2021-007163
密封されたコンデンサアセンブリ
- 審判番号
- 2021-007163
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-070294外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年06月02日
- 審決日
- 2022年01月06日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エイブイエックス コーポレイション
- 【請求人代理人】山本 修
- 【請求人代理人】宮前 徹
- 【請求人代理人】松尾 淳一
- 【請求人代理人】鈴木 雄太
- 分類
- P18 .121-Z (H01G) / P18 .575-Z (H01G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成21年3月12日(パリ条約に基づく優先権主張 平成20年4月1日 米国(US))に出願した特願2009-59683号の一部を平成25年4月25日に新たな出願とした特願2013-92544号の一部を平成28年2月16日にさらに新たな出願とした特願2016-27242号の一部を平成30年11月16日にさらに新たな出願とした特願2018-215425号の一部を令和2年4月9日にさらに新たな出願としたものであって、令和2年5月11日に手続補正がなされ、同年8月25日付け拒絶理由通知に対する応答時、令和3年1月22日に手続補正がなされたが、当該手続補正について令和3年2月4日付けで補正の却下の決定がなされるとともに同日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対して、同年6月2日に拒絶査定不服審判の請求及び手続補正がなされたものである。
第2 令和3年6月2日の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和3年6月2日の手続補正を却下する。
[理由]
1.本件補正について
令和3年6月2日の手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲は、本件補正前には、
「【請求項1】アノードと、該アノードの上に重なる誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、導電性ポリマーを有するカソードとを含む電解コンデンサと、不活性ガスを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、前記電解コンデンサが内部に封入されて密封されたセラミックハウジングと、前記カソードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するカソード端子と、前記アノードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するアノード端子と、を含むことを特徴とするコンデンサアセンブリ。」
とあったものが、
「【請求項1】アノードと、該アノードの上に重なる誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、導電性ポリマーを有するカソードとを含む電解コンデンサと、不活性ガスを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、前記電解コンデンサが内部に封入されて密封されたセラミックハウジングと、前記カソードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するカソード端子と、前記アノードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するアノード端子と、を含むことを特徴とするコンデンサアセンブリであって、前記セラミックハウジングの下壁の上面が単一の平面として存在し、前記カソードの前記導電性ポリマーがポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)又はその誘導体である、コンデンサアセンブリ。」
と補正された(下線部は補正箇所を示す。)。
2.補正の適否
上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「セラミックハウジング」について、「下壁の上面が単一の平面として存在」することの限定を付加し、同じく補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項であるカソードが有する「導電性ポリマー」について、「ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)又はその誘導体」であることの限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
よって、上記補正を含む本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)否かについて以下に検討する。
(1)引用例の記載事項
