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商標異議申立

2020-900169

キュリエル、クリエル、クリール

審判番号
2020-900169
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-078134
登録番号
商標登録第6245666号(T6245666)
請求日
2020年07月10日
審決日
2020年11月10日
公報発行日
2020年12月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】クリエル リミテッド
  • 【権利者代理人】磯田 一真
  • 【異議申立人】花王 株式会社
  • 【異議申立人代理人】小川 雅也
審判長/審判官
  • 審判長 半田 正人
  • 審判官 大森 友子
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T1651.261-Y (W03) / T1651.262-Y (W03) / T1651.263-Y (W03) / T1651.271-Y (W03)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第10条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

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登録第6245666号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6245666号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第6245666号商標(以下「本件商標」という。)は、「CURIEL」の欧文字を横書きしてなり、平成29年9月12日に登録出願された商願2017-120834号を原出願とする、商標法第10条第1項の規定による分割出願として、同30年6月13日に登録出願、第3類「固形せっけん,脱色剤(化粧用のもの),靴クリーム、研磨剤(研磨用補助液及び歯科用のものを除く。),精油,化粧品,香水,歯磨き,香木,愛玩動物用化粧品、芳香剤」を指定商品として、令和2年3月25日に登録査定され、同年4月15日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして、引用する商標は以下の商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)。 (1)登録第2114621号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和60年1月24日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録されたものであり、その後、その指定商品は、同21年4月22日の指定商品の書換登録により、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」とされた。 (2)登録第4330133号商標(以下「引用商標2」という。)は、「キュレル」の片仮名を標準文字で表してなり、平成10年12月11日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」及び第5類「薬剤」を指定商品として、同11年10月29日に設定登録されたものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第36号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 外観について 本件商標は、欧文字表記で「CURIEL」と書してなるのに対して、引用商標1の欧文字表記部分は、「CUREL」(「E」の文字にはアクセント記号が付されている。以下同じ。)と書してなるところ、語頭の「CUR」と語尾の「L」の構成文字を共通にし、差異は「I」の文字の有無と「E」のアクサンテギュの有無という微差だけである。これらの差異が外観に与える影響はさほど大きいとはいえず、互いに構成文字が5文字又は6文字程度であり、実質的には中間の「I」の一字の差異しかないため、時と処を異にする離隔観察においては、両商標を見誤る可能性は高く、外観上類似する。 また、せっけん類や化粧品に関する商品流通において需要者は、例えば店頭販売では商品の陳列棚の商品のパッケージを見て、そして、通信販売やインターネットを介した商品の販売では紙面やウェブ上の商品の画像を見て購入するのが常であり、商品の外観が商品選択において多大なる影響を持っている実情がある。 これら取引の実情によれば、本件商標の指定商品の分野では、商品選択の場における外観が占める割合は高く、引用商標と外観が紛らわしい本件商標を、需要者がその相違部分(「I」の有無及びアクサンテギュの有無という微差)を記憶にとどめ、視覚上判別するのは困難であり、相紛れるおそれがある。 イ 称呼について 本件商標は、欧文字表記で「CURIEL」と書してなるところ、これより「キュリエル」の称呼が生じ、他方、引用商標は、「キュレル」の称呼が生じる。 本件商標と引用商標の称呼を比較すると、語頭と語尾の音(「キュ」と「ル」)を共通にし、「リエ」と「レ」の2音しか相違しない。また、称呼全体が4音と3音と短い音構成であるから、早口で発音され易く、その場合「リエ」の発音は「レ」の発音に限りなく近づくから、必ずしも一音ごとに区切って正確に発音されるとは限らない商取引においては、聴き誤るおそれがある。 さらに、「リ」と「レ」はともにラ行に属し、母音「i」と「e」は調音位置、調音方法が近似すること、また、「エ」は前に位置する「リ」が強く発音されることにより「リ」に吸収されて明確に聴取され難いことを併せ考慮すると、全体の音調、音感が近似し、称呼上類似する。 ウ 観念について 本件商標と引用商標は、ともに一般の辞書に記載がなく、取引者、需要者は、特定の観念を生じない一種の造語と認識するから、観念は比較できない。このように観念が比較できないことにより、称呼及び外観の類似性が助長される。 本件商標及び引用商標はともに造語であるから、観念により識別はできず、必然的にその称呼や外観により識別することとなり、混同が生じやすい。 エ 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは、観念において比較できず、互いに類似の称呼が生じ、外観が類似するため、各要素を総合的に考慮すると、互いに類似する。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 引用商標の使用状況について (ア)申立人は、「キュレル」、「Curel」のブランド名で、長年にわたり、せっけん類、化粧品を中心に製造販売している。1999年に発売開始以来、現在に至るまでの間、一度も中断せずに「キュレル」(Curel)ブランド(以下「キュレルブランド」という。)で商品を提供し、アジア各国での商品展開もしている(甲7)。 キュレルブランドは、乾燥性敏感肌をコンセプトに、現在は全70アイテムの様々な商品展開をしており(甲8~甲18)、その品質の高さから、敏感肌を対象とするコスメ市場ではほぼ独占的な市場占有率を誇り、その人気から賞も受賞している(甲19)。 (イ)販売地域に関しては、キュレルブランドの商品は、日本全国で販売されており、取扱う販売店も薬局、ドラックストア等多数にのぼる。 (ウ)販売数量、売上高に関し、マスキング処理を施した資料を提出する(甲20、甲21)。 (エ)宣伝広告に関しては、テレビCM、電車内広告、SNS等各種メディアで幅広く広告を展開している(甲22~甲28)。 イ 出所の混同を生ずるおそれ (ア)申立人は、上記のとおり、キュレルブランドとして各種商品を長年にわたり製造販売し、シェアを確立しており、また、引用商標以外にも「Curel」と関連する商標登録をしており(甲29~甲34)、キュレルブランドの付された各種商品が継続して提供され、その強い出所識別機能が現在に至るまで継続している。 そうすると、本件商標の指定商品の分野においては、引用商標は、取引者・需要者の間に広く認識され、全国的に著名性を獲得している。 (イ)本件商標は、引用商標とは外観が近似し、類似の称呼が生ずるから、これを付したせっけん類、化粧品等の商品が市場に投入される場合、申立人との間で現実の出所の混同が生ずるおそれは高い。 現に、我が国のインターネット検索エンジンにおいて、「CURIEL」と「化粧品」を検索すると、「もしかして:CUREL」と表示される(甲35)。これは、コンピューター上でも本件商標が申立人のブランド「Curel」と類似と判断していることから生じている。 (ウ)このように既に現実の出所の混同が生じており、特に需要者層においては、本件商標が使用された場合、申立人又は申立人の系列に属する者が提供する商品であると誤信する可能性は高い。 (4)むすび 上記のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標で、その指定商品も同一又は類似する商品を含むから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 また、本件商標は、その指定商品に使用された場合、その取引者、需要者が申立人の業務に係る商品と出所を混同するおそれは高く、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標について 本件商標は、上記1のとおり、「CURIEL」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「キュリエル」又は「クリエル」の称呼が生じるものの、当該欧文字は特定の意味を有する成語ではないから、特定の観念を生じない。 イ 引用商標について 引用商標1は、別掲のとおり、「CUREL」(「E」の文字にはアクセント記号が付されている。)の欧文字及び「キュレル」の片仮名を上下二段に表してなるところ、下段の片仮名部分は、上段の欧文字部分の読み仮名に相当すると理解できるから、その構成文字に相応して「キュレル」の称呼を生じるが、当該文字は特定の意味を有する成語ではないから、特定の観念を生じない。 また、引用商標2は、上記2(2)のとおり、「キュレル」の片仮名を標準文字で表してなるところ、当該片仮名に相応する称呼を生じるが、当該文字は特定の意味を有する成語ではないから、特定の観念を生じない。 ウ 本件商標と引用商標の比較 (ア)本件商標と引用商標を比較すると、その外観においては、構成文字(欧文字と片仮名、欧文字部分の4文字目の「I」の文字の有無)や構成態様の差異に加えて、本件商標と引用商標1の欧文字部分を比較しても、引用商標1の欧文字部分はアクセント記号を付した文字を含むことから、フランス語風の語であるとの印象を与えるもので、互いに異なる語を表したものと容易に認識できるから、本件商標と引用商標の外観における判別は容易である。 (イ)そして、称呼においては、本件商標の「クリエル」の称呼と引用商標の「キュレル」の称呼は、構成音が明らかに相違するため聴別は容易である。 また、本件商標の「キュリエル」の称呼と引用商標の称呼は、2音目及び3音目における「リエ」の音と「レ」の音に明瞭な差異があり、比較的短い音構成(4音又は3音)の中では当該差異音が称呼全体に与える影響は大きいから、語頭と語尾の音(「キュ」、「ル」)が共通するとしても、互いの語調、語感が異なるものとなり、聴別は容易である。 (ウ)さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから、比較できない。 (エ)以上を踏まえると、本件商標は、引用商標とは、外観及び称呼において容易に判別できるから、観念において比較できないとしても、それらから生じる記憶や印象を総合すれば、互いに別異の商標と認識されるもので、その指定商品に係る需要者及び取引者の間において誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とは認められない。 エ 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、その指定商品が同一又は類似するかを検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 引用商標の周知性について 申立人は、1999年に乾燥性敏感肌をコンセプトにしたキュレルブランドを立ち上げ(甲7)、フェイスケア・ボディケア・ヘアケアと関連する商品を展開(甲8~甲18)しており、それら商品の包装容器には、引用商標1の欧文字部分とつづりを共通にする「Curel」(「e」の文字にはアクセント記号が付されている。)(以下「申立人商標」という。)の欧文字が表示されている。 そして、キュレルブランドの商品は、累計出荷数が1540万個(2002年9月~2019年12月)を超え、敏感肌化粧品としては2016年から2019年にかけて売上が1位であって(甲19)、テレビCM、電車内広告、新聞雑誌、SNS等を通じた広告実績(甲22~甲28)があることが認められる。 そうすると、キュレルブランドは、「敏感肌化粧品」として一定程度の販売実績や広告実績があるとしても、その売上規模が化粧品市場全体に占める割合は明らかではないこと、その商品コンセプトから購入者層は比較的限定されると考えられること、一般消費者に対する大規模かつ顕著な広告宣伝実績を示す具体的な証拠が発見できないことを踏まえると、キュレルブランドに付されている申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品として一定の範囲の需要者層にある程度知られているとしても、化粧品の購入者層である一般消費者(一般需要者)の間において、広く知られているものとは認められない。 イ 検討 申立人商標は、上記アのとおり、我が国において一定程度の範囲における限定的な周知性を備えるとしても、一般需要者の間において広く知られているものではなく、なにより、本件商標と申立人商標(及び引用商標)は、上記(1)ウのとおり、互いに別異な商標と認識されるものであるから、本件商標をその指定商品について使用するときであっても、その需要者及び取引者をして、申立人商標(又は引用商標)を想起又は連想させることは考え難く、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはない。 ウ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)結論 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2020-900169

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