特許拒絶査定不服審判
2025-010763
遊技機
- 審判番号
- 2025-010763
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2024-000542
- 請求日
- 2025年07月09日
- 審決日
- 2026年06月23日
- 公報発行日
- 2026年09月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社大一商会
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 三橋 健二
- 審判官 小野 郁磨
- 分類
- P18 .121-Z (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2024- 542「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 6年 2月21日出願公開、特開2024- 24067〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年1月29日(以下「遡及日」という。)に出願した特願2021-13871の一部を令和6年1月5日に新たな特許出願(特願2024-542)としたものであって、同年2月7日に手続補正書が提出され、同年8月28日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月2日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月13日付けで拒絶の理由が通知され、令和7年2月25日に意見書が提出されたところ、同年4月18日付け(送達日:同年4月23日)で拒絶査定がなされ、これに対して、同年7月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和7年7月9日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年7月9日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についての補正であって、以下の(1)に示す令和6年9月2日提出の手続補正書により補正された本件補正前の請求項1の記載を、以下の(2)に示す本件補正後の請求項1の記載に補正することを含むものである(下線は、補正箇所を示すために当審で付した。)。
(1)本件補正前の請求項1
「【請求項1】
所定の判定結果を導出可能な判定手段と、
各種画像が表示優先度に基づいて表示され、表示優先度の異なる画像が重なって表示される場合に表示優先度の高い画像が表示優先度の低い画像よりも手前に表示される表示手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいた演出表示を前記表示手段において表示可能な演出制御手段と、
遊技者による操作が可能であり、前記表示手段において表示変化を付与することが可能な複数の操作部と、を備え、
前記複数の操作部として、第1操作部と第2操作部とを有し、
前記演出制御手段は、
前記表示手段において、前記判定結果を示す変動表示を実行可能であり、
前記変動表示中において、第1操作部に対する操作を検出可能な第1操作有効期間を設定可能としており、
前記第1操作有効期間においては、前記第1操作部を模した模擬画像が表示されることで、前記第1操作部に対する操作指示がなされ、前記第1操作部に対する操作を検出したタイミングにて、前記表示手段に表示されている前記第1操作部を模した模擬画像が表示された表示態様から前記第1操作部を模した模擬画像が表示されておらず前記第1操作部に対する操作に基づく単操作演出表示が表示された表示態様にする表示変化の付与が開始される制御を開始可能であり、
前記変動表示中において、前記第2操作部に対する操作に基づいて前記表示手段に対して表示変化を付与可能であり、
前記第2操作部は、前記変動表示中において前記第1操作有効期間が設定されているときに操作受付が可能とされており、
前記変動表示中において、前記第1操作部を模した模擬画像として、前記判定結果についての期待度が異なる複数の模擬画像のうちのいずれかの模擬画像を表示可能であり、
前記第2操作部への操作に基づく表示変化の付与で表示される特定表示は、前記判定結果を示唆しない表示であり、前記変動表示中に複数回表示可能とされ、前記第1操作部を模した模擬画像が表示された前記第1操作有効期間が設定されているときに前記第1操作部に対する操作を検出したことによって表示される単操作演出表示よりも表示優先度が高く、
前記第2操作部に対する操作に基づいて前記表示手段に対して表示変化が付与される場合に、付与される表示変化にあわせ特別音が出力可能とされている
ことを特徴とする遊技機。」
(2)本件補正後の請求項1
「【請求項1】
所定の判定結果を導出可能な判定手段と、
各種画像が表示優先度に基づいて表示され、表示優先度の異なる画像が重なって表示される場合に表示優先度の高い画像が表示優先度の低い画像よりも手前に表示される表示手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいた演出表示を前記表示手段において表示可能な演出制御手段と、
遊技者による操作が可能であり、前記表示手段において表示変化を付与することが可能な複数の操作部と、を備え、
前記複数の操作部として、第1操作部と第2操作部とを有し、
前記演出制御手段は、
前記表示手段において、前記判定結果を示す変動表示を実行可能であり、
前記変動表示中において、第1操作部に対する操作を検出可能な第1操作有効期間を設定可能としており、
前記第1操作有効期間においては、前記第1操作部を模した模擬画像が表示されることで、前記第1操作部に対する操作指示がなされ、前記第1操作部に対する操作を検出したタイミングにて、前記表示手段に表示されている前記第1操作部を模した模擬画像が表示された表示態様から前記第1操作部を模した模擬画像が表示されておらず前記第1操作部に対する操作に基づく単操作演出表示が表示された表示態様にする表示変化の付与が開始される制御を開始可能であり、
前記変動表示中において、前記第2操作部に対する操作に基づいて前記表示手段に対して表示変化を付与可能であり、
前記第2操作部は、前記変動表示中において前記第1操作有効期間が設定されているときに操作受付が可能とされており、
前記変動表示中において、前記第1操作部を模した模擬画像として、前記判定結果についての期待度が異なる複数の模擬画像のうちのいずれかの模擬画像を表示可能であり、
前記第2操作部への操作に基づく表示変化の付与で表示される特定表示は、前記判定結果を示唆しない表示であり、前記変動表示中に複数回表示可能とされ、前記第1操作部を模した模擬画像が表示された前記第1操作有効期間が設定されているときに前記第1操作部に対する操作を検出したことによって表示される単操作演出表示の表示の一部が隠れるように前記単操作演出表示の表示に重ねて表示され、
前記第2操作部に対する操作に基づいて前記表示手段に対して表示変化が付与される場合に、付与される表示変化にあわせ特別音が出力可能とされている
ことを特徴とする遊技機。」
2 補正事項
本件補正は、本件補正前の請求項1において発明を特定するために必要な事項である「第2操作部への操作に基づく表示変化の付与で表示される特定表示」について、「第1操作部に対する操作を検出したことによって表示される単操作演出表示の表示の一部が隠れるように前記単操作演出表示の表示に重ねて表示され」ることを限定するものである(以下「補正事項」という。)。
3 補正の目的について
上記補正事項は、補正前の請求項1に記載された発明の特定事項を限定するものであって、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
4 独立特許要件の判断
上記3で検討したとおり、本件補正により特許請求の範囲にした補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明を再掲すると、次のとおりである(符号A等は、分説するために当審で付した。以下「A」等が付された事項を「特定事項A」等という。以下同様。)。
(本件補正発明)
「【請求項1】
A 所定の判定結果を導出可能な判定手段と、
B 各種画像が表示優先度に基づいて表示され、表示優先度の異なる画像が重なって表示される場合に表示優先度の高い画像が表示優先度の低い画像よりも手前に表示される表示手段と、
C 前記判定手段の判定結果に基づいた演出表示を前記表示手段において表示可能な演出制御手段と、
D 遊技者による操作が可能であり、前記表示手段において表示変化を付与することが可能な複数の操作部と、を備え、
D1 前記複数の操作部として、第1操作部と第2操作部とを有し、
E 前記演出制御手段は、
E1 前記表示手段において、前記判定結果を示す変動表示を実行可能であり、
E2 前記変動表示中において、第1操作部に対する操作を検出可能な第1操作有効期間を設定可能としており、
E3 前記第1操作有効期間においては、前記第1操作部を模した模擬画像が表示されることで、前記第1操作部に対する操作指示がなされ、前記第1操作部に対する操作を検出したタイミングにて、前記表示手段に表示されている前記第1操作部を模した模擬画像が表示された表示態様から前記第1操作部を模した模擬画像が表示されておらず前記第1操作部に対する操作に基づく単操作演出表示が表示された表示態様にする表示変化の付与が開始される制御を開始可能であり、
E4 前記変動表示中において、前記第2操作部に対する操作に基づいて前記表示手段に対して表示変化を付与可能であり、
