で表された構成における選択肢の一部の削除、請求項の削除、請求項の削除に伴う引用関係の修正のいずれかであり、その目的は特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮であると認められる。
また、訂正事項5-15による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもない。
さらに、訂正事項5-15によって訂正された請求項2-9、12、17及びこれらの請求項を直接的又は間接的に引用する請求項に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由も見いだせない。
よって、訂正事項5-15は、特許法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。
3 訂正事項16-19について
訂正事項16は請求項18に対する訂正であって、重鎖可変領域FR1-3を具体的な配列に特定するものである。このことに関連して、上記の手続補正書により、重鎖CDR2の択一的記載が一部削除され、当該訂正事項16の内容は実質的に訂正事項1に対応するものとなっている。また、訂正事項17-19についても同様に、その内容は訂正事項2-4に対応するものであるから、訂正事項16-19は訂正事項1-4と同様に判断される。
したがって、訂正事項16-19の目的は特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められ、また、訂正事項16-19による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でもない。
さらに、訂正事項16-19によって訂正された請求項18及び当該請求項を直接的又は間接的に引用する請求項に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由も見いだせない。
よって、訂正事項16-19は、特許法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-390072