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特許拒絶査定不服審判

2021-002888

画像符号化装置、画像復号装置、画像符号化方法及び画像復号方法

審判番号
2021-002888
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-551695外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月04日
審決日
2022年07月19日
公報発行日
2023年01月27日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (H04N) / P18 .121-Z (H04N) / P18 .561-Z (H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-551695「画像符号化装置、画像復号装置、画像符号化方法及び画像復号方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月24日国際公開、WO2018/092870〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年11月17日(パリ条約による優先権主張 2016年11月21日、米国)を国際出願日とするものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和1年 5月21日 :手続補正書 令和2年 7月 2日付け:拒絶理由通知 同年 9月 3日 :意見書提出及び手続補正 同年 9月11日付け:最後の拒絶理由通知 同年10月28日 :意見書提出及び手続補正 同年12月22日付け:補正の却下の決定及び拒絶査定 令和3年 3月 4日 :拒絶査定不服審判請求および手続補正 同年 3月31日 :前置報告 第2 令和3年3月4日付けの手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和3年3月4日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 令和3年3月4日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)は、令和2年9月3日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1から8を、本件補正による特許請求の範囲の請求項1から8に補正するものであり、本件補正は、補正前の請求項7を補正後の請求項7とする補正事項を含むものである(下線は補正箇所を示す。)。 (補正前の請求項7) 【請求項7】 ビットストリームから分割数及び方向を示すパラメータを読み解き、 前記パラメータがピクチャのブロックを単一の方向のみに沿って分割することを示す際に、 パラメータが第1の値を有することに応えて、第1パーティションを用いて前記ブロックを4つのサブブロックに分割し、前記4つのサブブロックの各々は同一サイズを有し、 前記パラメータが前記第1の値以外の第2の値を有することに応えて、第2パーティションを用いて前記ブロックを3つのサブブロックに分割し、前記3つのサブブロックのサイズ比は1:2:1であり、前記第2パーティションは、前記ブロックを同一サイズの4つのサブブロックに分割するパーティションを含まず、 前記ピクチャの前記ブロックの前記サブブロックを復号する、 画像復号方法。 (補正後の請求項7) 【請求項7】 ビットストリームから分割数及び方向を示すパラメータを読み解き、 前記パラメータがピクチャのブロックを単一の方向のみに沿って分割することを示す際に、 パラメータが第1の値を有することに応えて、前記単一の方向のブロック分割を含むブロック分割セットから1以上のブロック分割を選択して含むブロック分割セットからなる第1パーティションを用いて前記ブロックを4つのサブブロックに分割し、前記4つのサブブロックの各々は同一サイズを有し、 前記パラメータが前記第1の値以外の第2の値を有することに応えて、前記単一の方向のブロック分割を含むブロック分割セットから1以上のブロック分割を選択して含むブロック分割セットからなる、前記第1パーティションと異なる第2パーティションを用いて前記ブロックを3つのサブブロックに分割し、前記3つのサブブロックのサイズ比は1:2:1であり、前記第2パーティションは、前記ブロックを同一サイズの4つのサブブロックに分割するパーティションを含まず、 前記ピクチャの前記ブロックの前記サブブロックを復号する、 画像復号方法。 2 補正の適合性 (1)補正の内容について 請求項7に係る補正は、補正前の請求項7に係る発明における「ビットストリームから分割数及び方向を示すパラメータを読み解き、前記パラメータがピクチャのブロックを単一方向のみに沿って分割することを示す際に」、「パラメータが第1の値を有することに応えて」「第1パーティションを用いて前記ブロックを4つのサブブロックに分割し」、「前記パラメータが前記第1の値以外の第2の値を有することに応えて」「第2パーティションを用いて前記ブロックを3つのサブブロックに分割」し、「前記ピクチャの前記ブロックのサブブロックを復号する、画像復号方法」と特定されていたのに対して、 (i)補正後の請求項7に係る発明が、「第1パーティションを用いて前記ブロックを4つのサブブロックに分割」する態様として、「パラメータが第1の値を有することに応えて」の後に、「第1パーティション」が「前記単一の方向のブロック分割を含むブロック分割セットから1以上のブロック分割を選択して含むブロック分割セットからなる」ことを特定する事項を追加するとともに、 (ii)補正後の請求項7に係る発明が、「第2パーティションを用いて前記ブロックを3つのサブブロックに分割」する態様として、「パラメータが第2の値を有することに応えて」の後に、「第2パーティション」が「前記単一の方向のブロック分割を含むブロック分割セットから1以上のブロック分割を選択して含むブロック分割セットからなる、前記第1パーティションと異なる」ことを特定する事項を追加する補正である。 (2)補正の範囲について (2-1) 本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲、及び図面(以下、明細書等という)には、以下の記載がある。(下線は、強調のため当審で付したものである。) 「【0566】 [復号処理] 図28は、実施の形態10に係る映像復号処理の一例を示す。 【0567】 最初のステップS18001として、ビットストリームからパーティション候補選択パラメータが解析される。・・・ 【0568】 次に、ステップS18002において、解析されたパーティション候補選択パラメータを用いて、所定のブロック分割情報の大セットからブロック分割情報の小セットが選択される。 【0569】 解析されたパーティション候補選択パラメータは、例えば、2以上のブロック分割情報セットからブロック分割情報セットを選択するためのインデックスを含むことができる。 【0570】 ブロック分割情報は、用いる分割方法(縦分割、横分割、及び四分木分割等)ごとに異なるブロック分割情報のグループ(セット)に分類できる。例えば、図49Aに示すように、縦分割グループ(第1セット)、横分割グループ(第2セット)、及び四分木分割グループ(第3セット)の3つのブロック分割情報グループがある。縦分割グループは縦分割のみに対応し、横分割グループは横分割のみに対応し、四分木分割グループは四分木分割のみに対応する。インデックスの値が0であれば、縦分割グループが選択される。インデックスの値が1であれば、横分割グループが選択される。インデックスの値が2であれば、四分木分割グループが選択される。 ・・・ 【0572】 別の例として、解析されたパーティション候補選択パラメータは、図49Bに示すように、ブロック分割情報セットから1以上の選択ブロック分割情報を選択するためのパラメータ/インデックスを含むことができる。 【0573】 ブロック分割情報は、ブロックを横分割するか縦分割するかを示すパラメータセットであってもよい。ブロック分割情報は、ブロック内のすべてのサブブロックの所定ブロック幅及び所定ブロック高を含むパラメータセットであってもよい。また、ブロック分割情報は、所定のブロックパーティション構造候補リストから1つの分割構造候補を選択するためのインデックスを含むパラメータセットであってもよい。・・・ 【0574】 ステップS18003において、ビットストリームからパーティション選択パラメータが解析される。・・・ 【0575】 次に、ステップS18004において、解析されたパーティション選択パラメータを用いて、選択されたブロック分割情報の小セットのみからブロック分割情報が特定される。 