2021-017997
プロセス制御システムにおけるマルチプロトコルフィールド装置
- 審判番号
- 2021-017997
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-560151外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年12月27日
- 審決日
- 2023年04月26日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】井上 誠一
- 分類
- P18 .121-WZ (G05B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
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本願は、2017年(平成29年)5月12日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2016年5月16日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、出願後の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
第2 本願発明
本願の請求項1~16に係る発明(このうち請求項1に係る発明を、以下「本願発明」という。)は、令和3年4月30日提出の手続補正書により補正をした特許請求の範囲の請求項1~16に記載した事項により特定されるとおりのものであって、このうち、本願発明が特定される請求項1に記載した事項は以下のとおりである。
「 【請求項1】通信ネットワークリンクに接続されるように適合されたフィールド装置であって、前記フィールド装置を前記通信ネットワークリンクへ接続するための通信インターフェースと、プロセス測定をパラメータ化されたデータに変換する、又は、パラメータ化されたデータを物理的な動作へ変換する装置アプリケーションユニットと、第1の通信プロトコルを用いて前記通信インターフェースを介して通信を実行する、前記第1の通信プロトコルと関連付けられた第1の通信ユニットと、第2の通信プロトコルを用いて前記通信インターフェースを介して通信を実行する、前記第1の通信プロトコルとは異なった前記第2の通信プロトコルと関連付けられた第2の通信ユニットと、を備えることを特徴とするフィールド装置。」
第3 当審拒絶理由通知
当審拒絶理由通知において、本願発明に対して通知した拒絶理由の概要は、以下のとおりである。
(進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第4 引用文献1の記載事項、及び引用発明
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1 引用文献1の記載内容
(1)発明の詳細な説明
「【技術分野】【0001】本発明は、一般的にフィールドデバイスに関するものであり、さらに詳細には、プロセス制御情報および設定情報に係る通信のために第一の通信プロトコルおよび第二の通信プロトコルを利用するスマートフィールドデバイスに関するものである。【背景技術】続きを表示(全30行)【0002】近代的プロセス制御システムはマイクロプロセッサをベースにする分散型制御システム(DCS)であることが一般的である。従来のDCS構成は、ワークステーションの如き一または複数のユーザインターフェイスデバイスを備え、このユーザインターフェイスデバイスは一または複数のコントローラに対してデータバス(たとえば、イーサネット)により接続されている。これらのコントローラは被制御プロセスに物理的に近接しており、プロセス全体に亘り分散されている電子センサ、トランスミッタ、電流-圧力変換器、バルブポジショナなどの如き多くの電子監視デバイスおよびフィールドデバイスに接続されていることが普通である。【0003】従来のDCSでは、各コントローラ内に制御アルゴリズムを供与することにより制御作業が分散されている。コントローラは別々に制御アルゴリズムを実行し、コントローラに接続されているフィールドデバイスを制御する。このような制御作業の非集中化により、システム全体としてさらに優れた柔軟性が実現されている。たとえば、DCSに新規のプロセスまたはプロセスの一部を追加したいとユーザが所望する場合、そのユーザは、プロセス制御システム内のセンサ、アクチュエータなどに(適切な制御アルゴリズムを有する)追加のコントローラを接続することができる。あるいは、既存のプロセスを修正することをユーザが所望する場合には、たとえば、新規の制御パラメータまたは制御アルゴリズムをデータバスを利用してユーザインターフェイスから適切なコントローラへダウンロードすることが可能である。【0004】モジュール性および製造業者間の互換性の向上を実現するために、近年、プロセス制御装置の製造業者達はプロセス内における制御をさらに非集中化させる方向に移行してきている。