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商標拒絶査定不服審判

2022-010325

ラグジュアリービール、ラグジュアリー

審判番号
2022-010325
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-084208
請求日
2022年07月04日
審決日
2023年06月27日
公報発行日
2023年09月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】メゾン・ロココ株式会社
  • 【請求人代理人】三田 大智
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T18 .13 -Z (W32)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、特許法第150条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021-84208拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年7月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年12月10日付け:拒絶理由通知 令和4年 1月25日 :意見書、手続補足書の提出 令和4年 3月24日付け:拒絶査定 令和4年 7月 4日 :審判請求書、手続補足書の提出 2 本願商標 本願商標は、「ラグジュアリービール」の文字を標準文字で表してなり、第32類「ビール」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は、「ラグジュアリービール」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「ラグジュアリー」の文字は、「豪華。ぜいたくなさま。ぜいたく品。」の意味を有する慣れ親しまれた外来語であり、「ビール」の文字は、本願の指定商品そのものを表すものである。 そして、本願の指定商品に関連のある飲食料品の分野において、商品が一般的なものより豪華で贅沢な商品であることを強調する際に、「ラグジュアリー」の語が使用されている実情がある。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、そのビールが一般的なビールよりも豪華で贅沢なものであること、すなわち、商品の品質を誇称して表示したものと認識するにとどまるというのが相当である。 したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 また、出願人は、本願商標は、出願人の使用実績によれば、既に周知性を獲得していると述べるところ、出願人が「ROCOCO Tokyo WHITE」というビールの広告宣伝等に、「ラグジュアリービール」の語を使用していることはうかがえるものの、その使用態様は、「ROCOCO Tokyo WHITE」の商品名(商標)と共に使用している事例が多数であり、提出された資料からは、本願商標が独立して識別力を有するに至っている(周知性を獲得している)とは認められない。 4 当審においてした証拠調べ 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1及び別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき、その結果を令和5年2月28日付け証拠調べ通知書によって請求人に通知し、意見を求めた。 5 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点 (1)別掲1(1)、(2)及び(4)で示された用例は、現在、販売されていないから、当該用例に基づく実情は、本願の指定商品「ビール」の取引実情ではない。また、別掲1(3)の用例は、ふるさと納税の返礼品であり、商取引の目的物ではないから商標法上の商品ではないし、ふるさと納税の納税者とビールの需要者は同じとは決していえず、比較すらできない。 (2)別掲1の各用例の記載から、「ラグジュアリービール」がビールの品質の誇称表示として使用されているかは不明である。我が国においては、ビールの品質誇称表示として「プレミアムビール」が既に慣用商標となっているところ、上記用例のように、敢えて「ラグジュアリービール」を使用するのは、本願商標が自他商品識別力を有効に発揮できることの証左である。 (3)本願商標において、「ビール」の何が「ラグジュアリー」なのかは極めて漠然としており、取引者・需要者が、ビールの「品質」に対して「ラグジュアリー」と認識したとしても「具体的な品質」は判然としないし、「品質」以外の要素(価格、提供場所、提供期間)、又は複数の要素を総合して「ラグジュアリーな時間」を過ごすためのビールと認識する場合もある。出願人のビールは、「品質」、「ボトルデザイン(容器)」、「価格」、「使用グラス」、「提供場所」等の複数の要素を総合して「ラグジュアリー」な時間といった特別な経験を提供するビールとしてアピールすることにより、本願商標の周知性を獲得したのに対して、別掲1の各用例で示されたビールは、「ビール」の何をもって「ラグジュアリー」かを取引者・需要者に明確に示すことができていない。結局、代表的な検索エンジンで「ラグジュアリービール」を検索すると、審判請求時も、現在も、検索結果のトップページには請求人のロココビールのみが表示され、本願商標が請求人のものとして周知性を獲得している事実が際立っている。 (4)別掲2の用例は、「ウォッカ」、「ウイスキー」、「ワイン」、「日本酒」における取引実情である。本願の指定商品「ビール」と、「日本酒」や「ワイン」等が「アルコール飲料」としては共通する商品であるとしても、本願の指定商品「ビール」とは非類似の商品であるから、その取引者・需要者も「ビール」とは異なるのであり、別掲2で示された取引実情は、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性の判断には何ら影響を与えない なお、別掲2の各用例の内容を検討しても、「ラグジュアリー」が単に「品質」のみを誇称表示するために用いられるものではないことは明らかである。 6 当審の判断 (1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、前記2のとおり、「ラグジュアリービール」の文字を標準文字で表してなり、その構成上「ラグジュアリー」の文字と「ビール」の文字からなると容易に認識されるものであるところ、「ラグジュアリー」の文字は「豪華。