2021-011301
医療画像のアノテーションのための装置、方法、及びシステム
- 審判番号
- 2021-011301
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-517764外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年08月25日
- 審決日
- 2022年02月25日
- 公報発行日
- 2022年08月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
- 【請求人代理人】特許業務法人M&Sパートナーズ
- 分類
- P18 .121-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)9月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年10月8日 米国)を国際出願日とする出願であって、令和元年9月25日に手続補正がなされ、その後、令和2年8月11日付けの拒絶理由の通知に対し、令和3年2月17日に意見書が提出されたが、同年4年8日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年8月25日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和3年8月25日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年8月25日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「 【請求項1】医療イメージングシステムによって取得された画像に関連付けられる、ユーザからのフリーフォーム描画を含むアノテーション入力を受け取るタッチスクリーンと、前記タッチスクリーンから前記アノテーション入力を受け取り、少なくとも部分的に前記アノテーション入力に基づき、アノテーションとして前記画像に関連付けられるグラフィックオーバーレイを生成し、さらに、前記アノテーションにメタデータを関連付けるグラフィックスプロセッサと、前記画像及び前記アノテーションを表示するディスプレイと、前記画像及び前記アノテーションを保存するメモリとを備える、医療イメージングシステム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和元年9月25日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「 【請求項1】医療イメージングシステムによって取得された画像に関連付けられる、ユーザからのアノテーション入力を受け取るタッチスクリーンと、前記タッチスクリーンから前記アノテーション入力を受け取り、少なくとも部分的に前記アノテーション入力に基づき、アノテーションとして前記画像に関連付けられるグラフィックオーバーレイを生成し、さらに、前記アノテーションにメタデータを関連付けるグラフィックスプロセッサと、前記画像及び前記アノテーションを表示するディスプレイと、前記画像及び前記アノテーションを保存するメモリとを備える、医療イメージングシステム。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「アノテーション入力」について、上記のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2014-113311号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審において付与した。以下、同様。)。
(引1ア)
「【請求項5】請求項1乃至4の何れか一つに記載の医用画像表示装置と、被検体を撮像して医用画像を生成する撮像部と、を備え、前記医用画像表示装置は、前記撮像部で生成された前記医用画像に前記レイヤーを重畳表示する、ことを特徴とする医用画像診断装置。」
(引1イ)
「【0010】以下、本発明に係る医用画像表示装置を搭載したX線画像診断装置の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、X線画像診断装置の概略構成を示す機能ブロック図である。図1のX線画像診断装置1は、被検体2を撮像して医用画像を生成する撮像部10と、医用画像を表示し、それに付加情報を入力・表示するための付加情報レイヤーを生成・重畳表示する医用画像表示装置20と、を備える。・・・【0013】医用画像表示装置20は、X線検出器14から出力されたX線信号を基に被検体2の透過X線強度の分布を示すX線画像を生成する画像生成部21と、X線画像を記憶する画像記憶部22と、画像記憶部22から選択されたX線画像を検索する画像検索部23と、医用画像上に少なくとも一つ以上の分割線を設定し、その分割線により医用画像を少なくとも二つ以上の分割領域に分割し、各分割領域に対応し、画像データに記入するコメント、メモ及び撮影の向きなどの付加情報(以下「アノテーション」という)を配置するためのレイヤーを生成するレイヤー生成部24と、レイヤーの重畳表示、選択表示及び整列表示を行なうレイヤー表示制御部25と、レイヤーの生成や管理に必要な情報を記憶する管理情報記憶部26と、医用画像の選択、分割線を設定する操作、分割線の位置を変更する操作、及び任意の分割領域を指定する操作を受け付ける操作部27と、医用画像及びレイヤーを表示する表示部28と、バス29と、を備えている。