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商標拒絶査定不服審判

2023-011335

スマートガバメント、スマートガバンメント、スマート、ガバメント、ガバンメント

審判番号
2023-011335
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-046186
請求日
2023年07月06日
審決日
2024年12月02日
公報発行日
2025年02月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】プラス株式会社
  • 【請求人代理人】押本 泰彦
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 大塚 正俊
分類
T18 .16 -Z (W35)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-46186拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年3月31日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年10月11日付け:拒絶理由通知書 令和4年11月20日:意見書、手続補正書の提出 令和4年11月21日:手続補正書の提出 令和5年3月30日付け:拒絶査定 令和5年7月6日:審判請求書、手続補正書の提出 令和6年4月12日付け:証拠調べ通知書 令和6年5月29日:意見書の提出 2 本願商標 本願商標は、「smartgovernment」の文字を標準文字で表してなり、第35類ないし第45類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、上記1の手続補正書により、最終的に第35類「オンラインウェブサイト上での販売促進・広告及びマーケティング,印刷物やインターネット等の各種媒体による各種店舗の割引情報を伴った広告,広告業,インターネットにおけるホームページの広告用スペースの貸与,トレーディングスタンプの発行,割引クーポン券(電子的なクーポン券も含む)発行に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,マーケティング,マーケティングに関する助言及び情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,顧客管理・商品の仕入・配送に関する事務の代行・在庫管理の代行,顧客優待プログラムの管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,商品の販売の取次又は仲介,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,他人の事業のために行う物品の調達及びサービスの手配に関するコンサルティング,販売促進のための割引や特典を伴う顧客優待計画の管理,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,雑誌又は書籍の予約購読の取次ぎ,新聞の予約購読の取次ぎ,宛名書き及び書類の封入・封緘・発送の代行,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,電話の受付・取り次ぎ・発信・応答の代行・媒介又は取次ぎ及びこれに関する情報の提供,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,会計機の貸与,事務機器の貸与,事務用備品の貸与,電子式卓上計算機の貸与,求人情報の提供,雑誌又は書籍の記事情報の提供,新聞記事情報の提供,衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等の役務に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「smartgovernment」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「smart」の文字は「利口な,賢い」等を、「government」の文字は「統治機関,政府」等をそれぞれ意味する一般的によく知られた英単語である。そして、下記のウェブサイト情報において確認できるように、「smart government」の表音である、「スマートガバメント」の文字は、「デジタル技術を活用するなど、効率的に業務を行うことができる政府や自治体」程の意味合いを表す文字として使用されており、政府や自治体がものとして様々な取り組みが行われていることが紹介されている。そうとすると、本願商標をこの商標登録出願に係る指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、「デジタル技術を活用するなど、効率的に業務を行うことができる政府や自治体」という、政府や自治体の理念や経営方針等として理解するにとどまるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商標であることを認識することができないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲(1)、(2)及び(3)アないしオに示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。 5 証拠調べに対する請求人の意見の要点 (1)「スマートガバメント」という言葉から、通常の英単語「smart」及び「government」からは、「賢い政府」、「賢い行政体」程度の意味合いとして認識されるものであり、「smartgovernment」の標章から一般需要者・取引者が容易に「ICTなどを活用して政策の迅速な実現や行政の効率的な事務処理ができる、市民、行政、企業の連携による新しい地域経営体」を認識することは難しい。 (2)請求人は、第35類の指定役務を指定して「smartgovernment」の文字の登録商標を所有しており、その当時独占適応性を有する商標として認定され、独占的な使用権を有している。また、同文字の他人による使用例は、登録商標の存在を知らない第三者が、不法又は無責任に新聞記事やウェブサイト上で「スマートガバメント」の標章を使用していたにすぎない。よって、「スマートガバメント」及び「スマート・ガバメント」の語が「行政の施策方針や企業の経営方針等を表すもの」の意味合いとして容易に認識されているという証拠はない。 (3)請求人は、令和4年4月1日から約1800か所の地方公共団体に特化した事業として「スマートガバメント」を構築し実施しており、請求人に係るサービスの提供の名称(識別標識)と認識されている。 (4)したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するものではない。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号について 商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品又は役務の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法3条1項6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項1号ないし5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品・役務の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(平成21年(行ケ)第10270号、平成22年1月27日知財高裁判決)。 (2)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、前記2のとおり、「smartgovernment」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「smart」の文字は「利口な,賢い」(出典:「プログレッシブ英和中辞典」株式会社小学館)の意味、「government」の文字は「統治機関,政府」(前掲書)の意味を有する語であり、いずれも一般的によく知られた英単語である。 そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、「smart government」の表音である「スマートガバメント」の文字は、「デジタル技術を活用するなど、効率的に業務を行うことができる政府や自治体」程の意味合いを表す語として、行政の施策方針や企業の経営方針等に一般的に使用されている実情が確認できる。 そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、「デジタル技術を活用するなど、効率的に業務を行うことができる政府や自治体」という、政府や自治体の理念や経営方針等として理解するにとどまるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商標であることを認識することができない商標というべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、「スマートガバメント」という言葉から、通常の英単語「smart」及び「government」からは、「賢い政府」、「賢い行政体」程度の意味合いとして認識されるものであり、「smartgovernment」の標章から一般需要者・取引者が容易に「ICTなどを活用して政策の迅速な実現や行政の効率的な事務処理ができる、市民、行政、企業の連携による新しい地域経営体」を認識することは非常に難しい旨主張する。 しかしながら、前記(2)のとおり、本願商標に通じる「smart government」の表音である「スマートガバメント」の文字は、「デジタル技術を活用するなど、効率的に業務を行うことができる政府や自治体」程の意味合いを表す文字として、行政の施策方針や企業の経営方針等に一般的に使用されている実情を考慮すれば、「smartgovernment」の文字からなる本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、「デジタル技術を活用するなど、効率的に業務を行うことができる政府や自治体」という、政府や自治体の理念や経営方針等として理解するにとどまるものであるから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。 イ 請求人は、令和4年4月1日から、請求人が地方公共団体向けの事業として「スマートガバメント」を構築し実施していることから、請求人に係るサービスの名称(識別標識)と認識される旨主張し、証拠として甲第67号証ないし甲第69号証を提出している。 しかしながら、請求人の提出に係るこれらの証拠によれば、請求人が地方公共団体を対象として「smartgovernment(スマートガバメント)」と称する事業を行っていることはうかがえるものの、需要者が当該文字を自他役務の識別標識として認識していると認め得る客観的な事実は見いだせず、本願商標が、自他役務の出所識別標識としての機能を果たしているということはできない。 そして、請求人による上記の主張が、本願商標は、請求人がその指定役務について使用した結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至っている旨の主張であるとしても、本願商標を使用した役務の売上高や市場シェア、広告宣伝の規模等、本願商標の使用状況を具体的に示す証拠は見いだせない。そうすると、提出された証拠をもってしては、本願商標が、その指定役務との関係において、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至っているとは認められないし、その他、当審において職権で調査するも、本願商標が、その指定役務を取り扱う業界において、自他役務の出所識別標識としての機能を発揮し得ると認めるに足る事情を見いだすこともできなかった。 ウ 請求人は、本願商標の登録適格性を主張するために、第35類の指定役務を指定して「smartgovernment」の文字の登録商標を所有している事実を提示しているが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、その指定役務との関係において、個別具体的に判断されるものであって、過去の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。 エ したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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