特許拒絶査定不服審判
2021-007993
遊技機
- 審判番号
- 2021-007993
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-195175外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年06月17日
- 審決日
- 2022年06月21日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社大一商会
- 分類
- P18 .121-WZ (A63F) / P18 .113-WZ (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2016-195175「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月12日出願公開、特開2018- 57447〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成28年9月30日の出願であって、令和2年7月1日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月4日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和3年3月15日付け(送達日:同年同月23日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年6月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、令和4年3月23日付けで拒絶の理由が通知され、同年5月16日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和4年5月16日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(符号A等は、本願発明を分説するために当審で付与した)。
「【請求項1】
A 所定の始動条件の成立に基づいて、抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、
B 前記抽選情報取得手段が取得した抽選情報を用いて抽選を行う抽選手段と、
C 前記抽選手段による抽選結果が特定結果であることに基づいて有利遊技状態を遊技者に付与する有利遊技付与手段と、
D 所定の開始条件の成立に基づいて前記抽選手段の抽選結果に応じた図柄変動を開始する図柄変動実行手段と、
E 前記図柄変動実行手段によって開始される前記図柄変動における変動演出を前記抽選手段の抽選結果に基づき決定する変動演出決定手段と、
F 始動条件の成立に基づいて取得した抽選情報の抽選結果を開始条件の成立前に事前判定する事前判定手段と、
G 前記抽選手段の抽選結果を前記図柄変動の変動結果として表示する抽選結果表示手段と、
H 前記図柄変動の変動結果として前記特定結果が表示されることを示唆する演出を実行する示唆演出実行手段と、 を備えた遊技機であって、
I 前記示唆演出実行手段は、
I1 前記事前判定手段による判定結果が前記特定結果である場合に、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において、後に行われる前記図柄変動の変動結果として前記特定結果が表示されることを示唆する特定演出を実行可能とされており、
J 前記事前判定手段による判定結果が前記特定結果と判定された抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において実行されえる変動演出は、前記特定結果が表示されるか否かを演出するリーチ演出が行われる前のリーチ前変動演出と前記リーチ演出が行われているリーチ中変動演出を含み構成されており、前記リーチ中変動演出において実行されるリーチ中演出態様は、第1リーチ態様と前記第1リーチ態様が実行される第1演出実行時間と共通した第2演出実行時間で実行可能とされた第2リーチ態様とを含み、
K 前記リーチ中変動演出で実行可能とされた前記第2リーチ態様は、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において前記特定演出が実行されたときに、前記第1演出実行時間で実行される前記第1リーチ態様の前記リーチ中演出態様に対して前記特定演出に対応する特定追加演出が追加された演出態様で前記第1演出実行時間と共通する前記第2演出実行時間実行されうる
L ことを特徴とする遊技機。」
第3 当審拒絶理由の概要
令和4年3月23日付けの当審における拒絶の理由のうちの理由2は、以下のとおりのものである。
2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
●理由2(進歩性)について
1 引用文献1による理由
・請求項1
・引用文献1
2 引用文献1-3による理由
・請求項1
・引用文献1-3
<引用文献等一覧>
引用文献1:特開2016-104412号公報
引用文献2:特開2015-167640号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3:特開2015-142860号公報(周知技術を示す文献)
第4 引用文献1による理由
1 引用文献の記載、引用発明、周知技術
(1)引用文献1の記載及び引用発明
ア 記載事項
令和4年3月23日付けの当審における拒絶の理由において引用文献1として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-104412号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ)。
「【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成を説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。」
「【0021】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。」
「【0035】
また、演出表示装置9の表示画面には、実行中の可変表示に対応する保留表示を可変表示対応保留表示として表示する保留ボックス(可変表示対応保留表示部)9Fの表示領域がある。」
「【0121】
また、この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。」
「【0135】
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
【0136】
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。
【0137】
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。なお、ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。」
「【0142】
次いで、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
【0143】
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
【0144】
