特許拒絶査定不服審判
2021-013229
潜在顧客獲得システム、潜在顧客獲得方法、および、プログラム
- 審判番号
- 2021-013229
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-223550外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年09月30日
- 審決日
- 2022年12月21日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2016-223550「潜在顧客獲得システム、潜在顧客獲得方法、および、プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月24日出願公開、特開2018- 81506〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続きの経緯
本願は、平成28年11月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 9月23日 拒絶理由通知(起案日)
令和3年 1月28日 意見書、手続補正書の提出
令和3年 6月24日 拒絶査定(起案日)
令和3年 9月30日 審判請求書、手続補正書の提出
令和3年11月12日 審判請求書の手続補正
令和4年 8月31日 拒絶理由通知(起案日)
令和4年11月 7日 意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~8に係る発明は、令和4年11月7日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
ユーザ情報を入出力する携帯端末と、サービス提供者情報を入出力する入出力装置と、
前記ユーザ情報と前記サービス提供者情報とを保持するサーバと、前記携帯端末に感知されるべくサービス提供者側に設置された感知手段と、を備え、
前記サーバは、前記携帯端末および前記入出力装置と相互接続性ネットワークを介して接続されており、
前記携帯端末が前記感知手段の感知エリアに入ったとき、前記サーバは、N文字インデックス法(N-gram)で断片化された前記ユーザ情報とN文字インデックス法(Ngram)で断片化された前記サービス提供者情報とを対比照合して、両情報が適合したと判断されたとき、前記携帯端末に前記サービス提供者情報を送信し得るよう構成された潜在顧客獲得システムであって、
前記ユーザ情報は、ユーザの潜在的ニーズ情報を含み、該潜在的ニーズ情報は、ユーザが買いたいと思う商品に関するものであって、ユーザにより前記携帯端末より予め入力されたものであり、
前記ユーザ情報と前記サービス提供者情報とを対比照合して、両情報が適合しないと判断されたとき、前記携帯端末に前記サービス提供者情報を送信しないよう構成された潜在顧客獲得システム。」
第3 令和4年8月31日付けの拒絶理由の概要
令和4年8月31日付けで当審において通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)のうち、請求項1及び請求項5についての理由2の概要は次のとおりのものである。
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
請求項1について
引用文献1:特開2006-236107号公報
請求項5について
引用文献1:特開2006-236107号公報
引用文献2:特開2007-163621号公報
引用文献3:特開2001-283094号公報
第4 引用文献、引用発明
1 引用文献1(特開2006-236107号公報)について
(1)引用文献1の記載事項
当審拒絶理由において引用した引用文献1には、次のとおりの記載がある。下線は、当審が付した。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム,方法,情報提供サーバおよびプログラムに関し、特に無線ICタグ付きの携帯端末を用いて移動中のユーザに対する情報の提供システム,方法,情報提供サーバおよびプログラムに関する。」
「【発明の効果】
【0018】
本発明は、予め登録された希望商品を扱う店舗近辺をユーザが通りかかったときに、その店舗の紹介メールをユーザ携帯端末に送信するようにしたため、ユーザはその場で店舗に入り希望商品を確認できるという効果が得られる。」
「【0021】
図1は、本発明の実施の形態の構成を示す図であり、ユーザ携帯端末10と、店舗装置20と、情報提供サーバ30と、これらを接続するインターネット等のネットワーク100とを備えている。
【0022】
ユーザ携帯端末10は、携帯電話機,PHS(Personal Handyphone System),PDA(Personal Digital Assistance)等の通信機能を備えた携帯型の情報処理装置である。このユーザ携帯端末10は、図3(ユーザ携帯端末10の構成の一例を示す図)に示すように、無線部11と、表示部12と、操作部13と、無線ICタグ14と、メモリ15と、制御部16とを備えている。無線部11はアンテナを介して図示しない無線基地局との間で無線信号の送受信を行う。表示部12は文字,画像等の表示出力を行うLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置であり、操作部13は情報操作入力を行うテンキー,スクロールキー等である。無線ICタグ14はアンテナコイル、ICチップ等で構成されるRFID(Radio Frequency Identification)タグであり、予めユーザIDと希望商品情報(商品名,型番,価格等)や希望サービス情報(サービス名,価格等)が書き込まれている。なお、この無線ICタグ14は、図3に示すようにユーザ携帯端末10に内蔵され制御部16と電気的に接続されていてもよいし、ユーザ携帯端末10の筐体外部に取り付けられたものでもよい。メモリ15は記憶装置であり、送受信メール情報やプログラム等が格納される。制御部16はCPU(Central Processing Unit)等の制御装置であり、ユーザ携帯端末10全体の動作を制御する。この制御部16はプログラムにより動作を制御され、メール送受信機能とWeb接続(インターネット接続)機能とを備えている。
