商標拒絶査定不服審判
2021-014493
スマートチラー、スマート
- 審判番号
- 2021-014493
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-024049
- 請求日
- 2021年10月26日
- 審決日
- 2022年06月15日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社前川製作所
- 【請求人代理人】誠真IP特許業務法人
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .13 -WY (W09113742) / T18 .272-WY (W09113742)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-24049拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年3月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月16日付け:拒絶理由通知
令和3年4月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年9月27日付け:拒絶査定
令和3年10月26日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「スマートチラー」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第11類、第37類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正書により、別掲のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「スマートチラー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「スマート」の文字部分は、本願指定商品及び指定役務との関係より、「賢い、高性能」の意味を有しており、「チラー」の文字部分は、本願指定商品及び指定役務との関係より、「冷却装置」等の意味を有する「chiller」を片仮名で表記したものと容易に理解させるから、全体として、「高性能な冷却装置」の意味合いを認識させる。そして、本願指定商品及び指定役務に関する業界においては、「スマート冷却システム」が普及している実情がうかがえるところ、「チラー」の文字が、「水をはじめとした液体の温度をコントロールするための機械・装置」を表す語として広く一般に使用されている実情が認められる。また、「水をはじめとした液体の温度をコントロールするための高性能な機械・装置」を表す語として、「スマートチラー」の文字が使用されている実情も認められる。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「水をはじめとした液体の温度をコントロールするための高性能な機械・装置又はそれに関する役務」であること、すなわち、商品の品質・役務の質を表したものと認識するにすぎないから、本願商標は、単に商品の品質・役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
本願商標は、「スマートチラー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔をもって一連に表されており、全体として、まとまりのよい一体のものとして把握し得るものである。
また、本願商標の構成中の「スマート」の文字は、「からだつきや物の形が細くすらりとして恰好がよいさま。」、「身なりや動作などが洗練されているさま。」、「装置・機器などが情報処理機能を具えること。」の複数の意味を有する語として辞書(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)に載録されているほか、原審において開示したインターネット情報においては、「スマート(smart)とは、「賢い」「高性能」といった意味を持つ言葉です。・・・この他、「スマート」という言葉は、多機能というような意味でも使用されていますが、明確な定義はありません。」と記載されている(上記1の拒絶理由通知における「1.IoT用語辞典 | キーエンス」のウェブサイト」https://www.keyence.co.jp/ss/general/iot-glossary/smart.jsp)。
そうすると、本願商標の構成中、「チラー」の文字が、「液体を冷却する装置の総称」(「機械工学用語辞典1版」理工学社)の意味を有する語であるとしても、「スマート」と「チラー」の両語を結合してなる「スマートチラー」の文字は、本願の指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質又は役務の質等を直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。
そして、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「スマートチラー」の文字が、具体的な商品の品質又は役務の質等を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質又は役務の質等を表示したものと認識するというべき特段の事情も発見できなかった。
してみれば、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質又は役務の質等を表示するものとはいえず、かつ、商品の品質又は役務の質等の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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