2020-390003
アゼチジノンの合成プロセス
- 審判番号
- 2020-390003
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2004-325744外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年01月15日
- 審決日
- 2020年03月17日
- 公報発行日
- 2020年06月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 分類
- P141 .841-Y (C07D) / P141 .852-Y (C07D) / P141 .854-Y (C07D) / P141 .856-Y (C07D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
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特許第4616620号は、1999年12月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1998年12月7日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2000-586688号の一部を平成16年11月9日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1~2に係る発明について平成22年10月29日に特許権の設定登録がされたものである。
そして、令和2年1月15日に本件訂正審判の請求がされたものである(以下、本件訂正審判に係る訂正を「本件訂正」ともいう)。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件審判の請求の趣旨は、「特許第4616620号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める、との審決を求める。」というものであって、その訂正の内容は、下記訂正事項1のとおりである。
[訂正事項1]
特許請求の範囲の請求項1の記載を、
「次式により表わされる化合物を調製する方法であって:【化1】該方法は、式VIIのβ-(置換アミノ)アミド【化2】をシリル化剤およびフッ化物イオン触媒環化剤を用いて環化して、式VIIIの化合物【化3】を得る工程であって、ここで、Xが、-O-、-S-または-N(C1~C6アルキル)であり;Yは、=Oまたは=Sであり;そしてR1は、C1~C6アルキル、フェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ナフチル、C1~C6アルコキシカルボニルまたはベンジルであり、ここで、フェニルおよびナフチル上の該置換基は、C1~C6アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される1個~3個の置換基であり、ここで、Protは、シリル基である工程;および該シリル基を除去する工程、を包含する、方法。」と訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正の目的について
本件訂正前の請求項1に記載された
「式VIIのβ-(置換アミノ)アミド【化2】をシリル化剤およびフッ化物イオン触媒環化剤を用いて環化して、式VIIIの化合物【化3】を得る工程であって、ここで、Xが、-O-、-S-または-N(C1~C6アルキル)であり;Yは、=Oまたは=Sであり;そしてR1は、C1~C6アルキル、フェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ナフチル、C1~C6アルコキシカルボニルまたはベンジルであり、ここで、フェニルおよびナフチル上の該置換基は、C1~C6アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群から選択される1個~3個の置換基であり、ここで、Protは、シリル基である工程」は、本件明細書の段落0020に記載された
「【0020】【化16】(d)式VIIのβ-(置換アミノ)アミドを、(i)シリル化剤(silylating agent)およびフッ化物イオン触媒環化剤;(ii)シリル化剤および式IIIのキラル補助剤(chiral auxiliary)の四級アンモニウム塩;または(iii)非求核性強塩基で環化して、式VIIIの化合物を得る工程……【0021】【化17】」の(d)工程に対応するものであることが明らかである。
そして、上記の本件明細書の段落0020に記載された
「」の反応においては、本来、式Vの化合物と式VIの化合物との縮合反応において得られる式VIIの化合物におけるR1の立体配置は、式Vの化合物におけるR1の立体配置が維持されたものになることが、技術常識から明らかである。
そして、キラル炭素を有する化合物の立体配置を紙面上に表現する際には、キラル炭素における置換基の結合について、紙面の手前側に位置する基の結合をくさび形の太い実線で表し、紙面の向こう側に位置する基の結合をくさび形の点線で表すことが一般的であるので、式Vの化合物がオキサゾリジノン骨格のN原子を左側に描写され、R1の結合がくさび形の点線で表されている場合に、R1の立体配置が維持された式VIIの化合物がオキサゾリジノン骨格のN原子を右側に描写されていれば、R1の結合はくさび形の太い実線で表されるべきである。
このことは、式VIIの化合物に対応することが明らかな、本件明細書の段落0026~0027に記載された反応スキームのうちの工程(d)における式VIIの化合物におけるC6H5基の結合、及び同段落0045~段落0061に記載された実施例の工程(d)における式VIIの化合物におけるPh基の結合がいずれも、太い実線で表されていることによっても示されている。
しかるところ、本件訂正前の請求項1に記載された式VIIの化合物を示す
「」との記載は、これと整合しない表記であって、
「」との記載の誤記であることは、技術常識から明らかである。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。
2 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
前記1のとおり、本件訂正は誤記の訂正を目的とするものであって、本件訂正の前後において特許請求の範囲に拡張又は変更はないことから、本件訂正は特許法第126条第6項に適合する。
3 願書に最初に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
本件特許の願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1に記載されたプロセスのうちの(c)工程における
「」との記載が、
「」との記載の誤記であることは、技術常識から明らかである。
したがって、本件訂正は、本件特許の願書に最初に添付した明細書又は特許請求の範囲のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであることから、本件訂正は特許法第126条第5項に適合する。
4 特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであることについて
訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないので、本件訂正は特許法第126条第7項に適合する。
第4 むすび
本件審判請求における請求項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおりに審決する。
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