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(1-1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-39168号公報(以下、「引用例1」という。)には、「セラミック容器およびそれを用いたタンタル電解コンデンサ」について、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した)。
ア.「【請求項1】
上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の一内側面と底面との間に段差が形成されており、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられたセラミック基体と、前記段差の上面から側面にかけて形成された切り欠きと、該切り欠きの側面および底面に形成された第一のメタライズ層と、前記凹部の底面に形成された第二のメタライズ層と、前記セラミック基体の外側面に上下方向に形成されるとともに内面に第一および第二の側面導体がそれぞれ形成された第一および第二の溝とを具備しており、前記第一のメタライズ層は第一の内部配線と前記第一の側面導体とを介して前記第一の導体層に電気的に接続されており、前記第二のメタライズ層は第二の内部配線と前記第二の側面導体とを介して前記第二の導体層に電気的に接続されていることを特徴とするセラミック容器。」
イ.「【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のセラミック容器と、タンタル粉末の焼結体の側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が前記第一のメタライズ層に電気的に接続されている陽極リード端子、および前記焼結体の下面に被着されるとともに前記第二のメタライズ層に電気的に接続されている陰極層とを有するタンタル電解コンデンサ素子と、前記セラミック基体の上面に前記凹部を塞ぐように取着された蓋体とを具備していることを特徴とするタンタル電解コンデンサ。」
ウ.「【0001】
本発明は、セラミック容器、および電子回路などに使用されるタンタル電解コンデンサに関し、特にセラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサに関する。」
エ.「【0004】
以下に、この種の従来のタンタル電解コンデンサについて図5を用いて説明する。図5は従来のタンタル電解コンデンサの構成を示す断面図であり、同図において11はタンタル電解コンデンサ、Bはタンタル電解コンデンサ素子、Cは陽極リードを示し、タンタル電解コンデンサ素子Bはタンタルなどから成る陽極リードCの一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出するように埋設されたタンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体12に誘電体の酸化皮膜層(図示せず)を形成し、固体電解質層(図示せず)を酸化被膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層12aを形成することにより得られる。」
オ.「【0025】
本発明のセラミック容器について以下に詳細に説明する。図1において、(a)は本発明のセラミック容器の実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は図(a)の断面図である。また、図2は本発明のセラミック容器の実施の形態の一例を下方から見た斜視図であり、図3は本発明のセラミック容器の実施の形態の他の例を下方から見た斜視図である。これらの図において、1はセラミック基体、1aは凹部、1bは第二のメタライズ層、1c-Aは段差、2は切り欠き、2aは第一のメタライズ層、3aは第一の内部配線、3bは第二の内部配線、4aは第一の導体層、4bは第二の導体層、4cは第一の側面導体、4dは第二の側面導体、5a,5bは第一および第二の突出部、6は蓋体、Aはセラミック容器、Bはタンタル電解タンタル電解コンデンサ素子、Cは陽極リード端子、Dは陰極層、Eは導電性接合材である。
【0026】
本発明のセラミック容器Aは、セラミック基体1の上面中央部に直方体状の凹部1aが形成され、この凹部1aの1つの内側面と凹部1aの底面との間に段差1c-Aが形成されており、例えば図1に示すように下面の段差1c-Aの直下の部位に第一の導体層4aが、および段差1c-Aが形成された上記の1つの内側面に対向する内側面の直下の部位に第二の導体層4bがそれぞれ設けられている。
【0027】
また、段差1c-Aの上面からその側面にかけて切り欠き2が形成され、切り欠き2の内面の側面および底面に第一のメタライズ層2aが形成されており、また凹部1aの底面には第二のメタライズ層1bが形成されている。さらに、第一のメタライズ層2aと電気的に接続され、セラミック基体1の内部を貫通する第一の内部配線3aと、セラミック基体1の下面の第一の導体層4aとを電気的に接続する第一の側面導体4c(いわゆるキャスタレーション導体)がセラミック基体1の外側面に形成された第一の溝内に形成されている。また、第二のメタライズ層1bと電気的に接続され、セラミック基体1の内部を貫通する第二の内部配線3bと、セラミック基体1の下面の第二の導体層4bとを電気的に接続する第二の側面導体4d(キャスタレーション導体)がセラミック基体1の外側面に形成された第二の溝内に形成されている。