E5 前記第2操作部は、前記変動表示中において前記第1操作有効期間が設定されているときに操作受付が可能とされており、
E6 前記変動表示中において、前記第1操作部を模した模擬画像として、前記判定結果についての期待度が異なる複数の模擬画像のうちのいずれかの模擬画像を表示可能であり、
E7 前記第2操作部への操作に基づく表示変化の付与で表示される特定表示は、前記判定結果を示唆しない表示であり、前記変動表示中に複数回表示可能とされ、前記第1操作部を模した模擬画像が表示された前記第1操作有効期間が設定されているときに前記第1操作部に対する操作を検出したことによって表示される単操作演出表示の表示の一部が隠れるように前記単操作演出表示の表示に重ねて表示され、
E8 前記第2操作部に対する操作に基づいて前記表示手段に対して表示変化が付与される場合に、付与される表示変化にあわせ特別音が出力可能とされている
F ことを特徴とする遊技機。」
(2) 引用文献
ア 引用文献1
(ア) 記載事項
原査定の拒絶の理由において引用文献1として引用され、本願の遡及日前に日本国内又は外国において頒布され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2018-196515号公報(平成30年12月13日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
「【0008】
・・・図1~図38は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。・・・」
「【0013】
・・・下装飾カバー33は、前向きの膨出状に形成されており、その上部側に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等の操作手段が設けられている。十字操作手段35は、後側の上キー35a、前側の下キー35b、左側の左キー35c、右側の右キー35dの4つの操作部を備えている。・・・」
「【0058】
第1,第2特別図柄表示手段53,54は、中央表示枠ユニット47の装飾枠106に配置されている。第1,第2特別図柄は数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が第1,第2大当たり態様、それ以外が第1,第2外れ態様となっている。
・・・
【0062】
また、画像表示手段60には、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄114(図16等)が変動表示される他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留表示画像X1~X4,Y1~Y4(図15等)、後述する音量・光量調整機能に関する音量,光量調整可能報知画像(報知画像)116a,116b(図18等)及び音量,光量設定画像117a,117b(図19等)、後述するメニュー表示機能に関するメニュー表示可能報知画像(報知画像)118a(図24等)、メニュー画像118b及びメニュー操作報知画像118c(図25等)、左打ち誘導画像162a及び右打ち誘導画像162b(図16等)、エラー報知画像163(図17等)等の各種画像が表示されるようになっている。
・・・
【0064】
なお、演出図柄114では、全て同じ図柄で揃った場合が大当たり演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当たり態様となる場合には演出図柄114は大当たり演出態様となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄114は外れ演出態様となる。」
「【0076】
特別図柄処理手段140は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段53,54が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり判定の結果に応じて、第1,第2特別乱数情報に含まれる大当たり図柄乱数値等に基づいて第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり判定の結果に応じて、第1,第2特別図柄の変動パターンを複数種類の中から選択する変動パターン選択機能等を備えている。」
「【0085】
演出制御基板122は、各種演出手段による演出を制御するもので、演出制御手段150、特別保留個数表示制御手段151、図柄変動演出制御手段152、発射誘導報知制御手段153、エラー報知制御手段154、音量調整手段155、光量調整手段156、客待ち制御手段157、節電モード設定手段158等を備えている。
【0086】
演出制御手段150は、各演出手段を制御するもので、画像表示手段60による画像表示を制御する画像表示制御手段150a、スピーカ18,25からの音声出力を制御する音声制御手段150b、LED等の電飾手段159の発光を制御する発光制御手段150c、第1~第4可動体75a~78aを有する可動演出手段75~78を制御する可動体制御手段150d等を備えている。」
「【0090】
図柄変動演出制御手段152は、演出図柄114の変動表示及びそれに伴う予告演出等を制御するもので、演出図柄制御手段152a、予告演出制御手段152b等を備えている。演出図柄制御手段152aは、演出制御手段150を介して演出図柄114の表示制御及びそれに伴う音声出力、電飾発光等の制御を行うもので、主制御基板121から第1,第2変動パターン指定コマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに基づいて演出図柄114の変動及びそれに伴う音声出力、電飾発光を開始させると共に、第1,第2変動停止指定コマンドを受信したときに、第1,第2停止図柄態様指定コマンドと第1,第2変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄態様で演出図柄114の変動を停止させ、また、それに伴う音声出力、電飾発光を停止させるようになっている。
【0091】
予告演出制御手段152bは、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当たり態様となって第1,第2特別利益状態が発生するか否か等、第1,第2特別図柄及び演出図柄114の変動に関する予告演出を制御するものである。予告演出としては、先読み判定手段138aによる先読み判定結果に基づいて行う「先読み予告演出」、特別図柄処理手段140による図柄変動開始時の大当たり判定結果等に基づいて行う「通常予告演出」等がある。」
「【0093】
また、「通常予告演出」には、「会話予告演出」、「ステップアップ予告演出」、「ボタン予告演出」、「ミニキャラ予告演出」等がある。「会話予告演出」では、第1,第2特別図柄の変動中にキャラクタの台詞が画像表示手段60に表示され、その台詞の内容が、第1,第2特別図柄が第1,第2大当たり態様となる信頼度(以下、大当たり信頼度という)を示唆するようになっている。「ステップアップ予告演出」では、第1,第2特別図柄の変動中に、画像表示手段60への演出画像の表示を含む所定の演出ステップが、大当たり信頼度に応じて複数段階(例えば5段階)のうちの所定段階まで実行されるようになっている。このステップアップ予告演出では、演出ステップの段階が進むほど大当たり信頼度が高くなるように設定されている。
【0094】
「ボタン予告演出」では、第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中に演出ボタン34の操作が所定操作条件を満たした(操作成立)と判定された場合に、大当たり信頼度に応じて所定の操作時演出が実行されるようになっている。「ミニキャラ予告演出」は、1又は複数のミニキャラ画像が画像表示手段60に表示され、大当たり信頼度を示唆する動作を行うようになっている。」
「【0101】
音量調整手段155は、音量設定に関する制御を行うもので、遊技者操作による音量調整が可能な音量調整可能期間中に、音量調整のための操作が可能である旨の音量調整可能報知画像(報知画像)116a(図18(a))を所定のタイミングで画像表示手段60に表示し、音量調整可能期間中に音量調整に関する遊技者操作があった場合に、音量の設定状況を示す音量設定画像117a(図19(a))を画像表示手段60に表示するように構成されている。本実施形態では、十字操作手段35の左キー35cと右キー35dとが音量調整操作用に割り当てられており、音量調整可能期間中に左キー35cを押せば音量が下がり、右キー35dを押せば音量が上がるようになっている。
【0102】
音量調整可能報知画像116aは、図18(a)に示すように音量調整に用いる左キー35c及び右キー35dを示すイラストと「で音量調整」の文字とで構成されている。また、音量設定画像117aは、図19(a)に示すように所定段階(例えば5段階)の音量に対応する複数(5個)の目盛り画像と「音量」の文字とで構成されており、現状の音量設定に対応する数の目盛り画像がその他の目盛り画像と異なる態様(例えば表示色)で表示されるようになっている。
【0103】
音量調整可能期間中に遊技者が左キー35cと右キー35dとの何れかを操作すると、音量調整可能報知画像116a(図18(a))が表示されていた場合にはその音量調整可能報知画像116aが画像表示手段60から消去される。また、その遊技者操作に応じて音量が変更されると共に、その変更後の音量に対応する音量設定画像117a(図19(a))が画像表示手段60に一定期間表示される。
【0104】
