商標拒絶査定不服審判
2021-015527
ウララカパジャマ、ウララカ
- 審判番号
- 2021-015527
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-118759
- 請求日
- 2021年11月12日
- 審決日
- 2022年07月12日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ワコール
- 【請求人代理人】特許業務法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .261-Z (W25) / T18 .262-Z (W25) / T18 .263-Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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商願2020-118759拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「うららかパジャマ」の文字を標準文字で表してなり、第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年9月25日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年4月12日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月28日に意見書が提出され、本願の指定商品は、同日付け手続補正書により、第25類「パジャマ」に補正されたが、同年8月24日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年11月12日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5887371号商標(以下「引用商標」という。)は「uraraca」の文字を標準文字で表してなり、平成27年9月11日登録出願、第25類「靴,履物,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同28年10月7日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標の構成中の「うららか」の文字と引用商標とは、「ウララカ」の称呼と、「空が晴れて、日が柔らかくのどかに照っているさま。声などが晴れ晴れとして楽しそうなさま。心にわだかまりがなく、おっとりしているさま。」の観念を共通にし、外観については、「うららか」は平仮名であり、引用商標は欧文字であるものの、我が国においては、商標を同一の称呼が生じる範囲内で平仮名や欧文字に置き換えて表記することが一般的に行われているという事情を考慮すると、文字種が異なることによる本願商標と引用商標との外観の相違は、両商標が別異のものであると認識させるほどの強い印象を与えるものではないから、外観、称呼及び観念によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考慮すると、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標であり、また、本願の指定商品には、引用商標の指定商品と同一又は類似のものが含まれている。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、上記第1のとおり、「うららかパジャマ」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標は、同じ大きさで、また、空白なく横一列に記載されているとしても、「うららか」の平仮名と「パジャマ」の片仮名を結合したものと容易に認識できるものである。
そして、本願商標の構成中の「うららか」の文字は、「空が晴れて、日影の明るくおだやかなさま。声の明るくほがらかなさま。心のさわやかなさま。心のはればれしいさま。」(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する語であり、本願商標の構成中の「パジャマ」の文字は、「上着とズボンから成るゆるやかな寝巻。」(前掲書)の意味を有する語であるとしても、これらの文字を横一連に結合した「うららかパジャマ」の語は、辞書等に載録されている成語ではなく、これが、一般に特定の意味合いを理解させるものと判断しなければならない特別な事情はないことから、「うららか」の文字及び「パジャマ」の文字が、熟語的な関連性を有すると認識させるとはいい難いものである。
また、本願商標の構成中の「うららか」の文字は、上記意味を有する語であるものの、本願の指定商品「パジャマ」との関係においては、商品の品質等を表するものとして判断すべき特別な事情はなく、商品の出所識別標識としての機能を発揮し得るものであるが、本願商標の構成中の「パジャマ」の文字は、その指定商品「パジャマ」との関係においては、商品の普通名称と把握され、出所識別標識としての機能を発揮し得ないものである。
そうすると、本願商標は、「うららか」の平仮名と「パジャマ」の片仮名とを結合したものと容易に認識し得るものであることに加え、本願商標の構成中の「うららか」の文字は、本願の指定商品「パジャマ」との関係においては、商品の品質等を表するものとして判断すべき特別な事情はなく、商品の出所識別標識としての機能を発揮し得るものである一方、本願商標の構成中の「パジャマ」の文字は、その指定商品「パジャマ」の普通名称と把握され、出所識別標識としての機能を発揮し得ないことから、本願商標にあっては、その構成中の「うららか」の文字が、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるとみるのが相当であるから、当該文字を要部として抽出し、これと引用商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるものというべきである。