・・・・・(中 略)・・・・・
【0034】
セラミック基体1の下面には、第一および第二の導体層4a,4bが第一および第二の側面導体4c,4dと第一および第二の内部配線3a,3bとを介して第一および第二のメタライズ層2a,1bとそれぞれ電気的に接続されて形成されている。これらの第一および第二の導体層4a,4bが外部電気回路基板(図示せず)の表面の配線導体に半田を介して接合される。」
カ.「【0043】
そして、枠状部材7にFe-Ni-Co合金やAl合金等の金属製の蓋体6をシーム溶接等により接合し、セラミック基体1の上面に凹部1aを塞ぐように強固に取着することによって、セラミック基体1の凹部1aを確実に気密封止できるようになる。従って、外部から水分や酸素等がセラミック基体1と蓋体6との間から凹部1aに侵入するのをより有効に抑止することができるので、内部に封入されるタンタル電解コンデンサ素子Bに漏れ電流が発生したり、ショートによる不良が発生したりするのを有効に防止できる
。その結果、内部に収容されるタンタル電解コンデンサ素子Bがショートすることにより発火して火災を引き起こす虞を少なくできる。
【0044】
また、タンタル電解コンデンサ素子Bが水分による腐食等で劣化するのを有効に防止できるので、タンタル電解コンデンサ素子Bの電気特性を長期間にわたって良好に維持できる信頼性の高いセラミック容器Aとすることができる。」
キ.「【0045】
次に、本発明のタンタル電解コンデンサFについて以下に詳細に説明する。図4は本発明のタンタル電解コンデンサFの実施の形態の一例を示す断面図であり、Bはタンタル電解コンデンサ素子、Cは陽極リード端子、Dは陰極層、Eは導電性接合材である。
【0046】
本発明のタンタル電解コンデンサFは、タンタル粉末の焼結体の側面からこの焼結体内に一端部が埋め込まれて形成された陽極リード端子Cと焼結体の外周に形成された陰極層Dとを有するタンタル電解コンデンサ素子Bを内蔵している。そして、陽極リード端子Cがその他端部を切り欠き2に導電性接合材Eを介して接合されてなるとともに、段差1c-A上の切り欠き2が導電性接合材Eによって覆われることにより、陽極リード端子Cと第一のメタライズ層2aとの接続部の電気抵抗を小さくすることができ、かつ陽極リード端子Cを強固に切り欠き2の第一のメタライズ層2aに接合することができるとともに、さらに、陰極層Dが導電性接合材Eによって広い面積で第二のメタライズ層1bに電気的に接合されるので、陰極層Dと第二のメタライズ層1bとの接続部の電気抵抗も小さくすることができ、陰極層Dを強固に第二のメタライズ層1bに接合することができるので、電気的接続の信頼性が高く電気抵抗が低いタンタル電解コンデンサFとすることができる。」
ク.「【0050】
さらに好ましくは、セラミック容器Aの内部に窒素またはアルゴン等の不活性気体を封入すると良く、タンタル電解コンデンサ素子Bがセラミック容器Aの内部気体と反応して腐食等するのを確実に防止し、タンタル電解コンデンサ素子Bを長期にわたって極めて良好に作動させることができる。」
ケ.「
[図:0001384915000001.jpg]
」
コ.「
[図:0001384915000002.jpg]
」
上記「ア.」ないし「コ.」から以下のことがいえる。
・上記引用例1に記載の「セラミック容器およびそれを用いたタンタル電解コンデンサ」は、上記「ウ.」の記載によれば、セラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサに関するものである。
・上記「キ.」の記載によれば、タンタル電解コンデンサFは、タンタル電解コンデンサ素子Bを内蔵し、当該タンタル電解コンデンサ素子Bとしては、上記「エ.」に記載された従来例に係るタンタル電解コンデンサBと同じものが用いられることは明らかであり、当該「エ.」の記載によれば、タンタル電解コンデンサ素子Bは、陽極リードCの一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出するように埋設されたタンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体に誘電体の酸化皮膜層を形成し、固体電解質層を酸化皮膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層Dを形成することにより得られるものである。
・上記「ア.」、「オ.」の記載、及び上記「ケ.」(図1)、「コ.」(図4)によれば、セラミック容器Aは、上面の中央部に直方体状の凹部1aが形成され、該凹部1aの一内側面と底面との間に段差1c-Aが形成されており、下面に第一の導体層4aおよび第二の導体層4bが互いに独立して設けられたセラミック基体1と、前記段差1c-Aの上面から側面にかけて形成された切り欠き2と、該切り欠き2の内面の側面および底面に形成された第一のメタライズ層2aと、前記凹部1aの底面に形成された第二のメタライズ層1bと、前記セラミック基体1の側壁内部を貫通する第一の内部配線3aおよび第二の内部配線3bと、前記セラミック基体1の外側面に設けられた第一の溝および第二の溝内にそれぞれ形成された第一の側面導体4cおよび第二の側面導体4dとを具備しており、前記第一のメタライズ層2aは前記第一の内部配線3aと前記第一の側面導体4cとを介して前記第一の導体層4aに電気的に接続されており、前記第二のメタライズ層1bは前記第二の内部配線3bと前記第二の側面導体4dとを介して前記第二の導体層4bに電気的に接続されてなるものである。
