商標取消審判
2021-300464
ノップ、エヌオオピイ
- 審判番号
- 2021-300464
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2012-044787
- 登録番号
- 5570399
- 請求日
- 2021年06月22日
- 審決日
- 2022年03月17日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】神保 厚子
- 【被請求人】日本オイルポンプ 株式会社
- 【被請求人代理人】飯島 紳行
- 【被請求人代理人】藤森 裕司
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 冨澤 美加
- 審判官 榎本 政実
- 分類
- T132 .1 -Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条、商標法第2条第3項第8号、商標法第70条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5570399号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5570399号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、平成24年6月4日に登録出願、第7類「金属加工機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,電動モーター付き振動式選別機,電動モーター付き振動式分離機,ろ過機,ろ過機用フィルター,化学機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。)及び動力機械器具の部品,ろ過器及び駆動装置を備えた遠心高圧ポンプ,ろ過器を備えたポンプ,駆動装置付きポンプ,遠心ポンプ,高圧ポンプ,往復ポンプ,回転ポンプ,軸流ポンプ,斜流ポンプ,その他のポンプ,真空ポンプ,風水力機械器具,油圧モーター,減速機,バルブ(機械要素)(陸上の乗り物用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),起動器,モーター(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」及び第9類「液体流量自動制御機械器具,流体流量調節装置,測定機械器具,エンジン・ガスタービン・ポンプなどの動力機械の回転数を制御するための機械器具,モーター制御器,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,ネットワーク制御用電気通信機械器具,電気通信機械器具,モーター用電子制御装置並びにその部品及び附属品,コンピューター用記憶装置及びその制御装置,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同25年3月29日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年7月7日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成30年7月7日から令和3年7月6日までを、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第9類「ネットワーク制御用電気通信機械器具,電気通信機械器具,モーター用電子制御装置並びにその部品及び附属品,コンピューター用記憶装置及びその制御装置,電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書において、その理由を要旨次のように述べ、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、第9類「ネットワーク制御用電気通信機械器具,電気通信機械器具,モーター用電子制御装置並びにその部品及び附属品,コンピューター用記憶装置及びその制御装置,電子応用機械器具及びその部品」(以下「取消請求商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判事件答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
1 答弁の理由
被請求人は、要証期間内に日本国内において、取消請求商品について、本件商標の使用をしているものであるから、本件商標の登録は商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
(1)使用商標
ア 被請求人のホームページ及び被請求人商品のホームページには別掲2のとおりの商標(以下「使用商標1」という。)が表示されており(乙1、乙2)、使用商標1は、本件商標と同一の商標である(商標法第50条第1項)。なお、使用商標1の右下部には記号「R」(「R」は、○に「R」の文字。以下同じ。)が付記されているが、「Registered Trademark」(登録商標)を意味する記号にすぎず、商標を構成するものではない。
イ 被請求人商品のホームページ及び被請求人商品の取扱説明書には、別掲3のとおりの商標(以下「使用商標2」という。)が表示されており(乙2、乙3)、使用商標2は、本件商標と同一の商標である(商標法第50条第1項、同法第70条第1項)。なお、使用商標2の右下部には記号「R」が付記されているが、「Registered Trademark」(登録商標)を意味する記号にすぎず、商標を構成するものではない。
(2)使用商品
被請求人は、商品名「TAZUNA」とし略称記号「TAZ」とする商品(以下「本件商品」という。)を製造し販売するところ(乙2~乙8)、本件商品は「自動流体制御」及び「自動ドリル径判定システム」などの各機能を備えた商品であって(乙2)、「接続機器からの情報取得と制御に必要な入出力とワンチップマイコンを備えた、プログラマブルな多機能デジタル処理ボード」である(乙3)。
本件商品は、その用途及び機能から、指定商品「データ処理用のコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア」の範ちゅうに属する商品であるから、本件商品は、少なくとも取消請求商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に属する。
そして、本件商品は、要証期間内かつ日本国内において、販売されているものである(乙4~乙8)。
(3)本件商標の使用
本件商標は、前述のとおり、被請求人のホームページ、被請求人商品のホームページ及び被請求人商品の取扱説明書において、被請求人の英文商号の略称「Nippon Oil Pump」の頭文字からなる代表的出所標識(ハウスマーク)である。
一般的に、企業は、代表的出所標識(ハウスマーク)といわれる商標とその取り扱いに係る個々の商品に付される個別商標(ペットマーク)といわれる商標を採択・使用しているのが実情であり、代表的出所標識(ハウスマーク)といわれる商標は、個々の商品に表示されるばかりでなく、看板や広告、カタログ、パンフレット、ホームページ等において、その取り扱いに係る商品全般にわたる出所標識として広く使用されているのが実情である(乙9)。
