2021-003611
容器詰めサラダの製造方法、及び容器詰めサラダにおける洗浄済みベビーリーフの外観を向上する方法
- 審判番号
- 2021-003611
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-189155外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年03月19日
- 審決日
- 2022年08月18日
- 公報発行日
- 2022年11月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】カゴメ株式会社
- 分類
- P18 .121-Z (A23L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
本願は、令和1年10月16日の出願であって、出願後の手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 8月25日(発送日) 拒絶理由通知
(起案日:令和 2年 8月17日)
同年10月16日(受付日) 意見書及び手続補正書の提出
同年12月22日(発送日) 拒絶査定
(起案日:令和 2年12月14日)
令和 3年 3月19日(受付日) 審判請求書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1ないし4に係る発明は、令和2年10月16日(受付日)に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりのものであると認められる。
「容器詰めサラダの製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、次の工程である:洗浄:ここで洗浄されるのは、少なくとも、ベビーリーフであり、除水:ここで除水されるのは、前記洗浄されたベビーリーフであり、これによって得られるベビーリーフの水分付着率は3.0%以下であり、当該除水は、乾燥によって行われ、かつ、容器詰め:ここで容器詰めされるのは、前記除水されたベビーリーフである。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の令和2年12月22日(発送日)(起案日:令和2年12月14日)に通知した拒絶査定の概要は次のとおりであり、以下の「第4」で、その妥当性について当審の判断を示す。
(理由)この出願については、令和2年8月17日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって、拒絶をすべきものであり、当該拒絶理由の概要は下記のとおり。
本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明及び引用文献2ないし5に記載された周知技術に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第4 当審の判断
1 引用文献1の記載
引用文献1には、次の記載がある。(下線については当審において付与した。)
「【発明が解決しようとする課題】【0004】ところで、特許文献1~3の方法で製造された容器詰め葉野菜の場合、菌数の面では良好な保存性を示すものの、野菜本来の風味が低減するといった問題があった。このため、保存後であっても野菜本来の風味を有する容器詰め葉野菜を工業的に製造することが求められていた。【0005】そこで、本発明は、保存後においても野菜本来の風味が維持された容器詰め葉野菜の製造方法を提供することである。」
「【0010】<容器詰め葉野菜>本発明の容器詰め葉野菜は、必要により喫食サイズにカットされた葉野菜が容器詰めされたものであり、容器を開封するだけで葉野菜をサラダ等の料理食材として簡便に喫食できるようしたものである。ここで、葉野菜としては、特に制限はないが、例えば、キャベツ、レタス、サラダ菜、水菜、ホウレン草、種々のベビーリーフ等が挙げられる。中でも、キャベツ、レタス等の葉野菜は、保存後においても野菜本来の風味が維持された容器詰め葉野菜を得る本発明の効果が得られやすく好ましい。」
「【0018】<洗浄処理工程>本発明の容器詰め葉野菜の製造方法においては、上述の接液処理済み葉野菜に対して洗浄処理を施す工程を有する。洗浄の方法は常法により行えばよく、有機酸塩溶液やアルカリ性液が葉野菜表面から洗い流されるように、清水等を用いて浸漬や噴霧処理をするとよい。洗浄処理時間は、充分に洗浄する点から、3分以上とすればよく、5分以上とするとさらによい。また、洗浄処理する時間は、あまり長すぎると葉野菜の風味がかえって悪くなる場合があるため、60分以下とすればよく、30分以下とするとさらによい。【0019】<脱水処理工程>本発明容器詰め葉野菜の製造方法においては、上述の洗浄処理工程の後に脱水工程を行ってもよい。脱水処理工程は常法により脱水機等を用いて行えばよい。」
