商標取消審判
2024-300003
ジジツショーメーイイン、ニホンジジツショーメーイインカイハッコー、ニッポンジジツショーメーイインカイハッコー、ニホンジジツショーメーイインカイ、ニッポンジジツショーメーイインカイ、ニホンジジツショーメーイイン、ニッポンジジツショーメーイイン、ジジツショーメーイインカイハッコー、ジジツショーメーイインカイ、アテスターコミッティーオブジャパン、アテスターコミッティー、エイシイジェイ
- 審判番号
- 2024-300003
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2012-031004
- 登録番号
- 5522644
- 請求日
- 2024年01月04日
- 審決日
- 2025年06月10日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】エアバス エス・アー・エス
- 【請求人代理人】山口 栄一
- 【被請求人】一般社団法人 日本事実証明委員会
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T131 .1 -Z (W16)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項、商標法第2条第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5522644号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5522644号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5522644号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成24年4月5日に登録出願、同年9月21日に第16類「印刷物」を指定商品として設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和6年2月1日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和3年2月1日~令和6年1月31日)を、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(以下、証拠の表記に当たっては、甲第1号証を「甲1」、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合がある。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用された事実が存在しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
請求人の調査によれば、本件商標に専用使用権及び通常使用権の登録はなく、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても本件商標が本件指定商品について一度も使用された事実が存在しない。
商標権者の事業は、同者が開設するウェブサイトのとおり、行政書士が行う役務「事実証明」に関するもので、その目的・対象は特定の行政書士による第45類の役務「事実証明に関する書類の作成」、「資格の証明」等であるから、本件商標はこれを付した商品「印刷物」を示す商標ではない。
また、上記ウェブサイトでは、教育・セミナー等も掲げられているが、これらは第41類の役務である上に、その具体的な実績・予定等は見当たらない。
なお、上記ウェブサイトでは、本件商標をき章とするが、き章は第14類の商品である。
すなわち、本件商標のための本来の商品役務は第16類の「印刷物」ではなく、第14類の商品並びに第41類及び第45類の役務の商標権として取得されるべきものであり、この事実は、商標権者の商標出願実績が、本件商標以外については商品商標ではなく全て役務商標である(甲2)ことからしても、商標権者も事後的に認識しているとするのが自然である。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、令和6年4月20日付け(令和6年4月21日差出)審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して弁駁していないものの、令和6年6月27日付け上申書を提出し、弁駁書提出期間の満了を待つことなく本件審判の審理をした上で、審決することを要請する旨述べた。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
本件商標は出願から現在に至るまで使用しているから、取消理由に当たらない。
証拠方法として、商標権者のリーフレット、名刺、第三者のアーカイブのウェブサイトの写し等を添付する。
本件商標を第16類「印刷物」で出願した理由は、商標権者の業務は、事実証明及び事実証明書の作成であり、事実証明書の作成は印刷物にして完結し、依頼人に対して事実証明書という印刷物の引き渡しで終了するからである。
書類の作成とは起案と印刷であり、作成された事実証明書である印刷物は、商標権者の業務である。
代表者の名刺の裏の右下に日付の記載があるのは、名刺を持って相談者が訪れてきたときに、いつ頃会った人かの確認がとれるからである。
なお、審判長は、被請求人に対し、令和7年1月28日付けで、合議体の暫定的見解を示した審尋を送付し、相当の期間を指定して、当該審尋に対する回答を求めたが、被請求人は、何ら応答していない。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、本件商標の指定商品について登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることを全て証明する必要がある。
2 事実認定
(1)被請求人の提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第1号証及び乙第2号証
(ア)乙第1号証は、被請求人が、商標権者のリーフレットと主張するものであり、1葉目において、左欄の中ほどに、「3)紛争の予防能力の高い「事実実験保全証明書」作成・発行」の記載、中央欄の下部に、商標権者の名称の記載、その下に、商標権者のものと一致する住所の記載があり、右欄の下部に、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が提示されている。
もっとも、乙第1号証は当該商標の細部が視認できるほど鮮明ではなく、当該商標に、本件商標の構成中の「Attester Committee of Japan」の文字が含まれていることは明確には認識できない。
また、本号証の2葉目において、右上に「事実証明(事実実験保全証明)とは?/お客様の権利義務に関わる事実について、当委員会が任命する2名以上の事実証明委員が現場に立会い、目・耳・鼻・口・舌の五官の作用で認識した結果を記述することで事実や権利の保全を行い、お客様の権利保全をサポートするものです。」の記載、中央に「事実実験保全証明書/実地調査等に基づき事実証明委員が五官の作用で認識した結果を、忠実に書面化するものであり、紛争の予防、紛争の過熱、再熱の予防に役立ちます。証明書の宣誓認証を得ることも出来ます。法律事務は行わず証明行為という事実行為のみを行います。」の記載がある。