ここで、特定されたブロック分割情報が用いられれば、ブロックはジオメトリセットの複数のサブブロックに分割されるが、別のブロック分割情報が用いられれば、ブロックは別のジオメトリセットの複数のサブブロックに分割される。 【0576】 解析されたパーティション選択パラメータは、例えば、選択されたブロック分割情報の小セットから1つのブロック分割情報を選択するためのインデックスを含むことができる。 【0577】 例えば、図49Aに示すように、ステップS18002において、縦分割グループ(第1セット)がブロック分割情報の小セットとして選択される。縦分割グループには、3つの異なるブロック分割情報に応じた3つの異なるブロックパーティション構造がある。インデックスの値が0であれば、縦分割グループの第1ブロックパーティション構造が特定される。インデックスの値が1であれば、縦分割グループの第2ブロックパーティション構造が特定される。インデックスの値が2であれば、縦分割グループの第3ブロックパーティション構造が特定される。」 「 [図:0001392492000001.jpg] 」 (2-2) 上記(2-1)の明細書等の記載によれば、「ブロック分割情報」、及び「ブロック分割情報のグループ(セット)」について、以下のことが言える。 (ア)まず、【0573】から、 ・ブロック分割情報は、ブロックを横分割するか縦分割するかを示すパラメータセットであってもよく、ブロック内のすべてのサブブロックの所定ブロック幅及び所定ブロック高を含むパラメータセットであってもよく、所定のブロックパーティション構造候補リストから1つの分割構造候補を選択するためのインデックスを含むパラメータセットであってもよいこと、 が言える。 (イ)次に、【0566】~【0569】、【0572】、【0574】~【0576】から、 ・映像復号処理において、ビットストリームから解析されたパーティション候補選択パラメータを用いて、所定のブロック分割情報の大セットからブロック分割情報の小セットが選択されるものであり、解析されたパーティション候補選択パラメータは、例えば、2以上のブロック分割情報セットからブロック分割情報セットを選択するためのインデックスを含むこと、または、ブロック分割情報セットから1以上の選択ブロック分割情報を選択するためのパラメータ/インデックスを含むこと、 ・ビットストリームから解析されたパーティション選択パラメータを用いて、選択されたブロック分割情報の小セットのみからブロック分割情報が特定されるものであり、解析されたパーティション選択パラメータは、例えば、選択されたブロック分割情報の小セットから1つのブロック分割情報を選択するためのインデックスを含むこと が言える。 (ウ)さらに、【0570】、【0577】から、 ・ブロック分割情報は、用いる分割方法(縦分割、横分割、及び四分木分割等)ごとに異なるブロック分割情報のグループ(セット)に分類でき、例えば、図49Aに示すように、縦分割グループ(第1セット)、横分割グループ(第2セット)、及び四分木分割グループ(第3セット)の3つのブロック分割情報グループがあり、縦分割グループは縦分割のみに対応し、横分割グループは横分割のみに対応し、四分木分割グループは四分木分割のみに対応すること、 ・図49Aに示すように、縦分割グループ(第1セット)がブロック分割情報の小セットとして選択され、縦分割グループには、3つの異なるブロック分割情報に応じた3つの異なるブロックパーティション構造がある場合、インデックスの値が0であれば、縦分割グループの第1ブロックパーティション構造が、インデックスの値が1であれば、縦分割グループの第2ブロックパーティション構造が、インデックスの値が2であれば、縦分割グループの第3ブロックパーティション構造が特定されること、 が言える。 上記(ウ)(ア)(イ)から、 ・「ブロック分割情報」とは、ブロックをどの方向に分割するかを特定するか、またはブロック内のすべてのサブブロックの幅と高さを特定するか、または、インデックスにより選択される分割構造候補を特定するか、ブロックをサブブロックに分割する分割の仕方を特定するための情報であり、1つのブロック分割情報に対応して1つのブロックパーティション構造があるといえる。 同様に、上記(ア)(イ)から、 ・「ブロック分割情報のグループ(セット)」とは、複数のブロック分割情報を、用いる分割方法ごとに分類したものであり、ブロック分割情報セットには複数のブロック分割情報が含まれており、ブロック分割情報セットから、パラメータセット/インデックスを用いて1つのブロック分割情報を選択するものであることがいえる。 (2-3)当該補正が明細書等に記載した事項の範囲内かどうかについての判断 (ア) 上記(2-2)の(ウ)から、本件明細書等には、「ブロック分割情報のグループ(セット)」には、複数のブロック分割情報が含まれており、この中から、インデックスを用いて1つのブロック分割情報が選択されること、1つのブロックパーティション構造は1つのブロック分割情報と対応すること、が記載されているといえる。 (イ) 一方、補正後の請求項7には、上記(1)の(i)(ii)のとおり、 「第1パーティションを用いて前記ブロックを4つのサブブロックに分割」する態様として、「第1パーティション」が「前記単一の方向のブロック分割を含むブロック分割セットから1以上のブロック分割を選択して含むブロック分割セットからなる」こと、 「第2パーティションを用いて前記ブロックを3つのサブブロックに分割」する態様として、「第2パーティション」が「前記単一の方向のブロック分割を含むブロック分割セットから1以上のブロック分割を選択して含むブロック分割セットからなる、前記第1パーティションと異なる」こと が記載されている。 この記載からすると、ブロックをサブブロックに分割する「パーティション」は、「1以上のブロック分割を選択して含むブロック分割セット」から構成されるいうことになるが、これは(ア)の記載とは、「パーティション」すなわちブロックパーティション構造またはブロック分割情報と、「ブロック分割セット」すなわち「ブロック分割情報のグループ(セット)」の包含関係が逆になるものであり、(ア)の記載から導くことはできない。 また、本件明細書等においては、他に「単一の方向のブロック分割を含むブロック分割セットから1以上のブロック分割を選択して含むブロック分割セット」と、ブロックをサブブロックに分割する「パーティション」との関係を特定する記載は見当たらない。 そうすると、請求項7に係る上記(1)の(i)(ii)の補正の内容は、本件出願時の明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 (3) 小括 以上のとおり、請求項7に係る補正は、本件出願時の明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、特許法第17条の2第3項の規定に反するものである。 3 むすび 以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第3項に反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件発明について 1 本件発明 令和3年3月4日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和2年9月3日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるものであり、そのうち、請求項7に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、上記第2の1に示した(補正前の請求項7)に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。(符号A~Fは合議体が付した。以下、発明特定事項A~F等という。) (本件発明) 【請求項7】 A ビットストリームから分割数及び方向を示すパラメータを読み解き、 B 前記パラメータがピクチャのブロックを単一の方向のみに沿って分割することを示す際に、 C パラメータが第1の値を有することに応えて、 C1 第1パーティションを用いて前記ブロックを4つのサブブロックに分割し、 C2 前記4つのサブブロックの各々は同一サイズを有し、 D 前記パラメータが前記第1の値以外の第2の値を有することに応えて、 D1 第2パーティションを用いて前記ブロックを3つのサブブロックに分割し、 D2 前記3つのサブブロックのサイズ比は1:2:1であり、前記第2パーティションは、前記ブロックを同一サイズの4つのサブブロックに分割するパーティションを含まず、 E 前記ピクチャの前記ブロックの前記サブブロックを復号する、 F 画像復号方法。 