商標拒絶査定不服審判
2021-003574
カイザーザハイエストグレードオブサルトリアテーラリング、カイザー、カイゼル、ザハイエストグレードオブサルトリアテーラリング、ハイエストグレードオブサルトリアテーラリング、ファイネストアンドラグジュアリー、ファイネストラグジュアリー、ファイネスト、ラグジュアリー、ファインクオリティーモデル、クオリティーモデル、ファインクオリティー、クオリティー、グローバルスタイル、グローバル
- 審判番号
- 2021-003574
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-138261
- 請求日
- 2021年03月18日
- 審決日
- 2021年12月22日
- 公報発行日
- 2022年03月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】タンゴヤ株式会社
- 【請求人代理人】田上 洋平
- 審判長/審判官
- 審判長 中束 としえ
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .261-Z (W25) / T18 .262-Z (W25) / T18 .263-Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-138261拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和元年10月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 7月 2日付け:拒絶理由通知書
令和2年 8月19日 :意見書の提出
令和2年12月 8日付け:拒絶査定
令和3年 3月18日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「被服」を指定商品として、登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第1217318A号商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、2013年10月10日にドイツにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2014年(平成26年)4月7日に国際商標登録出願、第25類「Clothing, especially knitwear [clothing]; headgear.」並びに第3類、第9類、第14類、第16類、第32類、第35類、第38類、第41類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成29年6月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、黒地の長方形内に、[1]最上段中央に大きく「KAISER」の欧文字、[2]その下部に、「THE HIGHEST GRADE」及び「OF SARTORIA TAILORING」の二段書きの欧文字、[3]その下部に、下方の中央に、「FINE」、「QUALITY」及び「MODEL」の欧文字を表示したリボン様図形を有する紋章風の図形、[4]図形の左側に「FINEST」、「&」及び「LUXURY」の三段書きの欧文字及び記号、[5]図形の右側に「SINCE」及び「2019」の二段書きの欧文字及び数字、[6]最下段に「GLOBAL STYLE」の欧文字を配した構成からなるものである。
そして、その構成中、[1]は「皇帝」の意味を有する語であり、また、[2]は「最上級の仕立て技術による仕立て方」、[3]の文字部分は「優良なモデル」、[4]は「最上質と高級品」、[5]は「2019年からの」並びに、[6]は「世界的な様式」といった意味合いをそれぞれ理解させるものであり、上記[1]ないし[6]の各要素は、それぞれが重なることなく間隔を空けて配置されているから、視覚上、分離して看取され得るものといえ、また、上記意味合いを理解させる各要素は、全体として、特定の意味合いを想起させるものではなく、上記構成からなる本願商標を一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情は見いだせない。
そして、最上段に大きく表された[1]に比べ、[2]ないし[6]の文字は、小さく表されているところ、本願商標の構成中、最上段中央に大きく太く表された、「KAISER」の欧文字は、視覚上、看者に強い印象を与えるものであるから、本願商標は、その構成中、顕著に表された「KAISER」の文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、要部の一である「KAISER」の欧文字部分に相応して、「カイザー」の称呼及び「皇帝」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、上段に「FRANZ BECKENBAUER」の欧文字を小さく書し、下段にややデザイン化された「KAISER」の欧文字(「KA」及び「ER」の文字の下部にはアンダーラインがある。以下同じ。)を上段に比べて大きく書した構成よりなるものである。
そして、引用商標の構成中の「FRANZ BECKENBAUER」の欧文字は、「ドイツのプロサッカー選手」(甲6~甲10)を想起させ得るものであるところ、「KAISER」の文字が、上記選手の愛称であることはうかがえるものの(甲7、甲9)、当審において職権をもって調査するも、当該文字が、我が国において上記選手の愛称として広く知られているというべき実情は見いだせないから、構成全体をもって、特定の観念を生じるものということはできない。
そうすると、上段の「FRANZ BECKENBAUER」の文字部分と下段の「KAISER」の文字部分とは、文字の大きさ及びデザイン化の有無が異なること、観念上の一体性もないこと、及び引用商標の構成全体から生じる「フランツベッケンバウアーカイザー」の称呼は16音と冗長であることからすれば、それぞれが独立して出所識別標識としての機能を果たすものとみるのが相当である。
したがって、引用商標は、顕著に表された「KAISER」の欧文字部分に着目して、取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当であり、要部の一である当該文字に相応して、「カイザー」の称呼及び「皇帝」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否を検討すると、本願商標の要部である「KAISER」の欧文字と引用商標の要部である「KAISER」の欧文字とは、書体及びデザイン化の有無の相違があるものの、構成文字を同一にするものであり、外観上、類似するものである。
そして、本願商標と引用商標とは、「カイザー」の称呼及び「皇帝」の観念を共通にするものである。
以上からすると、本願商標の要部と引用商標の要部とは、書体及びデザイン化の有無の違いがあるとしても同一の欧文字「KAISER」からなり、外観において類似し、「カイザー」の称呼及び「皇帝」の観念を同一にするものであるから、本願商標と引用商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品である、第25類「被服」は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第25類「Clothing, especially knitwear [clothing]; headgear」と同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似の商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
請求人は、「本願商標及び引用商標の構成中、『KAISER』の欧文字部分は、『皇帝』を意味するドイツ語にすぎず、自他商品及び役務の識別機能は弱く、本願商標において商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分は、特徴的な図形部分及び出願人の出所にかかる被服を表示するものとして需要者の間に広く認識されている『GLOBAL STYLE』の欧文字部分である。また、引用商標の構成中、『FRANZ BECKENBAUER』の欧文字部分から著名なサッカー選手『フランツベッケンバウアー』の観念が生じ、同人の愛称が『KAISER』であるから、引用商標からは『「フランツベッケンバウアー」という「著名なサッカー選手」』の観念しか生じない。したがって、本願商標及び引用商標から『KAISER』の文字部分だけを抽出して、引用商標と比較して類否を判断することはできない」旨主張している。
しかしながら、特定の文字や語が辞書に掲載され、その意味が知られていることのみをもって、それが自他商品の識別標識としての機能が弱いということはできないものであり、ほかに「KAISER」の欧文字がその指定商品との関係において、自他商品の識別力を有しないことを示す証拠の提出はない。
また、本願商標の構成中「KAISER」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部であることは、上記(1)のとおりであるから、本願商標の構成中の「GLOBAL STYLE」の文字部分が需要者の間に広く認識されているか否かによって、上記判断に影響を与えるものではなく、さらに、引用商標の構成全体から特定の観念が生じないことは、上記(2)のとおりである。
よって、請求人の主張を採用することはできない。
(7)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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