商標拒絶査定不服審判
2021-006924
ジカントー、ジカンユ
- 審判番号
- 2021-006924
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-028126
- 請求日
- 2021年05月28日
- 審決日
- 2022年02月17日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】特定非営利活動法人草津湯治の会
- 【請求人代理人】五味 和泰
- 【請求人代理人】淡路 里美
- 【請求人代理人】渡辺 貴康
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -Z (W44) / T18 .272-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-28126拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標
本願商標は,「時間湯」の文字を標準文字で表してなり,第44類「入浴施設の提供,健康管理に関する指導及び助言」を指定役務として,令和2年3月13日に登録出願されたものである。
本願は,令和2年8月17日付けで拒絶理由の通知がされ,同3年1月21日に意見書が提出されたが,同年2月25日付けで拒絶査定がされたものであり,これに対して同年5月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『熱めの湯に短時間の入浴を繰り返す入浴法』ほどの意味合いで使用されている『時間湯』の文字を標準文字で書してなるものであるから,これをその指定役務中,『時間湯(熱めの湯に短時間の入浴を繰り返す入浴法)を行う入浴施設の提供,時間湯(熱めの湯に短時間の入浴を繰り返す入浴法)による健康管理に関する指導及び助言』に使用しても,単に役務の質,提供の方法を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は,「時間湯」の文字を標準文字で表してなるところ,該文字は,「熱い湯をかきまわして短い時間を限って入浴することをくり返す湯治法。草津温泉のものなどが名高い。」の意味を有する語(「国語大辞典(新装版)」株式会社小学館発行)である。
そして,原審で示した証拠(別掲(1)~(3))に加え,別掲(4)ないし(15)に示すインターネット情報や新聞記事によれば,「時間湯」は,「熱い湯に短時間の入浴を繰り返す入浴法」ほどの意味合いをもって群馬県草津温泉を主とした温泉施設において提供がなされ,また複数の団体によって時間湯に関する情報発信等の活動がなされていると共に,各種主要なメディアによって温泉施設が実施(提供)する入浴法として紹介がなされている実情がうかがえる。
以上よりすれば,「時間湯」の文字は,「熱い湯に短時間の入浴を繰り返す入浴法」ほどの意味合いを認識,理解させるものということができる。
そうすると,「時間湯」の文字よりなる本願商標を,その指定役務について使用をしても,これに接する取引者,需要者は,上記入浴法を行う入浴施設の提供であることや,上記入浴法による健康管理に関する指導及び助言であること,すなわち役務の質(内容)等を表したものであると理解するにとどまるというべきである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,上記入浴法に関連しない役務である等「時間湯」の文字に相応しない役務について使用をするときは,役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「時間湯」の文字からは様々な意味合いが想起されるため,その意味合いは抽象的であるから,役務の内容を具体的に理解することは困難である,また,そもそも一地方で行われている入浴方法であるから日本全国に知られていると判断することは妥当でない旨主張する。
しかしながら,「時間湯」の文字は,上記(1)のとおり,国語大辞典に掲載されていることに加え,「時間湯」に関して,草津町の観光協会をはじめとした複数の団体によるインターネットを介しての情報発信等がなされ,新聞記事としても取り上げられ,さらに全国的なテレビ番組での紹介等がなされていることからすれば,本願指定役務の分野において,その需要者,取引者に,特定の入浴法としてその内容が認識,理解されているものということができる。
イ 請求人は,請求人が時間湯についてまとめた書籍を発行する等,「時間湯」に係る活動を行っており,「時間湯」は請求人が行っている活動と関連付けられる一種の商標であると認識されるべき旨主張する。
しかしながら,別掲のとおり,「時間湯」は,請求人以外の複数の団体が情報提供を行っており,またその内容も請求人に係る特定のものとしてではなく,古くから伝わる入浴法の一種としての紹介である。そして,別掲から「時間湯」が少なくとも100年以上前から行われてきたものと認められることからしても,請求人による活動のみに関連した語とは認識されないというべきである。
ウ 請求人は,入浴者に入浴指導をする「湯長」の制度は廃止されるようになったこと,日本国内の一般の取引者又は需要者が「時間湯」の具体的な意味合いを認識できないことから,指定役務中の「健康管理に関する指導及び助言」の役務の特徴等を表すものではない旨主張する。
しかしながら,たとえ「湯長」の制度が廃止されるようになったとしても,「時間湯」が特定の入浴法として認識,理解されるものであることは上記(1)のとおりであり,また,一般に入浴法は,マッサージ効果,神経痛や腰痛等の改善効果等の様々な効果があることが知られており,健康管理と関連性の深いものであることからすれば,本願商標を,その指定役務中,「健康管理に関する指導及び助言」について使用をしても,これに接する取引者,需要者は,「熱い湯に短時間の入浴を繰り返す入浴法」による「健康管理に関する指導及び助言」であること,すなわち役務の質等を認識するにとどまるというべきである。
エ 請求人は,過去の判決,登録例を挙げて本願商標も登録すべき旨主張する。
しかしながら,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は,当該商標の構成態様や指定役務の取引の実情等に基づいて,個別具体的に判断されるべきものである。
そして,請求人が挙げる登録例等は,本願商標とは構成態様や指定役務の取引実情等が異なるものであるから,当該登録例等の存在によって,上記(1)の判断が左右されるものではない。
オ したがって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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