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特許拒絶査定不服審判

2021-003084

遊技機

審判番号
2021-003084
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-153339外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月08日
審決日
2021年11月16日
公報発行日
2022年02月25日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項、特許法第159条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-153339号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成31年2月28日出願公開、特開2019-30511号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成29年8月8日の出願であって、令和1年8月30日に上申書及び手続補正書が提出され、令和2年6月26日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月30日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年12月7日付け(発送日:同年同月15日)で拒絶査定がなされ、それに対して、令和3年3月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和3年3月8日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和3年3月8日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 補正の内容

本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲、すなわち令和2年7月30日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載を、以下のとおり、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1のものに補正するものである(下線は補正箇所を示す。なお、本件補正後のAないしQの符号は合議体により付与されたものである。)。

本件補正前

「【請求項1】
遊技球が入球可能な第1入球口及び第2入球口と、
前記第1入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第1取得処理と、前記第2入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第2取得処理とを実行可能な取得手段と、
前記第1取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第1記憶手段と、
続きを表示(全15行)
前記第2取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第2記憶手段と、
前記第1取得処理により取得された判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する第1判定処理と、前記第2取得処理により取得された判定用情報に基づいて、前記特別遊技を実行するか否かを判定する第2判定処理とを実行可能な判定手段と、
前記第1判定処理の判定結果を示す第1図柄を変動表示を経て停止表示させる第1図柄表示処理と、前記第2判定処理の判定結果を示す第2図柄を変動表示を経て停止表示させる第2図柄表示処理とを実行可能な図柄表示制御手段と、を備え、
前記図柄表示制御手段は、前記第2図柄表示処理を前記第1図柄表示処理よりも優先して行うものである
遊技機において、
前記取得手段により取得された判定用情報に基づいて、前記判定手段による判定よりも前に、前記特別遊技が実行されるか否かの先読み判定を行う先読み判定手段と、
前記先読み判定の結果に基づいて、その先読み判定に係る判定用情報よりも前に取得された判定用情報に基づく変動表示から、その先読み判定に係る判定用情報に基づく変動表示までの連続する複数の変動表示にわたって、演出内容が関連する関連演出を実行可能な関連演出実行手段と、を備え、
前記関連演出には、前記特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階があり、
前記関連演出実行手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記関連演出が実行されているときに、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記関連演出の実行契機となった前記第1入球口への入球に基づく変動表示に際して実行する予定の関連演出の段階を変更することなく、前記第2入球口への入球に基づく前記第2図柄の変動表示に伴って、1つ前の変動表示の際に行われていた関連演出の次の段階の関連演出を実行可能なものであり、
前記第2図柄の変動表示に伴って前記関連演出を実行した場合、当該第2図柄の変動表示の後の前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を、前記第1判定処理の結果に反しない範囲で、予定していた段階よりも上の段階に変更可能である
ことを特徴とする遊技機。」

本件補正後

「【請求項1】
A 遊技球が入球可能な第1入球口及び第2入球口と、
B 前記第1入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第1取得処理と、前記第2入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第2取得処理とを実行可能な取得手段と、
C 前記第1取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第1記憶手段と、
続きを表示(全18行)
D 前記第2取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第2記憶手段と、
E 前記第1取得処理により取得された判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する第1判定処理と、前記第2取得処理により取得された判定用情報に基づいて、前記特別遊技を実行するか否かを判定する第2判定処理とを実行可能な判定手段と、
F 前記第1判定処理の判定結果を示す第1図柄を変動表示を経て停止表示させる第1図柄表示処理と、前記第2判定処理の判定結果を示す第2図柄を変動表示を経て停止表示させる第2図柄表示処理とを実行可能な図柄表示制御手段と、を備え、
G 前記図柄表示制御手段は、前記第2図柄表示処理を前記第1図柄表示処理よりも優先して行うものである
H 遊技機において、
I 前記取得手段により取得された判定用情報に基づいて、前記判定手段による判定よりも前に、前記特別遊技が実行されるか否かの先読み判定を行う先読み判定手段と、
J 前記先読み判定の結果に基づいて、その先読み判定に係る判定用情報よりも前に取得された判定用情報に基づく変動表示から、その先読み判定に係る判定用情報に基づく変動表示までの連続する複数の変動表示にわたって、演出内容が関連する関連演出を実行可能な関連演出実行手段と、を備え、
K 前記関連演出には、前記特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階があり、
L 前記複数の段階のうち最後の段階は、前記特別遊技が実行されることの報知であり、
M 前記関連演出実行手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記関連演出が実行されているときに、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記関連演出の実行契機となった前記第1入球口への入球に基づく変動表示に際して実行する予定の関連演出の段階を変更することなく、前記第2入球口への入球に基づく前記第2図柄の変動表示に伴って、1つ前の変動表示の際に行われていた関連演出の次の段階の関連演出を実行可能なものであり、
N 前記第2図柄の変動表示に伴って前記関連演出を実行した場合、当該第2図柄の変動表示の後の前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を、前記第1判定処理の結果に反しない範囲で、予定していた段階よりも上の段階に変更可能であり、
O 前記特別遊技を実行する旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更することで、前記最後の段階の関連演出を行うことがある一方、
P 前記特別遊技を実行しない旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更しても、前記最後の段階の1つ前の段階の関連演出までしか行われることがない
Q ことを特徴とする遊技機。」

(以下、本件補正後の請求項1に記載された事項によって特定される発明を、「本願補正発明」という。)

2 補正の適否について

(1) 補正事項

本件補正は、以下の補正事項を含むものである。

ア 補正事項ア

本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「関連演出」の「特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階」に関して、「前記複数の段階のうち最後の段階は、前記特別遊技が実行されることの報知であり、」との限定を追加する。

イ 補正事項イ

本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「関連演出」の「特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階」に関して、「前記特別遊技を実行する旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更することで、前記最後の段階の関連演出を行うことがある一方、前記特別遊技を実行しない旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更しても、前記最後の段階の1つ前の段階の関連演出までしか行われることがない」との限定を追加する。

(2) 特許法第17条の2第5項に関する要件について

ア 補正の目的について

補正事項ア及び補正事項イは、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、本件補正前の請求項1に係る発明と本件補正後の請求項1に係る発明を対比すると、両者は産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であると認められる。

イ 新規事項の有無について

本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)の段落【0188】には、「・・・本形態の連続演出は、step1からstep4まである。・・・」との記載があり、段落【0182】には「また、step4の連続演出は、大当たり当選時にしか実行されない演出となっている。すなわち、大当たり当選確定を遊技者に報知する演出となっている。 」との記載がある。

また、当初明細書等の段落【0235】には、「・・・特図2の変動の次の特図1の変動に際して行う連続演出の段階を、特図2の変動に際して行った連続演出の次の段階としてもよい。つまり、特図2の変動に際してstep3の連続演出を行った場合、その次の特図1の変動に際してstep4の連続演出を行うように構成してもよい。この場合、・・・、最後の連続演出(発動契機保留に基づく連続演出)までの各変動について予定よりも1つ上のstepで実行する構成としてもよい。なお、複数のstepのうち最後のstepが大当たり当選確定を示すstepである場合であって、ハズレ保留が発動契機保留である場合には、最後のstepの連続演出を行うことはできないため、最後から1つ前のstepの連続演出まで実行したら、それ以降はそのstepと同じstepの連続演出を実行するように構成するとよい。つまり上記形態においてハズレ保留が発動契機保留である場合には、step4の連続演出を実行できないため、step3の連続演出を繰り返し実行すればよい」と記載されている。

したがって、本件補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術事項を導入するものでない。

ウ 小括

よって、本件補正は、上記アより、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そして、本件補正は、上記イにおいて検討したように、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(3) 独立特許要件について

ア 本願補正発明

本願補正発明は、上記1の「本件補正後」の【請求項1】に記載したとおりのものである。

イ 引用文献とそれに記載された事項

(ア) 記載事項

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原査定の拒絶の理由において引用され、本願の出願前に公開された特開2010-158420号公報(以下、「引用文献」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下、同様。)。

引1-ア

「【0021】
図1は、本実施形態における遊技機1の一例を示す正面図である。遊技機1は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成されたものである。この遊技機1は、透明ガラス板2aが嵌め込まれた窓部2を有する枠部材3と、その枠部材3の窓部2の背面側に着脱自在に取り付けられる遊技盤10とを備えている。」

引1-イ

「【0023】
図2は、本実施形態における遊技盤10の一例を示す正面図である。遊技盤10は、正面側に相当する遊技盤面10aに、外側レール11と内側レール12とで囲まれた遊技領域13を有しており、遊技者がハンドルレバー4を操作することによって打ち出される遊技球は外側レール11と内側レール12との間から遊技領域13の左上の部分に打ち出される。その遊技領域13の内側には、遊技盤10の略中央に位置するように液晶表示デバイスなどで構成された画像表示器8が設けられており、さらにその画像表示器8の周縁にはセンター役物などとも呼ばれる飾り枠体14が設けられている。画像表示器8は、演出のための各種の画像を表示するためのものであり、遊技の進行に伴い、例えば大当たり抽選の抽選結果を、1~9などの数字を付した複数の装飾図柄によって報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。飾り枠体14は画像表示器8の画面枠を規定している。この飾り枠体14には種々のランプや可動物などの演出用役物32が配置されている。また飾り枠体14の左側には遊技球のワープ通路31が設けられており、飾り枠体14の中央下部には遊技球が転動可能なステージ30が設けられている。ワープ通路31の上端には遊技領域13の上部左側に向かって開放した流入口31aが形成されており、下端には遊技球をステージ30上に導くための流出口31bが形成されている。
【0024】
遊技領域13における飾り枠体14の周囲には、多数の釘15、スルーゲート16、風車17、普通入賞口18、第1始動口19、電動チューリップ20、第2始動口21、大入賞口22、大入賞口22を開閉する役物23、アウト口24等の公知の部材が配置されている。さらに、遊技領域13の外側で遊技盤面10aの右下部には、特別図柄の変動表示を行って大当たりの抽選結果に応じた特別図柄の表示を行ったり、第1始動口19および第2始動口21に遊技球が入球したことによる保留数に関する表示を行ったりするための表示器60が設けられている。 」

