商標拒絶査定不服審判
2023-021214
ジューニジカン、イチニジカン、ジカン
- 審判番号
- 2023-021214
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-119397
- 請求日
- 2023年12月13日
- 審決日
- 2024年12月25日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ワールド
- 【請求人代理人】弁理士法人エルア商標意匠事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .16 -Z (W1825)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-119397拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年10月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年3月8日付け :拒絶理由通知書
令和5年4月24日 :意見書の提出
令和5年9月6日付け :拒絶査定
令和5年12月13日 :審判請求書の提出
令和6年9月19日付け:証拠調べ通知書
令和6年11月5日付け:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「12時間」の文字を標準文字で表してなり、第18類「かばん類,袋物,傘,がま口口金,蹄鉄,革ひも,毛皮,皮革製包装用容器,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具」及び第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「12時間」の文字を標準文字で表してなるところ、商品の品質や特性、優位性を表す際に、効果の持続時間や使用時間等を数字と「時間」で表すことは一般に行われており、本願の指定商品を取り扱う業界においても同様の実情が認められるため、本願商標をその指定商品について使用したときは、これに接する需要者は、「12時間」という商品の品質や特性、優位性を表した宣伝広告と認識するにとどまり、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1及び別掲2の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記1のとおり、証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。
5 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
証拠調べ通知書で示された使用の事実に関し、実際の取引の場でも、「12時間」「○○時間」の前後に効果を直接的に表す語句や記述的な文章を必ず補って、商品の具体的な品質・特性・優位性を宣伝している実情があり、「12時間」「○○時間」単独では、漠然とした単なる時間の記載と理解されるにとどまり、具体的な品質表示や宣伝文句としては機能しないため、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当しない。
6 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第6号について
商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品又は役務の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法第3条第1項第6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項第1号ないし第5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(知財高裁平成25年1月10日判決(平成24年(行ケ)第10323号))。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、「12時間」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「時間」の文字は、「時の長さの単位。分の60倍。秒の3600倍。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を意味する語として、広く一般に親しまれた語であるから、本願商標は、「12」の数字と、「時間」の文字とを結合した構成よりなるものと容易に認識されるものである。
また、別掲1及び別掲2によれば、本願商標の指定商品に関連する分野において、長時間履いても疲れないことや、長時間効果が持続すること等を表すために、「12時間」の文字又は「〇〇時間」の文字が多数使用されている実情もあることからすれば、商品の品質や特性、優位性を表す際に、効果の持続時間や使用時間等を数字と「時間」を結合した構成で表すことは一般に行われているといえるものである。
そうすると、「12時間」の文字からなる本願商標をその指定商品について使用したときは、これに接する需要者は、長時間履いても疲れないことや、長時間効果が持続すること等を表すために、商品の品質や特性、優位性を表した宣伝広告に多用される標章と認識するにとどまるというべきである。
加えて、前記のとおり、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願の指定商品である服飾品の分野においては、「12時間」は商品の品質、特性・優位性とは結び付かない語である旨主張する。
しかしながら、別掲1及び別掲2のとおり、指定商品に関連する分野において「12時間」及び「〇〇時間」の文字が多数使用されている実情が見受けられることからすれば、本願の指定商品である服飾品の分野においても、「12時間」は商品の品質、特性・優位性を表すというのが相当である。
イ 請求人は、実際の取引の場でも、「12時間」「○○時間」の前後に効果を直接的に表す語句や記述的な文章を必ず補って、商品の具体的な品質・特性・優位性を宣伝している実情があり、「12時間」「○○時間」単独では、漠然とした単なる時間の記載と理解されるにとどまり、具体的な品質表示や宣伝文句としては機能しない旨主張する。
しかしながら、上記(1)によれば、商標法第3条第1項第6号に該当する標章は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであるところ、上記(2)のとおり、指定商品に関連する分野の取引において「12時間」又は「○○時間」の文字が品質表示や宣伝文句の一部として多用されている実情を考慮すれば、「12時間」の文字は、一般的に使用される標章であって、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであって、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるというのが相当であるから、当該文字が単独で使用されていないとしても、本願商標は同号に該当するというべきである。
ウ 請求人は、時間の長さを表す既存の語のみからなる商標が識別力を有すると判断された過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字が異なるものであり、指定商品も一致するものばかりではないなどの点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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