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。」
「【0147】
図14は、ステップS218A,S218Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、ステップS215A,S215Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS221)。
【0148】
なお、この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否かを決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動が開始される前に、入賞時判定処理を実行する。入賞時判定処理における判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信することによって、演出図柄の変動が実行されるより前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)を実行する。」
「【0157】
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、処理を終了する。
…
【0165】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図7(A)参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS216Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS216Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。」
…
【0167】
大当りとすることに決定した場合には、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
【0168】
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS74に移行する。」
…
【0171】
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS74)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「-」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。」
「【0185】
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS127)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。」
「【0222】
図26に示す例では、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の可変表示が実行されているときに(図26(A)参照)、新たな始動入賞が発生すると、保留表示の数が1増えるが、新たな始動入賞に対応する保留表示(保留表示Aとする。)は、通常態様とは異なる態様で表示されることがある(図26(B)参照)。」
「【0228】
図27[右側]に示す例では、可変表示を開始可能な状態になると(図27[右側](A)参照)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、可変表示を開始するときに、開始される可変表示に対応する保留表示(保留表示Cとする。)を保留ボックス9Fの内部に表示する(図27[右側](B)参照)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常の表示領域から保留表示Cを消去する。
【0229】
その後、リーチになる前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示する(図27[右側](C)参照)参照)。この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化しない。
【0230】
そして、リーチになった後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる(図27[右側](D,E)参照)参照)。」
「【0233】
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタ画像9aを表示した場合に、リーチになる前またはリーチになった後に保留表示の態様が必ず変化するように制御するが、すなわち、保留表示の態様を変化させない場合(図31におけるパターン1,4,5参照)にはキャラクタ画像9aを表示しないが、リーチになる前およびリーチになった後に保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示するようにしてもよい。」
「【図31】
[図:0001387958000001.jpg]
」
イ 認定事項
引用文献1の図31の大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルのパターン4、8の備考等を参照すると、大当りの場合に、保留態様の変化が、始動入賞時にのみ実行される場合と、始動入賞時とリーチ演出中に実行される場合があること(以下「認定事項」という。)が認められる。
ウ 引用発明
上記ア及びイによれば、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(本願発明の符号A等に対応させて符号a等を当審にて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。)。
「a 始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認し、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否か、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認し、第1保留記憶数、第2保留記憶数が上限値に達していなければ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、ランダムR(大当り判定用乱数)や、大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行し(【0135】-【0137】、【0142】-【0144】)、
bce CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定し(【0165】)、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定し(【0171】)、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、すなわち、はずれである場合には(【0168】)、はずれ図柄である「-」を特別図柄の停止図柄に決定し(【0171】)、
d 第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示し(【0021】)、
