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特許訂正審判

2023-390007

トリアゾール化合物の調製方法

審判番号
2023-390007
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2015-510775
登録番号
6149104
請求日
2023年01月16日
審決日
2023年04月07日
公報発行日
2023年07月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
  • 【請求人代理人】小野 誠
  • 【請求人代理人】金山 賢教
  • 【請求人代理人】坪倉 道明
  • 【請求人代理人】岩瀬 吉和
  • 【請求人代理人】城山 康文
審判長/審判官
  • 審判長 阪野 誠司
  • 審判官 齊藤 真由美
  • 審判官 関 美祝
分類
P141 .852-Y (C07D) / P141 .841-Y (C07D) / P141 .854-Y (C07D) / P141 .855-Y (C07D) / P141 .856-Y (C07D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6149104号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第6149104号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6149104号は、2013年5月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2012年5月8日 欧州特許庁(EP))を国際出願日とする特願2015-510775号の請求項1~7に係る発明について、平成29年5月26日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、令和5年1月16日に本件訂正審判の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6149104号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」である。 第3 訂正の内容 本件訂正審判の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1~4のとおりである。 なお、訂正事項1~3の下線は、訂正特許請求の範囲の記載のとおりであり、訂正箇所を示す。また、訂正事項4の下線は、設定登録時の明細書及び訂正明細書の記載のとおりである。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「(a)第1段階において、1,2,3-トリアゾール(III)を、溶媒中、塩基としてのエチルジイソプロピルアミンの存在下で、20~80℃の温度範囲で、ブロモ酢酸メチル(IV-Me-Br)又はブロモ酢酸エチル(IV-Et-Br)と反応させて、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)、又は、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(V-Et)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)を形成させること;」 と記載されているのを、 「(a)第1段階において、1,2,3-トリアゾール(III)を、溶媒中、塩基としてのエチルジイソプロピルアミンの存在下で、20~80℃の温度範囲で、ブロモ酢酸メチル(IV-Me-Br)又はブロモ酢酸エチル(IV-Et-Br)と反応させて、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(VI-Me)、又は、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(V-Et)及び2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸エチル(VI-Et)を形成させること;」 に訂正する。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に、 「(b)第2段階において、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)、又は、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(V-Et)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)(これらは、互いに、少なくとも6:1の比率で存在している)を、不活性溶媒の中で、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(XIX-Me)又はジメチルホルムアミドジエチルアセタール(XIX-Et)と反応させ、次いで、該溶液を冷却することによって、又は、溶媒を留去して第2の溶媒を添加することによって、結晶化させて、(2E/Z)-3-(ジメチルアミノ)-2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)アクリル酸メチル(VII-Me)又は(2E/Z)-3-(ジメチルアミノ)-2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)アクリル酸エチル(VII-Et)を形成させること;」 と記載されているのを、 「(b)第2段階において、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(VI-Me)、又は、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(V-Et)及び2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸エチル(VI-Et)(これらは、互いに、少なくとも6:1の比率で存在している)を、不活性溶媒の中で、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(XIX-Me)又はジメチルホルムアミドジエチルアセタール(XIX-Et)と反応させ、次いで、該溶液を冷却することによって、又は、溶媒を留去して第2の溶媒を添加することによって、結晶化させて、(2E/Z)-3-(ジメチルアミノ)-2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)アクリル酸メチル(VII-Me)又は(2E/Z)-3-(ジメチルアミノ)-2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)アクリル酸エチル(VII-Et)を形成させること;」 に訂正する。 3 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項7に、 「化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)、又は、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(V-Et)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)(これらは、互いに、少なくとも6:1の比率で存在している)を、不活性溶媒中、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(XIX-Me)又はジメチルホルムアミドジエチルアセタール(XIX-Et)と反応させ、次いで、該溶液を冷却することにより、又は、溶媒を留去して第2の溶媒を添加することにより、該生成物を結晶化させることによって、(2E/Z)-3-(ジメチルアミノ)-2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)アクリル酸メチル(VII-Me)又は(2E/Z)-3-(ジメチルアミノ)-2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)アクリル酸エチル(VII-Et)を調製する、請求項1~4のいずれかに記載の調製方法。」 