「【0021】<容器詰め工程>上述の処理を施した葉野菜を容器詰めする方法は特に制限はなく、常法により行えばよい。容器詰めに用いる包装容器としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂で製造された袋型、カップ型、ボール型などの種々の形状の食品包装容器で、葉野菜を密封できるものが好ましい。なお、葉野菜は、上述の包装容器に窒素ガス等の不活性ガスと共に充填密封してもよい。これにより、容器詰め葉野菜の保管中の鮮度の劣化をさらに抑制できる。」
「【実施例】【0023】[実施例1]<有機酸塩溶液への浸漬>続きを表示(全12行)不可食部を取り除き水洗した葉野菜(キャベツ)10kgを、有機酸塩(酢酸塩)を0.1%含有した有機酸塩水溶液に5分間浸漬した。次いで、前記有機酸塩水溶液に浸漬した葉野菜を清水で水洗し、水切りしたのち8mm巾にカットした。【0024】<アルカリ性溶液への浸漬>カットした葉野菜は、次いで卵殻焼成カルシウムを含有したpH12のアルカリ性溶液に5分間浸漬した。【0025】<洗浄処理>前記アルカリ性溶液に浸漬した葉野菜は、次いで清水を用いて洗浄処理した。洗浄処理したカット葉野菜は、脱水(処理条件1100rpm、1分)し、100gを延伸ポリプロピレン製袋に窒素ガスとともに入れ、袋の開口部をヒートシールすることにより、容器詰め葉野菜を得た。」
「【0037】[実施例7]実施例1において、葉野菜をベビーリーフに変更し、カットを行わない以外は、実施例1と同様に容器詰め葉野菜を得た。【0038】実施例2~7により得られた容器詰め葉野菜を、試験例1と同様の基準により評価したところ、いずれも保存後に野菜本来の風味が維持されているものであった。」
2 引用文献1に記載された発明
上記1の記載より、実施例7の容器詰め葉野菜に注目すると、引用文献1には、その製造方法として次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「容器詰め葉野菜の製造方法であって、不可食部を取り除き水洗したベビーリーフを、有機酸塩(酢酸塩)を0.1%含有した有機酸塩水溶液に5分間浸漬し、次いで、前記有機酸塩水溶液に浸漬したベビーリーフを清水で水洗し、水切りしたのち卵殻焼成カルシウムを含有したpH12のアルカリ性溶液に5分間浸漬し、次いで清水を用いて洗浄処理し、脱水(処理条件1100rpm、1分)し、延伸ポリプロピレン製袋に窒素ガスとともに入れ、袋の開口部をヒートシールする、容器詰め葉野菜の製造方法。」
3 本願発明と引用発明との対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の葉野菜が「ベビーリーフ」である「容器詰め葉野菜」は、本願発明の「容器詰めサラダ」に相当する。
そして、引用発明においての「ベビーリーフを清水を用いて洗浄処理」する工程は、本願発明の「洗浄:ここで洗浄されるのは、少なくとも、ベビーリーフであり」の工程に相当する。
また、引用発明においての「ベビーリーフ」を「脱水(処理条件1100rpm、1分)」する工程は、本願発明の「除水:ここで除水されるのは、前記洗浄されたベビーリーフであり」の工程に相当する。
さらに、引用発明の「延伸ポリプロピレン製袋に窒素ガスとともに入れ、袋の開口部をヒートシールする」工程は、本願発明の「容器詰め:ここで容器詰めされるのは、前記除水されたベビーリーフである」工程に相当する。
以上から、本願発明と引用発明とは、
「容器詰めサラダの製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、次の工程である:洗浄:ここで洗浄されるのは、少なくとも、ベビーリーフであり、除水:ここで除水されるのは、前記洗浄されたベビーリーフであり、かつ、容器詰め:ここで容器詰めされるのは、前記除水されたベビーリーフである。」
で一致し、次の点で相違する。
<相違点1>
「除水」に関して、本願発明は「これによって得られるベビーリーフの水分付着率は3.0%以下であり」と特定するのに対し、引用発明は、この点を特定しない点
<相違点2>
「除水」に関して、本願発明は「乾燥によって行われ」と特定するのに対し、引用発明は、脱水(処理条件1100rpm、1分)で行われている点
4 相違点の検討
(1)相違点1について
引用発明においても除水は行われているから、その程度は不明であるにしても、ベビーリーフの水分付着率は、ある程度低減されるように調整されているものである。
一方、容器詰め葉野菜の外面に存在する水分量と葉野菜の外観が相関することは当業者において周知な技術事項である(引用文献2の「<脱水工程>オゾン水殺菌した千切り葉野菜の水分を除去する工程である。葉野菜に多くの水分が残っており、葉野菜から水滴が滴り落ちるような状態では、保存中に細菌が増殖し易い環境になり、また、千切りキャベツ特有のふっくらとしたボリューム感が失われてベチャッとした外観を呈し、見栄えが悪く商品価値が下がってしまうため、適度に脱水することが必要である。しかし本工程で葉野菜の水分を除去しすぎると、保存中に萎びたような状態となってシャキシャキ感がなくなるため、過度の脱水は好ましくない。」(段落【0023】)や引用文献3の「収穫された野菜類、キノコ類、果物類などの青果物は、その後、合成樹脂フィルムを用いた袋状等の容器に包装され、流通、保管され、店頭等において消費者により購入される。一方で、青果物の呼吸等により、かかる容器の内側に水滴が付着し、外観を損ねるといった問題があった。」(段落【0002】)参照のこと)。