引1-ウ

「【0029】
・・・遊技球Bが第1始動口19に入球すると、その遊技球Bは盤面部品40の背面側に設けられた図示しない遊技球案内部材によって遊技盤面10aの背面側に案内される。この遊技球Bは、遊技盤面10aの背面側で盤面部品40の近傍に設けられた第1始動口スイッチ41に導かれ、第1始動口スイッチ41を通過する際に第1始動口19への入球として検知される。また図4(a)に示すように、第2始動口21の左右両側に設けられた電動チューリップ20が開放しているとき、遊技球Bは第2始動口21の左右両側から第2始動口21に入球しやすい状態となる。この状態で遊技球Bが第2始動口21に入球すると、その遊技球Bは、図4(b)に示すように、盤面部品40の内部に形成された遊技球案内通路を転動し、遊技盤面10aの背面側で盤面部品40の下部に取り付けられた第2始動口スイッチ42を通って下方に排出される。そして遊技球Bが第2始動口スイッチ42を通過する際に第2始動口21への入球として検知される。
【0030】
第1始動口スイッチ41又は第2始動口スイッチ42で遊技球の入球が検知されると、遊技機1において各種乱数が遊技データとして取得され、その後、その取得された遊技データに基づいて大当たり抽選(大当たり判定)が行われる。 」

引1-エ

「【0046】
図6は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御するメイン制御基板100と、メイン制御基板100から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板200とが設けられている。サブ制御基板200は、払出制御基板120、演出制御基板130、画像制御基板140、ランプ制御基板150等で構成されている。
【0047】
メイン制御基板100は、CPU101とROM102とRAM103とを備えている。このメイン制御基板100には、遊技球が第1始動口19に入球したことを検知する第1始動口スイッチ41、遊技球が第2始動口21に入球したことを検知する第2始動口スイッチ42、電動チューリップ20を開閉させる電チューソレノイド91、遊技球がスルーゲート16を通過したことを検知するゲートスイッチ92、遊技球が普通入賞口18に入球したことを検知する普通入賞口スイッチ93、遊技球が大入賞口22に入球したことを検知する大入賞口スイッチ94、役物23を開閉駆動させる大入賞口ソレノイド95、普通図柄表示器61、普通図柄保留表示器62、第1特別図柄表示器63、第1特別図柄保留表示器64、第2特別図柄表示器65および第2特別図柄保留表示器66が接続されている。 」

引1-オ

「【0050】
演出制御基板130は、CPU131とROM132とRAM133とリアルタイムクロック(RTC)134とを備えており、メイン制御基板100からの信号やコマンドなどに基づいて具体的な演出内容を決定し、画像制御基板140とランプ制御基板150のそれぞれを制御する。リアルタイムクロック(RTC)134は、電源投入の有無にかかわらず、リアルタイムに現在時刻をカウントする時計回路(計時手段)である。本実施形態では、演出制御基板130がステップアップ連続演出を設定する処理を行うと共に、既に設定されているステップアップ連続演出の設定変更を行う処理を行うように構成される。」

引1-カ

「【0053】
図7は、メイン制御基板100における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。メイン制御基板100のCPU101は、所定のプログラムを実行することにより、遊技機1における動作全般を統括的に制御する遊技制御部110として機能する。この遊技制御部110は、遊技の進行状況に応じて種々の処理部として機能するが、その一部について例を挙げると、図7に示すように遊技データ取得部111、変動表示保留部112および特別図柄変動処理部115として機能する。そして変動表示保留部112は、さらに第1変動表示保留部113と第2変動表示保留部114とを備えている。またメイン制御基板100のRAM103は、乱数格納領域103aと保留記憶領域103bとを備えている。乱数格納領域103aには遊技データとなる種々の乱数が格納されているが、図例には、大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2およびリーチ乱数RN3が格納されている場合を示している。これら乱数RN1,RN2,RN3は遊技制御部110によって逐次更新されている。また保留記憶領域103bには、第1変動表示保留記憶部104と第2変動表示保留記憶部105との2つの領域が設けられている。
【0054】
遊技データ取得部111は、第1始動口スイッチ41又は第2始動口スイッチ42が遊技球の入球を検知した場合、乱数格納領域103aにおいて逐次更新されている大当たり乱数RN1、図柄乱数RN2およびリーチ乱数RN3を遊技データとして取得する処理部である。遊技データ取得部111が取得するこれら乱数の値によって、その後の大当たり抽選における当否、大当たりの場合の大当たりの種類、ハズレの場合のリーチ演出の有無などが確定する。 」

引1-キ

「【0061】
図7に戻り、遊技制御部110の変動表示保留部112は、遊技データ取得部111が取得した遊技データを保留記憶領域103bに格納することによって特別図柄の変動表示を保留する処理部である。第1変動表示保留部113は、第1始動口19に遊技球が入球して取得された遊技データを第1変動表示保留記憶部104に格納すると共に、第1特別図柄保留表示器64に対して保留表示を行う。また第2変動表示保留部114は、第2始動口21に遊技球が入球して取得された遊技データを第2変動表示保留記憶部105に格納すると共に、第2特別図柄保留表示器66に対して保留表示を行う。
【0062】
図9は、保留記憶領域103bの一構成例を示す図である。第1変動表示保留記憶部104は、図9(a)に示すように、第1記憶領域104a、第2記憶領域104b、第3記憶領域104cおよび第4記憶領域104dを備えている。それぞれの記憶領域104a~104dには、第1始動口19に遊技球が入球して取得された遊技データが格納される。つまり、第1始動口19に遊技球が入球して遊技データが取得された順に、第1記憶領域104aから第4記憶領域104dまで順次遊技データが格納されていく。また第2変動表示保留記憶部105は、図9(b)に示すように、第1記憶領域105a、第2記憶領域105b、第3記憶領域105cおよび第4記憶領域105dを備えている。それぞれの記憶領域105a~105dには、第2始動口21に遊技球が入球して取得された遊技データが格納される。つまり、第2始動口21に遊技球が入球して遊技データが取得された順に、第1記憶領域105aから第4記憶領域105dまで順次遊技データが格納されていく。第1変動表示保留記憶部104および第2変動表示保留記憶部105の各記憶領域は、図9(c)に示すように、大当たり乱数RN1を記憶するための大当たり乱数記憶領域と、図柄乱数RN2を記憶するための図柄乱数記憶領域と、リーチ乱数RN3を記憶するためのリーチ乱数記憶領域とを備えており、遊技データ取得部111によって取得された乱数がそれぞれ格納される。
続きを表示(全12行)
【0063】
第1変動表示保留部113は、第1始動口19に遊技球が入球した個数分の遊技データを第1変動表示保留記憶部104に記憶することにより、当該入球に基づく特別図柄の変動表示を保留する。この第1変動表示保留部113は4つまでの保留球を記憶しておくことができる。そして第1変動表示保留記憶部104に記憶した保留球を消化して特別図柄の変動表示を行う際、第1変動表示保留部113は、第1記憶領域104aの遊技データを読み出して保留を消化し、第2記憶領域104b~第4記憶領域104dの遊技データをそれぞれ第1記憶領域104a~第3記憶領域104cにシフトさせる。
【0064】
また第2変動表示保留部114は、第2始動口21に遊技球が入球した個数分の遊技データを第2変動表示保留記憶部105に記憶することにより、当該入球に基づく特別図柄の変動表示を保留する。この第2変動表示保留部114もまた、4つまでの保留球を記憶しておくことができる。そして第2変動表示保留記憶部105に記憶した保留球を消化して特別図柄の変動表示を行う際、第2変動表示保留部114は、第1記憶領域105aの遊技データを読み出して保留を消化し、第2記憶領域105b~第4記憶領域105dの遊技データをそれぞれ第1記憶領域105a~第3記憶領域105cにシフトさせる。
【0065】
特別図柄変動処理部115は、変動表保留部(当審注:「変動表示保留部」の誤記と認められる。)112による保留を消化して特別図柄の変動表示を行う処理部である。特別図柄変動処理部115は、第1変動表示保留記憶部104の保留を読み出して特別図柄の変動表示を行う場合は、第1特別図柄表示器63において変動表示を行う。また第2変動表示保留記憶部105の保留を読み出して特別図柄の変動表示を行う場合は、第2特別図柄表示器65において変動表示を行う。この特別図柄変動処理部115は、保留記憶領域103bに格納された遊技データを読み出して大当たり判定を行い、当選していればその当たりの種類に応じた特別図柄で変動表示を停止させる。この停止図柄の決定は、図8(b-1)~(b-3)に示したテーブルに基づいて行われる。またハズレの場合はハズレ図柄で変動表示を停止させる。
【0066】
また本実施形態の遊技機1は、第1変動表示部保留部(同:「第1変動表示保留部」)113が第1始動口19に入球した1個以上の保留球を保留しており、且つ、第2変動表示部保留部(同:「第2変動表示保留部」)114が第2始動口21に入球した1個以上の保留球を保留している場合、特別図柄変動処理部115が保留を消化して次の特別図柄の変動表示を開始する際、第2変動表示保留部114による保留を優先的に消化するように構成されている。 」

引1-ク

「【0071】
また本実施形態1の遊技機1は、メイン制御基板100において第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球したことに基づき遊技データが取得されると、その遊技データを演出制御基板130に出力する。そして演出制御基板130は、メイン制御基板100と同様にして保留数を管理すると共に、メイン制御基板100から取得する遊技データの事前判定を行う。そしてその事前判定の結果に基づいて、保留数分に対応した複数回の特別図柄の変動表示にわたって連続的に行われる演出であって、特別図柄の変動表示が行われる度に段階的にステップアップしていくステップアップ連続演出を設定するように構成される。このステップアップ連続演出は、例えば第1始動口19に入球したことによって行われる事前判定において当選した場合、当該入球に基づく特別図柄の変動表示が消化されるまでの間に、それ以前に消化される特別図柄の変動表示を含み、複数回の特別図柄の変動表示にわたって連続的に、且つ段階的にステップアップしていく演出である。それ故、このステップアップ連続演出が設定されると、事前判定に当選した当該入球に基づく特別図柄の変動表示時には、ステップアップ連続演出の最終ステップに対応する演出が行われる。 」