と記載されているのを、 「化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(VI-Me)、又は、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(V-Et)及び2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸エチル(VI-Et)(これらは、互いに、少なくとも6:1の比率で存在している)を、不活性溶媒中、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(XIX-Me)又はジメチルホルムアミドジエチルアセタール(XIX-Et)と反応させ、次いで、該溶液を冷却することにより、又は、溶媒を留去して第2の溶媒を添加することにより、該生成物を結晶化させることによって、(2E/Z)-3-(ジメチルアミノ)-2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)アクリル酸メチル(VII-Me)又は(2E/Z)-3-(ジメチルアミノ)-2-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)アクリル酸エチル(VII-Et)を調製する、請求項1~4のいずれかに記載の調製方法。」 に訂正する。 4 訂正事項4 発明の詳細な説明の【0100】に、 「1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)の合成」 と記載されているのを、 「1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(VI-Me)の合成」 に訂正する。 第4 当審合議体の判断 1 訂正の目的について (1)訂正事項1について ア 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に係る「1-[6-(モルホリン-4-イル)ピリミジン-4-イル]-4-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1H-ピラゾール-5-オール(I-エノール形態)又は2-[6-(モルホリン-4-イル)ピリミジン-4-イル]-4-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-ピラゾール-3-オン(I-ケト形態)の調製方法」の発明において、「(a)第1段階」について、「1,2,3-トリアゾール(III)を、溶媒中、塩基としてのエチルジイソプロピルアミンの存在下で、20~80℃の温度範囲で、ブロモ酢酸メチル(IV-Me-Br)又はブロモ酢酸エチル(IV-Et-Br)と反応させて、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)、又は、化合物1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(V-Et)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)を形成させること」との記載のうち、「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)」を「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(VI-Me)」に訂正し、かつ、「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)」を「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸エチル(VI-Et)」に訂正するものである(なお、下線は当審合議体による。以下、同様である。)。 イ 上記「(a)第1段階」は、1位、2位及び3位に窒素原子を有する5員環の芳香族複素環式化合物である1,2,3-トリアゾールを塩基の存在下でブロモ酢酸メチル又はブロモ酢酸エチルと反応させるものであるから、この反応から得られる生成物は、1,2,3-トリアゾールの1位(3位と同じ)で結合する“1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(又はエチル)”か、2位で結合する“2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(又はエチル)”である。 一方、本件訂正前の「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)」及び「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)」の記載は、1,2,3-トリアゾールの2位が水素化されるとともに(「2H-」)、1位で酢酸メチル又は酢酸エチルと結合している(「-1-イル」)化合物を意味していることになる。 したがって、「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)」及び「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)」の記載は、「2H-」又は「-1-イル」の何れかに誤記が存在していることが明らかである。 ウ そして、本件訂正前の上記「(a)第1段階」には、1,2,3-トリアゾールの1位でブロモ酢酸メチル又はブロモ酢酸エチルと結合して得られる「1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)」及び「1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(V-Et)」が記載されており、仮に「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)」及び「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)」の「2H-」の記載が「1H-」の誤記であるとすると、同じ化合物名の化合物が「及び」で併記されるとともに「V-」及び「VI-」という異なる番号付けがされていることになるため、「-1-イル」の記載が誤記であり、正しい記載が「-2-イル」であることが自明な事項として定まるといえる。 エ そして、発明の詳細な説明には、上記「(a)第1段階」について、【0027】~【0028】に、 「【0027】 段階(a) 驚くべきことに、塩基としてエチルジイソプロピルアミンを使用して、ブロモ酢酸アルキル(IV-R-Br;R=メチル(Me)、エチル(Et))で1,2,3-トリアゾール(III)をアルキル化することによって、大過剰量のアルキル化剤を必要とすることなく又は低い反応転化率に終わることなく、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸アルキル(VI-R;R=メチル(Me)、エチル(Et))に基づいて、所望の1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸アルキル(V-R;R=メチル(Me)、エチル(Et))に対して有利な6:1以上の選択性がもたらされるということが分かった。・・・ 【0028】 スキーム6 【化8】 [図:0001399302000001.jpg] 」と記載されている。 