そして、上記「イ.」、「カ.」の記載、及び上記「ケ.」(図1)、「コ.」(図4)によれば、セラミック容器Aの内部にタンタル電解コンデンサ素子Bが封入され、凹部1aを塞ぎ気密封止するように蓋体6が取着されるものである。
・上記「イ.」、「キ.」の記載、及上記「ケ.」(図1)、「コ.」(図4)によれば、タンタル電解コンデンサ素子Bにおける陽極リード端子Cの他端部が第一のメタライズ層2aに導電性接合材Eによって電気的に接続され、タンタル電解コンデンサ素子Bにおける陰極層Dが第二のメタライズ層1bに導電性接合材Eによって電気的に接続されるものである。
・さらに、上記「ク.」の記載によれば、セラミック容器Aの内部には窒素またはアルゴン等の不活性気体が封入されるものである。
以上のことから、上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「タンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体に誘電体の酸化皮膜層を形成し、固体電解質層を酸化皮膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層を形成したタンタル電解コンデンサ素子であって、前記焼結体内に一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出する陽極リードとを含むタンタル電解コンデンサ素子と、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の一内側面と底面との間に段差が形成されており、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられたセラミック基体と、前記段差の上面から側面にかけて形成された切り欠きと、当該切り欠きの内面の側面および底面に形成された第一のメタライズ層と、前記凹部の底面に形成された第二のメタライズ層と、前記セラミック基体の側壁内部を貫通する第一の内部配線および第二の内部配線と、前記セラミック基体の外側面に設けられた第一の溝および第二の溝内にそれぞれ形成された第一の側面導体および第二の側面導体とを具備し、前記凹部を塞ぎ気密封止するように蓋体が取着され、その内部には前記タンタル電解コンデンサ素子とともに窒素またはアルゴン等の不活性気体が封入されたセラミック容器と、を含み、前記陽極リード端子の他端部が前記第一のメタライズ層に導電性接合材によって電気的に接続され、前記陰極層が前記第二のメタライズ層に導電性接合材によって電気的に接続され、前記第一のメタライズ層は前記第一の内部配線と前記第一の側面導体とを介して前記第一の導体層に電気的に接続されており、前記第二のメタライズ層は前記第二の内部配線と前記第二の側面導体とを介して前記第二の導体層に電気的に接続されている、セラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサ。」
(1-2)引用例2
原査定と同日付けでなされた補正却下の決定に引用された特開2002-25858号公報(以下、「引用例2」という。)には、「固体電解コンデンサおよびその製法」について、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した)。
ア.「【0004】パッケージの外形を小さくしながら、コンデンサ素子を大きくすることができる構造として、たとえば特開平8-148386号公報には、図6に示されるような構造の固体電解コンデンサが開示されている。すなわち、図6に示される構造では、絶縁性の基板21の裏面に外部電極22、23が形成され、絶縁性基板21のスルーホール内の導電部材24を介して上面側の内部電極22a、23aに接続されるように、コンデンサ素子1の外周部が基板21の低い部分21bに固着され、陽極リード11は絶縁性基板21の段差により高くされた部分21aの表面の内部電極23aに接続されることにより形成されている。そして、その上面側がケース5により被覆される構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のような絶縁性基板を用いた構造では、パッケージの占める部分は最小限に減らすことができ、外形寸法に対するコンデンサ素子の割合を大きくすることができるが、陽極リードの位置がコンデンサ素子のほぼ中央部に埋め込まれているため、陰極面である焼結体の外周壁の位置と異なり、図6に示されるように、基板の厚さを陽極リード接続部分では厚くし、陰極接続部分では薄くして、基板に段差を設けなければならない。このような段差を有する基板を形成するには、非常に高価になると共に、その裏面側に設けられる外部電極と電気的に接続するため、スルーホールを設けなければならないが、厚い部分にスルーホールを設けて導電部材を埋め込むとさらに高価になるという問題がある。一方、基板に段差を設けないと、陽極リードが基板表面から高い位置にあり、別の導電性部材を介さないと基板上の電極と電気的に接続することができないという問題がある。