fh 入賞時判定処理では、CPU56は、抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認し(【0147】)、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動が開始される前に、入賞時判定処理を実行し、入賞時判定処理における判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信することによって、演出図柄の変動が実行されるより前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)を実行する(【0148】)パチンコ遊技機1であって(【0014】)、
g 特別図柄通常処理において(【0157】)、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定し(【0165】)、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもあり(【0167】)、特別図柄の停止図柄を決定し(【0171】)、特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行い(【0185】)、
i-i1 演出表示装置9における左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の可変表示が実行されているときに、新たな始動入賞が発生すると、保留表示の数が1増えるが、新たな始動入賞に対応する保留表示(保留表示Aとする。)は、通常態様とは異なる態様で表示されることがあり(【0121】、【0222】)、
j-k 可変表示を開始可能な状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、可変表示を開始するときに、開始される可変表示に対応する保留表示(保留表示Cとする。)を演出表示装置9の表示画面の保留ボックス9Fの内部に表示し、通常の表示領域から保留表示Cを消去し、その後、リーチになる前に、演出表示装置9の表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し、この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化せず、リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させることがあり(【0035】、【0228】-【0230】)、リーチになる前およびリーチになった後に保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示することがあり(【0233】)、大当りの場合に、保留態様の変化が、始動入賞時にのみ実行される場合と、始動入賞時とリーチ演出中に実行される場合がある(図31、認定事項)
l パチンコ遊技機1(【0014】)。」
(2)引用文献2~3の記載及び周知技術
ア 引用文献2の記載
令和4年3月23日付けの当審における拒絶の理由において引用文献2として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-167640号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0012】
この図1に示す遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠2に内枠(開閉枠)3が開閉可能に装着され、この内枠3にガラス枠4が開閉可能に装着されている。
ガラス枠4には窓4aが形成され、その窓4aに透明板4bが装着されている。内枠3には遊技球が打出される盤面を有する遊技盤10が装着され、この遊技盤10の盤面とその前側の透明板4bとの間に遊技球が転動、流下可能な遊技領域10aが形成されている。透明板4bは、例えばガラス板であり、ガラス枠4に対して着脱可能に固定されている。」
「【0325】
次に、主制御基板110から受信した変動パターン指定コマンドが「E6H」「21H」のときは、演出用乱数値1の値「0」~「99」に関係なく変動演出パターン31を選択する。そして、特別図柄の変動開始時には、変動演出パターン31に対応する演出パターン指定コマンド「A1H」「31H」を生成して、画像制御基板150に送信する。変動演出パターン31の演出内容は、例えばリーチD1’演出(当たり演出)である。リーチD1’演出は、演出図柄35の再抽選演出を行わないリーチD1演出とされる。しかし、リーチD1’演出は、再抽選演出を行わないにも関わらず、リーチD1演出と同じ変動時間(90秒)に設定されているので、リーチD1’演出では装飾図柄35の仮停止時間を長くして対応することが好ましい。なお、演出図柄35の再抽選演出については後述する。」
「【0446】
また、本発明の遊技機の画像表示装置に用いる表示装置としては、液晶表示装置、リアプロジェクタ、その他、任意の表示装置を採用することができる。
また、本発明はパチンコ遊技機のみならず、スロットマシン、その他、表示装置を有した遊技機、ゲーム機一般に適用することができる。」
イ 引用文献3の記載
令和4年3月23日付けの当審における拒絶の理由において引用文献3として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-142860号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0017】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1~図48を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。」
「【0109】
なお、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により実行される
ノーマルリーチ、スーパーリーチ及びスペシャルリーチは、同じ変動時間であっても演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチに加え、有効ラインL1上の2つの図柄が同一図柄となってリーチ状態となったときやその他のタイミングで、所定のキャラクタが表示されるリーチが用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、変動開始前の予告演出が付加されるリーチ、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチなど、演出内容が異なる複数のリーチが用意されている。これにより、多彩な変動演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。」
ウ 周知技術
上記ア及びイより、パチンコ遊技機において、ある演出を付加するリーチ演出と付加しないリーチ演出とで、同じ変動時間を設定することは、周知技術である(以下「周知技術」という。)。
2 対比
本願発明と引用発明とを分節に従い対比する。
(a)引用発明の「第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオン」しており、「第1保留記憶数、第2保留記憶数が上限値に達して」いないことは、本願発明の「所定の始動条件の成立」に相当する。
引用発明の「ランダムR(大当り判定用乱数)や、大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)」は、本願発明の「抽選情報」に相当する。