本実施形態では、後述する客待ち状態中の他、それ以外の遊技状態中も音量調整可能期間に設定されているが、電源投入後等の所定期間を音量調整可能期間から外してもよい。・・・」
「【0192】
図35(a)及び図36(a)は、通常予告演出の一例であるボタン会話予告演出における画像表示手段60の表示画像を示している。なお、このボタン会話予告演出は、ボタン予告演出と会話予告演出とを融合したもので、操作有効期間中に遊技者が演出ボタン34を操作した場合に、キャラクタが台詞を発する場面を示す操作時演出画像165が表示され、また、その台詞の内容が大当たり信頼度を示唆するようになっている。なお、操作有効期間中には、演出ボタン(操作手段)34を操作すべき旨の操作誘導画像166が表示される。
【0193】
図35(a)は、操作有効期間中に操作誘導画像166が表示された状態を示している。操作誘導画像166は、演出ボタン34が押される様子を示すイラストと「PUSH!」の文字とで構成され、その全体が非隠蔽領域Dに表示されている。また、操作誘導画像166の周囲には、放射状その他のエフェクト画像167が、非隠蔽領域Dとその外側の領域(ここでは可動隠蔽領域C及び第3固定隠蔽領域B3)とに跨がって表示されている。
【0194】
なお、操作有効期間の進行状況を示すゲージ画像を表示してもよい。この場合、ゲージ画像は非隠蔽領域Dに表示することが望ましい。操作誘導画像166は、その一部(例えば演出ボタン34を示す部分)が隠蔽領域B1~B5,Cの少なくとも一つに跨がるように表示してもよいが、その場合でもゲージ部は非隠蔽領域Dに表示することが望ましい。複数の操作手段を備え、それら複数の操作手段の夫々に対応する予告演出(ボタン予告演出)を実行可能である場合には、夫々の予告演出について以上のように構成することが望ましい。また、複数の操作手段に対応する複数の予告演出に大当たり信頼度等の差がある場合には、信頼度が高い予告演出についてのみ以上のように構成してもよい。
【0195】
また、図36(a)は、図35(a)に示す状態のときに遊技者が演出ボタン34を操作し、操作時演出画像165が表示された状態を示している。この操作時演出画像165は、大当たり信頼度を示唆する台詞を表す文字よりなる第1表示部165aと、それ以外のキャラクタ、吹き出し等よりなる第2表示部165bとで構成されており、第1表示部165aはその全体が非隠蔽領域Dに表示され、第2表示部165bは非隠蔽領域Dとその外側の領域(ここでは第4固定隠蔽領域B4のうちの透明隠蔽領域B4aとするが、もちろんそれ以外の隠蔽領域B1~B3,B5、Cでもよい)とに跨がって表示されている。透明隠蔽領域B4aは、透明な進入防止手段111の後側に対応する領域であるため、正面からでもこの進入防止手段111の後側の第2表示部165bを視認可能である。
【0196】
また、図35(a)と図36(a)との何れについても、変動中の演出図柄114は図柄画像114aのみの状態でその全体が非隠蔽領域Dに表示され、また、遊技者が音量調整操作を行った場合に表示される音量設定画像117aも、その全体が非隠蔽領域Dに表示される。遊技者が光量調整操作を行った場合に表示される光量設定画像117b(図示省略)についても同様である(図35(a)、図36(a)では図示省略)。
【0197】
操作誘導画像166の種類として、「連打」、「長押し」、「押すな」、「離せ」などの異なる種々の操作誘導画像166を表示するようにしてもよい。また、操作ボタンの種類として、複数の操作手段を備える場合には第1ボタン画像、第2ボタン画像を表示可能としてもよい。また、1の操作手段の態様を変化させることが可能である場合には、第1態様のボタン画像、第2態様のボタン画像等を表示可能としてもよい。また、変動表示の抽選結果の信頼度に応じて、ボタン画像の表示態様を青色、緑色、赤色、レインボー色など、種々の表示態様で表示するようにしてもよい。
【0198】
音量設定画像117a及び/又は光量調整画像117bについて、演出ボタン画像や操作誘導画像166に限らずゲージ画像と重ならないように表示することが望ましい。また、演出ボタン34の表示態様や操作誘導画像166の表示態様によって操作有効期間が異なる場合にはゲージ画像の表示領域を大きくしたり小さくしたりすることが考えられるが、いずれの場合であってもゲージ画像とは重ならない位置に表示することが望ましい。
【0199】
ボタン会話予告演出などのボタン操作を伴う演出の実行において、当然ながらこのような状況においても遊技者による音量調整及び/又は光量調整が可能であるが、実際に設定結果が反映されるのはボタン操作演出が終了してからであることが望ましい。しかし、実際に設定結果は、少なくともボタン画像やゲージ画像が表示されている操作有効期間が終了するまででに反映してもよいし、遊技者による操作が行われた後、操作時演出画像が表示されて、その表示が終了するまでに反映してもよい。
【0200】
このようにすることにより所定の演出実行時の音やランプによる演出の興趣を低下させることなく実行することが可能になる。また、遊技者による設定操作自体は無効ではなく有効に受け付けているため、遊技者に対して急に設定操作ができなくなるといった不都合や違和感を与えることもない。
【0201】
図37(a)及び図38(a)は、通常予告演出の一例であるミニキャラ予告演出における画像表示手段60の表示画像を示している。このミニキャラ予告演出では、図37(a)に示すように、まず複数のミニキャラ画像、例えば第1ミニキャラ画像(第1演出体画像)168と第2ミニキャラ画像(第2演出体画像)169とが登場する。このとき、第1ミニキャラ画像168と第2ミニキャラ画像169とは、共に非隠蔽領域Dとその外側の領域(ここでは可動隠蔽領域C)とに跨がって表示されている。
【0202】
そして図38(a)に示すように、第1ミニキャラ画像168については非隠蔽領域Dに表示される割合が小さくなり、第2ミニキャラ画像169については逆に非隠蔽領域Dに表示される割合が大きくなるように、各ミニキャラ画像168,169の表示位置を変更すると共に、信頼度表示画像170が、第2ミニキャラ画像169に対応して非隠蔽領域Dに表示される。信頼度表示画像170は、第2ミニキャラ画像169の台詞を表示するもので、大当たり信頼度を示唆する台詞を表す文字よりなる第1表示部170aと、それ以外の吹き出し等よりなる第2表示部170bとで構成されている。なお、第1表示部170aについてはその全体を非隠蔽領域Dに表示し、第2表示部170bについてはその少なくとも一部を非隠蔽領域Dの外側(例えば可動隠蔽領域C)に表示してもよい。
【0203】
また、変動中の演出図柄114は図柄画像114aのみの状態でその全体が非隠蔽領域Dに表示され、また、遊技者が音量調整操作を行った場合に表示される音量設定画像117aも、その全体が非隠蔽領域Dに表示される。遊技者が光量調整操作を行った場合に表示される光量設定画像117b(図示省略)についても同様である(図37(a)、図38(a)では図示省略)。なお、音量設定画像117a、光量設定画像117bについては、信頼度表示画像170よりも高い優先度に設定されているため、信頼度表示画像170と重なる場合には音量設定画像117a等が前側に表示されるが、音量設定画像117a、光量設定画像117bは、信頼度表示画像170のうち、少なくとも第1表示部170aには重ならないように表示することが望ましい。」
「【0215】
また、音量の設定状況を示す音量設定画像117aを操作時演出画像(予告演出画像)165よりも高い優先度で画像表示手段60に表示可能であり、音量設定画像117aを、少なくとも第1表示部165aに重ならないように非隠蔽領域D内に表示可能である。なお、透明隠蔽領域については非隠蔽領域Dに準ずる領域として、以上の説明で非隠蔽領域Dに表示するものとした画像についても、その少なくとも一部を透明隠蔽領域に表示してもよい。」
「【0247】
図49(a)の例では、画像表示手段60に表示される背景画像、演出図柄(図柄画像)、キャラクタ画像、保留台座画像、保留表示画像、変動中保留画像、音量設定画像、エラー報知画像及び副演出図柄が、その順序で表示優先度が高くなるように複数のレイヤーに分けて描画されるようになっている。また、図49(b)に示すように、サブ画像表示手段233に表示される背景画像及び泡エフェクト画像についても同様に、その順序で表示優先度が高くなるように複数のレイヤーに分けて描画されるようになっている。」
「【図2】
[図:0001439047000001.jpg]
」
「【図32】
[図:0001439047000002.jpg]
」
「【図35】
[図:0001439047000003.jpg]
」
「【図36】
[図:0001439047000004.jpg]
」
「【図37】
[図:0001439047000005.jpg]
」
「【図38】
[図:0001439047000006.jpg]
」
「【図49】
[図:0001439047000007.jpg]
」
(イ) 認定事項
a 【0247】には、「画像表示手段60に表示される背景画像、演出図柄(図柄画像)、キャラクタ画像、保留台座画像、保留表示画像、変動中保留画像、音量設定画像、エラー報知画像及び副演出図柄が、その順序で表示優先度が高くなるように複数のレイヤーに分けて描画されるようになっている。」と記載されている。ここで、画像表示におけるレイヤー表示とは、1つの画面に複数の画像等をレイヤーとして上下方向に重ねて表示するものであり、上にあるレイヤーほど下にあるレイヤーより手前に見えるように構成することは技術常識である。したがって、引用文献1には、画像表示手段60において、背景画像、演出図柄(図柄画像)、キャラクタ画像、保留台座画像、保留表示画像、変動中保留画像、音量設定画像、エラー報知画像及び副演出図柄といった各画像が、その順序に従って表示優先度が高くなるように設定され、表示優先度の高いものから順に手前に見えるように、複数のレイヤーに分けて描画されることが記載されているものと認められる(認定事項a)。
