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特許異議申立

2020-700702

売上データ処理装置およびプログラム

審判番号
2020-700702
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2016-041222
登録番号
6666547
請求日
2020年09月16日
審決日
2022年05月10日
公報発行日
2022年08月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】カシオ計算機株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
  • 【異議申立人】中島 健
審判長/審判官
  • 審判長 一ノ瀬 覚
  • 審判官 佐々木 一浩
  • 審判官 出口 昌哉
分類
P1651.121-YAA(G07G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第120条の5第5項、特許法第126条第7項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6666547号発明「売上データ処理装置およびプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6666547号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕、4、5について訂正することを認める。 特許第6666547号の請求項1~5に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6666547号の請求項1~5に係る特許についての出願は、平成28年3月3日の出願であって、令和2年2月26日にその特許権の設定登録がされ、同年3月18日に特許掲載公報が発行された。その後、同年9月16日にその請求項1~5に係る特許について、特許異議申立人中島健(以下「特許異議申立人」という。)より特許異議申立書が提出された。 特許異議申立て以降の手続きの経緯は以下のとおりである。 令和2年 9月16日 特許異議申立書 令和3年 1月28日付け 取消理由通知書 同年 4月 1日 意見書・訂正請求書(特許権者) 同年 5月13日付け 訂正請求があった旨の通知書 (特許法第120条の5第5項) 同年 6月 9日 意見書(特許異議申立人) 同年11月 4日付け 取消理由通知書(決定の予告) 同年12月21日 意見書・訂正請求書(特許権者) 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和3年12月21日にされた訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕、4、5について訂正することを求めるものであり、その内容は以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 訂正前の請求項1に 「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を第1の税率を適用して更新表示させる表示制御手段と、 前記一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段と、 前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、 を備え、 前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後に前記取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第1の税率とは異なる第2の税率が適用された税込小計金額を表示させる、 ことを特徴とする売上データ処理装置。」 とあるのを、 「店員によって操作される売上データ処理装置であって、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段と、 前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、 前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、 を備え、 前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記操作を受け付け、 前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる、 ことを特徴とする売上データ処理装置。」 に訂正する。 (2)訂正事項2 訂正前の請求項2に 「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を第1の税率を適用して更新表示させる表示制御手段と、 前記一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段と、 前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、 を備え、 前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後に前記取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された消費税合計額に代えて前記第1の税率とは異なる第2の税率が適用された消費税合計額を表示させる、 ことを特徴とする売上データ処理装置。」 とあるのを、 「店員によって操作される売上データ処理置であって、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段と、 前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、 前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、 を備え、 前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記操作を受け付け、 前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる、 ことを特徴とする売上データ処理装置。」 に訂正する。 (3)訂正事項3 訂正前の範囲の請求項3に 「前記第1の税率は、前記第2の税率よりも高い税率に設定されている、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の売上データ処理装置。」 とあるのを、 「前記標準税率は、前記軽減税率よりも高い税率に設定されている、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の売上データ処理装置。」 に訂正する。 (4)訂正事項4 訂正前の請求項4に 「売上データ処理装置のコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を第1の税率を適用して更新表示させる表示制御手段、 所定のユーザ操作に基づいて前記一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段、 所定のユーザ操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、 として機能させ、 前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後に前記取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第1の税率とは異なる第2の税率が適用された税込小計金額を表示させる、 ことを特徴とするプログラム。」 とあるのを、 「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段、 前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、 前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、 として機能させ、 前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け、 前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる、 ことを特徴とするプログラム。」 に訂正する。 (5)訂正事項5 訂正前の請求項5に 「売上データ処理装置のコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を第1の税率を適用して更新表示させる表示制御手段、 所定のユーザ操作に基づいて前記一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段、 所定のユーザ操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、 として機能させ、 前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後に前記取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された消費税合計額に代えて前記第1の税率とは異なる第2の税率が適用された消費税合計額を表示させる、 ことを特徴とするプログラム。」 とあるのを、 「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段、 前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、 前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、 として機能させ、 前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け、 前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる、 ことを特徴とするプログラム。」 に訂正する。 (6)訂正事項6 本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、本件特許の願書に添付した図面を「本件図面」、さらに特許請求の範囲、明細書及び図面を合わせたものを「本件明細書等」という。)の段落【0010】に 「上述した課題を解決するために、本発明に係る第1の態様の売上データ処理装置は、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を第1の税率を適用して更新表示させる表示制御手段と、前記一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段と、前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後に前記取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第1の税率とは異なる第2の税率が適用された税込小計金額を表示させる、ことを特徴とする。 また、本発明に係る第2の態様の売上データ処理装置は、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を第1の税率を適用して更新表示させる表示制御手段と、前記一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段と、前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後に前記取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された消費税合計額に代えて前記第1の税率とは異なる第2の税率が適用された消費税合計額を表示させる、ことを特徴とする。 また、本発明に係る第1の態様のプログラムは、売上データ処理装置のコンピュータを、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を第1の税率を適用して更新表示させる表示制御手段、所定のユーザ操作に基づいて前記一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段、所定のユーザ操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、として機能させ、前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後に前記取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第1の税率とは異なる第2の税率が適用された税込小計金額を表示させる、ことを特徴とする。 また、本発明に係る第2の態様のプログラムは、売上データ処理装置のコンピュータを、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を第1の税率を適用して更新表示させる表示制御手段、所定のユーザ操作に基づいて前記一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段、所定のユーザ操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、として機能させ、前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後に前記取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された消費税合計額に代えて前記第1の税率とは異なる第2の税率が適用された消費税合計額を表示させる、ことを特徴とする。」 とあるのを、 「上述した課題を解決するために、本発明に係る第1の態様の売上データ処理装置は、店員によって操作される売上データ処理装置であって、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段と、前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、を備え、前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記操作を受け付け、前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる、ことを特徴とする。 また、本発明に係る第2の態様の売上データ処理装置は、店員によって操作される売上データ処理装置であって、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段と、前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、を備え、前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記操作を受け付け、前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる、ことを特徴とする。 また、本発明に係る第1の態様のプログラムは、店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段、前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、として機能させ、前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け、前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる、ことを特徴とする。 また、本発明に係る第2の態様のプログラムは、店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段、前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、として機能させ、前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け、前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる、ことを特徴とする。」 に訂正する。 (7)明細書の訂正に係る請求項について 訂正事項6は、訂正前の請求項1、2、4及び5に関連して請求されたものである。 (8)一群の請求項について 本件訂正は、一群の請求項〔1-3〕、4、5に対して請求されたものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的の適否 (ア)訂正事項1のうち、第1段落の「店員によって操作される売上データ処理装置であって、」とする訂正は、訂正前の請求項1における「売上データ処理装置」の操作主体が「店員」であることを特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)訂正事項1のうち、第2段落の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段と、」とする訂正は、訂正前の請求項1における「一取引における税込小計金額」に適用する税率を「消費税率に標準税率を適用」したものに特定するとともに、この「税込小計金額」の表示先を「客用表示部」に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (ウ)訂正事項1のうち、第3段落の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」とする訂正は、訂正前の請求項1における「一取引での取引形態」を「消費税率に軽減税率が適用される取引形態」に特定するとともに、「取引形態受付手段」が受け付ける対象を「取引種別キーに対する操作」に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (エ)訂正事項1のうち、第5段落の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記操作を受け付け、」とする訂正は、訂正前の請求項1における「締め受付手段」による一取引の締めの受け付けと、「取引形態受付手段」の操作の受け付けとの順番を具体的に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (オ)訂正事項1のうち、第6段落の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる、」とする訂正は、訂正前の請求項1における「締め受付手段」による一取引の締めの受け付けと、「取引形態受付手段」の操作の受け付けとの順番を具体的に特定し、「所定の取引形態の指定」が「前記操作」であることを特定し、「税込小計金額」に適用する税率について「第1の税率」が「標準税率」であることを特定し、「第1の税率とは異なる第2の税率」が「軽減税率」であることを特定し、「税込小計金額」の表示先が「客用表示部」であることを特定して、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (ア)訂正事項1のうち、第1段落の「店員によって操作される売上データ処理装置であって、」なる事項は、本件明細書の段落【0047】の「店員は、売上データ処理装置1の操作者となり、売上データ処理装置1を操作する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (イ)訂正事項1のうち、第2段落の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」なる事項は、本件明細書の段落【0027】の「制御プログラムPrは、CPU11に、複数税率の消費税に対応した会計処理を実行させるためのプログラムである。売上データ処理装置1のCPUは、・・・、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における小計金額や税額を更新表示させる表示制御手段や、・・・として機能する。」なる記載、段落【0052】の「ステップS1で、操作されたキーがPLUキー181(図2参照)であると判定された場合に、売上データ処理装置1は、商品番号の受付が完了したと認識し、・・・、売上データ処理装置1は、ステップS7で、標準税率を適用した場合の小計金額と税額とを算出し、ステップS8で、表示部14と客用表示部15とに標準税率を適用した場合の小計金額と税額とを表示する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (ウ)訂正事項1のうち、第3段落の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」なる事項は、本件明細書の段落【0021】の「取引種別を指定する・・・ための取引種別キー182」なる記載、段落【0027】の「売上データ処理装置1のCPUは、一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段、・・・として機能する。」なる記載、段落【0031】の「『出前』取引に対応するデータとして、『金額算出式3』という算出方法規定データが算出方法欄に登録されている。また、『持ち帰り』取引に対応するとして、『金額算出式3』という算出方法規定データデータが算出方法欄に登録されている。」なる記載、段落【0035】の「また、金額算出式3に対応するデータとして、・・・、『軽減税率』という適用税率データ、及び、『金額=商品の本体価格×(100+軽減税率(%))/100』という金額算出式規定データが、・・・登録されている。」なる記載、段落【0056】の「操作されたキーが出前キー182a(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS14で、・・・出前取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・出前取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0057】の「操作されたキーが持ち帰りキー182b(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS15で、・・・持ち帰り取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・持ち帰り取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (エ)訂正事項1のうち、第5段落の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引にする締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記操作を受け付け、」なる事項は、本件明細書の段落【0097】の「(c)取引形態受付手段は、締め受付手段により一取引に対する締めが受け付けられた後に取引形態の指定を受け付ける。」なる記載、図7A~図8Bそれぞれの上から3番目及び4番目の表示例に基づいて導き出される事項である。 (オ)訂正事項1のうち、第6段落の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後に前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる、」なる事項は、本件明細書の段落【0056】の「操作されたキーが出前キー182a(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS14で、取引用の算出式の使用を決定する。この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・出前取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0057】の「操作されたキーが持ち帰りキー182b(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS15で、・・・持ち帰り取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・持ち帰り取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0059】の「ステップS17の後、売上データ処理装置1は、ステップS18で、表示部14と客用表示部15とに算出された最終的な会計金額と最終的な税額とを表示する。」なる記載、段落【0060】の「このようなステップS11~S18の処理は、取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合には、第1の税率が適用された小計金額に代えて第1の税率とは異なる第2の税率が適用された小計金額を表示させる処理となっている。なお、本実施形態では、『第1の税率』が『標準税率』となっており、『第2の税率』が『軽減税率』となっている。」なる記載、図7A~図8Bそれぞれの上から3番目及び4番目の表示例に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項1は、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的の適否 (ア)訂正事項2のうち、第1段落の「店員によって操作される売上データ処理装置であって、」とする訂正は、訂正前の請求項2における「売上データ処理装置」の操作主体が「店員」であることを特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)訂正事項2のうち、第2段落の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段と、」とする訂正は、訂正前の請求項2における「一取引における消費税合計額」に適用する税率を「消費税率に標準税率を適用し」たものに特定するとともに、「消費税合計額」の表示先を「客用表示部」に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (ウ)訂正事項2のうち、第3段落の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」とする訂正は、訂正前の請求項2における「一取引での取引形態」を「消費税率に軽減税率が適用される取引形態」に特定するとともに、「取引形態受付手段」が受け付ける対象を「取引種別キーに対する操作」に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (エ)訂正事項2のうち、第5段落の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記操作を受け付け、」とする訂正は、訂正前の請求項2における「締め受付手段」による一取引の締めの受け付けと、「取引形態受付手段」の操作の受け付けとの順番を具体的に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (オ)訂正事項2のうち、第6段落の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる、」とする訂正は、訂正前の請求項2における「締め受付手段」による一取引の締めの受け付けと、「取引形態受付手段」の操作の受け付けとの順番を具体的に特定し、「所定の取引形態の指定」が「前記操作」であることを特定し、「消費税合計額」に適用する税率について「第1の税率」が「標準税率」であることを特定し、「第1の税率とは異なる第2の税率」が「軽減税率」であることを特定し、「消費税合計額」の表示先が「客用表示部」であることを特定して、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (ア)訂正事項2のうち、第1段落の「店員によって操作される売上データ処理装置であって、」なる事項は、本件明細書の段落【0047】の「店員は、売上データ処理装置1の操作者となり、売上データ処理装置1を操作する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (イ)訂正事項2のうち、第2段落の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」なる事項は、本件明細書の段落【0027】の「制御プログラムPrは、CPU11に、複数税率の消費税に対応した会計処理を実行させるためのプログラムである。