引1-ケ

「【0113】
次に図25は、演出制御基板130における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。演出制御基板130のCPU131は、所定のプログラムを実行することにより、遊技機1における演出動作の全般を制御するために種々の処理部として機能するが、その一部について例を挙げると、図25に示すようにデータ受信部201、保留管理部202、事前判定部203、連続演出設定部204、連続演出設定変更部205および演出制御部206として機能する。演出制御基板130においてこれら各部が機能することにより、特別図柄の変動表示に関する保留数を管理すると共に、メイン制御基板100から取得する遊技データの事前判定を行い、その事前判定結果に基づいて保留数分に対応した複数回の特別図柄の変動表示にわたって連続的に行うステップアップ連続演出を設定し、またその設定したステップアップ連続演出の設定変更を行うように構成されている。また演出制御基板130のRAM133は、保留記憶領域133aと乱数格納領域133bとを備えている。
【0114】
データ受信部201は、メイン制御基板100から送信される遊技データやコマンドなどを受信する処理部である。データ受信部201は、メイン制御基板100から遊技データを受信すると、その遊技データをRAM133の保留記憶領域133aに格納する。保留記憶領域133aは、第1変動表示保留記憶部211と第2変動表示保留記憶部212とを備えている。データ受信部201は、遊技データを保留記憶領域133aに格納する際、その遊技データが第1始動口19に入球して取得されたデータである場合は、第1変動表示保留記憶部211に格納する。また第2始動口21に入球して取得されたデータである場合は、第2変動表示保留記憶部212に格納する。上述したようにメイン制御基板100から送信される送信用遊技データには、入球始動口に関する情報が含まれているので(図14参照)、データ受信部201は、受信した遊技データに含まれる入球始動口に関する情報に基づいて第1始動口19と第2始動口21とのいずれに入球して取得されたデータであるかを特定することができる。 」

引1-コ

「【0117】
事前判定部203は、メイン制御基板100から遊技データを受信したタイミングで、その受信した遊技データの事前判定を行う処理部である。つまり、事前判定部203は、第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球した場合、当該入球に基づく特別図柄の変動表示が開始される前に、当該入球を契機として、メイン制御基板100で取得された遊技データの事前判定を行う。この事前判定部203は複数の条件に基づいて事前判定を行う。それら複数の条件に適合している場合、事前判定部203は、乱数格納領域133bに格納されている事前判定乱数RN5を読み出し、その乱数値が所定の値であるか否かによって事前判定の当否を決定する。そして事前判定の結果は保留記憶領域133aに格納された当該保留の事前判定結果記憶領域に格納される。例えば、後述するように事前判定に当選した場合、事前判定部203は、当該保留の事前判定結果記憶領域に対して当選を示す情報を格納し、当該保留が消化されるまで、その後の事前判定乱数RN5の判定を行わないことで、ステップアップ連続演出の重複設定や、一度設定されたステップアップ連続演出が解除された後に当該保留を含んで再度ステップアップ連続演出が設定されることを防止している。尚、乱数格納領域133bに格納されている事前判定乱数RN5は、CPU131の他の処理部により、逐次更新されている。
【0118】
連続演出設定部204は、事前判定部203における事前判定結果に基づいてステップアップ連続演出を設定する処理部である。すなわち、メイン制御基板100から遊技データを受信したタイミングで行われる事前判定に当選した場合、その受信した遊技データに基づく特別図柄の変動表示が実行されるまでに消化される保留数N(ただし、Nはその受信した遊技データに基づく保留を含む)に基づいて、N回の特別図柄の変動表示にわたって段階的にステップアップしていくステップアップ連続演出を設定する。例えば、第1変動表示保留記憶部211に3つの保留が記憶されており、第2変動表示保留記憶部212に保留が記憶されていない状態で、更に第1始動口19に入球したことに伴う遊技データを受信して事前判定に当選した場合、保留数は「4」となるので、連続演出設定部204は、4回の特別図柄の変動表示にわたって4段階でステップアップしていくステップアップ連続演出を設定する。つまり、事前判定に当選した保留に基づく特別図柄の変動表示時には、最終ステップに対応する演出が行われるようにステップアップ連続演出を設定する。これにより、複数回の連続した特別図柄の変動表示にわたって段階的にステップアップしていく演出が行われるようになるので、遊技者は、特別図柄の変動表示が行われる都度、大当たりへの期待感を徐々に高揚させていくようになる。そしてステップアップ連続演出の最終ステップに対応する演出が行われるときには、遊技者の大当たりへの期待感が最高潮に達するようになり、効果的な連続演出が可能になる。
【0119】
連続演出設定変更部205は、連続演出設定部204によりステップアップ連続演出が設定されている状態で、その後さらに第2始動口21に入球したことに伴う遊技データを受信した場合、ステップアップ連続演出の実行状況に応じて、既に設定されているステップアップ連続演出の実行を禁止したり、ステップアップ連続演出の設定内容を変更したり、またステップアップ連続演出を途中で終了させるための終了演出を設定したりするための処理部である。 」

引1-サ

「【0138】
次に図29は、事前判定処理(図27のステップS1003)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、CPU131において上述した事前判定部203が機能する。この処理が開始すると、事前判定部203は、メイン制御基板100から受信した遊技データが第1始動口19に入球したものであるか否かを判断する(ステップS1201)。この判断は、受信した遊技データに含まれる入球始動口に関する情報に基づいて行われる。そして第1始動口19に入球した遊技データでない場合(ステップS1201でNO)には、処理を終了する。
【0139】
第1始動口19に入球した遊技データである場合(ステップS1201でYES)、事前判定部203は、当該保留(すなわち、その受信した遊技データ)がリーチ又は大当たりのいずれかに当選しているか否かを判断する(ステップS1202)。この判断では、遊技データに含まれる大当たり乱数RN1とリーチ乱数RN3とに基づいてメイン制御基板100における判断と同様にして行われる。そして当該保留が、大当たりでなく、且つ、リーチでもない場合(ステップS1202でNO)は、処理を終了する。これに対し、当該保留が、大当たりに当選しているか、或いは、リーチ演出ありであれば、次のステップに進む。
【0140】
そして事前判定部203は、当該保留(すなわち、その受信した遊技データに基づく保留)を含む保留数であって、当該保留が消化されるまでの保留数が3以上であるか否かを判断する(ステップS1203)。保留数が3未満である場合(ステップS1203でNO)、ステップアップ連続演出を設定するには保留数が少なく、演出効果の高いステップアップ連続演出を行うことができないので、そのまま処理を終了する。これに対し、保留数が3以上であれば(ステップS1203でYES)、次のステップに進む。」

引1-シ

「【0166】
以上のような演出制御基板130の動作により、遊技機1において種々の演出が行われる。特に、特別図柄の変動表示中、画像表示器8において装飾図柄の変動表示が行われると共に、ステップアップ連続演出が設定された場合には複数回の連続した変動表示にわたって段階的にステップアップしていく予告演出が行われる。そしてステップアップ連続演出の最終ステップの演出が行われると、その装飾図柄の変動表示は必ずリーチとなるので、遊技者に大当たりを期待させることができる。 」

引1-ス

「【0171】
一方、例えば第1変動表示保留記憶部211に4つ目の保留が記憶されたタイミングで事前判定に当選し、ステップアップ連続演出が設定された場合、演出制御基板130より保留表示に関する連続演出表示コマンドが出力されるので、画像表示器8における保留表示は図37(b)に示すように切り替わる。尚、図37(b)の例では第2変動表示保留記憶部212に保留が記憶されていない状態を示している。
【0172】
図37(b)に示すように、ステップアップ連続演出が設定されると、ステップアップ連続演出が実行される保留表示が段階的にステップアップしていく表示態様に変化する。図例の場合、第1変動表示保留記憶部211の第1保留に対応する保留表示部84aには「たまご」の画像が表示され、第2保留に対応する保留表示部84bには「ひよこ」の画像が表示される。また第3保留に対応する保留表示部84cには「にわとり小」の画像が表示され、第4保留に対応する保留表示部84dには「にわとり大」の画像が表示される。つまり、特別図柄の変動表示待ちの保留が4つある場合にステップアップ連続演出が設定されると、それら4つの保留に対して4段階のステップアップ連続演出を予告するための保留表示が行われる。したがって、画像表示器8の保留表示が通常の表示態様から段階的な表示態様に変化すると、遊技者はステップアップ連続演出が行われることを把握することができる。またステップアップ連続演出の最終ステップが行われる保留についても画像表示器8の表示態様から把握することができる。 」

引1-セ

「【0179】
このようなステップアップ連続演出の第1段階の演出が開始されたときに、第2始動口21に遊技球が入球した場合、当該保留にはステップアップ連続演出の第1段階の演出が設定されるので、第2保留表示部85における保留表示は、図42(b)に示すように、第1段階を示す「たまご」の画像で行われる。このとき、ステップアップ連続演出の同じ段階の演出の追加設定が1回行われたことになる。そして図42(c)に示すように装飾図柄81,82,83の変動表示はハズレ図柄で停止する。そして次の特別図柄の変動表示においては、第2変動表示保留記憶部212に記憶されている保留が消化される。この場合、図43(a)に示すように第2保留表示部85における保留表示がシフトし、第1段階を示す「たまご」の画像が消える。そして装飾図柄81,82,83の変動表示が開始する。このときステップアップ連続演出の第1段階の演出が繰り返し行われる。・・・。」

引1-ソ

「【0197】
また上記実施形態においては、第2始動口21への入球に伴いステップアップ連続演出を追加設定する場合、一例として、同じ段階の演出を追加設定する場合を例示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出と関連した演出であれば良い。例えば、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出を追加設定するようにしても良い。ただし、この場合は、次の段階の演出を追加設定することに伴い、当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部211の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定することが好ましい。 」

引1-タ

「図6
[図:0001381518000001.jpg]
」

引1-チ

「図7
[図:0001381518000002.jpg]
」

引1-ツ

「図37
[図:0001381518000003.jpg]
」

(イ) 認定事項

a 認定事項ア

【0046】、図6及び図7の記載を参照すると、遊技機1は、制御機構として、遊技機1の主たる動作を制御するメイン制御基板100と、メイン制御基板100から出力されるコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板200とを有し、サブ制御基板200は演出制御基板130を備える点が認定できる。

b 認定事項イ

【0179】には、「ステップアップ連続演出の第1段階の演出が開始されたときに、第2始動口21に遊技球が入球した場合、当該保留にはステップアップ連続演出の第1段階の演出が設定されるので、第2保留表示部85における保留表示は、図42(b)に示すように、第1段階を示す「たまご」の画像で行われる。」と記載されており、また【0197】に「第2始動口21への入球に伴いステップアップ連続演出を追加設定する場合、一例として、同じ段階の演出を追加設定する場合を例示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出と関連した演出であれば良い。例えば、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出を追加設定するようにしても良い。」と記載されていることから、上記の摘記事項より、ステップアップ連続演出の第1段階の演出が開始されたときに、第2始動口21に遊技球が入球した場合、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出を追加設定する点が記載されていると認められる。

加えて、【0197】には、「この場合は、次の段階の演出を追加設定することに伴い、当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部211の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定することが好ましい。」と記載されていることから、当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定することが可能である点が記載されていると認められる。

