商標拒絶査定不服審判
2021-015674
ブラン、ブランク
- 審判番号
- 2021-015674
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-035311
- 請求日
- 2021年10月08日
- 審決日
- 2022年06月30日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】山田 雅美
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 分類
- T18 .13 -Z (W03) / T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 35311拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は,令和2年3月17日に登録出願されたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 9月 1日付け:拒絶理由通知書
令和2年11月 2日受付:意見書,手続補正書
令和3年 6月30日付け:拒絶査定
令和3年10月11日受付:審判請求書
2 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。その後,指定商品については,上記1の手続補正書により,第3類「白色の容器に入れられた家庭用帯電防止剤,白色の容器に入れられた家庭用脱脂剤,白色の容器に入れられたさび除去剤,白色の容器に入れられた染み抜きベンジン,白色の容器に入れられた洗濯用柔軟剤,白色の容器に入れられた洗濯用漂白剤,白色の容器に入れられたかつら装着用接着剤,白色の容器に入れられた洗濯用でん粉のり,白色の容器に入れられた洗濯用ふのり,白色の容器に入れられたつけまつ毛用接着剤,白色の容器に入れられた塗料用剥離剤,白色の靴クリーム,白色の靴墨,白色の容器に入れられたつや出し剤,白色の容器に入れられたせっけん類,白色のせっけん類,白色の容器に入れられた歯磨き,白色の歯磨き,肌を白くするための化粧品,白色の容器に入れられた香料,白色の香料,白色の容器に入れられた薫料,白色の薫料,白色の容器に入れられた研磨紙,白色の研磨布,白色の研磨用砂,白色の人造軽石,白色のつや出し紙,白色のつけづめ,白色のつけまつ毛」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は,以下(1)及び(2)の拒絶の理由に該当すると認定,判断し,本願を拒絶したものである。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は「ブラン」の片仮名及び「BLAnC」の欧文字を上下2段に横書きしてなり,構成中の「BLAnC」の欧文字は,ややデザイン化されているものの,「BLAnC」を表していることを普通に認識できる点に鑑みれば,本願商標は,全体として,「ブラン」及び「BLAnC」の文字をいまだ普通に用いられる方法の域を出ない方法で表示したものである。そして,「BLAnC」の文字は,フランス語で「白色」を意味する基本的な語である「blanc」の文字と実質的に同一であり,「ブラン」の文字は,上記「blanc」のフランス語の表音と認められるから,全体として「白色」の意味合いを容易に理解させる。そうすると,本願商標をその指定商品中,「肌を白くするための化粧品,白色の靴クリーム,白色の靴墨」に使用しても,単に商品の品質を表示したものとして認識するにとどまるといわざるを得ない。したがって,本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は,次の登録商標と同一又は類似の商標であって,それらの商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
登録第5617467号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成25年5月15日登録出願,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」を指定商品として,同年9月20日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は,別掲1のとおり,「ブラン」の片仮名及び「BLAnC」の欧文字を2段に書してなるところ,その構成中,「n」を小文字で表し,全体としてややデザイン化して表してなるものである。
そして,「ブラン」及び「BLAnC」(blanc)の文字が原審説示のとおりフランス語で「白色」等の意味を有するとしても,一般に広く親しまれた平易な語とはいえないから,直ちに当該意味合いを認識させるとはいい難いものである。
また,当審において職権をもって調査するも,本願の指定商品を取り扱う業界において,「blanc」及び「ブラン」の各文字が単独で,商品の品質を直接的に表示するものとして,取引上一般に使用されていると認めるに足る事実は見いだせなかった。
さらに,取引者,需要者において,「blanc」及び「ブラン」の各文字を商品の品質を表示するものとして認識されるとみるべき事実も発見できなかった。
そうすると,「ブラン」の片仮名及び「BLAnC」の欧文字よりなる本願商標は,その指定商品との関係において,商品の品質を表示するものということはできないから,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず,商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本願商標は,別掲1のとおり,ややデザイン化して表した「ブラン」の片仮名及び「BLAnC」の欧文字を2段に書してなるところ,かかる構成からすれば,上段の片仮名は,下段の欧文字の読みを表したものと理解されるから,その構成文字に相応して,「ブラン」の称呼を生じるものである。
