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特許拒絶査定不服審判

2021-003569

部品実装装置

審判番号
2021-003569
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-124915外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月18日
審決日
2023年04月24日
公報発行日
2023年07月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H05K) / P18 .55 -WZ (H05K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法17条の2第3項特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-124915号「部品実装装置」拒絶査定不服審判事件〔令和1年9月26日出願公開、特開2019-165263号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 6項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2014年(平成26年)10月30日を国際出願日とする特願2016-556117号の一部を令和1年7月4日に新たな特許出願としたものであって、令和2年3月19日付けで拒絶理由が通知され、同年7月17日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年12月16日付け(発送日:同年12月22日)で拒絶査定され、これに対して令和3年3月18日に審判請求書が提出されると同時に手続補正書が提出され、令和3年8月11日付けで拒絶理由が通知され、令和3年10月13日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年2月2日付けで拒絶理由(最後)が通知され、令和4年4月4日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年8月17日付けで拒絶理由が通知され、令和4年10月19日に意見書及び手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。

第2 拒絶の理由の概要

令和4年8月17日付けで当審が通知した拒絶理由の概要は、以下のとおりのものである。

理由1(新規事項の追加)

令和4年4月4日付け手続補正書でした補正及び令和3年10月13日付け手続補正書でした補正において、特許請求の範囲の請求項1に、「部品供給位置」において供給される「アキシャルリード部品」の「本体部」について、アキシャルフィーダから「全て露出した状態」を発明特定事項とする補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

理由2(進歩性)

この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された以下の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、また、請求項2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された以下の引用文献1~3に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1.米国特許第5050650号明細書

引用文献2.特開昭54-759号公報

引用文献3.実願昭57-77778号(実開昭58-180667号)のマイクロフィルム

第3 当審の判断

1 理由1について

(1)本件補正前の請求項1

本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載は、令和4年4月4日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、以下のとおりである。(下線は当審で付した。以下同様。)

「【請求項1】
部品実装装置に設けられた保持台に位置決めされ、かつ着脱可能に装着されるものであり、キャリアテープに本体部とリード線とを有する複数のアキシャル部品がテーピングされたテープ化アキシャルリード部品を水平な姿勢で搬送するとともに、前記テープ化アキシャルリード部品の前記リード線を切断して前記キャリアテープから切り離し、前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品の前記リード線を屈曲し、前記テープ化アキシャルリード部品の搬送高さの上方にある部品供給位置において前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品の前記本体部がアキシャルフィーダから突出して全て露出した状態になるように前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を上昇させて、前記アキシャルフィーダから突出して前記本体部が全て露出した状態の前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品を停止した状態でひとつずつ供給するアキシャルフィーダと、
前記アキシャルフィーダの前記部品供給位置において前記アキシャルフィーダから突出して前記本体部が全て露出した状態の前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品が停止した状態で供給されると、前記部品供給位置の上方に移動して、前記本体部が全て露出した状態の前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品を保持して回路基材に装着する作業ヘッドと
を備えたことを特徴とする部品実装装置。」

(2)本件補正後の請求項1

本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のように補正された。

「【請求項1】
部品実装装置に設けられた保持台に位置決めされ、かつ着脱可能に装着されるものであり、キャリアテープに本体部とリード線とを有する複数のアキシャルリード部品がテーピングされたテープ化アキシャルリード部品を水平な姿勢で搬送するとともに、前記テープ化アキシャルリード部品の前記リード線を切断して前記キャリアテープから切り離し、前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品の前記リード線を屈曲し、前記テープ化アキシャルリード部品の搬送高さの上方にある部品供給位置に支持部材が前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を上昇させ、前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を前記部品供給位置に上昇させた前記支持部材を次にリード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品の高さよりも下方に移動させて、前記部品供給位置において前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品を停止した状態であって前記本体部の下端が前記支持部材の上端やアキシャルフィーダの上面に隠れないように露出した状態でひとつずつ供給するアキシャルフィーダと、
前記アキシャルフィーダの前記部品供給位置において前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品が停止した状態で供給されると、前記部品供給位置の上方に移動して、前記部品供給位置において停止した状態で供給されたリード線を屈曲させたアキシャルリード部品を保持して回路基材に装着する作業ヘッドと
を備えたことを特徴とする部品実装装置。」

(3)拒絶理由で指摘した事項の本件補正前後の関係について

本件補正前の請求項1に記載された

「前記テープ化アキシャルリード部品の搬送高さの上方にある部品供給位置において前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品の前記本体部がアキシャルフィーダから突出して全て露出した状態になるように前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を上昇させて、前記アキシャルフィーダから突出して前記本体部が全て露出した状態の前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品を停止した状態でひとつずつ供給するアキシャルフィーダ」

は、本件補正により、

「前記テープ化アキシャルリード部品の搬送高さの上方にある部品供給位置に支持部材が前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を上昇させ、前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を上昇させ、前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を前記部品供給位置に上昇させた前記支持部材を次にリード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品の高さよりも下方に移動させて、前記部品供給位置において前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品を停止した状態であって前記本体部の下端が前記支持部材の上端やアキシャルフィーダの上面に隠れないように露出した状態でひとつずつ供給するアキシャルフィーダ」