b 【0085】には、「演出制御基板122は、各種演出手段による演出を制御するもので、演出制御手段150、・・・図柄変動演出制御手段152・・・等を備えている。」と、【0086】には、「演出制御手段150は、各演出手段を制御するもので、画像表示手段60による画像表示を制御する画像表示制御手段150a・・・等を備えている。」と、【0090】には、「図柄変動演出制御手段152は、演出図柄114の変動表示及びそれに伴う予告演出等を制御するもので、演出図柄制御手段152a、予告演出制御手段152b等を備えている。」と、【0091】には、「予告演出制御手段152bは、・・・第1,第2特別図柄及び演出図柄114の変動に関する予告演出を制御するものである。予告演出としては、・・・特別図柄処理手段140による図柄変動開始時の大当たり判定結果等に基づいて行う「通常予告演出」等がある。」とそれぞれ記載されている。これらの記載を総合すると、引用文献1には、特別図柄処理手段140による図柄変動開始時の大当たり判定結果等に基づいて行われる「通常予告演出」等が、画像表示手段60に表示されるように、当該画像表示手段60の画像表示を制御する画像表示制御手段150aを含む演出制御手段150を備えることが記載されていると認められる(認定事項b)。
c 【0013】には、「遊技者が押下操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等の操作手段が設けられている。十字操作手段35は、後側の上キー35a、前側の下キー35b、左側の左キー35c、右側の右キー35dの4つの操作部を備えている。」と、【0101】には、「遊技者操作による音量調整が可能な音量調整可能期間中に、音量調整のための操作が可能である旨の音量調整可能報知画像(報知画像)116a(図18(a))を所定のタイミングで画像表示手段60に表示し、音量調整可能期間中に音量調整に関する遊技者操作があった場合に、音量の設定状況を示す音量設定画像117a(図19(a))を画像表示手段60に表示するように構成されている。本実施形態では、十字操作手段35の左キー35cと右キー35dとが音量調整操作用に割り当てられており、音量調整可能期間中に左キー35cを押せば音量が下がり、右キー35dを押せば音量が上がるようになっている。」と、【0192】には、「操作有効期間中に遊技者が演出ボタン34を操作した場合に、キャラクタが台詞を発する場面を示す操作時演出画像165が表示され、また、その台詞の内容が大当たり信頼度を示唆するようになっている。」とそれぞれ記載されている。これらの記載を総合すると、引用文献1には、遊技者が押下操作可能な演出ボタン34並びに十字操作手段35の左キー35c及び右キー35dを備え、遊技者が演出ボタン34を操作した場合には操作時演出画像165が、また、左キー35c又は右キー35dを操作した場合には音量設定画像117aが、それぞれ画像表示手段60に表示されることが記載されていると認められる(認定事項c)。
d 【0094】には、「「ボタン予告演出」では、第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中に演出ボタン34の操作が所定操作条件を満たした(操作成立)と判定された場合に、大当たり信頼度に応じて所定の操作時演出が実行されるようになっている。」と引用文献1における当該操作有効期間は変動期間の一部である旨、【0197】には、「操作誘導画像166の種類として、「連打」、「長押し」、「押すな」、「離せ」などの異なる種々の操作誘導画像166を表示するようにしてもよい。」と、【0198】には、「演出ボタン34の表示態様や操作誘導画像166の表示態様によって操作有効期間が異なる場合にはゲージ画像の表示領域を大きくしたり小さくしたりすることが考えられる」と操作誘導画像166の表示態様等によって操作有効期間が異なるものがある旨がそれぞれ記載されている。これらの記載を総合すると、引用文献1には、演出ボタン34の操作有効期間は、第1,第2特別図柄の変動期間における一部の期間であり、当該操作有効期間は、操作誘導画像166の表示態様等に応じて異ならせることができることが記載されていると認められる(認定事項d)。
e 図2に示される演出ボタン34及び図35に示される操作誘導画像166は、いずれも円形であることが、図35より、「PUSH!」という文字が、円形の画像に向けた下向きの矢印と併せて表示されていることが看取される。また、【0193】には、「操作誘導画像166は、演出ボタン34が押される様子を示すイラスト」である旨が、【0194】には、「操作誘導画像166は、その一部(例えば演出ボタン34を示す部分)が隠蔽領域B1~B5,Cの少なくとも一つに跨がるように表示してもよい」とそれぞれ記載されている。これらの図及び記載を総合すると、引用文献1には、操作誘導画像166は演出ボタン34の形状を模したものであることが記載されていると認められる(認定事項e)。
f 【0094】には、「「ボタン予告演出」では、第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中に演出ボタン34の操作が所定操作条件を満たした(操作成立)と判定された場合に、大当たり信頼度に応じて所定の操作時演出が実行されるようになっている。」と、【0192】には、「操作有効期間中には、演出ボタン(操作手段)34を操作すべき旨の操作誘導画像166が表示される。」と、【0193】には、「図35(a)は、操作有効期間中に操作誘導画像166が表示された状態を示している。操作誘導画像166は、演出ボタン34が押される様子を示すイラストと「PUSH!」の文字とで構成され、その全体が非隠蔽領域Dに表示されている。」と、【0195】には、「図36(a)は、図35(a)に示す状態のときに遊技者が演出ボタン34を操作し、操作時演出画像165が表示された状態を示している。この操作時演出画像165は、大当たり信頼度を示唆する台詞を表す文字よりなる第1表示部165aと、それ以外のキャラクタ、吹き出し等よりなる第2表示部165bとで構成されており、第1表示部165aはその全体が非隠蔽領域Dに表示され、第2表示部165bは非隠蔽領域Dとその外側の領域・・・とに跨がって表示されている。」と、それぞれ記載されている。また、図36(a)から、遊技者が演出ボタン34を押下操作した際に、操作誘導画像166が表示されておらず、これに代えて操作時演出画像165が表示されていることが看取される。これらの記載及び図を総合すると、引用文献1には、第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中には、演出ボタン34の押下操作を促す操作誘導画像166が画像表示手段60に表示され、遊技者が当該押下操作を行うと、当該操作誘導画像166は非表示とされるとともに、大当たり信頼度を示唆する台詞を表す文字よりなる第1表示部165aと、それ以外のキャラクタ、吹き出し等よりなる第2表示部165bとで構成される操作時演出画像165が画像表示手段60に表示されるボタン予告演出が実行されることが記載されていると認められる(認定事項f)。
g 【0101】には、「音量調整可能期間中に音量調整に関する遊技者操作があった場合に、音量の設定状況を示す音量設定画像117a(図19(a))を画像表示手段60に表示するように構成されている。・・・本実施形態では、十字操作手段35の左キー35cと右キー35dとが音量調整操作用に割り当てられており、音量調整可能期間中に左キー35cを押せば音量が下がり、右キー35dを押せば音量が上がるようになっている。」と、【0104】には、「客待ち状態中の他、それ以外の遊技状態中も音量調整可能期間に設定されているが、電源投入後等の所定期間を音量調整可能期間から外してもよい。」と、それぞれ記載されている。また、図32には、変動中に音量設定画像117aが表示されていることが看取される。これらの記載及び図を総合すると、引用文献1には、遊技状態である変動中に音量調整可能期間が設定されており、当該音量調整可能期間中に十字操作手段35の左キー35c又は右キー35dの押下操作があった場合には、音量の設定状況を示す音量設定画像117aが画像表示手段60に表示されることが記載されていると認められる(認定事項g)。
h 【0094】には、「「ボタン予告演出」では、第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中に演出ボタン34の操作が所定操作条件を満たした(操作成立)と判定された場合に、大当たり信頼度に応じて所定の操作時演出が実行されるようになっている。」と、【0101】には、「十字操作手段35の左キー35cと右キー35dとが音量調整操作用に割り当てられており、音量調整可能期間中に左キー35cを押せば音量が下がり、右キー35dを押せば音量が上がるようになっている。」と、【0199】には、「ボタン会話予告演出などのボタン操作を伴う演出の実行において、当然ながらこのような状況においても遊技者による音量調整及び/又は光量調整が可能である」と記載されている。そして、「ボタン会話予告演出」は、「第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中」の「操作時演出」に含まれると理解されるから、これらの記載を総合すると、引用文献1には、第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中において、十字操作手段35の左キー35c又は右キー35dの押下操作により音量調整が可能であることが記載されていると認められる(認定事項h)。