【0006】本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、陰極および陽極リードを接続する部分を同一平面に形成しながら、直接陰極および陽極リードを接触させて固定することができる構造の固体電解コンデンサを提供することを目的とする。」
イ.「【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による固体電解コンデンサは、金属粉末焼結体の一壁面のほぼ中央部に陽極リードの一端部が埋設され、該焼結体の外周部に陰極が形成されるコンデンサ素子と、該コンデンサ素子の陽極リードおよび陰極がそれぞれ電気的に接続される、フレーム状に並置して設けられる板状の第1および第2のリード、または第1および第2の電極を有する絶縁性基板と、前記コンデンサ素子の周囲を被覆する被覆層とからなり、前記陽極リードの他端部が前記焼結体の中心部から該焼結体の側面近傍の位置に端部を有するようにフォーミングされ、前記第1のリードまたは前記第1の電極に直接接触させて固定されている。ここに電極とは、絶縁性基板裏面などに設けられ、回路基板などに実装するための外部電極と電気的に接続して基板表面に設けられる内部電極などを意味する。
【0009】この構造にすることにより、コンデンサ素子の陽極リードが焼結体の中心部から導出され、焼結体の外周部である陰極部を直接平坦面上に載置しても、陽極リードがフォーミングされて、その先端部(他端部)が焼結体の外周壁部分とほぼ同じ位置になるように形成されているため、陽極リードも平坦面の絶縁基板上または平坦な第1および第2のリード上で直接接触させることができる。その結果、導電性接着剤などにより接着することにより、電気的に接続しながら、固定をすることができる。」
ウ.「【0023】図4は、リードフレームではなく、絶縁基板を用いた場合の本発明による陽極リード側の接続構造の例を示す、図1と同様の説明図である。すなわち、図4において、たとえばガラスエポキシやポリイミドなどからなる絶縁基板21の裏面の両端部に第1の外部電極22および第2の外部電極23が形成され、絶縁基板21に設けられるスルーホール内の導電部材24を介して、それぞれ上面側の第1および第2の内部電極22a、23aに接続されている。そして、第2の内部電極23a上にコンデンサ素子1の外周壁が図示しない導電性接着剤により接着されている。そして、前述のようにフォーミングされた陽極リード11の先端部が同様に第1の内部電極22a上に図示しない導電性接着剤により接着されている。そして、その周囲にパッケージ5が被されている。なお、このパッケージ5は、前述の例と同様に樹脂の塗布により形成することもできる。
【0024】本発明によれば、リードフレームまたは絶縁基板上に直接コンデンサ素子を接着することにより、コンデンサ素子とパッケージとの間隔を、非常に薄く形成しながら、陽極リードもその先端部がコンデンサ素子の側壁とほぼ同じ位置にくるようにフォーミングされているため、同一平面に形成された第1および第2のリード、または絶縁性基板上の第1および第2の電極上に直接導電性接着剤により電気的接続と固定をすることができる。その結果、リードフレームまたは絶縁基板も平板状ですみ、段差を有する基板を用いなくてもよく、非常に安価に製造することができる。しかも、リードフレームを用いて第2リード3の長さが焼結体の長さの半分以下であっても、陽極リード11が突っ支い棒となり、組立の際に傾くこともなく、非常に製造が容易になる。
・・・・・(中 略)・・・・・
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、段差を有しない平坦な絶縁性基板やリードフレーム上に直接陰極部を載置しながら、陽極リードもその接続部が直接リードまたは電極上に載置されるため、非常に安価に製造することができる。しかも、小さなパッケージで大きなコンデンサ素子を内蔵することができ、容量値を大きくしたり、リーク電流を減少させることができ、非常に高性能な固体電解コンデンサが得られる。」
エ.「
[図:0001384915000003.jpg]
」
オ.「
[図:0001384915000004.jpg]
」
上記「ア.」ないし「ウ.」の記載、及び上記「エ.」(図4)、「オ.」(図6)を総合勘案すると、引用例2には、次の技術事項が記載されている。
「下面(裏面)に一対の外部電極が設けられ、上面(表面)に一対の内部電極が設けられた基体(絶縁基板)に対して固体電解コンデンサ素子を搭載する構造の固体電解コンデンサにおいて、基体(絶縁基板)の厚さを陽極リード接続部分では厚くし、陰極接続部分では薄くして基体(絶縁基板)に段差を設けるようにしていた従来のもの(図6に示されるもの)に代えて、非常に安価に製造することができるように基体(絶縁基板)の上面(表面)の段差を無くして平坦面とし、陽極リードをその先端部が固体電解コンデンサ素子の側壁とほぼ同じ位置にくるようにフォーミングすることによって、別の導電性部材を介することなく当該陽極リードと内部電極とを直接導電性接着剤により電気的接続と固定をするようにしたこと。」
