商標拒絶査定不服審判
2025-007785
ショクモツセンイノチカラ、チカラ、リキ、リョク
- 審判番号
- 2025-007785
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-067649
- 請求日
- 2025年05月20日
- 審決日
- 2025年10月20日
- 公報発行日
- 2026年01月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社山田養蜂場本社
- 【請求人代理人】長谷川 芳樹
- 【請求人代理人】黒川 朋也
- 【請求人代理人】國重 充代
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024-67649拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年6月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 2月28日付け:拒絶理由通知書
令和7年 3月18日 :意見書の提出
令和7年 4月17日付け:拒絶査定
令和7年 5月20日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「食物繊維の力」の文字を標準文字で表してなり、第5類「食物繊維を含有したサプリメント,食物繊維を含有した栄養補助食品」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「食物繊維」と「力」の文字の間に助詞「の」を配して、一連に「食物繊維の力」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「食物繊維」の文字は、「食物成分の中で、人の消化酵素では消化できないものの総称。」等の意味を有する語であり、「力」の文字は、「ききめ。効果。効力。」等の意味を有する語である。そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、食物繊維が有する効力を用いた商品や食物繊維の効力を謳った商品が提供されている実情が認められ、また、そのような商品に本願商標「食物繊維の力」やそれに通じる「食物繊維のチカラ」の文字が使用されている実情が認められる。これらを考慮すれば、本願商標は、全体として「食物繊維の効力」ほどの意味合いが生じるというのが相当である。そうすると、本願商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、「食物繊維の効力を有する商品」であること、すなわち、単に商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「食物繊維の力」の文字を標準文字で表してなるところ、「食物繊維」の文字は「人間の消化酵素では消化されない、食品中の難消化成分の総称。植物の細胞壁を構成するセルロース・ヘミセルロースなど不溶性のものと、水溶性のペクチン・マンナンなど。」を、「力」の文字は「ききめ。効能。」等(いずれも出典は「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)をそれぞれ意味する語であるから、「食物繊維」と「力」の文字を格助詞「の」で結合してなる本願商標は、その構成全体から、「食物繊維の効能」ほどの意味合いを容易に想起させるものである。
そして、本願の指定商品に関連する分野において、原審提示の情報に加えて、別掲1のインターネット情報が示すとおり、食物繊維の有する効果、効能に着目して、食物繊維を原材料とする商品が販売され、その効果、効能を謳う商品が存在し、別掲2のインターネット情報が示すとおり、「食物繊維の力(ちから、チカラ)」の文字が、食物繊維を含有した商品の効能(ききめ)を表す語として、広く使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が「食物繊維の効能を有する商品」であること、すなわち、商品の品質、効能を表示した語であると理解するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「力」の語が、辞書の記載によれば、きわめて多岐にわたる意味を有する語であるから、本願商標の構成中の「力」の語は、原査定で指摘されている「ききめ。効果。効力。」の意味を含むとしても、商標全体として「食物繊維の体力」等の多様な解釈が可能であって、また、本願商標は、「力」という名詞で終止していることから、食物繊維の力によってどのようになるのかは、需要者が自由に想像を膨らませるものであって、請求人による意味の曖昧な造語と解すべき旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、食物繊維の有する効果、効能に着目して、食物繊維を原材料とする商品が販売され、その効果、効能を謳う商品が存在し、「食物繊維の力(ちから、チカラ)」の文字が、食物繊維を含有した商品の効能(ききめ)を表す語として、広く使用されている実情に照らせば、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、請求人が主張する「食物繊維の体力」等の複数の意味合いを認識するというよりは、一義的に「食物繊維の効能」程の意味合いを認識、理解するというのが相当である。
イ 請求人は、本願の指定商品の属する分野において、飲食材料の普通名称の後に「の力」、「のチカラ」、「のちから」を結合させた商標が多数登録されている事実から、「の力」、「のチカラ」、「のちから」の文字が品質表示ではないことを裏付けている旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その指定商品又は指定役務の分野における取引の実情等を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、原審や別掲1及び別掲2で提示した取引実情や判断時も異なるという点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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