画像生成部21、画像記憶部22、画像検索部23、レイヤー生成部24、レイヤー表示制御部25、管理情報記憶部26、操作部27、及び表示部28は、バス29により互いに接続されている。【0014】画像生成部21は、X線検出部14から出力されたX線信号を画像処理し、画像処理されたX線画像を出力する。画像処理は、ガンマ変換、階調変換処理、画像の拡大・縮小等である。画像記憶部22は、画像生成部21から出力されたX線画像を記憶する。画像検索部23は、画像記憶部22に記憶されたX線画像のうち、操作者が選択した任意のX線画像を表示部28の画面上に表示する。また、図示はしないものの医用画像表示装置20を、ネットワーク(例えば院内LAN)に接続し、そのネットワークを介して接続されたPACS(Picture Archiving and Communication Systems)からX線画像を取得し表示部28に表示するように構成してもよい。レイヤー生成部24、及びレイヤー表示制御部25の詳細は後述する。管理情報記憶部26は、画像を複数の領域に分割するための分割線を設定するために必要な情報を含む分割線設定情報、生成されたレイヤーの管理に必要なレイヤー管理情報、及びアノテーションを配置する際に用いるアイコンの情報を含むアイコン管理情報を記憶する。操作部27は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置を備えて構成され、表示部28は、CRTや液晶パネルなどの表示装置を備えて構成される。画像生成部21、画像記憶部22、画像検索部23、レイヤー生成部24、レイヤー表示制御部25、および管理情報記憶部26は、演算・制御装置及び記憶装置を含むハードウェアと、各構成要素の機能を実現するソフトウェアと、が協働することで構成される。」
(引1ウ)
「【0015】<第一実施形態>第一実施形態は、医用画像表示装置20が、医用画像に付帯する撮像部位情報を参照し、撮像部位に応じた位置及び数の分割線を医用画像に重畳表示する実施形態である。以下、図2乃至図8に基づいて第一実施形態について説明する。図2は、第一実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。図3は、本実施形態で用いられる各種データ例を示す説明図であって、(a)は、画像付帯情報111を示し、(b)は、分割線設定情報300を示し、(c)は、レイヤー管理情報350を示し、(d)は、アイコン管理情報を示す。図4は、画像一覧画面の一例を示す説明図である。図5は、分割線の設定処理の一例を示す説明図である。図6は、レイヤー表示例を示す説明図であって、(a)はタグつきのレイヤーを示し、(b)はタグなしのレイヤーを示す。図7は、アノテーション配置例を示す説明図であって、(a)は、レイヤーAにアノテーションを配置した状態を示し、(b)は、レイヤーBにアノテーションを配置した状態を示し、(c)は、レイヤーCにアノテーションを配置した状態を示す。図8は、アノテーションの重畳表示の内容を示す説明図であって、(a)は、アノテーション確認画面の一例を示し、(b)は、アノテーションの重畳表示処理の概念を示す。」
(引1エ)
「【0016】以下では、X線画像診断装置1の撮像部10で被検体2を撮像し、その画像を用いて、付加情報を追加する処理を例に挙げて説明するので、後述するステップS1において撮像部10による撮像処理を含むが、予め画像記憶部22に記憶されたX線画像、又は医用画像表示装置20が接続されたネットワークを介して取得したX線画像をアノテーションの配置処理の対象とする場合には、医用画像表示装置20のみを起動させて、後述するステップS2から開始してもよい。以下、図2の各ステップに沿って説明する。【0017】(ステップS1)続きを表示(全57行)操作者がX線画像診断装置1の電源を入れ、撮像部10及び医用画像表示装置20を起動する。操作者は、被検体2を寝台18に載置し、撮影部位、X線条件を撮像入力部16により入力し、撮像表示部17に表示する。操作者は、X線条件が適切であることを確認し、撮像入力部16に含まれる曝射スイッチを押下げ、被検体2を撮像する(S1)。X線検出器14は、被検体2を透過したX線を検出し、その強度に応じた電気信号を生成し、医用画像表示装置20の画像生成部21へ出力する。画像生成部21は、電気信号を基に、被検体2のX線吸収分布を示すX線画像(以下「画像」と略記する)を生成し、撮像入力部16から被検体2の撮影部位を示す撮影部位情報を取得し、撮影部位情報をX線画像に付帯して画像記憶部22に記憶する。図3の(a)に示すように、画像付帯情報111は、X線画像を固有に特定する画像番号(例えば「101」)、撮影日時(例えば「2012.12.12」)、撮影部位(例えば「胸部」)、及びX線画像を間引いて生成したサムネイル画像(例えば「xxx.jpeg」)などが含まれる。【0018】(ステップS2)ステップS1において、医用画像表示装置20が起動すると、画像検索部23は、画像記憶部22を検索し、それに記憶されている画像のサムネイル画像を整列した画像一覧画面100(図4参照)を、表示部28の画面に表示する。