に補正された。

したがって、拒絶理由の理由1で指摘した、部品供給位置において供給されるアキシャルリード部品の「前記本体部が全て露出した状態」との事項は、本件補正により「支持部材が前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を上昇させ、・・・前記支持部材を次にリード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品の高さよりも下方に移動させて、前記部品供給位置において前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品を停止した状態であって前記本体部の下端が前記支持部材の上端やアキシャルフィーダの上面に隠れないように露出した状態」に補正されたから、この「前記本体部の下端が前記支持部材の上端やアキシャルフィーダの上面に隠れないように露出した状態」との事項について、上記理由1が解消したかどうか(明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものか否か)、以下で検討する。

(4)当初明細書等の記載

当初明細書等には、本件補正後の請求項1に記載された「部品供給位置において」「アキシャルリード部品を停止した状態で」「ひとつずつ供給する」アキシャルフィーダについて、次の記載がある。

ア「【図面の簡単な説明】

【0007】

【図1】部品実装装置を示す斜視図である

【図2】部品実装装置の部品装着装置を示す斜視図である。

【図3】テープ化部品を示す平面図である。

【図4】アキシャル部品が回路基材に装着された状態を示す図である。

【図5】テープフィーダの斜視図である。

【図6】テープフィーダの拡大斜視図である。

【図7】テープフィーダの拡大側面図である。

【図8】フォーミング・カット機構の正面図である。

【図9】フォーミング・カット機構の斜視図である。

【図10】フォーミング・カット機構の拡大図である。

【図11】図10のAA線における断面図である。

【図12】フォーミング・カット機構の斜視図である。

【図13】フォーミング・カット機構の拡大図である。

【図14】フォーミング・カット機構の斜視図である。」

イ「【0015】

テープフィーダ82は、フレーム部40の他方側の端部に固定的に設けられたテープフィーダ保持台86に着脱可能に装着されている。テープフィーダ82は、テープ化部品(図3参照)88からアキシャル部品を取り外し、取り外したアキシャル部品のリード線を屈曲させた状態で供給する装置である。」

ウ「【0018】

また、テープフィーダ82は、図5に示すように、テープ化部品収納部106と、フィーダ本体部107とから構成されている。(省略)

【0019】

フィーダ本体部107の内部には、図6および図7に示すように、送り装置110と屈曲装置112とが配設されている。送り装置110は、ピストン114とリンク機構116と送りアーム118と逆戻り防止アーム120とを含む。(省略)」

エ「【0022】

また、屈曲装置112は、ピストン150とカム機構152とフォーミング・カット機構(図8及び図9参照)154とを有している。(省略)」

オ「【0028】

(省略)

また、ばら部品供給装置30若しくは、部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。以下に、部品供給装置32のフィーダ型部品供給装置80による部品の供給について、詳しく説明する。

【0029】

フィーダ型部品供給装置80では、テープフィーダ82において、送り装置110のピストン114の作動により、フィーダ本体部107の上端面に延在するテープ化部品88が部品供給位置に向かって送り出される。テープ化部品88が送り出され、テープ化部品88のアキシャル部品90が部品供給位置に至ると、そのアキシャル部品90のリード線98が、送りアーム118の支持歯130において支持される。その状態において、フォーミング・カット機構154のピストン150が作動することで、昇降ブロック164が上昇し、カット機構154の支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のカッタ174とが上昇する。

【0030】

この際、支持ブロック170がアキシャル部品90の本体部96に接触し、支持部材172が、溝178の内部において、リード線98の基端部と潰れ部100との間に接触し、カッタ174がリード線98の先端部と潰れ部100との間に接触する。そして、支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のカッタ174との上昇に伴って、図13に示すように、アキシャル部品90が持ち上げられ、リード線98が、カッタ174と曲げ部材176のカッタ174側の端面とに挟まれる。これにより、リード線98が、カッタ174と曲げ部材176のカッタ174側の端面とに挟まれた箇所において、切断され、アキシャル部品90がキャリアテープ92から分離される。

【0031】

さらに、支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のカッタ174とが上昇すると、アキシャル部品90のリード線98が、潰れ部100において曲げ部材176の突出部181に接触する。この際、潰れ部100が、水平面に対して傾いている場合には、潰れ部100が突出部181に接触することで、水平面に対して角度のない状態、つまり、潰れ部100が水平となる。詳しくは、潰れ部100は、上述したように、リード線98を径方向に潰した部分であるため、概して板状となっている。この板状の潰れ部100が水平面に対して傾いている場合に突出部181に接触すると、リード線98が、それの軸心周りに回転し、板状の潰れ部100が水平となる。