このような最近のアプローチは、HART(登録商標)プロトコル、PROFIBUS(登録商標)プロトコル、WORLDFIP(登録商標)プロトコル,Device-Net(登録商標)プロトコル、CAN、およびFoundation(商標)Fieldbus(以下「Fieldbus」と呼ぶ)プロトコルの如きオープン(すなわち、所有権を主張しない)プロトコルを利用して通信するスマートフィールドデバイスをベースにしたものである。また、これらのスマートフィールドデバイスは、Fieldbusデバイスの如きケースにおいては、DCSコントローラにより従来実行されていた制御ループ機能をも実行することがある、センサ、アクチュエータなどの如き、マイクロプロセッサをベースにしたデバイスである。スマートフィールドデバイスが制御機能を備えてオープンプロトコルを利用して通信するので、さまざまな製造業者からのスマートフィールドデバイスは共通のデジタルデータバスを用いて相互に通信を行うことができ、DCSコントローラの介入なしに制御ループを実行すべく相互動作できるようになっていることが一般的である。・・・【0016】図1は、プロセス制御活動を実行するためにスマートフィールドデバイスを利用するプロセス制御システム10の一例を示している。プロセス制御システム10はユーザインターフェイス12、14を備えている。・・・・・・コントローラ18は、たとえば、DCSコントローラであり、システムレベルデータバス20を介して、所有権を主張可能な通信プロトコルを利用してまたはその他の所望の方法で、ユーザインターフェイス12、14と通信すべくなしてあってもよい。・・・・・・【0017】具体的には、コントローラ18は、たとえばFieldbusの入力/出力(I/O)カードでありうるリンクデバイス28を利用してスマートフィールドデバイス22~26と通信する。フィールドデバイス22~26は通常の通信プロトコルを用いるデジタルデータバス30を利用して通信ネットワーク内で接続されている。スマートフィールドデバイス22~26は、コントローラ18と協動してかまたはコントローラ18から独立して、一または複数のプロセス制御ループを実行すべく、相互におよびリンクデバイス28に通信する。・・・・・・【0019】スマートフィールドデバイス22~26の各々は、デジタルデータバス30を利用して通信することが可能であり、またバス30上の通信信号を利用して、プロセスまたは異なるフィールドデバイスから取得したデータを用い、一または複数のプロセス制御機能を独立して実行することが可能である。具体的には、従来、DCSコントローラ内ですべて実行されていた制御戦略全体の内の一部をFieldbusデバイスは直接実行することが可能である。【0020】以下でさらに詳細に説明するように、スマートフィールドデバイス22~26のうちの一または複数は多重プロトコルフィールドデバイスであってもよい。この多重プロトコルフィールドデバイスは、たとえばFieldbusプロトコルを利用してプロセス制御情報を通信するが、設定を目的とする場合には、他の通信プロトコルを利用する。ほんの一例にすぎないが、多重プロトコルスマートフィールドデバイスを設定するために用いられる通信プロトコルはHART通信プロトコルであってもよい。以上のように、本明細書で説明する多重プロトコルスマートフィールドデバイスは、Fieldbusプロトコルを利用して比較的に高速で且つ高精度でプロセス制御情報を伝達しプロセス制御を行うることが可能であり、また容易に入手することができ且つ安価であって、比較的低速なHART通信装置を利用して現場において設定されることが可能であり、よって、現場において設定を行うために携帯用パーソナルコンピュータを使用する必要がなくなる。もちろん、本明細書で説明する多重プロトコルスマートフィールドデバイスは、たとえば、HART通信プロトコルに代えてまたはそれに加えてProfibus通信プロトコルを利用して設定を行ってもよい。【0021】図2は、図1に示されているプロセス制御システム10内で利用されうる多重プロトコルスマートフィールドデバイス50の略式ブロック線図の一例である。フィールドデバイス50は、電力調整ユニット52と、第一および第二のフィルタ54、56と、第一および第二の通信インターフェイスブロック58、60と、プロセッサ62と、プロセッサ62に通信可能に接続されたメモリ64と、バスドライブブロック66とを備えている。・・・【0029】プロセッサ62は、一または複数のソフトウェアルーチン68を利用し、通信インターフェイス58、60から受信した通信の処理・応答を行いうる。具体的には、ソフトウェアルーチン68は、HART通信およびFieldbus通信を処理するための公知の処理方法を備えていてもよい。そのような処理方法は当該技術分野において周知の方法であるので、本明細書ではこれ以上説明しない。・・・【0041】多重プロトコルスマートフィールドデバイスは、本明細書において二つの異なるプロトコル(たとえば、FieldbusおよびHART)を用いるものとして記載されているが、本発明の範疇を逸脱することなく二を超えるプロトコルを利用しうる。