画像一覧画面100は、サムネイル画像を整列表示したものの他、画像名をリスト表示したものであっても良い。操作者は、画像一覧画面100から任意の画像、例えば図4では、胸部を撮像した画像のサムネイル画像101sを選択する操作を、操作部27を用いて行なう(S2)。【0019】(ステップS3)レイヤー生成部24は、ステップS2で選択された画像101の画像付帯情報(図3の(a)参照)に含まれる撮影部位情報、及び図3の(b)に示す分割線設定情報300(詳細は後述する)を参照し、撮影部位に応じて定められた分割線の数及び位置の情報を決定する。そして、分割線により画像101を複数の分割領域に分け、各分割領域に対応するレイヤーを生成する。そして、レイヤー表示制御部25は、画像101に生成されたレイヤーを重畳表示する(S3)。上記「レイヤー」は、画像101に重畳しても画像101を視認できるように、レイヤーの背景領域に透過性を備え、かつ、アノテーションを入力する領域(以下「アノテーション領域」という)を備えて構成される。【0020】図3の(b)の分割線設定情報300は、「撮影部位」、「分割線の方向」、「分割線の数」、及び「分割線の位置」を規定したものである。分割線設定情報300における「分割線の方向」は、図5に示すように、X線検出器14の電気信号の読出し方向(ライン方向)14aに沿った方向、またはライン方向14aに直交する方向を用いて定義している。例えば、画像101が、ライン方向14aが被検体2の体幅方向に沿うようにX線検出器14を配置して被検体2の胸部を撮影した画像であるとする。この場合、画像101を被検体2の体幅方向に沿って2分割できるように、画像101に対しライン方向14aに直交する方向に沿った分割線110を設定する。また、画像102が、ライン方向14aが被検体2の体幅方向に沿うようにX線検出器14を配置して被検体2の腹部を撮影した画像であるとする。この場合、画像101を被検体の体軸方向に沿って3分割できるように、画像102に対しライン方向14aに平行な分割線111、112を設定する。【0021】図4のサムネイル画像101sが含まれる画像付帯情報には、撮影部位情報として「胸部」が含まれるので(図3の(a)参照)、レイヤー生成部24は、図5の画像101のように、画像101をライン方向14aに沿って2分割する位置に、ライン方向14aに直交する分割線110を設定する。その結果、画像101が、左半分の領域(以下「左領域」という)101Lと、右半分の領域(以下「右領域」という)101Rとに分割される。【0022】そこで、レイヤー生成部24は、左領域101Lに対応するレイヤー(以下「レイヤーB」という)、及び右領域101Rに対応する(以下「レイヤーC」という)を生成する。更に、本実施形態では、分割領域ではなく、画像101の全体領域に対して対応付けられたレイヤー(以下「レイヤーA」という)も生成する。【0023】レイヤー生成部24は、各レイヤーを管理するための情報、例えば、レイヤーが生成された画像の識別情報からなる「画像番号」(例えば画像101)、レイヤーが対応付けられている「分割領域」、レイヤーを固有に特定する「レイヤー名」、及びレイヤーに記入された「アノテーション」の内容、及び各レイヤーにおけるアノテーションの「入力位置」を関連づけて、レイヤー管理情報350(図3の(c)参照)に記録する。なお、上記では、初期設定として各分割領域に1つずつのレイヤーを生成することとしたが、レイヤー数は任意に増減してもよい。【0024】(ステップS4)レイヤー表示制御部25は、画像101に生成したレイヤーを重畳表示する(S4)。本ステップにより、表示部28の画面は、図4の画像検索画面100から図6の(a)に示すレイヤー表示画面200a、又は図6の(b)に示すレイヤー表示画面200bへ遷移する。【0025】図6の(a)に示すレイヤー表示画面200aを例にあげて、レイヤー表示画面200aについて説明する。レイヤー表示画面200aには、画像101にレイヤーを重畳して表示する画像表示領域210及び各種ソフトボタンが配列されたボタン領域220が含まれる。【0026】画像表示領域210には、画像101に分割線110が重畳表示され、更にレイヤーA120、レイヤーB130、レイヤーC140が重畳表示される。レイヤーA120、レイヤーB130、及びレイヤーC140は、背景領域が透過性を有して構成されるので、これらのレイヤーを画像101に重畳しても、画像101を視認することができる。また、各レイヤーの下部には、各レイヤーの名称を記載したタグ150がつけられる。任意のタグを指定する操作(例えばマウスクリック)を行なうと、そのタグがつけられたレイヤーを選択することができる。【0027】ボタン領域220には、アノテーションを配置する際に用いるアイコンを並べたアイコン一覧メニュー222が含まれる。更に、レイヤーにアノテーションを配置することを許容するモード(以下「編集モード」という)を選択するための「編集」ボタン224、レイヤーに配置されたアノテーションを保存し、編集を禁止するモード(以下「ロックモード」)を選択するための「保存」ボタン226が含まれる。【0028】図6の(b)に示すレイヤー表示画面200bは、画像101に分割線110が重畳表示され、更にタグが付されていないレイヤーA120、レイヤーB130、レイヤーC140が重畳表示される。