【0032】

さらに、支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のカッタ174とが上昇すると、リード線98の潰れ部100が曲げ部材176の突出部181に接触した状態で、アキシャル部品90が上昇し、リード線98が屈曲し始める。この際、リード線98の屈曲する部分は、支持部材172の溝178により支持されている部分である。そして、支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のカッタ174との上昇に伴って、リード線98が曲げ部材176の溝180の内部に入り込み、テーパ面182に設けられたニードルピン186に接触する。この際、リード線98は、ニードルピン186に接触している部分と、支持部材172の溝178により支持されている部分との間で屈曲し、支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のカッタ174とは、さらに上昇する。これにより、アキシャル部品90のリード線98は、図12にしめすように、概して直角に屈曲される。

【0033】

このように、フォーミング・カット機構154では、リード線98が屈曲される際に、曲げ部材176の突出部181がリード線98に接触することで、リード線98が僅かに屈曲された後に、ニードルピン186がリード線98に接触し、リード線98が屈曲される。つまり、リード線98の支持部材172により支持されている部分から先端部側に離れた位置に、突出部181が接触することで、リード線98が僅かに屈曲された後に、ニードルピン186の接触により、リード線98が屈曲される。このため、てこの原理を利用して、リード線がある程度、屈曲された後に、リード線が、さらに、屈曲される。これにより、リード線98を適切に屈曲することが可能となる。

【0034】

また、フォーミング・カット機構154では、曲げ部材176の突出部181がリード線98の潰れ部100に接触することで、板状の潰れ部100が水平とされている。これにより、潰れ部100のニードルピン186への引っ掛かり等を防止し、リード線98を適切に屈曲することが可能となる。詳しくは、曲げ部材176に突出部181が設けられていなければ、潰れ部100が水平面に対して傾斜した状態で、潰れ部100がニードルピン186に接触する場合がある。このような場合には潰れ部100がニードルピン186に対して傾斜した状態で接触するため、潰れ部100がニードルピン186に引っ掛かり、リード線98を適切に屈曲することができない虞がある。一方、フォーミング・カット機構154では、曲げ部材176に設けられた突出部181により潰れ部100は、水平となる。このため、潰れ部100は、ニードルピン186と平行となるため、ニードルピン186と円滑に接触する。これにより、フォーミング・カット機構154では、リード線98を適切に屈曲することが可能となる。

【0035】

なお、支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のカッタ174とは、屈曲されたリード線98の先端部が曲げ部材176の側方に至るまで上昇する。曲げ部材176の側方には、把持装置(図示省略)が配設されており、その把持装置によって、屈曲されたリード線98の先端部が把持される。そして、屈曲されたリード線98の先端部が把持装置によって把持された後に、支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のカッタ174とが下降する。これにより、図14に示すように、リード線98が屈曲された状態のアキシャル部品90が、部品供給位置において供給される。」

カ「【図6】

[図:0001398623000001.jpg]

」

キ「【図7】

[図:0001398623000002.jpg]

」

ク「【図12】

[図:0001398623000003.jpg]

」

ケ「【図14】

[図:0001398623000004.jpg]

」

(5)判断

ア

請求項1の「アキシャルフィーダ」は、「部品実装装置に設けられた保持台に位置決めされ、かつ着脱可能に装着されるものであり、キャリアテープに本体部とリード線とを有する複数のアキシャルリード部品がテーピングされたテープ化アキシャルリード部品を水平な姿勢で搬送するとともに、前記テープ化アキシャルリード部品の前記リード線を切断して前記キャリアテープから切り離し、前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品の前記リード線を屈曲し、前記テープ化アキシャルリード部品の搬送高さの上方にある部品供給位置に」キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を上昇させて供給する構成を備えたものであるところ、そのような構成を備えたものとして、当初明細書等(上記(4)イ~オを参照。)に「テープフィーダ82」が記載されていることからみて、当該「テープフィーダ82」が、請求項1の「アキシャルフィーダ」に相当すると認められる。

そして、当初明細書等には、テープフィーダ82によってアキシャルリード部品90が供給されるとき、アキシャル部品90の本体部96の下端がテープフィーダ82の上面に隠れないように露出した状態となることについて、直接的な記載はない。

イ

上記(4)カ~ケの【図6】、【図7】、【図12】及び【図14】は、テープフィーダまたはフォームング・カット機構の図面であり、テープフィーダ82の一部であるフィーダ本体部107の屈曲装置112のフォーミング・カット機構154の図示された構成に共通する点が多数看取でき、上記(4)ア~オの記載と合わせみれば、同じ実施例を説明する図面と認められる。

そして、【図6】、【図12】及び【図14】には、アキシャル部品90の本体部96の下端が、ブラケット状の部材(【図14】の符号「154」から延びる矢印線の先端付近の部品参照。)の上面より低い位置に隠れる構成が記載されていると認められる。

ここで、上記ブラケット状の部材は、テープフィーダ82の拡大斜視図である【図6】及びテープフィーダ82の一部であるフォーミング・カット機構154の斜視図である【図12】及び【図14】に記載されているから、テープフィーダ82の一部であると認められる。