売上データ処理装置1のCPUは、・・・、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における小計金額や税額を更新表示させる表示制御手段や、・・・として機能する。」なる記載、段落【0052】の「ステップS1で、操作されたキーがPLUキー181(図2参照)であると判定された場合に、売上データ処理装置1は、商品番号の受付が完了したと認識し、・・・、売上データ処理装置1は、ステップS7で、標準税率を適用した場合の小計金額と税額とを算出し、ステップS8で、表示部14と客用表示部15とに標準税率を適用した場合の小計金額と税額とを表示する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (ウ)訂正事項2のうち、第3段落の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」なる事項は、【0021】の「取引種別を指定する・・・ための取引種別キー182」なる記載、段落【0027】の「売上データ処理装置1のCPUは、一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段、・・・として機能する。」なる記載、段落【0031】の「『出前』取引に対応するデータとして、『金額算出式3』という算出方法規定データが算出方法欄に登録されている。また、『持ち帰り』取引に対応するとして、『金額算出式3』という算出方法規定データデータが算出方法欄に登録されている。」なる記載、段落【0035】の「また、金額算出式3に対応するデータとして、・・・、『軽減税率』という適用税率データ、及び、『金額=商品の本体価格×(100+軽減税率(%))/100』という金額算出式規定データが、・・・登録されている。」なる記載、段落【0056】の「操作されたキーが出前キー182a(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS14で、・・・出前取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・出前取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0057】の「操作されたキーが持ち帰りキー182b(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS15で、・・・持ち帰り取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・持ち帰り取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (エ)訂正事項2のうち、第5段落の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引にする締めが受け付けられた後であって客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記操作を受け付け、」なる事項は、本件明細書の段落【0097】の「(c)取引形態受付手段は、締め受付手段により一取引に対する締めが受け付けられた後に取引形態の指定を受け付ける。」なる記載、図7A~図8Bそれぞれの上から3番目及び4番目の表示例に基づいて導き出される事項である。 (オ)訂正事項2のうち、第6段落の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる、」なる事項は、本件明細書の段落【0056】の「操作されたキーが出前キー182a(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS14で、取引用の算出式の使用を決定する。この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・出前取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0057】の「操作されたキーが持ち帰りキー182b(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS15で、・・・持ち帰り取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・持ち帰り取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0059】の「ステップS17の後、売上データ処理装置1は、ステップS18で、表示部14と客用表示部15とに算出された最終的な会計金額と最終的な税額とを表示する。」なる記載、段落【0060】の「このようなステップS11~S18の処理は、取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合には、第1の税率が適用された小計金額に代えて第1の税率とは異なる第2の税率が適用された小計金額を表示させる処理となっている。なお、本実施形態では、『第1の税率』が『標準税率』となっており、『第2の税率』が『軽減税率』となっている。」なる記載、図7A~図8Bそれぞれの上から3番目及び4番目の表示例に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項2は、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的について 訂正事項3の「前記標準税率は、前記軽減税率よりも高い税率に設定されている、」とする訂正は、訂正前の請求項3における「税率」について、「標準税率」が「軽減税率」よりも高いことを特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項3の「前記標準税率は、前記軽減税率よりも高い税率に設定されている」なる事項は、段落【0018】の「本実施形態では、税率の数が、例えば税率を10%とする『標準税率』と、例えば税率を8%とする『軽減税率』との2つである場合を想定して説明する。」なる記載及び段落【0060】の「本実施形態では、『第1の税率』が『標準税率』となっており、『第2の税率』が『軽減税率』となっている。」等の記載に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項3は、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的について (ア)訂正事項4のうち、第1段落の「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、」とする訂正は、訂正前の請求項4における「売上データ処理装置」の操作主体が「店員」であることを特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)訂正事項4のうち、第2段落の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段、」とする訂正は、訂正前の請求項4における「一取引における消費税合計額」に適用する税率を「消費税率に標準税率を適用し」たものに特定するとともに、「消費税合計額」の表示先を「客用表示部」に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (ウ)訂正事項4のうち、第3段落の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、」とする訂正は、訂正前の請求項4における「一取引での取引形態」を「消費税率に軽減税率が適用される取引形態」に特定するとともに、「取引形態受付手段」が受け付ける対象を「取引種別キーに対する前記店員による第1の操作」に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (エ)訂正事項4のうち、第4段落の「前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、」とする訂正は、訂正前の請求項4における「所定のユーザ操作」が、「前記店員による第2の操作」であることを特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (オ)訂正事項4のうち、第5段落の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け、」とする訂正は、訂正前の請求項4における「締め受付手段」による一取引の締めの受け付けと、「取引形態受付手段」の操作の受け付けとの順番を具体的に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (カ)訂正事項4のうち、第6段落の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる、」とする訂正は、訂正前の請求項4における「締め受付手段」による一取引の締めの受け付けと、「取引形態受付手段」の操作の受け付けとの順番を具体的に特定し、「所定の取引形態の指定」が「前記第1の操作」であることを特定し、「税込小計金額」に適用する税率について「第1の税率」が「標準税率」であることを特定し、「第1の税率とは異なる第2の税率」が「軽減税率」であることを特定し、「税込小計金額」の表示先が「客用表示部」であることを特定して、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (ア)訂正事項4のうち、第1段落の「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、」なる事項は、本件明細書の段落【0047】の「店員は、売上データ処理装置1の操作者となり、売上データ処理装置1を操作する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (イ)訂正事項4のうち、第2段落の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段、」なる事項は、本件明細書の段落【0027】の「制御プログラムPrは、CPU11に、複数税率の消費税に対応した会計処理を実行させるためのプログラムである。売上データ処理装置1のCPUは、・・・、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における小計金額や税額を更新表示させる表示制御手段や、・・・として機能する。」なる記載、段落【0052】の「ステップS1で、操作されたキーがPLUキー181(図2参照)であると判定された場合に、売上データ処理装置1は、商品番号の受付が完了したと認識し、・・・、売上データ処理装置1は、ステップS7で、標準税率を適用した場合の小計金額と税額とを算出し、ステップS8で、表示部14と客用表示部15とに標準税率を適用した場合の小計金額と税額とを表示する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (ウ)訂正事項4のうち、第3段落の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、」なる事項は、段落【0021】の「取引種別を指定する・・・ための取引種別キー182」なる記載、段落【0027】の「売上データ処理装置1のCPUは、一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段、・・・として機能する。」なる記載、段落【0031】の「『出前』取引に対応するデータとして、『金額算出式3』という算出方法規定データが算出方法欄に登録されている。また、『持ち帰り』取引に対応するとして、『金額算出式3』という算出方法規定データデータが算出方法欄に登録されている。」なる記載、段落【0035】の「また、金額算出式3に対応するデータとして、・・・『軽減税率』という適用税率データ、及び、『金額=商品の本体価格×(100+軽減税率(%))/100』という金額算出式規定データが、・・・登録されている。」なる記載、段落【0047】の「・・・店員は、売上データ処理装置1の操作者となり、売上データ処理装置1を操作する。・・・」なる記載、段落【0056】の「・・・操作されたキーが出前キー182a(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS14で、・・・出前取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・出前取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0057】の「操作されたキーが持ち帰りキー182b(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS15で、・・・持ち帰り取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・持ち帰り取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載等に基づいて導き出される事項である。 (エ)訂正事項4のうち、第4段落の「前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、」なる事項は、段落【0023】の「本実施形態では、小計キー183aが各取引での締め処理を行う締めキーとして機能するものとして説明する。」なる記載、段落【0047】の「店員は、売上データ処理装置1の操作者となり、売上データ処理装置1を操作する。」なる記載等に基づいて導き出される事項である。 (オ)訂正事項4のうち、第5段落の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け、」なる事項は、本件明細書の段落【0097】の「(c)取引形態受付手段は、締め受付手段により一取引に対する締めが受け付けられた後に取引形態の指定を受け付ける。」なる記載、図7A~図8Bそれぞれの上から3番目及び4番目の表示例に基づいて導き出される事項である。 (カ)訂正事項4のうち、第6段落の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる、」なる事項は、本件明細書の段落【0056】の「操作されたキーが出前キー182a(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS14で、取引用の算出式の使用を決定する。この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・出前取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0057】の「操作されたキーが持ち帰りキー182b(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS15で、・・・持ち帰り取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・持ち帰り取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0059】の「ステップS17の後、売上データ処理装置1は、ステップS18で、表示部14と客用表示部15とに算出された最終的な会計金額と最終的な税額とを表示する。」なる記載、段落【0060】の「このようなステップS11~S18の処理は、取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合には、第1の税率が適用された小計金額に代えて第1の税率とは異なる第2の税率が適用された小計金額を表示させる処理となっている。なお、本実施形態では、『第1の税率』が『標準税率』となっており、『第2の税率』が『軽減税率』となっている。」なる記載、図7A~図8Bそれぞれの上から3番目及び4番目の表示例に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項4は、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的について (ア)訂正事項5のうち、第1段落の「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、」とする訂正は、訂正前の請求項5における「売上データ処理装置」の操作主体が「店員」であることを特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)訂正事項5のうち、第2段落の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段、」とする訂正は、訂正前の請求項5における「一取引における税込小計金額」に適用する税率を「消費税率に標準税率を適用」したものに特定するとともに、この「税込小計金額」の表示先を「客用表示部」に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (ウ)訂正事項5のうち、第3段落の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、」とする訂正は、訂正前の請求項5における「一取引での取引形態」を「消費税率に軽減税率が適用される取引形態」に特定するとともに、「取引形態受付手段」が受け付ける対象を「取引種別キーに対する前記店員による第1の操作」に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (エ)訂正事項5のうち、第4段落の「前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、」とする訂正は、訂正前の請求項5における「所定のユーザ操作」が、「前記店員による第2の操作」であることを特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (オ)訂正事項5のうち、第5段落の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け、」とする訂正は、訂正前の請求項5における「締め受付手段」による一取引の締めの受け付けと、「取引形態受付手段」の操作の受け付けとの順番を具体的に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (カ)訂正事項5のうち、第6段落の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる、」とする訂正は、訂正前の請求項5における「締め受付手段」による一取引の締めの受け付けと、「取引形態受付手段」の操作の受け付けとの順番を具体的に特定し、「所定の取引形態の指定」が「前記第1の操作」であることを特定し、「税込小計金額」に適用する税率について「第1の税率」が「標準税率」であることを特定し、「第1の税率とは異なる第2の税率」が「軽減税率」であることを特定し、「消費税合計額」の表示先が「客用表示部」であることを特定して、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (ア)訂正事項5のうち、第1段落の「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、」なる事項は、本件明細書の段落【0047】の「店員は、売上データ処理装置1の操作者となり、売上データ処理装置1を操作する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (イ)訂正事項5のうち、第2段落の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段、」なる事項は、本件明細書の段落【0027】の「制御プログラムPrは、CPU11に、複数税率の消費税に対応した会計処理を実行させるためのプログラムである。売上データ処理装置1のCPUは、・・・、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における小計金額や税額を更新表示させる表示制御手段や、・・・として機能する。」なる記載、段落【0052】の「ステップS1で、操作されたキーがPLUキー181(図2参照)であると判定された場合に、売上データ処理装置1は、商品番号の受付が完了したと認識し、・・・、売上データ処理装置1は、ステップS7で、標準税率を適用した場合の小計金額と税額とを算出し、ステップS8で、表示部14と客用表示部15とに標準税率を適用した場合の小計金額と税額とを表示する。」なる記載に基づいて導き出される事項である。 (ウ)訂正事項5のうち、第3段落の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、」なる事項は、段落【0021】の「取引種別を指定する・・・ための取引種別キー182」なる記載、段落【0027】の「売上データ処理装置1のCPUは、一取引での取引形態の指定を受け付ける取引形態受付手段、・・・として機能する。」なる記載、段落【0031】の「『出前』取引に対応するデータとして、『金額算出式3』という算出方法規定データが算出方法欄に登録されている。また、『持ち帰り』取引に対応するとして、『金額算出式3』という算出方法規定データデータが算出方法欄に登録されている。」なる記載、段落【0035】の「また、金額算出式3に対応するデータとして、・・・『軽減税率』という適用税率データ、及び、『金額=商品の本体価格×(100+軽減税率(%))/100』という金額算出式規定データが、・・・登録されている。」なる記載、段落【0047】の「・・・店員は、売上データ処理装置1の操作者となり、売上データ処理装置1を操作する。・・・」なる記載、段落【0056】の「・・・操作されたキーが出前キー182a(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS14で、・・・出前取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・出前取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0057】の「操作されたキーが持ち帰りキー182b(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS15で、・・・持ち帰り取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・持ち帰り取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載等に基づいて導き出される事項である。 (エ)訂正事項5のうち、第4段落の「前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、」なる事項は、段落【0023】の「本実施形態では、小計キー183aが各取引での締め処理を行う締めキーとして機能するものとして説明する。」なる記載、段落【0047】の「店員は、売上データ処理装置1の操作者となり、売上データ処理装置1を操作する。」なる記載等に基づいて導き出される事項である。 (オ)訂正事項5のうち、第5段落の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け、」なる事項は、本件明細書の段落【0097】の「(c)取引形態受付手段は、締め受付手段により一取引に対する締めが受け付けられた後に取引形態の指定を受け付ける。」なる記載、図7A~図8Bそれぞれの上から3番目及び4番目の表示例に基づいて導き出される事項である。 (カ)訂正事項5のうち、第6段落の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる、」なる事項は、本件明細書の段落【0056】の「操作されたキーが出前キー182a(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS14で、取引用の算出式の使用を決定する。この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・出前取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0057】の「操作されたキーが持ち帰りキー182b(図2参照)であると判定されたときに、売上データ処理装置1は、ステップS15で、・・・持ち帰り取引用の算出式の使用を決定する。・・・この場合に、売上データ処理装置1は、ステップS17で、・・・持ち帰り取引に対応付けられた算出方法(図4A参照)と金額算出式3(図4B参照)と税額算出式3(図4C参照)とに基づいて、会計金額である最終的な小計金額と最終的な税額とを算出する。」なる記載、段落【0059】の「ステップS17の後、売上データ処理装置1は、ステップS18で、表示部14と客用表示部15とに算出された最終的な会計金額と最終的な税額とを表示する。」なる記載、段落【0060】の「このようなステップS11~S18の処理は、取引形態受付手段により所定の取引形態の指定が受け付けられた場合には、第1の税率が適用された小計金額に代えて第1の税率とは異なる第2の税率が適用された小計金額を表示させる処理となっている。なお、本実施形態では、『第1の税率』が『標準税率』となっており、『第2の税率』が『軽減税率』となっている。」