【0023】
店舗装置20は、図2(店舗装置20の構成の一例を示す図)に示すように、NW通信部21と、検出部22と、タグリーダライタ23と、記憶部24と、制御部25とを含んで構成される。これらの内、NW通信部21,記憶部24,制御部25は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に備えられる。タグリーダライタ23はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に内蔵されてもよいし、別装置としてもよい。検出部22は別装置である。なお、別装置としてのタグリーダライタ23や検出部22は、ブルートゥース等の近距離無線通信やケーブル等によりパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に接続される。以降の説明の都合上、NW通信部21,検出部22,タグリーダライタ23,記憶部24,制御部25をまとめて店舗装置20として説明する。NW通信部21はネットワーク100を介する情報送受信のための通信インターフェースである。検出部22は、店舗前や店舗に至る通路等に設置され、店舗近辺を通行するユーザを検出する。この検出方法については、例えば、特開平11?329757号公報で開示されている発光素子と受光素子とからなる赤外線センサによるものや、特開平11?203569号公報で開示されているカメラの撮影画像によるもの等がある。本発明においては、これら公知の検出方法でもよいし、他の検出方法を適用してもよい。タグリーダライタ23は、所定空間(距離)内にあるユーザ携帯端末10の有する無線ICタグ14との間で、非接触で情報の書き込みや読み取りを行う。記憶部24は、店舗で提供可能な商品情報(商品名,型番,価格等)やサービス情報(サービス名,価格等)と、店舗IDと、プログラムとを含む情報を格納している。制御部25はCPU等の制御装置であり、店舗装置20全体の動作を制御する。この制御部25はプログラムにより動作を制御され、ユーザ携帯端末10の無線ICタグ14から取得したユーザ希望情報と店舗の提供可能情報との照合機能や、ネットワーク100を介する情報送受信機能を備えている。
【0024】
情報提供サーバ30は、ワークステーション・サーバ等の情報処理装置であって、NW通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備えている。NW通信部31はネットワーク100を介する情報送受信のための通信インターフェースである。記憶部32には、ユーザ情報データベース321と、店舗紹介情報データベース322とが含まれ、図示しないプログラムが格納されている。ユーザ情報データベース321には、図4(第1の実施の形態のユーザ情報データベース321に格納されるデータの一例を示す図)に示すように、ユーザ情報(ユーザID,メールアドレス,氏名等)が予め格納されている。店舗紹介情報データベース322には、図5(第1の実施の形態の店舗紹介情報データベース322に格納されるデータの一例を示す図)に示すような店舗紹介情報が予め格納されている。店舗紹介情報とは、例えば、店舗ID,店舗の場所情報(住所や地図情報等),店舗情報を提供するWebサイトのURL(Uniform Resource Locator),メールアドレス,電話番号等である。URLから提供される店舗情報には、店舗紹介情報より詳細な情報が含まれる。例えば、上述した店舗紹介情報に加え、店舗の歴史,営業時間,商品情報,フロア構成,イベント情報,バーゲン情報等である。制御部33はCPU等の制御装置であり、情報提供サーバ30全体の動作を制御する。この制御部33はプログラムにより動作を制御され、店舗装置20から受信した情報を基にユーザ情報データベース321,店舗紹介情報データベース322を参照し、店舗紹介情報,商品情報(またはサービス情報)を含むメールを生成してユーザ携帯端末10に送信する機能を備えている。」
「【0027】
事前準備として、ユーザ携帯端末10のユーザは情報提供サーバ30にアクセスしてユーザ情報登録を行う。詳細には、ユーザはユーザ携帯端末10から情報提供サーバ30が開設しているWebサイトにアクセスし、会員登録メニューを選択して少なくともメールアドレスを含む情報を入力する。情報提供サーバ30の制御部33は、ユーザを一意に識別するユーザIDを生成してユーザ携帯端末10に通知するとともに、ユーザIDとメールアドレス等のユーザ入力情報とをユーザ情報データベース321に登録する(図4参照)。同様に、店舗紹介情報についても、店舗装置20から情報提供サーバ30にアクセスして登録する(図5参照)。会員登録が終了しユーザIDを取得したユーザは、取得したユーザIDと希望商品情報(商品名,型番,価格等)を、図示しないタグ書き込み装置によりユーザ携帯端末10の無線ICタグ14のメモリに記録する。なお、無線ICタグ14をタグ単体としてユーザ携帯端末10に添付して用いる場合は、情報提供サーバ30への会員登録終了時に情報提供システム運営業者が無線ICタグにユーザIDと希望商品情報を書き込んでユーザに送付するようにしてもよい。」
「【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態について図1?図5および図7?図9を参照して説明する。図7は第2の実施の形態のユーザ情報データベース321に格納されるデータの一例を示す図であり、図8は第2の実施の形態の店舗紹介情報データベース322に格納されるデータの一例を示す図である。また、図9は本発明の第2の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【0033】