たとえば、通信インターフェイス58、60の各々が同一の物理層を有する複数のプロトコル処理をするように、図2に示されているスマートフィールドデバイス50を容易に構成しうる。たとえば、第二の通信インターフェイス60は、Fieldbus信号とProfibus信号との両方を処理しうるし、プロセッサ62は、いずれのプロトコルが処理されているのかを自動的に判別または決定するために、通信インターフェイス60から受信されるデジタルワードの形式を審査しうる。さらに、フィールドデバイスが二を超えるプロトコルを利用することができるように、さらなる通信インターフェイスが追加されてもよい。」
(2)図面
「【図1】[図:0001402107000001.jpg]【図2】[図:0001402107000002.jpg]」
2 引用文献1の記載内容の整理
(1)引用文献1には、段落【0016】~【0017】、【0019】~【0021】、及び図1~2の記載からみて、通信ネットワーク内でデジタルデータバス30に接続されて通信するスマートフィールドデバイス装置22~26であって、前記スマートフィールドデバイス装置22~26を前記デジタルデータバス30へ接続するための第一の通信インターフェース58、及び第二の通信インターフェース60を備えるものが、記載されている。
(2)引用文献1記載の上記スマートフィールドデバイス装置22~26は、段落【0016】の記載からみて、DCSコントローラ18を備え、段落【0002】に記載された近代的プロセス制御システムである分散型制御システム(DCS)に用いられるものである。そしてこのDCSシステムの各スマートフィールド装置は、段落【0002】~【0003】の記載からみて、その各コントローラにセンサ・アクチュエータを接続して制御アルゴリズムを供与することにより制御作業が行われるものであるから、メモリ64内の複数のソフトウェアルーチン68を利用して通信インターフェース58、60から受信した通信の処理・応答を行うプロセッサ62(段落【0029】、図2参照。)が、プロセス測定をパラメータ化されたデータに変換する、又は、パラメータ化されたデータを物理的な動作へ変換する、装置アプリケーションユニットとして機能することは自明な事項である。
(3)引用文献1のスマートフィールドデバイス22~26のうちの一または複数は、多重プロトコルスマートフィールドデバイス50とし得るもの(段落【0020】)であり、当該多重プロトコルスマートフィールドデバイス50は、例えば、HARTプロトコル、及びFieldbusプロトコルを用いるものである。[段落【0020】全体の記載、及び【0041】の「多重プロトコルスマートフィールドデバイスは、本明細書において二つの異なるプロトコル(たとえば、FieldbusおよびHART)を用いるものとして記載されている・・・」の記載を参照。]
(4)引用文献1の多重プロトコルスマートフィールドデバイス50は、「二を超える(当審注:3以上の)通信プロトコルを利用」することができる。[段落【0041】の「・・・本発明の範疇を逸脱することなく二を超えるプロトコルを利用しうる。」及び「さらに、フィールドデバイスが二を超えるプロトコルを利用することができるように、さらなる通信インターフェイスが追加されてもよい。」の記載を参照。]
その場合には、上記(3)に加え、さらにProfibus通信プロトコルを用いることができる。[段落【0041】の「たとえば、通信インターフェイス58、60の各々が同一の物理層を有する複数のプロトコル処理をするように、図2に示されているスマートフィールドデバイス50を容易に構成しうる。たとえば、第二の通信インターフェイス60は、Fieldbus信号とProfibus信号との両方を処理しうる・・・」の記載を参照。]
(5)上記(3)~(4)より以下のことがいえる。
ア 引用文献1記載の多重プロトコルスマートフィールドデバイス50は、第一の通信インターフェイス58を介して、HARTプロトコルを利用して通信を行い、HARTプロトコルを処理する第一の通信ユニットを備える。
イ 引用文献1記載の多重プロトコルスマートフィールドデバイス50は、第二の通信インターフェイス60を介して、Fieldbusプロトコルを利用して通信を行い、Fieldbusプロトコルを処理する第二の通信ユニット、及びProfibusプロトコルを利用して通信を行い、Profibusプロトコルを処理する追加の通信ユニットを備える。
ウ そうすると、引用文献1には、多重プロトコルスマートフィールドデバイス50について、HART通信プロトコルを利用して、第一の通信インターフェイス58を介して通信を実行する通信ユニット、Fieldbusプロトコルを利用して第二の通信インターフェイス60を介して通信を実行する通信ユニット、及びProfibusプロトコルを利用して第二の通信インターフェイス60を介して通信を実行する通信ユニットを備えることが開示されていると認められる。