ただし、構成Cにおける「パラメータ」、すなわち、「第1の値を有することに応えて」構成C1、C2のようにブロックをサブブロックに分割するための条件となるパラメータ、は、構成Dにおける「前記パラメータ」、すなわち、「前記第1の値以外の第2の値を有することに応えて」構成D1、D2のようにブロックをサブブロックに分割するための条件となるパラメータ、と同様に、構成Aの「ビットストリームからの分割数及び方向を示すパラメータ」を指し、かつ構成Bの「前記パラメータ」と同様に、構成Aの当該「パラメータ」を指すものと認める。 2 引用発明、引用文献等の記載事項 (1) 引用文献1 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1である、特開2013-229674号公報には、以下の記載がある(下線は強調のために当審で付した。以下同様。)。 ア 「【0022】 (第1実施形態) 以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態について詳しく説明する。 図1は、本発明の第1実施形態に係る映像システムの構成を示す概略ブロック図である。この図において、映像システムは、符号化装置1及び表示装置D1を具備する。表示装置D1は、復号装置2及び表示部D11を含んで構成される。 符号化装置1は、入力された複数の視点からの映像(多視点映像)の画像を符号化することで、符号化データを生成して復号装置2へ送信する。復号装置2は、符号化装置1から送信された符号化データを復号することで画像を取得する。復号装置2は、取得した画像を表示部D11に入力する。表示部D11は、復号装置2から入力された画像に基づいて多視点映像を表示する。」 イ 「【0023】 図2は、本実施形態に係る符号化装置1の構成を示す概略ブロック図である。符号化装置1は、符号化情報設定部100、減算部101、変換量子化部102、逆量子化逆変換部103、加算部104、フレームメモリ105、ユニット形状記憶部106、予測画像生成部107、及び符号化データ生成部108を含んで構成される。 【0024】 符号化情報設定部100は、符号化情報設定部100の外部から入力された映像信号が表す視点画像の各々を、基準視点画像(Base_View)とするか、非基準視点画像(Non-base_View)とするかを判定する。ここで、基準視点画像とは、符号化の際に、他の視点画像を参照して予測画像を生成する予測方法である視差予測を用いず、単一視点用の符号化方式、例えばHEVC、で復号できるように符号化される視点画像である。また、非基準視点画像とは、符号化の際に、視差予測を用いることのできる視点画像である。 ・・・ 【0029】 ユニット形状記憶部106は、予測画像生成部107が予測画像を生成する際の単位である予測ユニット(PredictionUnit)の形状として用いることができる情報を記憶している。本実施形態におけるユニット形状記憶部106は、視点画像が基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第1のセットと、視点画像が非基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第2のセットとを記憶する。本実施形態では、ユニット形状記憶部106は、後述する符号化ユニットを予測ユニットに分割する分割モードを記憶することで、予測ユニットの形状を記憶している。 ・・・ 【0040】 図5は、本実施形態に係るユニット形状記憶部106が記憶する第1のセット及び第2のセットの例を示す図である。この図において、括弧内の数字は、各々のセットにおける分割モードの識別情報を表す。この図において、縦軸は画像の縦(垂直)方向を表し、横軸は画像の横(水平)方向を表す。ここで、横方向は、視差の方向である。また、この図は、符号化ユニットが2N個×2N個の画素から構成される場合を表す。 【0041】 形状C101~C108は、第1のセットのユニット形状を表す。第1のセットは、視点画像が基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである。例えば、形状C101(分割モードが「0」)は、つまり、符号化ユニットが分割されない場合(又は0回分割された場合)のものであり、符号化ユニットが予測ユニットとなることを表す。形状C102(分割モード「1」)では、つまり、符号化ユニットが横に分割される結果、(横)2N×(縦)N個の画素から構成される予測ユニットに分割される。以下では、(横)p×(縦)q個の画素から構成される予測ユニットを、p×q予測ユニットとも称する。 【0042】 形状C201~C208は、第2のセットのユニット形状を表す。第2のセットは、視点画像が非基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである。形状C201、C203、C207、C208は、それぞれ、形状C101、C103、C107、C108と同じである。 【0043】 形状C202、C205、C206は、符号化ユニットが縦に3つに分割されることを表す。例えば、形状C202、C205、C206では、符号化ユニットは、(N/2)×2N予測ユニットの2つ、及び、N×2N予測ユニットに分割される。ここで、形状C202(分割モード「1」)では、符号化ユニットの横方向の両端(左右)部分が(N/2)×2N予測ユニットに分割され、横方向の中央部分がN×2N予測ユニットに分割される。分割モードC205(分割モード「4」)では、符号化ユニットの左側部分が(N/2)×2N予測ユニットの2つに分割され、右側部分がN×2N予測ユニットに分割される。分割モードC206(分割モード「5」)では、符号化ユニットの右側部分が(N/2)×2N予測ユニットの2つに分割され、左側部分がN×2N予測ユニットに分割される。分割モードC204は、符号化ユニットが縦に4つに分割されることを表す。例えば、分割モードC202では、符号化ユニットは、(N/2)×2N予測ユニットの4つに分割される。 ・・・ 【0046】 図7は、本実施形態に係るユニット形状記憶部106が記憶する予測ユニットの形状情報とレイヤ情報、予測モード、分割モード及び画面内分割フラグとの関係を示すテーブルである。このテーブルには、図7の第1のセット及び第2のセットの形状情報の例が含まれている。このテーブルには、レイヤ情報(Layer)、予測モード(PredMode)、分割モード(part_mode)、画面内分割フラグ(IntraSplitFlag)と、形状情報である予測ユニット形状情報(PartMode)が含まれている。ここで、予測ユニット形状情報は、予測ユニットの形状を表す。 例えば、図7は、分割モードが画面間(MODE_INTER)を示すとき、レイヤ情報が基準視点画像を示す場合に、第1のセットからユニット形状が選択されることを表す。また、この図は、分割モードが画面間(MODE_INTER)を示すとき、レイヤ情報が非基準視点画像を示す場合に、第2のセットからユニット形状が選択されることを表す。なお、分割モードが画面間(MODE_INTRA)を示すとき、第3のセット(PartModeが「PART_2N×2N」又は「PART_N×N」)からユニット形状が選択されることを表す。この第3のセットは、画面内予測用のユニット形状である。」 ウ 「【図5】 [図:0001392492000002.jpg] 」 エ 「【図7】 [図:0001392492000003.jpg] 」 オ 「【0048】 図9は、本実施形態に係る復号装置2の構成を示す概略ブロック図である。復号装置2は、Nalユニット復号部200、スライス情報復号部201、符号化ユニット情報復号部202、変換ユニット情報復号部203、逆量子化逆変換部204、加算部205、フレームメモリ206、ユニット形状記憶部207、予測ユニット情報復号部21、及び予測画像生成部208を含んで構成される。 【0049】 Nalユニット復号部200は、Nalユニット復号部200の外部から入力される符号化データを、符号化データ生成部108が行った符号化方法(例えば、可変長符号化)と逆の処理(例えば、可変長復号)であるエントロピー復号する。 【0050】 図10は、本実施形態に係るNalユニットのSyntax表の一例を表す概略図である。Nalユニット復号部200はこの表に示される情報を復号する。この図において、例えば、「nal_unit_type」には、復号対象の画像が基準視点か非基準視点かを推定できる情報が格納されている。 図9に戻って、Nalユニット復号部200は、復号した情報をスライス情報復号部201に入力する。また、Nalユニット復号部200は、復号したnal_unit_typeから復号対象の画像が基準視点か非基準視点かを示すレイヤ情報を生成し、生成したレイヤ情報を予測ユニット情報復号部21へ出力する。 