ぜいたくなさま。ぜいたく品。」(「広辞苑 第七版」岩波書店)を意味する語として我が国において親しまれており、「ビール」の文字は、指定商品との関係では、商品の普通名称と理解される語であることから、本願商標は全体として「贅沢なビール」といった意味合いを容易に認識させるものである。 そして、当審において示した用例(別掲1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「ラグジュアリービール」の文字が、「高級又は高品質のビール」であることを表す語として一般に使用されている事実もある。 そうすると、「ラグジュアリービール」の文字に接する取引者、需要者は、「(一般的な商品よりも)高級又は高品質な、贅沢なビール」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、これを商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。 また、本願商標は「ラグジュアリービール」の文字を標準文字で表してなるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。 してみれば、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、証拠調べ通知書で挙げた用例について、(a)現在販売されていないビールに係る実情は、本願の指定商品の取引実情ではない、(b)ふるさと納税の返礼品は商標法上の商品ではなく、ふるさと納税の納税者とビールの需要者は同じとはいえない、(c)「ウォッカ」、「ウイスキー」、「ワイン」及び「日本酒」は「ビール」とは非類似の商品であり、その取引者・需要者も「ビール」とは異なる旨を述べ、証拠調べ通知書で示された取引実情は、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性の判断には何ら影響を与えない旨主張する。 しかしながら、本願商標に係る識別性の判断は、その指定商品に係る需要者における認識が基準となるところ、証拠調べ通知書で示した用例中に、現在販売されていない商品があるとしても、その商品を掲載したウェブサイトが存在し、需要者が参照可能な状態にあるのであれば、その商品が現在販売されていない事実のみをもって、需要者の認識の形成が左右されるものではない。 また、ふるさと納税の返礼品として「ビール」を選択する者は、「ビール」を消費目的で入手するという点で、ビールを購買する需要者とその目的を共通にするから、その範囲が異なるとは必ずしもいえない。 さらに、「ウォッカ」、「ウイスキー」、「ワイン」及び「日本酒」は、「ビール」とは非類似の商品であるとしても、これらの用例は、「ラグジュアリー」の語が品質を表示するものとして、アルコール飲料の名称に付して使用されている例を示したものであり、その実情から「ラグジュアリービール」の文字に接する取引者、需要者は、同じアルコール飲料である「ビール」においても、「ラグジュアリー」の文字が商品の品質表示として使用されていると認識するといえるし、また、当該文字が商品「ビール」の品質を表示したものとして使用されていることは上述のとおりである。 イ 請求人は、「ビール」は我が国において大衆がカジュアルに楽しむものであり、「ラグジュアリー」とは真逆の飲料であるところ、「ラグジュアリー」とは馴染まない「ビール」に敢えて「ラグジュアリー」を付して造語にした時点で本願商標はオリジナリティを有しており識別力を有効に発揮し得る旨、また、本願商標に接した取引者・需要者が、「ビール」の何に対して「ラグジュアリー(豪華・ぜいたく)」の語を認識するかは極めて漠然としている、すなわち、品質に基づくとしても、味、色合い、香り、喉ごし、成分、処理方法等の具体的な品質は漠然としており、品質の他、価格、提供場所や提供期間が限定されていること、あるいは、これらを総合してラグジュアリーな時間を過ごすためのビールと認識する取引者・需要者も存在する旨主張する。 しかしながら、本願商標は、その語義から「贅沢なビール」ほどの意味合いを容易に認識させるものであり、「ラグジュアリービール」の文字が、商品「ビール」の品質を表示したものとして一般に使用されていることは上述のとおりである。 ウ 請求人は、請求人に係るビールは「ラグジュアリービール」として、多くのファインダイニングで取り扱われ、多種多様のメディアに取り上げられる等していることから、本願商標が請求人のものとして周知性を獲得していることは明らかであり、この周知性の獲得は、識別力を発揮できる商標であるからこそ成し得た旨を主張し、その証拠方法として、甲第1号証ないし甲第24号証(枝番号を含む。また、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出しているため、以下検討する。 請求人の主張及び請求人が提出した証拠によれば、請求人は、2018年以降、請求人が製造・販売する「ビール」(ROCOCO Tokyo WHITE)の説明や、広告・宣伝をする際に「ラグジュアリービール」の文字を使用していることが認められる。 しかしながら、請求人が提出した請求人に係るビールのパンフレット(甲6)は、その作成部数、配布先は不明であるし、また、テレビ番組をはじめ、多くのマスメディアで請求人に係るビールが取り上げられているとして提出した「ROCOCO Tokyo WHITE 掲載リスト」(2019年7月ないし2021年12月、甲10)には、掲載日付、掲載媒体名、見出し、URL等が記載されているものの、請求人に係るビール及び「ラグジュアリービール」の文字がいかなる態様で掲載されたのか等、その具体的な内容は明らかでない。 そうすると、請求人に係るビールの販売期間は、5年程度にすぎず、その販売先は一部のレストランに限定されているばかりか、その販売実績、広告宣伝実績の詳細も明らかでない。 加えて、その他に、本願商標の知名度の向上に大きく貢献するような、日本全国における大規模かつ広範囲な販売実績や広告宣伝実績を、具体的かつ客観的に示す証拠は請求人からは提出されていない。 してみると、本願商標が、請求人の商標として周知性を獲得しているとは認めることはできない。 エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-010325

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