(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア.電解コンデンサについて
引用発明における「タンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体」、焼結体に形成した「誘電体の酸化皮膜層」は、それぞれ本願補正発明でいう「アノード」、「誘電体層」に相当する。
また、本願補正発明における「導電性ポリマー」は、固体電解質として用いられるものであることは自明であることを踏まえると、引用発明における、酸化皮膜層外側に形成された「固体電解質層」及びその外周に形成された「陰極層」からなるものが、本願補正発明でいう「導電性ポリマーを有するカソード」に相当するとみることができる。
そして、引用発明における「タンタル電解コンデンサ素子」は、本願補正発明でいう「電解コンデンサ」に相当するものである。
したがって、本願補正発明と引用発明とは「アノードと、該アノードの上に重なる誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、固体電解質を有するカソードとを含む電解コンデンサと」を含むものである点で共通する。
ただし、固体電解質について、本願補正発明では「導電性ポリマー」と特定するのに対し、引用発明ではそのような特定がない点で相違する。
イ.セラミックハウジングについて
引用発明における「不活性気体」、「セラミック容器」は、それぞれ本願補正発明における「不活性ガス」、「セラミックハウジング」に相当する。
ここで、引用発明の「セラミック容器」におけるセラミック基体に形成された直方体状の凹部は、2つの対向する内側面(側部)とその間に配置される底面及び段差の上面とを含み、これらによって内部空洞が形成されていることは明らかである。そして、凹部は蓋体で気密封止するように塞がれることから、凹部によって形成される内部空洞は不活性気体の気体雰囲気であるとともに、タンタル電解コンデンサが封入されて密封されてなるものであるといえる。
したがって、本願補正発明と引用発明とは「不活性ガスを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、前記電解コンデンサが内部に封入されて密封されたセラミックハウジングと」を含むものである点で共通する。
ただし、セラミックハウジングについて、本願補正発明では下壁の上面が「単一の平面として存在」する旨特定するのに対し、引用発明では段差が形成されており、単一の平面として存在していない点で相違する。
ウ.カソード端子及びアノード端子について
引用発明の「第一の導体層」と「第二の導体層」は、セラミック基体の下面に設けられ、セラミック容器の外部に位置することは明らかであり、それぞれ本願補正発明でいう「アノード端子」、「カソード端子」に相当する。
そして、引用発明における「第一の導体層」は、第一のメタライズ層、第一の内部配線及び第一の側面導体を介して陽極リード端子と電気的に接続、すなわち本願補正発明でいう「アノード」と電気的に接続されてなるものである。同様に、引用発明における「第二の導体層」は、第二のメタライズ層、第二の内部配線及び第二の側面導体を介して陰極層と電気的に接続、すなわち本願補正発明でいう「カソード」と電気的に接続されてなるものである。
したがって、本願補正発明と引用発明とは「前記カソードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するカソード端子と、前記アノードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するアノード端子と」を含むものである点で一致する。
エ.コンデンサアセンブリについて
そして、引用発明における「セラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサ」は、本願補正発明でいう「電解コンデンサ」、電解コンデンサを内部に封入する「セラミックハウジング」及びセラミックハウジングの外部に位置する「カソード端子、アノード端子」を含むものであるから、本願補正発明でいう「コンデンサアセンブリ」に相当するものである。
よって、本願補正発明と引用発明とは、
「アノードと、該アノードの上に重なる誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、固体電解質を有するカソードとを含む電解コンデンサと、不活性ガスを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、前記電解コンデンサが内部に封入されて密封されたセラミックハウジングと、前記カソードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するカソード端子と、前記アノードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するアノード端子と、を含むことを特徴とするコンデンサアセンブリ。」
である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1]