なる記載、図7A~図8Bそれぞれの上から3番目及び4番目の表示例に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項5は、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項5は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的について 訂正事項6による本件明細書段落【0010】の訂正は、上記訂正事項1、2、4、5に基づき、特許請求の範囲と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項6は、上記「(1)訂正事項1について」のイ、「(2)訂正事項2について」のイ、「(4)訂正事項4について」のイ、「(5)訂正事項5について」のイで検討したのと同様の理由により、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項6は、特許請求の範囲と明細書の記載との整合を図るための訂正であって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 ウ 願書に添付した明細書の訂正に係る請求項の全てについて訂正を請求していること 訂正事項6は、上記訂正事項1、2、4、5に基づくものであって、訂正請求項1、2、4及び5に関係するものである。そして、本件訂正請求では、訂正事項6に関係する全ての請求項1、2、4及び5が訂正の対象とされているから、本件訂正請求は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第4項に適合するものである。 (7)独立特許要件について 訂正前の請求項1~5について、特許異議の申立てがされているので、訂正後の請求項1~5に係る訂正に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に規定する特許請求の範囲の減縮又は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同法第120条の5第9項において準用する同法第126条第4~7項の規定に適合する。 したがって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕、4、5について訂正することを認める。 第3 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由の概要 令和3年11月4日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、訂正前の本件特許の請求項1~5に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである、というものである。 記 <刊行物等> 引用文献1「Genius Pos User Manual」 http://www.indusnaga.com/brochure/geniuspos/GeniusPosUserManualComplete.pdf (特許異議申立人;中島健が提出した甲第1号証) 引用文献2「DIAMONDOTOUCH,INC. POS SOLUTIONS DIAMONDTOUCH 5.5 SOFTWAREUSER MANUAL」 http://cdn2.hubspot.net/hub/29066/file-13687557-pdf/docs/diamondtouch_manual_2007.pdf (同甲第2号証) 引用文献3 特開2001-34840号公報(同甲第3号証) 引用文献4 米国特許出願公開第2009/0265247号明細書(同甲第4号証) 引用文献5 特開2015-49809号公報(同甲第5号証) 第4 当審の判断 1 引用文献の記載事項、認定事項及び引用発明 (1)引用文献1について (1-1)引用文献1の記載事項 引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(和訳及び下線は当審で付した。以下同様である。)。なお、引用文献1は、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるため、「Content」のページを第1ページとし、グレーの区切り線により各ページが区切られているものとして、摘記箇所を示す。 (1a)第1ページ 「Genius Pos User Manual」、「・ Cash Register」 (和訳) 「Genius Pos ユーザマニュアル」、「・ キャッシュレジスター」 (1b)第2ページ 「Making a Sale(Back to Content) [図:0001387455000001.jpg] Starting a new sale To start a new sale simply click on "New Transaction" located at the left top. "New Transaction" is default to takeaway transaction. To start a new dine in transaction, select "Table" or "Table Layout" to assign a table. Adding orders to receipt Orders punched in will appear in receipt on the left immediately. Orders will be sent to kitchen after "Hold Bill/Send Order", "Pay" or "Checkout" is clicked. Orders that are not sent to kitchen will not be registered in the transaction.」 (和訳) 「販売(目次に戻る) 新しい販売を開始する 新しい販売を開始するには、左上の「新規トランザクション」をクリックします。 「新規トランザクション」はテイクアウトトランザクションがデフォルトです。 新しいイートイントランザクションを開始するには、「テーブル」または「テーブルレイアウト」を選択してテーブルを割り当てます。 レシートに注文を追加する 入力された注文は直ちに左側のレシートに表示されます。 注文は、「勘定書保留/注文送信」、「支払い」、または「チェックアウト」をクリックするとキッチンに送信されます。 キッチンに送信されない注文は、トランザクションに登録されません。」 (1c)第3ページ 「The usual way to close a bill: 1) Click on "Pay" button. 2) Select the payment mode. 3) Enter the amount received. 4) Click on "Cash In". 5) If the amount received is sufficient for the bill, "Checkout" button will be enabled. 6) Click "Checkout" to close the bill. ・・・・ [図:0001387455000002.jpg] 」 (和訳) 「勘定書をクローズする通常の方法を以下に示します。 1) 「支払い」ボタンをクリックします。 2) 支払いモードを選択します。 3) 受領金額を入力します。 4) 「現金入金」をクリックします。 5) 勘定書に対して十分な受領金額である場合、「チェックアウト」ボタンが有効になります。 6) 「チェックアウト」をクリックして勘定書をクローズします。」 (1d)第20~21ページ 「 [図:0001387455000003.jpg] Split/Change Bill ・・・ Transfer Takeaway bill to Dine In If a bill has been hold without assigning a table, you could transfer the takeaway bill to dine in table. If orders in the bill has price difference in dine in and takeaway, order's pricing will change. Transfer Dine In bill to Takeaway Transfer a dine in bill to takeaway bill. If orders in the bill has price difference in dine in and takeaway, order's pricing will change.」 (和訳) 「勘定書分割/変更 ・・・ テイクアウト用勘定書をイートインに転送 テーブルを割り当てずに勘定書が保留されている場合、そのテイクアウト用の勘定書をイートインテーブルに転送できます。 イートインとテイクアウトで勘定書の注文に価格差がある場合、注文の価格が変更されます。 イートイン用勘定書をテイクアウトに転送 イートイン用勘定書をテイクアウト用勘定書に転送します。 イートインとテイクアウトで勘定書の注文に価格差がある場合、注文の価格が変更されます。」 (1e)第41ページ 「Tax(Back to Content) [図:0001387455000004.jpg] Tax Configure up to 5 taxes. Tax will be calculated based on subtotal. Tax Name Tax name will be printed in customer receipt. Tax For Tax can be configured for All, Eat In or To Go. If table is assigned to the transaction, it will be considered as Eat In」 (和訳) 「税(目次に戻る) 税 最大5種類までの税を設定します。税額は小計に基づいて計算されます。 税名 税名はお客様レシートに印刷されます。 課税対象種別 税は、すべて、イートイン又はテイクアウトに対して設定できます。 テーブルがトランザクションに割り当てられている場合には、イートインとみなされます。」 (1f)第42ページ 「Account(Back to Content) [図:0001387455000005.jpg] Account Setup account for each staff you have. Password must be numerical. Admin account cannot be deleted. Permissions Setup permission for each staff to prevent staff from doing each listed.」 (和訳) 「アカウント(目次に戻る) アカウント 在席スタッフに対してアカウントを設定します。 パスワードは数字である必要があります。 管理者アカウントは削除できません。 権限 リストアップされた各機能をスタッフが実行できないように、各スタッフに権限を設定します。」 (1-2)引用文献1の認定事項 上記「(1-1)引用文献1の記載事項」から、以下の事項が認定できる。以下では和訳のみを示す。 <主に本件発明1に係る認定事項> ア 摘示(1a)の「Genius Pos ユーザマニュアル」、「キャッシュレジスター」なる記載から、引用文献1記載の装置が、Posシステムであることが理解できる。 イ 摘示(1f)の「在席スタッフに対してアカウントを設定します。」、「リストアップされた各機能をスタッフが実行できないように、各スタッフに権限を設定します。」なる記載を踏まえて、摘示(1f)の図の右側部分をみると、各スタッフに設定する権限として「Super Admin」(スーパー管理者)、「Access to stock file settings」(在庫ファイル設定へのアクセス)、・・・、「Access to give discount」(値引き推奨へのアクセス)、「Access to report」(レポートへのアクセス)、「Access to bill management」(レジ引き出し管理へのアクセス)、・・・、「Access to customer reward points」(お客様リワードポイントの変更)等の設定が可能であることが看取できる。上記権限の内容からみて、上記「在籍スタッフ」とは、店の在籍スタッフ、すなわち店員といえることは明らかであり、上記アも踏まえると、 引用文献1記載の装置が、店員によって操作されるPosシステムであることが理解できる。 ウ 摘示(1e)の「課税対象種別 税は、すべて、イートイン又はテイクアウトに対して設定できます。 テーブルがトランザクションに割り当てられている場合には、イートインとみなされます。」なる記載及び摘示(1e)の図に「Tax(%)」(税(%))と記載されていることを踏まえると、 イートインの場合は、イートインに対して設定された税率が適用されることが理解できる。 エ 上記ウ及び摘示(1b)の「入力された注文は直ちに左側のレシートに表示されます。」なる記載を踏まえて、摘示(1b)の図をみると、 画面左側のレシートにおいて、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額(24.75)を設定した税率(Tax1(10%))を適用して表示部に更新表示させることが理解でき、また、上記更新表示を行うための表示制御手段を備えることも明らかである。 オ 上記ウ、エを踏まえると、 引用文献1記載の装置が、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段を備えることが理解できる。 カ 摘示(1d)の図に示される画面及び「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送 イートイン用勘定書をテイクアウトに転送します。」なる記載から、 引用文献1記載の装置が、一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段を備えることが理解できる。 キ 摘示(1c)の「勘定書をクローズする通常の方法を以下に示します。 1)「支払い」ボタンをクリックします。2) 支払いモードを選択します。3) 受領金額を入力します。4)「現金入金」をクリックします。5) 勘定書に対して十分な受領金額である場合、「チェックアウト」ボタンが有効になります。6) 「チェックアウト」をクリックして勘定書をクローズします。」なる記載から、 引用文献1記載の装置が、勘定書をクローズする通常の方法を開始する「支払い」ボタンを備えることが理解できる。 ク 摘示(1d)の「イートイン用勘定書をテイクアウト用勘定書に転送します。イートインとテイクアウトで勘定書の注文に価格差がある場合、注文の価格が変更されます。」なる記載、摘示(1b)の「入力された注文は直ちに左側のレシートに表示されます。」なる記載及びその図、摘示(1e)の「税 最大5種類までの税を設定します。税額は小計に基づいて計算されます。」、「税名 税名はお客様レシートに印刷されます。」及び「課税対象種別 税は、すべて、イートイン又はテイクアウトに対して設定できます。」なる記載、そして、税額の計算が税率を適用して計算することは明らかであるから、上記オ、カも踏まえると、 表示制御手段は、取引形態指定手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税率が適用された税込小計金額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させることは明らかである。 <主に本件発明2に係る認定事項> ケ 上記ウ及び摘示(1b)の「入力された注文は直ちに左側のレシートに表示されます。」なる記載を踏まえて、摘示(1b)の図をみると、画面左側のレシートに、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額(2.25)を設定した税率(10%)を適用して表示部に更新表示させることが理解でき、また、上記更新表示を行うための表示制御手段を備えることも明らかである。 コ 上記ウ、ケを踏まえると、引用文献1記載の装置が、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段を備えることが理解できる。 サ 摘示(1d)の「イートイン用勘定書をテイクアウト用勘定書に転送します。イートインとテイクアウトで勘定書の注文に価格差がある場合、注文の価格が変更されます。」なる記載、摘示(1b)の「入力された注文は直ちに左側のレシートに表示されます。」なる記載及びその図、摘示(1e)の「税 最大5種類までの税を設定します。税額は小計に基づいて計算されます。」、「税名 税名はお客様レシートに印刷されます。」及び「課税対象種別 税は、すべて、イートイン又はテイクアウトに対して設定できます。」なる記載、そして、税額の計算が税率を適用して計算することは明らかであるから、上記カ、コも踏まえると、表示制御手段は、取引形態指定手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税率が適用された税合計額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税合計額を表示部に表示させることは明らかである。 <主に本件発明4に係る認定事項> シ 上記アのとおり、引用文献1記載の装置が「Posシステム」であることが理解でき、また、Posシステムが、コンピュータ及び各手段を機能させるプログラムを有することも明らかである。 ス 上記オのとおり、引用文献1記載の装置は、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額をイートインに対して設定した税率を適用して更新表示させる表示制御手段を備えるといえるから、上記シも踏まえると、引用文献1記載の装置は、コンピュータを、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段として機能させるプログラムを備えるものといえる。 セ 上記イのとおり、引用文献1記載の装置は、店員によって操作されるPosシステムであり、上記カのとおり、一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段を備えるといえる。 そして、上記一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作は、第1の操作と呼ぶことができる。 そうすると、上記シも踏まえると、引用文献1記載の装置は、コンピュータを、一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段として機能させるプログラムを備えるものといえる。 ソ 上記イのとおり、引用文献1記載の装置は、店員によって操作されるPosシステムであり、上記キのとおり、勘定書をクローズする通常の方法を開始する「支払い」ボタンを備えるといえる。 そして、上記勘定書をクローズする通常の方法を開始する「支払い」ボタンに対する操作は、第2の操作と呼ぶことができる。 そうすると、上記シも踏まえると、引用文献1記載の装置は、コンピュータを、前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する「支払い」ボタンとして機能させるプログラムを備えるものといえる。 タ 上記クのとおり、引用文献1記載の装置は、表示制御手段は、取引形態指定手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税込小計金額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税込小計金額を表示させるものといえるから、上記シ、セも踏まえると、引用文献1記載の装置は、表示制御手段は、取引形態指定手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税率が適用された税込小計金額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させるプログラムを備えるものといえる。 <主に本件発明5に係る認定事項> チ 上記コのとおり、引用文献1記載の装置は、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額をイートインに対して設定した税率を適用して更新表示させる表示制御手段を備えるといえるから、上記シも踏まえると、引用文献1記載の装置は、コンピュータを、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段として機能させるプログラムを備えるものといえる。 ツ 上記サのとおり、引用文献1記載の装置は、表示制御手段は、取引形態指定手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税合計額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税合計額を表示させるものといえるから、上記シ、セも踏まえると、引用文献1記載の装置は、表示制御手段は、取引形態指定手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税率が適用された税合計額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税合計額を表示部に表示させるプログラムを備えるものといえる。 (1-3)引用発明 上記「(1-1)引用文献1の記載事項」、「(1-2)引用文献1の認定事項」から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1A~1D」という。)が記載されていると認められる。 <引用発明1A>(本件発明1に倣って整理した発明) 「店員によって操作されるPosシステムであって、 新規トランザクションはテイクアウトトランザクションがデフォルトであり、 新しいイートイントランザクションを開始するには、『テーブル』または『テーブルレイアウト』を選択してテーブルを割り当て、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段と、 一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、 勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタンと、 を備え、 前記表示制御手段は、前記取引形態指定手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税率が適用された税込小計金額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる、 Posシステム。」 <引用発明1B>(本件発明2に倣って整理した発明) 「店員によって操作されるPosシステムであって、 新規トランザクションはテイクアウトトランザクションがデフォルトであり、 新しいイートイントランザクションを開始するには、『テーブル』または『テーブルレイアウト』を選択してテーブルを割り当て、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段と、 一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、 勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタンと、 を備え、 前記表示制御手段は、前記取引形態指定手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税率が適用された税合計額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税合計額を表示部に表示させる、 Posシステム。」 <引用発明1C>(本件発明4に倣って整理した発明) 「店員によって操作されるPosシステムのコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段、 一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、 前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン、 として機能させ、 新規トランザクションはテイクアウトトランザクションをデフォルトとし、 新しいイートイントランザクションを開始するには、『テーブル』または『テーブルレイアウト』を選択してテーブルを割り当てさせ、 前記表示制御手段は、前記取引形態指定手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税率が適用された税込小計金額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる、 プログラム。」 <引用発明1D>(本件発明5に倣って整理した発明) 「店員によって操作されるPosシステムのコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段、 一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段と、 前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン、 として機能させ、 新規トランザクションはテイクアウトトランザクションをデフォルトとし、 新しいイートイントランザクションを開始するには、『テーブル』または『テーブルレイアウト』を選択してテーブルを割り当てさせ、 前記表示制御手段は、取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税率が適用された税合計額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税合計額を表示部に表示させる、 プログラム。」 (2)引用文献2について 引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (2a)第8ページ 「1.20 Order Entry ・・・ The Order Entry screen consists of 3 primary windows: the Menu Selection Control Window, the Smart Check User Interface Window and the Primary Control Bar. [図:0001387455000006.jpg] To place an order, follow these 3 steps: 1) Fill in the Smart Check Select menu items from the Menu Selection Control Window on the upper right hand portion of the screen. Once the order is complete, press the Finished control on the Primary Control Bar, located on the lower right portion of the screen. 