引用発明の「CPU56」は、「第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオン」しており、「第1保留記憶数、第2保留記憶数が上限値に達して」いなければ、「ランダムR(大当り判定用乱数)や、大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)」を「抽出」するものであるから、本願発明の「所定の始動条件の成立に基づいて、抽選情報を取得する抽選情報取得手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成aは、本願発明の構成Aに相当する構成を有する。
(b)引用発明の「現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定」すること、及び「ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認」することは、本願発明の「前記抽選情報取得手段が取得した抽選情報を用いて抽選を行う」ことに相当する。
引用発明の「現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定」し、「ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認」する「CPU56」は、本願発明の「前記抽選情報取得手段が取得した抽選情報を用いて抽選を行う抽選手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成bceは、本願発明の構成Bに相当する構成を有する。
(c)引用発明の「大当り決定用乱数値がいずれかの大当り判定値に一致する」こと、及び「大当り(確変大当り、または通常大当り)にすることに決定」することは、それぞれ本願発明の「前記抽選手段による抽選結果が特定結果であること」及び「有利遊技状態を遊技者に付与する」ことに相当する。
引用発明の「大当り決定用乱数値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、または通常大当り)にすることに決定」する「CPU56」は、本願発明の「前記抽選手段による抽選結果が特定結果であることに基づいて有利遊技状態を遊技者に付与する有利遊技付与手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成bceは、本願発明の構成Cに相当する構成を有する。
(d)引用発明の「可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて」、「第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示」を「開始」することは、本願発明の「所定の開始条件の成立に基づいて前記抽選手段の抽選結果に応じた図柄変動を開始する」ことに相当する。
引用発明が、「可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて」、「第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示」を「開始」する手段を備えることは明らかであり、当該手段は、本願発明の「所定の開始条件の成立に基づいて前記抽選手段の抽選結果に応じた図柄変動を開始する図柄変動実行手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成dは、本願発明の構成Dに相当する構成を有する。
(e)引用発明の「CPU56」は、「現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定し、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定し、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、すなわち、はずれである場合には、はずれ図柄である「-」を特別図柄の停止図柄に決定」するものであるから、本願発明の「前記図柄変動実行手段によって開始される前記図柄変動における変動演出を前記抽選手段の抽選結果に基づき決定する変動演出決定手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成bceは、本願発明の構成Eに相当する構成を有する。
(f)引用発明の「抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と通常時の大当り判定値とを比較」すること及び「始動入賞にもとづく変動が開始される前に」は、それぞれ本願発明の「始動条件の成立に基づいて取得した抽選情報の抽選結果」を「判定」すること及び「開始条件の成立前に」に相当する。
引用発明の「始動入賞にもとづく変動が開始される前に」「抽出され保留記憶バッファに格納されたと通常時の大当り判定値とを比較」する「入賞時判定処理を実行」することは、本願発明の「始動条件の成立に基づいて取得した抽選情報の抽選結果を開始条件の成立前に事前判定する」ことに相当する。
引用発明の「入賞時判定処理を実行」する「CPU56」は、本願発明の「始動条件の成立に基づいて取得した抽選情報の抽選結果を開始条件の成立前に事前判定する事前判定手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成fhは、本願発明の構成Fに相当する構成を有する。
(g)引用発明において、「現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定し」、「特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定」して、「第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行」うことは、本願発明の「前記抽選手段の抽選結果を前記図柄変動の変動結果として表示する」ことに相当する。
引用発明の「現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定し」、「特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定」して、「第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行」う「CPU56」は、本願発明の「前記抽選手段の抽選結果を前記図柄変動の変動結果として表示する抽選結果表示手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成gは、本願発明の構成Gに相当する構成を有する。
(h)引用発明の「演出図柄の変動が実行されるより前に」、「大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)を実行する」こと、及び引用発明の構成j-kの「保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」ことは、本願発明の「前記図柄変動の変動結果として前記特定結果が表示されることを示唆する演出を実行する」ことに相当する。
