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商標拒絶査定不服審判

2021-016936

ハイボールスタンドミドリ、ハイボールスタンド、ミドリ、スイ

審判番号
2021-016936
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-133292
請求日
2021年12月08日
審決日
2022年11月25日
公報発行日
2023年02月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】東亜事業協同組合
  • 【請求人代理人】石黒 修
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 小田 昌子
分類
T18 .261-Z (W43) / T18 .262-Z (W43) / T18 .263-Z (W43)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第56条第1項、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-133292拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第43類「アルコール飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、令和2年10月28日に登録出願されたものである。 本願は、令和3年3月26日付けで拒絶理由の通知がされ、同年4月13日に意見書が提出されが、同年11月25日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年12月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6074564号商標(以下「引用商標」という。)は、「翠」の文字を標準文字で表してなり、平成29年10月27日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室・展示施設の貸与」及び第45類「婚礼(結婚披露宴を含む。)のための施設の提供,宴会のための施設の提供」を指定役務として、同30年8月24日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標の要部である「翠」の文字と引用商標とは、その外観において近似し、「ミドリ」の称呼及び「草木の新芽」の観念を共通にするものであるから、本願商標と引用商標とは類似する商標であり、本願の指定役務は、引用商標に係る指定役務中「飲食物の提供」と同一又は類似の役務であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第4 当審における職権による証拠調べ 当審において、本願商標の構成中の「HIGHBALL STAND」の文字が、「ハイボールを提供する店」ほどの意味合いを容易に認識させる語であることについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に通知(令和4年9月9日付け証拠調べ通知書)し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。 第5 証拠調べの結果に対する請求人の意見(要点) 請求人は、上記第4の証拠調べ通知に対し、令和4年9月24日付けの意見書(以下「意見書」という。)を提出し、「「HIGHBALL STAND」の文字に接した需要者が、「ハイボールボトル」を飾るものとの認識をすることもあるから、当該文字は、必ずしも「ハイボールを提供する店」を認識させるものではない。」旨を述べている。 第6 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号の該当性について (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、「HIGHBALL STAND」の欧文字(以下「HIGHBALL STAND」という。)の右側に、筆文字風の「翠」の漢字(以下「翠」という。)を緑色で大きく書し、「翠」の漢字の右側に、緑色で双葉を模した図形(以下「双葉図形」という。)を描き、双葉図形の下に「MIDORI」の欧文字(以下「MIDORI」という。)を緑色で横書きしてなるところ、本願商標を看取すると、その構成中の「HIGHBALL STAND」、「翠」及び「MIDORI」並びに双葉図形は、重なることなく配置されていることが確認できる。 また、本願商標の構成中の「HIGHBALL STAND」と、「翠」、「MIDORI」及び双葉図形とは色彩が異なり、かつ、「HIGHBALL STAND」、「翠」及び「MIDORI」は、各文字の大きさや書体等が異なることから、これらは、それぞれが、視覚上、分離して看取、把握され得るものであって、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえない。 そして、本願商標の構成中の「HIGHBALL STAND」は、別掲2のとおり、本願の指定役務との関係において、需要者、取引者が「ハイボールを提供する店」、すなわち、役務の提供場所を認識するといえるため、出所識別標識としての称呼、観念を生じないものであり、構成中の双葉図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情はないため、これよりも、特定の称呼及び観念は生じないものといえる。 他方、本願商標の構成中の「翠」の文字は、他の文字と比べて大きく書されているため、特に、看者の注意を引く部分であるといえ、「翠」の下に書された「MIDORI」は、「翠」の読みと認められる「ミドリ」を欧文字で表したものと容易に認識し得るものであり、「翠」は、「草木の新芽」(「広辞苑 第7版」発行者:株式会社岩波書店)の意味を有する語で、本願の指定役務との関係において、これが役務の質等を表示することにより、出所識別標識としての称呼、観念を生じないと判断すべき特別な事情はない。 