そして、商標の使用は、必ずしも商品自体に商標が付される場合ばかりでなく、商品を紹介するホームページや商品の取扱説明書にあっては、代表的出所標識のような商標がそのトップページや表紙等に表示されている場合には、その中で紹介されている個々の商品についても、その出所を表示する機能を果たしているものと認められるから、個々の商品自体に当該商標が付されていない場合でも、個々の商品について当該商標が使用されていると解して差し支えないものというべきである。
被請求人は、被請求人のホームページ、被請求人商品のホームページ及び被請求人商品の取扱説明書において、本件商標を自己の代表的出所標識(ハウスマーク)として使用するものであり、そのホームページ等において本件商品の説明などを閲覧することができる仕組みになっていることに照らすと、たとえ本件商品の商品名が「TAZUNA」であり、略称記号が「TAZ」であるとしても、本件商標は、本件商品との具体的関係において使用されているものということができる(商標法第2条第3項第8号)。
2 結語
以上によれば、本件商標に係る商標権者は、要証期間内に日本国内において、取消請求商品について本件商標の使用をしているものである。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。
(1)被請求人は、本件商標に係る商標権者であり、左上のヘッダー部分に打ち出し日と思われる「2021/8/3」の表示がある被請求人のホームページの出力物(乙1)には、使用商標1が表示されている。そして、当該出力物の9葉目には、「概要・沿革」の表題の下、「日本オイルポンプ株式会社 概要」として、「本社所在地」の項に「〒360-0831 埼玉県熊谷市久保島634」の記載があり、「事業所」の項に「東京営業所」として「〒105-0013 東京都港区浜松町1-2-4 住友不動産東新橋ビル6号館3階」の記載がある。上述の「本社所在地」の住所は、本件商標の商標登録原簿における商標権者の住所と一致している。
(2)乙第3号証は、被請求人が本件商品の取扱説明書と主張するものであり、表紙と思われる1葉目の上部には、ややデザイン化された「Tazuna」の文字の表示があり、その下に「TAZUNAハードウェア:TAZ-111」、「PQroid(ドリル判定システム)」及び「取扱説明書」の表示がある。そして、下部には、使用商標2が表示され、その右横には、小さな文字で「Nippon Oil Pump Co.,Ltd.」の表示がある。
当該説明書の2頁には、「ご使用の前に」の表題の下、「本製品は、接続機器からの情報取得と制御に必要な入出力とワンチップマイコンを備えた、プログラマブルな多機能デジタル処理ボードです。用途に応じた制御を行う事ができます。」の記載があり、また、当該説明書の裏表紙又は裏面と思われる最終葉には、四角枠内に「TAZUNAハードウェア:TAZ-111」、「P・QRoid(ドリル判定システム)」、「取扱説明書」、「Ver.TAZ201810」、「2018年10月9日」、「発行者:日本オイルポンプ株式会社」「〒105-0013 東京都港区浜松町1-2-4」及び「住友不動産東新橋ビル6号館3階」の表示がある。当該住所は、被請求人のホームページ(乙1)における「東京営業所」の住所と一致している。
(3)乙第8号証は、被請求人が本件商品の取引書類の一と主張するものであり、「請求明細書(控)」の表題の下、請求先はマスキングされているものの、請求元と思われる箇所には、「日本オイルポンプ株式会社」「〒105-0013」「東京都港区浜松町1-2-4」「住友不動産東新橋ビル6号館3階」の表示があり、その下の四角枠内には「日付」欄に「2019/09/20」、「お支払予定日」欄に「2019/10/末」の表示がある。そして、2頁目には、「2019/09/12」の日付の「受注No.255381」として、「商品名」欄に「(27099982T)」「TAZ-111AAA1230」「TAZ-111制御ユニット」、「数量」欄に「1.00台」の記載がある。
2 前記1において認定した事実及び被請求人の主張によれば、以下のとおり判断できる。
(1)本件商品の取引について
本件商品の取扱説明書(乙3)の表紙に記載された「TAZUNAハードウェア:TAZ-111」は、乙第8号証の「請求明細書(控)」中に記載されている、2019年9月12日に取引されたと思われる商品「TAZ-111AAA1230」「TAZ-111制御ユニット」と、その商品記号「TAZ-111」を同じくするものである。
そして、本件商品の取扱説明書(乙3)の発行者と乙第8号証の「請求明細書(控)」の請求元に記載された者は、いずれも「日本オイルポンプ株式会社」であり、その住所を同じくするものである。
また、本件商品の取扱説明書(乙3)の発行日は「2018年10月9日」であるから、2019年9月12日に取引された同じ商品記号の商品に、当該取扱説明書が添付されていたことを疑うべき合理的な理由は見いだせない。
そうすると、当該取扱説明書が添付された本件商品は、2019年9月12日に「日本オイルポンプ株式会社」によって取引されていたと推認し得るものである。
(2)使用者について
本件商品の取扱説明書(乙3)に記載された発行者及び乙第8号証の「請求明細書(控)」の請求元に記載された者の名称は、被請求人(商標権者)と一致しており、その住所も、要証期間経過後のものではあるが、被請求人のホームページ(乙1)における被請求人の東京営業所の住所と一致していることからして、当該取扱説明書を発行した者及び乙第8号証の「請求明細書(控)」の請求元に記載された者は、被請求人(商標権者)とみることができる。
(3)使用商標2について
本件商品の取扱説明書(乙3)の表紙に表示された使用商標2は、色彩を本件商標と同一にするものとすれば本件商標と同一の商標と認められるものである(商標法第70条)。
(4)使用時期について
本件商品の取扱説明書(乙3)の発行日である「2018年10月9日」及び乙第8号証の「請求明細書(控)」における本件商品の取引日である「2019年9月12日」は、いずれも要証期間内である。
(5)使用商品について
本件商品は、取扱説明書における「本製品は、接続機器からの情報取得と制御に必要な入出力とワンチップマイコンを備えた、プログラマブルな多機能デジタル処理ボードです。用途に応じた制御を行う事ができます。」の記載(乙3)からすれば、取消請求商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する商品とみて差し支えのないものである。
(6)小括
上記(1)ないし(5)によれば、本件商標の商標権者(被請求人)は、要証期間内にその請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれる商品の取引書類(取扱説明書)に、本件商標を付して頒布したものと認めることができ、これは商標法第2条第3項第8号に該当する商標の使用ということができる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定商品に含まれる「電子応用機械器具及びその部品」について本件商標の使用をしていることを証明したといえる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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