引用発明において、「演出図柄の変動が実行されるより前に」、「大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)を実行する」のは、「演出制御用マイクロコンピュータ100」であり、引用発明の構成j-kによれば、「保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」のは、「演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)」であるから、引用発明の「演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)」は、本願発明の「前記図柄変動の変動結果として前記特定結果が表示されることを示唆する演出を実行する示唆演出実行手段」に相当する。
引用発明の「パチンコ遊技機1」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明の構成fh、j-kは、本願発明の構成Hに相当する構成を有する。
(i-i1)引用発明の「演出表示装置9における左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の可変表示が実行されているときに、新たな始動入賞が発生すると、保留表示の数が1増えるが、新たな始動入賞に対応する保留表示(保留表示Aとする。)は、通常態様とは異なる態様で表示される」ことは、引用発明の構成fhの「大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)」として行われるものであり、「新たな始動入賞」が「大当り」になる場合に実行可能であることは明らかであるから、本願発明の「前記事前判定手段による判定結果が前記特定結果である場合に、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において、後に行われる前記図柄変動の変動結果として前記特定結果が表示されることを示唆する特定演出を実行可能とされて」いることに相当する。
引用発明の構成fhの「演出制御用マイクロコンピュータ100」が、「大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)を実行する」ことは、本願発明の「前記示唆演出実行手段は」、「前記事前判定手段による判定結果が前記特定結果である場合に、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において、後に行われる前記図柄変動の変動結果として前記特定結果が表示されることを示唆する特定演出を実行可能とされて」いることに相当する。
したがって、引用発明の構成fh、i-i1は、本願発明の構成I、I1に相当する構成を備えている。
(j)引用発明において、「可変表示を開始」してから「その後、リーチになる前」及び「リーチになった後」に「可変表示」等の演出が行われることは明らかであり、「リーチになる前」及び「リーチになった後」に行われる「可変表示」は、それぞれ本願発明の「前記特定結果が表示されるか否かを演出するリーチ演出が行われる前のリーチ前変動演出」及び「前記リーチ演出が行われているリーチ中変動演出」に相当する。
引用発明の「大当りの場合に、保留態様の変化が、始動入賞時にのみ実行される場合」であって、「リーチになる前およびリーチになった後に保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示する」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様は、本願発明の「第1リーチ態様」に相当する。
引用発明の「大当りの場合に、保留態様の変化が」「始動入賞時とリーチ演出中に実行される場合」であって、「リーチになる前に、演出表示装置9の表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し、この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化せず、リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様は、本願発明の「第2リーチ態様」に相当する。
そして、引用発明の「大当りの場合に、保留態様の変化が、始動入賞時にのみ実行される場合」であって、「リーチになる前およびリーチになった後に保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示する」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様が実行される時間、及び「大当りの場合に、保留態様の変化が」「始動入賞時とリーチ演出中に実行される場合」であって、「リーチになる前に、演出表示装置9の表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し、この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化せず、リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様が実行される時間は、それぞれ本願発明の「前記第1リーチ態様が実行される第1演出実行時間」及び「第2リーチ態様」が「実行可能」である「第2演出実行時間」に相当する。
したがって、引用発明の構成j-kと本願発明の構成Jは、
「前記事前判定手段による判定結果が前記特定結果と判定された抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において実行されえる変動演出は、前記特定結果が表示されるか否かを演出するリーチ演出が行われる前のリーチ前変動演出と前記リーチ演出が行われているリーチ中変動演出を含み構成されており、前記リーチ中変動演出において実行されるリーチ中演出態様は、第1リーチ態様と」「第2リーチ態様とを含」み、「第1リーチ態様」が「第1演出実行時間」で「実行され、」「第2リーチ態様」が「第2演出実行時間で実行可能」である
点で共通する。
(k)引用発明において、大当りとなる「保留態様の変化」が「始動入賞時」に行われるとき、当該保留よりも前の保留の可変表示中に実行されるときがあることは、技術常識から明らかであり、このようなときは、本願発明の「前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において前記特定演出が実行されたとき」に相当する。
引用発明の「大当りの場合に、保留態様の変化が」「始動入賞時とリーチ演出中に実行される場合」であって、「リーチになる前に、演出表示装置9の表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し、この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化せず、リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様(本願発明の「第2リーチ態様」に相当。)は、「大当りの場合に、保留態様の変化が、始動入賞時にのみ実行される場合」であって、「リーチになる前およびリーチになった後に保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示する」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様(本願発明の「第1リーチ態様」に相当。)に対して、「新たな始動入賞に対応する保留表示」が「通常態様とは異なる態様で表示される」演出(本願発明の「特定演出」に相当。)に対応する「リーチ演出中に実行される」「保留表示の態様を変化させる」演出(本願発明の「特定追加演出」に相当。)が追加された演出態様で実行されうるものといえる。