上述した第1の実施の形態においては、ユーザの希望商品情報と店舗の提供可能商品情報との一致照合を店舗装置20が行っている。しかし、本実施の形態においては、ユーザの希望商品情報と店舗の提供可能商品情報とを情報提供サーバ30に登録しておき、これらの一致照合を店舗装置20ではなく、情報提供サーバ30で行うようにした点が異なる。このため、第1の実施の形態においては、ユーザIDと希望商品情報とを無線ICタグ14に記録していたが、本実施の形態においては、ユーザIDだけを無線ICタグ14に記録する点が異なる。なお、本実施の形態の構成については、第1の実施の形態で説明した図1?図3の構成がそのまま適用される。
【0034】
データベースに関しては、図7に示すように、本実施の形態においては、図4の第1の実施の形態に比べ、ユーザ情報データベース321にユーザの希望商品情報が追加されている。同様に、図8に示すように、本実施の形態においては、図5の第1の実施の形態に比べ、店舗紹介情報データベース322に店舗の提供可能商品情報が追加されている。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態の動作について図1?図3および図7?図9を参照して説明する。
【0036】
図9を参照すると、店舗装置20の検出部22は店舗近辺を通行中のユーザを検出し(ステップB1)、検出通知を受けた制御部25はタグリーダライタ23を介して無線ICタグ14に記録されたユーザIDを取得する(ステップB2)。店舗装置20の制御部25は記憶部24から店舗IDを取得し、ユーザIDとともに情報提供サーバ30に送信する(ステップB3)。
【0037】
ユーザIDと店舗IDを受信した情報提供サーバ30の制御部33は(ステップB4)、ユーザ情報データベース321を参照しユーザIDに対応する希望商品情報を取得する。次に、制御部33は、店舗紹介情報データベース322を参照し店舗IDに対応する提供可能商品情報を取得する。そして、制御部33は、取得した希望商品情報と提供可能商品情報とを照合し、一致するものがあるかを判定する(ステップB5)。一致するものがなかった(ユーザの希望する商品が無かった)場合は、制御部33は処理を終了する。一致するものがあった(ユーザの希望する商品が有った)場合は、制御部33はユーザ情報データベース321からユーザIDに対応するメールアドレスを抽出する(ステップB6→ステップB7)。次に、制御部33は、店舗紹介情報データベース322から店舗IDに対応する店舗の場所情報(住所,地図等),URL,メールアドレス,電話番号等の店舗紹介情報を抽出する(ステップB8)。そして、制御部33は情報提供メールを生成してユーザのメールアドレス宛に送信する。この情報提供メールには、抽出された店舗紹介情報と、ユーザの希望商品が抽出された店舗に有る旨の通知とが含まれる(ステップB9)。」
「【0047】
次に、本発明の応用例,変形例等について説明する。
・上述した第1~第3の実施の形態において、店舗装置20の検出部22が通行中のユーザを検出したときに、タグリーダライタ23が情報読み取りを行うとして説明したが、検出部22を削除してもよい。この場合、タグリーダライタ23は常時または所定時間間隔で電波または電磁波を送出し、無線ICタグ14からの情報読み取りを行う。これにより、店舗装置20の構成が簡素化されるという効果が得られる。
・上述した第1または第2の実施の形態において、情報提供サーバ30から情報提供メールを受信したユーザ携帯端末10が、メールに含まれているURLをキーワード検索等により取得し、取得したURLにアクセスして店舗情報を表示するようにしてもよい。」
[図:0001394546000001.jpg]
[図:0001394546000002.jpg]
[図:0001394546000003.jpg]
[図:0001394546000004.jpg]
(2) 引用文献1から把握できる事項
ア 段落【0001】、【0021】、図1の記載によると、引用文献1には、「ユーザ携帯端末と、店舗装置と情報提供サーバとからなる情報提供システム」が記載され、「情報提供サーバとユーザ携帯端末と店舗装置とはネットワークで接続され」ていることが記載されている。
イ 段落【0023】の記載によると、上記アの「店舗装置」は、「店舗前や店舗に至る通路に設置され、店舗付近を通行するユーザを検出する検出部」と「所定空間(距離)内にあるユーザ携帯端末の有する無線ICタグとの間で、非接触で情報の書き込みや読み取りを行うタグリーダライタ」をするものであり、段落【0047】の記載によると、「検出部」を用いず、「タグリーダライタ」が、常時または所定時間間隔で電波または電磁波を送出し、無線ICタグからの情報読み取りを行ってもよいから、上記アの「店舗装置」は、「店舗付近を通行するユーザを検出するべく、常時または所定時間間隔で電波または電磁波を送出し、所定空間(距離)内にあるユーザ携帯端末の有する無線ICタグから情報読み取りを行うタグリーダライタ」を有する。
ウ 段落【0022】、【0033】の記載によると、上記アの「ユーザ携帯端末」は、「無線ICタグを備え」、第2の実施形態(段落【0033】)においては、「無線ICタグ」には、「ユーザID」が記録されている。
エ 段落【0024】の記載によると、上記アの「情報提供サーバ」は、「ユーザ情報データベースと店舗紹介情報データベース」を有している。
オ 段落【0022】、【0024】、【0027】、【0034】、図7、図8の記載によると、第2の実施形態(段落【0034】、図7、図8)においては、上記エの「ユーザ情報データベース」には、「予め、ユーザ携帯端末から、「ユーザ情報(ユーザID、メールアドレス、氏名等)、ユーザの希望商品情報(商品名、型番、価格等)や希望サービス情報(サービス名、価格等)」」が登録され、上記エの「店舗紹介情報データベース」には、「予め、店舗装置から、「店舗ID、店舗の場所情報(住所や地図情報等)、店舗情報を提供するWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)、メールアドレス、電話番号等、店舗で提供可能な商品情報(商品名、型番、価格等)やサービス情報(サービス名、価格等)」」が登録されている。