ウ 引用発明

上記イ(ア)における摘記事項、及び、イ(イ)おける認定事項ア、イを総合すると、引用文献には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。aないしqの符号は、本願補正発明の構成AないしQに対応させて合議体により付与したものである。

「a 遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された遊技機1であって、この遊技機1は、遊技盤10を備え(【0021】)、遊技盤10は、遊技領域13を有しており(【0023】)、遊技領域13には、第1始動口19、第2始動口21が配置され(【0024】)、遊技球が第1始動口19に入球すると、その遊技球は第1始動口スイッチ41に導かれ、第1始動口スイッチ41を通過する際に第1始動口19への入球として検知され、また、遊技球が第2始動口21に入球すると、その遊技球は、第2始動口スイッチ42を通り、遊技球が第2始動口スイッチ42を通過する際に第2始動口21への入球として検知され(【0029】)、
b,c,d 遊技機1は、制御機構として、遊技機1の主たる動作を制御するメイン制御基板100と、メイン制御基板100から出力されるコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板200とを有し、サブ制御基板200は演出制御基板130を備え(認定事項ア)、メイン制御基板100は、CPU101とROM102とRAM103とを備え(【0047】)、演出制御基板130は、CPU131とROM132とRAM133とリアルタイムクロック(RTC)134とを備え(【0050】)、このメイン制御基板100には、第1始動口スイッチ41、第2始動口スイッチ42が接続され(【0047】)、
メイン制御基板100のCPU101は、遊技制御部110として機能し、この遊技制御部110は、遊技の進行状況に応じて、遊技データ取得部111、変動表示保留部112および特別図柄変動処理部115として機能し(【0053】)、
変動表示保留部112は、さらに第1変動表示保留部113と第2変動表示保留部114とを備え、メイン制御基板100のRAM103は、乱数格納領域103aと保留記憶領域103bとを備え、乱数格納領域103aには遊技データとなる種々の乱数が格納され、これら乱数は遊技制御部110によって逐次更新されており(【0053】)、
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遊技データ取得部111は、第1始動口スイッチ41又は第2始動口スイッチ42が遊技球の入球を検知した場合、乱数格納領域103aにおいて逐次更新されている大当たり乱数を遊技データとして取得する処理部であり、遊技データ取得部111が取得する乱数の値によって、その後の大当たり抽選における当否が確定し(【0054】)、
保留記憶領域103bには、第1変動表示保留記憶部104と第2変動表示保留記憶部105との2つの領域が設けられ(【0053】)、
変動表示保留部112は、遊技データ取得部111が取得した遊技データを保留記憶領域103bに格納することによって特別図柄の変動表示を保留する処理部であり、第1変動表示保留部113は、第1始動口19に遊技球が入球して取得された遊技データを第1変動表示保留記憶部104に格納すると共に、第1特別図柄保留表示器64に対して保留表示を行い、また第2変動表示保留部114は、第2始動口21に遊技球が入球して取得された遊技データを第2変動表示保留記憶部105に格納すると共に、第2特別図柄保留表示器66に対して保留表示を行い(【0061】)、
第1変動表示保留記憶部104は、第1記憶領域104a、第2記憶領域104b、第3記憶領域104cおよび第4記憶領域104dを備え、それぞれの記憶領域104a~104dには、第1始動口19に遊技球が入球して取得された遊技データが格納され、第1変動表示保留部113は4つまでの保留球を記憶しておくことができ(【0062】、【0063】)、
第2変動表示保留記憶部105は、第1記憶領域105a、第2記憶領域105b、第3記憶領域105cおよび第4記憶領域105dを備え、第2変動表示保留部114もまた、4つまでの保留球を記憶しておくことができ(【0062】、【0064】)、
e,f 特別図柄変動処理部115は、変動表示保留部112による保留を消化して特別図柄の変動表示を行う処理部であり、保留記憶領域103bに格納された遊技データを読み出して大当たり判定を行い、当選していればその当たりの種類に応じた特別図柄で変動表示を停止させ、第1変動表示保留記憶部104の保留を読み出して特別図柄の変動表示を行う場合は、第1特別図柄表示器63において変動表示を行い、第2変動表示保留記憶部105の保留を読み出して特別図柄の変動表示を行う場合は、第2特別図柄表示器65において変動表示を行い(【0065】)、
g 第1変動表示保留部113が第1始動口19に入球した1個以上の保留球を保留しており、且つ、第2変動表示保留部114が第2始動口21に入球した1個以上の保留球を保留している場合、特別図柄変動処理部115が保留を消化して次の特別図柄の変動表示を開始する際、第2変動表示保留部114による保留を優先的に消化するように構成されており(【0066】)、
i,j,k 演出制御基板130のCPU131は、所定のプログラムを実行することにより、データ受信部201、事前判定部203、連続演出設定部204、連続演出設定変更部205および演出制御部206として機能し(【0113】)、また演出制御基板130のRAM133は、保留記憶領域133aと乱数格納領域133bとを備え(【0113】)、
遊技機1は、メイン制御基板100において第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球したことに基づき遊技データが取得されると、その遊技データを演出制御基板130に出力し(【0071】)、
データ受信部201は、メイン制御基板100から遊技データを受信すると、その遊技データをRAM133の保留記憶領域133aに格納し、保留記憶領域133aは、第1変動表示保留記憶部211と第2変動表示保留記憶部212とを備え、データ受信部201は、遊技データを保留記憶領域133aに格納する際、その遊技データが第1始動口19に入球して取得されたデータである場合は、第1変動表示保留記憶部211に格納し、また第2始動口21に入球して取得されたデータである場合は、第2変動表示保留記憶部212に格納し(【0114】)、
事前判定部203は、第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球した場合、メイン制御基板100から遊技データを受信したタイミングで、当該入球に基づく特別図柄の変動表示が開始される前に(【0117】)、当該入球を契機としてメイン制御基板100で取得された遊技データである当該保留がリーチ又は大当たりのいずれかに当選しているか否かを判断し(【0139】)、大当たりに当選しているか、或いは、リーチ演出ありであれば(【0139】)、当該保留が消化されるまでの保留数が3以上であるか否かを判断し、保留数が3以上であれば(【0140】)、事前判定乱数を読み出し、その乱数値が所定の値であるか否かによって事前判定の当否を決定し(【0117】)、
連続演出設定部204は、事前判定部203における事前判定結果に基づいて、保留数分に対応した複数回の特別図柄の変動表示にわたって連続的に行われる演出であって、特別図柄の変動表示が行われる度に段階的にステップアップしていくステップアップ連続演出を設定し(【0071】、【0118】)、ステップアップ連続演出の最終ステップの演出が行われると、その装飾図柄の変動表示は必ずリーチとなり(【0166】)、
第1変動表示保留記憶部211に4つ目の保留が記憶されたタイミングで事前判定に当選し、ステップアップ連続演出が設定されると、ステップアップ連続演出が実行される保留表示が段階的にステップアップしていく表示態様に変化し(【0171】、【0172】、図37)、
m 連続演出設定変更部205は、連続演出設定部204によりステップアップ連続演出が設定されている状態で、その後さらに第2始動口21に入球したことに伴う遊技データを受信した場合、ステップアップ連続演出の実行状況に応じて、ステップアップ連続演出の設定内容を変更し(【0119】)、ステップアップ連続演出の第1段階の演出が開始されたときに、第2始動口21に遊技球が入球した場合、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出を追加設定し(認定事項イ)、
n 当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定することが可能である(認定事項イ)
h,q 遊技機1(【0021】)。」

エ 対比

本願補正発明と引用発明とを対比する。

(ア) 本願補正発明の構成Aに関して

引用発明の構成aにおける「第1始動口19」と「第2始動口21」は、「遊技球が」「入球する」ものであるから、本願補正発明の構成Aにおける「遊技球が入球可能な第1入球口及び第2入球口」に相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Aに相当する構成を有する。

(イ) 本願補正発明の構成Bに関して

引用発明の構成b,c,dにおける「遊技データとして取得」される「大当たり乱数」は、本願補正発明の構成Bにおける「判定用情報」に相当し、引用発明の構成a及び構成b,c,dにおける「第1始動口スイッチ41」が「第1始動口19への」「遊技球の入球を検知した場合、乱数格納領域103aにおいて逐次更新されている大当たり乱数を遊技データとして取得する」ことは、本願補正発明の構成Bにおける「前記第1入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第1取得処理」に相当し、引用発明の構成a及び構成b,c,dにおける「第2始動口スイッチ42」が「第2始動口21への」「遊技球の入球を検知した場合、乱数格納領域103aにおいて逐次更新されている大当たり乱数を遊技データとして取得する」ことは、本願補正発明の構成Bにおける「前記第2入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第2取得処理」に相当し、引用発明の構成b,c,dにおける「大当たり乱数を遊技データとして取得する処理部であ」る「遊技データ取得部111」「として機能」する「遊技制御部110」は、本願補正発明の構成Bにおける「第1取得処理」と「第2取得処理とを実行可能な取得手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Bに相当する構成を有する。

(ウ) 本願補正発明の構成Cに関して

引用発明の構成b,c,dにおける「第1始動口19に遊技球が入球して取得された遊技データを第1変動表示保留記憶部104に格納」し「4つまで」「記憶しておくことができ」る「第1変動表示部113」を「備え」る「変動表示保留部112」「として機能」する「遊技制御部110」は、本願補正発明の構成Cにおける「前記第1取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第1記憶手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Cに相当する構成を有する。

(エ) 本願補正発明の構成Dに関して

引用発明の構成b,c,dにおける「第2始動口21に遊技球が入球して取得された遊技データを第2変動表示保留記憶部105に格納」し「4つまで」「記憶しておくことができ」る「第2変動表示部114」を「備え」る「変動表示保留部112」「として機能」する「遊技制御部110」は、本願補正発明の構成Cにおける「前記第2取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第2記憶手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Dに相当する構成を有する。

(オ) 本願補正発明の構成Eに関して

引用発明の構成b,c,d及び構成e,fにおける「保留記憶領域103bに格納された遊技データを読み出して大当たり判定を行」うことにおいて、「保留記憶領域103b」のうち「第1変動表示保留記憶部104の保留を読み出して」「大当たり判定を行」うことは、本願補正発明の構成Eにおける「前記第1取得処理により取得された判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する第1判定処理」に相当し、同様に、引用発明の構成e,fにおける「保留記憶領域103b」のうち「第2変動表示保留記憶部105の保留を読み出して」「大当たり判定を行」うことは、本願補正発明の構成Eにおける「前記第2取得処理により取得された判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する第2判定処理」に相当する。

