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商標取消審判

2020-300570

ハドーヨミ

審判番号
2020-300570
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2017-021039
登録番号
5969638
請求日
2020年08月20日
審決日
2021年10月18日
公報発行日
2022年02月25日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】鈴木 啓子
  • 【被請求人】株式会社 しちだ・教育研究所
  • 【被請求人代理人】秋山 敦
審判長/審判官
  • 審判長 中束 としえ
  • 審判官 冨澤 美加
  • 審判官 黒磯 裕子
分類
T131 .1 -Z (W1641)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第3号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5969638号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第5969638号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5969638号商標(以下「本件商標」という。)は、「波動読み」の文字を標準文字で表してなり、平成29年2月21日に登録出願、第16類「紙類,文房具類,印刷物,教材用印刷物,フラッシュカード(教材),演習問題集,児童書,写真集,地図帳,定期刊行物,書画,写真,写真立て」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,幼児教育,成人の教育,人材の能力開発に関する教育訓練,右脳の潜在能力開発及び向上方法に関する知識の教授,飲食物・栄養に関する知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,文化又は教育のための展示会の企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画の上映・制作又は配給,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」を指定商品及び指定役務として、同年8月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年9月10日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成29年9月10日から令和2年9月9日までを、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び弁駁書において、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証及び甲第2号証(以下、証拠の表記に当たっては、「甲(乙)第○号証」を「甲(乙)○」のように、「第」及び「号証」を省略して記載する。)を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品及び指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 被請求人提出に係る乙1ないし乙5は、要証期間に本件商標の使用をしていたことを立証するものではない。 (1)乙1について ア 乙1は、「七田式幼児コース講師認定講座テキスト」であり、当該講座の参加者(受講者)のみに配布されたものであって、受講する研修の教材としてのみ用いられることを予定したものである。 したがって、乙1は、教育用印刷物やフラッシュカード(教材)等のように、講座を離れて一般市場で独立して取引の対象とされるものとは異なり、また、「七田式幼児コース」における知識の教授、幼児教育、セミナーの企画・運営、開催等の役務において、当該コースに参加して役務の提供を受ける参加者の利用に供されるものでもない。 イ 乙1には、著作権を示す「C(審決注:Cは丸で囲まれている。以下同じ。)2020」の表示が各頁にあるが、これは要証期間の年月日を具体的に示すものではなく、また、乙1は内部資料であるため改ざんは容易である。 ウ 乙1の14頁には、「七田式波動読み(Shichida Method Hado Reading)」との表記があるが、これは本件商標に「七田式」の語をまとまりよく一体化し、さらに英文の標章も連続して並記し、全体として全く別個の標章として使用しているものであるから、本件商標の使用の証拠にはならない。 