カ 段落【0036】、【0047】、図9の記載によると、上記アの「店舗装置」は、「店舗付近を通行中のユーザのユーザ携帯端末から、タグリーダライタを介して無線ICタグに記録されたユーザIDを取得し、ユーザIDと店舗IDとを情報提供サーバに送信」する。
キ 段落【0037】、図9の記載によると、上記アの「情報提供サーバ」は、「ユーザIDと店舗IDを受信し、ユーザ情報データベースを参照し、ユーザIDに対応する希望商品情報を取得し、店舗紹介情報データベースを参照し、店舗IDに対応する提供可能商品情報を取得し、取得した希望商品情報と提供可能商品情報とを照合し、一致するものがあるかを判定し、一致するものがなかった(ユーザの希望する商品が無かった)場合は、処理を終了し、一致するものがあった(ユーザの希望する商品が有った)場合は、ユーザ情報データベースからユーザIDに対応するメールアドレスを抽出し、店舗紹介情報データベースから店舗IDに対応する店舗の場所情報(住所,地図等)、URL、メールアドレス、電話番号等の店舗紹介情報を抽出し、情報提供メールを生成してユーザのメールアドレス宛に送信する」ものであり、「この情報提供メールには、抽出された店舗紹介情報と、ユーザの希望商品が抽出された店舗に有る旨の通知とが含まれる」ものである。
(3)引用発明
上記(2)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
<引用発明>
「ユーザ携帯端末と、店舗装置と情報提供サーバとからなる情報提供システムであって、
情報提供サーバとユーザ携帯端末と店舗装置とはネットワークで接続され、
店舗装置は、店舗付近を通行するユーザを検出するべく、常時または所定時間間隔で電波または電磁波を送出し、所定空間(距離)内にあるユーザ携帯端末の有する無線ICタグから情報読み取りを行うタグリーダライタを有し、
ユーザ携帯端末は、ユーザIDを記録した無線ICタグを備え、
情報提供サーバは、ユーザ情報データベースと店舗紹介情報データベースを有し、
ユーザ情報データベースには、予め、ユーザ携帯端末から、「ユーザ情報(ユーザID、メールアドレス、氏名等)、ユーザの希望商品情報(商品名、型番、価格等)や希望サービス情報(サービス名、価格等)」が登録され、
店舗紹介情報データベースには、予め、店舗装置から、「店舗ID、店舗の場所情報(住所や地図情報等)、店舗情報を提供するWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)、メールアドレス、電話番号等、店舗で提供可能な商品情報(商品名,型番,価格等)やサービス情報(サービス名、価格等)」が登録され、
店舗装置は、店舗付近を通行中のユーザのユーザ携帯端末から、タグリーダライタを介して無線ICタグに記録されたユーザIDを取得し、ユーザIDと店舗IDとを情報提供サーバに送信し、
情報提供サーバは、ユーザIDと店舗IDを受信し、ユーザ情報データベースを参照し、ユーザIDに対応する希望商品情報を取得し、店舗紹介情報データベースを参照し、店舗IDに対応する提供可能商品情報を取得し、取得した希望商品情報と提供可能商品情報とを照合し、一致するものがあるかを判定し、一致するものがなかった(ユーザの希望する商品が無かった)場合は、処理を終了し、一致するものがあった(ユーザの希望する商品が有った)場合は、ユーザ情報データベースからユーザIDに対応するメールアドレスを抽出し、店舗紹介情報データベースから店舗IDに対応する店舗の場所情報(住所、地図等)、URL、メールアドレス、電話番号等の店舗紹介情報を抽出し、情報提供メールを生成してユーザのメールアドレス宛に送信し、この情報提供メールには、抽出された店舗紹介情報と、ユーザの希望商品が抽出された店舗に有る旨の通知とが含まれる、
情報提供システム。」
2 引用文献3(特開2001-283094号公報)について
(1)引用文献3の記載事項
当審拒絶理由において引用した引用文献3には、次のとおりの記載がある。下線は、当審が付した。
「【0008】本発明の第3の目的は、実店舗等を訪れて或る商品に興味を持ったユーザがその商品にかかる情報だけでなく、同じ商品を販売する別の売手の情報や類似する商品の情報もWebサービスから手軽に入手することができる商品情報提供システム及びその方法を提供することにある。」
「【0012】第2の発明にかかる商品情報提供システムは、設備側装置と、該設備側装置とローカル通信可能な携帯型ユーザ端末と、該携帯型ユーザ端末または据置型ユーザ端末からネットワーク経由でアクセス可能なサービスセンタとを含み、前記設備側装置は、前記携帯型ユーザ端末から送信された商品タグコードを受信し、該商品タグコードに対応する商品コードおよび前記サービスセンタが提供するWebサービスのURIを含む電子タグを前記携帯型ユーザ端末に対し送信する手段を備え、前記携帯型ユーザ端末は、ユーザから入力された商品タグコードを前記設備側装置に送信し、前記設備側装置から送信された電子タグを記録する手段を備え、前記サービスセンタの前記Webサービスでは、ネットワーク経由でアクセスしてきた前記携帯型ユーザ端末または前記据置型ユーザ端末から電子タグ中の商品コードを受け取り、当該商品コードに基づいてユーザに提供すべき商品の情報を決定し、且つ、その商品と類似する商品の情報があればその情報も提供することを特徴とする。また第2の発明にかかる商品情報提供方法は、携帯型ユーザ端末から設備側装置に商品タグコードを送信するステップと、前記設備側装置から前記携帯型ユーザ端末に対して、前記商品タグコードに対応する商品コードおよびサービスセンタが提供するWebサービスのURIを含む電子タグを送信するステップと、前記携帯型ユーザ端末において、前記設備側装置から送信された電子タグを記録するステップと、前記携帯型ユーザ端末または前記携帯型ユーザ端末に記憶された電子タグが移送された据置型ユーザ端末からネットワーク経由でサービスセンタのWebサービスをアクセスするステップと、前記サービスセンタの前記Webサービスにおいて、前記携帯型ユーザ端末または前記据置型ユーザ端末から電子タグ中の商品コードを受け取り、当該商品コードに基づいてユーザに提供すべき商品の情報を決定し、且つ、その商品と類似する商品の情報があればその情報も提供するステップとを含むことを特徴とする。」