そして、引用発明の構成e,fにおける「保留記憶領域103bに格納された遊技データを読み出して大当たり判定を行」う「特別図柄変動処理部115として機能」する「遊技制御部110」は、本願補正発明の構成Eにおける「前記第1取得処理により取得された判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する第1判定処理と、前記第2取得処理により取得された判定用情報に基づいて、前記特別遊技を実行するか否かを判定する第2判定処理とを実行可能な判定手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Eに相当する構成を有する。

(カ) 本願補正発明の構成Fに関して

引用発明の構成b,c,d及び構成e,fにおける「第1変動表示保留記憶部104と第2変動表示保留記憶部105との2つの領域が設けられ」た「保留記憶領域103bに格納された遊技データを読み出して大当たり判定を行い、当選していればその当たりの種類に応じた特別図柄で変動表示を停止させ」ることにおいて、「第1変動表示保留記憶部104の保留を読み出して」「大当たり判定を行い、」「第1特別図柄表示器63において変動表示を行い、」「当選していればその当たりの種類に応じた特別図柄で変動表示を停止させ」ることは、本願補正発明の構成Fにおける「前記第1判定処理の判定結果を示す第1図柄を変動表示を経て停止表示させる第1図柄表示処理」に相当し、同様に、引用発明の構成e,fにおける「第2変動表示保留記憶部105の保留を読み出して」「大当たり判定を行い、」「第2特別図柄表示器65において変動表示を行い、」「当選していればその当たりの種類に応じた特別図柄で変動表示を停止させ」ることは、本願補正発明の構成Fにおける「前記第2判定処理の判定結果を示す第2図柄を変動表示を経て停止表示させる第2図柄表示処理」に相当する。

そして、引用発明の構成b,c,d及び構成e,fにおける「保留記憶領域103bに格納された遊技データを読み出して大当たり判定を行い、当選していればその当たりの種類に応じた特別図柄で変動表示を停止させ」る「特別図柄変動処理部115として機能」する「遊技制御部110」は、本願補正発明の構成Eにおける「前記第1取得処理により取得された判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する第1判定処理と、前記第2取得処理により取得された判定用情報に基づいて、前記特別遊技を実行するか否かを判定する第2判定処理とを実行可能な判定手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Fに相当する構成を有する。

(キ) 本願補正発明の構成Gに関して

引用発明の構成gにおける「第1変動表示部保留部113が第1始動口19に入球した1個以上の保留球を保留しており、且つ、第2変動表示部保留部114が第2始動口21に入球した1個以上の保留球を保留している場合、特別図柄変動処理部115が保留を消化して次の特別図柄の変動表示を開始する際、第2変動表示保留部114による保留を優先的に消化するように構成され」ることは、本願補正発明の構成Gの「前記図柄表示制御手段は、前記第2図柄表示処理を前記第1図柄表示処理よりも優先して行うものである」ことに相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Gに相当する構成を有する。

(ク) 本願補正発明の構成H、Qに関して

引用発明の構成h及び構成qにおける「遊技機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。

(ケ) 本願補正発明の構成Iに関して

引用発明の構成i,j,kにおける「メイン制御基板100において第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球したことに基づき遊技データが取得されると、」「当該入球に基づく特別図柄の変動表示の開始される前に」、「当該入球を契機としてメイン制御基板100で取得された遊技データである当該保留がリーチ又は大当たりのいずれかに当選しているか否かを判断」する「事前判定部203」に関して、引用発明の構成e,fにおける「特別図柄変動処理部115」は、「保留記憶領域103bに格納された遊技データを読み出して大当たり判定を行」うのに対して、引用発明の構成i,j,kにおける「事前判定部203」は、「第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球した場合、メイン制御基板100から遊技データを受信したタイミングで、」「メイン制御基板100で取得された遊技データである当該保留がリーチ又は大当たりのいずれかに当選しているか否かを判断」するものであるから、「事前判定部203」による「遊技データである当該保留がリーチ又は大当たりのいずれかに当選しているか否か」の「判断」は「特別図柄変動処理部115」による「大当たり判定」よりも前に行われるものであり、引用発明の構成i,j,kにおける「メイン制御基板100において第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球したことに基づき遊技データが取得されると、」「当該入球に基づく特別図柄の変動表示の開始される前に」、「当該入球を契機としてメイン制御基板100で取得された遊技データである当該保留がリーチ又は大当たりのいずれかに当選しているか否かを判断」する「事前判定部203」「として機能」する「演出制御基板130のCPU131」は、本願補正発明の構成Iにおける「前記取得手段により取得された判定用情報に基づいて、前記判定手段による判定よりも前に、前記特別遊技が実行されるか否かの先読み判定を行う先読み判定手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Iに相当する構成を有する。

(コ) 本願補正発明の構成Jに関して

引用発明の構成i,j,kにおける「事前判定結果に基づいて、保留数分に対応した複数回の特別図柄の変動表示にわたって連続的に行われる演出であって、特別図柄の変動表示が行われる度に段階的にステップアップしていくステップアップ連続演出」は、本願補正発明の構成Jにおける「先読み判定に係る判定用情報よりも前に取得された判定用情報に基づく変動表示から、その先読み判定に係る判定用情報に基づく変動表示までの連続する複数の変動表示にわたって、演出内容が関連する関連演出」に相当し、引用発明の構成i,j,kにおける「ステップアップ連続演出を設定」する「連続演出設定部204」「として機能」する「演出制御基板130のCPU131」は、本願補正発明の構成Jにおける「関連演出を実行可能な関連演出実行手段」に相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Jに相当する構成を有する。

(サ) 本願補正発明の構成K、Lに関して

引用発明の構成i,j,kにおける「ステップアップ連続演出」が「保留数分に対応した複数回の特別図柄の変動表示にわたって連続的に行われ」、「特別図柄の変動表示が行われる度に段階的にステップアップしていく」「演出であ」ることと、本願補正発明の構成Kにおける「前記関連演出には、前記特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階があ」ることとは、「関連演出には、」「複数の段階があ」る点で一致する。

しかしながら、引用発明は、構成i,j,kにおいて特定されているように、ステップアップ連続演出は「遊技データである当該保留が」「大当たりに当選しているか、或いは、リーチ演出ありであ」れば、設定され得るものであり、「ステップアップ連続演出の最終ステップの演出が行われると、その装飾図柄の変動表示は必ずリーチとな」るが、最終ステップの演出の実行が、大当たりとなることの報知であるとは特定されていないことから、引用発明は、本願補正発明の構成Lに相当する構成を有さない。

(シ) 本願補正発明の構成Mに関して

引用発明の構成i,j,kにおける「第1変動表示保留記憶部211に4つ目の保留が記憶されたタイミングで事前判定に当選し、ステップアップ連続演出が設定されると、ステップアップ連続演出が実行される保留表示が段階的にステップアップしていく表示態様に変化」したことは、第1変動表示保留記憶部の保留に基づいてステップアップ連続演出が実行されている態様に変化したことであるから、本願補正発明の構成Mにおける「前記第1入球口への入球に基づいて前記関連演出が実行されているとき」に相当する。

また、引用発明の構成mにおける「ステップアップ連続演出の第1段階の演出が開始されたときに、第2始動口21に遊技球が入球した場合」は、本願補正発明の構成Mにおける「前記第1入球口への入球に基づいて前記関連演出が実行されているときに、前記第2入球口への入球が生じた場合」に相当する。

そして、引用発明の構成mにおける「その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出」は、本願補正発明の構成Mにおける「1つ前の変動表示の際に行われていた関連演出の次の段階の関連演出」に相当し、引用発明の構成mにおける「連続演出設定変更部205」が「ステップアップ連続演出の第1段階の演出が開始されたときに、第2始動口21に遊技球が入球した場合、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出を追加設定」することは、本願補正発明の構成Mにおける「前記関連演出実行手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記関連演出が実行されているときに、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記関連演出の実行契機となった前記第1入球口への入球に基づく変動表示に際して実行する予定の関連演出の段階を変更することなく、前記第2入球口への入球に基づく前記第2図柄の変動表示に伴って、1つ前の変動表示の際に行われていた関連演出の次の段階の関連演出を実行可能」であることに相当する。

したがって、引用発明の構成i,j,k及び構成mにおける「連続演出設定部204」及び「連続演出設定変更部205」「として機能」する「演出制御基板130のCPU131」が「第1変動表示保留記憶部に4つ目の保留が記憶されたタイミングで事前判定に当選し、ステップアップ連続演出が設定されると、ステップアップ連続演出が実行される保留表示が段階的にステップアップしていく表示態様に変化し」「、ステップアップ連続演出の第1段階の演出が開始されたときに、第2始動口21に遊技球が入球した場合、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出を追加設定」することは、本願補正発明の構成Mにおける「前記関連演出実行手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記関連演出が実行されているときに、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記関連演出の実行契機となった前記第1入球口への入球に基づく変動表示に際して実行する予定の関連演出の段階を変更することなく、前記第2入球口への入球に基づく前記第2図柄の変動表示に伴って、1つ前の変動表示の際に行われていた関連演出の次の段階の関連演出を実行可能なものであ」ることに相当する。

よって、引用発明は、本願補正発明の構成Mに相当する構成を有する。

(ス) 本願補正発明の構成N、O、Pに関して

引用発明の構成nにおける「当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定することが可能である」ことと、本願補正発明の構成Nにおける「前記第2図柄の変動表示に伴って前記関連演出を実行した場合、当該第2図柄の変動表示の後の前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を、前記第1判定処理の結果に反しない範囲で、予定していた段階よりも上の段階に変更可能であ」ることとは、「前記第2図柄の変動表示に伴って前記関連演出を実行した場合、当該第2図柄の変動表示の後の前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を、」「予定していた段階よりも上の段階に変更可能であ」る点で一致する。

しかしながら、引用発明は、構成nにおいて特定された「既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定する」ことと「大当たり」に当選したか否かとの関係が不明であるから、引用発明は、本願補正発明の構成O及び構成Pに相当する構成を有さない。

