2021-390060
改善された強度および靭性を有する、ポリ乳酸を含む不織布
- 審判番号
- 2021-390060
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2019-505153外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6799667
- 請求日
- 2021年04月01日
- 審決日
- 2021年10月15日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】フィテサ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
- 【請求人代理人】奥山 尚一
- 【請求人】フィテサ シンプソンヴィル、インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】奥山 尚一
- 分類
- P141 .851-Y (D04H) / P141 .852-Y (D04H) / P141 .853-Y (D04H) / P141 .854-Y (D04H) / P141 .855-Y (D04H) / P141 .856-Y (D04H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第131条の2第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第4項、特許法第126条第7項、特許法第126条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 36項目
第1.手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6799667号の請求項1~21に係る発明についての出願は、2017年(平成29年)8月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年8月16日、米国(US))を国際出願日とする出願であって、令和2年11月25日に特許権の設定登録がされ、令和3年4月1日に本件訂正審判の請求がされた(以下、本件訂正審判の請求による訂正を「本件訂正」という。)。以後の主な手続は以下のとおり。
令和 3年 6月22日付け 訂正拒絶理由通知書
同年 7月30日 意見書及び手続補正書の提出
第2.令和3年7月30日付け手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)
1.本件補正の内容(下線は補正箇所を示す)
(1)「(2)訂正事項 ア 訂正事項1」において、「(式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~16の数である)」との記載を、「式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~15の数である」と補正する。
(2)「(2)訂正事項 オ 訂正事項5」において、「(式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~16の数である)」との記載を、「式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~15の数である」と補正する。
(3)「(3)訂正の理由 (イ)訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明 ア(当審注:「ア」は「a」と記載すべきものの誤記である。)訂正事項1」において、「(式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~16の数である)」との記載を、「式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~15の数である」と補正する。
(4)「(3)訂正の理由 (イ)訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明 e 訂正事項5」において、「(式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~16の数である)」との記載を、「式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~15の数である」と補正する。
2.本件補正の適否
本件補正は、訂正拒絶理由の通知において、「特許請求の範囲を拡張・変更するもの」と示された訂正事項について、化学構造式上の不整合を解消するために、「式中、それぞれm+nまたはn」がとりうる数値の範囲を狭めるものであるから、本件訂正の要旨を変更するものではない。
したがって、本件補正は、特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、本件補正を認める。
第3.本件訂正の内容
1.請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、「特許第6799667号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項4~15、17~19、21について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
2.本件訂正の内容
上記第2.のとおり、審判請求書の補正が認められるから、本件訂正の内容は、以下のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項4において、
「前記少なくとも1種の第二級アルカンスルホネートが、以下の構造:【化1】[図:0001381603000001.jpg](式中、m+nは、7~16の数であり、Xは、独立して、C1~C4アルキルであるか、または存在しない)の一方を有する」
と記載されているのを、
「前記少なくとも1種の第二級アルカンスルホネートが、以下の構造:【化1】[図:0001381603000002.jpg](式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~15の数である)の一方を有する」
に訂正する。
(請求項4を直接的又は間接的に引用する請求項5~15も同様に訂正する。)
(2)訂正事項2
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項5において、
「[図:0001381603000003.jpg]」
と記載されているのを、
「[図:0001381603000004.jpg]」
に訂正する。
(請求項5を直接的又は間接的に引用する請求項6~15も同様に訂正する。)
(3)訂正事項3
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項17において、
「[図:0001381603000005.jpg]」
と記載されているのを、
「[図:0001381603000006.jpg]」
に訂正する。
(請求項17を直接的又は間接的に引用する請求項18、19も同様に訂正する。)
(4)訂正事項4
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項21において、
「[図:0001381603000007.jpg]」
と記載されているのを、
「[図:0001381603000008.jpg]」
に訂正する。
(5)訂正事項5
本件訂正前の明細書の段落【0009】、【0036】、【0201】のそれぞれにおいて、
「[図:0001381603000009.jpg](式中、m+nは、7~16の数であり、Xは、独立して、C1~C4アルキルであるか、または存在しない)の一方を有する」
と記載されているのを、
「[図:0001381603000010.jpg](式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~15の数である)の一方を有する」
に訂正する。
(6)訂正事項6
訂正前の明細書の段落【0009】、【0036】、【0201】のそれぞれにおいて、
「[図:0001381603000011.jpg]」
と記載されているのを、
「[図:0001381603000012.jpg]」
に訂正する。
3.一群の請求項について
訂正事項1に係る本件訂正前の請求項4~15について検討する。請求項5~15の記載は、請求項4を直接的又は間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項4に連動して訂正されるものである。
また、訂正事項2に係る本件訂正前の請求項5~15について検討する。請求項6~15の記載は、請求項5を直接的又は間接的に引用するものであって、訂正事項2によって記載が訂正される請求項5に連動して訂正されるものであるので、訂正前の請求項4~15に対応する本件訂正後の請求項[4~15]は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
また、明細書についての訂正である訂正事項5及び6は、当該一群の請求項[4~15]を対象とするものであり、特許法第126条第4項に適合する。
第4.当審の判断
1.訂正事項1
(1)訂正の目的の適否
ア.炭素の原子価は4であり、炭素に結合する原子や基の数は、最大4つであるところ、本件訂正前のXに結合する「C」は、「CH3」、「X」、「H」、「H」及び「(CH2)n」と既に5つの原子等が結合しているから、当該「C」が含まれる「(CH2)」は、「(CH)」と記載すべきものの誤記であることが、当業者には明らかである。
