特許訂正審判
2020-390087
受信機、受信方法
- 審判番号
- 2020-390087
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2018-155986外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年09月17日
- 審決日
- 2020年11月10日
- 公報発行日
- 2021年05月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】東芝映像ソリューション 株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人スズエ国際特許事務所
- 分類
- P141 .852-Y (H04N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6629931号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6629931号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6629931号は、請求項1,2に係る発明について、令和1年12月13日に特許権の設定登録がされたものであり、令和2年9月17日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、
「特許第6629931号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲の通り、訂正することを認める、との審決を求める。」
というものであって、その訂正の内容は、次の訂正事項からなる。なお、下線部は訂正箇所を示す。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できたいためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させる受信機。」
とあるのを、
「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できないためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させる受信機。」
と訂正する。
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に、
「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できたいためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させる受信機の受信方法。」
とあるのを
「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できないためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させる受信機の受信方法。」
と訂正する。
3 訂正事項3
明細書の【0013】に、
「一実施形態によれば、映像ストリーム、音声ストリーム、データ放送ストリームを含む放送波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された放送波を処理して映像信号を出力するコンテンツ処理部と、前記コンテンツ処理部によって出力された前記映像信号を表示器の表示画面に全画面表示させる表示制御部と、通信部とを備えた受信機であって、
前記通信部を介してトランスポートレイヤーセキュリティ(TLS)に関するチェック機能を制御するアプリケーション制御部と、
セキュリティ通信の通信状態を検出するセキュリティ動作検出部を有し、
前記表示制御部は更に、
前記セキュリティ動作検出部によって検出された前記通信状態が、前記セキュリティ通信の実行中であった場合、前記表示器の表示画面に前記映像信号を全画面表示させた状態で、前記セキュリティ通信が実行中であることの表示を前記全画面表示に重ならないように、前記表示画面の周囲に位置するフレームに表示させ、さらに前記セキュリティ動作検出部によって検出された前記通信状態が、前記セキュリティ通信の実行中にエラーが発生した状態であった場合、
エラーの要因が、
ルート証明書自体が受信機側にない場合は、受信機側にルート証明書が存在していないためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させ、
ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できたいためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させる受信機である。」
とあるのを
「一実施形態によれば、映像ストリーム、音声ストリーム、データ放送ストリームを含む放送波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された放送波を処理して映像信号を出力するコンテンツ処理部と、前記コンテンツ処理部によって出力された前記映像信号を表示器の表示画面に全画面表示させる表示制御部と、通信部とを備えた受信機であって、
前記通信部を介してトランスポートレイヤーセキュリティ(TLS)に関するチェック機能を制御するアプリケーション制御部と、
セキュリティ通信の通信状態を検出するセキュリティ動作検出部を有し、
前記表示制御部は更に、
前記セキュリティ動作検出部によって検出された前記通信状態が、前記セキュリティ通信の実行中であった場合、前記表示器の表示画面に前記映像信号を全画面表示させた状態で、前記セキュリティ通信が実行中であることの表示を前記全画面表示に重ならないように、前記表示画面の周囲に位置するフレームに表示させ、さらに前記セキュリティ動作検出部によって検出された前記通信状態が、前記セキュリティ通信の実行中にエラーが発生した状態であった場合、
エラーの要因が、
ルート証明書自体が受信機側にない場合は、受信機側にルート証明書が存在していないためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させ、
ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できないためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させる受信機である。」
と訂正する。
第3 当審における判断
1 訂正の目的について
(1)訂正事項1
(ア)訂正前の本件特許請求の範囲の請求項1の第8段落には以下の記載がある。
「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できたいためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させる受信機。」
(イ)本件特許明細書の【0083】には、
「図11は、アプリケーション制御部184が行うセキュリティ通信においてエラーが発生した場合の、そのエラーの要因とディスプレイ50に表示するエラーメッセージの例を示している。」
という記載があり、図11には次の記載がある。
図11の「メッセージ例」の列における1,2,3,5,6番目の行目には、いずれも「接続先の安全性が確認できないため、接続できません」という記載がある。
また、図11の「原因」の列における2番目の行目と、「メッセージ例」の列における2番目の行目には、それぞれ、
「ルート証明書は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合」
「現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できないため、接続できません。」
という記載(以下、記載Aという)がある。
これらの記載から、図11は、アプリケーション制御部184が行うセキュリティ通信においてエラーが発生した場合の、そのエラーの要因とディスプレイ50に表示するエラーメッセージの例として、「安全性が確認できないため、接続できません」というエラーメッセージを、そのエラーの原因とともに表示することを説明するものであり、図11の上記記載には、明瞭でない記載や誤記は存在しないといえる。
(ウ)そうすると、上記記載Aと、訂正前の本件特許請求の範囲の請求項1の「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できたいためセキュリティ通信を実行できない」という記載(以下、記載Bという)は、いずれも、ルート証明書は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合、「現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できないため、接続できません。」というメッセージを表示するという、同じ技術事項を特定しようとするものといえる。
そして、本来は、請求項1において、上記(イ)における上記記載Aにならって、「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できないためセキュリティ通信を実行できない」という記載(以下、記載Cという)にすべきところを、上記記載Bと誤記したものであるといえる。
したがって、訂正事項1は、上記記載Aに基づいて、訂正前の上記記載Bを、上記記載Cに訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。
(2)訂正事項2
(ア)訂正前の本件特許請求の範囲の請求項2の第8段落には以下の記載がある。
「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できたいためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させる受信機の受信方法。」
(イ)訂正事項1と同様に、訂正前の本件特許請求の範囲の請求項2の「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できたいためセキュリティ通信を実行できない」という記載(以下、記載Dという)は、本来は、請求項2において、上記1(1)(イ)における上記記載Aにならって、「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できないためセキュリティ通信を実行できない」という記載(以下、記載Eという)にすべきところを、上記記載Dと誤記したものであるといえる。
したがって、訂正事項2は、上記記載Aに基づいて、訂正前の上記記載Dを、上記記載Eに訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。
(3)訂正事項3
(ア)訂正前の本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0013】の第8段落には以下の記載がある。
「ルート証明書自体は受信機側にあるが、接続先のサーバ証明書との検証が取れない場合は、現在設定されているルート証明書では接続先の安全性が確認できたいためセキュリティ通信を実行できない旨を、前記全画面表示上に重ねて表示させる受信機である。」
(イ)訂正事項3は、訂正前の本件特許請求の範囲の請求項1の引き写しが記載された本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0013】の記載について、訂正事項1と同様の訂正を行うものである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。
2 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1―3は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項1-3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
3 独立特許要件について
訂正事項1,2に関して、訂正後の請求項1,2に係る発明が特許出願の際独立して独立して特許を受けることができるか検討すると、訂正後の請求項1,2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見することはできない。
また、訂正事項3は、訂正前の本件特許請求の範囲の請求項1の引き写しが記載された本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0013】の記載について、訂正事項1と同様の訂正を行うものである。
そうすると、訂正事項3に関する独立特許要件についての判断は、訂正事項1に関する独立特許要件違反についての判断で検討したとおりであって、訂正後の請求項1,2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見することはできない。
したがって、訂正事項1-3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2020-390087