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商標拒絶査定不服審判

2024-007853

デジタルキョーヨーカイセン、キョーヨーカイセン

審判番号
2024-007853
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-016530
請求日
2024年05月10日
審決日
2025年03月04日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】コネクトフリー株式会社
  • 【請求人代理人】長谷川 芳樹
  • 【請求人代理人】黒川 朋也
  • 【請求人代理人】竹内 充春
審判長/審判官
  • 審判長 高橋 幸志
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 鯉沼 里果
分類
T18 .13 -Z (W0937384142) / T18 .272-Z (W0937384142)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023- 16530拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年2月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 7月24日付け:拒絶理由通知書 令和5年 9月11日 :意見書の提出 令和6年 2月 5日付け:拒絶査定 令和6年 5月10日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「デジタル共用回線」を標準文字で表してなり、第9類、第37類、第38類、第41類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は「デジタル共用回線」の文字を、標準文字で表してなるところ、その構成中の「デジタル」の文字は、「ある量またはデータを、有限桁の数字列(例えば2進数)として表現すること。」の意味を有し、「共用」の文字は、「共同して使用すること。」の意味を有し、「回線」の文字は、「電信・電話・データ通信などで、両方向からの通信を伝送するために設けた路線。通信回線。」の意味を有する、いずれも一般的に知られた平易な語であるから、本願商標は、全体として、「共用で利用するデジタル回線」程の意味合いを容易に認識させるものである。 また、例えば、本願の指定商品・指定役務を取り扱う業界において、「共用で利用する回線」程の意味合いで、「共用回線」の文字が使用されている実情、「デジタル信号を用いたデータのやり取りをする回線」程の意味合いで、「デジタル回線」の文字が使用されている実情が認められる。 そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、例えば、「共用で利用するデジタル回線用の配電用又は制御用の機械器具」「共用で利用するデジタル回線を工事する電気通信工事」「共用で利用するデジタル回線を利用した電気通信」「共用で利用するデジタル回線のための機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」等、「共用で利用するデジタル回線に関する商品及び役務」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、商品の品質又は役務の質を表したものと理解するにとどまるので、本願商標は、単にその商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品又は役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号について 商標法3条1項3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くと規定されているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品役務の識別力を欠くものであることによるものと解される(最判昭和54年4月10日同53年(行ツ)第129号参照)。 そうすると、出願に係る商標が、その指定商品又は指定役務について商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、本件審決の時点において、当該商標が当該商品又は役務との関係で商品の品質又は役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標の取引者、需要者によって当該商品又は役務に使用された場合に、将来を含め、商品の品質又は役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される。そして、当該商標の取引者、需要者によって当該商品又は役務に使用された場合に商品の品質又は役務の質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定商品又は指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(知財高裁令和3年(行ケ)第10113号判決参照)。以上を前提に、本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について判断する。 (2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「デジタル共用回線」を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。 そして、本願商標を構成する「デジタル」の文字は「ある量またはデータを、有限桁の数字列(例えば2進数)として表現すること。」を、「共用」の文字は「共同して使用すること。」を、「回線」の文字は「電信・電話・データ通信などで、両方向からの通信を伝送するために設けた路線。通信回線。」をそれぞれ意味する語(いずれも出典:広辞苑 第七版 株式会社岩波書店)であり、いずれも慣れ親しまれた平易な語といえることから、これに接する者が「デジタル」「共用」「回線」の三つの語よりなる結合商標であると直ちに認識できるものである。 また、本願商標を構成する「デジタル」及び「回線」の語よりなる「デジタル回線」の語が、「データや音声をデジタル信号で送受信する回線。」(出典:テジタル大辞泉 株式会社小学館)の意味で一般の辞書に載録されており、別掲2に示した事実によれば、情報通信の分野において、概ね「デジタル信号を用いてデータを通信する回線」程の意味合いで使用されている事実が確認できることから、「デジタル回線」の語は、「デジタル信号を用いてデータを通信する回線」を指称する一般的な用語というのが相当である。 そして、本願商標を構成する「共用」の語は、「共同して使用すること。」の意味であり、別掲3に示した事実によれば、情報通信の分野において、「回線」の語と結合した「共用回線」の語が、「複数の利用者で共同して使用する回線」程の意味合いで使用されている事実が確認できるものである。 