各レイヤーを選択する操作は、選択したいレイヤーが関連付けられた画像101の分割領域を指定する操作(例えばマウスクリック)により行なう。画像101上の任意の位置が指定されると、レイヤー表示制御部25は、レイヤー管理情報350(図3の(c))を参照し、その指定された部位が、レイヤー管理情報350の「分割領域」のどこに対応するかを判断して選択されたレイヤーを特定してもよい。画像101の分割線110上の任意の点を指定すると、画像101の全体領域に対応付けられたレイヤーA120が選択されるように構成しても良い。【0029】アイコン一覧メニュー222には、アノテーションとして入力するデータ種別に応じたアイコンが含まれる。アノテーションとして入力するデータには、例えば、画像に撮影された被検体の体幅方向を示すマーカ(例えば、被検体の左側を示す「L」、被検体の右側を示す「R」)や、撮影ポジションを示すマーカ、画像上の指定領域(例えば病変領域)を囲む幾何学図形をからなるマーカ、及びその指定領域に対する所見を示すテキストデータがある。それらのデータの種別によって、レイヤーに含まれるアノテーションを入力するための領域(以下「アノテーション入力領域」という)のうちの配置位置を予め定めておいてもよい。例えば、図3の(d)に示すように、各アイコンを識別する「アイコン名」、各アイコンを選択して入力するデータの種別を示す「データ種別」、及び各アイコンのアノテーション入力領域内における表示位置を示す「表示許可位置」を関連付けたアイコン管理情報370を備えておく。図3の(d)の「表示許可位置」において、「任意」と規定されたアイコンが示すデータは、アノテーション入力領域のうちの任意の位置に表示できることを意味する。「重複領域のみ」と規定されたアイコンが示すデータは、アノテーション入力領域のうち、そのアノテーション入力領域を有するレイヤーが対応付けられた画像の分割領域と重複する領域だけに入力ができることを意味する。「重複領域を除く領域のみ」と規定されたアイコンが示すデータは、アノテーション入力領域のうち、そのアノテーション入力領域を有するレイヤーが対応付けられた画像の分割領域とは重複しない領域だけに入力ができることを意味する。アノテーション入力領域及びアノテーションの表示許可位置については、ステップS5において後述する。【0030】(ステップS5)レイヤーを選択し、そのレイヤーにアノテーションを配置する(S5)。各レイヤーには、原則、1種類ずつのアノテーションを入力するように構成する。よって、画像101の同一の分割領域に複数のアノテーションを付加する場合には、アノテーション毎にレイヤーを生成する。その結果、一つの分割領域に対して複数のレイヤーが設定されることも有りうる。レイヤーを追加して生成する場合には、例えば図6のレイヤー表示画面200a(図6(a))及びレイヤー表示画面200b(図6(b))のボタン領域220に図示しないレイヤー生成ボタンを用意しておき、アノテーションを配置した画像101上の位置を、操作部27を用いて指定し、その後レイヤー生成ボタンを押し下げることにより行なってもよい。【0031】操作者は、図6の(a)のレイヤー表示画面200a又は図6の(b)のレイヤー表示画面200bにおいて、アノテーションを配置したレイヤーを選択して、「編集」ボタン224を押す。又は「編集」ボタン224を押した後に、レイヤーを選択しても良い。【0032】レイヤー表示制御部25は、選択されたレイヤーを最前面に配置し、そのレイヤーに設定されたアノテーション入力領域を示す枠を表示する。次いで、操作者が、アノテーション入力領域の枠内に、アノテーションを入力する。この入力操作は、例えばアイコン一覧メニュー222上の任意のアイコンや、テキストデータを入力する。アイコン一覧メニュー222からアイコンが選択されると、レイヤー表示制御部25はアイコン管理情報370を参照し、そのアイコンを用いて入力するデータ種別に応じた表示許可位置に、マーカやテキストデータを入力するためのカーソルを配置する。【0033】図7を用いて、アノテーションを配置する処理について説明する。図7の(a)は、レイヤーA120にアノテーションを配置する例を示す。レイヤーA120は、画像全体に対応付けられたレイヤーであり、主に、画像101の左右方向や、撮影ポジションを入力するために用いる。そのため、レイヤーA120のアノテーション入力領域121は、レイヤーA120の下部に設定されている。そこで、操作者は、画像101の全体に関する情報として、例えば、アイコン一覧メニュー222から被検体の左側を示すアイコンを選択し、アノテーション入力領域121の左端部にマーカ「L」125配置するとともに、撮影ポジションを表示するマーカ126を入力するアイコンを選択し、アノテーション入力領域121の右端部に挿入する操作(例えばドラッグ操作)を行う。【0034】図7の(b)は、レイヤーB130にアノテーションを配置する例を示す。レイヤーB130は、画像101の左側の分割領域に対応するレイヤーである。そこで、レイヤーB130のうち、画像101において被検体2が撮像されている領域を含む位置、例えば、レイヤーBの上部から下部にかけてアノテーション入力領域131を設定する。