2) Select a Service Type Select a service type such as Dine In, Pick Up, Delivery, etc, unless one has already been selected automatically (more about this feature later). 3) Press Finished The ticket will now be printed and saved.」 (和訳) 「1.20 注文入力 ・・・ 注文入力画面は、メニュー選択コントロールウィンドウ、スマートチェック・ユーザインターフェースウィンドウ、及び主要コントロールバーの3つの主要なウィンドウで構成されています。 注文するには、次の3つの手順に従います。 1) スマートチェックを入力する 画面の右上にあるメニュー選択コントロールウィンドウからメニュー項目を選択します。注文が完了したら、画面の右下にある主要コントロールバーの[完了]コントロールを押します。 2) サービスの種類を選択する すでに自動的に選択されていない限り(この機能については後で詳しく説明します)、サービスの種類(現地で食事、ピックアップ、デリバリーなど)を選択します。 3) 完了を押す チケットが印刷され、保存されます。」 (2b)第10ページ 「C. Service Types Once an Order has been entered, a Service Type must be selected, either automatically, or by the user. Diamond Touch allows for up to 8 different Service Types, such as Dine In, Take Out, and Delivery. Service Types can be each be designated to print different types of tickets to different printers, prompt for Ready Time, automatically add delivery charges, interface to the integrated dispatch system, automatically deduct sales tax, and report separate sales totals for the store as a whole, or even for each order taker individually.」 (和訳) 「C. サービスの種類 注文を入力したら、サービスタイプを自動的に、またはユーザが選択する必要があります。 Diamond Touchは、現地で食事、テイクアウト、デリバリーなど、最大8つの異なるサービスタイプに対応しています。サービスタイプをそれぞれ指定して、さまざまなタイプのチケットをさまざまなプリンターに印刷し、準備完了時間のプロンプトを表示し、自動的に配達料を追加し、統合派遣システムにインターフェースし、消費税を自動的に差し引き、店舗全体または個々の注文受付担当者のために売上の合計を別に報告します。」 (2c)第115ページ 「3.15 Menu Set Up (cont) B. Items (cont) Show Taxes To set up a tax rate for a menu item, touch the Show Taxes control on the Menu Item Advanced features set up window. A selection box with up to 10 different tax rates will appear. Select the tax rate you wish to use, and then touch Hide Taxes to close the tax rate selection window. See section 3.15 D for more information on setting up your tax rate schedules. Note that all items will default to tax rate # 1, unless you specify an alternate table. It is therefore not necessary to select a tax rate for every item as it is created, unless you need to specify a tax rate other than Tax Rate # 1.」 (和訳) 「3.15 メニューの設定(続き) B. アイテム(続き) 税金を表示 メニュー項目の税率を設定するには、メニュー項目の詳細機能設定ウィンドウで[税金の表示]コントロールをタッチします。最大10個の異なる税率の選択ボックスが表示されます。使用する税率を選択し、[税の非表示]をタッチして税率選択ウィンドウを閉じます。税率スケジュールの設定の詳細については、セクョン3.15Dを参照してください。 代替テーブルを指定しない限り、すべてのアイテムはデフォルトで税率#1になります。したがって、税率#1以外の税率を指定する必要がない限り、作成されるすべてのアイテムの税率を選択する必要はありません。」 (2d)第120ページ 「3.15 Menu Set Up (cont) D. Tax Rates DiamondTouch allows for up to 10 different tax rates. Tax Rates are assigned to each Menu Item individually. This section describes how to set up your tax rate schedules. For more information on assigning tax rates to menu items, see section 3.15, B, 2. To access the tax rate set up screen from the main menu, touch Set Up, select Menu and then Tax Rates. Enter your tax rates as a decimal number. If your tax rate is 7%, then enter .07 for the tax rate. If your tax rate is 8 1/4 %, then enter .0825. [図:0001387455000007.jpg] All items will default to Tax Rate 1 as the menu is entered, so this tax rate should always be set with the most common tax rate. If you only use one tax rate, then set that rate to tax rate 1. The last tax rate is the delivery charge tax rate. If you use delivery charges [See section 3.50 E for more information on setting up delivery areas], then you will need to set the appropriate tax rate for delivery charges in this field. If you set this field to 0, then the delivery charge portion of your tickets will not be taxed. When you have completed setting up your Tax Rates, press CONTINUE to exit the tax rate set up screen.」 (和訳) 「D. 税率 DiamondTouchでは、最大10個の異なる税率を利用できます。税率は各メニュー項目に個別に割り当てられます。このセクションでは、税率のスケジュールを設定する方法について説明します。メニュー項目への税率の割り当ての詳細については、セクション3.15、B、2を参照してください。 メインメニューから税率設定画面にアクセスするには、[設定]をタップし、[メニュー]、[税率]の順に選択します。 税率を10進数で入力します。税率が7%の場合、税率として.07を入力します。税率が8と1/4%の場合は.0825と入力します。 メニューが入力されると、すべての項目はデフォルトで税率1になるため、この税率は常に最も一般的な税率に設定する必要があります。税率を1つだけ使用する場合は、その税率を税率lに設定します。 最後の税率は配達料税率です。配達料を使用する場合、[配達エリアの設定の詳細については、セクション3.50 Eを参照]、配達料の適切な税率をこのフィールドで設定する必要があります。このフィールドを0に設定すると、チケットの配達料部分は課税されません。 税率の設定が完了したら、[続行]を押して税率設定画面を終了します。」 (3)引用文献3について 引用文献3には、以下の事項が記載されている。 (3a)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ファーストフードレストランやスーパーマーケットなどに設置する電子式キャッシュレジスタ(以下、ECRという)システムに関し、特に、商品の取り揃えミスを発見できるようにしたものである。」 (3b)「【0033】注文が終了すると、店員は小計キー52を押し、お客様に小計金額を知らせ、店内で飲食するかお持ち帰りになるかをお客様に訊ね、お持ち帰りの時は店外売キー53で会計処理する。店員は、ECRの表示画面またはレシートを見ながら、商品を袋等に詰め、これを秤33に載せて測定キー54押す。」 (4)引用文献4について (4-1)引用文献4の記載事項 引用文献4には、以下の事項が記載されている。 (4a)「TECHNICAL FIELD [0002] This invention relates generally to a customer kiosk ordering system and method. More particularly, the present invention relates to a kiosk ordering system and method for allowing a customer to directly order food and other related products in a manner providing enhanced efficiencies and user interactions with the customer kiosk ordering system and method.」 (和訳) 「技術分野 [0002]本発明は、概して、顧客キオスク注文システムと方法に関する。より具体的には、本発明は、効率と顧客との相互作用を高めることで、顧客が食品やその他の関連するものを直接注文できるようにしたキオスク注文システム及び方法に関する。」 (4b)「[0064] The enhanced customer kiosk ordering system 100, 300 can also include a local point of sale (POS) server or computer 160, which is in communication with the local kiosk server 140. The enhanced customer kiosk ordering system 100,300 can further include POS terminals 162, 164, 166, which are in communication with the local POS server 160, for use by order takers within a restaurant to manually take orders from customers, and to enter such orders into the POS terminals 162, 164, 166 for communication to the POS server 160. The local POS server 160 can include a local order fulfillment software application 340 for operating within the local POS server 160 and within and/or in connection with the POS terminals 162, 164, 166 for receiving orders taken by order takers 342, 344.」 (和訳) 「[0064]強化された顧客キオスク注文システム100、300はまた、ローカル販売時点管理(POS)サーバ又はコンピュータ160を含むことができ、それらはローカルキオスクサーバー140と通信する。強化された顧客キオスク注文システム100、300は、更にPOS端末162、164、166を含むことができ、それらは、顧客から手動で注文を取り、そのような注文をPOS端末162、164、166に入力するレストラン内の注文受付者の使用のために、ローカルPOSサーバ160と通信を行う。ローカルPOSサーバ160は、注文受付者342、444によって受け付けられた注文を受け取るたに、ローカルPOSサーバ160内、そして、POS端末162、164、166内及び/又はそれらと接続して、動作するためのローカル注文履行ソフトウェアアプリケーション340を含むことができる。」 (4c)「[0090] In one embodiment, all ordering interface screens 600, 700 that appear subsequent to the initial ordering interface screen 500 can include an updated electronic (virtual) receipt or order list 640 showing all restaurant items that have been selected by the customer so far within an order, as well as an order completion selector 642 which is used to end the restaurant item selection process and begin the payment process portion of the order. For, example, referring now to FIG. 10, an embodiment of a process for generating an electronic receipt on the ordering interface screen 600 is shown. This electronic receipt information and process options therein allows the kiosk customer to view all restaurant items that have been selected, including an image or symbol of the selected restaurant item(s), which can be adjacent the identification, as well as the price of each selected restaurant item. The electronic receipt information and process options therein also allow the kiosk customer to select a customization option for each selected restaurant item listed within the electronic receipt to customize such restaurant item, as described herein, as well as an ongoing, real-time updated, total price for the selected restaurant items, with appropriate taxes included, as a running total. Additional electronic receipt process options can include an increment restaurant item number option to increase the number of that particular item that the customer wishes to order, by one for each selection, and a decrement restaurant item number option to reduce the number of that particular item that the customer wishes to order, by one for each selection. Each electronic receipt process information and option can be provided directly on each order tab, shown in at least FIGS. 6 and 7 as a rectangle having one type of order restaurant item or meal (and the number of the item type that was selected by the customer). The order tabs and totalization information together generally make up the electronic receipt or order list 640.」 (和訳) 「[0090]一実施形態では、最初の注文インターフェース画面500の後に表示されるすべての注文インターフェース画面600、700は、一注文内でこれまでに顧客によって選択されたすべてのレストランアイテムを示す更新された電子(仮想)レシートまたは注文リスト640並びにレストランアイテム選択プロセスを終了し、注文の支払いプロセス部分を開始するために使用される注文完了セレクタ642を含むことができる。例えば、ここで図10を参照すると、注文インターフェース画面600上で電子レシートを生成するためのプロセスの実施形態が示されている。この電子レシート情報とその中のプロセスオプションにより、キオスクの顧客は、選択された各レストランアイテムの価格に加え、特定したものに隣接し得る選択されたレストランアイテムの画像または記号を含む、選択されたすべてのレストランアイテムを見ることができる。電子レシート情報とその中のプロセスオプションにより、キオスクの顧客は、選択したレストランアイテムの適切な税金を含む継続的なリアルタイム更新の合計価格を現在の合計とすることに加え、電子レシートに掲載されている選択されたレストランアイテムごとに、ここで説明するように、そのようなレストランアイテムをカスタマイズするために、カスタマイズオプションを選択することができます。追加の電子受領プロセスオプションには、顧客が注文したい特定のアイテムの数を選択ごとに1つずつ増やすためのレストランアイテム番号の増分オプションと、顧客が注文したい特定のアイテムの数を選択毎に1つずつ減らすためのレストランアイテム番号の減少オプションを含めることができます。各電子レシートプロセス情報およびオプションは、少なくとも図6及び7に示されるように、1つのタイプの注文レストランアイテムまたは食事(および顧客が選択したアイテムタイプの番号)を持つ長方形として、各注文タブ上で直接提供され得る。注文タブおよび合計情報は共に、一般に、電子レシートまたは注文リスト640を構成する。」 (4d)「[0092] As the customer selects restaurant items, a receipt cell 1104 is stacked onto the existing cells in the receipt area 1102, increasing the height of the receipt area 1102 and adding to the order total display 1110. For each additional selected restaurant item, the height of the receipt area 1102 continues to grow. In block 1006, the kiosk 200 determines whether the height of the receipt area 1102 exceeds a predetermined height threshold. If the height threshold is exceeded, then the kiosk 200 moves to block 1008 and displays the scrolling toggles 1108 as shown in FIG. 11. The scrolling toggles 1108 allow the customer to quickly view all receipt cells 1104 despite that fact that they may take up too much space to be viewed all at once on the ordering interface screen 600. In block 1010, the kiosk 200 displays an updated total amount due which is the aggregated prices of all selected restaurant items. When a customer has selected all restaurant items to be purchased, the customer interacts with the order completion selector 642 to initiate a payment loop which will be described in detail below. In one embodiment, the predetermined height threshold is the height of the interface screen display, the height of a portion of the interface screen display or some other height.」 (和訳) 「[0092]顧客がレストランアイテムを選択すると、レシートセル1104がレシートエリア1102内の既存のセルに積み重ねられ、レシートエリア1102の高さが増加し、注文合計表示1110に追加される。選択されたレストランアイテムが追加される毎に、レシートエリア1102の高さは拡大し続ける。ブロック1006において、キオスク200は、受け取り領域1102の高さが所定の高さ閾値を超えるかどうかを決定する。高さの閾値を超えると、キオスク200はブロック1008に移動し、図11に示すようにスクロールトグル1108を表示する。スクロールトグル1108により、注文インターフェース画面600で一度に表示するにはスペースを取りすぎる可能性があるにもかかわらず、顧客はすべてのレシートセル1104をすばやく表示できます。ブロック1010で、キオスク200は、選択されたすべてのレストランアイテムの合計価格である更新された合計金額を表示します。顧客が購入するすべてのレストランアイテムを選択すると、顧客は注文完了セレクター642と対話して以下で詳細に説明する支払いループを開始する。一実施形態では、所定の高さ閾値は、インターフェース画面ディスプレイの高さ、インターフェース画面ディスプレイの一部の高さ、または他の何らかの高さである。」 (4e)「[0113] Finally, once the customer has finished selecting restaurant items and is ready to complete the order, the order completion selector 642 is selected on the ordering interface screen 600. In one embodiment, the order completion selector 642 can include indicia which asks "Is the Order Correct?", as shown. Referring now to FIG. 33, an embodiment of a process of order confirmation and payment loop is shown. This process streamlines the end of the ordering process. In block 3302, the kiosk 200 receives a signal that the customer wishes to complete the order. The kiosk 200 displays an overlay interface screen called an order confirmation interface 3402 in block 3304 as shown in FIG. 34. The order confirmation interface 3402 asks the customer if the order is truly complete. Once the kiosk 200 receives the confirmation signal that the order is in fact complete in block 3306, it displays a dining location interface 3502 in block 3308 as shown in FIG. 35. The dining location interface 3502 presents the customer with dining location options such as "For Here" or "To Go." The customer's dining location selection is received by the kiosk 200 in block 3310. In one embodiment, the order taking application 310, 410 can instead generate and display "Eat In" or "Take Out" language as separate options for the customer to select from. Other language can be used instead, such as "Dine In" or "Carry Out.". In any of these embodiments, the order taking application 310, 410 can be configured to generate and display these dining location options after the first restaurant item is selected, and prevent the customer from selecting a second restaurant item until a choice of a dining location is made by the customer through the customer kiosk 110, 120, 130, 200. In another embodiment, the order taking application 310, 410 can be configured to generate and display these dining location options only after the customer has input that they have completed their order and are ready to pay, but prior to paying for the order, thereby preventing the customer from paying for the order until a choice of a dining location is made by the customer through the customer kiosk 110, 120, 130, 200. In a further embodiment, the order taking application 310, 410 can be configured to generate and display these dining location options before the customer has selected a first restaurant item, thereby preventing the customer from ordering a first restaurant item to include within the order until a choice of a dining location is made by the customer through the customer kiosk 110, 120, 130, 200.」 (和訳) 「[0113]最後に、顧客がレストランの項目の選択を完了し、注文を完了する準備ができると、注文完了セレクタ642が注文インターフェース画面600上で選択される。一実施形態では、注文終了セレクタ642は、示されとおり「ご注文は、正しいですか?」と質問する表示を含むことができる。ここで図33を参照すると、注文確認、支払いループの処理の一実施形態が示されている。この処理により、注文処理の終わりが合理化される。ブロック3302において、キオスク200は、顧客が注文を完了することを希望するという信号を受け取る。キオスク200は、図34に示すように、ブロック3304において、注文確認インターフェース3402と呼ばれるオーバーレイのインターフェース画面を表示する。注文確認インターフェース3402は、注文が実際に完了しているかどうか顧客に尋ねる。キオスク200は、注文が実際にブロック3306において完了したという確認信号を受信すると、図35に示すように、ブロック3308の食事場所インターフェース3502を表示する。食事場所インターフェース3502は『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所のオプションを顧客に提示する。顧客の食事場所の選択は、ブロック3310において、キオスク200によって受信される。一実施形態では、注文取得アプリケーション310、410は、代わりに、顧客が選択するための別のオプションとして、『イートイン』あるいは『テイクアウト』という言葉を、生成及び表示することができる。『ダイイン』あるいは『キャリーアウト』のような他の言語が、代わりに使用することができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、注文取得アプリケーション310、410は、第1のレストランアイテムが選択された後に、これらの食事場所のオプションを生成して表示し、顧客によって食事場所が選択されるまで、顧客が、顧客用キオスク110、120、130、200を介して、第2のレストランアイテムを選択することを防止するように構成することができる。別の実施形態では、注文取得アプリケーション310、410は、顧客が、注文を完了し、支払う準備ができていることを入力した後、注文の支払いの前にのみ、これらの食事場所のオプションを生成して表示するように構成することができ、それにより、顧客用キオスク110、120、130、200を介して、顧客が食事場所の選択を行うまで、顧客が代金を払うことが防止される。さらなる実施形態において、注文取得アプリケーション310、410は、顧客が第1のレストランアイテムを選択する前に、これらの食事場所のオプションを生成して表示するように構成することができ、それにより、顧客が顧客用キオスク110、120、130、200を介して食事場所を選択するまで、顧客がその注文内に含まれる第1のレストランアイテムを注文することを防止する。」 (4f)引用文献4には、以下の図が示されている。 【図6】 [図:0001387455000008.jpg] 【図11】 [図:0001387455000009.jpg] 【図35】 [図:0001387455000010.jpg] (4-2)引用文献4の認定事項 上記「(4-1)引用文献4の記載事項」から、以下の事項が認定できる。以下では和訳のみを示す。 <主に本件発明1乃至3に係る認定事項> ア 段落[0002]の「・・・より具体的には、本発明は、効率と顧客との相互作用を高めることで、顧客が食品やその他の関連するものを直接注文できるようにしたキオスク注文システム及び方法に関する。」なる記載及び段落[0064]の強化された顧客キオスク注文システム100、300はまた、ローカル販売時点管理(POS)サーバ又はコンピュータ160を含むことができ、それらはローカルキオスクサーバー140と通信する。」なる記載から、引用文献4記載の装置が、顧客によって操作されるPOSシステムであるといえる。 イ 段落[0090]の「・・・すべての注文インターフェース画面600、700は、・・・一注文内でこれまでに顧客によって選択されたすべてのレストランアイテムを示す更新された電子(仮想)レシートまたは注文リスト640・・・を含むことができる。」なる記、段落[0090]の「・・・電子レシート情報とその中のプロセスオプションにより、キオスクの顧客は、選択したレストランアイテムの適切な税金を含む継続的なリアルタイム更新の合計価格を現在の合計とすることに加え、・・・することができます。」なる記載並びに図11及び図35の注文インターフェース画面600の右下に「Total」(合計)と表示されていることを踏まえると、引用文献4記載の装置が、注文する商品の指定を受け付ける毎に一注文内における税込小計金額を客用表示部に更新表示させることが理解でき、また、そのための表示制御手段を備えることも明らかである。 ウ 段落[0113]の「・・・キオスク200は、注文が実際にブロック3306において完了したという確認信号を受信すると、図35に示すように、ブロック3308の食事場所インターフェース3502を表示する。食事場所インターフェース3502は『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所のオプションを顧客に提示する。顧客の食事場所の選択は、ブロック3310において、キオスク200で受信される。」なる記載から、引用文献4記載の装置が、前記一注文での取引形態を「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段を備えることが理解できる。 エ 段落[0113]の「最後に、顧客がレストランの項目の選択を完了し、注文を完了する準備ができると、注文完了セレクタ642が注文インターフェース画面600上で選択される。・・・」なる記載から、引用文献4記載の装置が、注文の完了を受け付ける注文完了セレクタ642を備えることが理解できる。 オ 図35には、画面右下に「Total」(税込小計金額)が表示されているときに、画面中央に「For Here」(店内飲食)あるいは「To Go」(持ち帰り)のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンが表示されることが示されているから、上記ウ、エも踏まえると、上記ウで検討した取引形態受付手段は、注文完了セレクタ642により前記一注文の完了が選択された後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作を受け付けることが理解できる。 <主に本件発明4及び5に係る認定事項> カ 上記アのとおり、引用文献4記載の装置が、顧客によって操作されるPOSシステムであることが理解でき、また、POSシステムが、コンピュータ及び各手段を機能させるプログラムを備えることも明らかである。 キ 上記イ及びカを踏まえると、引用文献4記載の装置が、注文する商品の指定を受け付ける毎に一注文内における税合計額及び税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段として機能させるプログラムを備えるものといえる。 ク 段落[0113]の「・・・キオスク200は、注文が実際にブロック3306において完了したという確認信号を受信すると、図35に示すように、ブロック3308の食事場所インターフェース3502を表示する。食事場所インターフェース3502は『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所のオプションを顧客に提示する。顧客の食事場所の選択は、ブロック3310において、キオスク200で受信される。」なる記載及び上記カを踏まえると、引用文献4記載の装置が、前記一注文での取引形態を「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する前記顧客による操作を受け付ける取引形態受付手段として機能させるプログラムを備えるものといえる。 また、上記顧客による操作は、第1の操作と呼ぶことができる。 ケ 段落[0113]の「最後に、顧客がレストランの項目の選択を完了し、注文を完了する準備ができると、注文完了セレクタ642が注文インターフェース画面600上で選択される。・・・」なる記載及びカを踏まえると、引用文献4記載の装置が、前記顧客による操作に基づいて注文の完了を受け付ける注文完了セレクタ642として機能させるプログラムを備えることが理解できる。 また、上記顧客による操作は、第2の操作と呼ぶことができる。 コ 図35には、画面右下に「Total」(税込小計金額)が表示されているときに、画面中央に「For Here」(店内飲食)あるいは「To Go」(持ち帰り)のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンが表示されることが示されているから、上記ク、ケも踏まえると、前記取引形態受付手段は、注文完了セレクタ642により前記第2の操作に基づいて前記一注文の完了が選択された後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作を受け付けることが理解できる。 (4-3)引用発明 上記「(4-1)引用文献4の記載事項」、「(4-2)引用文献4の認定事項」から、引用文献4には、以下の発明(以下「引用発明4A」及び「引用発明4B」という。)が記載されていると認められる。 <引用発明4A>(本件発明1乃至3に倣って整理した発明) 「顧客によって操作されるPOSシステムであって、 注文する商品の指定を受け付ける毎に一注文内における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段と、 前記一注文での取引形態を『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、 注文の完了を受け付ける注文完了セレクタ642と、 を備え、 前記取引形態受付手段は、前記注文完了セレクタ642により前記一注文の完了が選択された後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作を受け付ける、 POSシステム。」 <引用発明4B>(本件発明4及び5に倣って整理した発明) 「顧客によって操作されるPOSシステムのコンピュータを、 注文する商品の指定を受け付ける毎に一注文内における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段、 前記一注文での取引形態を『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する顧客による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、 前記顧客による第2の操作に基づいて前記注文の完了を受け付ける注文完了セレクタ642、 として機能させ、 前記取引形態受付手段は、注文完了セレクタ642により前記第2の操作に基づいて前記一注文の完了が選択された後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記第1の操作を受け付ける、 プログラム。」 (5)引用文献5について 引用文献5には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (5a)「【背景技術】 【0002】 従来、消費税の税率は、一律で定められている。POS(Point Of Sales)端末等の商品販売データ処理装置は、その一律の税率を用いて商品コードを元に特定される商品についての販売登録処理を実行している。また、近年においては、消費税率の引上げに伴う食料品等に対する消費税の軽減税率制度の導入が検討されている。このため、今後、商品の種類や分類によって複数の税率が定められた場合には、各商品に対して適切な税率を選択して販売登録を行う必要が生じる。」 (5b)「【0008】 本実施形態においては、スーパーマーケット等の店舗で用いられるPOS(Point Of Sales)端末を情報処理装置として適用したPOSシステムについて説明する。」 (5c)「【0019】 なお、図5に示すように、商品別税率設定マスタD1においては、同一の単品であっても、店内で食べるか(EAT IN)、持ち帰るか(TAKE OUT)によって、標準税率を適用するか、軽減税率を適用するかを区別して設定する。図5に示す例では、ハンバーガーを店内で食べる(EAT IN)場合には、標準税率を適用し、ハンバーガーを持ち帰る(TAKE OUT)場合には、軽減税率を適用する。店内で食べるか(EAT IN)、持ち帰るか(TAKE OUT)については、後述するPOS端末2に設けられた「EAT IN」キーまたは「TAKE OUT」キーのキー操作によって区別する。」 (5d)「【0025】 また、POS端末2の正面に設けられたキーボード13には、「EAT IN」キーや「TAKE OUT」キーが配置されている。「EAT IN」キーは、例えばハンバーガーを店内で食べる(EAT IN)場合に操作するキーである。「TAKE OUT」キーは、例えばハンバーガーを持ち帰る(TAKE OUT)場合に操作するキーである。」 (5e)「【0027】 POS端末2の正面側には、店員用ディスプレイ15が取り付けられている。また、POS端末2の背面側には、客用ディスプレイ16が取り付けられている。・・・」 (5f)「【0045】 表示制御部28は、店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16に、販売登録部27が登録した各商品の商品名、価格、税込み価格等を表示する。また、表示制御部28は、税率読込部26が読み込んだ各商品に対する税率を店員用ディスプレイ15、客用ディスプレイ16に表示する。尚、表示制御部28は、各商品に対する税率または税額を表示するとしてもよい。さらに、表示制御部28は、キーボード13において現計キーが押下された場合に、店員用ディスプレイ15および客用ディスプレイ16に、1取引の合計金額、釣銭額を表示する。」 (5g)「【0054】 なお、商品コードの読み取りに先立って、「EAT IN」キーまたは「TAKE OUT」キーが押下された場合(ステップS1:No、ステップS11:Yes)には、商品コード受付部25は、ステップS1で読み取った商品コードに対して、持ち帰る(TAKE OUT)場合には付加情報を付加し、店内で食べる(EAT IN)場合には付加情報を付加しないようにする。このようにするのは、本実施形態においては、所定の商品(例えばハンバーガー)を店内で食べる(EAT IN)場合には、標準税率を適用し、所定の商品(例えばハンバーガー)を持ち帰る(TAKE OUT)場合には、軽減税率(他の税率)を適用するためである。」 (5h)引用文献5には以下の図が示されている。 【図8】 [図:0001387455000011.jpg] 2 対比・判断 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と引用発明1Aとを対比する。 (ア)引用発明1Aの「店員によって操作されるPosシステムであって」は、本件発明1の「店員によって操作される売上データ処理装置であって」に相当する。 (イ)引用発明1Aの「イートインに対して設定した税率を適用」することと、本件発明1の「消費税率に標準税率を適用」することとは、「第1の税率を適用」するという点で共通し、同様に、「表示部」と「客用表示部」とは、「表示部」という点で共通する。 よって、引用発明1Aの「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段」と、本件発明1の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」とは、「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を第1の税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段」という点で共通する。 (ウ)引用発明1Aの「テイクアウト用勘定書として転送するためのボタン」は、摘示(1e)の「課税対象種別 税は、すべて、イートイン又はテイクアウトに対して設定できます。」なる記を踏まえると、「テイクアウトに対して設定した税率が適用される取引形態として指定する取引種別キー」といえる。 そして、上記「テイクアウトに対して設定した税率が適用される」ことと、本件発明1の「消費税率に軽減税率が適用される」こととは、いずれも上記(イ)の第1の税率とは異なる税率であるから、「第2の税率が適用される」点で共通する。 よって、引用発明1Aの「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」と、本件発明1の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」とは、「前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」という点で共通する。 (エ)引用発明1Aの「勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」は、勘定書をクローズする通常の方法の開始は、一取引の締めといえるから、本件発明1の「前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」に相当する。 (オ)引用発明1Aの「前記表示制御手段は、前記取引形態指定手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税込小計金額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる」ことと、本件発明1の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる」こととは、上記(イ)~(エ)も踏まえると、「前記表示制御手段は、前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第2の税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる」という点で共通する。 したがって、本件発明1と引用発明1Aとの一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点1〕 「店員によって操作される売上データ処理装置であって、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を第1の税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段と、 前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、 前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、 を備え、 前記表示制御手段は、前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第2の税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる、売上データ処理装置。」 〔相違点1〕 本件発明1は、第1の税率が「消費税率に標準税率を適用し」たものであり、第2の税率が「消費税率に軽減税率が適用され」たものであるのに対し、引用発明1Aは、第1の税率が「イートインに対して設定した税率」であり、第2の税率が「テイクアウトに対して設定した税率」である点。 〔相違点2〕 税込小計金額を表示させる際、本件発明1は「客用表示部」に表示させるのに対し、引用発明1Aは「表示部」に表示させるものの、「客用表示部」に表示させるか明らかでない点。 〔相違点3〕 「取引形態受付手段」が「前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作」を受け付けるタイミングに関し、本件発明1は「前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明1Aはそのような特定事項を有しない点。 〔相違点4〕 「表示制御手段」が「前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第2の税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる」タイミングに関し、本件発明1は「前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明1Aはそのような特定事項を有しない点。 イ 判断 事案に鑑み、上記相違点3及び4について検討する。 (ア)引用発明1Aは、「取引形態受付手段」が「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける」タイミングが、「勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後)であるか否か明らかでなく、さらに、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税込小計金額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき)であるかも明らかでない。 (イ)補足すると、引用文献1の摘示(1d)には「勘定分割/変更」の説明の中に「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」の項目の説明が記載されており、摘示(1d)の図にも、右下に「勘定分割/変更」ボタンが表示され、同図中央に「勘定分割/変更」と題したウィンドウの中に「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」するためのボタンが表示されていることからみて、同図右下の「勘定分割/変更」ボタンを押すことで、同図中央のウィンドウの中の「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」するためのボタンに対する操作が可能となることが理解できる。 しかしながら、引用文献1には、同図右下の「勘定分割/変更」ボタンがどのような場合に表示されて押すことが可能となるかは記載されていないから、当該「勘定分割/変更」ボタンを押すことで操作が可能となる同図中央のウィンドウの中の「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」するためのボタンに対する操作を受け付けるタイミングも不明であって、これを「勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後)とすることは記載も示唆もされていない。 (ウ)さらに、引用文献1の摘示(1d)の図には、同図中央のウィンドウの中に「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」するためのボタンが表示される際、背景の「小計」や「合計」はすべて「0.00」と表示されているから、上記ボタンに対する操作を受けるタイミングが、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税込小計金額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき)とすることも記載も示唆もされていない。 (エ)また、引用文献2には、適示(2a)に「1) スマートチェックを入力する・・・注文が完了したら、画面の右下にある主要コントロールバーの[完了]コントロールを押します。2) サービスの種類を選択する・・・、サービスの種類(現地で食事、ピックアップ、デリバリーなど)を選択します。」と記載されているから、引用文献2には、注文の完了後に、現地で食事(イートイン)かピックアップ(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえる。 しかしながら、税率については、引用文献2の摘示(2d)には、「税率は各メニュー項目に個別に割り当てられます。」、「メニューが入力されると、すべての項目はデフォルトで税率1になるため、この税率は常に最も一般的な税率に設定する必要があります。税率を1つだけ使用する場合は、その税率を税率1に設定します。」と記載されるだけであり、引用文献2記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (オ)引用文献3についても、適示(3b)に「注文が終了すると、店員は小計キー52を押し、お客様に小計金額を知らせ、店内で飲食するかお持ち帰りになるかをお客様に訊ね、お持ち帰りの時は店外売キー53で会計処理する。」と記載されているから、引用文献3には、注文の終了後に店内で飲食する(イートイン)かお持ち帰りになる(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえる。 しかしながら、引用文献3には税率を変更することは記載も示唆もされておらず、引用文献3記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (カ)引用文献4についても、適示(4a)に「ブロック3302において、キオスク200は、顧客が注文を完了することを希望するという信号を受け取る。」、「食事場所インターフェース3502は『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所のオプションを顧客に提示する。顧客の食事場所の選択は、ブロック3310において、キオスク200で受信される。」と記載されているから、引用文献4には、注文の完了後に、店内飲食(イートイン)か持ち帰り(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえる。 しかしながら、引用文献4には税率を変更することは記載も示唆もされておらず、引用文献4記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (キ)さらに、引用文献5についても、段落【0002】に「・・・また、近年においては、消費税率の引上げに伴う食料品等に対する消費税の軽減税率制度の導入が検討されている。・・・」と記載され、段落【0054】に「商品コードの読み取りに先立って、『EAT IN』キーまたは『TAKE OUT』キーが押下された場合(ステップS1:No、ステップS11:Yes)には、・・・本実施形態においては、所定の商品(例えばハンバーガー)を店内で食べる(EAT IN)場合には、標準税率を適用し、所定の商品(例えばハンバーガー)を持ち帰る(TAKE OUT)場合には、軽減税率(他の税率)を適用するためである。」と記載されているから、引用文献5には、商品コードの読み取りに先立って、「EAT IN」キーが押下された場合には消費税率に標準税率を適用し、「TAKE OUT」キーが押下された場合には消費税率に軽減税率を適用することが記載されているといえるが、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであって、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (ク)引用発明1Aは「前記イートインに対して設定された税率が適用された税込小計金額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税込小計金額を表示させる」ものであって取引形態を代えるものであるが、上記(エ)~(キ)のとおり引用文献2~5記載のものは、いずれもイートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではないから、引用発明1Aの「取引形態受付手段」が「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける」タイミングとして、上記引用文献2~4記載の注文の完了後に取引形態の指定を受け付ける点を採用する動機付けはない。 また、仮に採用しようとしたとしても、「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける」タイミングを、具体的に「勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後)であって、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税込小計金額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき)とすることは、いずれの文献にも開示がなく、相違点3及び4に係る本件発明1のごとく構成することが、当業者にとって容易であったとすることはできない。 (ケ)そして、本件発明1は、一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに、一取引での税込小計金額を金額の大きなもの(標準税率が適用されたもの)から必要に応じて金額の小さなもの(軽減税率が適用されたもの)に変化させることで、顧客に不安を与えることがないという優れた効果を奏するものである。 ウ 小括 したがって、本件発明1は、引用発明1Aと相違点1~4において相違するものであるところ、相違点3及び4に係る本件発明1の構成は容易想到とはいえないものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は引用発明1A、引用文献2~5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (2)本件発明2について ア 対比 本件発明2と引用発明1Bとを対比する。 (ア)引用発明1Bの「店員によって操作されるPosシステムであって」は、本件発明2の「店員によって操作される売上データ処理装置であって」に相当する。 (イ)引用発明1Bの「イートインに対して設定した税率を適用」することと、本件発明2の「消費税率に標準税率を適用」することとは、「第1の税率を適用」するという点で共通し、同様に、「表示部」と「客用表示部」とは、「表示部」という点で共通する。 よって、引用発明1Bの「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段」と、本件発明2の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」とは、「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額を第1の税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段」という点で共通する。 (ウ)引用発明1Bの「テイクアウト用勘定書として転送するためのボタン」は、摘示(1e)の「課税対象種別 税は、すべて、イートイン又はテイクアウトに対して設定できます。」なる記を踏まえると、「テイクアウトに対して設定した税率が適用される取引形態として指定する取引種別キー」といえる。 そして、上記「テイクアウトに対して設定した税率が適用される」ことと、本件発明1の「消費税率に軽減税率が適用される」こととは、いずれも上記(イ)の第1の税率とは異なる税率であるから、「第2の税率が適用される」という点で共通する。 よって、引用発明1Bの「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」と、本件発明2の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」とは、「前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」という点で共通する。 (エ)引用発明1Bの「勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」は、勘定書をクローズする通常の方法の開始は、一取引の締めといえるから、本件発明2の「前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」に相当する。 (オ)引用発明1Bの「前記表示制御手段は、前記取引形態指定手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税合計額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税合計額を表示部に表示させる」ことと、本件発明2の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる」こととは、上記(イ)~(エ)も踏まえると、「前記表示制御手段は、前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税合計額に代えて前記第2の税率が適用された税合計額を表示部に表示させる」という点で共通する。 したがって、本件発明2と引用発明1Bとの一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点1’〕 「店員によって操作される売上データ処理装置であって、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額を第1の税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段と、 前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、 前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、 を備え、 前記表示制御手段は、前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税合計額に代えて前記第2の税率が適用された税合計額を表示部に表示させる、売上データ処理装置。」 〔相違点1’〕 本件発明2は、税合計額が「消費税合計額」であって、第1の税率が「消費税率に標準税率を適用し」たものであり、第2の税率が「消費税率に軽減税率が適用された」ものであるのに対し、引用発明1Bは、税合計額の税の種類が不明であって、第1の税率が「イートインに対して設定した税率」であり、第2の税率が「テイクアウトに対して設定した税率」である点。 〔相違点2’〕 税合計額を表示させる際、本件発明2は「客用表示部」に表示させるのに対し、引用発明1Bは「表示部」に表示させるものの、「客用表示部」に表示させるか明らかでない点。 〔相違点3’〕 「取引形態受付手段」が「前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作」を受け付けるタイミングに関し、本件発明2は「前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明1Bはそのような特定事項を有しない点。 〔相違点4’〕 「表示制御手段」が「前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税合計額に代えて前記第2の税率が適用された税合計額を表示部に表示させる」タイミングに関し、本件発明2は「前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明1Bはそのような特定事項を有しない点。 イ 判断 事案に鑑み、上記相違点3’及び4’について検討する。 (ア)引用発明1Bは、「取引形態受付手段」が「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける」タイミングが、「勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後)であるか否か明らかでなく、さらに、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税合計額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき)であるかも明らかでない。 (イ)補足すると、引用文献1の摘示(1d)には「勘定分割/変更」の説明の中に「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」の項目の説明が記載されており、摘示(1d)の図にも、右下に「勘定分割/変更」ボタンが表示され、同図中央に「勘定分割/変更」と題したウィンドウの中に「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」するためのボタンが表示されていることからみて、同図右下の「勘定分割/変更」ボタンを押すことで、同図中央のウィンドウの中の「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」するためのボタンに対する操作が可能となることが理解できる。 しかしながら、引用文献1には、同図右下の「勘定分割/変更」ボタンがどのような場合に表示されて押すことが可能となるかは記載されていないから、当該「勘定分割/変更」ボタンを押すことで操作が可能となる同図中央のウィンドウの中の「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」するためのボタンに対する操作を受け付けるタイミングも不明であって、これを「勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後)とすることは記載も示唆もされていない。 (ウ)さらに、引用文献1の摘示(1d)の図には、同図中央のウィンドウの中に「イートイン用勘定書をテイクアウトに転送」するためのボタンが表示される際、背景の「小計」や「合計」はすべて「0.00」と表示されているから、上記ボタンに対する操作を受けるタイミングが、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税合計額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき)とすることも記載も示唆もされていない。 (エ)また、引用文献2には、適示(2a)に「1) スマートチェックを入力する・・・注文が完了したら、画面の右下にある主要コントロールバーの[完了]コントロールを押します。2) サービスの種類を選択する・・・、サービスの種類(現地で食事、ピックアップ、デリバリーなど)を選択します。」と記載されているから、引用文献2には、注文の完了後に、現地で食事(イートイン)かピックアップ(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえる。 しかしながら、税率については、引用文献2の摘示(2d)には、「税率は各メニュー項目に個別に割り当てられます。」、「メニューが入力されると、すべての項目はデフォルトで税率1になるため、この税率は常に最も一般的な税率に設定する必要があります。税率を1つだけ使用する場合は、その税率を税率1に設定します。」と記載されるだけであり、引用文献2記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (オ)引用文献3についても、適示(3b)に「注文が終了すると、店員は小計キー52を押し、お客様に小計金額を知らせ、店内で飲食するかお持ち帰りになるかをお客様に訊ね、お持ち帰りの時は店外売キー53で会計処理する。」と記載されているから、引用文献3には、注文の終了後に店内で飲食する(イートイン)かお持ち帰りになる(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえる。 しかしながら、引用文献3には税率を変更することは記載も示唆もされておらず、引用文献3記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (カ)引用文献4についても、適示(4a)に「ブロック3302において、キオスク200は、顧客が注文を完了することを希望するという信号を受け取る。」、「食事場所インターフェース3502は『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所のオプションを顧客に提示する。顧客の食事場所の選択は、ブロック3310において、キオスク200で受信される。」と記載されているから、引用文献4には、注文の完了後に、店内飲食(イートイン)か持ち帰り(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえる。 しかしながら、引用文献4には税率を変更することは記載も示唆もされておらず、引用文献4記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (キ)さらに、引用文献5についても、段落【0002】に「・・・また、近年においては、消費税率の引上げに伴う食料品等に対する消費税の軽減税率制度の導入が検討されている。・・・」と記載され、段落【0054】に「商品コードの読み取りに先立って、『EAT IN』キーまたは『TAKE OUT』キーが押下された場合(ステップS1:No、ステップS11:Yes)には、・・・本実施形態においては、所定の商品(例えばハンバーガー)を店内で食べる(EAT IN)場合には、標準税率を適用し、所定の商品(例えばハンバーガー)を持ち帰る(TAKE OUT)場合には、軽減税率(他の税率)を適用するためである。」と記載されているから、引用文献5には、商品コードの読み取りに先立って、「EAT IN」キーが押下された場合には消費税率に標準税率を適用し、「TAKE OUT」キーが押下された場合には消費税率に軽減税率を適用することが記載されているといえるが、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであって、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (ク)引用発明1Bは「前記イートインに対して設定された税率が適用された税合計額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税合計額を表示させる」ものであって取引形態を代えるものであるが、上記(エ)~(キ)のとおり引用文献2~5記載のものは、いずれもイートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではないから、引用発明1Bの「取引形態受付手段」が「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける」タイミングとして、上記引用文献2~4記載の注文の完了後に取引形態の指定を受け付ける点を採用する動機付けはない。 また、仮に採用しようとしたとしても、「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する操作を受け付ける」タイミングを、具体的に「勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後)であって、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税合計額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき)とすることは、いずれの文献にも開示がなく、相違点3及び4に係る本件発明2のごとく構成することが、当業者にとって容易であったとすることはできない。 (ケ)そして、本件発明2は、一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに、一取引での消費税合計額を金額の大きなもの(標準税率が適用されたもの)から必要に応じて金額の小さなもの(軽減税率が適用されたもの)に変化させることで、顧客に不安を与えることがないという優れた効果を奏するものである。 ウ 小括 したがって、本件発明2は、引用発明1Bと相違点1’~4’において相違するものであるところ、相違点3’及び4’に係る本件発明2の構成は容易想到とはいえないものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は引用発明1B、引用文献2~5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明3について 本件発明3は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(1)及び(2)で検討したとおり、本件発明3と引用発明1A又は1Bとは、少なくとも相違点3及び4、又は、相違点3’及び4’において相違し、これらの相違点に係る本件発明3の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明3は引用発明1A又は1Bと、引用文献2~5に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4)本件発明4について ア 対比 本件発明4と引用発明1Cとを対比する。 (ア)引用発明1Cの「店員によって操作されるPosシステムのコンピュータ」は、本件発明4の「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータ」に相当する。 (イ)引用発明1Cの「イートインに対して設定した税率を適用」することと、本件発明4の「消費税率に標準税率を適用」することとは、「第1の税率を適用する」という点で共通し、同様に、「表示部」と「客用表示部」とは、「表示部」という点で共通する。 よって、引用発明1Cの「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段」と、本件発明4の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」とは、「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を第1の税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段」という点で共通する。 (ウ)引用発明1Cの「テイクアウト用勘定書として転送するためのボタン」は、摘示(1e)の「課税対象種別 税は、すべて、イートイン又はテイクアウトに対して設定できます。」なる記を踏まえると、「テイクアウトに対して設定した税(%)が適用される取引形態として指定する取引種別キー」といえる。 そして、上記「テイクアウトに対して設定した税率が適用される」ことと、本件発明4の「消費税率に軽減税率が適用される」こととは、いずれも上記イの第1の税率とは異なる税率であるから、「第2の税率が適用される」という点で共通する。 よって、引用発明1Cの「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」と、本件発明4の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」とは、「前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」という点で共通する。 (エ)引用発明1Cの「前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」は、勘定書をクローズする通常の方法の開始は、一取引の締めといえるから、本件発明4の「前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」に相当する。 (オ)引用発明1Cの「前記表示制御手段は、前記取引形態指定手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税込小計金額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる」ことと、本件発明4の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる」こととは、上記(イ)~(エ)も踏まえると、「前記表示制御手段は、前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第2の税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる」という点で共通する。 したがって、本件発明4と引用発明1Cとの一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点1’’〕 「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を第1の税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段、 前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、 前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、 として機能させ、 前記表示制御手段は、前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第2の税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる、 プログラム。」 〔相違点1’’〕 本件発明4は、第1の税率が「消費税率に標準税率を適用し」たものであり、第2の税率が「消費税率に軽減税率が適用された」ものであるのに対し、引用発明1Cは、第1の税率が「イートインに対して設定した税率」であり、第2の税率が「テイクアウトに対して設定した税率」である点。 〔相違点2’’〕 税込小計金額を表示させる際、本件発明4は「客用表示部」に表示させるのに対し、引用発明1Cは「表示部」に表示させるものの、「客用表示部」に表示させるか明らかでない点。 〔相違点3’’〕 「取引形態受付手段」が「前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作」を受け付けるタイミングに関し、本件発明4は「前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明1Cはそのような特定事項を有しない点。 