i 【0102】には、「音量設定画像117aは、図19(a)に示すように所定段階(例えば5段階)の音量に対応する複数(5個)の目盛り画像と「音量」の文字とで構成されており、現状の音量設定に対応する数の目盛り画像がその他の目盛り画像と異なる態様(例えば表示色)で表示されるようになっている。」と記載されていることから、引用文献1に記載された「音量設定画像117a」は大当たり判定の結果を示唆するものではないと認められる(認定事項i)。
j 【0103】には、「音量調整可能期間中に遊技者が左キー35cと右キー35dとの何れかを操作すると、音量調整可能報知画像116a(図18(a))が表示されていた場合にはその音量調整可能報知画像116aが画像表示手段60から消去される。また、その遊技者操作に応じて音量が変更されると共に、その変更後の音量に対応する音量設定画像117a(図19(a))が画像表示手段60に一定期間表示される。」と記載されている。したがって、引用文献1に記載された音量設定画像117aは、遊技者による左キー35c又は右キー35dの押下操作に応じて表示と非表示とが切り替えられるものであって、変動中においても当該押下操作に応じて複数回表示され得るものであると認められる(認定事項j)。
k 【0201】には、「図37(a)及び図38(a)は、通常予告演出の一例であるミニキャラ予告演出における画像表示手段60の表示画像を示している。」と、【0202】には、「図38(a)に示すように、第1ミニキャラ画像168については非隠蔽領域Dに表示される割合が小さくなり、第2ミニキャラ画像169については逆に非隠蔽領域Dに表示される割合が大きくなるように、各ミニキャラ画像168,169の表示位置を変更すると共に、信頼度表示画像170が、第2ミニキャラ画像169に対応して非隠蔽領域Dに表示される。信頼度表示画像170は、第2ミニキャラ画像169の台詞を表示するもので、大当たり信頼度を示唆する台詞を表す文字よりなる第1表示部170aと、それ以外の吹き出し等よりなる第2表示部170bとで構成されている。」と、【0203】には、「変動中の演出図柄114は図柄画像114aのみの状態でその全体が非隠蔽領域Dに表示され、また、遊技者が音量調整操作を行った場合に表示される音量設定画像117aも、その全体が非隠蔽領域Dに表示される。」と記載されている。また、図38(a)には、音量設定画像117aが第2ミニキャラ画像169の右手の先及び右足上部を隠蔽するように重なって表示されていることが看取される。これらの記載及び図示を総合すると、引用文献1には、通常予告演出の一例であるミニキャラ予告演出において、信頼度表示画像170が表示される際に音量設定画像117aが併せて表示される場合には、当該音量設定画像117aを、第2ミニキャラ画像169の一部を隠蔽するように重ねて表示することが記載されていると認められる(認定事項k)。
(ウ) 引用文献1に記載された発明
上記(ア)及び(イ)から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
「 特別図柄処理手段140が、大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定機能を備え(【0076】)、
画像表示手段60において、背景画像、演出図柄(図柄画像)、キャラクタ画像、保留台座画像、保留表示画像、変動中保留画像、音量設定画像、エラー報知画像及び副演出図柄といった各画像が、その順序に従って表示優先度が高くなるように設定され、表示優先度の高いものから順に手前に見えるように、複数のレイヤーに分けて描画され(認定事項a)、
特別図柄処理手段140による図柄変動開始時の大当たり判定結果等に基づいて行われる「通常予告演出」等が、画像表示手段60に表示されるように、当該画像表示手段60の画像表示を制御する画像表示制御手段150aを含む演出制御手段150を備え(認定事項b)、
遊技者が押下操作可能な演出ボタン34並びに十字操作手段35の左キー35c及び右キー35dを備え、遊技者が演出ボタン34を操作した場合には操作時演出画像165が、また、左キー35c又は右キー35dを操作した場合には音量設定画像117aが、それぞれ画像表示手段60に表示され(認定事項c)、
演出図柄制御手段152aは、
第1,第2特別図柄表示手段53,54の第1,第2特別図柄のうちの1又は複数が第1,第2大当たり態様、それ以外が第1,第2外れ態様となるように構成されており(【0064】)、画像表示手段60には、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄114が変動表示され(【0062】)、第1,第2特別図柄が第1,第2大当たり態様となる場合には演出図柄114は大当たり演出態様となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄114は外れ演出態様となり(【0058】)、演出制御手段150を介して第1,第2変動停止指定コマンドを受信したときに、第1,第2停止図柄態様指定コマンドと第1,第2変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄態様で演出図柄114の変動を停止させ(【0090】)、
演出ボタン34の操作有効期間は、第1,第2特別図柄の変動期間における一部の期間であり、当該操作有効期間は、操作誘導画像166の表示態様等に応じて異ならせることができ(認定事項d)、
第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中には、演出ボタン34の押下操作を促す演出ボタン34を模した形状の操作誘導画像166が画像表示手段60に表示され、遊技者が当該押下操作を行うと、当該操作誘導画像166は非表示とされるとともに、大当たり信頼度を示唆する台詞を表す文字よりなる第1表示部165aと、それ以外のキャラクタ、吹き出し等よりなる第2表示部165bとで構成される操作時演出画像165が画像表示手段60に表示されるボタン予告演出が実行され(認定事項e、f)、
遊技状態である変動中に音量調整可能期間が設定されており、当該音量調整可能期間中に十字操作手段35の左キー35c又は右キー35dの操作があった場合には、音量の設定状況を示す音量設定画像117aが画像表示手段60に表示され(認定事項g)、
第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中において、十字操作手段35の左キー35c又は右キー35dの押下操作により音量調整が可能であり(認定事項h)、
変動中において(【図36】)、演出ボタン34を模した形状の操作誘導画像166(認定事項e)が表示され、当該操作誘導画像166は、変動表示の抽選結果の信頼度に応じて、青色、緑色、赤色、レインボー色等の種々の表示態様で表示されることが可能であり(【0197】)、
十字操作手段35の左キー35c又は右キー35dの押下操作があった場合に表示される音量設定画像117a(認定事項g)は、大当たり判定の結果を示唆するものではなく(認定事項i)、遊技者による当該押下操作に応じて表示と非表示とが切り替えられるものであって、変動中においても当該押下操作に応じて複数回表示され得るものである(認定事項j)、
パチンコ機(【0008】)。」
(エ) 引用文献1に記載された事項
上記(イ)から、引用文献1には、以下の事項(以下「引用文献1の開示事項」という。)が記載されていると認められる。
(引用文献1の開示事項)
「 通常予告演出の一例であるミニキャラ予告演出において、信頼度表示画像170が表示される際に音量設定画像117aが併せて表示される場合には、当該音量設定画像117aを、第2ミニキャラ画像169の一部を隠蔽するように重ねて表示する」点(認定事項k)。
イ 引用文献2
(ア) 記載事項
原査定の拒絶の理由において引用文献2として引用され、本願の遡及日前に日本国内又は外国において頒布され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2018-153497号公報(平成30年10月4日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
「【3012】
図254は、演出進展下報知処理の内容について当該パチンコ機1の報知状態の別に説明する図である。」
「【3021】
なお、この説明例にあって、遊技者設定値は、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332による操作によって「1」~「5」の範囲内で「1」ずつ可変とされるようになっており、その値が小さいほど演出音の音量が小さくなるものとして設定されている。また、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、演出音に対して上述の抑制態様(第1の音量抑制態様、第2の音量抑制態様)が設定されていない状態では、遊技者設定値の20倍の数値として設定されるものとなっている。したがって、この説明例では、演出音の出力音量(可聴音の音量)は、遊技者による操作によって「20」~「100」の範囲で可変とされることとなる。
【3022】