また、「1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)」、「1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(V-Et)」、「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(VI-Me)」及び「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸エチル(VI-Et)」それぞれに対応する化学構造式についても、【0035】に、 「【0035】 スキーム7 【化9】 [図:0001399302000002.jpg] 」と記載されている。 これらの記載からも、「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)」及び「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)」の記載における「-1-イル」の記載が誤記であり、正しい記載が「-2-イル」であることが自明な事項として定まるといえる。 オ したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 (2)訂正事項2について ア 訂正事項2は、本件訂正前の請求項1に係る「1-[6-(モルホリン-4-イル)ピリミジン-4-イル]-4-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1H-ピラゾール-5-オール(I-エノール形態)又は2-[6-(モルホリン-4-イル)ピリミジン-4-イル]-4-(1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-ピラゾール-3-オン(I-ケト形態)の調製方法」の発明において、「(b)第2段階」について、訂正事項1と同様に「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)」を「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(VI-Me)」に訂正し、かつ、「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)」を「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸エチル(VI-Et)」に訂正するものである。 イ 本件訂正前の請求項1全体の記載から、上記「(b)第2段階」は、「(a)第1段階」で得られた生成物を、次いでジメチルホルムアミドジメチルアセタール(XIX-Me)又はジメチルホルムアミドジエチルアセタール(XIX-Et)と反応させるものであることが明らかである。 したがって、上記(1)イで述べたのと同様に、本件訂正前の記載に誤記が存在することが明らかであり、上記(1)ウ及びエのとおり、その誤記が「-1-イル」であり、正しい記載が「-2-イル」であると定まるといえる。 ウ よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は、請求項1を引用する請求項7について、訂正事項1又は2と同様に「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)」を「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(VI-Me)」に訂正し、かつ、「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)」を「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸エチル(VI-Et)」に訂正するものである。 そして、本件訂正前の請求項7の記載から、請求項7は、引用する請求項1における「(b)第2段階」について特定していることが明らかである。 したがって、上記(1)及び(2)で述べたのと同様に、本件訂正前の記載に誤記が存在することが明らかであり、その誤記が「-1-イル」であり、正しい記載が「-2-イル」であると定まるといえる。 よって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 (4)訂正事項4について ア 本件訂正前の【0100】の記載は、次のとおりである。 「【0100】 1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(V-Me)及び2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)の合成 実施例6 1.87kg(14.4mol)のエチルジイソプロピルアミンと500g(7.2mol)の1,2,3-トリアゾールを5Lの酢酸エチルに溶解させた溶液に、1.34kg(8.7mol)のブロモ酢酸メチルを、内部温度が43℃未満に維持されるように、2.5~3時間かけて滴下して加えた。次いで、その反応混合物を、40~44℃で2.5時間撹拌し、室温でさらに16時間撹拌し、次いで、10℃で15分間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、そのフィルターケーキを1.5Lの酢酸エチルで洗浄した。その濾液を合して減圧下(30mbar)に45℃で濃縮した。収量:1.24kgの橙-赤色の油状物(理論値の125%、未訂正)、異性体比7.6:1(式(V-Me)で表される化合物:式(VI-Me)で表される化合物;ガスクロマトグラフィー);1,2,3-トリアゾールの完全な変換、依然としてエチルジイソプロピルアミン及びエチルジイソプロピルアンモニウム臭化水素酸塩を依然として含有。」 イ 上記アから、【0100】の記載は、請求項1の「(a)第1段階」に関する実施例であることが理解できる。 したがって、上記(1)で述べたのと同様に、本件訂正前の「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)」の記載に誤記が存在することが明らかであり、その誤記が「-1-イル」であり、正しい記載が「-2-イル」であると定まるといえる。 ウ よって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 2 新規事項の追加、特許請求の範囲の実質拡張又は変更、独立特許要件について (1)訂正事項1~3について 訂正事項1~3は、上記1(1)~(3)のとおり、請求項1又は7の記載について、いずれも「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸メチル(VI-Me)」を「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸メチル(VI-Me)」に訂正し、かつ、「2H-1,2,3-トリアゾール-1-イル酢酸エチル(VI-Et)」を「2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル酢酸エチル(VI-Et)」に訂正するものである。 そして、上記1(1)エに示したとおり、本件訂正後の記載は、発明の詳細な説明に記載されていた事項の範囲内のものであり、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、特許要件の適否について見直すべき新たな事情も存在しない。 よって、特許法第126条第5項ないし第7項に適合するものである。 (2)訂正事項4について 訂正事項4は、上記1(4)のとおり、発明の詳細な説明の記載の誤記を訂正するものであり、上記1(1)エに示したとおり、本件訂正後の記載は、発明の詳細な説明に記載されていた事項の範囲内のものであり、かつ、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、特許法第126条第5項ないし第6項に適合するものである。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。

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