ウ

テープフィーダの拡大側面図である【図7】に、アキシャル部品90を部品供給位置に上昇させた状態が記載され、他の部材との位置関係が明示されているとしても、アキシャル部品90の本体部96より高い位置に、テープフィーダ82の送り装置110を構成する逆戻り防止アーム120が位置すると看取でき、【図7】には、その図面の左側から見て、アキシャル部品90の本体部96の下端が、テープフィーダ82の逆戻り防止アーム120の上面に隠れる状態となる構成が記載されていると認められる。

エ

(4)オに「曲げ部材176の側方には、把持装置(図示省略)が配設されており、その把持装置によって、屈曲されたリード線98の先端部が把持される。そして、屈曲されたリード線98の先端部が把持装置によって把持された後に、支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のカッタ174とが下降する。これにより、図14に示すように、リード線98が屈曲された状態のアキシャル部品90が、部品供給位置において供給される。」(段落【0035】参照。)と記載されており、テープフィーダ82の一部である「把持装置」は、図示省略されていることから、把持装置の上面が本体部96の下端を隠していないということはできない。

オ

なお、【図6】、【図7】及び【図14】は、部品供給位置においてアキシャルリード部品が供給される状態を説明するための図面と認められるところ、【図6】及び【図14】と、【図7】とを比較すれば、テープフィーダ82の拡大側面図である【図7】の右上の部分は、【図6】及び【図14】に記載された、前述のブラケット状の部材は省略された構成が記載されていると解される。そうすると、【図7】は、アキシャル部品90の本体部96の下端が、テープフィーダ82の上面に隠れないように、【図7】の図面の右側から見て、露出した状態となる構成が記載されたものとはいえない。

カ

この他にも、当初明細書等には、部品供給位置において、アキシャルフィーダによってアキシャルリード部品が供給されるとき、本体部の下端がアキシャルフィーダの上面に隠れないように露出した状態となることについての記載ないし示唆はない。

キ

そして、「部品供給位置において」「アキシャルリード部品」の「本体部の下端が前記支持部材の上端やアキシャルフィーダの上面に隠れないように露出した状態」になると、「本願の作業ヘッドは、他部材と干渉することが少ない状態となった部品供給位置で停止したアキシャルリード部品を保持しに行くことになることから、アキシャルリード部品がその供給状態になるまでの作業ヘッドの待機時間は削減され、延いては、本部品実装装置の生産効率は向上する」(令和4年10月19日付け意見書参照。)という、当初明細書等に記載されていない新たな作用・効果を奏すると認められる。

ク

そうであれば、本件補正後の請求項1に、「部品供給位置において」「アキシャルリード部品」の「本体部の下端が前記支持部材の上端やアキシャルフィーダの上面に隠れないように露出した状態」との事項を特定することは、請求項1に対して新たな技術的事項を導入するものであるといえる。

(6)まとめ

上記(5)で検討したとおり、本件補正後の請求項1に記載された「部品供給位置において」「アキシャルリード部品」の「前記本体部の下端が前記支持部材の上端やアキシャルフィーダの上面に隠れないように露出した状態」は、当初明細書等に記載がなく、自明でもないから、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであり、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

2 理由2について

仮に本件補正が特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしているとした場合について、検討する。

(1)本願発明

本願の請求項1及び2に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第3の1(2)に記載されたとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項等

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ア 引用文献1の記載事項

引用文献1には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。)

(ア)「BACKGROUND OF THE INVENTION」(第1欄第3行)

(当審訳)「発明の背景」

(イ)「To utilize the taped parts in the fabrication of electrical circuits, taped axial lead electronic components are separated from the tape by cutting the leads and appropriately forming the cut leads for insertion.」(第1欄第18~21行)

(当審訳)「このテーピング部品を電気回路の製造に利用するため、テープで留めたアキシャルリード電子部品を、リード線を切断し、挿入のために切断したリードを適切に形成し、テープから分離する。」

(ウ)「U.S. Pat. No. 4,817,266 by the present inventor Gregory W. Holcomb describes a variable axial lead electrical component feeder. The apparatus described in the '266 patent accommodates a range of body and lead sizes and readily adjusts to accommodate various tape widths and pitches and is readily utilized with robotic assembly systems.」(第1欄第39~45行)

(当審訳)「本発明者グレゴリー・W・ホルコムによる米国特許第4,817,266号明細書は、可変アキシャルリード電子部品供給装置を記載している。’266特許に記載されている装置は、さまざまなボディサイズおよびリードサイズに対応し、さまざまなテープ幅およびピッチに対応するように容易に調整され、ロボット組立システムで容易に利用される。」

(エ)「DETAILED DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENT
An axial lead electrical component feeder 50 embodying the invention is shown in the perspective view of FIG. 1. In this exemplary embodiment, the components are fed from a tape reel 55 which rotates about axle 57, supported in angled slots formed in the respective side cover plates 58 and 59. The reel 55 carries a tape 60 to which are secured a succession of spaced axial lead components 62. Each component 62 is secured to the tape 60 by its leads, with the component body disposed between the parallel tape strips comprising the tape. Means other than a reel may be used to supply the feeder with taped components, such as ammunition box-style packaging of the taped components.
As will be described below, the apparatus 50 includes means for driving the tape to the component lead cutting and forming station 65 of the apparatus 50. At this station, the component leads are cut to a predetermined length from the tape 60, and formed to the desired shape. The respective tape strips are then led away as scrap. In accordance with the invention, the apparatus 50 is characterized by a narrow footprint and low vertical profile, both advantageous characteristics. The apparatus 50 is characterized by a relatively narrow body structure 70, which is supported on pedestal supports 72 and 74, in this exemplary embodiment.」(第3欄第51行~第4欄第12行)