いま、同図255(A)に示されるように、演出音の音量に関して遊技者設定値が「1」~「5」のうちの「3」であり、何らの報知フラグも設定されておらず、演出音の出力音量(可聴音の音量)がその20倍の「60」に設定されているとする。また、装飾図柄SZが停止した状態にあり、且つ大当り判定が行われておらず始動入賞待ちの状態にあるとすると、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、演出選択左ボタン331を模した表示画像331aと、演出選択右ボタン332を模した表示画像332aとが表示されており、それらの操作を通じて音量調整を行うことができる旨の音量調整案内表示OAHが行われる。またこの際、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、現在の遊技者設定値が「1」~「5」のいずれであるかを認識可能とする第1の音量値表示OH1も実行される。これら音量調整案内表示OAH及び第1の音量値表示OH1については、常時表示されるようにしてもよいし、背景画像が変化した状態で実行されるリーチ演出であるスーパーリーチ演出などの特定期間中にあるときには非表示にして遊技者による操作があったときに第1の音量値表示OH1及び後述の第2の音量値表示OH2の少なくとも一方が現れるようにしてもよい。また、音量調整案内表示OAH及び第1の音量値表示OH1については、必ずしもそれらの両方を表示しなくてもよく、それらの一方を割愛し、その他方のみを表示するようにしてもよい。
【3023】
このような図255(A)に示される状況にあるなかで、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332による操作が行われると、該操作がある都度、遊技者設定値が「1」ずつ変化され、これに伴って演出音の出力音量(可聴音の音量)が「20」ずつ変化されるようになる。また、演出音の出力音量(可聴音の音量)が変化する都度、その変化後の音量で、音量調整完了音(例えば、「ピ!」)が再生されるようになる。
【3024】
またこの際、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、遊技者設定値の範囲である「1」~「5」のなかで現在の設定値がいずれであるかをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2(図255(C)を参照)が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されることとなるが、これについては後述することとする。」
「【3029】
また、この実施の形態にかかる遊技盤側演出表示装置1600の表示領域では、こうした操作によって遊技者設定値が変化されると、遊技者設定値の範囲である「1」~「5」のなかで現在の設定値がいずれであるかをゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2が、音量調整案内表示OAHに代わって実行されることとなる。これは、遊技者設定値の範囲である「1」~「5」に対して現在の設定値がいずれであるかを明瞭化させることで、より重要な演出が現れた緊迫した状況下においても、遊技者設定値が最大値の「5」であるにもかかわらず演出選択右ボタン332に対する操作が繰り返し実行されるなどの操作ミスが生じないようにすることを目的としたものである。ゲージ表示では、「1」~「5」の数値範囲が定常的にブロック表示されており、これらのブロックのうち塗り潰されているブロックの数が遊技者設定値の変化に応じて増加・減少される表示を行うことで、現在の遊技者設定値を示すようになっている。
【3030】
なお、第2の音量値表示OH2は、図255(D)に示されるように、図255(C)に示される状態において演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332に対する操作があったときから所定時間(例えば5秒)の経過後に非表示にされ、その後は音量調整案内表示OAHが再び実行されるようにしている。したがって、遊技者設定値に変更が生じない態様での操作(遊技者設定値が最大値の「5」であるときの演出選択右ボタン332に対する操作)であったとしても、演出選択左ボタン331または演出選択右ボタン332に対する操作が繰り返される限りは、第2の音量値表示OH2の表示は維持されることとなる。すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技者設定値に変更が生じない態様での操作(遊技者設定値が最大値の「5」であるときの演出選択右ボタン332に対する操作)が行われる場合、該操作がある都度、音量調整完了音は可聴出力されないが、第2の音量値表示OH2を非表示にするまでの時間を計時するタイマ値はリセットされることとなる。これにより、遊技者設定値が最大値の「5」であるにもかかわらず演出選択右ボタン332に対する操作が繰り返し実行されるなどの操作ミスが生じないようにすることがより好適に促されるようになる。」
「【図255】
[図:0001439047000008.jpg]
」
(イ) 引用文献2に記載された事項
上記(ア)から、引用文献2には、以下の事項(以下「引用文献2の開示事項」という。)が記載されていると認められる。
(引用文献2の開示事項)
「 演出選択左ボタン331又は演出選択右ボタン332による操作が行われると、当該操作に応じて、遊技者設定値が「1」ずつ変化し、これに伴って演出音の出力音量が変化する(【3021】、【3023】)とともに、遊技者設定値の範囲である「1」~「5」のうち現在の設定値をゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2が遊技盤側演出表示装置1600に表示され(【3024】、【3030】、【図255】(C))、さらに、演出音の出力音量が変化する都度、その変化後の音量で音量調整完了音が再生される(【3023】)」点。
(3) 対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 特定事項A
引用発明の「大当たり/外れ」、「特別図柄処理手段140」は、本件補正発明の「判定結果」、「判定手段」にそれぞれ相当する。また、引用発明の「判定機能を備え」ることは、本件補正発明の「導出可能」であることに相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Aを備える。
イ 特定事項B
引用発明の「画像表示手段60」は、本件補正発明の「表示手段」に相当する。
ここで、引用発明における表示内容及びその表示態様についてみると、引用発明の「背景画像、演出図柄(図柄画像)、キャラクタ画像、保留台座画像、保留表示画像、変動中保留画像、音量設定画像、エラー報知画像及び副演出図柄といった各画像」は、本件補正発明の「各種画像」に相当する。
また、引用発明において、各画像が、「その順序に従って表示優先度が高くなるように設定され」「描画され」る構成は、本件補正発明の「表示優先度に基づいて表示され」ることに相当する。
そして、引用発明において、「各画像」が「設定」された「表示優先度」に応じて「複数のレイヤーに分けて描画され」る構成は、表示優先度の異なる複数の画像が重ねて表示されることを意味するから、本件補正発明の「表示優先度の異なる画像が重なって表示される場合」に相当する。
さらに、引用発明において、「各画像」が「表示優先度の高いものから順に手前に見えるように」「描画され」る構成は、本件補正発明の「表示優先度の高い画像が表示優先度の低い画像よりも手前に表示される」ことに相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Bを備える。
ウ 特定事項C
上記アより、引用発明の「特別図柄処理手段140」は本件補正発明の「判定手段」に相当することに加え、引用発明の「通常予告演出」、「演出制御手段150」は、本件補正発明の「演出表示」、「演出制御手段」にそれぞれ相当し、引用発明の通常予告演出等が「特別図柄処理手段140による図柄変動開始時の大当たり判定結果等に基づいて行われる」ことは、本件補正発明の演出表示が「前記判定手段の判定結果に基づいた」ものであることに相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Cを備える。
エ 特定事項D~D1
上記イに加え、引用発明の「遊技者が押下操作可能」であること、「演出ボタン34並びに十字操作手段35の左キー35c及び右キー35d」、「演出ボタン34」、「十字操作手段35の左キー35c及び右キー35d」は、本件補正発明の「遊技者による操作が可能であ」ること、「複数の操作部」、「第1操作部」、「第2操作部」にそれぞれ相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項D~D1を備える。
オ 特定事項E~E1
引用発明の「演出制御手段150」は、本件補正発明の「演出制御手段」に相当する。
上記アより、引用発明の「大当たり/外れ」は、本件補正発明の「判定結果」に相当する。また、引用発明の「第1,第2特別図柄表示手段53,54の第1,第2特別図柄のうちの1又は複数が第1,第2大当たり態様、それ以外が第1,第2外れ態様となるように構成されており、画像表示手段60には、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄114が変動表示され、第1,第2特別図柄が第1,第2大当たり態様となる場合には演出図柄114は大当たり演出態様となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄114は外れ演出態様となり、演出制御手段150を介して第1,第2変動停止指定コマンドを受信したときに、第1,第2停止図柄態様指定コマンドと第1,第2変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄態様で演出図柄114の変動を停止させ」ることは、本件補正発明の「判定結果を示す変動表示を実行可能であ」ることに相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項E~E1を備える。