〔相違点4’’〕 「表示制御手段」が「前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税込小計金額に代えて前記第2の税率が適用された税込小計金額を表示部に表示させる」タイミングに関し、本件発明4は「前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明1Cはそのような特定事項を有しない点。 イ 判断 事案に鑑み、上記相違点3’’及び4’’について検討する。 (ア)引用発明1Cは、「取引形態受付手段」が「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける」タイミングが、「前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後)であるか否か明らかでなく、さらに、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税込小計金額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき)であるかも明らかでない。 (イ)補足すると、上記「(1)イ 判断(イ)」で説示したとおり、引用文献1には、「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける」タイミングを、「前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後)とすることは記載も示唆もされていない。 (ウ)さらに、上記「(1)イ 判断(ウ)」で説示したとおり、引用文献1には、「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受ける」タイミングが、表示部にイートインに対して設定された税率が適用された税込小計金額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき)とすることも記載も示唆もされていない。 (エ)また、上記「(1)イ 判断(エ)」で検討したのと同様に、引用文献2には、注文の完了後に、現地で食事(イートイン)かピックアップ(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえるが、引用文献2記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (オ)引用文献3についても、上記「(1)イ 判断(オ)」で検討したのと同様に、引用文献3には、注文の終了後に店内で飲食する(イートイン)かお持ち帰りになる(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえるが、引用文献3記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (カ)引用文献4についても、上記「(1)イ 判断(カ)」で検討したのと同様に、引用文献4には、注文の完了後に、店内飲食(イートイン)か持ち帰り(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえるが、引用文献4記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (キ)引用文献5についても、上記「(1)イ 判断(キ)」で検討したのと同様に、引用文献5には、商品コードの読み取りに先立って、「EAT IN」キーが押下された場合には消費税率に標準税率を適用し、「TAKE OUT」キーが押下された場合には消費税率に軽減税率を適用することは記載されているといえるが、引用文献5記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (ク)引用発明1Cは「前記イートインに対して設定された税率が適用された税込小計金額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税込小計金額を表示させる」ものであって取引形態を代えるものであるが、上記(エ)~(キ)のとおり引用文献2~5記載のものは、いずれもイートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではないから、引用発明1Cの「取引形態受付手段」が「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける」タイミングとして、上記引用文献2~4記載の注文の完了後に取引形態の指定を受け付ける点を採用する動機付けはない。 また、仮に採用しようとしたとしても、「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける」タイミングを、具体的に「前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後)であって、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税込小計金額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき)とすることは、いずれの文献にも開示がなく、相違点3’’及び4’’に係る本件発明4のごとく構成することが、当業者にとって容易であったとすることはできない。 (ケ)そして、本件発明4は、一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているときに、一取引での税込小計金額を金額の大きなもの(標準税率が適用されたもの)から必要に応じて金額の小さなもの(軽減税率が適用されたもの)に変化させることで、顧客に不安を与えることがないという優れた効果を奏するものである。 ウ 小括 したがって、本件発明4は、引用発明1Cと相違点1’’~4’’において相違するものであるところ、相違点3’’及び4’’に係る本件発明4の構成は容易想到とはいえないものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は引用発明1C、引用文献2~5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (5)本件発明5について ア 対比 本件発明5と引用発明1Dとを対比する。 (ア)引用発明1Dの「店員によって操作されるPosシステムのコンピュータ」は、本件発明5の「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータ」に相当する。 (イ)引用発明1Dの「イートインに対して設定した税率を適用」することと、本件発明5の「消費税率に標準税率を適用」することとは、「第1の税率を適用」するという点で共通し、同様に、「表示部」と「客用表示部」とは、「表示部」という点で共通する。 よって、引用発明1Dの「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額をイートインに対して設定した税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段」と、本件発明5の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」とは、「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額を第1の税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段」という点で共通する。 (ウ)引用発明1Dの「テイクアウト用勘定書として転送するためのボタン」は、摘示(1e)の「課税対象種別 税は、すべて、イートイン又はテイクアウトに対して設定できます。」なる記を踏まえると、「テイクアウトに対して設定した税率が適用される取引形態として指定する取引種別キー」といえる。 そして、上記「テイクアウトに対して設定した税率が適用される」ことと、本件発明5の「消費税率に軽減税率が適用される」こととは、いずれも上記イの第1の税率とは異なる税率であるから、「第2の税率が適用される」という点で共通する。 よって、引用発明1Dの「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」と、本件発明5の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」とは、「前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」という点で共通する。 (エ)引用発明1Dの「前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」は、勘定書をクローズする通常の方法の開始は、一取引の締めといえるから、本件発明5の「前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」に相当する。 (オ)引用発明1Dの「前記表示制御手段は、前記取引形態指定手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記イートインに対して設定された税合計額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税合計額を表示部に表示させる」ことと、本件発明5の「前記表示制御手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる」こととは、上記(イ)~(エ)も踏まえると、「前記表示制御手段は、前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税合計額に代えて前記第2の税率が適用された税合計額を表示部に表示させる」という点で共通する。 したがって、本件発明5と引用発明1Dとの一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点1’’’〕 「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税合計額を第1の税率を適用して表示部に更新表示させる表示制御手段、 前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、 前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、 として機能させ、 前記表示制御手段は、前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税合計額に代えて前記第2の税率が適用された税合計額を表示部に表示させる、 プログラム。」 〔相違点1’’’〕 本件発明5は、税合計額が「消費税合計額」であって、第1の税率が「消費税率に標準税率を適用し」たものであり、第2の税率が「消費税率に軽減税率が適用された」ものであるのに対し、引用発明1Dは、税合計額の税の種類が不明であって、第1の税率が「イートインに対して設定した税率」であり、第2の税率が「テイクアウトに対して設定した税率」である点。 〔相違点2’’’〕 税合計額を表示させる際、本件発明5は「客用表示部」に表示させるのに対し、引用発明1Dは「表示部」に表示させるものの、「客用表示部」に表示させるか明らかでない点。 〔相違点3’’’〕 「取引形態受付手段」が「前記一取引での取引形態を第2の税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作」を受け付けるタイミングに関し、本件発明5は「前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明1Dはそのような特定事項を有しない点。 〔相違点4’’’〕 「表示制御手段」が「前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記第1の税率が適用された税合計額に代えて前記第2の税率が適用された税合計額を表示部に表示させる」タイミングに関し、本件発明5は「前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明1Dはそのような特定事項を有しない点。 イ 判断 事案に鑑み、上記相違点3’’’及び4’’’について検討する。 (ア)引用発明1Dは、「取引形態受付手段」が「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける」タイミングが、「前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後)であるか否か明らかでなく、さらに、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税合計額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき)であるかも明らかでない。 (イ)補足すると、上記「(2)イ 判断(イ)」で説示したとおり、引用文献1には、「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける」タイミングが「前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後)とすることは記載も示唆もされていない。 (ウ)さらに、上記「(2)イ 判断(ウ)」で説示したとおり、引用文献1には、「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受ける」タイミングが、表示部にイートインに対して設定された税率が適用された税合計額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき)とすることも記載も示唆もされていない。 (エ)また、上記「(2)イ 判断(エ)」で検討したのと同様に、引用文献2には、注文の完了後に、現地で食事(イートイン)かピックアップ(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえるが、引用文献2記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (オ)引用文献3についても、上記「(2)イ 判断(オ)」で検討したのと同様に、引用文献3には、注文の終了後に店内で飲食する(イートイン)かお持ち帰りになる(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえるが、引用文献3記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (カ)引用文献4についても、上記「(2)イ 判断(カ)」で検討したのと同様に、引用文献4には、注文の完了後に、店内飲食(イートイン)か持ち帰り(テイクアウト)かの取引形態の指定を受け付けることは記載されているといえるが、引用文献4記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (キ)引用文献5についても、上記「(2)イ 判断(キ)」で検討したのと同様に、引用文献5には、商品コードの読み取りに先立って、「EAT IN」キーが押下された場合には消費税率に標準税率を適用し、「TAKE OUT」キーが押下された場合には消費税率に軽減税率を適用することは記載されているといえるが、引用文献5記載のものは、イートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではない。 (ク)引用発明1Dは「前記イートインに対して設定された税率が適用された税合計額に代えて前記テイクアウトに対して設定された税率が適用された税合計額を表示させる」ものであって取引形態を代えるものであるが、上記(エ)~(キ)のとおり引用文献2~5記載のものは、いずれもイートインの税率が適用される取引形態に代えて、テイクアウトの税率が適用される取引形態とするものではないから、引用発明1Dの「取引形態受付手段」が「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける」タイミングとして、上記引用文献2~4記載の注文の完了後に取引形態の指定を受け付ける点を採用する動機付けはない。 また、仮に採用しようとしたとしても、「一取引での取引形態をテイクアウト用勘定書として転送するためのボタンに対する前記店員による第1の操作を受け付ける」タイミングを、具体的に「前記店員による第2の操作に基づいて勘定書をクローズする通常の方法を開始する『支払い』ボタン」が操作された後(前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後)であって、表示部にイートインに対して設定した税率が適用された税合計額が表示されているとき(前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき)とすることは、いずれの文献にも開示がなく、相違点3’’及び4’’に係る本件発明5のごとく構成することが、当業者にとって容易であったとすることはできない。 (ケ)そして、本件発明5は、一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているときに、一取引での消費税合計額を金額の大きなもの(標準税率が適用されたもの)から必要に応じて金額の小さなもの(軽減税率が適用されたもの)に変化させることで、顧客に不安を与えることがないという優れた効果を奏するものである。 ウ 小括 したがって、本件発明5は、引用発明1Dと相違点1’’’~4’’’において相違するものであるところ、相違点3’’’及び4’’’に係る本件発明5の構成は容易想到とはいえないものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明5は引用発明1D、引用文献2~5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第5 当審で採用しなかった特許異議申立理由について 特許異議申立人は、本件発明1~5は、甲第4号証に記載された発明と、甲第5号証に記載された技術的事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張しているので、以下検討する。 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と引用発明4Aとを対比する。 (ア)引用発明4Aの「顧客」と本件発明1の「店員」とは、「ユーザ」という点で共通する。 よって、引用発明4Aの「顧客によって操作されるPOSシステムであ」ることと、本件発明1の「店員によって操作される売上データ処理装置であ」ることとは、「ユーザによって操作される売上データ処理装置である」点で共通する。 (イ)引用発明4Aの「注文する」ことは、POSシステムを用いた注文であるから、本件発明1の「売上登録する」ことに相当する。 よって、引用発明4Aの「注文する商品の指定を受け付ける毎に一注文内における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段」と、本件発明1の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」とは、「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段」という点で共通する。 (ウ)引用発明4Aの「食事場所の選択ボタン」は、「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態を指定するものであるから、本件発明1の「取引種別キー」に相当する。 よって、引用発明4Aの「前記一注文での取引形態を『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」と、本件発明1の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」とは、「前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」という点で共通する。 (エ)引用発明4Aの「注文の完了を受け付ける注文完了セレクタ642」は、注文の完了は一取引の締めといえるから、本件発明1の「前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」に相当する。 (オ)上記(エ)を踏まえると、引用発明4Aの「一注文の完了が選択され」ることは、本件発明1の「一取引に対する締めが受け付けられ」ることに相当する。 よって、上記(イ)、(エ)も踏まえると、引用発明4Aの「前記取引形態受付手段は、前記注文完了セレクタ642により前記一注文の完了が選択された後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作を受け付ける」ことと、本件発明1の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が滴用された税込小計金額が表示されているときに前記操作を受け付け」ることとは、「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記操作を受け付け」るという点で共通する。 したがって、本件発明1と引用発明4Aとの一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点2〕 「ユーザによって操作される売上データ処理装置であって、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段と、 前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、 前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、 を備え、 前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記操作を受け付ける、 プログラム。」 〔相違点5〕 売上データ処理装置を操作するユーザが、本件発明1は「店員」であるのに対し、引用発明4Aは「顧客」である点。 〔相違点6〕 表示制御手段において、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に更新表示させる一取引における税込小計金額が、本件発明1は「税込小計金額を消費税率に標準税率を適用し」たものであるのに対し、引用発明4Aは「税込小計金額」ではあるものの、税の種類や税率が明らかでない点。 〔相違点7〕 取引形態受付手段において、前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーが、本件発明1は「消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための」ものであるのに対し、引用発明4Aは「『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための」ものである点。 〔相違点8〕 取引形態受付手段が取引種別キーに対する操作を受け付けるタイミングが、前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって、本件発明1はさらに「前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明4Aはさらに「税込小計金額が表示されているとき」ではあるものの、いかなる税率が適用された税込小計金額が表示されているときか明らかでない点。 〔相違点9〕 表示制御手段が、前記客用表示部に表示させるタイミング及び表示対象が、本件発明1は「前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が滴用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる」のに対し、引用発明4Aはそのような特定事項を有しない点。 イ 判断 事案に鑑み、上記相違点9について検討する。 (ア)引用発明4Aは、「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段を備えるものの、引用発明4Aは取引形態に応じて税率を変更するものではなく、また、引用文献4のいずれにも税率を変更することは、記載も示唆もされていない。 (イ)また、引用文献5は、段落【0002】に「・・・また、近年においては、消費税率の引上げに伴う食料品等に対する消費税の軽減税率制度の導入が検討されている。・・・」と記載され、段落【0054】に「商品コードの読み取りに先立って、『EAT IN』キーまたは『TAKE OUT』キーが押下された場合(ステップS1:No、ステップS11:Yes)には、・・・本実施形態においては、所定の商品(例えばハンバーガー)を店内で食べる(EAT IN)場合には、標準税率を適用し、所定の商品(例えばハンバーガー)を持ち帰る(TAKE OUT)場合には、軽減税率(他の税率)を適用するためである。」と記載されているから、引用文献5には、商品コードの読み取りに先立って、「EAT IN」キーが押下された場合には消費税率に標準税率を適用し、「TAKE OUT」キーが押下された場合には消費税率に軽減税率を適用することが記載されているといえるが、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであって、相違点9に係る本件発明1のごとく、標準税率が適用された税込小計金額に代えて軽減税率が適用された税込小計金額を表示させるものではない。 (ウ)したがって、引用発明4Aは税率を変更するものではないから、上記引用文献5記載の技術的事項を採用する動機付けはなく、仮に採用しようとしたとしても、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであるから、相違点9に係る本件発明1のごとく、標準税率が適用された税込小計金額に代えて軽減税率が適用された税込小計金額を表示させるものには至らない。 ウ 小括 したがって、本件発明1は、引用発明4Aと相違点5~9において相違するものであるところ、相違点9に係る本件発明1の構成は容易想到とはいえないものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明4A及び引用文献5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (2)本件発明2について ア 対比 本件発明2と引用発明4Aとを対比する。 (ア)引用発明4Aの「顧客」と本件発明2の「店員」とは、「ユーザ」という点で共通する。 よって、引用発明4Aの「顧客によって操作されるPOSシステムであ」ることと、本件発明2の「店員によって操作される売上データ処理装置であ」ることとは、「ユーザによって操作される売上データ処理装置である」点で共通する。 (イ)引用発明4Aの「注文する」ことは、POSシステムを用いた注文であるから、本件発明2の「売上登録する」ことに相当する。また、引用発明4Aの「税込小計金額」と本件発明2の「消費税合計額を消費税率に標準税率を適用し」たものとは、「税に関する情報」という点で共通する。 