カソードが有する固体電解質について、本願補正発明では「導電性ポリマー」であり、「前記導電性ポリマーがポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)又はその誘導体」であると特定するのに対し、引用発明ではそのような特定がない点。
[相違点2]
セラミックハウジングについて、本願補正発明では下壁の上面が「単一の平面として存在」する旨特定するのに対し、引用発明では段差が形成されており、単一の平面として存在していない点。
(3)判断
上記相違点について検討する。
[相違点1]について
固体電解コンデンサにおける固体電解質としてポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)である導電性ポリマー(導電性高分子)を用いることは、例えば原査定の拒絶の理由に引用された特開2007-300123号公報(段落【0014】を参照)や特開2004-111460号公報(【請求項4】、段落【0016】を参照)、さらには特開平11-87192号公報(特に段落【0004】、【0026】を参照)に記載のようにごく一般的な周知の技術事項であり、引用発明においても、固体電解質としてポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)である導電性ポリマーを用い、相違点1に係る構成とすることは当業者であれば適宜なし得ることである。
[相違点2]について
原査定と同日付けでなされた補正却下の決定に引用された引用例2には、下面(裏面)に一対の外部電極が設けられ、上面(表面)に一対の内部電極が設けられた基体(絶縁基板)に対して固体電解コンデンサ素子を搭載する構造の固体電解コンデンサにおいて、基体(絶縁基板)の厚さを陽極リード接続部分では厚くし、陰極接続部分では薄くして基体(絶縁基板)に段差を設けるようにしていた従来のもの(図6に示されるもの)に代えて、非常に安価に製造することができるように基体(絶縁基板)の上面(表面)の段差を無くして平坦面とし、陽極リードをその先端部が固体電解コンデンサ素子の側壁とほぼ同じ位置にくるようにフォーミングすることによって、当該陽極リードと内部電極とを直接導電性接着剤により電気的接続と固定をするようにした技術事項が記載されている(上記(1-2)を参照)。引用発明においても、安価に製造することは当然に望まれるところであることから、かかる技術事項を採用し、下壁の上面を平坦面、すなわち単一の平面として存在するものとし、相違点2に係る構成とすることは当業者であれば容易になし得ることである。
ここで審判請求人は審判請求書において、次のように主張している。
(a)引用文献4(上記引用例2)には、段差を有する基板を形成するには非常に高価になることが記載されているが(段落[0005])、同段落には、基板に段差を設けないと、陽極リードが基板表面から高い位置にあり、別の導電性部材を介さないと基板上の電極と電気的に接続することができないという問題があることも記載されている。したがって、前記基板に段差を設けないことにより生じる問題も考慮すれば、当業者が引用文献1に記載の発明において、単に高価であるとの理由のみをもって、敢えて基板から段差を取り除くことはしないと考えられる。
(b)引用文献1(上記引用例1)に記載の発明では、タンタル電解コンデンサを半田付けをするときに高温に曝されても、タンタル電解コンデンサ素子の気密性を保持することができるとともに、信号の伝播遅延を少なくすることができるようなセラミック容器、およびこのセラミック容器を用いたタンタル電解コンデンサを提供することを目的としている(段落[0012])。当該目的に対し、引用文献1に記載の発明では、段差1c-Aの上面から側面にかけて切り欠き2を形成し、切り欠き2の側面および底面に第一のメタライズ層2aを設け、導電性接合剤Eを用いて陽極リード端子Cを第一のメタライズ層2aに電気的に接合している。これにより、陽極リード端子Cと第一のメタライズ層2aとの接続部の電気抵抗を小さくすることができ、タンタル電解コンデンサを透過する信号の損失を少なくする、すなわち信号の伝播遅延を少なくすることができる(段落[0046]、[0047]、図1(b)、図4)。このように、引用文献1に記載の発明では、第一のメタライズ層を有する切り欠きは目的を達成するために必須の構成であり、当該切り欠きは段差部分に形成されるため段差も必須の構成である。実際に、引用文献1の請求項1において、「段差」は必須構成として記載されている。したがって、当業者であれば引用文献1に記載の発明において、単に安価であるとの理由のみをもって段差を取り除くことはしないと考えられる。
しかしながら、上記(a)について、そもそも引用例2に記載された技術事項は、陽極リードをその先端部が固体電解コンデンサ素子の側壁とほぼ同じ位置にくるようにフォーミングすることによって、別の導電性部材を介することなく当該陽極リードと内部電極とを直接電気的接続と固定をするようにしたものであり、引用発明において引用例2に記載の技術事項を採用した際には、審判請求人が主張するような「基板に段差を設けないことにより生じる問題」は解決されていることを踏まえると、上記(a)の主張は採用できない。