カ 特定事項E2
引用発明の「操作有効期間」は、本件補正発明の「第1操作有効期間」に相当する。
また、引用発明における「演出ボタン34の操作有効期間は、第1,第2特別図柄の変動期間における一部の期間であ」ることから、引用発明は、「変動期間」の一部の期間である「操作有効期間」において「演出ボタン34」が押下操作可能であることは明らかである。したがって、引用発明の「演出ボタン34の操作有効期間は、第1,第2特別図柄の変動期間における一部の期間であ」ることは、本件補正発明の「前記変動表示中において、第1操作部に対する操作を検出可能」であることに相当する。
さらに、引用発明の「操作有効期間は、操作誘導画像166の表示態様等に応じて異ならせることができ」ることは、本件補正発明の「第1操作有効期間を設定可能」であることに相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項E2を備える。
キ 特定事項E3
上記カより、引用発明の「操作有効期間」は、本件補正発明の「第1操作有効期間」に相当する。
また、引用発明の「演出ボタン34の押下操作を促す演出ボタン34を模した形状の操作誘導画像166」は、本件補正発明の「模擬画像」に相当する。
そして、引用発明の「演出ボタン34の押下操作を促す」ことは、本件補正発明の「第1操作部に対する操作指示がなされ」ることに相当する。
また、引用発明の「演出ボタン34を模した形状の操作誘導画像166が画像表示手段60に表示され」た態様は、本件補正発明の「表示手段に表示されている前記第1操作部を模した模擬画像が表示された表示態様」に相当する。
加えて、上記カより、引用発明の「遊技者が当該押下操作を行う」タイミングは、本件補正発明の「第1操作部に対する操作を検出したタイミング」に相当し、引用発明の「操作誘導画像166は非表示とされる」こと、「大当たり信頼度を示唆する台詞を表す文字よりなる第1表示部165aと、それ以外のキャラクタ、吹き出し等よりなる第2表示部165bとで構成される操作時演出画像165」の「画像表示手段60」への「表示」は、それぞれ本件補正発明の「第1操作部を模した模擬画像が表示され」ない構成、「単操作演出表示」にそれぞれ相当する。
さらに、引用発明の「ボタン予告演出が実行され」ることは、上述の「操作誘導画像166」が「非表示とされ」、「操作時演出画像165」が「表示される」制御が始まといえることから、本件補正発明の「表示変化の付与が開始される制御を開始」させることに相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項E3を備える。
ク 特定事項E4
引用発明の「音量設定画像117aが画像表示手段60に表示され」ることは、本件補正発明の「表示変化」に相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項E4を備える。
ケ 特定事項E5
上記エより、引用発明の「十字操作手段35の左キー35c及び右キー35d」は本件補正発明の「第2操作部」に相当し、上記オより、引用発明の「第1,第2特別図柄の変動表示と並行して」実行される「演出図柄114」の「変動表示」は本件補正発明の「変動表示」に相当し、上記カより、引用発明の「操作有効期間」は本件補正発明の「第1操作有効期間」に相当することを踏まえると、引用発明の「第1,第2特別図柄の変動中における操作有効期間中において、十字操作手段35の左キー35c又は右キー35dの押下操作により音量調整が可能であ」ることは、本件補正発明の「第2操作部は、前記変動表示中において前記第1操作有効期間が設定されているときに操作受付が可能とされ」ることに相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項E5を備える。
コ 特定事項E6
上記キの「模擬画像」についての検討を踏まえると、引用発明の「操作誘導画像166は、変動表示の抽選結果の信頼度に応じて、青色、緑色、赤色、レインボー色等の種々の表示態様で表示されることが可能であ」ることは、変動表示の抽選結果の信頼度に応じて、種々の表示態様のうち、いずれかの表示態様で操作誘導画像166が表示されることを表しているから、本件補正発明の「第1操作部を模した模擬画像として、前記判定結果についての期待度が異なる複数の模擬画像のうちのいずれかの模擬画像を表示可能であ」ることに相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項E6を備える。
サ 特定事項E7
引用発明の「音量設定画像117a」は、本件補正発明の「特定表示」に相当する。
また、引用発明における「音量設定画像117a」の「大当たり判定の結果を示唆するものではな」いこと、「遊技者による当該押下操作に応じて表示と非表示とが切り替えられるものであって、変動中においても当該押下操作に応じて複数回表示され得る」ことは、本件補正発明における「特定表示」の「判定結果を示唆しない表示である」こと、「変動表示中に複数回表示可能」であることにそれぞれ相当する。
そうすると、特定事項E7に関し、引用発明と本件補正発明とは、「特定表示」が「判定結果を示唆しない表示であり」、かつ、「変動表示中に複数回表示可能」である点で共通する。
シ 特定事項F
引用発明の「パチンコ機」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。
以上のことから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Fを備える。
ス 一致点・相違点
上記ア~シから見て、本件補正発明と引用発明とは、
「A 所定の判定結果を導出可能な判定手段と、
B 各種画像が表示優先度に基づいて表示され、表示優先度の異なる画像が重なって表示される場合に表示優先度の高い画像が表示優先度の低い画像よりも手前に表示される表示手段と、
C 前記判定手段の判定結果に基づいた演出表示を前記表示手段において表示可能な演出制御手段と、
D 遊技者による操作が可能であり、前記表示手段において表示変化を付与することが可能な複数の操作部と、を備え、
D1 前記複数の操作部として、第1操作部と第2操作部とを有し、
E 前記演出制御手段は、
E1 前記表示手段において、前記判定結果を示す変動表示を実行可能であり、
E2 前記変動表示中において、第1操作部に対する操作を検出可能な第1操作有効期間を設定可能としており、
E3 前記第1操作有効期間においては、前記第1操作部を模した模擬画像が表示されることで、前記第1操作部に対する操作指示がなされ、前記第1操作部に対する操作を検出したタイミングにて、前記表示手段に表示されている前記第1操作部を模した模擬画像が表示された表示態様から前記第1操作部を模した模擬画像が表示されておらず前記第1操作部に対する操作に基づく単操作演出表示が表示された表示態様にする表示変化の付与が開始される制御を開始可能であり、
E4 前記変動表示中において、前記第2操作部に対する操作に基づいて前記表示手段に対して表示変化を付与可能であり、
E5 前記第2操作部は、前記変動表示中において前記第1操作有効期間が設定されているときに操作受付が可能とされており、
E6 前記変動表示中において、前記第1操作部を模した模擬画像として、前記判定結果についての期待度が異なる複数の模擬画像のうちのいずれかの模擬画像を表示可能であり、
E7’ 前記第2操作部への操作に基づく表示変化の付与で表示される特定表示は、前記判定結果を示唆しない表示である、
F 遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1](特定事項E7)
第2操作部への操作に基づく表示変化の付与で表示される特定表示について、本件補正発明では、「単操作演出表示の表示の一部が隠れるように前記単操作演出表示の表示に重ねて表示され」るものであるのに対し、引用発明では、音量設定画像117aが操作時演出画像165の表示の一部が隠れるように当該操作時演出画像165に重ねて表示されるものであるかどうか明らかでない点。
[相違点2](特定事項E8)
第2操作部に対する操作に基づいて表示手段に対して表示変化が付与される場合について、本件補正発明では、付与される表示変化にあわせ特別音が出力可能とされているのに対し、引用発明では、当該特別音が出力可能とされているかどうか明らかでない点。
(4) 判断
ア 相違点1について
上記(2)ア(エ)で示したとおり、引用文献1には、通常予告演出の一例であるミニキャラ予告演出において、信頼度表示画像170が表示される際に音量設定画像117aが併せて表示される場合には、当該音量設定画像117aを、第2ミニキャラ画像169の一部を隠蔽するように重ねて表示されていることが記載されている(引用文献1の開示事項)。
ここで、引用発明及び引用文献1の開示事項における「ボタン予告演出」と「ミニキャラ予告演出」とは、いずれも通常予告演出の一例である点で共通する。
そうすると、引用発明の通常予告演出の一例であるボタン予告演出において、十字操作手段35の左キー35c又は右キー35dの操作により画像表示手段60に音量設定画像117aが表示される構成に、引用文献1の開示事項を適用し、操作時演出画像165が表示されるときに、音量設定画像117aが併せて表示される場合には、当該音量設定画像117aを、操作時演出画像165、具体的には第2表示部165bの一部を隠蔽するように重ねて表示することは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、相違点1に係る本件補正発明の構成は、引用発明及び引用文献1の開示事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2について
