商標拒絶査定不服審判
2021-011176
リッチジュンカツゼリー、リッチ
- 審判番号
- 2021-011176
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-121910
- 請求日
- 2021年08月23日
- 審決日
- 2022年03月16日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ユタカ株式会社
- 【請求人代理人】渡辺 隆一
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 大森 友子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .261-Z (W05) / T18 .262-Z (W05) / T18 .263-Z (W05) / T18 .264-Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-121910拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年10月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月 1日付け:拒絶理由通知
令和3年4月 2日 :意見書の提出
令和3年6月15日付け:拒絶査定
令和3年8月23日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第5類「身体用性的潤滑剤」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第1506178号商標(以下「引用商標」という。)は、二段に横書きしてなる「リッチ」及び「RICH」の文字よりなり、昭和50年5月28日登録出願、第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同57年3月31日に設定登録され、その後、平成16年3月24日に第1類、第2類、第3類、第5類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものである。さらに、令和4年1月25日に指定商品を第5類「薬剤」とする、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、四隅を円弧状に切り落とし、薄紫色で塗りつぶしてなる横長長方形図形内に、外周の内側に沿って細い白線を配し、それぞれ白抜きで表した筆記体様の「Rich」の欧文字(欧文字の両脇には、欧文字を強調するように花びら様の図形が配されている)を上段に、「リッチ」の片仮名(片仮名の両脇には、片仮名を強調するように「~」の記号が配されている)を中段に、「潤滑ゼリー」の文字を下段に配した構成よりなるものである。
本願商標の構成を観察するに、横長長方形図形は、単に背景と認識されるものであり、また、白線、上段に配された花びら様の図形及び中段に配された「~」の記号は、特定の意味合いを直ちに想起させない図形・記号と認められ、単に文字部分を強調するため、又は装飾的に配置されているとの印象を与える。よって、これら横長長方形図形、花びら様図形及び記号からは特定の称呼及び観念は生じないというべきである。
そして、本願商標構成中の「Rich」及び「リッチ」並びに「潤滑ゼリー」の文字を見るに、これらの文字は文字種及び文字の大きさが異なる上に、上段の「Rich」の欧文字と、その読みを片仮名で表した中段の「リッチ」の文字は、近接して表示されていることに加え、「Rich」の欧文字と「リッチ」の片仮名の両脇には当該文字を強調するように図形及び「~」の記号が付されている。そうすると、「Rich」及び「リッチ」の文字は、「潤滑ゼリー」の文字に比して看者に強い印象を与えるものである。
また、「Rich」及び「リッチ」の文字は、「豊かな、金がある、高価な」等(英辞郎 on the WEB)の意味を有する一般によく知られた英単語及びその読みを片仮名で表記したものと理解されるところ、指定商品の品質を直接表したものとは認められない。
さらに、原審において引用された情報及び別掲2のインターネット情報によれば、「潤滑ゼリー」の文字は、本願の指定商品である「身体用性的潤滑剤」を表示するものとして一般に広く使用されている実情が確認できることから、本願商標の構成中「潤滑ゼリー」の文字部分は、本願の指定商品との関係において、自他商品識別標識としての機能が極めて弱い又はその機能を果たさないものとみるのが相当である。
以上よりすると、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、構成中の「Rich」の欧文字及びその読みを表示した「リッチ」の片仮名が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であって、該文字部分をもって取引にあたる場合も決して少なくないものといえるから、本願商標から該文字部分を要部として分離、抽出し、他人の商標と比較することも許されるものといえる。
したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、その構成全体より生じる「リッチジュンカツゼリー」の称呼の他にも要部である「Rich」及び「リッチ」の文字部分に相応した「リッチ」の称呼及び「豊かな、金がある、高価な」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上段に「リッチ」の片仮名を、下段に「RICH」の欧文字を配した構成よりなるところ、上段の片仮名は、下段の欧文字の読みを表したものと理解されるものである。そうすると、引用商標は、「リッチ」及び「RICH」の文字に相応して、「リッチ」の称呼及び「豊かな、金がある、高価な」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観においては、両者はその全体構成において差異を有するものであるが、本願商標の要部である「Rich」及び「リッチ」の文字部分と、引用商標を比較したときは、書体、文字の種類(大文字と小文字)及び文字配置順が相違するとしても、二段書きの構成及び構成文字を同一にするものであり、外観上、互いに近似した印象を与えるものである。
また、本願商標の要部と引用商標とは、「リッチ」の称呼及び「豊かな、金がある、高価な」の観念を同一にするものである。
そうすると、本願商標の要部と引用商標とは、称呼及び観念を同一にするものであって、外観も近似した印象を与えるものであるから、これらを総合的に勘案すると、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品
本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであると認められる。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、先願に係る他人の登録商標である引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標に係る指定商品と類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、「Rich」「~リッチ~」「潤滑ゼリー」の文字部分が、横長長方形図形内に上下三段にまとまりよく配されているという極めて特徴的な外観を有するものであって、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、上記(3)のとおり、本願商標をその指定商品に使用するときは、本願商標構成中の「Rich」の欧文字部分及びその読みを表示する「リッチ」の片仮名部分が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であって、該文字部分をもって取引にあたる場合も決して少なくないものといえるから、本願商標から該文字部分を要部として分離、抽出し、他人の商標と比較することも、許されるものであり、かつ、該文字部分と引用商標を比較したときには類似するものである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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