そして,「BLAnC」及び「ブラン」の各文字は,上記(1)のとおり,一般に広く親しまれた語とはいえないから,需要者において直ちに具体的な意味合いを想起させるものとはいえない。
そうすると,本願商標は,その構成文字に相応して「ブラン」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。
イ 引用商標は,別掲2のとおり,「Blanc」の欧文字と当該「Blanc」の文字よりも小さく表した「ブラン」の片仮名を2段に書し,当該欧文字部分の右側に化学記号とおぼしき図形を配してなる文字と図形との結合商標である。
そして,引用商標の文字部分の下段の片仮名は,上段の欧文字の読みを表したものと容易に理解されるものであり,上記(1)と同様の理由により,当該文字部分は,需要者において直ちに具体的な意味合いを想起させるものとはいえない。
また,引用商標構成中の図形部分は,その構成態様から特定の意味合いを想起させるとはいい難いから,特定の称呼及び観念は生じない。
そして,文字部分と図形部分とは視覚上分離して看取される上に,両者の間に,称呼上及び観念上の結び付きは見いだせないから,これらを常に一体のものとして把握する理由があるとはいえず,文字部分が自他商品を識別する機能を発揮しないとみるべき理由はない。
したがって,引用商標からは,その構成文字に相応して「ブラン」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
ウ 本願商標と引用商標の比較
本願商標と引用商標の要部である文字部分を比較すると,外観については,「L」及び「A」の大文字と小文字の相違並びに文字の図案化の相違があるものの,欧文字と片仮名との二段構成であること,同じつづりの欧文字であること,「ブラン」の片仮名を共通にすることを考慮すると,本願商標と引用商標は,外観において,相紛らわしいものというべきである。
また,本願商標と引用商標からは,いずれも「ブラン」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
以上のとおり,本願商標と引用商標は,観念において比較することができないとしても,外観上相紛らわしいものである上,同一の称呼が生じるから,それぞれの外観,称呼及び観念等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すると,相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(3)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本願商標の指定商品中,「白色の容器に入れられたせっけん類,白色のせっけん類,白色の容器に入れられた歯磨き,白色の歯磨き,肌を白くするための化粧品,白色の容器に入れられた香料,白色の香料,白色の容器に入れられた薫料,白色の薫料」と引用商標の指定商品「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」は類似する商品である。
(4)小括
以上より,本願商標は,引用商標と類似の商標であり,かつ,その指定商品も引用商標の指定商品と類似の商品であるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は,本願商標は「BLAnC」の文字が特殊な態様で表されていることによってはじめて,自他商品識別力を発揮する商標であるから,本願商標の類似範囲は,「ブラン」との称呼や「白色」との観念が生じる商標に対して,広く及ぶものではなく,図案化した文字の外観が類似する商標に対してのみ及ぶものと解するのが妥当であるから,本願商標からは,「ブラン」の称呼及び「白色」との観念は生じないというべきである。したがって,本願商標と引用商標は,称呼及び観念が共通する商標とはいえない旨述べて「ブラン」,「BLANC(blanc)」の使用例を挙げている。
しかしながら,「ブラン」,「BLANC(blanc)」の文字は,本願の指定商品との関係において,商品の品質等を表示するものとはいえないことは,上記(1)のとおりであって,本願商標を構成する「BLAnC」及び「ブラン」の文字自体が商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものであるから,本願商標からは,「ブラン」の称呼を生じ,これと引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断するものである。
また,請求人が挙げた「ブラン」,「BLANC(blanc)」の使用例には,該文字を含んで使用されていることが確認できるものの,該文字が白の色彩を表しているといった具体的な説明は見当たらない。
イ 請求人は,審決例,判決例を挙げて本願商標と引用商標は非類似の商標である旨主張する。
しかしながら,商標の類否判断は,外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合し,かつ,具体的な取引状況に基づいて行うものであり,事案ごとの具体的な事実に基づく判断となるものであって,審決例や判決例とは商標の具体的構成において異なるものであるから,それらの例をもって,本願商標と引用商標の類否判断が左右されることはない。
ウ したがって,請求人の主張はいずれも採用することができない。
(6)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当しないとしても,同法第4条第1項第11号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-015674