(当審訳)「好ましい実施形態の詳細な説明

本発明を具体化したアキシャルリード電子部品供給装置50を図1の斜視図に示す。この例示的な実施形態では、部品は、軸57を中心に回転するテープリール55から供給され、それぞれの側カバープレート58および59に形成された角度付きスロットで支持される。リール55は、間隔をあけた一連のアキシャルリード部品62が固定されたテープ60を搬送する。各部品62は、そのリード線によってテープ60に固定され、部品本体は、テープからなる平行なテープストリップの間に配置される。リール以外の手段は、テーピングされた部品の弾薬箱スタイルの包装などのテーピングされた部品をフィーダに供給するために使用されてもよい。

後述するように、装置50は、装置50の部品リードの切断及び成形ステーション65にテープを駆動する手段を備えている。このステーションでは、部品のリード線をテープ60から所定の長さに切断し、所望の形状に形成する。その後、それぞれのテープストリップはスクラップとして引き離される。本発明に従って、装置50は、狭い専有面積および低い垂直プロファイルによって特徴付けられ、いずれも有利な特性を有する。装置50は、この例示的な実施形態において、台座状の支持体72および74に支持された比較的狭い本体構造70によって特徴付けられる。」

(オ)「FIG. 2 is a partial right side view of the apparatus 50 with the side cover plate 58 removed. The bodies 63 of the respective components 62 secured to the tape 60 are supported by a body guide 80 (shown more clearly in FIG. 3) as the taped components are drawn to the cutting and forming station 65. The body guide 80 is supported at one end by bulkhead 96, and its forward end by a body guide bridge 81. The bridge 81 is in turn supported by a tie bar 85 extending upwardly from the base plate 106.」(第4欄第22~31行)

(当審訳)「図2は、側カバープレート58を取り外した装置50の右側の部分図である。テープ60に固定された各部品62の本体63は、テープで固定された部品が切断及び成形ステーション65に引き込まれるにつれて、本体ガイド80(図3においてより明確に示される)によって支持される。本体ガイド80は、一端が隔壁96によって支持され、その前進端が本体ガイドブリッジ81によって支持されている。ブリッジ81は、ベースプレート106から上方に延びるタイバー85によって順番に移植されている。」

(カ)「Referring to FIGS. 5-10, the cutting and forming station 65 comprises several elements. A lower die holder 130 is secured to a lower die plate 132, which is in turn mounted on the end of a piston 144 comprising the cut/form cylinder 146 The cylinder 146 is a double acting pneumatic cylinder appropriately sized to drive the component-in-process through the cut/form sequences discussed below.
A lower forming die 150 is also secured to the die holder 130 between the lower cutting die 136 and 137, and provides support for the component body and leads during the cutting and forming operations.」(第6欄第30~41行)

(当審訳)「図5~図10を参照すると、切断及び成形ステーション65は、いくつかの要素を含む。下型ホルダ130は、下型プレート132に固定され、これは、次に、切断/成形シリンダ146を含むピストン144の端部に取り付けられ、シリンダ146は、以下で論じる切断/成形シーケンスを通してプロセス中の部品を駆動するために適切な大きさの複動空気圧シリンダである。

下部成形型150はまた、下部切断ダイ136と137との間のダイホルダ130に固定され、切断および成形作業中に部品本体およびリード線を支持する。」

(キ)「The upper forming die blocks 138 and 139 remain in a stationary position throughout the forming operation; the cut/form cylinder 146 pushes the lower forming die 150 upwardly, carrying the component with it, causing the leads to contact the rollers and make the bend.
FIG. 6 is a perspective view of the upper die block 138; the other upper die block 139 is a mirror image of block 138. Die surface 186 cooperates with the lower cutting die 136 in the lead cutting operation. The bending roller 166 is mounted on a pin (not shown in FIG. 6) fitted into bores 188 and 190. The V-shaped cross-sectional configuration of the roller 166 guides the bent lead into the partial funnel shaped grove 192, which tapers down to a narrow untapered groove portion 194. The groove portions 192 and 194 complete the bending process on the component lead.」(第7欄第8~24行)

(当審訳)「上部成形ダイブロック138および139は、成形動作全体を通して静止位置にとどまる。切断/成形シリンダ146は、下部成形ダイ150を上方に押し上げ、部品を運び、リード線をローラに接触させて屈曲させる。