3 引用発明
上記1及び2より、引用文献1には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「デジタルデータバス30に接続される、多重プロトコルスマートフィールドデバイス50を含むスマートフィールドデバイス22~26であって、前記スマートフィールドデバイス22~26を前記デジタルデータバス30へ接続するための通信インターフェイス58、60と、プロセス測定をパラメータ化されたデータに変換する、又は、パラメータ化されたデータを物理的な動作へ変換するプロセッサ62と、HARTプロトコルを利用して第一の通信インターフェイス58を介して通信を実行する、前記HARTプロトコルを処理する第一の通信ユニットと、Fieldbusプロトコルを利用して第二の通信インターフェイス60を介して通信を実行する、前記Fieldbusプロトコルを処理する第二の通信ユニットと、Profibusプロトコルを利用して第二の通信インターフェイス60を介して通信を実行する、前記Profibusプロトコルを処理する追加の通信ユニットと、を備えるスマートフィールドデバイス22~26。」
第5 当審の判断
1 本願発明と引用発明の対比
(1)引用発明の「デジタルデータバス30」は本願発明の「通信ネットワークリンク」に、同様に「多重プロトコルスマートフィールドデバイス50を含むスマートフィールドデバイス22~26」は「フィールド装置」に、それぞれ相当する。
(2)引用発明の「プロセッサ62」は本願発明の「装置アプリケーションユニット」に相当する。
(3)引用発明の「HARTプロトコルを利用して第一の通信インターフェイス58を介して通信を実行する、前記HARTプロトコルを処理する第一の通信ユニットと、Fieldbusプロトコルを利用して第二の通信インターフェイス60を介して通信を実行する、前記Fieldbusプロトコルを処理する第二の通信ユニットと、Profibusプロトコルを利用して第二の通信インターフェイス60を介して通信を実行する、前記Profibusプロトコルを処理する追加の通信ユニット」と、
本願発明の「第1の通信プロトコルを用いて前記通信インターフェースを介して通信を実行する、前記第1の通信プロトコルと関連付けられた第1の通信ユニットと、第2の通信プロトコルを用いて前記通信インターフェースを介して通信を実行する、前記第1の通信プロトコルとは異なった前記第2の通信プロトコルと関連付けられた第2の通信ユニット」を対比すると、
両者は「一つ目の通信プロトコルを用いて通信を実行する、前記一つ目の通信プロトコルと関連付けられた一つ目の通信ユニットと、一つ目の通信プロトコルとは別の通信プロトコルを用いて通信を実行する、前記一つ目の通信プロトコルとは異なった前記別の通信プロトコルと関連付けられた別の通信ユニット」を有する限りにおいて一致する。
2 本願発明と引用発明の一致点及び相違点
したがって、本願発明と引用発明は,以下の点で一致し、相違する。
(1)一致点
通信ネットワークリンクに接続されるように適合されたフィールド装置であって、
前記フィールド装置を前記通信ネットワークリンクへ接続するための通信インターフェースと、
プロセス測定をパラメータ化されたデータに変換する、又は、パラメータ化されたデータを物理的な動作へ変換する装置アプリケーションユニットと、
一つ目の通信プロトコルを用いて通信を実行する、前記一つ目の通信プロトコルと関連付けられた一つ目の通信ユニットと、
一つ目の通信プロトコルとは別の通信プロトコルを用いて通信を実行する、前記一つ目の通信プロトコルとは異なった前記別の通信プロトコルと関連付けられた別の通信ユニットと、
を備えるフィールド装置。
(2)相違点
「一つ目の通信ユニット」と「別の通信ユニット」の通信について、本願発明においては、「第1の通信ユニット」と「第2の通信ユニット」で同一の「通信インターフェース」を介して通信を行うのに対して、引用発明においては、「第一の通信ユニット」、及び「第二の通信ユニット」、「追加の通信ユニット」のうちの少なくとも二つの通信ユニットが、同一の「通信インターフェース」を介して通信を行うか否かが不明である点。
3 相違点の検討
引用文献1の段落【0041】には、多重プロトコルスマートフィールドデバイス50は、HARTプロトコルとFieldbusプロトコルの2つの通信プロトコルを用いるものに限られず、二を超える(3以上の)通信プロトコルを利用し得るもので、通信インターフェイス58、60の各々が同一の物理層を有する複数のプロトコル処理をするように構成しうるとの記載があり、二つの通信インターフェイスの各々が、複数のプロトコルを処理し得ることが示されている。
そして、同段落には、上記の2つの通信プロトコルにさらにProfibusプロトコルが加わり、第二の通信インターフェイス60がFieldbus信号とProfibus信号との両方を処理することが例示されている。(この場合において、HART信号は、第一の通信インターフェイス58が処理することが明らかである。)