「【0019】第2の発明にかかる商品情報提供システム及びその方法では、サービスセンタがユーザ端末から受け取った商品コードに基づいてユーザに提供すべき商品の情報を決定し、且つ、その商品と類似する商品の情報があればその情報も提供するため、実店舗等を訪れて或る商品に興味を持ったユーザがその商品にかかる情報だけでなく、類似する商品の情報もWebサービスから手軽に入手することができる。」
「【0031】認証に成功すると、サービスセンタ1はユーザ端末5または6から送信されてきたタグ発行者コードおよび商品コードに基づき、ユーザが電子タグを取得した商品のイメージや説明文、Web販売価格、売手などの情報を提供する。また、ユーザが電子タグを取得した商品と同じ商品を別の売手がWeb上で販売しているか否かを調べ、販売している場合には、別の売手にかかる商品の情報も提供する。さらに、ユーザが電子タグを取得した商品の特徴と類似する特徴を持つ別の商品を自動的に検索し、この別の商品の情報も提供する。」
「【0078】次に商品情報検索部163は、売手コードはメイン商品情報と相違するが、商品コードは一致する商品情報をWeb商品情報記憶部116から検索し、あればそれをサブ商品情報として取得する(ステップS123)。このサブ商品情報は、ユーザ4が電子タグを取得した商品と同じ商品であるが、別の売手がWebサービスで販売している商品に関する商品情報になる。幾つを限度にサブ商品情報を取得するかは任意であり、予め定められた数を限度に取得しても良く、全て取得しても良い。
【0079】次に商品情報検索部163は、メイン商品情報の商品と特徴が似ている商品の商品情報をWeb商品情報記憶部116から検索し、あればそれを類似商品情報として取得する(ステップS124)。このとき、商品情報検索部163は、メイン商品情報中の商品特徴138の各特徴項目値139を基準特徴として特徴比較部164に送り、Web商品情報記憶部116に記憶されているメイン商品情報およびサブ商品情報以外の商品情報毎に、その商品情報中の商品特徴138の各特徴項目値139を比較特徴として特徴比較部164に送って、両者の類似度(特徴比較値の総和)を計算させ、或る閾値以下の比較特徴を持つ商品情報を類似商品情報として選択する。幾つを限度に類似商品情報を選択するかは任意であり、予め定められた数を限度に取得しても良く、閾値以下の比較特徴を持つ商品情報を全て取得しても良い。
【0080】そして、商品情報検索部163は、メイン商品情報および存在していればサブ商品情報と類似商品情報をWebサービス制御部161に返却する(ステップS125)。
【0081】Webサービス制御部161は、商品情報検索部163から商品情報を受け取ると、それに基づき、商品情報提供画面を作成し、ネットワーク通信制御部113を通じてネットワーク8経由でユーザ端末6に送信する(ステップS105)。これにより、商品情報提供画面がユーザ端末6の表示装置616に表示されることになる。図17~図19に商品情報提供画面の例を示す。
【0082】図17はメイン商品情報に基づく商品情報提供画面の例で、メイン商品情報中の商品イメージ135に基づく商品イメージ、商品の説明文134に基づく商品説明、Web販売価格137に基づくWeb販売価格、Web在庫数量136に基づく「在庫アリ」の表示、購入して決済する場合に操作すべき決済ボタンが表示されている。また、メイン商品情報中の売手コード131に対応する設備名129を設備情報126から取得して店舗名Aとして表示し、また使用された電子タグのタグ発行番号も表示している。
【0083】図18はメイン商品情報およびサブ商品情報に基づく商品情報提供画面の例で、メイン商品情報に関して図17と同様な情報が表示されると共に、サブ商品情報のWeb販売価格137に基づくWeb販売価格、Web在庫数量136に基づく「在庫アリ」の表示、購入して決済する場合に操作すべき決済ボタンが表示されている。
【0084】図19はメイン商品情報および類似商品情報に基づく商品情報提供画面の例で、メイン商品情報に関して図17と同様な情報が表示されると共に、類似商品情報の商品イメージ135に基づく商品イメージ、商品の説明文134に基づく商品説明、Web販売価格137に基づくWeb販売価格、Web在庫数量136に基づく「在庫アリ」の表示、購入して決済する場合に操作すべき決済ボタンが表示されている。
【0085】なお、メイン商品情報、サブ商品情報および類似商品情報に基づく商品情報提供画面では、図19の類似商品情報に基づく表示部分が図18の画面に追加されたような形態となる。」
(2)引用文献3記載の技術的事項
上記(1)より、引用文献3には、次の技術的事項(以下「引用文献3記載の技術的事項」という。)が記載されている。
<引用文献3記載の技術的事項>
「実店舗等を訪れて或る商品に興味を持ったユーザが、携帯型ユーザ端末から興味を持った商品のタグコードをWebサービスに送信すると、Webサービスは、携帯型ユーザ端末から受け取った商品コードに基づいてユーザに提供すべき商品の情報、及び、その商品との類似度を判断して類似する商品の情報があればその情報も提供する商品情報提供システム」
3 周知技術
(1)周知技術を示す文献として新たに提示する特開2003-256462号公報(以下「引用文献A」という。)には、次のとおりの記載がある。下線は、当審が付した。
「【0004】
・・・