図6は、上ダイブロック138の斜視図である。他方の上型ブロック139は、ブロック138の鏡像である。ダイ面186は、リード切断動作において下部切断ダイ136と協働する。曲げローラ166は、ボア188,190に嵌め込まれたピン(図6には図示せず)に取り付けられている。ローラ166のV字断面構成は、屈曲したリード線を部分的な漏斗状の溝部192に導き、狭い、非テーパの溝部194まで先細になる。溝部192,194は、部品リード線上の曲げ加工を完了する。」

(ク)「The leads are held in corresponding grooves of the upper forming die by lead springback. With the component-in-process now at the pickup location, it is now ready for robotic pickup.」(第9欄第2~6行)

(当審訳)「リード線は、リード線のスプリングバックによって上部成形型の対応する溝に保持される。工程における部品がピックアップ位置となることで、ロボットによるピックアップの準備が整う。」

(ケ)FIG 1

[図:0001398623000005.jpg]

(コ)FIG 2

[図:0001398623000006.jpg]

(サ)FIG 4

[図:0001398623000007.jpg]

(シ)FIG 6

[図:0001398623000008.jpg]

(ス)FIG 7

[図:0001398623000009.jpg]

(セ)FIG 8

[図:0001398623000010.jpg]

(ソ)FIG 9

[図:0001398623000011.jpg]

(タ)FIG 10

[図:0001398623000012.jpg]

(チ)上記(ア)~(エ)及び(ク)の記載事項から、引用文献1に記載されたアキシャルリード電子部品供給装置50は、ロボット組立システムに設けられることが前提とされており、リード線が切断及び屈曲され、ピックアップ位置にあるアキシャルリード部品62は、ロボット組立システムのロボットに供給されてピックアップされると認められる。

(ツ)FIG.1及びFIG.4から、テープ60によってリード線が固定されたテープ化アキシャルテープ部品のアキシャルリード部品62は、テープリール55から切断及び成形ステーション65まで水平な姿勢で所定の高さで供給されることが見て取れる。

(テ)上記(カ)及び(キ)の記載事項及びFIG.8~10から、下型ホルダ130、下型プレート132、下部切断ダイ136及び137並びに下部成形型150が一体的に上方に動いて本体63及びリード線を上昇させることで、テープ60からアキシャルリード部品62を切り離し、リード線を屈曲させることが理解でき、FIG.8~10から、下部切断ダイ136の上端と下部成形型150の上端がおおよそ同じ高さであることが見て取れる。

そして、FIG.4及び7には、アキシャルリード電子部品供給装置50の上面より、アキシャルリード部品62の上端を突出させた状態で本体63を露出させた状態が見て取れ、この状態は、ピックアップ位置にテープ60から切り離されたアキシャルリード部品62を上昇させた後に停止させた状態と認められるが、同じ図面において、そのアキシャルリード部品62の下には、次にリード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品62が配置され、さらにその下に下部切断ダイ136が配置されている状態が記載されているから、ピックアップ位置にアキシャルリード部品62を上昇させ停止させた後には、アキシャルリード部品62の本体63及びリード線を上昇させた下部成形型150を、次にリード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品62の高さよりも下方に移動させられることが見て取れる。

(ト)上記(キ)の記載事項及びFIG.6に照らせば、上記(ク)の「上部成形型の対応する溝」は、非テーパの溝部194であると認められる。

イ 引用発明

上記ア(ア)~(タ)の記載事項及び図示内容並びに上記ア(チ)~(ト)の認定事項から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という)が記載されていると認められる。

「ロボット組立システムの台座状の支持体72、74に支持されるものであり、本体63とリード線とを有する複数のアキシャルリード部品62がテープ60に固定されたテープ化したアキシャルリード部品をテープリール55から切断及び成形ステーション65まで所定の高さで水平な姿勢で供給するとともに、前記テープ化したアキシャルリード部品の前記リード線を切断して前記テープ60から切り離し、前記テープ60から切り離したアキシャルリード部品62のリード線を屈曲し、前記所定の高さより高いピックアップ位置において前記リード線の屈曲したアキシャルリード部品62の本体63がアキシャルリード電子部品供給装置50の上面から突出して露出した状態となるように、前記テープ化したアキシャルリード部品から切り離したアキシャルリード部品62を下部成形型150が前記ピックアップ位置に上昇させて、リード線を上部成形型138の溝部194で支え、次にリード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品の高さよりも下方に下部成形型150を下降させることで、アキシャルリード電子部品供給装置50の上面から突出して本体63が露出した状態のリード線が屈曲したアキシャルリード部品62を停止した状態で、1個ずつ供給するアキシャルリード電子部品供給装置50と、
前記アキシャルリード電子部品供給装置50の前記ピックアップ位置において前記アキシャルリード電子部品供給装置50の上面から突出して本体63が露出した状態のリード線が屈曲したアキシャルリード部品62が停止した状態で供給されると、本体63が露出した状態のリード線が屈曲したアキシャルリード部品62をピックアップして電子回路に挿入するロボットと、
を備えるロボット組立システム。」