スライス情報復号部201は、Nalユニット復号部200から入力された情報を復号することでツリーブロック情報を取得し、取得した情報を符号化ユニット情報復号部202に入力する。 【0051】 符号化ユニット情報復号部202は、スライス情報復号部201から入力されたツリーブロック情報を復号することで符号化ユニット分割フラグを取得する。符号化ユニット情報復号部202は、ツリーブロック情報と符号化ユニット分割フラグに基づいて、符号化ユニットに関する情報である符号化ユニット情報を取得する。符号化ユニット情報復号部202は、符号化ユニット情報を、変換ユニット情報復号部203と予測ユニット情報復号部21に入力する。 変換ユニット情報復号部203は、符号化ユニット情報復号部202から入力された符号化ユニット情報を復号することで、変換ユニット分割フラグを取得する。変換ユニット情報復号部203は、符号化ユニット情報と変換ユニット分割フラグに基づいて、変換ユニットに関する情報を取得する。例えば、この情報には、量子化係数が含まれている。符号化ユニット情報復号部202は、取得した情報を、逆量子化逆変換部204に入力する。 【0052】 逆量子化逆変換部204は、変換ユニット情報復号部203から入力された情報から量子化係数を取得する。逆量子化逆変換部204は、取得した量子化係数に対して、変換量子化部102で行った量子化と逆の処理(逆量子化)をして逆量子化係数を生成する。逆量子化逆変換部204は、生成した逆量子化係数を変換量子化部102における直交変換とは逆の変換処理、例えば逆DCT変換して復号差分画像を生成する。逆量子化逆変換部204は、生成した復号差分画像を加算部205に入力する。 【0053】 加算部205は、予測画像生成部208が入力した予測画像と、逆量子化逆変換部204が入力した復号差分画像とを加算する。加算部205は、この加算により、入力された視点画像を生成する。この視点画像は、復号装置2の外部(例えば、表示部D11)へ出力され、また、参照画像としてフレームメモリ206に入力される。フレームメモリ206は、加算部205が入力した参照画像を記憶する。 【0054】 ユニット形状記憶部207は、ユニット形状記憶部106と同じ情報を記憶する(例えば、図6、図7参照)。具体的には、ユニット形状記憶部207は、予測画像生成部208が予測画像を生成する際の単位である予測ユニットの形状として用いることができる情報を記憶している。本実施形態におけるユニット形状記憶部207は、視点画像が基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第1のセットと、視点画像が非基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第2のセットとを記憶する。本実施形態では、ユニット形状記憶部207は、後述する符号化ユニットを予測ユニットに分割する分割モードを記憶することで、予測ユニットの形状を記憶している。 【0055】 予測ユニット情報復号部21は、Nalユニット復号部200から入力したレイヤ情報と、符号化ユニット情報復号部202から入力した情報に含まれる符号化ユニット情報と、ユニット形状記憶部207が記憶する情報と、に基づいて、符号化ユニット内の各予測ユニットに関する予測情報を取得する。予測ユニット情報復号部21は、取得した予測情報を、予測画像生成部208に入力する。 予測画像生成部208は、予測ユニット情報復号部21から入力された予測情報に基づいて、予測ユニット毎に予測画像を生成する。予測画像生成部208は、生成した予測画像を加算部205に入力する。」 カ 「【0056】 図11は、本実施形態に係る予測ユニット情報復号部21の構成を示す概略ブロック図である。予測ユニット情報復号部21は、予測モード復号部210、分割モード復号部211、予測ユニットサイズ決定部212、及び予測情報復号部213を含んで構成される。 【0057】 予測モード復号部210は、入力された符号化ユニット情報から予測モードを取得する。具体的には、予測モード復号部210は、符号化ユニット情報からpred_mode_flagを復号し、PredModeを決定する。例えば、予測モード復号部210は、pred_mode_flag=0の場合にPredMode=MODE_INTRA(画面内予測モード)とし、pred_mode_flag=1の場合にPredMode=MODE_INTER(画面間予測モード)とする。予測モード復号部210は、取得した予測モードを示す情報(PredMode)を、予測ユニットサイズ決定部212に入力する。 【0058】 分割モード復号部211は、入力された符号化ユニット情報から分割モードを取得する。具体的には、分割モード復号部211は、符号化ユニット情報を復号し、part_modeを取得する。分割モード復号部211は、取得した分割モードを示す情報(part_mode)を予測ユニットサイズ決定部212に入力する。 予測ユニットサイズ決定部212は、ユニット形状記憶部207が記憶する情報、予測モード復号部210から入力された情報(PredMode)、分割モード復号部211から入力された情報(part_mode)、及び、入力されたレイヤ情報(Layer)に基づいて、符号化ユニット内の予測ユニット各々のサイズを表す予測ユニットサイズ情報(PartMode)を取得する。なお、予測ユニットサイズ情報は、予測ユニットの位置を表す情報を含んでもよい。予測ユニットサイズ決定部212は、取得した予測ユニットサイズ情報を、予測情報復号部213に入力する。 【0059】 予測情報復号部213は、入力された符号化ユニット情報、及び、予測ユニットサイズ決定部212から入力された予測ユニットサイズ情報に基づいて、予測ユニット毎の参照情報とユニットのサイズを示す予測情報を取得する。」 キ 「【0070】 (第3実施形態) 以下、図面を参照しながら本発明の第3実施形態について詳しく説明する。本実施形態に係る符号化装置及び復号装置の構成は、第1の実施形態と同じであるため、説明は省略する。 【0071】 図16は、本発明の第3実施形態に係るユニット形状記憶部106が記憶する第1のセット及び第2のセットの例を示す図である。この図において、括弧内の数字は、各々のセットにおける分割モードの識別情報を表す。この図において、縦軸は画像の縦(垂直)方向を表し、横軸は画像の横(水平)方向を表す。ここで、横方向は、視差の方向である。また、この図は、符号化ユニットが2N個×2N個の画素から構成される場合を表す。この図において、図5と同じ符号を付したユニット形状は、第1の実施形態のものと同じであるので、説明は省略する。 【0072】 形状C101~C108、及び、形状C202、C204~C206、C302、C304~C306は、第2のセットのユニット形状を表す。第2のセットは、視点画像が非基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである。 図16の第2のセットは、第1のセットにユニット形状が追加されたものである。 図16では、第2セットにおいて、選択される予測ユニットの形状は、視差予測における視差方向に対して垂直な方向に長い形状の方を、視差方向に長い形状よりも多く含む。 【0073】 図17は、本実施形態に係るユニット形状記憶部106が記憶する予測ユニットの形状情報とレイヤ情報、予測モード、分割モード及び画面内分割フラグとの関係を示すテーブルである。このテーブルには、図13の第1のセット及び第2のセットの例が含まれている。このテーブルには、形状情報は、レイヤ情報(Layer)、予測モード(PredMode)、分割モード(part_mode)、画面内分割フラグ(IntraSplitFlag)、予測ユニット形状情報(PartMode)が含まれている。ここで、予測ユニット形状情報は、予測ユニットの形状を表す。」 