本実施形態における近似文字列検索の例として、自然言語処理によく用いられるNグラムを用いたあいまい検索手法がある。一般に語句や文章内で隣接する長さNの文字列をNグラムと呼び、たとえば文字列「心筋梗塞」の1グラムは「心」、「筋」、「梗」、「塞」であり、2グラムは「心筋」、「筋梗」、「梗塞」である。このように文字列をグラムに分解し、同様にマスタテーブルにもマスタ語句をグラムに分解したものを格納しておけば、両者に存在するグラムの数が多いほど両者の文字列は近似しているということがわかる。当然同一の文字列であれば、すべてのグラムが一致するが、たとえば文字がいくつか欠けていたり、語順が逆になっている場合でも多くのグラムは一致するため、両者はかなり近い文字列であるなどと判断する。以下に図14、図15、図16を用い、本実施形態における近似傷病名検索手段10と近似傷病名テーブル11の詳細な説明を行う。図14は本実施形態の近似傷病名テーブル11の具体例を示す図である。近似傷病名テーブル11には傷病名マスタテーブル7に格納されているマスタ語句がグラムに分解された状態で格納されており、傷病名マスタ番号1401には傷病名マスタテーブル7において各マスタ語句を管理している番号、そしてグラム1402にはそのマスタ語句のグラムが格納されている。図14の例ではマスタ語句番号1の「心筋梗塞」と2の「アレルギー性鼻炎」の1グラムと2グラムが格納されている。Nグラムにおいては文字列の長さNをいくつにするかにより、あいまい検索の精度が変化するが、傷病名の検索においては1と2の両方を用いるのが検索精度とテーブルの容量のバランスからちょうどいい。もちろん3グラム以上を用いてもかまわない。また近似傷病名テーブル11にグラムを格納するマスタ語句は、傷病名マスタテーブル7に格納されたすべてのマスタ語句である必要はなく、目的が傷病名の検索であるから語句属性が「傷病」である傷病名、もしくはその中でも代表的な傷病名だけに限り、選択肢を減らして選択しやすいようにすることも可能である。図15は近似傷病名検索手段10の詳細な動作を示すフローチャート図である。図13に示した画面でユーザが選択した入力文字列が近似傷病名検索するよう命じられると、ステップ1501はその傷病名文字列の標準化文字列の1および2グラムを生成する。このときグラム分解する文字列は入力文字列そのものでもよいが、標準化文字列を用いたほうが検索精度は向上する。ステップ1502では生成したグラムを近似傷病名テーブル11に格納された部分文字列1402に照合する。一致するグラムがある場合、その傷病名マスタ番号1401ごとに一致したグラム数を集計する。ここでより多くのグラムが一致するほど近似した傷病名といえるが、本実施形態では両者の近似度合いを定量的に示す適合率として、(一致したグラム数)÷(マスタ語句のグラム数)を用いる。グラムの一致の見られたマスタ語句は照合結果修正手段12に渡され、ステップ1504で表示手段16を用いて適合率の高い順にマスタ語句、コードA、コードBとともにユーザに提示される。ステップ1505でユーザ入力手段17を用いて、これらのマスタ語句の中からもっとも適切を思われるマスタ語句を選択することにより、ステップ1506でそのマスタ語句の各種データが入力文字列の新たなコード化結果としてコード化結果保存テーブル13に格納される。図16はステップ1504で照合結果修正手段12により表示手段16に表示される画面の具体例である。図13の画面より近似傷病名検索の実行を命ぜられるとこの図16の画面が表示されるが、上半分の入力文字列リストは図13と同じものである。画面下半分が近似傷病名検索のための表示であり、テキストボックスにリストで選択された入力文字列1501とその標準化文字列1502が表示されている。グラムを用いたあいまい検索の結果である近似傷病名検索結果は画面右下のリストに表示されており、それぞれグラムの一致が見られたマスタ語句である候補傷病名1503、そのコードA1504、コードB1505、そして適合率1506(パーセント表示)である。リストに表示されるもののうち、コードA1504、コードB1505は必ずしも必須ではないが、他の候補傷病名と見比べることにより、どの候補傷病名が適切であるかより判断が容易になる。また各候補傷病名は適合率の高い順に上から表示することにより、ユーザは一致度の高い候補傷病名から順に吟味できるため、選択作業が容易になる。ここで適合率として
(一致したグラム数)÷(マスタ語句のグラム数)
を用い、
(一致したグラム数)÷(標準化文字列のグラム数)
を用いないのは、両者の一致度の順番が異なるからである。前者ではたとえば「接触性皮膚炎」を検索した場合、「接触性皮膚炎」とともに「皮膚炎」もそれぞれ適合率1としてリストの最上位に表示される。しかし後者を適合率として用いると「接触性皮膚炎」は同様に適合率1としてリスト最上位に表示されるが、「皮膚炎」はおおよそ半分のグラムしか一致してないことになるので、かなり下方に表示されることになる。一般に傷病名の検索を行う場合、完全に一致する傷病名が見つからないのであれば、その傷病名をもっと広く捉えた傷病名、すなわち「接触性皮膚炎」なら「皮膚炎」、「急性気管支炎」なら「気管支炎」を選択することが自然である。したがって前者の適合率を用いることにより、その傷病名を広く捉えた傷病名をより適合率が高いと評価でき、ユーザの選択作業に適した優先順位で候補傷病名を提示することができる。・・・」
(2)引用文献Aに記載された周知技術
上記(1)より、引用文献Aには、次の周知技術(以下「周知技術A」という。)が記載されている。
<周知技術A>
「近似文字列検索の例として、自然言語処理によく用いられるNグラムを用いたあいまい検索手法があり、一般に語句や文章内で隣接する長さNの文字列をNグラムと呼び、入力文字列をNグラムに分解し、同様にマスタテーブルにもマスタ語句をNグラムに分解したものを格納し、入力文字列とマスタ語句とが同一の文字列であればすべてのNグラムが一致し、両者に存在するNグラムの数が多いほど両者の文字列は近似している。」
第5 対比
1 本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「ユーザ情報(ユーザID、メールアドレス、氏名等)、ユーザの希望商品情報(商品名、型番、価格等)や希望サービス情報(サービス名、価格等)」は、「ユーザ情報」といえるから、引用発明の「ユーザ情報データベース」に「ユーザ情報(ユーザID、メールアドレス、氏名等)、ユーザの希望商品情報(商品名、型番、価格等)や希望サービス情報(サービス名、価格等)」を登録する「ユーザ携帯端末」は、本願発明の「ユーザ情報を入出力する携帯端末」に相当する。