したがって、本願商標は、その構成全体から「ウララカパジャマ」の称呼を生じるほか、本願商標の要部である「うららか」の文字に相応して「ウララカ」の称呼を生じ、「空が晴れて、日影の明るくおだやかなさま。声の明るくほがらかなさま。心のさわやかなさま。心のはればれしいさま。」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、上記第2のとおり、「uraraca」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「ウララカ」の称呼を生じ、また、「ウララカ」の称呼と同音の「うららか」の語は、上記(1)のとおり、「空が晴れて、日影の明るくおだやかなさま。声の明るくほがらかなさま。心のさわやかなさま。心のはればれしいさま。」の意味を有する語であるから、引用商標は、「uraraca」の文字に相応して「ウララカ」の称呼を生じ、「空が晴れて、日影の明るくおだやかなさま。声の明るくほがらかなさま。心のさわやかなさま。心のはればれしいさま。」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「パジャマ」の片仮名の有無等の明らかな差異があることから、外観において相違するが、本願商標の要部である「うららか」の文字と引用商標とを比較すると、両者は、平仮名と欧文字の差異があるとしても、いずれも標準文字で表してなるものであり、また、例えば、「東京」の漢字を平仮名で「とうきょう」、片仮名で「トウキョウ」及び欧文字で「TOKYO」と表示する場合がある等、同じ読み方や同じ意味合いを生じる語について文字種を変換して表記することが我が国において一般的に行われることからすると、引用商標「uraraca」の文字は、本願商標の要部である「うららか」の文字を欧文字で表記したものと、取引者、需要者に認識されることから、この文字種の相違が、視覚的に強く印象付けられるとはいい難く、両者の類否に大きく影響を及ぼすものともいえないものである。
また、本願商標の要部である「うららか」の文字及び引用商標「uraraca」の文字に相応して生じる「ウララカ」の称呼は同一であり、称呼を共通にするものである。
さらに、観念においては、本願商標の要部である「うららか」の文字及び引用商標「uraraca」から生じる「空が晴れて、日影の明るくおだやかなさま。声の明るくほがらかなさま。心のさわやかなさま。心のはればれしいさま。」の観念は同一であり、観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にするものであり、これらの外観が相違するとしても、その相違が、称呼及び観念の共通性を凌駕するというべき事情はないことから、両商標は、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品は、引用商標の指定商品中の第25類「被服」と同一又は類似する商品である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「本願商標は、文字数が8文字と短く、同書・同大・同間隔に構成されるものであるから、外観上まとまりよく一体不可分的に表されており、また、本願商標全体から生じる「ウララカパジャマ」の称呼は、構成音数が7音と特段に冗長ではなく、その語呂語調も非常に滑らかであって、淀みなく一連一気に称呼し得るものであることに加えて、本願商標からは、「のどかな着心地のパジャマ」、「春風のようにさわやかな着心地パジャマ」程のまとまりある一体的な意味合いが生じるので、その観念においても一体不可分の商標である。」旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標は、同じ大きさで、また、空白なく横一列に記載されているとしても、「うららか」の平仮名と「パジャマ」の片仮名を結合したものと容易に認識できるものであり、「うららか」の文字は、本願の指定商品「パジャマ」との関係において、商品の出所識別標識としての機能を発揮し得るが、「パジャマ」の文字は、その指定商品「パジャマ」の普通名称と把握され、出所識別標識としての機能を発揮し得ない。また、本願商標が、構成全体として、「のどかな着心地のパジャマ」や「春風のようにさわやかな着心地パジャマ」の意味合いを理解するとはいい難い。
そうすると、本願商標は、引用商標との類否を判断するに当たって、本願商標の構成中、「うららか」の平仮名を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
(2)請求人は、「引用商標は、「uraraca」の欧文字からなるところ、引用商標は、「ウララカ」又は「ウララサ」の称呼が生じ、また、「ウララカ」からは「空が晴れて、日が柔らかくのどかに照っているさま」といった意味合いが認識されるが、この意味合いは「uraraca」の欧文字から直接認識されるものではなく、さらに、「うららか」を欧文字で表記する場合、「uraraka」と表示することが一般的であるから、引用商標は「uraraca」と表示することで、外観上大きな特徴を有する。」旨主張する。
請求人が主張するとおり、「うららか」を欧文字で表記する場合、「uraraka」と表示することが一般的であるといえるものの、例えば、「America」を「アメリカ」、「harmonica」を「ハーモニカ」、「replica」を「レプリカ」のように、「カ」と発音する語を「ca」の欧文字で表す場合があることを踏まえると、引用商標が「uraraca」と表示されているとしても、「空が晴れて、日影の明るくおだやかなさま。声の明るくほがらかなさま。心のさわやかなさま。心のはればれしいさま。」の観念を生じるものであり、上記1(3)のとおり、本願商標と引用商標との外観の相違が、両者の称呼及び観念の共通性を凌駕するというべき事情はない。
(3)請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、また、当該登録例と本願商標とは、商標の構成等を異にするものであるから,当該登録例によって,ただちに本願商標の認定が左右されるものではない。
(4)請求人の上記主張は、採用することができず、その他、請求人の主張は、いずれも採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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