以上のことから、本願補正発明と引用発明は、以下の点で一致する。

<一致点>

「A 遊技球が入球可能な第1入球口及び第2入球口と、
B 前記第1入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第1取得処理と、前記第2入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第2取得処理とを実行可能な取得手段と、
C 前記第1取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第1記憶手段と、
D 前記第2取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第2記憶手段と、
続きを表示(全14行)
E 前記第1取得処理により取得された判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する第1判定処理と、前記第2取得処理により取得された判定用情報に基づいて、前記特別遊技を実行するか否かを判定する第2判定処理とを実行可能な判定手段と、
F 前記第1判定処理の判定結果を示す第1図柄を変動表示を経て停止表示させる第1図柄表示処理と、前記第2判定処理の判定結果を示す第2図柄を変動表示を経て停止表示させる第2図柄表示処理とを実行可能な図柄表示制御手段と、を備え、
G 前記図柄表示制御手段は、前記第2図柄表示処理を前記第1図柄表示処理よりも優先して行うものである
H 遊技機において、
I 前記取得手段により取得された判定用情報に基づいて、前記判定手段による判定よりも前に、前記特別遊技が実行されるか否かの先読み判定を行う先読み判定手段と、
J 前記先読み判定の結果に基づいて、その先読み判定に係る判定用情報よりも前に取得された判定用情報に基づく変動表示から、その先読み判定に係る判定用情報に基づく変動表示までの連続する複数の変動表示にわたって、演出内容が関連する関連演出を実行可能な関連演出実行手段と、を備え、
K’前記関連演出には、複数の段階があり、
M 前記関連演出実行手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記関連演出が実行されているときに、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記関連演出の実行契機となった前記第1入球口への入球に基づく変動表示に際して実行する予定の関連演出の段階を変更することなく、前記第2入球口への入球に基づく前記第2図柄の変動表示に伴って、1つ前の変動表示の際に行われていた関連演出の次の段階の関連演出を実行可能なものであり、
N’前記第2図柄の変動表示に伴って前記関連演出を実行した場合、当該第2図柄の変動表示の後の前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を、予定していた段階よりも上の段階に変更可能である
Q 遊技機。」

そして、両者は、以下の点で相違する。

<相違点1> (構成Kに関して)

本願補正発明は、関連演出には、特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階があるのに対して、引用発明は、ステップアップ連続演出の各段階における大当たりの期待度が互いに異なるものであるか否かが不明であることから、ステップアップ連続演出に大当たりの期待度が互いに異なる複数の段階があるか否かが不明である点。

<相違点2> (構成Lに関して)

本願補正発明は、複数の段階のうち最後の段階は、特別遊技が実行されることの報知であるのに対して、引用発明は、ステップアップ連続演出の最終ステップの演出の実行が大当たりの報知ではない点。

<相違点3> (構成N,O,Pに関して)

予定していた段階よりも上の段階に変更可能である関連演出の段階に関して、本願補正発明は、関連演出の段階を、第1判定処理の結果に反しない範囲で予定していた段階よりも上の段階に変更可能であり、特別遊技を実行する旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、第2入球口への入球が生じた場合には、第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更することで、最後の段階の関連演出を行うことがある一方、前記特別遊技を実行しない旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更しても、前記最後の段階の1つ前の段階の関連演出までしか行われることがないことが特定されているのに対して、引用発明は、事前判定結果と、既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせることの関係が特定されていない点。

オ 検討

(ア) 相違点1ないし3について

相違点1ないし3は、相互に関連するものであることからまとめて検討する。

本願出願前に公開された特開2015-58291号公報(以下、「周知文献1」という。)には、以下の記載がある。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、始動条件が成立したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。」
「【0172】
・・・複数のタイミングにて実行可能な予告演出として、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告が、設けられていればよい。・・・。」

「【0176】・・・、ステップアップ予告では、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5の画面上にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示SUE1~SUE4により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)すればよい。」

「【0177】ステップアップ予告は、演出態様が変化する回数(ステップ数)に応じて大当り期待度が異なり、ステップ数が多いときに、ステップ数が少ないときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。すなわち、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、予め定められた段階まで演出態様が変化する。図16(A5)に示すように、ステップアップ予告SU1~SU4はそれぞれ、演出態様が変化するステップ数が互いに異なり、ステップ数が「1」のステップアップ予告SU1から、ステップ数が「2」のステップアップ予告SU2、ステップ数が「3」のステップアップ予告SU3、ステップ数が「4」のステップアップ予告SU4となるに従って、大当り期待度が高くなる。」

「【0179】
なお、ステップアップ予告におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、「非確変大当り」や「確変大当り」となる可能性(確変期待度)、特定のリーチ演出が実行される可能性(特定リーチ期待度)などを異ならせてもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第2ステップまで行くと「リーチ確定」、第3ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。」
「図16
[図:0001381518000004.jpg]
」

以上の記載より、ステップアップ予告SU1~SU4に対応させて、演出表示としてSUE1~SUE4が設定されており、図16の(A5)を参照すると、ステップアップ予告SU1~SU4は、それぞれ最後の段階が異なり、SUE4はステップアップ予告SU4の最後の段階であり、複数の段階のうちの最高の段階であることが認定できることから、周知文献1には、予告演出としてステップアップ予告が実行可能な遊技機において、ステップアップ予告に大当り期待度が異なる複数の段階(SUE1~SUE4)が設定され、ステップアップ予告は、それぞれ最後の段階が異なり、最後の段階として最高の段階である第4ステップまで行くと「大当り確定」となる点が記載されていると認められる。

また、同特開2012-55515号公報(以下、「周知文献2」という。)には、以下の記載がある。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の画像を変動表示させることによって遊技展開を予告する予告演出を実行させる遊技機に関する。」

「【0049】・・・本実施形態では、予告演出として段階予告(ステップアップ予告ともいう)が実行されるようになっている。」

「【0050】・・・そして、実行されたステップ数(段階数)とそのステップ数に対応する予告画像によって大当り期待度の高低が示唆される。・・・」

「【0064】
次に、段階予告を実行させるために演出制御用CPU31aが実行する制御内容について図5及び図7に従って説明する。
段階予告を実行させる場合、演出制御用CPU31aは、指示された変動パターンの内容に従って段階予告のステップ数(段階数)を決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、図5に示す振分に従ってステップ数を決定することになる。
【0065】
・・・。・・・、本実施形態において、ステップ数「4」は、大当り抽選に当選した場合にしか選択されないので、大当り確定演出となる。・・・。」
「図5
[図:0001381518000005.jpg]
」

上記の記載において、ステップ数「4」は、段階予告において最後に実行されるものであり、最高の段階であるといえる。

以上の記載より、周知文献2には、複数種類の画像を変動表示させることによって遊技展開を予告する予告演出を実行させる遊技機において、段階予告を実行する場合、段階予告のステップ数(段階数)が決定され、最後の段階までに実行されたステップ数(段階数)とそのステップ数に対応する予告画像によって大当り期待度の高低が示唆され、最後に実行される最高の段階であるステップ数「4」は、大当り確定演出とされた点が記載されていると認められる。

さらに、同特開2017-104205号公報(以下、「周知文献3」という。)には、以下の記載がある。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。」
「【0360】
本実施形態では、連続予告演出として、・・・予告対象の変動演出を含む1又は複数の変動演出に亘って画像表示装置14及び演出用役物装置17で段階的なステップ演出を行う連続ステップアップ予告演出・・・を実行するようになっている。」
「【0548】
図46(a)は、連続ステップアップ予告演出シナリオ判定テーブルを示す図である。
【0549】
図46(a)に示す連続ステップアップ予告演出シナリオ判定テーブルには、始動口入賞指定コマンドにより特定される事前判定結果と、予告対象となる特別図柄の種類に対応する特図保留数と、連続ステップアップ予告演出シナリオ判定用乱数による選択率(%)と、選択される連続ステップアップ予告演出シナリオNoと、シナリオに対応する演出内容(演出態様)とが一義的に対応付けられて格納されている。
続きを表示(全14行)
【0550】
なお、演出内容(演出態様)の欄の「青煽り(SU1)」とは、最初の第1ステップ演出として演出用役物装置17の可動部17Aが画像表示装置14の前方に位置する第1演出位置(移動幅:少)まで移動する演出動作を行いつつ内部に設けられる複数のLEDが青色で発光し、画像表示装置14の可動部17Aに対応する位置に青色のエフェクト画像が表示されることを意味する。
【0551】
また、「緑煽り(SU2)」とは、第2ステップ演出として演出用役物装置17の可動部17Aが画像表示装置14の前方に位置する第2演出位置(移動幅:中)まで移動する演出動作を行いつつ内部に設けられる複数のLEDが緑色で発光し、画像表示装置14の可動部17Aに対応する位置に緑色のエフェクト画像が表示されることを意味する。
【0552】
また、「赤煽り(SU3)」とは、第3ステップ演出として演出用役物装置17の可動部17Aが画像表示装置14の前方に位置する第3演出位置(移動幅:大)まで移動する演出動作を行いつつ内部に設けられる複数のLEDが赤色で発光し、画像表示装置14の可動部17Aに対応する位置に赤色のエフェクト画像が表示されることを意味する。
【0553】
また、「虹煽り(SU4)」とは、最後の第4ステップ演出として演出用役物装置17の可動部17Aが画像表示装置14の前方に位置する第3演出位置(移動幅:大)まで移動する演出動作を行いつつ内部に設けられる複数のLEDが虹色で発光し、画像表示装置14の可動部17Aに対応する位置に虹色のエフェクト画像が表示されることを意味する。
【0554】
なお、各ステップ演出の大当たり期待度は、「青煽り(SU1)」<「緑煽り(SU2)」<「赤煽り(SU3)」<「虹煽り(SU4)」となっており、連続ステップアップ予告演出において「赤煽り(SU3)」までステップアップ(進展)した段階でSPリーチ演出以上の変動演出が実行されることが確定し、「虹煽り(SU4)」までステップアップした段階で変動演出の結果が大当たりとなることが確定する。・・・」
「図46
[図:0001381518000006.jpg]
」

上記の【0549】及び図46(a)の記載より、連続ステップアップ予告演出は、特図保留数によりステップ演出の回数が決定される点が認定でき、また、【0550】ないし【0554】の記載より、SU1ないしSU4は、それぞれ大当たり期待度が異なるステップ演出であり、「虹煽り(SU4)」はステップアップの最後の段階であり、最高の段階であることが認定できることから、周知文献3には、段階的なステップ演出を行う連続ステップアップ予告演出を実行する遊技機において、連続ステップアップ予告演出は、特図保留数によりステップ演出の回数が決定され、ステップ演出には、それぞれ大当たり期待度が異なるSU1ないしSU4があり、最後の段階として複数の段階のうちの最高の段階である「虹煽り(SU4)」を行うと、大当たりとなることが確定したことを示す点が記載されているといえる。