アノテーション入力領域131は、分割線110により左側入力領域131L及び右側入力領域131Bに分けられる。レイヤーB130は、画像101の左側の分割領域に対応するレイヤーであるため、アイコン一覧メニュー222のうち、病巣陰影を示すマーカを付けるアイコンを選択すると、左側入力領域131Lの任意の位置にマーカ132を入力することができる。しかし、右側入力領域131R内には、マーカ132を付すことができない。また、アイコン一覧メニュー222のうち、テキストデータを記入するアイコンを選択すると、マーカ132に連結し、右側入力領域131R内にテキストデータを記入する欄を有するテキストボックス133が表示される。テキストボックス133は、右側入力領域131R内に収まるようにサイズが調整される。これらの処理は、レイヤー表示制御部25が行う。【0035】図7の(c)は、レイヤーC140にアノテーションを配置する例を示す。レイヤーC140は画像101の右側の分割領域に対応するレイヤーであるので、レイヤーC140の上部から下部にかけてアノテーション入力領域141を設定し、分割線110により、左側入力領域141Lと、右側入力領域141Rと、に分けられる。右側入力領域141Rの任意の位置にマーカ142を入力することができるが、テキストボックス143は、左側入力領域141L内に収まるようにサイズが調整される。【0036】レイヤーへの入力操作が終了すると、アノテーションを保存する操作、例えば図6の「保存」ボタン226をクリックする。レイヤー表示制御部25は、レイヤー管理情報350(図3の(d)参照)にアノテーションの内容、各レイヤーにおけるアノテーションの入力位置を保存する。その後、レイヤーの編集を禁止するロックモードに遷移さる。【0037】(ステップS6)アノテーション確認画面は、ステップS5において「保存」ボタン226を押すと、図8の(a)に示す、全てのアノテーションを画像上に重畳表示したアノテーション確認画面300に遷移する(S6)。図8の(a)に示すように、アノテーション確認画面では、画像101上に、レイヤーA120、レイヤーB130及びレイヤーC140を重畳する。既述の通り、レイヤーの背景領域は透過性を有するので、図8の(b)に示すように、レイヤーを重畳しても、画像101を視認することができる。なお、レイヤーとして図6の(b)に示すようにタグがないものを用いる場合には、アノテーション確認画面においもてタグが表示されない。【0038】(ステップS7)アノテーションの選択的表示を行う(S7)。ステップS6では全てのアノテーションが画像101に重畳表示されているので、診断に直接的に必要なアノテーションのみを選択的に表示させる。操作者は、レイヤーについたタグを選択してもよい。【0039】また、アノテーション確認画面300において、画像101上の任意の位置を指定する操作(例えばマウスクリック)することにより、その位置を含む分割領域に対応付けられたレイヤーに配置されたアノテーションを選択的に表示することができる。例えば、アノテーション確認画面300内の分割線110より左側がクリックされた場合には、左側領域に対応するレイヤーBに配置されたアノテーションを選択的に表示し、分割線110より右側がクリックされた場合には、右側領域に対応するレイヤーCに配置されたアノテーションを選択的に表示してもよい。選択表示の態様として、選択されたレイヤーのアノテーションの表示色はより濃く、選択されていないレイヤーのアノテーション表示色はより薄くしてもよいし、選択されたレイヤーのアノテーションのみを表示し、選択されていないレイヤーのアノテーションは非表示に変更しても良い。【0040】本実施形態によれば、アノテーションをレイヤーに記載し、そのレイヤーを元画像上に重畳する。そして、アノテーションを選択的に表示することにより、アノテーションを配置することによる元の画像の視認性の低下を抑制することができる。」
(引1オ)図1
[図:0001387132000001.jpg]
(引1カ)図2
[図:0001387132000002.jpg]
(引1キ)図3
[図:0001387132000003.jpg]
(引1ク)図6(a)
[図:0001387132000004.jpg]
(引1ケ)図7
[図:0001387132000005.jpg]
(引1コ)図8
[図:0001387132000006.jpg]
(イ)上記(ア)の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 被検体2を撮像して医用画像を生成する撮像部10と、撮像部10で生成された医用画像を表示し、それにアノテーションを入力・表示するためのレイヤー生成・重畳表示する医用画像表示装置20と、を備える医用画像診断装置であって、医用画像を固有に特定する画像番号(例えば「101」)など付帯した医用画像を記憶する画像記憶部22と、医用画像上にアノテーションを配置するためのレイヤーを生成するレイヤー生成部24と、レイヤーの生成や管理に必要な情報を記憶する管理情報記憶部26と、医用画像及びレイヤーを表示する表示部28と、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置を備える操作部27と、を備え、管理情報記憶部26は、生成されたレイヤーの管理に必要なレイヤー管理情報350、及びアノテーションを配置する際に用いるアイコンの情報を含むアイコン管理情報370を記憶し、レイヤー生成部24は、レイヤーが生成された医用画像の識別情報からなる「画像番号」(例えば画像101)、レイヤーを固有に特定する「レイヤー名」、レイヤーに記入された「アノテーション」の内容、及び各レイヤーにおけるアノテーションの「入力位置」を関連づけて、レイヤー管理情報350に記録し、操作者は、アイコン一覧メニュー222のうち、病巣陰影を示すマーカを付けるアイコンを選択すると、入力領域131の任意の位置にマーカ132を入力することができる、医用画像診断装置。」
