特許訂正審判
2023-390017
植物のゲノム内に外因性配列を組み込むための方法および組成物
- 審判番号
- 2023-390017
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2018-138587
- 登録番号
- 6886433
- 請求日
- 2023年02月14日
- 審決日
- 2023年04月11日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】コルテバ アグリサイエンス エルエルシー
- 【請求人代理人】小林 浩
- 【請求人代理人】藤田 尚
- 【請求人】サンガモ セラピューティクス, インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】小林 浩
- 【請求人代理人】藤田 尚
- 審判長/審判官
- 審判長 長井 啓子
- 審判官 宮岡 真衣
- 審判官 高堀 栄二
- 分類
- P141 .841-Y (C12N) / P141 .852-Y (C12N) / P141 .854-Y (C12N) / P141 .855-Y (C12N) / P141 .856-Y (C12N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第36条の2第1項、特許法第44条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6886433号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6886433号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判に係る特許第6886433号(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成26年4月2日(パリ条約による優先権主張 2013年4月5日 アメリカ合衆国(US)、2013年5月7日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2016-506588号の一部を、特許法第36条の2第1項及び特許法第44条第1項の規定により平成30年7月24日に新たな外国語書面出願とした特願2018-138587号であって、その請求項1-10に係る発明について令和3年5月18日に特許権の設定登録がされ、その後、令和5年2月14日に本件の訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨と訂正の内容
1 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、特許第6886433号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正の内容
本件審判の請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。なお、下線部が訂正箇所である。
特許請求の範囲の請求項1に「前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号204、223、224、225または226に示される認識ヘリックス領域を含み、配列番号52の標的部位またはその近くで切断する;」と記載されているところを、「前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号204、223、224、225および226に示される認識ヘリックス領域を含み、配列番号52の標的部位またはその近くで切断する;」に訂正する。請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2から10についても同様に訂正する。(以下、「訂正事項1」という。)
第3 当審の判断
1 訂正の目的について
訂正前の請求項1には、内因性アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)遺伝子中の配列を標的部位として含むジンクフィンガーヌクレアーゼとして38個の選択肢が記載され、以下のとおり、各ジンクフィンガーヌクレアーゼが、順序付けられた各認識ヘリックス領域と標的部位の組み合わせによって特定されている。(なお、下線は当審で付した。以下、同様である。)
「前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号181、182、182、183、184および185に示される認識ヘリックス領域を含み、配列番号35の標的部位またはその近くで切断する;
前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号186、187、188、189、190および191に示される認識ヘリックス領域を含み、配列番号36の標的部位またはその近くで切断する;
・・・
前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号204、223、224、225または226に示される認識ヘリックス領域を含み、配列番号52の標的部位またはその近くで切断する;
・・・または、
前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号216、259、218、219および262に示される認識ヘリックス領域を含み、配列番号278の標的部位またはその近くで切断する」
ここで、訂正事項1は、ジンクフィンガーヌクレアーゼの38個の選択肢のうち、18番目に記載される「前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号204、223、224、225または226に示される認識ヘリックス領域を含み、配列番号52の標的部位またはその近くで切断する;」なる記載を、「前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号204、223、224、225および226に示される認識ヘリックス領域を含み、配列番号52の標的部位またはその近くで切断する;」に訂正するものである。
この点について検討すると、訂正前の請求項1に列挙される38個のジンクフィンガーヌクレアーゼのうち、訂正事項1に係る上記18番目の選択肢を除く他のすべての選択肢において、4~6個のジンクフィンガードメインに含まれる各認識ヘリックス領域のアミノ酸配列が「および」で結ばれているところ、訂正事項1に係る選択肢においてのみ「前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号204、223、224、225または226に示される認識ヘリックス領域を含み、配列番号52の標的部位またはその近くで切断する;」と記載され、5個の認識ヘリックスのいずれかを含むかのような記載になっている。また、ジンクフィンガーヌクレアーゼのDNA結合ドメインが複数のジンクフィンガードメインを連結して構成されることや、該複数のジンクフィンガードメインに含まれる認識ヘリックス領域を介してDNAを認識することは、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」という。)の段落【0014】にも記載されるとおり、本件特許出願日当時の技術常識であるし、訂正事項1に係る選択肢にも「次のように順序付けられた」との記載が含まれている。そうすると、訂正事項1に係る当該選択肢の「前記ジンクフィンガーヌクレアーゼは、次のように順序付けられた、配列番号204、223、・・・に示される認識ヘリックス領域を含み」との記載は、複数の認識ヘリックス領域を記載されたとおりの順序で含むことを意図していることは明らかである。
したがって、訂正事項1に係る「または」なる記載は誤記であり、正しい記載が他の選択肢と同様の「および」であることは明らかである。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
2 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許の願書に最初に添付した明細書の段落【0188】には、AHAS遺伝子配列に特異的なジンクフィンガータンパク質(ZFP)を設計したことが記載され、段落【0189】の表2および段落【0190】の表3にはそれぞれ、当該ZFPの認識ヘリックス(F1~F6)のアミノ酸配列と標的部位のヌクレオチド配列が列挙されており、このうち、ZFP#30012として記載されるZFPは、配列番号204、223、224、225、および226に示される認識ヘリックス領域をこの順序で含み(段落【0189】の【表2】)、配列番号52のヌクレオチド配列に標的部位を含むものである(段落【0190】の【表3】)ことが示されている。
したがって、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。
3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記1で述べたとおり、訂正事項1は、複数の認識ヘリックス領域の配列番号が「および」で結ばれるものであったところ、「または」と記載されている明らかな誤記を正すものであって、実質上特許請求の範囲を拡張ないしは変更するものには該当しないから、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 独立して特許を受けることができるものであること
上記1に記載したとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載された選択肢の一つについて明らかな誤記を正すだけのものであって、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正後の請求項1~10に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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