(イ)乙第2号証は、被請求人が、商標権者のリーフレット用差込チラシ(ご参考資料)の写しと主張するものであり、「ご参考資料」の記載、その下に、商標権者の略称と解される記載があり、また、その下の「<効果の相違>」の項についての記載中に、「これに対し、当委員の発行する事実実験保全証明書は、複数の事実証明委員(行政書士等の隣接法律専門職)が事実を証明するものです。」の記載がある。
(ウ)しかしながら、乙第1号証及び乙第2号証のいずれにおいても、「事実実験保全証明書」が商品として販売されることを示す記載は見いだせない。
イ 乙第3号証
乙第3号証は、被請求人が、商標権者の代表理事の名刺と主張するものであり、名刺の一方の表示面及び他方の表示面と思われるものが提示されている。
そして、一方の表示面において、左上に、商標権者の名称の記載があり、その右に、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が提示されている。
もっとも、本号証は当該商標の細部が視認できるほど鮮明ではなく、当該商標に、本件商標の構成中の「Attester Committee of Japan」の文字が含まれていることは明確には認識できない。
また、上記商標の下に、「代表理事」及びその氏名の記載、その下に、商標権者のものと一致する住所の記載がある。
さらに、他方の表示面において、「【業務内容】」の記載、その下に、「著作権の現況証明書 商標、特許等の使用現況証明書・・・(中略)・・・その他の事実の証明書等の印刷物」の記載、その右下に、「2022.4.1」の記載がある。
しかしながら、本号証において、「著作権の現況証明書」等や「その他の事実の証明書等の印刷物」が商品として販売されることを示す記載は見いだせない。
ウ 乙第4号証
乙第4号証は、被請求人が、商標権者のウェブサイトの2021年12月17日におけるアーカイブと主張するものであり、1葉目において、左上に、「The Wayback Machine」の記載、その右に、「20211217」を含むURLの記載、その下に、「日本事実証明委員会」の記載、その下に、「事実証明 証拠保全」の記載があり、下部に、「事実実験保全証明」についての内容を含む箇条書の記載がある。
さらに、本号証の3葉目において、上部に、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が提示されている。
もっとも、本号証は当該商標の細部が視認できるほど鮮明ではなく、当該商標に、本件商標の構成中の「Attester Committee of Japan」の文字が含まれていることは明確には認識できない。
また、本号証において、何らかの印刷物が商品として販売されることを示す記載は見いだせない。
エ 乙第5号証
乙第5号証は、被請求人が、商標権者のウェブサイトの2023年5月28日におけるアーカイブと主張するものであり、1葉目において、左上に、「The Wayback Machine」の記載、その右に、「20230528」を含むURLの記載、その下に、「日本事実証明委員会 Attester Committee of Japan」の記載、その下に、「行政書士の事実証明委員 募集」の記載がある。
さらに、1葉目の下部から2葉目にかけて、「事実証明委員」の募集についての記載があり、2葉目における当該記載の右に、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が提示されている。
もっとも、本号証は当該商標の細部が視認できるほど鮮明ではなく、当該商標に、本件商標の構成中の「Attester Committee of Japan」の文字が含まれていることは明確には認識できない。
また、本号証から、何らかの印刷物が商品として販売されることを示す記載は見いだせない。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
ア 商標権者は、「事実証明(事実実験保全証明)」及び「事実実験保全証明書」についての記載があり、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が表示されたリーフレットを作成した(乙1)。
ここで、当該リーフレットの記載によれば、「事実実験保全証明書」は、「証明行為」の依頼者である顧客の「権利義務に関わる事実」について、「事実証明委員」が、「実地調査等に基づき」、「五官の作用で認識した結果」を「書面化」したものであり、「事実証明(事実実験保全証明)」を当該顧客に提供するという役務の範囲内で、「事実実験保全証明書」が当該顧客に引き渡されることがうかがえる。
しかしながら、リーフレット用差込チラシとされる乙第2号証を参照しても、「事実実験保全証明書」を含む何らかの印刷物が、当該役務とは独立して商品として取引されるとの事実は確認できない。
イ 商標権者は、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が表示され、「業務内容」として「著作権の現況証明書」等の各種の「現況証明書」や「その他の事実の証明書等の印刷物」が記載された名刺を作成した(乙3)。
しかしながら、上記名刺が、独立して商品として取引されているとの事実は確認できず、各種の「現況証明書」や「その他の事実の証明書等の印刷物」が、商品として取引されるものであるとの事実は確認できない。
ウ 商標権者は、自身が開設したウェブサイトにおいて、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が表示され、「事実実験保全証明」についての記載があるウェブページを、少なくとも2021年12月17日に公開していた(乙4)。
しかしながら、当該ウェブページにおいて、指定商品に関する広告その他、指定商品に係る商標の使用と理解できる内容は何ら見いだせない。
エ 商標権者は、自身が開設したウェブサイトにおいて、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が表示され、「事実証明委員」の募集についての記載があるウェブページを、少なくとも2023年5月28日に公開していた(乙5)。
しかしながら、当該ウェブページにおいて、指定商品に関する広告その他、指定商品に係る商標の使用と理解できる内容は何ら見いだせない。
3 判断
上記2の事実認定からすれば、次のとおり判断できる。
(1)上記2(2)アのリーフレット及び同イの名刺は、いずれも商標権者が作成したものであるとともに、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が表示されたものである。
しかしながら、これらはいずれも、指定商品に関する広告その他、指定商品に係る商標の使用とは認められない。
(2)上記2(2)ウ及びエの各ウェブページは、いずれも、商標権者が開設したウェブサイトにおいて、要証期間に公開されていたものであるとともに、「事実証明委員」の文字等を円形の図形中に書してなる構成の商標が表示されたものである。
しかしながら、これらはいずれも、指定商品に関する広告その他、指定商品に係る商標の使用とは認められない。
4 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、本件商標の指定商品について、商標法第2条第3号各号の使用の事実を証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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