また、上記(b)の主張について、まず、引用例1に記載された発明における解決しようとする課題としては、特に段落【0008】、【0011】及び【0012】の記載によれば、図5に示される外装樹脂とリードフレームとを有する構造の従来技術に係るものにおける、半田付けが行われる際に外装樹脂が熱で変質してリードフレームとの間に隙間が発生し、この隙間から水分が侵入して漏れ電流が発生したり、ショートによる不良を発生させたりするという点(以下、「前者の課題」という。)と、さらにこれに加えて、陽極リードを溶接によりリードフレームに接合していることにより、接合部の抵抗値が大きくなり、完成したタンタル電解コンデンサ素子の信号の等価損失が大きくなり、その結果、信号の伝播遅延が発生するという点(以下、「後者の課題」という。)である。そして、引用発明において、引用例2に記載の技術事項を採用して「段差」がない構成としたとしても、タンタル電解コンデンサは不活性気体とともにセラミック容器に封入されており、気密性は保持されるので「前者の課題」が解決できなくなってしまうことはないことや、陽極リード端子と第一のメタライズ層(内部電極)とは導電性接着剤により直接電気的接続と固定がなされるものであり、従来技術のように陽極リードを溶接によりリードフレームに接合するものではないことから「切り欠き」はないとしても、「後者の課題」もある程度は解決できるものであることを踏まえると、引用発明において、引用例2に記載の技術事項を採用することに阻害要因があるとまではいえず動機付けも認めることができるといえ、したがって上記(b)の主張も採用することはできない。
そして、上記各相違点を総合的に判断しても本願補正発明が奏する効果は、引用発明、引用例2に記載の技術事項及び周知の技術事項から当業者が予測できたものであって、格別顕著なものがあるとはいえない。
3.本件補正についてのむすび
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明、引用例2に記載の技術事項及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において重用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1.本願発明
令和3年6月2日の手続補正は上記のとおり却下され、令和3年1月22日の手続補正についても同年2月4日付けで補正却下の決定がなされているので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和2年5月11日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】アノードと、該アノードの上に重なる誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、導電性ポリマーを有するカソードとを含む電解コンデンサと、不活性ガスを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、前記電解コンデンサが内部に封入されて密封されたセラミックハウジングと、前記カソードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するカソード端子と、前記アノードと電気的に接続し、前記セラミックハウジングの外部に位置するアノード端子と、を含むことを特徴とするコンデンサアセンブリ。」
2.原査定の概要
原査定(令和3年2月4日付け拒絶査定)の概要は以下のとおりである。 この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明及び周知の技術事項(引用文献2、3に記載の技術事項)に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
3.引用例、引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された引用例1(引用文献1)、及び引用発明は、前記「第2 [理由2]2.(1-2)」に記載したとおりである。
4.対比・判断
本願発明は、前記「第2 [理由]2.」で検討した本願補正発明の発明特定事項である「セラミックハウジング」について、「下壁の上面が単一の平面として存在」することの限定を省くとともに、同じく発明特定事項であるカソードが有する「導電性ポリマー」について、「ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)又はその誘導体」であることの限定を省いたものに相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の限定事項(すなわち前記「第2 [理由]2.(2)」に記載した相違点1に係る構成の一部、及び相違点2に係る構成)を付加したものに相当する本願補正発明が前記「第2 [理由]2.(3)」に記載したとおり、引用発明、引用例2に記載の技術事項及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願補正発明から上記他の限定事項(相違点1に係る構成の一部、及び相違点2に係る構成)を省いた本願発明も、相違点1に係る判断と同様の理由により、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-007163