商標拒絶査定不服審判
2021-014396
ゴミボックス、ゴミ
- 審判番号
- 2021-014396
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-121128
- 請求日
- 2021年09月14日
- 審決日
- 2023年01月31日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日本マタイ株式会社
- 【請求人代理人】岡地 優司
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W20)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-121128拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「GOMI-BOX」の文字を横書きしてなり、第20類「屋外用ごみ箱」を指定商品として、令和元年9月20日に登録出願された商願2019-129276に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同2年9月16日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年1月12日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月2日付けで意見書が提出されたが、同年6月3日付けで拒絶査定され、これに対し、同年9月13日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「GOMI-BOX」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中の「GOMI」の文字は、本願指定商品との関係において、「物の役に立たず、ない方がよいもの。ちり。あくた。ほこり。」の意味を有する「ごみ」の語をローマ字で表記したものと容易に認識されるものであり、「BOX」の文字は、「箱。箱形の小さな建造物。」の意味を有する語であるから、本願商標は、全体として「ごみ箱」ほどの意味合いを認識させるものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、「ゴミBOX」の文字が、ごみ収集所等の屋外に設置するごみ箱を意味する語として一般に使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「ごみ箱」であることを理解するにすぎないものであるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第3 当審における審尋
当審において、令和4年8月31日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和4年10月19日付け意見書(以下「審尋に対する意見書」という。)を提出し、要旨、以下、1及び2のとおりの意見を述べた。
1 審尋で提示された事例に係る商標と本願商標とでは、同一の表示、観念、称呼が認められるものはない。称呼に関しては、当該事例に係る商標では、いずれも「ゴミボックス」と一連で発音するものである一方、本願商標は、「GOMI」と「BOX」との間に「-」があることから、「ゴミ-ボックス」又は「ゴミ ボックス」と一息置いて発音されるものであり、共通しない。したがって、請求人を除き、本願商標について使用している者はいないということになり、他人による「GOMI-BOX」の使用が見当たらないことから、本願商標は、商標としての独占適応性を有するものである。商標は、「称呼」を登録するものではなく、「文字(の組合せ)」が商標登録の対象なのであり、本願商標「GOMI-BOX」という文字の表記自体が使用されていなければ、商標としての独占適応性はあると考える。
2 「GOMI-BOX」をインターネットにおいてキーワード検索をすると、検索結果に表示される上位6点は、全て本願商標を付した請求人の商品に関する情報であることから、本願商標は、使用の結果、取引者、需要者が請求人の業務に係る商品であると認識できる。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品又は指定役務との関係で、「その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性」又は「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年10月21日判決、知財高裁平成27年(行ケ)第10061号 同年9月16日判決)。
以上を前提に、本願商標の本願の指定商品との関係における同号該当性について判断する。
(2)本願商標は、「GOMI-BOX」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであり、第20類「屋外用ごみ箱」を指定商品とするものであって、本願商標からは、「ゴミボックス」との自然な称呼が生じる。
本願の指定商品との関係からすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「GOMI」の欧文字は、「物の役に立たず、ない方がよいもの。ちり。あくた。ほこり。」(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する「ごみ」の語をローマ字で表記したものであると無理なく認識でき、また、「BOX」の欧文字は、「箱」(前掲書)の意味を有する平易な英語であるところ、これらの欧文字を結合する「-」(ハイフン)は、「英文などで、合成度の浅い複合語の連結、1語が行末までに収まりきれず2行にまたがる時のつなぎ、または1語内の形態素の区切りを明確にするのに使う。」(前掲書)の意味を有する符号であって、それ自体からは格別の称呼、観念は生じないものであるから、本願商標は、構成全体として「ごみ箱」ほどの意味合いを極めて容易に認識させるというべきである。
そして、別掲のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界においては、請求人以外の者が、ごみ箱を、いずれも「ゴミボックス」との称呼が生じる「ゴミBOX」、「ごみBOX」、「ゴミボックス」又は「ごみボックス」との各種表示をもって実際に取引を行っている事実が確認できる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が、単に「ごみ箱」であることを理解するにとどまることから、本願商標は、商品の品質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものとして一般に認識されるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審尋に対する意見書において、請求人を除き、本願商標について使用している者はおらず、他人による「GOMI-BOX」の使用が見当たらないことから、本願商標は、商標としての独占適応性を有する旨主張する。
しかしながら、上記1(2)のとおり、本願商標は、その指定商品との関係においては、「ごみ箱」程の意味合いを極めて容易に認識させるものであって、かつ、本願の指定商品を取り扱う業界においては、請求人以外の者が、ごみ箱に関して、本願商標と同様に、いずれも「ゴミボックス」との称呼が生じる「ゴミBOX」、「ごみBOX」、「ゴミボックス」又は「ごみボックス」との各種表示をもって商取引に当たっていることも認められる以上、当該取引者、需要者をして、当該商品の品質(内容)を表示したものとして一般に認識されるものと認めるのが相当である。そうである以上、必ずしも当該「GOMI-BOX」との商標が現実に当該指定商品に使用されていることを要しないものと解される。
(2)請求人は、審尋に対する意見書において、「GOMI-BOX」のインターネット検索では、上位6点が全て本願商標を付した請求人の商品に関する情報であることから、本願商標は、使用の結果、取引者、需要者が請求人の業務に係る商品であると認識できる旨主張する。
しかしながら、インターネット検索における「GOMI-BOX」の文字の検索結果において、上位6点が全て本願商標を付した請求人の業務に係る商品であったとしても、その結果のみをもって、本願商標が、使用の結果、本願の指定商品の需要者の間で、全国的に、何人かの業務に係る商品であると認識するに至ったものとは認められない。
(3)請求人は、審判請求書において、過去の審決例では、指定商品等と商標の関係から認知度が極めて低いことを認定した上で、需要者が誤認することはないとして、拒絶査定不服審判において請求成立(登録審決)となったケースがある旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる過去の審決例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1(2)の認定判断が左右されるものではない。
(4)以上のとおり、請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、また、その他の請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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