したがって、引用発明の構成j-kと本願発明の構成Kは、
「前記リーチ中変動演出で実行可能とされた前記第2リーチ態様は、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において前記特定演出が実行されたときに、前記第1演出実行時間で実行される前記第1リーチ態様の前記リーチ中演出態様に対して前記特定演出に対応する特定追加演出が追加された演出態様で」「実行されうる」
点で共通する。
(l)引用発明の「パチンコ遊技機1」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
以上によれば、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。
(一致点)
「A 所定の始動条件の成立に基づいて、抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、
B 前記抽選情報取得手段が取得した抽選情報を用いて抽選を行う抽選手段と、
C 前記抽選手段による抽選結果が特定結果であることに基づいて有利遊技状態を遊技者に付与する有利遊技付与手段と、
D 所定の開始条件の成立に基づいて前記抽選手段の抽選結果に応じた図柄変動を開始する図柄変動実行手段と、
E 前記図柄変動実行手段によって開始される前記図柄変動における変動演出を前記抽選手段の抽選結果に基づき決定する変動演出決定手段と、
F 始動条件の成立に基づいて取得した抽選情報の抽選結果を開始条件の成立前に事前判定する事前判定手段と、
G 前記抽選手段の抽選結果を前記図柄変動の変動結果として表示する抽選結果表示手段と、
H 前記図柄変動の変動結果として前記特定結果が表示されることを示唆する演出を実行する示唆演出実行手段と、 を備えた遊技機であって、
I 前記示唆演出実行手段は、
I1 前記事前判定手段による判定結果が前記特定結果である場合に、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において、後に行われる前記図柄変動の変動結果として前記特定結果が表示されることを示唆する特定演出を実行可能とされており、
J’ 前記事前判定手段による判定結果が前記特定結果と判定された抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において実行されえる変動演出は、前記特定結果が表示されるか否かを演出するリーチ演出が行われる前のリーチ前変動演出と前記リーチ演出が行われているリーチ中変動演出を含み構成されており、前記リーチ中変動演出において実行されるリーチ中演出態様は、第1リーチ態様と第2リーチ態様とを含み、第1リーチ態様が第1演出実行時間で実行され、第2リーチ態様が第2演出実行時間で実行可能であり、
K’ 前記リーチ中変動演出で実行可能とされた前記第2リーチ態様は、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において前記特定演出が実行されたときに、前記第1演出実行時間で実行される前記第1リーチ態様の前記リーチ中演出態様に対して前記特定演出に対応する特定追加演出が追加された演出態様で実行されうる
L 遊技機。」
(相違点)(構成J、K)
「第2リーチ態様」が、本願発明では、「第1リーチ態様」が実行される「第1演出実行時間」と共通した「第2演出実行時間」で実行可能又は実行されうるのに対して、引用発明では、「第1リーチ態様」が実行される「第1演出実行時間」と共通した「第2演出実行時間」で実行可能又は実行されうるのか明らかでない点。
3 判断
上記相違点について検討する。引用発明の「大当りの場合に、保留態様の変化が、始動入賞時にのみ実行される場合」であって、「リーチになる前およびリーチになった後に保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示する」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様(本願発明の「第1リーチ態様」に相当。)と、「大当りの場合に、保留態様の変化が」「始動入賞時とリーチ演出中に実行される場合」であって、「リーチになる前に、表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し、この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化せず、リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様(本願発明の「第2リーチ態様」に相当。)は、リーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出として保留態様の変化の有無以外に相違するところはなく、保留態様の変化は、そのための時間を追加することなく実行できるものであるから、引用発明において、上記2つのリーチの態様を実行する時間を共通するものとすることは、当業者が容易に想到できたことである。
また、本願発明が奏する効果は、当業者が、引用発明から予測し得た範囲内のものであって、格別なものではない。
第5 引用文献1~3による理由
1 引用文献の記載、引用発明、周知技術
引用発明及び周知技術は、上記「第4 引用文献1による理由」「1 引用文献の記載、引用発明、周知技術」で示したものと同じである。
2 対比
(a)-(i-i1)、(l)については、上記「第4 引用文献1による理由」「2 対比」で示したものと同じである。
(j)引用発明において、「可変表示を開始」してから「その後、リーチになる前」及び「リーチになった後」に「可変表示」等の演出が行われることは明らかであり、「リーチになる前」及び「リーチになった後」に行われる「可変表示」は、それぞれ本願発明の「前記特定結果が表示されるか否かを演出するリーチ演出が行われる前のリーチ前変動演出」及び「前記リーチ演出が行われているリーチ中変動演出」に相当する。
引用発明の「大当りの場合に、保留態様の変化が、始動入賞時にのみ実行される場合」のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様は、本願発明の「第1リーチ態様」に相当する。
引用発明の「大当りの場合に、保留態様の変化が」「始動入賞時とリーチ演出中に実行される場合」であって、「リーチになる前に、演出表示装置9の表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し、この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化せず、リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様は、本願発明の「第2リーチ態様」に相当する。