よって、引用発明4Aの「注文する商品の指定を受け付ける毎に一注文内における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段」と、本件発明2の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」とは、「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税に関する情報を客用表示部に更新表示させる表示制御手段」という点で共通する。 (ウ)引用発明4Aの「食事場所の選択ボタン」は、「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態を指定するものであるから、本件発明2の「取引種別キー」に相当する。 よって、引用発明4Aの「前記一注文での取引形態を『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」と、本件発明2の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」とは、「前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段」という点で共通する。 (エ)引用発明4Aの「注文の完了を受け付ける注文完了セレクタ642」は、注文の完了は一取引の締めといえるから、本件発明2の「前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」に相当する。 (オ)上記(エ)を踏まえると、引用発明4Aの「一注文の完了が選択され」ることは、本件発明2の「一取引に対する締めが受け付けられ」ることに相当する。 よって、上記(イ)、(エ)も踏まえると、引用発明4Aの「前記取引形態受付手段は、前記注文完了セレクタ642により前記一注文の完了が選択された後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作を受け付ける」ことと、本件発明2の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が滴用された消費税合計額が表示されているときに前記操作を受け付け」ることとは、「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に税に関する情報が表示されているときに前記操作を受け付け」るという点で共通する。 したがって、本件発明2と引用発明4Aとの一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点2’〕 「ユーザによって操作される売上データ処理装置であって、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税に関する情報を客用表示部に更新表示させる表示制御手段と、 前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーに対する操作を受け付ける取引形態受付手段と、 前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段と、 を備え、 前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に税に関する情報が表示されているときに前記操作を受け付ける、 プログラム。」 〔相違点5’〕 売上データ処理装置を操作するユーザが、本件発明2は「店員」であるのに対し、引用発明4Aは「顧客」である点。 〔相違点6’〕 表示制御手段において、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に更新表示させる一取引における税に関する情報が、本件発明2は「消費税合計額を消費税率に標準税率を適用し」たものであるのに対し、引用発明4Aは「税込小計金額」である点。 〔相違点7’〕 取引形態受付手段において、前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーが、本件発明2は「消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための」ものであるのに対し、引用発明4Aは「『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための」ものである点。 〔相違点8’〕 取引形態受付手段が取引種別キーに対する操作を受け付けるタイミングが、前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって、本件発明2はさらに「前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明4Aはさらに「税込小計金額が表示されているとき」である点。 〔相違点9’〕 表示制御手段が、前記客用表示部に表示させるタイミング及び表示対象が、本件発明2は「前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が滴用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる」のに対し、引用発明4Aはそのような特定事項を有しない点。 イ 判断 事案に鑑み、上記相違点9’について検討する。 (ア)引用発明4Aは、「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段を備えるものの、当該取引形態に応じて税率を変更するものではなく、また、引用文献4のいずれにも税率を変更することは、記載も示唆もされていない。 (イ)また、引用文献5は、段落【0002】に「・・・また、近年においては、消費税率の引上げに伴う食料品等に対する消費税の軽減税率制度の導入が検討されている。・・・」と記載され、段落【0054】に「商品コードの読み取りに先立って、『EAT IN』キーまたは『TAKE OUT』キーが押下された場合(ステップS1:No、ステップS11:Yes)には、・・・本実施形態においては、所定の商品(例えばハンバーガー)を店内で食べる(EAT IN)場合には、標準税率を適用し、所定の商品(例えばハンバーガー)を持ち帰る(TAKE OUT)場合には、軽減税率(他の税率)を適用するためである。」と記載されているから、引用文献5には、商品コードの読み取りに先立って、「EAT IN」キーが押下された場合には消費税率に標準税率を適用し、「TAKE OUT」キーが押下された場合には消費税率に軽減税率を適用することが記載されているといえるが、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであって、相違点9’に係る本件発明2のごとく、標準税率が適用された消費税合計額に代えて軽減税率が適用された消費税合計額を表示させるものではない。 (ウ)したがって、引用発明4Aは税率を変更するものではないから、上記引用文献5記載の技術的事項を採用する動機付けはなく、仮に採用しようとしたとしても、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであるから、相違点9’に係る本件発明2のごとく、標準税率が適用された消費税合計額に代えて軽減税率が適用された消費税合計額を表示させるものには至らない。 ウ 小括 したがって、本件発明2は、引用発明4Aと相違点5’~9’において相違するものであるところ、相違点9’に係る本件発明2の構成は容易想到とはいえないものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は、引用発明4A及び引用文献5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明3について 本件発明3は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(1)及び(2)で検討したとおり、本件発明3と引用発明4Aは、少なくとも相違点9又は9’において相違し、当該相違点に係る本件発明3の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明3は引用発明4A及び引用文献5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4)本件発明4について ア 対比 本件発明4と引用発明4Bとを対比する。 (ア)引用発明4Bの「顧客」と本件発明4の「店員」とは、「ユーザ」という点で共通する。また、 よって、引用発明4Bの「顧客によって操作されるPOSシステムのコンピュータ」と、本件発明4の「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータ」とは、「ユーザによって操作される売上データ処理装置のコンピュータ」という点で共通する。 (イ)引用発明4Bの「注文する」ことは、POSシステムを用いた注文であるから、本件発明4の「売上登録する」ことに相当する。 よって、引用発明4Bの「注文する商品の指定を受け付ける毎に一注文内における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段」と、本件発明4の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」とは、「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段」という点で共通する。 (ウ)引用発明4Bの「食事場所の選択ボタン」は、「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態を指定するものであるから、本件発明4の「取引種別キー」に相当する。 よって、上記(ア)も踏まえると、引用発明4Bの「前記一注文での取引形態を『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する顧客による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」と、本件発明4の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」とは、「前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーに対する前記ユーザによる第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」という点で共通する。 (エ)引用発明4Bの「前記顧客による第2の操作に基づいて注文の完了を受け付ける注文完了セレクタ642」と、本件発明4の「前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」とは、注文の完了は一取引の締めといえるから、上記(ア)も踏まえると、「前記ユーザによる第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」という点で共通する。 (オ)上記(エ)を踏まえると、引用発明4Bの「一注文の完了が選択され」ることは、本件発明4の「一取引に対する締めが受け付けられ」ることに相当する。 よって、上記(イ)、(エ)も踏まえると、引用発明4Bの「前記取引形態受付手段は、前記注文完了セレクタ642により前記第2の操作に基づいて前記一注文の完了が選択された後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作を受け付ける」ことと、本件発明4の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が滴用された税込小計金額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け」ることとは、「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け」るという点で共通する。 したがって、本件発明4と引用発明4Bとの一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点2’’〕 「ユーザによって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段、 前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーに対する前記ユーザによる第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、 前記ユーザによる第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、 として機能させ、 前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記第1の操作を受け付ける、 プログラム。」 〔相違点5’’〕 売上データ処理装置を操作し、第1の操作及び第2の操作を行うユーザが、本件発明4は「店員」であるのに対し、引用発明4Bは「顧客」である点。 〔相違点6’’〕 表示制御手段において、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に更新表示させる一取引における税込小計金額が、本件発明4は「税込小計金額を消費税率に標準税率を適用し」たものであるのに対し、引用発明4Bは「税込小計金額」ではあるものの、税の種類や税率が明らかでない点。 〔相違点7’’〕 取引形態受付手段において、前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーが、本件発明4は「消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための」ものであるのに対し、引用発明4Bは「『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための」ものである点。 〔相違点8’’〕 取引形態受付手段が取引種別キーに対する第1の操作を受け付けるタイミングが、前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって、本件発明4はさらに「前記標準税率が適用された税込小計金額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明4Bはさらに「税込小計金額が表示されているとき」ではあるものの、いかなる税率が適用された税込小計金額が表示されているときか明らかでない点。 〔相違点9’’〕 表示制御手段が、前記客用表示部に表示させるタイミング及び表示対象が、本件発明4は「前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が滴用された税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された税込小計金額に代えて前記軽減税率が適用された税込小計金額を前記客用表示部に表示させる」のに対し、引用発明4Bはそのような特定事項を有しない点。 イ 判断 事案に鑑み、上記相違点9’’について検討する。 (ア)引用発明4Bは、「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段を備えるものの、引用発明4Bは取引形態に応じて税率を変更するものではなく、また、引用文献4のいずれにも税率を変更することは、記載も示唆もされていない。 (イ)また、引用文献5は、段落【0002】に「・・・また、近年においては、消費税率の引上げに伴う食料品等に対する消費税の軽減税率制度の導入が検討されている。・・・」と記載され、段落【0054】に「商品コードの読み取りに先立って、『EAT IN』キーまたは『TAKE OUT』キーが押下された場合(ステップS1:No、ステップS11:Yes)には、・・・本実施形態においては、所定の商品(例えばハンバーガー)を店内で食べる(EAT IN)場合には、標準税率を適用し、所定の商品(例えばハンバーガー)を持ち帰る(TAKE OUT)場合には、軽減税率(他の税率)を適用するためである。」と記載されているから、引用文献5には、商品コードの読み取りに先立って、「EAT IN」キーが押下された場合には消費税率に標準税率を適用し、「TAKE OUT」キーが押下された場合には消費税率に軽減税率を適用することが記載されているといえるが、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであって、相違点4に係る本件発明4のごとく、標準税率が適用された税込小計金額に代えて軽減税率が適用された税込小計金額を表示させるものではない。 (ウ)したがって、引用発明4Bは税率を変更するものではないから、上記引用文献5記載の技術的事項を採用する動機付けはなく、仮に採用しようとしたとしても、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであるから、相違点9’’に係る本件発明4のごとく、標準税率が適用された税込小計金額に代えて軽減税率が適用された税込小計金額を表示させるものには至らない。 ウ 小括 したがって、本件発明4は、引用発明4Aと相違点5’’~9’’において相違するものであるところ、相違点9’’に係る本件発明4の構成は容易想到とはいえないものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は、引用発明4B及び引用文献5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (5)本件発明5について ア 対比 本件発明5と引用発明4Bとを対比する。 (ア)引用発明4Bの「顧客」と本件発明5の「店員」とは、「ユーザ」という点で共通する。また、 よって、引用発明4Bの「顧客によって操作されるPOSシステムのコンピュータ」と、本件発明5の「店員によって操作される売上データ処理装置のコンピュータ」とは、「ユーザによって操作される売上データ処理装置のコンピュータ」という点で共通する。 (イ)引用発明4Bの「注文する」ことは、POSシステムを用いた注文であるから、本件発明5の「売上登録する」ことに相当する。また、引用発明4Bの「税込小計金額」と本件発明5の「消費税合計額を消費税率に標準税率を適用し」たものとは、「税に関する情報」という点で共通する。 よって、引用発明4Bの「注文する商品の指定を受け付ける毎に一注文内における税込小計金額を客用表示部に更新表示させる表示制御手段」と、本件発明5の「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における消費税合計額を消費税率に標準税率を適用して客用表示部に更新表示させる表示制御手段」とは、「売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税に関する情報を客用表示部に更新表示させる表示制御手段」という点で共通する。 (ウ)引用発明4Bの「食事場所の選択ボタン」は、「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態を指定するものであるから、本件発明5の「取引種別キー」に相当する。 よって、上記(ア)も踏まえると、引用発明4Bの「前記一注文での取引形態を『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する顧客による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」と、本件発明5の「前記一取引での取引形態を消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための取引種別キーに対する前記店員による第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」とは、「前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーに対する前記ユーザによる第1の操作を受け付ける取引形態受付手段」という点で共通する。 (エ)引用発明4Bの「前記顧客による第2の操作に基づいて注文の完了を受け付ける注文完了セレクタ642」と、本件発明5の「前記店員による第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」とは、注文の完了は一取引の締めといえるから、上記(ア)も踏まえると、「前記ユーザによる第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段」という点で共通する。 (オ)上記(エ)を踏まえると、引用発明4Bの「一注文の完了が選択され」ることは、本件発明5の「一取引に対する締めが受け付けられ」ることに相当する。 よって、上記(イ)、(エ)も踏まえると、引用発明4Bの「前記取引形態受付手段は、前記注文完了セレクタ642により前記第2の操作に基づいて前記一注文の完了が選択された後であって前記客用表示部に税込小計金額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作を受け付ける」ことと、本件発明5の「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が滴用された消費税合計額が表示されているときに前記第1の操作を受け付け」ることとは、「前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に税に関する情報が表示されているときに前記第1の操作を受け付け」るという点で共通する。 したがって、本件発明5と引用発明4Bとの一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点2’’’〕 「ユーザによって操作される売上データ処理装置のコンピュータを、 売上登録する商品の指定を受け付ける毎に一取引における税に関する情報を客用表示部に更新表示させる表示制御手段、 前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーに対する前記ユーザによる第1の操作を受け付ける取引形態受付手段、 前記ユーザによる第2の操作に基づいて前記一取引の締めを受け付ける締め受付手段、 として機能させ、 前記取引形態受付手段は、前記締め受付手段により前記第2の操作に基づいて前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に税に関する情報が表示されているときに前記第1の操作を受け付ける、 プログラム。」 〔相違点5’’’〕 売上データ処理装置を操作し、第1の操作及び第2の操作を行うユーザが、本件発明5は「店員」であるのに対し、引用発明4Bは「顧客」である点。 〔相違点6’’’〕 表示制御手段において、売上登録する商品の指定を受け付ける毎に更新表示させる一取引における税に関する情報が、本件発明5は「消費税合計額を消費税率に標準税率を適用し」たものであるのに対し、引用発明4Bは「税込小計金額」である点。 〔相違点7’’’〕 取引形態受付手段において、前記一取引での取引形態を指定するための取引種別キーが、本件発明5は「消費税率に軽減税率が適用される取引形態として指定するための」ものであるのに対し、引用発明4Bは「『店内飲食』あるいは『持ち帰り』のような食事場所の取引形態として指定するための」ものである点。 〔相違点8’’’〕 取引形態受付手段が取引種別キーに対する第1の操作を受け付けるタイミングが、前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって、本件発明5はさらに「前記標準税率が適用された消費税合計額が表示されているとき」であるのに対し、引用発明4Bはさらに「税込小計金額が表示されているとき」ではある点。 〔相違点9’’’〕 表示制御手段が、前記客用表示部に表示させるタイミング及び表示対象が、本件発明5は「前記締め受付手段により前記一取引に対する締めが受け付けられた後であって前記客用表示部に前記標準税率が滴用された消費税合計額が表示されているときに前記取引形態受付手段により前記第1の操作が受け付けられた場合に、前記標準税率が適用された消費税合計額に代えて前記軽減税率が適用された消費税合計額を前記客用表示部に表示させる」のに対し、引用発明4Bはそのような特定事項を有しない点。 イ 判断 事案に鑑み、上記相違点9’’’について検討する。 (ア)引用発明4Bは、「店内飲食」あるいは「持ち帰り」のような食事場所の取引形態として指定するための食事場所の選択ボタンに対する操作を受け付ける取引形態受付手段を備えるものの、引用発明4Bは取引形態に応じて税率を変更するものではなく、また、引用文献4のいずれにも税率を変更することは、記載も示唆もされていない。 (イ)また、引用文献5は、段落【0002】に「・・・また、近年においては、消費税率の引上げに伴う食料品等に対する消費税の軽減税率制度の導入が検討されている。・・・」と記載され、段落【0054】に「商品コードの読み取りに先立って、『EAT IN』キーまたは『TAKE OUT』キーが押下された場合(ステップS1:No、ステップS11:Yes)には、・・・本実施形態においては、所定の商品(例えばハンバーガー)を店内で食べる(EAT IN)場合には、標準税率を適用し、所定の商品(例えばハンバーガー)を持ち帰る(TAKE OUT)場合には、軽減税率(他の税率)を適用するためである。」と記載されているから、引用文献5には、商品コードの読み取りに先立って、「EAT IN」キーが押下された場合には消費税率に標準税率を適用し、「TAKE OUT」キーが押下された場合には消費税率に軽減税率を適用することが記載されているといえるが、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであって、相違点9’’’に係る本件発明5のごとく、標準税率が適用された消費税合計額に代えて軽減税率が適用された消費税合計額を表示させるものではない。 (ウ)したがって、引用発明4Bは税率を変更するものではないから、上記引用文献5記載の技術的事項を採用する動機付けはなく、仮に採用しようとしたとしても、引用文献5記載のものは、商品コードの読み取りに先立って「EAT IN」キー又は「TAKE OUT」キーを押下するものであるから、相違点9’’’に係る本件発明5のごとく、標準税率が適用された消費税合計額に代えて軽減税率が適用された消費税合計額を表示させるものには至らない。 ウ 小括 したがって、本件発明5は、引用発明4Bと相違点5’’’~9’’’において相違するものであるところ、相違点9’’’に係る本件発明5の構成は容易想到とはいえないものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明5は、引用発明4B及び引用文献5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1~5に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2020-700702

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