したがって、上記した周知文献1ないし3に記載された事項より、遊技機の技術分野において、ステップアップ連続演出における複数の段階に関して、各段階における大当たりの期待度を互いに異なるものとすることによって、ステップアップ連続演出として実行される最後の段階により大当たりの期待度を互いに異なるものとし、前記複数の段階において最高の段階を設定し、前記最後の段階として前記最高の段階が実行されると大当たりとなることが確定したことを示すものとすることは、本願出願前周知の事項(以下、「周知事項」という。)であるといえる。

そして、引用発明と周知事項は、ともに、ステップアップ連続演出を行う遊技機という共通の技術分野に属し、ともに、遊技機の演出における興趣性の向上という自明な共通の課題を有するものである。

よって、引用発明に周知事項を適用し、ステップアップ連続演出の各段階における大当たりの期待度を互いに異なるものとし、本願補正発明の相違点1に係る構成である「関連演出には、特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階がある」ように構成すること、及び、ステップアップ連続演出において最後の段階として最高の段階の演出が行われると、大当たりとなることが確定したことを示すように構成し、同相違点2に係る構成である「複数の段階のうち最後の段階は、特別遊技が実行されることの報知である」ように構成することは、当業者が容易に想到し得るものである。

さらに、引用発明に周知事項を適用すると、周知事項は、ステップアップ連続演出の最終ステップの演出として最高の段階の演出を実行することは、大当たりとなることが確定したことを示すものであるから、引用発明において、構成m及び構成nに特定されているように、「第2始動口21に遊技球が入球した場合、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出を追加設定し」、「当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定」した場合に、大当たりに当選しておらず、再設定前においては「ステップアップ連続演出の最終ステップ」が最高の段階ではなかったが、既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定した結果、大当たりの報知である最高の段階が設定されてしまうことが想定され、その場合には、大当たりに当選していないにもかかわらず大当たりの報知が発生してしまうことになり、大当たりの報知に関して一貫性が保てず、遊技者に混乱を与える可能性があることから、その状態を回避すべきことは当業者であれば当然に考慮すべき事項である。

そうすると、引用発明は、構成i,j,kにおいて、「事前判定部203における事前判定結果に基づいて、保留数分に対応した複数回の特別図柄の変動表示にわたって連続的に行われる演出であって、特別図柄の変動表示が行われる度に段階的にステップアップしていくステップアップ連続演出を設定」し、構成m及び構成nにおいて、「連続演出設定変更部205は、連続演出設定部204によりステップアップ連続演出が設定されている状態で、その後さらに第2始動口21に入球したことに伴う遊技データを受信した場合、ステップアップ連続演出の実行状況に応じて、ステップアップ連続演出の設定内容を変更し」、「当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定する」ものであるが、その再設定にあたって、大当たりに当選している場合のみ最高の段階への設定を可能とし、大当たりに当選していない場合には最高の段階への設定を不可とし、ゆえに、本願補正発明の相違点3に係る構成のように「関連演出の段階を、第1判定処理の結果に反しない範囲で予定していた段階よりも上の段階に変更可能」とし、「特別遊技を実行する旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、第2入球口への入球が生じた場合には、第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更することで、最後の段階の関連演出を行うことがある一方、前記特別遊技を実行しない旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更しても、前記最後の段階の1つ前の段階の関連演出までしか行われることがない」ようにすることは、大当たりの報知に関する一貫性を保つ観点に基づき、必然的に必要となる特定事項である。

してみると、本願補正発明の相違点1に係る構成及び相違点2に係る構成は、引用発明に周知事項を適用することによって、当業者が容易に想到し得るものであり、また、相違点3に係る構成は、引用発明に周知事項を適用した結果、大当たりの報知に関する一貫性を保つ観点に基づき、必然的に必要となる構成であって、引用発明及び周知事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものである。

(イ) 本願補正発明の作用効果について

本願補正発明の作用効果は、引用発明、及び、周知事項に基づいて当業者が予測できる範囲のものであり、格別なものではない。

カ 請求人の主張への反論

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請求人は、審判請求書において、

「ここで、審査官殿の言う通り当否結果と演出内容を矛盾させないことが当該分野における通常の設計思想であったとしても、特別遊技を実行しない旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に第2入球口への入球が生じた場合に、どのようにして当否結果と演出内容を矛盾させないようにするかには、様々な手法があると思われます。例えば、第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階については、予定していた段階のまま実行するという手法なども取り得ます。
すなわち本願発明は、引用文献1にも引用文献2にも想定されていない新規な課題を解決するための構成として、様々な手法のうちの1つの具体的な構成、つまり、「前記特別遊技を実行する旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更することで、前記最後の段階の関連演出を行うことがある一方、前記特別遊技を実行しない旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更しても、前記最後の段階の1つ前の段階の関連演出までしか行われることがない」という具体的な構成を有している発明です。引用文献1および引用文献2の記載内容だけから、このような構成まで想到することは設計事項とは言えないと思料します。」

と主張している。

しかしながら、引用発明は、構成m及び構成nにおいて特定されているように、「第2始動口21に遊技球が入球した場合、」「当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定することが可能である」点が特定されており、請求人が上記の主張において「取り得」る他の手法として例示されている「第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階については、予定していた段階のまま実行するという手法」をとるものではなく、本願補正発明の「前記特別遊技を実行する旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更する」構成と同様の構成を有するものである。

そして、上記オ(ア)において指摘したように、大当たりに当選している場合のみ最高の段階への設定を可能とし、大当たりに当選していない場合には最高の段階への設定を不可とすることは、大当たりの報知に関する一貫性を保つ観点に基づき、必然的に必要となる特定事項であるから、引用発明、及び、周知事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものである。

また、請求人は、続けて、

「そしてこのような本願発明によれば、「前記特別遊技を実行する旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更することで、前記最後の段階の関連演出を行うことがある一方、」という構成を有しているため、特別遊技の実行が確定する最後の段階(step4)まで実行される可能性が高まります。また、「前記特別遊技を実行しない旨の先読み判定の結果に基づく関連演出の実行中に、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を予定していた段階よりも上の段階に変更しても、前記最後の段階の1つ前の段階の関連演出までしか行われることがない」という構成を有しているため、最後の段階の1つ前の段階(step3)まで実行される可能性が高まるとともに、演出内容と判定結果との食い違いを防止することができます。すなわち本願発明によれば、第2入球口への入球が生じた際には、できる限り関連演出の段階を上げることで演出を盛り上げつつも、関連演出により示唆される期待度が、実際の判定処理の結果に反してしまうのを防止することが可能です。」

と主張している。

しかしながら、引用発明は、構成m及び構成nにおいて特定されているように、「第2始動口21に遊技球が入球した場合、」「当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定することが可能である」ものであるから、本願補正発明と同様に「第2入球口への入球が生じた際には、できる限り関連演出の段階を上げることで演出を盛り上げ」ることが可能であると認められる。また、請求人が主張する「関連演出により示唆される期待度が、実際の判定処理の結果に反してしまうのを防止することが可能」である点は、大当たりの報知に関する一貫性を保つことが可能であることを主張しているに過ぎず、当業者が当然に考慮すべき事項を作用効果として主張しているに過ぎない。

さらに、請求人は、

「よって本願発明は、いずれの引用文献にも開示等されていない特徴的な構成に基づいて、引用文献を単に組み合わせただけでは奏することのない優れた効果を奏する発明であると思料します。従って本願発明は、進歩性を有していると思料します。」

と主張しているが、請求人が主張する「特徴的な構成」は、引用発明が有する構成、周知事項である構成、及び、引用発明に周知事項を適用することによって必然的に必要となる構成であり、その構成によってもたらされる作用効果は、当業者が、引用発明、及び、周知事項に基づいて予測し得る程度のものである。

よって、請求人の主張は採用できない。

キ 小括

よって、本願補正発明は、引用発明、及び、周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 むすび

以上のことから、本願補正発明は、引用発明、及び、周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。

よって、本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明

令和3年3月8日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和2年7月30日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのもの(上記第2[理由]1の「本件補正前」の記載を参照)(以下「本願発明」という。)であり、分説してAないしQの符号を付与すると、以下のとおりである。

「【請求項1】
A 遊技球が入球可能な第1入球口及び第2入球口と、
B 前記第1入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第1取得処理と、前記第2入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第2取得処理とを実行可能な取得手段と、
C 前記第1取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第1記憶手段と、
続きを表示(全15行)
D 前記第2取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第2記憶手段と、
E 前記第1取得処理により取得された判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する第1判定処理と、前記第2取得処理により取得された判定用情報に基づいて、前記特別遊技を実行するか否かを判定する第2判定処理とを実行可能な判定手段と、
F 前記第1判定処理の判定結果を示す第1図柄を変動表示を経て停止表示させる第1図柄表示処理と、前記第2判定処理の判定結果を示す第2図柄を変動表示を経て停止表示させる第2図柄表示処理とを実行可能な図柄表示制御手段と、を備え、
G 前記図柄表示制御手段は、前記第2図柄表示処理を前記第1図柄表示処理よりも優先して行うものである
H 遊技機において、
I 前記取得手段により取得された判定用情報に基づいて、前記判定手段による判定よりも前に、前記特別遊技が実行されるか否かの先読み判定を行う先読み判定手段と、
J 前記先読み判定の結果に基づいて、その先読み判定に係る判定用情報よりも前に取得された判定用情報に基づく変動表示から、その先読み判定に係る判定用情報に基づく変動表示までの連続する複数の変動表示にわたって、演出内容が関連する関連演出を実行可能な関連演出実行手段と、を備え、
K 前記関連演出には、前記特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階があり、
M 前記関連演出実行手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記関連演出が実行されているときに、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記関連演出の実行契機となった前記第1入球口への入球に基づく変動表示に際して実行する予定の関連演出の段階を変更することなく、前記第2入球口への入球に基づく前記第2図柄の変動表示に伴って、1つ前の変動表示の際に行われていた関連演出の次の段階の関連演出を実行可能なものであり、
N 前記第2図柄の変動表示に伴って前記関連演出を実行した場合、当該第2図柄の変動表示の後の前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を、前記第1判定処理の結果に反しない範囲で、予定していた段階よりも上の段階に変更可能である
Q ことを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、本願発明に対する拒絶の理由を含むものであり、その概要は以下のとおりである。

本願発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1及び引用文献2に記載された事項に基づいて、本願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2010-158420号公報
引用文献2:特開2009-285381号公報

3 引用文献とそれに記載された事項

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1は、上記第2における引用文献に対応し、その記載事項は、上記第2[理由]2(3)イ(ア)に記載したとおりであり、引用文献1に記載された発明である「引用発明」は、上記第2[理由]2(3)ウに記載したとおりである。