また、同頁に「波動読み」との表記があるが、「このような現象は・・・(中略)・・・波動エネルギーを読み取る『波動読み』といえるだろう」という文脈の中で使用されているものであり、商品や役務の出所を識別する等といった商標の本来の目的を離れた使用であって、指定商品又は指定役務に対する登録商標の使用とはいい難い。 さらに、乙1の奥付には、「波動読み」の記載があるが、これは単なる登録事項の表記であって、本件商標の指定商品又は指定役務についての登録商標の使用というものではない。 (2)乙2及び乙3について 乙2は「七田式右脳開発OneDayセミナー」のテキストと思しきものであり、乙3は「七田式右脳開発OneDayセミナー」のご案内に関するチラシと思しきものである。 しかしながら、乙2及び乙3が要証期間に、本件商標の指定商品又は指定役務の需要者に対して実際に頒布されたことの証明がない。 (3)乙4について 乙4は、インターネット上の情報をダウンロードして印刷したもののように見受けられるものの、日付の記載を欠いており、この内容が実際に需要者が視認できる状態でWEB上に要証期間に開示されていたことの第3者(プロバイダ等)による証明もないので、本件商標が、指定商品又は指定役務について要証期間に使用されたことを証明するものとはいえない。 なお、乙4が、インターネットで閲覧可能な被請求人のホームページの情報を示すものであったとしても、その内容はWEB上においても、印刷後においても容易に改ざんできるので、証拠能力がない。 (4)乙5について 乙5には、本件商標が表示されていないから、本件商標が指定商品又は指定役務について要証期間に使用されたことを証明するものではない。 なお、被請求人は、乙4に記載のある「七田式子育て百科」が乙5に記載のある「七田式通信教育幼児コース」と関係があると述べているが、仮にその主張が正しいとしても、それによって本件商標が指定商品又は指定役務について要証期間に使用されたことを証明するものではない。 (5)結論 以上の理由により、被請求人による本件商標の使用の主張は、乙1ないし乙5によって立証されていない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、審判事件答弁書、令和3年7月6日受付けの回答書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1ないし乙23を提出した。 1 答弁の理由 (1)本件商標は、標準文字で「波動読み」と表記してなるものである。 商標権者である株式会社しちだ・教育研究所は、1978年の創業以来その独自の教育法をもとに、主に幼児や小学生を対象とした教材の制作や通信販売、七田式教室の運営サポート、通信教育サービスの提供をしているものである。 審判請求時には、本件商標について、各種セミナーテキストや、WEB教材等において、本から波動で情報を受け取っていく速読法を表す商標として、継続的に使用している(乙1~乙5)。 (2)乙1の「七田式幼児コース講師認定講座テキスト」で示すように、商標権者は、当該テキスト14頁において本件商標を使用し、裏表紙においても使用している。なお、「七田式幼児コース講師認定講座」とは、幼児コースの講師の資格を得るために、各教室の講師が必ず受講する商標権者主催の認定講座である。 また、乙1は、2020年に作成されたものである。 (3)乙2の2017年9月30日付け「七田式右脳開発OneDayセミナー」テキストで示すように、商標権者は、当該テキスト7頁において本件商標を使用し、また、乙3の「七田式右脳開発OneDayセミナー」のご案内においても、プログラム概要中に本件商標を使用している。需要者(受講者等)においては、商標権者の商品及び役務に係る商標であることは明確に認識しているものである。 (4)乙4の「七田式子育て百科」の通信コースコンテンツで示すように、商標権者は、本から波動で情報を受け取っていく速読法を表す商標として、本件商標を使用している。なお、「七田式子育て百科」とは、七田式通信教育幼児コース(通信コース)の受講者のみがWEB上で閲覧できるものであり、2018年4月に全面リニューアルされたものである。 (5)乙5の2018年「SPRING FESTA」のキャンペーンチラシにおいても、上記七田式通信教育幼児コースが紹介されている。 (6)上記乙各号証で示すように、本件商標は、権利者の表示として、各種セミナーテキストや、WEB教材等に用いられており、これらは本件商標の指定商品及び指定役務の範囲内での使用に該当する。 2 審尋に対する回答書(令和3年7月6日受付け)の要旨 (1)乙1ないし乙5における「波動読み」の使用は、いずれも第41類における指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授,幼児教育,セミナーの企画・運営又は開催」(以下「本件役務」という。)についての使用であり、また、乙1、乙2及び乙4における使用は、商標法第2条第3項第3号及び同項第4号に該当するものである。さらに、乙3及び乙5における使用は、商標法第2条第3項第8号に該当するものである。 (2)乙1は2020年2月5日から2月6日に行われた「七田式幼児コース講師認定講座」のテキストである。当該テキスト全容及び上記日程に使用された事実を示すべく、乙6を追加証拠として提出する。乙6には受講日及び受講者名が記載され、当該テキストがセミナーで使用された事実を確認できる。 また、当該講座が上記日程に開催され、テキストが使用された証拠として、乙7ないし乙12を追加証拠として提出する。乙7の「七田式幼児コース講師詔定講座のご案内」においては、2020年2月5日から2月6日の開催日時が明記されている。乙8の「七田式幼児コース講師認定講座受講者氏名」においては、乙6記載の受講者名及び開催日時が明記されている。乙9の納品書(納品書No.2297566、2019年11月8日)においては、2020年2月5日-6日開催分幼児コース認定講習費が受講者名とともに記載されている。乙10の請求書(芦屋教室、2019年11月30日締切分)においては、伝票No.2297566幼児コース認定講習費が計上されており、乙11の請求書(西宮北口教室、2019年11月30日締切分)の総請求額とともに、乙12の被請求人名義の通帳写しに記載のとおり、教室運営元の有限会社ヒロ・コーポレーションから2019年12月20日付けにて振込がなされた事実を確認することができる。上記乙6ないし乙12により、乙1が上記日程のセミナーにて使用された事実は明確であり、また乙1による「波動読み」の表記は、本件商標と社会通念上同一の商標である。 (3)本件商標を使用した事実を示す新たな証拠として、乙13の「七田式プライマリー講師認定講習会テキスト」を提出する。この講習会は海外教室向け及び小学生コースの指導者育成のための、被請求人主催の認定講座である。乙13における「波動読み」の使用は、本件役務についての使用であり、商標法第2条第3項第3号及び同項第4号に該当するものである。 被請求人は乙13のテキストの25頁において、本件役務についての自他役務の識別標識としての機能を果たし得る態様で、本件商標を使用しており、乙13は2018年10月10日に、日本国内の被請求人本社内で行われた七田式プライマリー講師認定講習会において使用されたテキストである。乙13には受講日及び受講者名が記載され、当該テキストがセミナーで使用された事実を確認することができる。 また、当該講座が上記日程に開催され、テキストが使用された証拠として、乙14ないし乙22を提出する。乙14の請求書(Bi11 No.1120148、2018年8月28日)においては、2018年10月10日開催分「Primary Course Instructor Certification Course」が請求されており、乙15ないし乙18の請求書(Bill No.1120146、Bill No.1120149、Bill No.1120150、Bi11 No.1120151)の総請求額とともに、乙19の被仕向送金計算書及び乙20の被請求人名義の通帳写しに記載のとおり、受講者の所属するShichida Australia Pty Ltdから、2018年9月10日付けにて振込がなされた事実を確認することができる。 さらに、乙21ないし乙23は被請求人と受購者の所属するShichida Australia Pty Ltdの担当者間のセミナー受講に関するメールのやりとりであり、受講者が確かに七田式プライマリー講師認定講習会を受講した事実を確認可能であり、乙23では、受講者が受講後確認テストを受けた結果を確認することができる。 上記乙13ないし乙23により、乙13が上記日程のセミナーにて使用された事実は明確であり、また、乙13における「波動読み」の表記は、本件商標と同一の商標が、本件役務についての自他役務の識別標識としての機能を果たし得る態様で使用されているものであることは明白である。 (4)以上の理由により、被請求人は上記乙各号証により商標法第50条第2項に規定する証明を行い、本件商標は継続的に使用されているものである。 第4 当審の判断 1 被請求人が提出した証拠によれば、次の事実が認められる。 (1)乙1は、「しちだ・教育研究所 七田式幼児コース講師認定講座 テキスト」と題する書面であり、表紙の右下には、「C2020 しちだ・教育研究所」との表示がある。 そして、その記載内容をみるに「特別研修.七田式教育とは」「特別研修.ベースをつくる『七田式食学』」「研修1.七田式教育の基本理論」「研修2.気の玉・イメージトレーニング・ESP」「研修3.カードフラッシュ」「研修4.記憶法」「研修5.感覚・リトミック・ベビーマッサージ・赤ちゃん体操等」「研修6.レッスンプリント・ちえの指導法」「研修7.もじの指導法」「研修8.かずの指導法」「研修9.五分間暗示法」「研修10.発達検査の見方・考え方」「研修11.保護者指導」の項目について説明がなされており、そのうちの「研修1.七田式教育の基本理論」における、「1-5.