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商標拒絶査定不服審判

2025-650052

シロリムスイイエフアアル、シロリムス、イイエフアアル、シロリムセフル

審判番号
2025-650052
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
1778358
請求日
2025年06月19日
審決日
2026年02月04日
公報発行日
2026年08月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】Caliber Therapeutics, LLC
  • 【請求人代理人】丸山 英一
  • 【請求人代理人】丸山 重輝
  • 【請求人代理人】丸山 智貴
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 武谷 逸平
分類
T18 .261-Z (W05) / T18 .262-Z (W05) / T18 .263-Z (W05) / T18 .264-Z (W05)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

国際登録第1778358号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。

結論

本件審判の請求は、成り立たない。

理由

1 手続の経緯 本願は、2023年8月10日にUnited States of Americaにおいてなされた商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2024年(令和6年)1月12日に国際商標登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 2024年(令和6年)9月13日付け:暫定拒絶通報 2024年(令和6年)12月16日 :意見書、手続補正書の提出 2025年(令和7年)3月 5日付け:拒絶査定 2025年(令和7年)6月19日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「SirolimusEFR」の文字を普通に用いられる方法で書してなり、第5類「Pharmaceutical preparations for the treatment and prevention of vascular diseases and disorders, orthopedic diseases and disorders, eye diseases and disorders, and ENT diseases and disorders.」を指定商品として、国際商標登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品は、上記1の手続補正書により、第5類「Pharmaceutical preparations including Sirolimus for the treatment and prevention of vascular diseases and disorders, orthopedic diseases and disorders, eye diseases and disorders, and ENT diseases and disorders.」(参考訳:血管の疾患及び障害・整形外科の疾患及び障害・眼の疾患及び障害並びに耳鼻咽喉科の疾患及び障害の治療用及び予防用のシロリムスを含む薬剤)と補正されたものである。 3 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5748755号商標(以下「引用商標」という。)は、「EFR」の文字を標準文字で表してなり、平成26年5月9日登録出願、第5類「家庭用応急処置用キット」、第9類「応急処置・心肺蘇生・危険防止・緊急時準備に関する情報及び指導を記録したDVD並びにCD-ROM」及び第10類「医療用機械器具,心肺蘇生用フェイスマスク」を指定商品として、平成27年3月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標について 本願商標は、「SirolimusEFR」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものである。 そして、本願商標の構成中、「Sirolimus」の文字は、別掲1のとおり、本願指定商品を含む医薬品を取り扱う業界において、リンパ脈管筋腫症等に対する薬剤である「シロリムス」の欧文字表記として一般的に使用されている実情をうかがい知ることができる。 そうとすると、本願商標の構成中、「Sirolimus」の文字は、これに接する需要者に、薬剤の名称の一つを表したものと認識されるものであって、本願指定商品との関係においては、自他商品識別標識としての機能を有しないか、極めて弱い部分といえる。 他方、構成中の「EFR」の文字は、辞書等に記載のないものであって、本願指定商品との関係において特定の意味合いにおいて親しまれているというべき事情も見いだせないから、特定の意味合いを有しない一種の造語と解されるものである。 さらに、本願商標は、「SirolimusEFR」の構成文字全体をもって一体的な意味合いを生じるものではなく、その構成中「Sirolimus」の文字と「EFR」の文字が、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。 そうとすると、本願商標においては、構成中の「EFR」部分が、これに接する取引者・需要者に自他商品の識別標識としての機能を果たす要部として認識され、当該文字部分をもって取り扱われる場合も決して少なくないというのが相当であるから、当該「EFR」の文字部分のみを分離抽出し、他人の商標と比較することも許されるというべきである。 したがって、本願商標は、その要部である「EFR」の文字に相応して「イーエフアール」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。 イ 引用商標について 引用商標は、「EFR」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、上記アと同様に、特定の意味合いを有しない一種の造語と解されるものであるから、その構成文字に相応して「イーエフアール」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。 ウ 本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては「Sirolimus」の文字の有無において相違するものの、本願商標の要部と引用商標とを比較すると、両者は「EFR」の文字のつづりを共通にするから、外観上、近似した印象を与える。 また、称呼においては、両者は「イーエフアール」の称呼を同一にする。 さらに、観念においては、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を有しないから、観念において比較できない。 そうすると、本願商標と引用商標とは、観念においては比較できないとしても、外観において近似した印象を与え、「イーエフアール」の称呼を同一にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。 エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否について 本願商標の指定商品と、引用商標の指定商品の類否について比較するに、本願商標の指定商品(以下「本願商品」という。)は、医療用医薬品の一種であり、他方、引用商標の指定商品中、「家庭用応急処置用キット」(以下「引用商品」という。)には、包帯やばんそうこう等のほか、家庭用の風邪薬や胃薬等も含まれると解されるところ、本願商品と引用商品は、いずれも患者の病気を治療したり、予防するために用いられるものである。 そして、別掲2のとおり、家庭用の風邪薬等の一般用医薬品を製造・販売している薬剤メーカーが、同時に高度な医療用医薬品を製造・販売している例がある。 さらに、例えば別掲3のとおり、医師の処方箋に基づいて医療用医薬品等を調合する調剤薬局において、家庭用の風邪薬等の各種市販薬も取り扱われていることも踏まえれば、本願商品と引用商品は、その用途、生産部門及び販売部門において一致し得るものであるから、これらについて、互いに類似する商標が使用された場合には、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるというのが相当である。 オ 小括 上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標の指定商品は、薬剤メーカーが高度な知見を備えた上で製造され、その需要者は病院関係者であるのに対し、引用商標の指定商品中、「家庭用応急処置用キット」には、薬剤が含まれるとしても、一般的な需要者が購入可能な風邪薬や胃薬等にとどまり、流通経路や需要者等が異なるため互いに出所の混同を生じさせることはない旨主張する。 しかしながら、上記(1)エで述べたとおり、引用商標の指定商品中に含まれる薬剤等が、一般的な需要者が購入可能な範囲にとどまる商品であっても、その生産部門、販売部門についてみれば、各種薬剤メーカーによって製造されているものであり、用途によって一部需要者の範囲を異にする場合があるとしても、本願指定商品と引用指定商品は、その生産部門、販売部門を共通にするものであり、これらに同一又は類似の商標が使用された場合、同一営業主の製造・販売に係る商品と誤認されるおそれのある、互いに類似する商品というのが相当である。 イ 請求人は、本願商標に接する需要者は高度な注意力が求められることから、商標全体で識別するため、本願商標の「EFR」の文字部分のみを抽出して認識しない旨主張している。 しかしながら、上記(1)アで述べたとおり、「Sirolimus」の文字部分は、本願指定商品との関係においては、自他商品識別標識としての機能を有しないか、極めて弱い部分であることから、本願商標構成中の「EFR」部分が、これに接する取引者・需要者に自他商品の識別標識としての機能を果たす要部として認識されるものである。 ウ 請求人は、過去の登録例を挙げつつ、これらの登録が併存していることからしても、本願商標は登録されるべきである旨主張している。 しかしながら、商標の類否判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例と本願商標とは、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については上記(1)ウのとおりであるから、これらの登録例をもって、上記判断が左右されるものではない。 エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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