4 対比・判断

(1) 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

ア 本願発明の構成AないしJ、M及びQに関して

本願発明の構成AないしJ、M及びQは、それぞれ、本願補正発明の構成AないしK、M及びQに相当する。

よって、前記第2[理由]3(3)エ(ア)ないし(コ)及び(シ)において検討したように、引用発明は、本願発明の構成AないしJ、M及びQに相当する構成を有する。

イ 本願発明の構成Kに関して

引用発明の構成i,j,kにおける「ステップアップ連続演出」が「保留数分に対応した複数回の特別図柄の変動表示にわたって連続的に行われ」、「特別図柄の変動表示が行われる度に段階的にステップアップしていく」「演出であ」ることと、本願発明の構成Kにおける「前記関連演出には、前記特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階があ」ることとは、「関連演出には、」「複数の段階があ」る点で一致する。

ウ 本願発明の構成Nに関して

引用発明の構成nにおける「当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定することが可能である」ことと、本願補正発明の構成Nにおける「前記第2図柄の変動表示に伴って前記関連演出を実行した場合、当該第2図柄の変動表示の後の前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を、前記第1判定処理の結果に反しない範囲で、予定していた段階よりも上の段階に変更可能であ」ることとは、「前記第2図柄の変動表示に伴って前記関連演出を実行した場合、当該第2図柄の変動表示の後の前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を、」「予定していた段階よりも上の段階に変更可能であ」る点で一致する。

以上のことから、本願発明と引用発明は、以下の点で一致する。

<一致点>

「A 遊技球が入球可能な第1入球口及び第2入球口と、
B 前記第1入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第1取得処理と、前記第2入球口への入球に基づいて判定用情報を取得する第2取得処理とを実行可能な取得手段と、
C 前記第1取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第1記憶手段と、
D 前記第2取得処理により取得された判定用情報を所定の上限数まで記憶可能な第2記憶手段と、
続きを表示(全14行)
E 前記第1取得処理により取得された判定用情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する第1判定処理と、前記第2取得処理により取得された判定用情報に基づいて、前記特別遊技を実行するか否かを判定する第2判定処理とを実行可能な判定手段と、
F 前記第1判定処理の判定結果を示す第1図柄を変動表示を経て停止表示させる第1図柄表示処理と、前記第2判定処理の判定結果を示す第2図柄を変動表示を経て停止表示させる第2図柄表示処理とを実行可能な図柄表示制御手段と、を備え、
G 前記図柄表示制御手段は、前記第2図柄表示処理を前記第1図柄表示処理よりも優先して行うものである
H 遊技機において、
I 前記取得手段により取得された判定用情報に基づいて、前記判定手段による判定よりも前に、前記特別遊技が実行されるか否かの先読み判定を行う先読み判定手段と、
J 前記先読み判定の結果に基づいて、その先読み判定に係る判定用情報よりも前に取得された判定用情報に基づく変動表示から、その先読み判定に係る判定用情報に基づく変動表示までの連続する複数の変動表示にわたって、演出内容が関連する関連演出を実行可能な関連演出実行手段と、を備え、
K’前記関連演出には、複数の段階があり、
M 前記関連演出実行手段は、前記第1入球口への入球に基づいて前記関連演出が実行されているときに、前記第2入球口への入球が生じた場合には、前記関連演出の実行契機となった前記第1入球口への入球に基づく変動表示に際して実行する予定の関連演出の段階を変更することなく、前記第2入球口への入球に基づく前記第2図柄の変動表示に伴って、1つ前の変動表示の際に行われていた関連演出の次の段階の関連演出を実行可能なものであり、
N’前記第2図柄の変動表示に伴って前記関連演出を実行した場合、当該第2図柄の変動表示の後の前記第1図柄の変動表示に伴って実行する関連演出の段階を、予定していた段階よりも上の段階に変更可能である
Q 遊技機。」

そして、両者は、以下の点で相違する。

<相違点A> (構成Kに関して)

本願発明は、関連演出には、特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階があるのに対して、引用発明は、ステップアップ連続演出の各段階における大当たりの期待度が互いに異なるものであるか否かが不明であることから、ステップアップ連続演出に大当たりの期待度が互いに異なる複数の段階があるか否かが不明である点。

<相違点B> (構成Nに関して)

予定していた段階よりも上の段階に変更可能である関連演出の段階に関して、本願発明は、関連演出の段階を、第1判定処理の結果に反しない範囲で予定していた段階よりも上の段階に変更可能であるのに対して、引用発明は、事前判定結果と、既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせることの関係が特定されていない点。

(2) 検討

上記の各相違点について検討する。

ア 相違点Aについて

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2には、以下の記載がある。

「【0001】
本発明は、遊技球が始動口に入球することによって大当たりの抽選を行う遊技機に関する。」
「【0012】
始動口に遊技球が入球もしくは通過すると、特別遊技状態へ移行する権利獲得の抽選が行われる。この抽選結果は、1回ごとに遊技者に報知しなければならない。そして、この抽選結果の報知が特別図柄の変動表示であるが、特別図柄の変動表示中には、何らかの演出がなされる。つまり、1回の特別図柄の変動表示に対して、1回の演出が行われる。関連演出というのは、複数回の特別図柄の変動表示にわたって、各演出が何らかのかたちで関連づけられた演出を意味するものである。したがって、複数回の特別図柄の変動表示中に、同じ演出を行ってもよいし、一連の連続するストーリーが展開されるものであってもよい。いずれにしても本発明の関連演出とは、複数の演出に何らかの関連づけがなされているものを広く含むものである。また、関連演出の具体的な内容は特に問わず、図柄表示部における装飾図柄演出、演出役物による役物演出、音声演出やランプ演出等、いずれの演出で行ってもよいし、あるいはこれら各演出を適宜組み合わせて行ってもよい。」
「【0173】
・・・。本実施形態においては、大当たりに当選する遊技データが、第1保留データに含まれていない場合、すなわち、ガセの関連演出を行う場合には、その継続回数を最大で2回までとしている。つまり、関連演出が2回行われた時点では、第1保留データに、大当たりに当選する遊技データが含まれているのか否かの判断がつかないようにしている。一方、関連演出が3回以上継続して行われる場合というのは、第1保留データに大当たりに当選する遊技データが含まれている場合のみである。したがって、遊技者は、関連演出が3回継続して行われて、初めて大当たりに当選していると確信することになる。つまり、本実施形態においては、関連演出の継続回数によって、大当たりへの信頼度が異なるようにしている。」

上記の摘記事項に基づくと、関連演出の3回目は、大当たりに当選する期待値は100%であるのに対して、関連演出の1回目と2回目は、ガセの関連演出が含まれることから、大当たりに当選する期待値は100%よりも小さい値になると認められる。

したがって、引用文献2には、大当たりに当選する期待値が100%よりも小さい値である「関連演出の1回目と2回目」と大当たりに当選する期待値が100%である「関連演出の3回目」とが存在することから、「関連演出の1回目と2回目」と「関連演出の3回目」は、期待度が互いに異なる段階であり、引用文献2には、本願発明の「関連演出には、特別遊技が実行される期待度が互いに異なる複数の段階がある」点に相当する構成(以下、「引用文献2記載事項1」という。)が記載されていると認められる。

ここにおいて、引用発明と引用文献2記載事項1は、ともに、関連演出を行う遊技機という共通の技術分野に属し、ともに、遊技機の演出における興趣性の向上という自明な共通の課題を有するものである。

したがって、引用発明に引用文献2記載事項1を適用し、ステップアップ連続演出の各段階における大当たりへの信頼度をそれぞれ異なるものとなるように構成し、本願発明の相違点Aに係る構成を成すことは、当業者が容易に想到し得るものである。

また、引用文献2の【0173】には、「関連演出を行う遊技機において、関連演出の継続回数によって、大当たりへの信頼度が異なる」点(以下、「引用文献2記載事項2」という。)が記載されているといえる。

そして、引用文献2記載事項2における「大当たりへの信頼度」は、本願発明の相違点Aに係る構成における「特定遊技が実行される期待度」に相当するとともに、関連演出を、1回目のステップ、2回目のステップ、3回目のステップ等の各ステップにおいて次第に期待値が高くなるようにステップを設定したステップアップ連続演出により構成することは当業者の技術常識である。

ここにおいて、引用発明と引用文献2記載事項2は、ともに、関連演出を行う遊技機という共通の技術分野に属し、ともに、遊技機の演出における興趣性の向上という自明な共通の課題を有するものである。

したがって、引用発明に引用文献2記載事項2を適用し、ステップアップ連続演出の各段階における大当たりへの信頼度をそれぞれ異なるものとなるように構成し、本願発明の相違点Aに係る構成を成すことは、当業者が容易に想到し得るものである。

よって、本願発明の相違点Aに係る構成は、引用発明、及び、引用文献2記載事項1と引用文献2記載事項2を含めた引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものである。

イ 相違点Bについて

引用発明における「ステップアップ連続演出」は、構成i,j,kに特定されているように、「事前判定部203における事前判定結果に基づいて、保留数分に対応した複数回の特別図柄の変動表示にわたって連続的に行われる演出」であり、構成m及び構成nに特定されているように、「第2始動口21に遊技球が入球した場合、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出を追加設定し」、「当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定することが可能である」ものであるが、再設定後におけるステップアップ連続演出が、構成e,fにおいて特定される「特別図柄変動処理部115」の「大当たり判定」の結果と整合しないと、ステップアップ連続演出による報知内容の信頼性が損なわれ、遊技者に混乱を与える可能性があり、その状態を回避すべきことは当業者であれば当然に考慮すべき事項である。

したがって、引用発明において、「第2始動口21に遊技球が入球した場合、その直前の特別図柄の変動表示中に行われる演出の次の段階の演出を追加設定し」、「当該入球に基づく特別図柄の変動表示後に消化される第1変動表示保留記憶部の保留に対して既に設定されていたステップアップ連続演出の段階をさらに1段階ずつアップさせて再設定する」場合において、再設定後におけるステップアップ連続演出が、「特別図柄変動処理部115」の「大当たり判定」の結果と整合する場合にのみ再設定を可能とすることは、ステップアップ連続演出による報知内容の信頼性を担保し、遊技者に混乱を与えることを回避することを考慮することによって、当業者が容易に想到し得ることである。

よって、本願発明の相違点Bに係る構成は、引用発明に基づいて、当業者が容易に想到し得るものである。

ウ 本願発明の作用効果について

本願発明の作用効果は、引用発明、及び、引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が予測できる範囲のものであり、格別なものではない。

エ 小括

したがって、本願発明は、引用発明、及び、引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである

第4 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-003084

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