商標拒絶査定不服審判
2025-000713
バグ、ビイユウジイ
- 審判番号
- 2025-000713
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-140788
- 請求日
- 2025年01月17日
- 審決日
- 2025年09月04日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社リクルートホールディングス
- 【請求人代理人】橘 哲男
- 【請求人代理人】佐藤 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .261-WY (W1620283541) / T18 .262-WY (W1620283541) / T18 .263-WY (W1620283541) / T18 .13 -WY (W1620283541) / T18 .272-WY (W1620283541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項11号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第3条第1項第3号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-140788拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年3月31日に登録出願された商願2023-34577に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として同年12月20日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年5月7日付け :拒絶理由通知書
令和6年6月18日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年10月7日付け:拒絶査定
令和7年1月17日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「BUG」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第16類、第20類、第28類、第35類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであって、その後、上記1の手続補正により、最終的に別掲1のとおりの指定商品及び指定役務(以下「補正後の指定商品及び指定役務」という。)に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、「BUG」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、当該文字は、「コンピューターのプログラム上の不具合や誤り」程の意味合いを有する語として広く知られており、本願指定商品中、例えば、第9類の「コンピュータソフトウェア」等を取り扱う業界においては、「BUG(バグ)」の文字は上記意味合いで使用され、「BUG(バグ)」を検知・検出するソフトウェアの取引が行われている実情がある。そうすると、本願商標を、その指定商品中、例えば、第9類の「コンピュータソフトウェア」等に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「バグ用の商品」であることを認識するにすぎないことから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号について判断するまでもなく、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 引用商標
原審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6293467号商標は、別掲2のとおりの構成よりなるところ、平成31年4月22日に登録出願、商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年9月17日に設定登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。なお、原審において引用した登録第3158083号、登録第3357239号及び登録第6153550号商標は、原審における手続補正により拒絶の理由が解消している。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「BUG」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「コンピューターのプログラム上の不具合や誤り」(「大辞泉 第二版」小学館)の意味を有するとしても、本願商標の指定商品及び指定役務は、上記2のとおり補正された結果、原審説示の第9類の「コンピュータソフトウェア」等の「バグ用の商品」に相応する指定商品は全て削除された。
また、当審において職権をもって調査するも、補正後の指定商品及び指定役務との関係で、「BUG」の文字が、商品の品質及び役務の質を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質及び役務の質を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標をその補正後の指定商品及び指定役務に使用しても、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本願商標
本願商標は、「BUG」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「(小さな)昆虫, 虫」(「新英和中辞典 第7版」研究社)の意味を有する語であるため、本願商標からは、その構成文字に相応して「バグ」の称呼が生じ、「(小さな)昆虫, 虫」の観念が生じるものである。
イ 引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、胸部に「BUG」の黄色の欧文字を有した青色の衣裳をまとった子供をモチーフにしたと思しきキャラクター図形(以下「キャラクター図形」という。)を配し、その下に近接して、「子育てイライラ バグるん」の文字(以下「文字部分」という。)を横書きしてなるものである。
そして、引用商標の構成からすれば、キャラクター図形内の「BUG」の文字は、その直下に書された当該キャラクターの名称を表すと理解される文字部分の略称等として欧文字で表したと理解し得るものであって、引用商標に接する需要者がキャラクターの名称と何らの関連も有さない単なる「BUG」として把握するとはいい難いものである。
そうすると、引用商標については、「子育てイライラ バグるん」の文字部分を要部(以下「引用商標の要部」ということがある。)として取り出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるとしても、「BUG」の文字のみをもって他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されないというべきである。
そして、引用商標の要部は、「子育てイライラ」と「バグるん」との間に、1文字程度の間隔を有するとしても、構成各文字は、同じ書体及び同じ大きさをもって表されており、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
また、引用商標の要部から生じる「コソダテイライラバグルン」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
してみると、引用商標は、「コソダテイライラバグルン」の称呼が生じ、何らかのキャラクターを表したものとして理解される以上に特定の観念は生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、その全体においては、本願商標は欧文字のみからなるのに対し、引用商標は図形部分を有している点等において相違するものであり、また、本願商標と引用商標の要部との比較においても、その構成文字が明らかに相違するから、両商標は、外観上、明確に区別し得るものである。
次に、称呼においては、本願商標から生じる「バグ」と引用商標から生じる「コソダテイライラバグルン」の称呼は、音構成の相違により、両称呼は明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本願商標は「(小さな)昆虫, 虫」の観念が生じるのに対し、引用商標は特定の観念は生じないものであるから、両者は相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観及び称呼において明確に区別し得るものであり、観念において相紛れるおそれはないものであるから、外観、観念及び称呼等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
なお、仮に引用商標の要部のうちの「バグるん」の文字がキャラクターの名称として着目される場合があるとしても、当該文字と上記のとおりの本願商標とは、外観、観念及び称呼において相紛れるおそれがないものというのが相当であるから、本願商標と引用商標は相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。
エ 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の補正後の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務が類似であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)まとめ
したがって、商標法第4条第1項第11号について判断するまでもないとし、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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