ク 「【図16】 [図:0001392492000004.jpg] 」 ケ 「【図17】 [図:0001392492000005.jpg] 」 (2) 引用発明及び引用文献記載の事項の認定 ア 上記(1)ア、オの記載によれば、引用文献1には、 符号化装置1から送信された符号化データを復号することで画像を取得する復号装置2は、Nalユニット復号部200、スライス情報復号部201、符号化ユニット情報復号部202、変換ユニット情報復号部203、逆量子化逆変換部204、加算部205、フレームメモリ206、ユニット形状記憶部207、予測ユニット情報復号部21、及び予測画像生成部208を含んで構成され(【0022】、【0048】)、 Nalユニット復号部200は、入力される符号化データをエントロピー復号し、復号した情報をスライス情報復号部201に入力し、復号したnal_unit_typeから復号対象の画像が基準視点か非基準視点かを示すレイヤ情報を生成し、生成したレイヤ情報を予測ユニット情報復号部21へ出力し、 スライス情報復号部201は、Nalユニット復号部200から入力された情報を復号し、取得した情報を符号化ユニット情報復号部202に入力し、 符号化ユニット情報復号部202は、スライス情報復号部201から入力された情報を復号することで符号化ユニット情報を取得し、符号化ユニット情報を変換ユニット情報復号部203と予測ユニット情報復号部21に入力し、 変換ユニット情報復号部203は、符号化ユニット情報復号部202から入力された符号化ユニット情報を復号することで変換ユニット分割フラグを取得し、符号化ユニット情報と変換ユニット分割フラグに基づいて、変換ユニットに関する情報を取得するものであって、この情報には、量子化係数が含まれており、取得した情報を、逆量子化逆変換部204に入力し(【0049】、【0050】、【0051】)、 逆量子化逆変換部204は、変換ユニット情報復号部203から入力された情報から量子化係数を取得し、取得した量子化係数に対して、逆量子化をして逆量子化係数を生成し、生成した逆量子化係数を逆DCT変換して復号差分画像を生成し、生成した復号差分画像を加算部205に入力し(【0052】)、 加算部205は、予測画像生成部208が入力した予測画像と、逆量子化逆変換部204が入力した復号差分画像とを加算し、視点画像を生成するものであり(【0053】)、 ユニット形状記憶部207は、ユニット形状記憶部106と同じ情報を記憶するものであり、視点画像が基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第1のセットと、視点画像が非基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第2のセットとを記憶し、符号化ユニットを予測ユニットに分割する分割モードを記憶することで、予測ユニットの形状を記憶し(【0054】)、 予測ユニット情報復号部21は、Nalユニット復号部200から入力したレイヤ情報と、符号化ユニット情報復号部202から入力した情報に含まれる符号化ユニット情報と、ユニット形状記憶部207が記憶する情報と、に基づいて、符号化ユニット内の各予測ユニットに関する予測情報を取得し(【0055】)、 予測ユニット情報復号部21は、取得した予測情報を、予測画像生成部208に入力し(【0055】)、 予測画像生成部208は、予測ユニット情報復号部21から入力された予測情報に基づいて、予測ユニット毎に予測画像を生成し、生成した予測画像を加算部205に入力すること(【0055】) が記載されているといえる。 イ 上記(1)ア、イの記載によれば、符号化装置1が含んでいるユニット形状記憶部106について、 図5は、本実施形態、すなわち、第1実施形態、に係るユニット形状記憶部106が記憶する第1のセット及び第2のセットの例を示す図であり、括弧内の数字は、各々のセットにおける分割モードの識別情報を表すこと(【0040】)、 形状C101~C108は、第1のセットのユニット形状を表し、第1のセットは、視点画像が基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットであり、形状C101(分割モードが「0」)は、符号化ユニットが分割されない場合のものであり、形状C102(分割モードが「1」)では、符号化ユニットが横に分割される結果、(横)2N×(縦)N個の画素から構成される予測ユニットに分割されること(【0041】)、 形状C201~C208は、第2のセットのユニットの形状を表し、第2のセットは視点画像が非基準視点画像である時に用いることができる形状のセットであり、形状C201は形状C101と同じであること(【0042】)、 形状C202は、符号化ユニットが縦に3つに分割されることを表し、形状C202(分割モード「1」)では、符号化ユニットの横方向の両端(左右)部分が(N/2)×2N予測ユニットに分割され、横方向の中央部分がN×2N予測ユニットに分割され、C204は、符号化ユニットが縦に4つに分割されることを表し、符号化ユニットは(N/2)×2N予測ユニットの4つに分割されること(【0043】)、 図7は、ユニット形状記憶部106が記憶する予測ユニットの形状情報とレイヤ情報、予測モード、分割モード及び画面内分割フラグとの関係を示すテーブルであって、このテーブルには、レイヤ情報(Layer)、予測モード(PredMode)、分割モード(part_mode)、画面内分割フラグ(IntraSplitFlag)と、形状情報である予測ユニット形状情報(PartMode)が含まれ、予測ユニット形状情報は、予測ユニットの形状を表すこと(【0046】)、 が記載されており、また、上記(1)イによれば、基準視点画像(Base_View)と非基準視点画像(Non-base_View)(【0024】)という記載がある。 そして、これら(1)ア、イの記載と、上記(1)ウの図5のC201の箇所、C202の箇所及びC204の箇所と、(1)エの図7のLayer行がNon-Base_viewであり、part_mode行がそれぞれ0、1、3であるような列の箇所の記載とを合わせると、ユニット形状記憶部106には、 ・基準視点画像(Base_View)と非基準視点画像(Non-base_View)という値を取り得るレイヤ情報(Layer)、予測モード(PredMode)、分割モード(part_mode)、画面内分割フラグ(IntraSplitFlag)と、予測ユニットの形状を表す予測ユニット形状情報(PartMode)が含まれており、 ・レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして0という値が与えられた、形状C101と同じである形状C201の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_2Nx2Nという値を取り、これは符号化ユニットが分割されないことを意味すること、 ・レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして1という値が与えられた形状C202の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_nLR2Nx2Nという値を取り、これは符号化ユニットの横方向の両端(左右)部分が(N/2)×2N予測ユニットに分割され、横方向の中央部分がN×2N予測ユニットに分割されることで、縦に3つに分割されることを意味すること、 ・レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして3という値が与えられた形状C204の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_4LRNx2Nという値を取り、これは符号化ユニットが縦に4つに分割、すなわち(N/2)×2N予測ユニットの4つに分割、されることを意味すること、 が記載されているといえる。 ウ 上記(1)カの記載によれば、 予測ユニット情報復号部21は、予測モード復号部210、分割モード復号部211、予測ユニットサイズ決定部212、及び予測情報復号部213を含んで構成され(【0056】)、 予測モード復号部210は、入力された符号化ユニット情報からpred_mode_flagを復号し、PredModeを決定し、取得した予測モードを示す情報(PredMode)を、予測ユニットサイズ決定部212に入力し(【0057】)、 分割モード復号部211は、入力された符号化ユニット情報を復号し、part_modeを取得し、取得した分割モードを示す情報(part_mode)を予測ユニットサイズ決定部212に入力し(【0058】)、 予測ユニットサイズ決定部212は、ユニット形状記憶部207が記憶する情報、予測モード復号部210から入力された情報(PredMode)、分割モード復号部211から入力された情報(part_mode)、及び、入力されたレイヤ情報(Layer)に基づいて、符号化ユニット内の予測ユニット各々のサイズを表す予測ユニットサイズ情報(PartMode)を取得し、取得した予測ユニットサイズ情報を、予測情報復号部213に入力し(【0058】)、 予測情報復号部213は、入力された符号化ユニット情報、及び、予測ユニットサイズ決定部212から入力された予測ユニットサイズ情報に基づいて、予測ユニット毎の参照情報とユニットのサイズを示す予測情報を取得する(【0059】)、 ことが記載されているといえる。 