以上の事実からすると、本願商標は、一般的な用語である「デジタル回線」の文字に、「共同して使用すること」の意味の「共用」の文字を「デジタル」と「回線」の間に配置した商標であることを認識させるものといえることから、情報通信の分野に携わる者やその利用者において、構成全体から「複数の利用者で共同して使用するデジタル信号を用いてデータを通信する回線」、すなわち、「共同で使用するデジタル回線」といった、意味を表すものとして、認識されるというのが相当である。 そうすると、「デジタル共用回線」を標準文字で表してなる本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、情報通信に関する商品及び役務との関係において、例えば、「共同で使用するデジタル回線用の電線及びケーブル」、「共同で使用するデジタル回線用の電気通信機械器具」、「共同で使用するデジタル回線を用いた電気通信工事」、「共同で使用するデジタル回線を用いた電気通信」、「共同で使用するデジタル回線を用いた情報技術に関する助言及び情報の提供」(以下「共同で使用するデジタル回線に関連する商品及び役務」という。)に使用する場合は、「共同で使用するデジタル回線に関する商品」又は「共同で使用するデジタル回線に関する役務」であることを認識させるにとどまり、当該商品の品質又は役務の質を表示したものと、その取引者、需要者によって、一般に認識されるものというべきであり、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、自他商品役務の識別力を欠くものというべきである。 また、上記のとおり、本願商標は、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。 したがって、本願商標は、その指定商品又は指定役務中「共同で使用するデジタル回線に関連する商品及び役務」に使用する場合は、その指定商品の品質及び指定役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 さらに、本願商標を、その指定商品又は指定役務中、上記した「共同で使用するデジタル回線に関連する商品及び役務」と関連のない商品又は役務について使用をするときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標である「デジタル共用回線」は、これまでに使用されたことのない新規な造語であり、複数の検索エンジンで「デジタル共用回線」を検索したところ、使用例は一件もヒットしない。また、本願商標は「デジタル共用回線」を標準文字で、まとまりよく表しており、殊更、「デジタル」「共用」「回線」の3語を分断すべき理由はなく、「デジタル」は「先進的、新しい」、「アナログ」は「昔ながらの、古い」といった意味合いで使用されることも多く、そのため、出願人は、「先進的なデジタルマインドを共用するための回線」を意味する語として、本願商標を創作・採択した旨主張する。 しかしながら、「デジタル共用回線」の文字自体としては他人による使用例が見受けられないとしても、本願商標は、上記(2)のとおり、「デジタル」「共用」「回線」の三つの語が結合した商標であると直ちに認識できるものであり、情報通信の分野において「デジタル回線」の語が「デジタル信号を用いてデータを通信する回線」程の意味合いで普通に用いられ、一般の辞書にも載録がある語であり、また、「共用」の文字が「共同して使用すること。」の意味である慣れ親しまれた平易な語であるのみならず、「共用回線」の使用状況をも勘案すれば、本願商標をその指定商品又は指定役務中、「共同で使用するデジタル回線に関連する商品及び役務」に使用するときは、これに接する取引者、需要者によって「共同で使用するデジタル回線」であることを表示したものとして一般に認識されるものであり、その他の意味合いを理解、認識させるというべき事情はなく、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品役務の識別力を欠くものというべきである。 イ 請求人は、本願商標から「共用で利用するデジタル回線」の意味合いが生じることを否定するものではないが、この意味合いに加えて、「デジタルなものを共有する回線」や「デジタル技術により何かを共有する回線」といった新たな意味合いが生じうる。通信回線に関する商品・役務の取引にあたって、回線の種類を特定するためには、「デジタル回線」ではなく、「ISDN」「ADSL」「光ファイバー」といった具体的な用語が使用されている取引の実情があり、新たな種類の「デジタル信号を送受信する回線」が登場したとしても、旧来の回線と区別する必要があるため、その回線を単に「デジタル回線」と指称することは考えにくいことから、「デジタル回線」とは非常に曖昧な言葉であって、同語だけでは通信回線の種別や性質を具体的に特定できない。また、共用回線について、「二人以上の者が共同して使用する回線」を意味する語としては、「共用回線」よりも「共有回線」や「共有型」が一般的であるから、「共用回線」は、具体的にユーザーがどのように回線を共用しているのかを示す語ではない。このように、「共用回線」は技術用語ではなく、同語の使用例がある程度あるとしても、商品・役務の品質を具体的に示す語として、取引上一般に使用される語とはいえない旨主張する。 しかしながら、本願商標は、「共同で使用するデジタル回線」の意味合いを認識させるにとどまり、これに接する取引者、需要者が商品の品質又は役務の質を認識するにすぎないこと、上記(2)において判断したとおりである。また、請求人は、「デジタル回線」の取引の実情を説明しているものの、このような実情があるとしても、「デジタル回線」の語が「デジタル信号を用いてデータを通信する回線」を指称する一般的な用語であることは、上記(2)で判断したとおりであり、さらに、情報通信の分野において「共用回線」よりも「共有回線」や「共有型」が一般的であるのかもしれないが、それだからといって、本願商標の構成中の「共用」の文字より「共同して使用すること。」の意味が生じることを否定することにはならない。 ウ 請求人は、審決例及び登録例を挙げ、本願商標と同様の構成からなる多数の商標が登録・採択され、自他商品役務の識別機能を発揮しているという経験則及びこれらの商標について、自他商品役務の識別機能を有するものとして登録を認めてきた経緯に照らしても、本願商標は、自他商品役務の識別機能を有するものであり、登録されるべきものである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた審決例又は登録例は、商標の構成中に「デジタル」の文字が含まれることにおいて、本願商標と共通にするものの、結合している他の語は本願商標と異なることから、いずれも別異の商標であるといわなければならず、これら過去の審決例又は登録例が存在することをもって、本願商標の上記(2)の判断が左右されるものではない。 エ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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