また、容器内の葉野菜の保存期間を長くするには洗浄して乾燥後に付着している水分量を少なくした方がよいことも周知である(引用文献5の段落【0024】参照のこと)。
そして、引用発明も容器詰めサラダである以上、その購買者へのアピールを考慮することは当然のことであるから、引用発明の除水の程度を示す指標である水分付着率を、より購入されるように、引用文献1の段落【0019】にあるとおり、脱水機以外の方法を含めた常法による脱水処理を行うことで3%以下とすることは、当業者が通常に行う設計的事項といえ、また、水分付着率を3%以下とすることが格別困難であった事情等も認められない。
そうすると、引用発明において、相違点1に係る発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。
(2)相違点2について
まず、「乾燥」とは、デジタル大辞泉によれば、
「1 かわくこと。湿気や水分がなくなること。「空気が-する」「-地」2 かわかすこと。「洗濯物を-する」」
との意味であり、「ウィキペディア」(フリー百科事典)によれば、
「乾燥(かんそう)とは、熱を加えるなどして、目的のものから水分を除去し、乾いた状態にすること、乾いた状態になっていることを指す。一般的には、水分を気化させ、液状の水分をなくすか少なくすることを指すが、空気中の湿度が低い場合にも乾燥という言葉を使う。」
であって、当業者において、かわかすこと、湿気や水分がなくなることを意味していることは明らかであるから、特許請求の範囲の記載は、本願明細書の記載を参酌することなく理解できる。
そうすると、引用発明における除水が「脱水(処理条件1100rpm、1分)で行われている」ことは、除水が(脱水機による)乾燥によって行われているといえるから、相違点2は実質上の相違点でない。
仮に、相違点2に係る「乾燥」が、実質的な相違点であったとしても、引用文献1には、除水に関しての一般記載において「上述の洗浄処理工程の後に脱水工程を行ってもよい。脱水処理工程は常法により脱水機等を用いて行えばよい。」(段落【0019】)と記載されており、葉野菜の脱水手段として、乾燥により行うことは周知技術(引用文献4の「洗浄工程後の緑色野菜を、さらに、水切り、乾燥等して付着した洗浄液を除去してもよい。」(段落【0054】)、引用文献5の「洗浄して乾燥した後の重量が-1%(wt/wt)となるように、残余水分なく食品が保存されると、切った葉野菜は、その保存期間を倍にするという効果を示している。」(段落【0024】)、特開2014-70836号公報、特開2003-180317号公報等参照のこと)、つまり、「常法」である。
そうすると、引用発明において、相違点2に係る発明特定事項とすることは当業者が容易になし得たことである。
(3)効果について
相違点に係る効果について検討する。
上記(2)の相違点1の検討で触れたように、容器詰め葉野菜の外面に存在する水分量と葉野菜の外観が相関すること、及び、容器内の葉野菜の保存期間を長くするには洗浄して乾燥後に付着している水分量を少なくした方がよいことが、当業者に周知であることからすれば、相違点に係る「外観が向上する」との効果は、当業者において予測し得るものであって、格別なものとはいえない。
なお、本願明細書における実施例及び比較例において、洗浄後水晒しを行った後、風をあてて乾燥を行って水分付着率2.0%とした実施例1は、洗浄後、水晒しを行った後、真空により水を吸引後、遠心分離により除水を行って水分率が4.8%の比較例1より、「袋への充填しやすさ」と「10℃、3日経過後の状態」での「外観」がよいことを確認している。
しかしながら、「外観」に関する効果については、上述のとおり、当業者において予測しうるものであって格別なものとはいえない。
そして、本願発明の「乾燥」は、上記相違点2において検討したとおり、遠心分離による乾燥も、風による乾燥も包含するものであって、また、本願発明は「容器詰めサラダ」であって、袋詰めに限定されるものでもないから、「袋の充填しやすさ」に関する本願明細書における実施例及び比較例において確認している効果は、実施例において奏される効果であっても本願発明の全体が奏する効果ということはできないから、格別なものとはいえない。
(4)まとめ
よって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。
5 審判請求人の主張について
(1)上記4(1)に関し、審判請求人は、令和3年3月19日(受付日)の審判請求書において、次の主張をしている。
