商標拒絶査定不服審判
2021-015675
ノアール、ノワール
- 審判番号
- 2021-015675
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-035310
- 請求日
- 2021年10月08日
- 審決日
- 2022年06月29日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】山田 雅美
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 分類
- T18 .261-Z (W05) / T18 .262-Z (W05) / T18 .263-Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 35310拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は,令和2年3月17日に登録出願されたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 9月 1日付け:拒絶理由通知書
令和2年11月 2日受付:意見書,手続補正書
令和3年 6月30日付け:拒絶査定
令和3年10月11日受付:審判請求書
2 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。その後,指定商品については,上記1の手続補正書により,第5類「黒色の医療用化粧品,黒色の薬剤,黒色の容器に入れられた薬剤,黒色の医療用試験紙,黒色の医療用油紙,黒色の医療用接着テープ,黒色の衛生マスク,黒色のオブラート,黒色のガーゼ,黒色のカプセル,黒色の眼帯,黒色の耳帯,黒色の生理帯,黒色の生理用タンポン,黒色の生理用ナプキン,黒色の生理用パンティ,黒色の脱脂綿,黒色のばんそうこう,黒色の包帯,黒色の包帯液,黒色の胸当てパッド,黒色の綿棒,黒色の歯科用材料,黒色の容器に入った歯科用材料,黒色のおむつ,黒色のおむつカバー,黒色の容器に入った食餌療法用飲料,黒色の容器に入った食餌療法用食品,黒色の容器に入った乳幼児用飲料,黒色の容器に入った乳幼児用食品,黒色の容器に入った栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),黒色の容器に入った人工受精用精液」と補正されたものである。
3 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下(1)及び(2)のとおりであり,いずれも有効に存続しているものである。
(1)登録第1017907号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,昭和42年9月9日登録出願,第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同48年6月18日に設定登録され,その後,指定商品については,平成15年6月25日に第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」を指定商品とする書換登録がされたものである。
(2)登録第1103195号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,昭和44年6月3日登録出願,第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同50年1月13日に設定登録され,その後,指定商品については,平成17年1月26日に第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」を指定商品とする書換登録がされたものである。
以下,これらをまとめて「引用商標」という場合がある。
4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,ややデザイン化して表した「ノアール」の片仮名及び「nOIR」の欧文字を2段に書してなるところ,かかる構成からすれば,上段の片仮名は,下段の欧文字の読みを表したものと理解されるから,その構成文字に相応して「ノアール」の称呼を生じるものである。
そして,「nOIR」(noir)の文字は,フランス語で「黒色」等の意味を有するとしても,一般に広く親しまれた語とはいえないから,需要者において直ちに具体的な意味合いを想起させるものとはいえない。
そうすると,本願を構成する文字は,指定商品との関係において,当該商品の品質等を表すものとはいえないから,出所識別機能を有するものというべきである。
したがって,本願商標は,その構成文字に相応して「ノアール」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。
(2)引用商標
ア 引用商標1は,別掲2のとおり,「ノアール」の片仮名と「NOARL」の欧文字を二段に書してなるものであって,かかる構成からすれば,上段の「ノアール」の片仮名は,下段の「NOARL」の欧文字の読みを表したものと無理なく理解できるものである。
そして,引用商標1の構成中の「NOARL」の欧文字は,一般的な辞書等に載録された成語ではなく,また,引用商標1の指定商品を取り扱う業界において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから,造語を表したものといえる。
そうすると,本願商標からは,その構成文字に相応して「ノアール」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
イ 引用商標2は,別掲3のとおり,「ノアール」の片仮名と「NOIRE」の欧文字を二段に書してなるものであって,かかる構成からすれば,上段の「ノアール」の片仮名は,下段の「NOIRE」の欧文字の読みを表したものと無理なく理解できるものである。