右脳の4つの機能」において「■波動エネルギーを受け取る共振共鳴機能」「本の発する波動を感じとる『七田式波動読み(Shichida Method Hado Reading)』も、右脳の共振共鳴機能が働くことによる一つ。『七田式波動読み』では、老若男女問わず、深く長い呼吸を繰り返すことによって、リラックスと集中状態を十分に深めて、右脳の共振共鳴機能が働きやすい身的、心的状態へと導く。」「このような現象は、本の波動読みと同様に、対象となる色や形、あるいは人の思いなどといった波動エネルギーを読み取る『波動読み』といえるだろう。」との記載がある。 そうすると、表題及び上述の記載内容からすれば、乙1は本件役務に係る講座テキストであるといい得るものである。 また、乙1の最終頁には、「『波動読み』商標権者:株式会社しちだ・教育研究所・・・登録番号:T5969638 登録日:2017年8月4日」の記載がある。 (2)乙2は、「七田式 右脳開発 One Day セミナー」のテキストとされる書面であり、表紙の下には「2017年9月30日(土)」、右下には「Cしちだ・教育研究所」との表示がある。 そして、その記載内容をみるに「七田式能力開発について」「脳のお話」「イメージトレーニング1(審決注:数字はローマ数字で記載されている。以下同じ。)」「記憶トレーニング」「右脳速読トレーニング」「イメージトレーニング2」の項目が列記されており、そのうち、「右脳速読トレーニング」の項において、「1.潜在意識の働きと速読(波動読みR(審決注:Rは○で囲まれている。以下同じ。))」及び「2.実践! 右脳速読トレーニング」の記載がある。 そうすると、表題及び上述の記載内容からすれば、乙2は本件役務に係るセミナー資料であるということができる。 なお、乙2について、証拠説明書には、作成年月日は「2017年9月20日(発行日)」と記載されているものの、その発行日、作成部数等の作成事実、頒布日、頒布先等の頒布事実を裏付ける証拠は提出されていない。 (3)乙3は、「『七田式右脳開発 One Day セミナー』のご案内」と題する書面であり、「このセミナーでは、右脳開発の基本である、イメージトレーニングの実践をはじめ、さまざまなトレーニングを体験していただきます。」の記載、「日程」として「平成2017年9月30日(土)9:30~16:30」、「プログラム概要」として「右脳開発法」「イメージテスト」「イメージトレーニング」「右脳記憶法」「右脳速読法(波動読みR)」、申込書の送付先及び問い合わせ先として、商標権者の住所、「しちだ・教育研究所」の文字及び連絡先の表示がある。 そうすると、表題及び上述の記載内容からすれば、乙3は本件役務に係るセミナーのお知らせ文書であると認められる。 なお、乙3について、証拠説明書には、作成年月日は「2017年8月1日(発行日)」と記載されているものの、その発行日、作成部数等の作成事実、頒布日、頒布先等の頒布事実を裏付ける証拠は提出されていない。 (4)乙4は、「七田式通信教育幼児コース」と題する「七田式子育て百科の通信コースコンテンツ」とされる書面であり、「お悩み解決!七田式子育て百科」の見出しの下、「『波動読みR』とは、本のページをめくって、活字を読みながら情報を受け取っていく速読法ではなく、本から波動で情報を受け取っていくものです」との記載があるが、日付の表示はなく、掲載日、掲載の事実を裏付ける証拠は提出されていない。 (5)乙6は、「しちだ・教育研究所 七田式幼児コース講師認定講座 テキスト」と題する書面であり、表紙の右下には「受講日:2020年2月5日~2月6日」「会場:しちだ・教育研究所 神戸オフィス」及び「C2020 しちだ・教育研究所」の記載があり、その記載内容は、乙1の講座テキストと同じものである。 (6)乙13は、「しちだ・教育研究所 七田式プライマリー講師認定講習会 テキスト」と題する書面であるところ、その表紙には「講習会受講日:2018年10月10日」及び「C2012 しちだ・教育研究所」の記載がある。 そして、その記載内容をみるに、目次には「研修1.七田式プライマリーコースの目的」「研修2.プログラムの説明」「研修3.人間学」「研修4.イメージトレーニング」「研修5.右脳記憶法1(審決注:数字「1」はローマ数字で記載されている。以下同じ。)」「研修6.速読法」「研修7.算数指導法」「研修8.右脳記憶法2」「研修9.作文指導法」「研修10.その他の取り組み」の項目があり、そのうちの「研修6.速読法」において、「7.波動読み」の表示の下、「目を閉じて本をパラパラ高速でめくりながら、本が発する情報をイメージに変えて理解する速読法。」「波動読みの取り組み方」「1)これから波動読みをするという意識の方向づけを行う。」との記載(25頁)がある。 そうすると、表題及び上述の記載内容からすれば、乙13は本件役務に係る講習会テキストであると認められる。 2 判断 (1)乙1及び乙6に基づく主張について 講座テキスト(乙1、乙6)には、「波動読み」の文字が記載されていることは確認できる。 