エ 上記(1)キ、ク、ケの記載によれば、 図16は、第3実施形態に係るユニット形状記憶部106が記憶する第1のセット及び第2のセットの例を示す図であり、括弧内の数字は、各々のセットにおける分割モードの識別情報を表すこと(【0071】)、 形状C101~C108、及び、形状C202、C204~C206、C302、C304~C306は、第2のセットのユニット形状であって、視点画像が非基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットであること(【0072】)、 図17は、本実施形態に係るユニット形状記憶部106が記憶する予測ユニットの形状情報とレイヤ情報、予測モード、分割モード及び画面内分割フラグとの関係を示すテーブルであり、このテーブルには、形状情報は、レイヤ情報(Layer)、予測モード(PredMode)、分割モード(part_mode)、画面内分割フラグ(IntraSplitFlag)、予測ユニット形状情報(PartMode)が含まれ、予測ユニット形状情報は、予測ユニットの形状を表すこと(【0073】) が記載されており、さらに、上記(1)イによれば、基準視点画像(Base_View)と非基準視点画像(Non-base_View)(【0024】)という記載がある。 そして、上記(1)イ及びキの記載と、上記(1)クの図16のC101、C104、C202及びC204の箇所と、上記(1)ケの図17のLayer行がNon-Base_viewであり、part_mode行が0、3、8及び9であるような列の箇所の記載と、を合わせると、上記イと同様に、ユニット形状記憶部106には、 ・基準視点画像(Base_View)と非基準視点画像(Non-base_View)という値を取り得るレイヤ情報(Layer)、予測モード(PredMode)、分割モード(part_mode)、画面内分割フラグ(IntraSplitFlag)と、予測ユニットの形状を表す予測ユニット形状情報(PartMode)が含まれており、 ・レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして0という値が与えられた形状C101の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_2Nx2Nという値を取り、これは符号化ユニットが分割されないことを意味すること、 ・レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして3という値が与えられた形状C104の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_NxNという値を取り、これは符号化ユニットの縦方向と横方向にそれぞれ2分割されることで、(縦)N×(横)N個の画素から構成される予測ユニットに4つに分割されることを意味すること、 ・レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして8という値が与えられた形状C202の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_nLR2Nx2Nという値を取り、これは符号化ユニットの横方向の両端(左右)部分が(N/2)×2N予測ユニットに分割され、横方向の中央部分がN×2N予測ユニットに分割されることで、縦に3つに分割されることを意味すること、 ・レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして9という値が与えられた形状C204の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_4LRNx2Nという値を取り、これは符号化ユニットが縦に4つに分割、すなわち(N/2)×2N予測ユニットの4つに分割されることを意味すること、 が記載されているといえる。 上記ア、ウ、及びイを踏まえたエによれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という)が記載されているものと認められる。引用発明の各構成は、符号(a1)~(b5)を用いて、以下、構成(a1)~(b5)と称する。 (引用発明) (a1) 符号化装置1から送信された符号化データを復号することで画像を取得する復号装置2は、Nalユニット復号部200、スライス情報復号部201、符号化ユニット情報復号部202、変換ユニット情報復号部203、逆量子化逆変換部204、加算部205、フレームメモリ206、ユニット形状記憶部207、予測ユニット情報復号部21、及び予測画像生成部208を含んで構成され(【0022】、【0048】)、 (a2) Nalユニット復号部200は、入力される符号化データをエントロピー復号し、復号した情報をスライス情報復号部201に入力し、復号したnal_unit_typeから復号対象の画像が基準視点か非基準視点かを示すレイヤ情報を生成し、生成したレイヤ情報を予測ユニット情報復号部21へ出力し、 スライス情報復号部201は、Nalユニット復号部200から入力された情報を復号し、取得した情報を符号化ユニット情報復号部202に入力し、 符号化ユニット情報復号部202は、スライス情報復号部201から入力された情報を復号することで符号化ユニット情報を取得し、符号化ユニット情報を変換ユニット情報復号部203と予測ユニット情報復号部21に入力し、 変換ユニット情報復号部203は、符号化ユニット情報復号部202から入力された符号化ユニット情報を復号することで変換ユニット分割フラグを取得し、符号化ユニット情報と変換ユニット分割フラグに基づいて、変換ユニットに関する情報を取得するものであって、この情報には、量子化係数が含まれており、取得した情報を、逆量子化逆変換部204に入力し(【0049】、【0050】、【0051】)、 (a3) 逆量子化逆変換部204は、変換ユニット情報復号部203から入力された情報から量子化係数を取得し、取得した量子化係数に対して、逆量子化をして逆量子化係数を生成し、生成した逆量子化係数を逆DCT変換して復号差分画像を生成し、生成した復号差分画像を加算部205に入力し(【0052】)、 (a4) 加算部205は、予測画像生成部208が入力した予測画像と、逆量子化逆変換部204が入力した復号差分画像とを加算し、視点画像を生成するものであり(【0053】)、 (a5) ユニット形状記憶部207は、ユニット形状記憶部106と同じ情報を記憶するものであり、視点画像が基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第1のセットと、視点画像が非基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第2のセットと符号化ユニットを予測ユニットに分割する分割モードを記憶することで、予測ユニットの形状を記憶し(【0054】)、 (a6) 予測ユニット情報復号部21は、Nalユニット復号部200から入力したレイヤ情報と、符号化ユニット情報復号部202から入力した情報に含まれる符号化ユニット情報と、ユニット形状記憶部207が記憶する情報と、に基づいて、符号化ユニット内の各予測ユニットに関する予測情報を取得し(【0055】)、予測ユニット情報復号部21は、取得した予測情報を、予測画像生成部208に入力し、予測画像生成部208は、予測ユニット情報復号部21から入力された予測情報に基づいて、予測ユニット毎に予測画像を生成し(【0055】)、 (a7) 予測画像生成部208は、生成した予測画像を加算部205に入力すること(【0055】)を行うものであり、 (a8) 予測ユニット情報復号部21は、予測モード復号部210、分割モード復号部211、予測ユニットサイズ決定部212、及び予測情報復号部213を含んで構成され(【0056】)、 (a9) 予測モード復号部210は、入力された符号化ユニット情報からpred_mode_flagを復号し、PredModeを決定し、取得した予測モードを示す情報(PredMode)を、予測ユニットサイズ決定部212に入力し(【0057】)、 分割モード復号部211は、入力された符号化ユニット情報を復号し、part_modeを取得し、取得した分割モードを示す情報(part_mode)を予測ユニットサイズ決定部212に入力し(【0058】)、 (a10) 予測ユニットサイズ決定部212は、ユニット形状記憶部207が記憶する情報、予測モード復号部210から入力された情報(PredMode)、分割モード復号部211から入力された情報(part_mode)、及び、入力されたレイヤ情報(Layer)に基づいて、符号化ユニット内の予測ユニット各々のサイズを表す予測ユニットサイズ情報(PartMode)を取得し、取得した予測ユニットサイズ情報を、予測情報復号部213に入力し(【0058】)、 (a11) 予測情報復号部213は、入力された符号化ユニット情報、及び、予測ユニットサイズ決定部212から入力された予測ユニットサイズ情報に基づいて、予測ユニット毎の参照情報とユニットのサイズを示す予測情報を取得する(【0059】)ものであり、 (b1) ユニット形状記憶部106は、 基準視点画像(Base_View)と非基準視点画像(Non-base_View)という値を取り得るレイヤ情報(Layer)、予測モード(PredMode)、分割モード(part_mode)、画面内分割フラグ(IntraSplitFlag)と、予測ユニットの形状を表す予測ユニット形状情報(PartMode)が含まれており、 (b2) レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして0という値が与えられた形状C101の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_2Nx2Nという値を取り、これは符号化ユニットが分割されないことを意味すること、 (b3) レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして3という値が与えられた形状C104の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_NxNという値を取り、これは符号化ユニットの縦方向と横方向にそれぞれ2分割されることで、(縦)N×(横)N個の画素から構成される予測ユニットに4つに分割されることを意味すること、 (b4) レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして8という値が与えられた形状C202の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_nLR2Nx2Nという値を取り、これは符号化ユニットの横方向の両端(左右)部分が(N/2)×2N予測ユニットに分割され、横方向の中央部分がN×2N予測ユニットに分割されることで、縦に3つに分割されることを意味すること、 (b5) レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして9という値が与えられた形状C204の符号化ブロックには予測ユニット形状情報としてPART_4LRNx2Nという値を取り、これは符号化ユニットが縦に4つに分割、すなわち(N/2)×2N予測ユニットの4つに分割されることを意味すること。 3 本件発明と引用発明との対比及び判断 次に、本件発明と引用発明とを対比する。 (1) 発明特定事項A、Fについて ア 引用発明の構成(a1)の符号化装置1から送信された符号化データを復号する復号装置2において、 構成(a2)のNalユニット復号部200は、入力された符号化データを復号し、復号対象の画像が基準視点か非基準視点かを示すレイヤ情報を生成し、予測ユニット情報復号部21へ出力するとともに、復号した情報をスライス情報復号部201に入力し、スライス情報復号部201は、入力された情報を復号し、取得した情報を符号化ユニット情報復号部202に入力し、符号化ユニット情報復号部202は、スライス情報復号部201から入力された情報を復号することで符号化ユニット情報を取得し、符号化ユニット情報を予測ユニット情報復号部21に入力する処理を行うものであり、 構成(a8)の予測ユニット情報復号部21に含まれる分割モード復号部211、予測ユニットサイズ決定部212において、構成(a9)のように、入力された符号化ユニット情報を復号し、分割モードを示す情報であるpart_modeを取得し、構成(a10)のように、分割モード復号部211から入力された情報(part_mode)及び入力されたレイヤ情報(Layer)に基づいて、符号化ユニット内の予測ユニット各々のサイズを表す予測ユニットサイズ情報(PartMode)を取得することから、 復号装置2は、符号化装置1から送信された符号化データを復号して、レイヤ情報及び分割モードを示す情報であるpart_modeを取得する処理を行っているといえる。 イ ここで、引用発明の構成(b2)~(b5)から、引用発明において、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして0、3、8または9が与えられると、それぞれ符号化ユニット情報が分割されないこと、符号化ユニットの縦方向と横方向にそれぞれ2分割されることで4つの予測ユニットに分割されること、符号化ユニットが縦方向に3つに分割されること、または、符号化ユニットが縦に4つに分割されることがいえる。 ウ そうすると、引用発明におけるレイヤ情報及び分割モードを示す情報であるpart_modeは、符号化ユニットを分割するにあたってどの方向にいくつ分割するかを示すものといえる。 エ 上記ア~ウから、引用発明の復号装置2は、符号化装置1から送信された符号化データを復号して、符号化ユニットを分割するにあたってどの方向にいくつ分割するかを示すレイヤ情報及び分割モードを示す情報であるpart_modeを取得する処理を行っていることから、引用発明の復号装置2においても、本件発明の発明特定事項Aの「ビットストリームから分割数及びパラメータを読み解」く処理と同じ処理を行っており、引用発明の「レイヤ情報」及び「分割モードを示す情報であるpart_mode」を合わせたものが、発明特定事項Aの「分割数及び方向を示すパラメータ」に相当する。 また、復号装置2は、符号化データを復号することで画像を取得することから、画像復号処理を行っているといえるが、この処理は発明特定事項Fの「画像復号方法」に相当する。 (2)発明特定事項Bについて 上記(1)イにおいても示したが、引用発明の構成(b4)(b5)において、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして8が与えられると、符号化ユニットが縦に3つに分割され、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして9が与えられると、符号化ユニットが縦に4つに分割される、すなわち単一の方向に分割されることがいえる。 ここで、引用発明の「符号化ユニット」は本件発明の発明特定事項Bの「ピクチャのブロック」に相当し、引用発明において、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして8または9が与えられる場合とは、発明特定事項Bの「前記パラメータがピクチャのブロックを単一の方向のみに沿って分割することを示す際」と同じ場合であるといえる。 (3)発明特定事項C、C1、C2及びD、D1、D2について ア 引用発明の構成(a5)(a6)において、復号装置2に含まれる予測ユニット情報復号部21は、レイヤ情報と、符号化ユニット情報と、ユニット形状記憶部106と同一の情報が記憶されたユニット形状記憶部207が記憶する情報であり、視点画像が基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第1のセットと、視点画像が非基準視点画像であるときに用いることができる形状のセットである第2のセットと符号化ユニットを予測ユニットに分割する分割モード、に基づいて、符号化ユニット内の各予測ユニットに関する予測情報を取得していることから、符号化ユニットを各予測ユニットに分割しているものといえるが、これは本件発明の発明特定事項C1、D1の「ブロックを」「サブブロックに分割」することに相当する イ また、上記(2)のとおり、引用発明の構成(b5)において、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして9が与えられると、符号化ユニットが縦に4つに分割、すなわち(N/2)×2N予測ユニットの4つに分割されることを意味することから、引用発明の構成(a5)(a6)において、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして9が与えられることで符号化ユニットを各予測ユニットに分割することが、本件発明の発明特定事項C、C1、C2のうち「パラメータが第1の値を有することに応えて」、「前記ブロックを4つのサブブロックに分割し」「前記4つのサブブロックの各々は同一サイズを有」することに相当する。 ウ 同様に、引用発明の構成(b4)において、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして8が与えられると、符号化ユニットの横方向の両端(左右)部分が(N/2)×2N予測ユニットに分割され、横方向の中央部分がN×2N予測ユニットに分割されることで、縦に3つに分割されることを意味するが、この場合、3つの予測ユニットのサイズ比は1:2:1になるといえる。 