商標拒絶査定不服審判
2024-010571
コミンカカフェウララ、コミンカカフェ、コミンカ、ウララ
- 審判番号
- 2024-010571
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-072473
- 請求日
- 2024年06月26日
- 審決日
- 2025年04月24日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社聖林公司
- 【請求人代理人】中里 浩一
- 【請求人代理人】中里 卓夫
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .261-Z (W43) / T18 .262-Z (W43) / T18 .263-Z (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-72473拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年6月29日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和6年 2月 1日付け:拒絶理由通知書
令和6年 3月15日 :意見書の提出
令和6年 4月18日付け:拒絶査定
令和6年 6月26日 :審判請求書の提出
令和7年 1月24日付け:証拠調べ通知書
令和7年 3月 4日 :意見書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「古民家カフェウララ」の文字を標準文字で表してなり、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,中華料理その他の東洋料理を主とする飲食物の提供,簡易食堂における飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,アルコール飲料の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,バーにおける飲食物の提供,レストランにおける飲食物の提供,ケータリング(飲食物),茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用調理台の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,家庭用流し台の貸与,かき氷の提供,うどんの提供,食器の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与」を指定役務として登録出願されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4444569号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成11年2月9日登録出願、第20類、第21類、第29類ないし第32類、第39類、第41類及び第42類に属する別掲2に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成13年1月12日に設定登録され、その後、商標権一部取消し審判に係る審決により、指定商品及び指定役務中、第39類「鉄道による輸送」について取り消すべき旨の審決がされ、令和5年4月7日に確定審決の登録がされ、現に有効に存続しているものである。
第4 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲3(1)ないし(5)のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記第1の証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 証拠調べに対する請求人の回答
請求人は、上記第4の証拠調べに対し、意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
証拠調べ通知書で提示された証拠は、いずれも本願商標「古民家カフェウララ」と全く異なるものであり、このような証拠を参酌しても本願商標を「古民家カフェ」と「ウララ」に分離して判断することは妥当ではなく、仮に分離されるものと判断されたとしても漢字「古民家」と片仮名「カフェウララ」に分離されるべきであることが明らかである。
第6 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、「古民家カフェウララ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「古民家カフェ」の文字に関しては、別掲3のとおり、飲食物の提供に関連する業界において、「古民家カフェ」の語が、「古民家をリノベーションしたカフェ」ほどの意味合いで使用されている事実が認められるから、当該「古民家カフェ」の文字は、本願商標の飲食物の提供に関連する役務との関係においては、役務の質、提供の場所等を表したものと理解、認識されるとみるのが相当であって、それ自体、自他役務の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものといえる。
そうすると、本願商標は、本願商標の飲食物の提供に関連する役務との関係においては、その構成中、出所識別標識としての機能を果たす「ウララ」の文字が強く印象付けられるものである。
してみれば、本願商標は、その構成中、「ウララ」の文字部分が、取引者、需要者に対し、出所識別標識たる構成要素として、強く支配的な印象を与える要部といえるから、当該文字部分を抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断できる。
したがって、本願商標は、その要部である「ウララ」の文字部分に相応して、「ウララ」の称呼を生じ、「空が晴れて、日影の明るくおだやかなさま。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「URALA」、「ウララ」及び「うらら」の文字を普通に用いられる方法で三段に表してなるところ、その構成中、上段の「URALA」の欧文字及び下段「うらら」の平仮名は、中段の「ウララ」の片仮名を異なる文字種で表したものと無理なく理解できる。
そして、引用商標は、その構成文字に相応して「ウララ」の称呼を生じ、上記(1)と同様に、「空が晴れて、日影の明るくおだやかなさま。」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標の要部と引用商標は、称呼において「ウララ」の称呼を、観念においては「空が晴れて、日影の明るくおだやかなさま。」の観念を同一とするものである。
そして、両者は、「ウララ」の文字を共通にするものであり、外観上近似した印象を与えるものである。
そうすると、本願商標の要部と引用商標は、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を同一とするものであるから、これらの外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標である。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
本願商標の指定役務中、第43類「飲食物の提供,日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,中華料理その他の東洋料理を主とする飲食物の提供,簡易食堂における飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,アルコール飲料の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,バーにおける飲食物の提供,レストランにおける飲食物の提供,ケータリング(飲食物),茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,かき氷の提供,うどんの提供」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第42類「飲食物の提供」と同一又は類似の役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の役務のものを含むから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、最高裁判例、審査基準、特許庁の登録実務に照らしても、本願商標「古民家カフェウララ」から「ウララ」が抜き出されるべきではなく、「古民家カフェウララ」全体が一連一体不可分として判断されるべきであり、本願商標と引用商標とは非類似である旨主張する。
しかしながら、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められる場合においては、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することは、原則として許されないが、その場合であっても、商標の構成部分の一部が取引者又は需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じない場合などには、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
してみれば、上記1(1)のとおり、本願商標の「ウララ」の文字部分を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することが許される。
そうすると、上記1(3)のとおり、本願商標の要部と引用商標は、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を同一とするものであるから、それらによって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人が挙げる登録例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記1(3)においてした判断のとおりであるから、それらの登録例をもってその判断が左右されることはない。
(2)請求人は、カフェ(飲食店)に本願商標「古民家カフェウララ」を使用しており、また、引用商標の商標権者は、食料品店、市役所、生涯学習センターが入居する複合商業施設の名称として「ウララ」を使用している実情があり、引用商標の需要者は、飲食のみならずショッピングや役所の手続きといった複数の目的を同時に達成するために「ウララ」との名称が付された複合商業施設に行くのであって、請求人が営業するカフェ(飲食店)のように飲食をするという目的のために「古民家カフェウララ」との名称が付されたカフェ(飲食店)に行く本願商標の需要者とは大きく異なることから、取引の実情に照らしても、出所混同のおそれがないことが明らかである旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定役務全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に該商標が現在使用されている役務についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではない(昭和47年(行ツ)第33号同49年4月25日最高裁第一小法廷判決・審決取消訴訟判決集昭和49年443頁参照)ところ、請求人が主張する本願商標及び引用商標の使用状況等の取引の実情は、請求人及び引用商標権者の経営方針に大きく依存する、請求人及び引用商標権者が現在使用する役務についてのみの特殊的、限定的な事情にすぎず、商標の類否判断において考慮できるような、一般的、恒常的な取引の実情ではない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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