この例示によれば、引用発明の第二の通信インターフェイス60が、Fieldbusプロトコル(本願発明における第1の通信プロトコルに対応。)と、Profibusプロトコル(同じく第2の通信プロトコルに対応。)の異なる二つの通信プロトコルに対応するもので、第二の通信インターフェイス60が、Fieldbus信号とProfibus信号との両方を処理するものであるから、引用発明の第二の通信インターフェイスを上記例示により改変したものは、「第1の通信プロトコルを用いて前記通信インターフェースを介して通信を実行する、前記第1の通信プロトコルと関連付けられた第1の通信ユニットと、第2の通信プロトコルを用いて前記通信インターフェースを介して通信を実行する、前記第1の通信プロトコルとは異なった前記第2の通信プロトコルと関連付けられた第2の通信ユニット」を備え、上記相違点に係る「第1の通信ユニット」と「第2の通信ユニット」で同一の「通信インターフェース」を介して通信を行う形態となることが認められる。
そうすると、上記相違点については、引用文献1に記載の事項から当業者が容易に想到し得た程度のものである。
4 小括
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第6 請求人の対当審意見書における主張
1 引用文献1の段落【0041】の記載について
請求人は、引用文献1の段落【0041】の記載に関し、「拒絶理由通知では、第1の通信ユニットを通信インターフェース58と対比し、第2の通信ユニットを通信インターフェース60と対比しています。そうとすれば、段落[0041]の記載から導きだせるのは、第2の通信ユニットが、第1の通信ユニット(通信インターフェース58および60)と同じ通信インターフェースを介して通信ネットワークリンクに接続するという構成ではなく、第2の通信ユニットが、第1および第2の通信プロトコルの両方を用いて通信する構成、となります。」と主張する。
そして、「引用文献1のように、個々の通信インターフェース58、60の1つが複数の通信プロトコルを利用するか否かとは関係なく、請求項1は、通信インターフェース58、60の両方が同じ「通信インターフェース」(請求項1でクレームされた用語を指しており、拒絶理由通知で通信ユニットと同等であるとした引用文献1で使用されている用語を指すものではない)を介してフィールドデバイスを通信ネットワークリンクに接続することを依然として要求」していること、及び「引用文献1がこの教示を提供」していないことを主張する。
しかしながら、当審拒絶理由通知(1(6))においては、第1の通信ユニットを通信インターフェース58と対比し、第2の通信ユニットを通信インターフェース60と対比しているわけではないし、上記第5の3に示したとおり、段落【0041】の記載から、Fieldbusプロトコルを処理する通信ユニットと、Profibusプロトコルを処理する通信ユニットが、同一の通信インターフェイスである第二の通信インターフェイス60を介して通信を実行することが導き出せるといえるから、請求人の主張は、当を得たものとはいえない。
また、本願発明の「第1の通信プロトコルを用いて前記通信インターフェースを介して通信を実行する、前記第1の通信プロトコルと関連付けられた第1の通信ユニットと、第2の通信プロトコルを用いて前記通信インターフェースを介して通信を実行する、前記第1の通信プロトコルとは異なった前記第2の通信プロトコルと関連付けられた第2の通信ユニット」との発明特定事項は、当該第1の通信ユニット、及び第2の通信ユニットが同一の通信インターフェースを介して通信を実行することが記載されているのみであるから、請求人の上記の「引用文献1のように、・・・依然として要求」しているとの主張にかかわらず、当該主張する点は、第5のとおり引用発明から当業者が容易にし得る事項である。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
2 「プロセッサ62」に関する主張
請求人は、「(当審)拒絶理由通知では、請求項1の「通信インターフェース」は、プロセッサ62への入力になるものと解釈している」旨を推定した上で、「プロセッサ62の当該入力ポート(当審注:単一の入力ポート)は、請求項1でクレームされているような「前記フィールド装置を前記通信ネットワークリンクへ接続するための通信インターフェース」ではありません。」との主張をする。
しかしながら、請求人も対当審意見書で指摘するとおり、当審拒絶理由通知においては、プロセッサ62は装置アプリケーションユニットに相当すると認定したものであって、上記推定のような解釈はしていないから、プロセッサ62の入力ポートについて、当該主張に合理的な根拠を認めることができない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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