ウ 引用文献2の記載事項

引用文献2には、以下の事項が記載されている。

(ア)「(1)アキシャルリード型の電子部品をテープから切り離し、部品挿入装置に送り込むテーピング部品供給装置において、外周に等ピッチのV型溝を有し、電子部品の両端のリード線を支持すると共に、前記溝の外面の稜部に刃を有する一対のラチェットと、このラチェットの外面に近接あるいは接して、前記刃と共に前記リード線を切断する一対の固定刃と、前記ラチェットの軸に駆動力を与える駆動手段と、前記テープに固定した部品をガイドするガイド手段と、前記テープに固定した部品を収納する箱を保持する保持手段と、上記部品挿入装置にロックするためのロック手段とを設けたことを特徴とするテーピング部品供給装置。」(特許請求の範囲第1項)

(イ)「本発明はこの様な欠点を除去したもので、テーピングされた電子部品を電子部品挿入機に速やかに装填できるように考慮した装置を提供するものである。」(第1ページ右欄第18行~第2ページ左上欄第1行)

(ウ)「次に第1図に示した供給装置を第2図の如く部品挿入装置Aにセットする方法について説明する。第1図の如く箱詰されたテーピング部品を供給装置に装填した後、ベース板3上にネジ止めされたUブロック14に支持された軸16を中心に回動する取手16を手に持ち、部品挿入装置Aに取付けられている一対のガイド17の間を第3図の矢印aの方向にスライドさせてストッパ一部18に突き当たる迄挿入する。ストッパ一部18に当たると同時にベース板3に設けられた透孔(図示せず)あるいは溝19に部品挿入装置A側に設けられた口ックビン(図示せず)がはいり込み、供給装置を部品挿入装置Aに固定する。」(第2ページ左上欄第18行~右上欄第10行)

(エ)「次にこの供給装置を部品挿入装置Aより取り出す場合には、ローラ30を手で握って矢印36の方向に引っぱる。するとローラ30は軸34のまわりに回転し、これにともなってローラ31も同様に回転し、部品挿入装置Aに増付けられている中板37に取付けられている支え板38の透孔と中板37の透孔39によって両端部がガイドされていて常時はバネ39′により上方に押しつけられているクランパ40の頭部を上から押し付けてクランパ40の頭部を透孔39の表面より押し下げる。このようにしてベース板3をクランプ状態より解除しつつ、更にガイド17より取り出す。」(第2ページ右下欄第2~13行)

(オ) 第2図

[図:0001398623000013.jpg]

(カ)第2図から、一対のガイド17及びストッパー部18は、部品挿入装置Aの中板37上に取り付けられていることが見て取れる。

そうすると、上記(ア)~(カ)の記載事項及び図示内容から、引用文献2には、次の事項(以下、「引用文献2に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。

「部品挿入装置Aに取付けられている中板37上の一対のガイド17の間にスライドさせ、ストッパー部18に突き当たるまで挿入し固定できるとともに取り出せるアキシャルリード型の電子部品のテーピング部品供給装置と、
プリント基板に前記電子部品を挿入するヘッド部と、
を備えた部品挿入装置A。」

(4)対比

本願発明と引用発明とを対比する。

引用発明の「ロボット組立システム」は本願発明の「部品実装装置」に相当し、以下同様に、

「台座状の支持体72、74」は「保持台」に、

「支持される」ことは「位置決めされ」「装着される」ことに、

「テープ60」は「キャリアテープ」に、

「本体63」は「本体部」に、

「リード線」は「リード線」に、

「アキシャルリード部品62」は「アキシャルリード部品」に、

「テープ60」に「固定」することは「キャリアテープ」に「テーピング」することに、

「テープ化したアキシャルリード部品」は「テープ化アキシャルリード部品」に、

「所定の高さで水平な姿勢で供給する」ことは「水平な姿勢で搬送する」ことに、

「切断」することは「切断」することに、

「切り離」すことは「切り離」すことに、

「屈曲」することは「屈曲」することに、

「前記所定の高さよりも高い」ことは「搬送高さの上方にある」ことに、

「ピックアップ位置」は「部品供給位置」に、

「下部成形型150」は「支持部材」に、

「上昇させ」ることは「上昇させ」ることに、

「アキシャルリード電子部品供給装置50」は「アキシャルフィーダ」に、

「停止した状態」は「停止した状態」に、

「1個ずつ供給する」ことは、「ひとつずつ供給する」ことに、

「ピックアップ」することは「保持」することに、

「電子回路に挿入」することは「回路基材に装着」することに

「ロボット」は「作業ヘッド」に、それぞれ相当する。

そして、引用発明の「下部成形型150」が「前記テープ化したアキシャルリード部品から切り離したアキシャルリード部品62を」「前記ピックアップ位置に上昇させ」ることは、本願発明の「支持部材」が「前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を前記部品供給位置に上昇させ」ることに相当し、引用発明の「下部成形型150」を「次にリード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品の高さよりも下方に」「下降させる」ることは、本願発明の「支持部材」を「リード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品の高さよりも下方に移動させ」ることに相当する。

また、引用発明の「本体63」が「露出した状態」は、次にリード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品の高さよりも下方に下部成形型150が下降していて、下部成形型150が本体63の下端を隠せない状態であるから、本願発明の「本体部の下端が前記支持部材の上端やアキシャルフィーダ上面に隠れないように露出した状態」とは、「本体部の下端が前記支持部材の上端に隠れないように露出した状態」の限りで共通する。