そして、引用発明の「大当りの場合に、保留態様の変化が、始動入賞時にのみ実行される場合」のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様が実行される時間、及び「大当りの場合に、保留態様の変化が」「始動入賞時とリーチ演出中に実行される場合」であって、「リーチになる前に、演出表示装置9の表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し、この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化せず、リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様が実行される時間は、それぞれ本願発明の「前記第1リーチ態様が実行される第1演出実行時間」及び「第2リーチ態様」が「実行可能」である「第2演出実行時間」に相当する。
したがって、引用発明の構成j-kと本願発明の構成Jは、
「前記事前判定手段による判定結果が前記特定結果と判定された抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において実行されえる変動演出は、前記特定結果が表示されるか否かを演出するリーチ演出が行われる前のリーチ前変動演出と前記リーチ演出が行われているリーチ中変動演出を含み構成されており、前記リーチ中変動演出において実行されるリーチ中演出態様は、第1リーチ態様と」「第2リーチ態様とを含」み、「第1リーチ態様」が「第1演出実行時間」で「実行され、」「第2リーチ態様」が「第2演出実行時間で実行可能」である
点で共通する。
(k)引用発明において、大当りとなる「保留態様の変化」が「始動入賞時」に行われるとき、当該保留よりも前の保留の可変表示中に実行されるときがあることは、技術常識から明らかであり、このようなときは、本願発明の「前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において前記特定演出が実行されたとき」に相当する。
引用発明の「大当りの場合に、保留態様の変化が」「始動入賞時とリーチ演出中に実行される場合」であって、「リーチになる前に、演出表示装置9の表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し、この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化せず、リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」場合のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様(本願発明の「第2リーチ態様」に相当。)は、「大当りの場合に、保留態様の変化が、始動入賞時にのみ実行される場合」のリーチ中に演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様(本願発明の「第1リーチ態様」に相当。)に対して、「大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)」(本願発明の「特定演出」に相当。)に対応する「リーチになる前に、演出表示装置9の表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し」、「リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」演出(本願発明の「特定追加演出」に相当。)が追加された演出態様で実行されうるものといえる。
したがって、引用発明の構成j-kと本願発明の構成Kは、
「前記リーチ中変動演出で実行可能とされた前記第2リーチ態様は、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において前記特定演出が実行されたときに、前記第1演出実行時間で実行される前記第1リーチ態様の前記リーチ中演出態様に対して前記特定演出に対応する特定追加演出が追加された演出態様で」「実行されうる」
点で共通する。
以上によれば、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、上記「第4 引用文献1による理由」「2 対比」で示した一致点と同一の点で一致し、上記「第4 引用文献1による理由」「2 対比」で示した相違点と同一の点で相違する。
3 判断
上記相違点について判断する。引用発明と周知技術は、ある演出を付加するリーチ演出と付加しないリーチ演出とを行うパチンコ遊技機という共通の技術分野に属することから、引用発明において、「ある演出を付加するリーチ演出と付加しないリーチ演出とで、同じ変動時間を設定する」との周知技術を適用して、「リーチになる前に、表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示し」、「リーチになった後、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる」演出を行うリーチ演出と、行わないリーチ演出とで同じ変動時間を設定して、各リーチ演出において、演出表示装置9の表示画面に表示される演出の態様を、共通した演出実行時間で実行可能とし、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
また、本願発明が奏する効果は、当業者が、引用発明及び周知技術から予測し得た範囲内のものであって、格別なものではない。
第6 審判請求人の主張について
審判請求人は、令和4年5月16日提出の意見書の[3](B)1)及び2)において、以下の旨を主張する。
令和4年5月16日提出の意見書の[3](B)1)における主張(以下「主張1」という。):
「つまり、審判合議体は引用文献1の「第2リーチ態様」に相当するとご認定されたリーチの態様は「第1リーチ態様」に相当するとご認定されたリーチの態様に対して、リーチ演出中に保留表示の態様を変化させる所謂「保留予告演出」が実行されることから、「保留予告演出」が「・・・第2リーチ態様は・・・前記第1演出実行時間で実行される前記第1リーチ態様の前記リーチ中演出態様に対して前記特定演出に対応する特定追加演出が追加された演出態様で・・・実行されうる」と特定している本願発明の「特定追加演出」に相当するとご認定されているものと思料いたします。
換言すると、審判合議体のご認定は「第2リーチ態様」=「第1リーチ態様」+「保留予告演出」というご認定であると思料いたします。
しかしながら、当業界における「リーチ態様」とは「リーチ演出」の実行態様のことであるため、「リーチ態様」が前提としている演出は「リーチ演出」であります。これに対して、保留表示の態様を変化させる「保留予告演出」は文字通り「保留」による演出であり、「リーチ演出」とは異なる演出であることは当業界の技術常識であります。
そして、この点について引用文献1の記載を確認すると、上記した審判合議体のご認定の根拠とされている段落[0228]-[0230]が図27について説明している段落であるとともに、図27は段落[0224]に「図27は、保留表示の変化の他の例を示す説明図である。・・・」と記載されていること、さらに段落[0233]が「表示された場合に必ず保留表示の態様を変化させていたキャラクタ画像9aの別パターン」が記載された段落であること、加えて段落[0261]に「演出制御用CPU101は、ステップS6002の処理で、保留予告決定用乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値(保留予告演出決定テーブルに設定されている判定値)に対応するパターンを、保留表示を変化させるパターンとして決定する。・・・」と「保留予告演出」が「保留表示を変化させる」ものであるという記載がされていることなどから引用文献1の段落[0228]-[0230]、[0233]などに記載された「保留表示を変化させる」ことが「保留予告演出」であることが明らかであります。