そして,「NOIRE」の欧文字は,「黒」の意味を有するフランス語の女性形であるとしても,上記(1)と同様に一般に広く親しまれた語とはいえないから,需要者において直ちに具体的な意味合いを想起させるものとはいえない。
そうすると,引用商標2からは,その構成文字に相応して「ノアール」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標の比較
ア 本願商標と引用商標1を比較すると,外観については,その書体及び欧文字部分のつづりと欧文字語頭の「n(N)」に大文字と小文字の差異を有するものの,片仮名及び欧文字の二段の構成並びに片仮名を共通にし,2文字目の「O」及び4文字目の「R」の文字を同じくするものであるから,これらの差異が,看者に対し,出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえない。
そうすると,両商標は,外観において,似かよった印象を与えるというべきである。
また,本願商標と引用商標は,いずれも「ノアール」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
以上よりすれば,本願商標と引用商標1は,観念において比較することができないとしても,外観上似かよった印象である上,同一の称呼が生じるから,それぞれの外観,称呼及び観念等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すると,相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
イ 本願商標と引用商標2を比較すると,外観については,その書体及び欧文字部分のつづりと欧文字語頭の「n(N)」に大文字と小文字の差異を有するものの,片仮名及び欧文字の二段の構成並びに片仮名を共通にし,2文字目ないし4文字目の「O」「I」「R」の文字を同じくするものであるから,これらの差異が,看者に対し,出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえない。
そうすると,両商標は,外観において,似かよった印象を与えるというべきである。
また,本願商標と引用商標2は,いずれも「ノアール」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
以上よりすれば,本願商標と引用商標2は,観念において比較することができないとしても,外観上似かよった印象である上,同一の称呼が生じるから,それぞれの外観,称呼及び観念等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すると,相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否
本願の指定商品中,第5類「黒色の医療用化粧品,黒色の薬剤,黒色の容器に入れられた薬剤,黒色の医療用試験紙,黒色の医療用油紙,黒色の医療用接着テープ,黒色の衛生マスク,黒色のオブラート,黒色のガーゼ,黒色のカプセル,黒色の眼帯,黒色の耳帯,黒色の生理帯,黒色の生理用タンポン,黒色の生理用ナプキン,黒色の生理用パンティ,黒色の脱脂綿,黒色のばんそうこう,黒色の包帯,黒色の包帯液,黒色の胸当てパッド,黒色の綿棒,黒色の歯科用材料,黒色の容器に入った歯科用材料」と引用商標の指定商品である第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」は互いに類似するものである。
(5)小括
以上より,本願商標は,引用商標と類似の商標であり,かつ,その指定商品も引用商標の指定商品と類似するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は,本願商標は「nOIR」の文字が特殊な態様で表されていることによってはじめて,自他商品識別力を発揮する商標であるから,本願商標の類似範囲は,「ノアール」との称呼が生じる商標に対して,広く及ぶものではなく,図案化した文字の外観が類似する商標に対してのみ及ぶものと解するのが妥当であるから,本願商標からは「ノアール」の称呼及び「黒色」との観念は生じないというべきである。そして,引用商標とは外観において大きく相違しているから,本願商標と引用商標は,出所の混同を生じるおそれがないことは明らかである旨述べて「ノアール(ノワール)」,「NOIR(noir)」の使用例を挙げている。
しかしながら,「ノアール(ノワール)」,「NOIR(noir)」の文字は,本願の指定商品との関係において,商品の品質等を表示するものとはいえないことは,上記(1)のとおりであって,本願商標を構成する「nOIR」及び「ノアール」の文字自体が商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものであるから,本願商標からは,「ノワール」の称呼を生じ,これと引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断するものである。
また,請求人が挙げた「ノアール(ノワール)」,「NOIR(noir)」の使用例には,該文字が黒の色彩を表しているといった具体的な説明は見当たらない。
イ 請求人は,審決例,判決例を挙げて本願商標と引用商標は非類似の商標である旨主張する。
しかしながら,商標の類否判断は,外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合し,かつ,具体的な取引状況に基づいて行うものであり,事案ごとの具体的な事実に基づく判断となるものであって,審決例や判決例とは商標の具体的構成において異なるものであるから,それらの例をもって,本願商標と引用商標の類否判断が左右されることはない。
ウ したがって,請求人の主張はいずれも採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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