イ 引用文献2
本願の優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、国際公開第2013/137280号(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
(引2ア)
「[0025] アノテーション部423aは、入力部41等からの指示に基づいて、表示部43に表示された医用画像にアノテーションを付加する。アノテーションは、たとえば、注目部位(病変部等)を指す矢印や、注目部位を囲む円、楕円、多角形、或いは、注目部位を囲むようにフリーハンドで描かれた線等、医用画像上に描出される図形である。具体例として、読影医は、円形状のアノテーションを選択し、マウス等の入力部41により医用画像中の注目部位を囲むように指示を行う。この入力に応じてアノテーション部423aは、医用画像の該当部分に円形状のアノテーションAを表示させる(図3A参照)。アノテーションは、1枚の医用画像に複数箇所、付加されてもよい。」
ウ 引用文献3
本願の優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2014-149689号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。
(引3ア)
「【0026】アノテーションは、医用画像中に付加することで注目部位等を認識し易くするためのマークである。アノテーションは、様々な形態で表示される。たとえば、アノテーションは、注目部位(病変部等)を指す矢印や、注目部位を囲む円、楕円、多角形、或いは、注目部位を囲むようにフリーハンドで描かれた線等、医用画像上に描出される図形である。また、アノテーションには、注目部位の大きさを示す目盛り等も含まれる。」
エ 引用文献4
本願の優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2015-156898号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の事項が記載されている。
(引4ア)
「【0038】アノテーション等の位置座標は、例えば、表示部などに表示された場合のアノテーション画像の中心点を原点とするものである。具体的には、アノテーション等が付加される医用画像の左上の座標を基準点(0,0)として決定する方法が挙げられる。位置座標は、例えば、アノテーションの作図の始点の位置座標、スタンプ、シェーマのオブジェクトの始点位置座標に設定してもよい。ここで、アノテーションは、例えば、注目部位(病変部等)を指す矢印や、注目部位を囲む円、楕円、多角形、或いは、注目部位を囲むようにフリーハンドで描かれた線等、医用画像上に描出される図形である。また、スタンプとは、例えば、注目部位(病変部等)を所見から指し示す際に使われる記号文字や、定型化された文字、丸数字等で、医用画像上に貼り付けることのできる脚注である。シェーマとは、例えば、医用画像を抽象化して注目部位や所見の内容を図解するために使われる身体部位の絵図で、医用画像上に貼り付けられるか、または、医用画像とは別に添付画像となり得る絵図である。アノテーション、スタンプ、シェーマは、1枚の医用画像に複数箇所付加してもよい。」
オ 引用文献5について
本願の優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2013-255541号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の事項が記載されている。
(引5ア)
「【0027】ここで、アノテーション情報(付加情報)は、画像に付帯可能な情報全般を指す付帯情報である。アノテーション情報としては、表示画面上の座標を持つ付加情報と、表示画面上の座標を持たない付加情報がある。表示画面上の座標を持つ付加情報としては、特定オブジェクトを示すために利用者が記入した矢印や手描きによる血管壁、さらに、それらに対するコメントなどが挙げられる。また、表示画面上の座標を持たない付加情報としては、あるX線画像とフュージョン(融合)するために必要な機械系の情報(例えば、フュージョン情報)が挙げられる。また、この機械系の情報としては、保持装置4及び寝台2(天板2a)の位置や角度、SID(Source Image Distance:X線管焦点と受像面との距離)、FOV(Field Of View:有効視野)、Zoom(倍率)などが挙げられる。」
(引5イ)
「【0033】ここで、医師や助手などの利用者は、表示部6により表示されたマスク画像を視認しながら、マウスやキーボード、タッチパネルなどの入力部7cを操作して目印やコメントなどのアノテーション情報を入力することになる。」