したがって、本願発明と引用発明とは、

「部品実装装置に設けられた保持台に位置決めされ、かつ装着されるものであり、キャリアテープに本体部とリード線とを有する複数のアキシャルリード部品がテーピングされたテープ化アキシャルリード部品を水平な姿勢で搬送するとともに、前記テープ化アキシャルリード部品の前記リード線を切断して前記キャリアテープから切り離し、前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品の前記リード線を屈曲し、前記テープ化アキシャルリード部品の搬送高さの上方にある部品供給位置に支持部材が前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を上昇させ、前記キャリアテープから切り離したアキシャルリード部品を前記部品供給位置に上昇させた前記支持部材を次にリード線が切断及び屈曲されるアキシャルリード部品の高さよりも下方に移動させて、前記部品供給位置において前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品を停止した状態であって前記本体部の下端が前記支持部材の上端に隠れないように露出した状態でひとつずつ供給するアキシャルフィーダと、
前記アキシャルフィーダの前記部品供給位置において前記リード線を屈曲させたアキシャルリード部品が停止した状態で供給されると、前記部品供給位置において停止した状態で供給されたリード線を屈曲させたアキシャルリード部品を保持して回路基材に装着する作業ヘッドと
を備えた部品実装装置。」

の点で一致し、以下の相違点1~3で相違する。

[相違点1]

本願発明は「保持台に位置決めされ、かつ着脱可能に装着される」ものであるのに対し、引用発明は「台座状の支持体72、74に支持される」ものである点。

[相違点2]

本願発明は、部品供給位置における「本体部の下端」が「アキシャルフィーダ上面に隠れないように露出した状態」であるのに対し、引用発明は、ピックアップ位置における本体63の下端が、アキシャルリード電子部品供給装置50の上面から露出した状態であるか不明である点。

[相違点3]

本願発明は、アキシャルリード部品がリード部品供給位置で停止して供給されると、「作業ヘッド」が「部品供給装置の上方に移動」する構成であるのに対し、引用発明は、「ロボット」が、このような構成であるか不明である点。

(5)相違点の検討と判断

まず、相違点1について検討する。

引用文献2には、「テーピング部品供給装置」が「中板37上の一対のガイド17の間にスライドさせ、ストッパー部18に突き当たるまで挿入し固定できるとともに取り出せる」こと、すなわち中板に位置決めされ、着脱可能に装着されることが記載されている。

そうすると、上記相違点1に係る本願発明の構成は、引用文献2に記載された事項が有する構成であると認められる。

また、引用発明は、様々なアキシャルリード電子部品を使うロボット組立システムに使用することを前提としており、当該システムの運転効率を考慮すれば、ロボット組立システムが製造する電子回路の変更時等においては、電子回路に必要なアキシャルリード電子部品が供給できるアキシャルリード電子部品供給装置50を速やかに装填する必要があるから、引用文献2に記載された事項を採用する動機付けはあるといえる。

そうであれば、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

次に、相違点2について検討する。

引用発明は、アキシャルリード部品62をピックアップ位置において停止した状態では、アキシャルリード部品62のリード線を上部成形型138の溝部194で支える構造であるため、ピックアップ位置におけるアキシャルリード部品62の本体63の高さはアキシャルリード電子部品供給装置50の上面の高さに依存しない。そうであれば、アキシャルリード電子部品供給装置50の上面と、アキシャルリード部品62の本体63の下端の、いずれを高い位置にするかは、リード線の長さやロボット組立システムのピックアップするロボットの構成等に応じて当業者が適宜選択すべき設計的事項に過ぎない。

そうすると、ピックアップ位置において停止した状態で、本体63の下端がアキシャルリード電子部品供給装置50の上面に隠れないように露出した状態とすることは、引用発明に基いて当業者が容易になし得た事項と認められる。

次に、相違点3について検討する。

引用発明のロボットは、アキシャルリード電子部品供給装置50の上面より上の空間に位置可能であり、遅くとも、停止したアキシャルリード部品62がピックアップ位置でピックアップされるまでには、本体63が露出した状態のリード線が屈曲したアキシャルリード部品62の上方に、ピックアップするためのロボットが移動する必要があることは自明である。

そして、アキシャルリード部品62の上方にロボットが移動することと、アキシャルリード部品62をピックアップ位置において停止することの、いずれを先にするかは、アキシャルリード電子部品供給装置50の各要素の動作速度やロボットの各要素の動作速度を考慮して、当業者が適宜決定すべき設計的事項である。

そうであれば、引用発明に基いて上記相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

そして、本願発明の構成によってもたらされる作用・効果は、引用発明及び引用文献2に記載された事項から、当業者が予測可能な事項の範囲内のものと認められる。

したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された事項から当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

本願について、令和4年10月19日にした手続補正は、特許法第17条の2第3項の規定にする要件を満たしていない。

また、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2に係る発明について検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-003569

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