引用発明の「店舗ID、店舗の場所情報(住所や地図情報等)、店舗情報を提供するWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)、メールアドレス、電話番号等、店舗で提供可能な商品情報(商品名,型番,価格等)やサービス情報(サービス名,価格等)」は、「店舗」が販売等のサービスを行うための「サービス提供者情報」といえるから、引用発明の「店舗ID、店舗の場所情報(住所や地図情報等)、店舗情報を提供するWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)、メールアドレス、電話番号等、店舗で提供可能な商品情報(商品名,型番,価格等)やサービス情報(サービス名,価格等)」を「店舗紹介情報データベース」に登録する「店舗装置」は、本願発明の「サービス提供者情報を入出力する入出力装置」に相当する。
引用発明の「ユーザ情報データベースと店舗紹介情報データベースを有」する「情報提供サーバ」は、本願発明の「前記ユーザ情報と前記サービス提供者情報とを保持するサーバ」に相当する。
引用発明の「店舗装置」が備える「タグリーダライタ」は、「店舗付近を通行するユーザを検出するべく、常時または所定時間間隔で電波または電磁波を送出し、所定空間(距離)内にあるユーザ携帯端末の有する無線ICタグから」「ユーザID」を読み取るから、本願発明の「前記携帯端末に感知されるべくサービス提供者側に設置された感知手段」に相当する。
引用発明の「情報提供サーバとユーザ携帯端末と店舗装置とはネットワークで接続され」ていることは、本願発明の「前記サーバは、前記携帯端末および前記入出力装置と相互接続性ネットワークを介して接続されて」いることに相当する。
したがって、引用発明の「ユーザ情報(ユーザID,メールアドレス,氏名等)、ユーザの希望商品情報(商品名,型番,価格等)や希望サービス情報(サービス名,価格等)」を登録する「ユーザ携帯端末」と、「店舗ID、店舗の場所情報(住所や地図情報等)、店舗情報を提供するWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)、メールアドレス、電話番号等、店舗で提供可能な商品情報(商品名,型番,価格等)やサービス情報(サービス名,価格等)」を「店舗紹介情報データベース」に登録する「店舗装置」と、「ユーザ情報データベースと店舗紹介情報データベースを有」する「情報提供サーバ」と、「店舗前や店舗に至る通路に設置され、店舗付近を通行するユーザを検出する検出部」と、検出部が「店舗付近を通行中のユーザを検出すると、」ユーザ携帯端末の「無線ICに記録されたユーザIDを取得」する「タグリーダ」を備え、「情報提供サーバとユーザ携帯端末と店舗装置とはネットワークで接続され」ることは、本願発明の「ユーザ情報を入出力する携帯端末と、サービス提供者情報を入出力する入出力装置と、前記ユーザ情報と前記サービス提供者情報とを保持するサーバと、前記携帯端末に感知されるべくサービス提供者側に設置された感知手段と、を備え、前記サーバは、前記携帯端末および前記入出力装置と相互接続性ネットワークを介して接続されて」いることに相当する。
(2)引用発明において、「タグリーダライタ」は「店舗付近を通行中のユーザを検出すべく、所定空間(距離)内にあるユーザ携帯端末の有する無線ICタグから」「ユーザID」を読み取るから、引用発明の「タグリーダライタ」が、「所定空間(距離)内にあるユーザ携帯端末の有する無線ICタグから」「無線ICに記録されたユーザIDを取得」することは、本願発明の「前記携帯端末が前記感知手段の感知エリアに入ったとき」に相当する。
また、引用発明において、「情報提供サーバは、ユーザIDと店舗IDを受信し、ユーザ情報データベースを参照し、ユーザIDに対応する希望商品情報を取得し、店舗紹介情報データベースを参照し、店舗IDに対応する提供可能商品情報を取得し、取得した希望商品情報と提供可能商品情報とを照合し、一致するものがあるかを判定し、一致するものがなかった(ユーザの希望する商品が無かった)場合は、処理を終了し、一致するものがあった(ユーザの希望する商品が有った)場合は、ユーザ情報データベースからユーザIDに対応するメールアドレスを抽出し、店舗紹介情報データベースから店舗IDに対応する店舗の場所情報(住所,地図等)、URL、メールアドレス、電話番号等の店舗紹介情報を抽出し、情報提供メールを生成してユーザのメールアドレス宛に送信」することと、本願発明の「前記サーバは、N文字インデックス法(N-gram)で断片化された前記ユーザ情報とN文字インデックス法(Ngram)で断片化された前記サービス提供者情報とを対比照合して、両情報が適合したと判断されたとき、前記携帯端末に前記サービス提供者情報を送信し得るよう構成され」、「両情報が適合しないと判断されたとき、前記携帯端末に前記サービス提供者情報を送信しないよう構成された」ことは、「前記サーバは、前記ユーザ情報と前記サービス提供者情報とを対比照合して、両情報が適合したと判断されたとき、前記携帯端末に前記サービス提供者情報を送信し得るよう構成され」、「両情報が適合しないと判断されたとき、前記携帯端末に前記サービス提供者情報を送信しないよう構成された」点で共通し、対比照合される「ユーザ情報」及び「サービス提供者情報」が、本願発明では、「N文字インデックス法(N-gram)で断片化された」ものであるのに対し、引用発明ではそうではない点で相違する。
(3)引用発明の「情報提供メールには、抽出された店舗紹介情報と、ユーザの希望商品が抽出された店舗に有る旨の通知とが含まれ」、引用文献1の段落【0018】には、「予め登録された希望商品を扱う店舗近辺をユーザが通りかかったときに、その店舗の紹介メールをユーザ携帯端末に送信するようにしたため、ユーザはその場で店舗に入り希望商品を確認できる」という効果があることが記載されている。