しかしながら、「波動読み」の文字は、当該講座テキストにおいて、本からの波動を受け取っていく読み方を表す語として説明文中に記載されているもの、又は、その最終頁に商標権者、登録番号及び登録日とともに記載されており、「波動読み」の文字が、被請求人の登録商標であることを表すにすぎないものであるから、これに接する取引者、需要者が当該文字を自他役務識別標識として認識するとはいい難いものであって、本件役務について、自他役務の識別標識としての機能を果たし得る態様で使用されているものとはいえない。 してみれば、当該テキストにおける「波動読み」の文字の記載をもって、商標としての使用がされているものと認めることはできない。 また、当該講座テキストには、「七田式波動読み」の文字が表示されているところ、当該文字は、その構成全体として認識されるというべきものであるから「波動読み」の文字からなる本件商標とは社会通念上同一の商標と認めることができないものである。 (2)乙2及び乙3に基づく主張について セミナー資料(乙2)及びセミナーのお知らせ文書(乙3)には、「波動読み」の文字が記載されていることは確認できる。 しかしながら、乙2及び乙3における「波動読み」の記載は、セミナーで説明されると思われる複数の項目中の一つの項目で説明される内容を表示したにすぎないものであり、上記(1)と同様に、これに接する取引者、需要者が当該文字を自他役務識別標識として認識するとはいい難いものであって、本件役務について、自他役務の識別標識としての機能を果たし得る態様で使用されているものとはいえないから、これをもって、商標としての使用がされているものとはいえない。 また、セミナー資料(乙2)及びセミナーのお知らせ文書(乙3)には、日程として「(平成)2017年9月30日」の記載があるものの、これらの発行日、作成部数等の作成事実、頒布日、頒布先等の頒布事実を裏付ける証拠は提出されていないから、これらが要証期間に作成・頒布されたものと認めることもできない。 (3)乙4に基づく主張について 「通信コースコンテンツ」とされる書面(乙4)には、「波動読み」の文字が記載されていることは確認できる。 しかしながら、「波動読み」の文字は、説明文中に本から波動で情報を受け取っていく読み方を記述する語として記載されているものであって、本件役務についての自他役務の識別標識としての機能を果たし得る態様で使用されているものとはいい難いものであるから、これをもって、商標としての使用がされているものとはいえない。 また、当該書面(乙4)には、日付の表示がない。 したがって、乙4からは、被請求人が、要証期間に、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を本件役務に使用したと認めることができない。 (4)乙13に基づく主張について 講習会テキスト(乙13)には、「波動読み」の文字が記載されていることは確認できる。 しかしながら、「波動読み」の文字は、「目を閉じて本をパラパラ高速でめくりながら、本が発する情報をイメージに変えて理解する速読法」を表す語として、多数あるテキストの項目の一つとして記載され、その説明文中に「波動読み」の文字が記載されているにすぎないものであり、上記(1)と同様にこれに接する取引者、需要者が当該文字を自他役務識別標識として認識するとはいい難いものであって、本件役務についての自他役務の識別標識としての機能を果たし得る態様で使用されているものとはいえないから、これをもって、商標としての使用がされているものとはいえない。 したがって、乙13からは、被請求人が、要証期間に、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を本件役務に使用したと認めることができない。 (5)その他、被請求人の提出に係る証拠において、「波動読み」(社会通念上同一と認められるものを含む。)の表示を見いだすことはできない。 (6)小括 上記(1)ないし(5)によれば、被請求人(商標権者)が、要証期間に、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を本件役務に使用したと認めることができない。 その他、要証期間に、本件商標の指定商品及び指定役務のいずれかについて、本件商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件商標の使用をしたことを認めるに足りる証拠の提出はない。 3 むすび 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標の指定商品及び指定役務について本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-300570

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