そうすると、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものである。
イ.そして、「X」を削除し、「Xは、独立して、C1~C4アルキルであるか、または存在しない」と記載されていたものを、「存在しない場合」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
ウ.さらに、本件訂正後の請求項4は、本件訂正前の請求項4において【化1】として右側に特定される以下の構造
[図:0001381603000013.jpg]
を、以下の構造
[図:0001381603000014.jpg]
に訂正するものであり、「(CH2)m」という記載を単に「(CH)m」と訂正しても、第二級アルカンスルホネートの構造として不明瞭であったものを、「(CH)」と訂正して明瞭な構造にするとともに、「式中、m+nは、7~16の数」を「式中、それぞれ、m+nまたはnは、7~15の数」と訂正して炭素数の整合をとるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
エ.以上より、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正、同条第1項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明、及び同条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無
上記1.(1)のとおり、訂正事項1は、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明、及び構造式中の「X」が「存在しない」場合に限定するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.請求項4において【化1】として特定される左側の化学構造式について
本件訂正前の化学構造式(左側)に示される炭素の合計数は(m+n+3)個であり、本件訂正前の化学構造式が取り得る炭素の数(m+n)は7~16であるから、本件訂正前の化学構造式が取り得る炭素の数(m+n+3)は10~19である。
一方、本件訂正後の化学構造式(左側)に示される炭素の合計数は(m+n+3)個であり、本件訂正後の化学構造式が取り得る炭素の数(m+n)は7~15であるから、(m+n+3)は10~18である。
してみると、訂正事項1は、化学構造式に示される炭素の合計数の取り得る値について、本件訂正前において10~19であったものを、10~18に訂正するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
イ.請求項4において【化1】として特定される右側の化学構造式について
本件訂正前の化学構造式(右側)に示される炭素の合計数は(m+n+2)個であり、本件訂正前の化学構造式が取り得る炭素の数(m+n)は7~16であるから、本件訂正前の化学構造式が取り得る炭素の数(m+n+2)は9~18である。
一方、本件訂正後の化学構造式(右側)に示される炭素の合計数は(n+3)個であり、本件訂正後の化学構造式が取り得る炭素の数(n)は7~15であるから、(n+3)は10~18である。
してみると、訂正事項1は、化学構造式に示される炭素の合計数の取り得る値について、本件訂正前において9~18であったものを、10~18に訂正するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでするものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
2.訂正事項2
(1)訂正の目的の適否
訂正事項2は、請求項5において【化2】として特定される化学構造式において、右側の末端基としての「CH2」は、炭素の原子価が4であることから、明らかに「CH3」の誤記であり、当該誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無
上記2.(1)のとおり、訂正事項2は、誤記の訂正を目的とするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記2.(1)のとおり、訂正事項2は、誤記の訂正を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
3.訂正事項3
(1)訂正の目的の適否
訂正事項2は、請求項17において【化3】として特定される化学構造式において、右側の末端基としての「CH2」は、炭素の原子価が4であることから、明らかに「CH3」の誤記であり、当該誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無
上記3.(1)のとおり、訂正事項3は、誤記の訂正を目的とするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記3.(1)のとおり、訂正事項3は、誤記の訂正を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
4.訂正事項4
(1)訂正の目的の適否
訂正事項4は、請求項21において【化4】として特定される化学構造式において、右側の末端基としての「CH2」は、炭素の原子価が4であることから、明らかに「CH3」の誤記であり、当該誤記を訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無
上記4.(1)のとおり、訂正事項4は、誤記の訂正を目的とするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記4.(1)のとおり、訂正事項4は、誤記の訂正を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
5.訂正事項5
(1)訂正の目的の適否
訂正事項5は、訂正事項1に係る訂正に伴って、願書に添付した明細書の段落【0009】において【化1】として特定される化学構造式、段落【0036】において【化3】として特定される化学構造式、及び段落【0201】において【化5】として特定される化学構造式において、訂正事項1と同様に訂正するものであるから、上記1.(1)において検討したとおり、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正、及び同条第1項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無
訂正事項5は、上記1.(2)において検討したとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項5は、上記1.(3)において検討したとおり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものするものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
6.訂正事項6
(1)訂正の目的の適否
訂正事項6は、訂正事項2~4に係る訂正に伴って、願書に添付した明細書の段落【0009】において【化2】として特定される化学構造式、段落【0036】において【化4】として特定される化学構造式、及び段落【0201】において【化6】として特定される化学構造式において、訂正事項2~4と同様に訂正するものであるから、上記2.(1)、3.(1)、4.(1)において検討したとおり、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無
訂正事項6は、上記2.(2)、3.(2)、4.(2)において検討したとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項6は、上記2.(3)、3.(3)、4.(3)において検討したとおり、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものするものではなく、特許法第126条第6項に適合するものである。
7.特許独立要件
訂正事項1~4に関し、本件訂正後の請求項4、5、17、21に係る発明は、本件訂正前の請求項1、16、20に係る発明を減縮するものであって、本件訂正前の請求項1、16、20に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、本件訂正後の請求項4、5、17、21に係る発明も、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
また、訂正事項5、6は、訂正事項1~4に係る訂正に伴って、願書に添付した明細書の段落【0009】、【0036】、【0201】において、訂正事項1~4と同様に訂正するものであるから、訂正事項1~4に関する独立特許要件の判断と同様に、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正事項1~6は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、同条同項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正、及び同条同項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、第126条第4項、第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-390060