上記(2)イ(イ)で示したとおり、引用文献2には、演出選択左ボタン331又は演出選択右ボタン332による操作が行われると、当該操作に応じて、遊技者設定値が「1」ずつ変化し、これに伴って演出音の出力音量が変化するとともに、遊技者設定値の範囲である「1」~「5」のうち現在の設定値をゲージ表示によって示す第2の音量値表示OH2が遊技盤側演出表示装置1600に表示され、さらに、演出音の出力音量が変化する都度、その変化後の音量で音量調整完了音が再生されることが記載されている(引用文献2の開示事項)。
ここで、引用発明と引用文献2の開示事項とは、いずれも、遊技者の操作に応じて遊技機の音量を調整し、その調整結果を表示するものである点で共通する。
そうすると、音量調整が行われたこと及び調整後の音量を遊技中の遊技者に聴覚的にも認識させることができるように、引用発明において、十字操作手段35の左キー35c又は右キー35dの操作により画像表示手段60に音量設定画像117aを表示して音量の設定状況を視覚的に報知する構成に、引用文献2の開示事項を適用し、十字操作手段35の左キー35c又は右キー35dの操作による音量設定画像117aの表示とともに、音量調整完了音を出力する構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、相違点2に係る本件補正発明の構成は、引用発明及び引用文献2の開示事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
ウ 審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書において、「本願発明の「単操作演出表示の表示」に相当する「操作時演出画像(予告演出画像)165」と「音量設定画像117a」の表示優先度について記載がされた段落[0215]の記載を確認すると、段落[0215]には「・・・音量設定画像117aを、少なくとも第1表示部165aに重ならないように・・・」と記載されております。この「少なくとも・・・重ならない」という意味は、一般的な解釈からすると最低限守るべき基準(少なくとも)として「重ならない」としているものであることが明らかであります。つまり、補正後の「・・・特定表示は、・・・単操作演出表示の表示の一部が隠れるように前記単操作演出表示の表示に重ねて表示され、」という特定事項を否定するものであります。
このため、段落[0247]に記載された「レイヤー」の技術を段落[0215]に記載された「操作時演出画像(予告演出画像)165」に適用させたとしても、段落[0215]の「・・・音量設定画像117aを、少なくとも第1表示部165aに重ならないように・・・」という記載から補正後の本願発明のように「重ねて表示」することがないことは明らかであります。
そのため、引用文献1の記載から補正後の本願発明に当業者であっても想到することはありません。」と主張している。
しかしながら、引用発明において、操作時演出画像165は、大当たり信頼度を示唆する台詞を表す文字よりなる第1表示部165aと、それ以外のキャラクタ、吹き出し等よりなる第2表示部165bとで構成されるものである。
そして、音量設定画像117aについて、【0215】には、「少なくとも第1表示部165aに重ならないように」と記載されているにとどまり、引用発明における音量設定画像117aを第2表示部165bに重ならないように表示することまでは記載されていない。すなわち、同段落の記載は、大当たり信頼度を示唆する台詞を表す文字よりなる第1表示部165aに音量設定画像117aが重ならないようにすることを示すものにすぎず、操作時演出画像165のうち、第2表示部165bに音量設定画像117aを重ねて表示することを排除するものではない。
この点、引用文献1には、別の実施例(ミニキャラ予告演出)として、信頼度表示画像170には音量設定画像117aを重ねない一方で、キャラクタ画像の一部には音量設定画像117aを重ねて表示する態様が記載されている。そうすると、引用文献1は、大当たり信頼度を示唆する表示については音量設定画像117aが重ならないようにすることを開示しているものの、それ以外の画像部分についてまで音量設定画像117aを重ねて表示することを排除するものではない。
したがって、引用文献1の【0215】の記載は、操作時演出画像165のうち第2表示部165bの一部が隠れるように音量設定画像117aを重ねて表示することについての阻害要因となるものではない。
よって、審判請求人の上記主張は採用することができない。
(5) まとめ
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、引用文献1の開示事項及び引用文献2の開示事項から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
5 補正の却下の決定についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願の請求項1に係る発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和6年9月2日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものであり、再掲すると、次のとおりである。
「【請求項1】
A 所定の判定結果を導出可能な判定手段と、
B 各種画像が表示優先度に基づいて表示され、表示優先度の異なる画像が重なって表示される場合に表示優先度の高い画像が表示優先度の低い画像よりも手前に表示される表示手段と、
C 前記判定手段の判定結果に基づいた演出表示を前記表示手段において表示可能な演出制御手段と、
D 遊技者による操作が可能であり、前記表示手段において表示変化を付与することが可能な複数の操作部と、を備え、
D1 前記複数の操作部として、第1操作部と第2操作部とを有し、
E 前記演出制御手段は、
E1 前記表示手段において、前記判定結果を示す変動表示を実行可能であり、
E2 前記変動表示中において、第1操作部に対する操作を検出可能な第1操作有効期間を設定可能としており、
E3 前記第1操作有効期間においては、前記第1操作部を模した模擬画像が表示されることで、前記第1操作部に対する操作指示がなされ、前記第1操作部に対する操作を検出したタイミングにて、前記表示手段に表示されている前記第1操作部を模した模擬画像が表示された表示態様から前記第1操作部を模した模擬画像が表示されておらず前記第1操作部に対する操作に基づく単操作演出表示が表示された表示態様にする表示変化の付与が開始される制御を開始可能であり、
E4 前記変動表示中において、前記第2操作部に対する操作に基づいて前記表示手段に対して表示変化を付与可能であり、
E5 前記第2操作部は、前記変動表示中において前記第1操作有効期間が設定されているときに操作受付が可能とされており、
E6 前記変動表示中において、前記第1操作部を模した模擬画像として、前記判定結果についての期待度が異なる複数の模擬画像のうちのいずれかの模擬画像を表示可能であり、
E7’ ’ 前記第2操作部への操作に基づく表示変化の付与で表示される特定表示は、前記判定結果を示唆しない表示であり、前記変動表示中に複数回表示可能とされ、前記第1操作部を模した模擬画像が表示された前記第1操作有効期間が設定されているときに前記第1操作部に対する操作を検出したことによって表示される単操作演出表示よりも表示優先度が高く、
E8 前記第2操作部に対する操作に基づいて前記表示手段に対して表示変化が付与される場合に、付与される表示変化にあわせ特別音が出力可能とされている
F ことを特徴とする遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、次のものである。
理由1(特許法第29条第2項)について
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2018-196515号公報
2.特開2018-153497号公報
3 引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1は、上記第2[理由]4(2)アで摘記したとおりであり、引用発明は、上記第2[理由]4(2)ア(ウ)で認定したとおりである。
4 対比・判断
上記第2[理由]2及び3のとおり、本件補正発明は、本願発明の発明特定事項をすべて含み、その構成をさらに限定したものであるところ、本願発明の特定事項E7’ ’は、本件補正発明の特定事項B、E7の検討から引用発明との一致点であるといえるから、本願発明と引用発明とは、以下の点(相違点3(特定事項E8))で相違し、その余の構成で一致する。
[相違点3](特定事項E8)
第2操作部に対する操作に基づいて表示手段に対して表示変化が付与される場合について、本願発明では、付与される表示変化にあわせ特別音が出力可能とされているのに対し、引用発明では、当該特別音が出力可能とされているか明らかでない点。
上記相違点3について検討する。
相違点3は、相違点2と同じであるから、上記第2[理由]4(4)イで検討したとおり、引用発明に引用文献2の開示事項を適用して、特定事項E8に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
よって、本願発明は、引用発明及び引用文献2の開示事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2025-010763