「しかしながら、引用文献1には、葉野菜の外観の向上のために、水分付着率を調整する手段を採用することや、これを3.0%以下にすることの記載も示唆もなく、引用文献1をもって、設計的事項によって水分付着率を3.0%以下にすることには想到致しません。審査官殿は、令和2年12月22日の拒絶査定「主張(ア)について」において、課題の自明性について述べられていますが、当該内容を見ても、引用文献1に基づき、葉野菜の外観の向上のために、水分付着率を調整する手段を採用することや、これを3.0%以下にすることを設計的事項と判断する根拠は記載されていません。また、令和2年10月15日付意見書でも述べたとおり、引用文献2,及び3は、ベビーリーフに関する発明ではなく、技術分野が異なります。・・・さらには、引用文献2,及び3には、特にベビーリーフにおいて、水分付着率を3.0%以下にするという記載はなく、引用文献1に、引用文献2及び3を適用しても、相違点2(当審注:本件審決の「相違点1」に対応)に想到しません。」
「相違点1(当審注:本件審決の「相違点2」に対応、以下同じ)に関して、本願発明は、除水の方法として乾燥を用いることによって、ベビーリーフ同士の接触による傷みや、遠心分離による圧力による傷みを避けることができ(本願明細書段落[0030])、さらに水分付着率を3.0%以下とすることによって、10℃、3日経過後でも外観が良く、袋への充填時における、葉の張り付きや傷み増加を抑制することができるという有利な効果があります(本願明細書段落[0038])。 審査官殿は、相違点1に関して、令和2年12月22日の拒絶査定「主張(ウ)について」において、引用文献4,5を基に、これを周知技術と認定し、さらに、乾燥以外の手段で行った場合と比べて傷みの程度についての客観的証拠が記載されていないことを述べられています。しかしながら、本願発明は、除水の方法として乾燥を用いることで「ベビーリーフ同士の接触による傷みや遠心分離による圧力による傷みを避けること」や「容器である袋への充填も問題なく行える」という有利な効果を有するものですが、拒絶査定における記載内容を見ても、上記についての検討がなされていません。そして、引用文献4,5のいずれにおいても、上記内容は記載されていません。また、除水の方法として乾燥を用いることによって、遠心分離等の強い物理的な力を加えた場合と比較して葉の傷みが抑えられ、外観が向上することは、本願明細書段落[0030]の記載を見た当業者は十分に理解できます。なお、引用文献4,及び5のいずれにおいても、乾燥手段によって外観を向上するという内容は記載されていないため、水分付着率3.0%以下についての臨界的意義まで必要としません。よって、本願明細書を見た当業者は、前記有利な効果を十分に理解でき、かつ、引用文献4,5を基に、相違点1に容易に想到しません。さらには、引用文献1に基づき、相違点2に想到した上で、さらに相違点1に想到することはなおさらできません。」
(2)検討
ア 相違点2についての主張(当審注:本件審決の「相違点1」に対応)について
引用発明は、すでに「除水」工程を備えており、その程度を調整する手段も存在しているのであるから、その除水の程度は当業者が適宜調整し得るものであって、水分付着率を3.0%以下とすることを設計事項と判断する根拠はあるといえる。
また、千切り葉野菜の水分についての外観である引用文献2、青果物の呼吸等による容器の内側に水滴が付着することによる外観である引用文献3とは、技術分野が相違するとの主張については、容器内の葉野菜に付着する水分量という視点では同じ外観についてのものであり、技術分野が相違するとはいえない。
そして、水分付着率の「3.0%以下」との数値の点については、上記4(1)及び(3)で検討したとおりであって、いずれの主張も採用できない。
さらに、相違点2(本件審決の「相違点1」)に関して、引用文献2及び3は、上記4(1)の判断において周知技術として例示したものであって、引用文献2又は3を適用して容易であると判断しているものではないから、請求人の「引用文献2及び3を適用しても、相違点2に想到しません。」との主張は、そもそもその前提において誤っており採用できない。
イ 相違点1についての主張(当審注:本件審決の「相違点2」に対応)について
「本願発明は、除水の方法として乾燥を用いることによって、ベビーリーフ同士の接触による傷みや、遠心分離による圧力による傷みを避けることができ」との主張は、本願発明には、風による乾燥との特定がないから、特許請求の範囲の記載に基づかない主張であって採用できない。
「さらに水分付着率を3.0%以下とすることによって、10℃、3日経過後でも外観が良く、袋への充填時における、葉の張り付きや傷み増加を抑制することができるという有利な効果」に関する主張は、上記4(3)の効果において検討したとおり、実施例及び比較例において奏する効果とはいえても、本願発明全体が奏する効果とはいえないから、当該主張も失当であって採用できない。
なお、本願発明においては、乾燥手段や容器の種類についての特定がないことから、水分付着率が「3.0%以下」という点についての臨界的意義も認められない。
よって、審判請求人の意見は採用できない。
第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-003611