そうすると、本願商標は、その構成文字より生じる「ハイボールスタンドミドリ」の称呼は冗長とはいえないとしても、引用商標との類否を判断するに当たって、本願商標の構成中の顕著に表された「翠」を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。 したがって、本願商標は、その構成文字より生じる「ハイボールスタンドミドリ」の称呼のほか、構成中の「翠」及び当該文字の読み方を特定した「MIDORI」に相応して「ミドリ」の称呼を生じ、「草木の新芽」の観念を生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標は、上記第2のとおり、「翠」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して「ミドリ」又は「スイ」の称呼を生じ、「草木の新芽」(参考:前掲書)の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「HIGHBALL STAND」、「MIDORI」及び双葉図形の有無の差異があることから、これらは外観において相違するが、本願商標の要部である「翠」と引用商標とを比較すると、両者は、文字の色及び書体が相違するとしても、いずれも、「翠」の漢字をよりなるものであるから、これらは、外観上類似する。 次に、称呼においては、本願商標の構成文字より生じる「ハイボールスタンドミドリ」の称呼と引用商標より生じる「ミドリ」又は「スイ」の称呼は、これらの音数が明らかに相違するため、聴別できるものの、本願商標の要部である「翠」より生じる「ミドリ」の称呼と引用商標より生じる「ミドリ」の称呼は同一であるから、これらは、称呼を共通にするものである。 そして、観念においては、本願商標の要部である「翠」より生じる「草木の新芽」の観念と引用商標より生じる「草木の新芽」の観念は同一であるから、これらの観念を共通にするものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において類似し、称呼及び観念を共通にする類似の商標と判断するのが相当である。 (4)本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について 本願の指定役務である第43類「アルコール飲料を主とする飲食物の提供」は、引用商標の指定役務中の第43類「飲食物の提供」と同一又は類似の役務である。 (5)小括 以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、審判請求書において、「緑色で表されている「翠」の特殊文字、「双葉図柄」及び「MIDORI」の文字列を考えると、「翠」と「MIDORI」は称呼及び観念において強い連関があると考えられ、「双葉図形」も「MIDORI」との間に観念において強い連関がある。また、これらは視覚上視感度が最も高い緑色でまとまり良く表されているため「翠」の特殊文字、「双葉図形」及び「MIDORI」は一体であると考えるのが自然であり、分離して解釈することには相当無理がある。」旨を主張する。 しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標の構成中の「翠」及び「MIDORI」並びに双葉図形は、重なることなく配置されていることから、これらは、それぞれが、視覚上、分離して看取、把握され得るものであって、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものである。 また、本願商標の構成中の「翠」の文字は、他の文字と比べて大きく書されているため、特に、看者の注意を引く部分であるといえ、「翠」の下に書された「MIDORI」は、「翠」の読みと認められる「ミドリ」を欧文字で表したものと容易に認識し得るものであり、本願商標の構成中の双葉図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情はないことからすると、「MIDORI」は、「翠」の称呼を特定するものであり、称呼における関連性があるとしても、「翠」と「MIDORI」との間、あるいは、「双葉図形」と「翠」及び「MIDORI」との間に観念上の強い結びつきがあるとはいえない。 そうすると、本願商標は、その構成文字より生じる「ハイボールスタンドミドリ」の称呼は冗長とはいえないとしても、引用商標との類否を判断するに当たって、本願商標の構成中の顕著に表された「翠」を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。 (2)請求人は、意見書において、「「HIGHBALL STAND」の文字に接した需要者が、「ハイボールボトル」を飾るものとの認識をすることもあるから、当該文字は、必ずしも「ハイボールを提供する店」の認識させるものではない。」旨を主張する。 しかしながら、仮に、請求人の主張のとおり、本願商標の構成中の「HIGHBALL STAND」が、「ハイボールボトル」を飾るものを認識させる場合があるとしても、当該文字は、本願の指定役務との関係において、「ハイボールを提供する店」、すなわち、役務の提供場所を認識するといえるため、これが、出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものと判断するのが相当である。 (3)以上のとおり、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-016936

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