そうすると、上記分割モード8は上記イの分割モード9以外の分割モードの値であることから、引用発明の構成(a5)(a6)において、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして8が与えられることで符号化ユニット内の各予測ユニットに分割することが、本件発明の発明特定事項D、D1、D2のうち「パラメータが前記第1の値以外の第2の値を有することに応えて」、「前記ブロックを3つのサブブロックに分割し」「前記3つのサブブロックのサイズ比は1:2:1であ」ることに相当する。 エ ただし、本件発明は、ブロックをサブブロックに分割するにあたり、発明特定事項C1及びD1において、それぞれ「第1のパーティションを用いて」及び「第2のパーティションを用いて」おり、また、発明特定事項D2のように、「前記第2パーティションは、前記ブロックを同一サイズの4つのサブブロックに分割するパーティションを含まず」と特定されているのに対して、 引用発明では、ブロックをサブブロックに分割するにあたり、パーティションを用いることについて明示されていない点で相違する。 (4)発明特定事項Eについて ア 引用発明の構成(a6)(a11)において、予測ユニット情報復号部21は、符号化ユニット内の各予測ユニットに関する予測情報を取得し、予測情報は予測ユニット毎の参照情報が含まれており、取得した予測情報を予測画像生成部208に入力し、予測画像生成部208は入力された予測情報に基づいて、予測ユニット毎に予測画像を生成するものといえる。 イ 次に、引用発明の構成(a2)(a3)において、変換ユニット情報復号部203は、入力される符号化データをエントロピー復号した情報を復号することで取得された符号化ユニット情報から量子化係数を含む変換ユニットに関する情報を取得して、逆量子化逆変換部204に入力し、逆量子化逆変換部204は入力された情報から取得された量子化係数に対して逆量子化及び逆DCT変換して復号差分画像を生成して加算部205に入力するといえる。 ウ さらに、引用発明の構成(a4)において、加算部205は、予測画像生成部208が入力した予測画像と、逆量子化逆変換部204が入力した復号差分画像とを加算し、視点画像を生成するものであるといえる。 エ ここで、引用発明の構成(a1)にあるように、上記ア~ウの予測ユニット情報復号部21、変換ユニット情報復号部203、逆量子化逆変換部204、加算部205、予測画像生成部208はすべて復号装置2に含まれている。 そうすると、上記ア~ウにより行われる処理、すなわち、符号化ユニット内の各予測ユニットに関する予測情報を取得し、予測情報は予測ユニット毎の参照情報が含まれており、取得した予測情報に基づいて、予測ユニット毎に予測画像を生成し、最終的に視点画像を生成する処理、は復号装置2が行う画像復号方法に関する処理であり、上記(1)のとおり、本件発明の発明特定事項Fに含まれるものである。 そして、これらの処理における「符号化ユニット内の各予測ユニット」は本件発明の構成Eにおける「前記ピクチャ内の前記ブロックの前記サブブロック」に相当し、これらの処理を行うことは、「前記サブブロックを復号する」ことに相当する。 以上の対比に基づくと、本件発明と引用発明の一致点、相違点は以下のとおりである。 (一致点) A ビットストリームから分割数及び方向を示すパラメータを読み解き、 B 前記パラメータがピクチャのブロックを単一の方向のみに沿って分割することを示す際に、 C パラメータが第1の値を有することに応えて、 C1’ 前記ブロックを4つのサブブロックに分割し、 C2 前記4つのサブブロックの各々は同一サイズを有し、 D 前記パラメータが前記第1の値以外の第2の値を有することに応えて、 D1’ 前記ブロックを3つのサブブロックに分割し、 D2’ 前記3つのサブブロックのサイズ比は1:2:1であり、 E 前記ピクチャの前記ブロックの前記サブブロックを復号する、 F 画像復号方法。 (相違点) 本件発明は、ブロックをサブブロックに分割するにあたり、発明特定事項C1及びD1において、それぞれ「第1のパーティションを用いて」及び「第2のパーティションを用いて」おり、また、発明特定事項D2のように、「前記第2パーティションは、前記ブロックを同一サイズの4つのサブブロックに分割するパーティションを含まず」と特定されているのに対して、 引用発明では、ブロックをサブブロックに分割するにあたり、パーティションを用いることについて明示されていない点。 (5)相違点に対する判断 引用発明の構成(a5)(a6)(b5)において、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして9が与えられることで符号化ユニットを(N/2)×2N予測ユニットの縦に4つに分割することから、引用発明において、当該分割処理を行うために必要な区分を示すための線分(引用文献1の上記2(1)(ク)のC204の中に引かれた縦の3つの線分)を用いることは、当業者にとって当然になすべき事項にすぎない。 そして、当該線分が示すものが、本件発明における「ブロックを4つのサブブロックに分割」するための「第1パーティション」に他ならない。 同様に、引用発明の構成(a5)(a6)(b4)において、レイヤ情報としてNon-Base_view、分割モードとして8が与えられることで、符号化ユニットが3つの予測ユニットに分割され、そのサイズ比が1:2:1になることから、引用発明において、当該分割処理を行うために必要な区分を示す線分(引用文献1の上記2(1)(ク)のC202の中に引かれた縦の2つの線分)を用いることは、当業者にとって当然になすべき事項にすぎない そして、当該線分が示すものが、本件発明における「ブロックを3つのサブブロックに分割」するための「第2パーティション」に他ならない。 ここで、当該線分は、符号化ユニットを1:2:1のサイズで分割するための必要な区分を示すものである以上、符号化ユニットを同一サイズの4つの予測ユニットに分割するものではないことは自明であり、発明特定事項D2と同様に「前記第2パーティションは、前記ブロックを同一のサイズの4つのサブブロックに分割するパーティションを含ま」ないといえる。 (6)小括 以上のとおり、本件発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (7)審判請求人の主張について 審判請求人は、令和2年10月28日付け意見書において、以下の主張を行っている。 「3.本願が特許されるべき理由 補正後の請求項1に係る発明は、「前記単一の方向のみのブロック分割を含むブロック分割セットから1以上選択したブロック分割からなる第1パーティションを用いて前記ブロックを4つのサブブロックに分割する」及び「前記単一の方向のみのブロック分割を含むブロック分割セットから1以上選択したブロック分割からなり、前記第1パーティションと異なる第2パーティションを用いて前記ブロックを3つのサブブロックに分割する」という特徴を有します。 これに対して、引用文献1には、「第1パーティション」又は「第2パーティション」を用いて特定したサブブロックにブロックを分割して符号化/復号することについて開示も示唆もありません。」 また、審判請求人は、令和3年3月4日付け審判請求書において、以下の主張を行っている。 「第2パーティションは、第1パーティションと異なり、ブロックを同一サイズの4つのサブブロックに分割するパーティションを含みません。そして、このような第1パーティション及び第2パーティションを用いて特定されたサブブロックにブロックが分割されます。 これに対して、引用文献1には、このような「第1パーティション」又は「第2パーティション」を用いて特定されたサブブロックにブロックを分割して符号化/復号することについて開示も示唆もありません。」 そこで、当該主張について検討する。 上記(5)において説示したとおり、引用発明において、符号化ユニットを4つの予測ユニットに分割する、ないし、3つの予測ユニットに分割するために必要な区分を示す情報を用いることは、当業者にとって当然になすべき事項にすぎず、これらが本件発明における「ブロックを4(3)つのサブブロックに分割」するための「第1(2)パーティション」に他ならない。 また、符号化ユニットを3つの予測ユニットに分割するために必要な区分を示す線分は、符号化ユニットを同一サイズの4つの予測ユニットに分割するものではないことは自明であり、本件発明同様に「前記第2パーティションは、前記ブロックを同一のサイズの4つのサブブロックに分割するパーティションを含ま」ないといえる。 以上のとおりであるから、審判請求人の主張は採用できない。 第4 むすび 以上のとおり、本件発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-002888

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