カ 引用文献6について
本願の優先権主張日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2006-255395号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の事項が記載されている。
(引6ア)
「【0041】ユーザが、関心のある特定の領域を円で囲むなど、画像上にマークを付けたい場合、あるいは画像にアノテーションを付けたい場合、ユーザは、タッチスクリーン22の最下部に配置されたテレストレーション(telestration)アイコン114を押すことができる。これで、図13に示したように、ユーザは、ディスプレイウィンドウ40に現われる画像の上に自身の指で描くことによって、現在選択されているソース24から経路指定されている画像にマークを付けることが可能になる。」
(引6イ)図13
[図:0001387132000007.jpg]
なお、引用文献2~6は、本件補正により提示することが必要となった文献である。
(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「医用画像診断装置」は、「被検体2を撮像して医用画像を生成する撮像部10」を備えているから、本件補正発明の「医療イメージングシステム」に相当する。引用発明の「医用画像」は、本件補正発明の「画像」に相当する。
また、引用発明の「レイヤー」は、「医用画像上にアノテーションを配置するための」ものであって、「医用画像」に対して「生成」されるものであり、「アノテーション」は「レイヤー」に「記入」されることから、引用発明は、「医用画像」に「関連づけ」た「レイヤー」に、「アノテーション」を「記入」するものといえる。そして、引用発明の「キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置」が、「レイヤー」に「アノテーション」を「記入」する「入力装置」であることは明らかであるから、引用発明の「キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置」は、「医用画像表示装置20」が「操作者」からの「アノテーション」の「記入」を受け取るユーザーインターフェイスであるといえる。
よって、引用発明の「医用画像診断装置」の「撮影部10で生成された医用画像」に「関連づけ」られた「レイヤー」に、「操作者」が「アノテーション」を「記入」する「キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置」と、本件補正発明の「医療イメージングシステムによって取得された画像に関連付けられる、ユーザからのフリーフォーム描画を含むアノテーション入力を受け取るタッチスクリーン」とは、「医療イメージングシステムによって取得された画像に関連付けられる、ユーザからのアノテーション入力を受け取るユーザーインターフェイス」の点で共通する。
イ 引用発明の「レイヤー」は、「医用画像上にアノテーションを配置するための」ものであるから、「レイヤー」が「医用画像上に」重畳されることは明らかである。よって、引用発明の「レイヤー」は、本件補正発明の「グラフィックオーバーレイ」に相当する。また、引用発明の「医用画像」に「関連づけ」た「アノテーション」を「記入」した「レイヤー」を「生成」することは、本件補正発明の「アノテーションとして前記画像に関連付けられるグラフィックオーバーレイを生成」することに相当する。また、引用発明の「レイヤー生成部24」は、「医用画像上に」「レイヤー」を「生成」処理する画像処理部であるから、本件補正発明の「グラフィックプロセッサ」に相当する。
そして、引用発明の「レイヤー生成部24」では、「レイヤーに記入された「アノテーション」の内容」と「各レイヤーにおけるアノテーションの「入力位置」」とを「関連づけて記録」することから、引用発明の「レイヤーに記入された「アノテーション」の内容」に「関連づけ」る「各レイヤーにおけるアノテーションの「入力位置」」は、本件補正発明の「アノテーション」に「関連付ける」「メタデータ」に相当する。
したがって、引用発明の「キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置」により「アノテーション」が「記入」され、前記「医用画像」に「関連づけ」た「アノテーション」を「記入」した「レイヤー」を「生成」し、さらに、「レイヤーに記入された「アノテーション」の内容」に「各レイヤーにおけるアノテーションの「入力位置」」を関連づけ」る「レイヤー生成部24」と、本件補正発明の「前記タッチスクリーンから前記アノテーション入力を受け取り、少なくとも部分的に前記アノテーション入力に基づき、アノテーションとして前記画像に関連付けられるグラフィックオーバーレイを生成し、さらに、前記アノテーションにメタデータを関連付けるグラフィックスプロセッサ」とは、「前記ユーザーインターフェイスから前記アノテーション入力を受け取り、少なくとも部分的に前記アノテーション入力に基づき、アノテーションとして前記画像に関連付けられるグラフィックオーバーレイを生成し、さらに、前記アノテーションにメタデータを関連付けるグラフィックプロセッサ」の点で共通する。