また、引用文献1における「リーチ態様」について確認すると、段落[0024]に「・・・最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。・・・」と具体的に記載されていることから、引用文献1における「リーチ態様」とは「リーチ状態やその様子」であることが明らかであります。加えて、段落[0084]の記載から「リーチ演出」は「演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。」ものであることも明らかであります。
つまり、引用文献1における「リーチ態様」とは演出図柄を用いて実行されるリーチ演出の様子であると記載されております。
以上の記載から、引用文献1における「リーチ態様」とは演出図柄を用いて実行されるリーチ演出の様子であることが明らかであるとともに、引用文献1における「保留予告演出」がリーチ演出と異なる保留表示の態様を変化させる演出であることが明らかであります。
つまり、前述した当業界における技術常識が引用文献1において明確に記載されているものと思料いたします。
このため、引用文献1の記載から当業者が「第2リーチ態様」を認定するにあたり、「第1リーチ態様」で実行される「リーチ演出」対し、リーチ演出と異なる別の演出である「保留予告演出」を組み合わせ、「第1リーチ態様」+「保留予告演出」を「リーチ態様」として認定することはないものと思料いたします。そもそも、本願発明は引用文献1に記載された「リーチ態様」という文言と同様の「第1リーチ態様」と「第2リーチ態様」という文言により「リーチ演出」であることを特定していることから当業者であればこそ「リーチ演出」の「リーチ態様」に対して「リーチ演出」と異なる「保留予告演出」の「保留表示の態様を変化させる」態様を「リーチ演出のリーチ態様」として組み合わせて、本願発明を想到させえることはないと思料いたします。
つまり、当業者が「リーチ演出」に対して「リーチ演出」と異なる演出である「保留予告演出」を組み合わせて「リーチ態様」を認定する理由がなく、当業者であっても引用文献1の記載から本願発明に想到することはありません。
なお、本願発明が「リーチ態様」と特定せずに「変動中に行われる演出態様」を意図するような、例えば「変動態様」のように特定していた場合においては当業者においても「第1リーチ態様」+「保留予告演出」=「変動態様」としてご認定を行うものと思料いたします。」
令和4年5月16日提出の意見書の[3](B)2)における主張(以下「主張2」という。):
「つまり、引用文献1の図31から当業者が演出態様を認定するにあたり、記載された事項のうち「パターン4」、「パターン8」のみを参照し、「パターン2」が参照しない理由がないことから「パターン8」と「パターン2」の備考等を参照すると「新たな始動入賞に対応する保留表示が通常態様とは異なる態様で表示される演出(上記の演出例において「始動入賞時保留変化する」に相当)」が実行されたか否かに関わらず、「リーチになった後に保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる演出(上記の演出例において「保留態様変わる」に相当)」が実行されるため、本願発明の「特定追加演出」に相当するとご認定された引用文献1の「保留表示の態様を変化させる」演出は、「新たな始動入賞に対応する保留表示が通常態様とは異なる態様で表示される」演出が実行されたことをもって実行可能にされていないことは明らかであります。
これに対して、本願発明は記号Kと付された構成から明らかなように、特定追加演出が追加された演出態様(第2演出態様)でリーチ演出が実行されるための条件として、第2演出態様でリーチ演出が行われることとなる変動よりも前の変動で特定演出が行われていること(特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される図柄変動において特定演出が実行されたとき)と特定しております。
つまり、本願発明においては「特定演出」が所謂先読み演出として実行されていない場合は後の変動で「特定追加演出」が行われません。
以上のように、本願発明は「特定演出」が先読み演出として実行されたことを条件として「特定追加演出」を実行可能としているのに対し、引用文献1の「保留表示の態様を変化させる演出」は「新たな始動入賞に対応する保留表示が通常態様とは異なる態様で表示される演出」が先読み演出として実行されたことで実行可能とされておりません。
このため、引用文献1に記載された「新たな始動入賞に対応する保留表示が通常態様とは異なる態様で表示される演出」と「保留表示の態様を変化させる演出」を本願発明の「特定演出」および「特定追加演出」に相当させて認定することが出来ないことは明らかであります。」
主張1について検討する。本願発明の構成Jによれば、「第1リーチ態様」及び「第2リーチ態様」は、「前記特定結果が表示されるか否かを演出するリーチ演出」「が行われているリーチ中変動演出」「において実行されるリーチ中演出態様」に含まれるものであることから、リーチ演出が行われている変動演出において実行される演出の態様を意味するものと解され、本願発明には、リーチ演出と異なる別の演出を組み合わせた演出の態様が排除されることは限定されていない。
また、本願発明の構成Kにおいて、「第2リーチ態様」は、「特定演出に対応する特定追加演出が追加された演出態様で「実行されうる」ものとされているところ、「特定演出に対応する特定追加演出」は、明細書に記載の「上部前可動装飾体3350の動作」に対応するものであり、「上部前可動装飾体3350の動作」は、「リーチ演出」とは異なる別の演出であるから、
本願発明における「リーチ態様」という用語は、「リーチ演出」とは異なる別の演出を組み合わせた「リーチ演出が行われている変動演出において実行される演出の態様」を含むと解すべきである。
したがって、審判請求人の主張1は採用することができない。
主張2について検討する。本願発明の構成Kは、
「前記リーチ中変動演出で実行可能とされた前記第2リーチ態様は、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において前記特定演出が実行されたときに、前記第1演出実行時間で実行される前記第1リーチ態様の前記リーチ中演出態様に対して前記特定演出に対応する特定追加演出が追加された演出態様で前記第1演出実行時間と共通する前記第2演出実行時間実行されうる」
というものであって、
「前記リーチ中変動演出で実行可能とされた前記第2リーチ態様は、前記事前判定手段によって前記特定結果と判定された抽選情報よりも前に始動条件が成立した抽選情報の開始条件が成立したことに基づいて開始される前記図柄変動において前記特定演出が実行された」ことを条件として、「前記第1演出実行時間で実行される前記第1リーチ態様の前記リーチ中演出態様に対して前記特定演出に対応する特定追加演出が追加された演出態様で前記第1演出実行時間と共通する前記第2演出実行時間実行されうる」ことを限定するものではない。
したがって、審判請求人の主張2は採用することができない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基いて、又は引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-007993