よって、引用発明は、希望商品を購入しようとするユーザを、希望商品を扱う店舗に誘導するものであり、当該店舗からみると、そのユーザは潜在顧客であるといえるから、引用発明の「情報提供システム」は、本願発明と同様の「潜在顧客獲得システム」であるといえる。
(4)引用発明の「希望商品情報」は、ユーザが買いたいと思う商品であるから、本願発明の「潜在的ニーズ情報」に相当する。また、引用発明の「希望商品情報」は、予め登録され、希望商品を扱う店舗の紹介メールを受信するためのものであるから、ユーザが希望商品を買いにでかける前に登録されることは明らかである。
よって、引用発明の「ユーザ情報データベース」に登録される情報は、「ユーザの希望商品情報(商品名、型番、価格等)」を含み、予め登録されることは、本願発明の「前記ユーザ情報は、ユーザの潜在的ニーズ情報を含み、該潜在的ニーズ情報は、ユーザが買いたいと思う商品に関するものであり、ユーザが買い物に出かける前に、前記携帯端末に予め入力されるもの」であることに相当する。
(5)引用発明の「抽出された店舗紹介情報と、ユーザの希望商品が抽出された店舗に有る旨の通知とが含まれる」「情報紹介メール」は、希望商品情報と提供可能商品情報とを照合し、一致するものがなかった(ユーザの希望する商品が無かった)場合は、処理を終了し、一致するものがあった(ユーザの希望する商品が有った)場合はのみに送信さるから、引用発明の「抽出された店舗紹介情報と、ユーザの希望商品が抽出された店舗に有る旨の通知とが含まれる」「情報紹介メール」がユーザ携帯端末に表示されることは、本願発明の「潜在的ニーズ情報と適合された適切な情報のみが携帯端末上に表示される」ことに相当する。
2 一致点、相違点
上記1によると、本願発明と引用発明とは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。
[一致点]
ユーザ情報を入出力する携帯端末と、サービス提供者情報を入出力する入出力装置と、
前記ユーザ情報と前記サービス提供者情報とを保持するサーバと、前記携帯端末に感知されるべくサービス提供者側に設置された感知手段と、を備え、
前記サーバは、前記携帯端末および前記入出力装置と相互接続性ネットワークを介して接続されており、
前記携帯端末が前記感知手段の感知エリアに入ったとき、前記サーバは、前記ユーザ情報と前記サービス提供者情報とを対比照合して、両情報が適合したと判断されたとき、前記携帯端末に前記サービス提供者情報を送信し得るよう構成された潜在顧客獲得システムであって、
前記ユーザ情報は、ユーザの潜在的ニーズ情報を含み、該潜在的ニーズ情報は、ユーザが買いたいと思う商品に関するものであって、ユーザにより前記携帯端末より予め入力されたものであり、
前記ユーザ情報と前記サービス提供者情報とを対比照合して、両情報が適合しないと判断されたとき、前記携帯端末に前記サービス提供者情報を送信しないよう構成された潜在顧客獲得システム。
[相違点]
対比照合される「ユーザ情報」及び「サービス提供者情報」が、本願発明では、「N文字インデックス法(N-gram)で断片化された」ものであるのに対し、引用発明ではそうではない点。
第6 当審の判断
1 相違点についての判断
2つの文字列をNグラムに分解し、Nグラム同士を対比照合することにより文字列の一致や類似度を判断することは周知技術Aのように対比照合における一般的な手法であるから、引用発明において、N文字インデックス法(N-gram)で断片化された前記ユーザ情報とN文字インデックス法(Ngram)で断片化された前記サービス提供者情報とを対比照合することは当業者が容易に想到し得た事項である。
なお、曖昧判断については、引用文献3記載の技術的事項に示したとおりである。
2 作用効果について
請求人は、令和4年11月7日に提出した意見書において「このように、サーバーに送信される一次情報であるユーザ情報とサービス提供者情報とを、共にN文字インデックス法(N-gram)で断片化された処理済みの二次情報に変換されたものとし、当該処理済みの情報を比較し対照処理することにより、出願時の本願明細書段落0057に・・・記載しているように、ユーザ側の記憶にあいまいな点や不正確な内容が混じる場合であっても、また、対比する両者の文字情報が順番が入れ違っていたり、内容に微妙な食い違いがある場合であっても、所望の情報を提供できるという顕著な効果を奏するものとなります。」と主張している。
しかし、上記あいまい判断が可能となる効果は、上記引用文献Aに「当然同一の文字列であれば、すべてのグラムが一致するが、たとえば文字がいくつか欠けていたり、語順が逆になっている場合でも多くのグラムは一致するため、両者はかなり近い文字列であるなどと判断する・・・Nグラムにおいては文字列の長さNをいくつにするかにより、あいまい検索の精度が変化するが、傷病名の検索においては1と2の両方を用いるのが検索精度とテーブルの容量のバランスからちょうどいい・・・グラムを用いたあいまい検索の結果である近似傷病名検索結果は画面右下のリストに表示されており、それぞれグラムの一致が見られたマスタ語句である候補傷病名1503、そのコードA1504、コードB1505、そして適合率1506(パーセント表示)である。リストに表示されるもののうち、コードA1504、コードB1505は必ずしも必須ではないが、他の候補傷病名と見比べることにより、どの候補傷病名が適切であるかより判断が容易になる。」と記載されるとおり、上記周知技術Aが本来有する効果であり、引用発明に上記周知技術Aを適用すれば、当然に奏する効果であるといえる。
したがって、上記請求人が主張する効果は、引用発明及び周知技術Aの奏する作用効果から予測される範囲のものに過ぎず格別なものではない。
また、引用発明に対して、あいまい一致する商品情報を提供する技術思想を導入することは、当審拒絶理由の請求項5に対して判断したとおり、当業者が容易になし得たものであり、格別阻害要因となるものではない。
3 小括
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-013229