ウ 引用発明では、「レイヤー」は「アノテーションを入力・表示する」ものであるから、引用発明の「医用画像及びレイヤーを表示する表示部28」は、本件補正発明の「前記画像及び前記アノテーションを表示するディスプレイ」に相当する。
エ 引用発明は、「画像記憶部22」が「医用画像を固有に特定する画像番号(例えば「101」)など付帯した医用画像を記憶」し、「管理情報記憶部26」が、「レイヤーが生成された医用画像の識別情報からなる「画像番号」(例えば画像101)」に「関連づけて」、「アノテーションの内容」を「記憶」するものである。
よって、引用発明の「画像記憶部22」と「管理情報記憶部26」は、本件補正発明の「前記画像及び前記アノテーションを保存するメモリ」に相当する。
以上のことから、本件補正発明と引用発明とは、次の点で一致し、次の各点で相違する。
(一致点)
「 医療イメージングシステムによって取得された画像に関連付けられる、ユーザからのアノテーション入力を受け取るユーザーインターフェイスと、前記ユーザーインターフェイスから前記アノテーション入力を受け取り、少なくとも部分的に前記アノテーション入力に基づき、アノテーションとして前記画像に関連付けられるグラフィックオーバーレイを生成し、さらに、前記アノテーションにメタデータを関連付けるグラフィックスプロセッサと、前記画像及び前記アノテーションを表示するディスプレイと、前記画像及び前記アノテーションを保存するメモリとを備える、医療イメージングシステム。」
(相違点1)
アノテーション入力を受け取るユーザーインターフェイスが、本件補正発明では、「タッチスクリーン」であるのに対し、引用発明では、「キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置」である点。
(相違点2)
アノテーション入力が、本件補正発明では、「フリーフォーム描画を含む」のに対し、引用発明では、そのような特定がない点。
(4)判断
上記各相違点について検討する。
ア 相違点1について
アノテーション入力に「タッチパネル」を用いることは、引用文献5及び6に記載されているように本願の優先権主張日前における周知技術であるところ、引用発明では、アノテーション入力を、「キーボード、マウス、タッチパネルなど」のいずれかの入力装置にて行うとものと解せるから、アノテーション入力を「タッチパネル」にて必ず行うとまでは解せない引用発明において、「病巣陰影を示すマーカを付けるアイコン」の「選択」や、「入力領域131の任意の位置」への「マーカ132」の「入力」などのアノテーション入力を「タッチパネル」にて行うようにすることにより、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
イ 相違点2について
医用画像に付す、注目部位を囲むなどのアノテーションをフリーハンドで描くことは、引用文献2~6に記載されているように本願の優先権主張日前における周知技術である。
そして、引用発明は、「操作者は、病巣陰影を示すマーカを付けるアイコンを選択すると、入力領域131の任意の位置にマーカ132を入力することができる」ものであるところ、引用発明において、医用画像上の病巣陰影をより正確に特定することは内在する課題要請といえることから、そのために上記周知技術を適用し、アノテーションを入力する方法の一つとして、医用画像に付す、病巣陰影を囲むなどのマーカ(アノテーション)をフリーハンドで描くことを含めることにより、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び上記周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(5)請求人の主張
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請求人は、審判請求書において、「引用文献1は、アノテーション入力を行う際、ドラック操作を行うに留まり、ユーザによるフリーフォーム描画により、アノテーション入力を行う旨の開示も示唆もしていない」と主張している。たしかに、引用文献1には、アノテーション入力をフリーフォーム描画により行う点について記載されていないが、この点は本件補正により特定された事項であって、この点の判断は上記(4)イに示したとおりである。
(6)小括
したがって、本件補正発明は、引用発明、及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和3年8月25日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし15に係る発明は、令和元年9月25日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)アに記載したとおりである。
4 対比・判断
本件補正発明は、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。そして、本件補正発明から、上記相違点2における「アノテーション入力」に係る限定事項を削除した本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-011301