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特許拒絶査定不服審判

2020-015789

遊技機

審判番号
2020-015789
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-138346外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年11月16日
審決日
2022年02月08日
公報発行日
2022年05月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-138346号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月17日出願公開、特開2019-177256号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 20項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、令和1年7月27日の出願であって、令和2年3月4日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月15日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月3日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年7月17日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年8月7日付け(送達日:同年同月18日)で同年7月17日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年11月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、令和3年8月24日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月27日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年10月27日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A-Mは、本願発明を分説するために当審で付与した)。

「【請求項1】
A 第1の表示手段と前記第1の表示手段とは異なる第2の表示手段とを含む表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段とを備える遊技機であって、
B 前記第1の表示手段と前記第2の表示手段は、それぞれ複数種類の表示演出を実行可能であり、
C 前記第2の表示手段は、移動可能であり、
続きを表示(全15行)
D 前記第1の表示手段と前記第2の表示手段とを用いて、複数種類の装飾図柄によって大当たり図柄が形成される場合があり、
E 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第1の表示演出をおこなう場合があり、
F 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第2の表示演出をおこなう場合があり、
G 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第3の表示演出をおこなう場合があり、
H 前記第1の表示演出は、前記第1の表示手段に第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とを停止表示して、第1のリーチラインを形成すると共に、第4の装飾図柄と第5の装飾図柄とを停止表示して第2のリーチラインとを形成する演出であり、
I 前記第2の表示演出は、前記第1の表示演出の後におこなわれる演出であり、
J 前記第2の表示演出は、前記第1の表示手段が停止した状態で、前記第2の表示手段を、遊技者から見て前記第1の表示手段と重なる位置であって前記第1の表示手段における前記第1のリーチラインと前記第2のリーチラインの手前の位置に移動させて、前記第2の表示手段に第3の装飾図柄を停止表示し、停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第1のリーチラインを形成する前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合と、停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第2のリーチラインを形成する前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する演出であり、
K 前記第2の表示演出における前記第3の装飾図柄の停止表示は、前記操作手段を表す操作手段画像を前記表示手段に表示し、遊技者が前記操作手段を操作することに基づいて停止表示する場合を有し、
L 前記第3の表示演出は、前記第2の表示演出の後におこなわれる演出であり、
M 前記第3の表示演出は、前記第2の表示手段に前記第3の装飾図柄が停止表示して前記大当たり図柄を形成した後、前記第2の表示手段を移動させると共に、前記第1の表示手段において、前記第2の表示手段に停止表示していた前記第3の装飾図柄に対応する位置に、前記第3の装飾図柄を表示して、前記第1の表示手段上に、前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合と、前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する、
A ことを特徴とする遊技機。」

第3 当審拒絶理由の概要

令和3年8月24日付けの当審における拒絶の理由のうちの理由2は、以下のとおりのものである。

2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由2-1(進歩性)について

・請求項1

・引用文献等 1~3

1.特開2012-5693号公報

2.特開2014-131652号公報

3.特許第4642152号公報

第4 引用文献の記載、引用発明、引用文献に記載された事項

1 引用文献1

当審における拒絶の理由(令和3年8月24日付け拒絶理由通知書)に引用文献1として引用され、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-5693号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ)。

ア 記載事項

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(ア)「【0023】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の外観斜視図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1を参照して遊技機の全体構成について説明する。なお、本明細書において、「前(手前側)」、「後(奥側)」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図1の状態にプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を置いて矢印Aで示す前側(遊技者側)から見た場合に特定される方向である。
・・・
【0031】
ガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のスピーカ54が設置されている。このスピーカ54は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。またガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠ランプ46がガラス枠ユニット4を取り巻くようにして設置されている。ガラス枠ランプ46は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6aの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(液晶表示器に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。」
(イ)「【0318】
(1)15ラウンド確変大当り又は15ラウンド通常(非確変)大当り時
内部抽選で非当選以外となり、「15ラウンド確変大当り」又は「15ラウンド通常(非確変)大当り」のいずれかに該当した場合、上記の可変入賞装置管理処理(図24)において可変入賞装置30の開閉動作が15回の連続作動回数にわたって繰り返し実行される(特別遊技実行手段)。このとき1回ごとの開放時間(最大30秒)は大入賞口に遊技球が流入できる充分な長さに設定されているため、この間の挙動は「大当り遊技」として遊技者にも明確に認識される。また演出上も、通常時とは異なる大当り遊技中の演出が実行されるため、遊技者に明確な大当り遊技を実感させることができる。
【0319】
なお、「15ラウンド確変大当り」は、例えば演出上の図柄表示態様(例えば、奇数図柄揃い等)によって「確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)される。あるいは、大当り中に昇格演出によって「確変大当り」であることが報知(又は教示、開示)される。また「15ラウンド確変大当り」後は、例えば演出上で高確率状態に移行したことが報知(又は教示、開示)されるため、遊技者に対して現在の内部状態が「高確率状態」であるということを確実に認識させることができる。
【0320】
また、「15ラウンド非確変大当り」は、例えば演出上の図柄表示態様(例えば、偶数図柄揃い等)によって「非確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)される。また「15ラウンド非確変大当り」後は、例えば演出上で時間短縮状態に移行したことが報知(又は教示、開示)されるため、遊技者に対して現在の内部状態が「時間短縮状態」であるということを確実に認識させることができる。」
(ウ)「【0397】
〔第2実施形態〕
図37は、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機1-2の分解斜視図である。なお、以下の説明では、第1実施形態と共通する事項については同じ符号を付与するものとし、その重複した説明を適宜省略する。
【0398】
第2実施形態に係るパチンコ機1-2では、第1液晶表示器42-1と第2液晶表示器42-2との間に、可動役物装置213を配置している。
図37に示されるように、第2実施形態に係るパチンコ機1-2は、プラ枠アセンブリ7、プラ枠アセンブリ7の遊技盤取付部4aに取り付けられる遊技盤8、遊技盤8に取り付けられる演出ユニット40(前方ユニット50及び後方ユニット60)、遊技盤8の後面に配置される可動役物装置213、可動役物装置213の後面に配置される第1液晶表示器42-1、演出ユニット40の内部に配置される第2液晶表示器42-2、及び図示しない制御装置等を備えて構成される。なお、可動役物装置213以外の構成は、第1実施形態のものと同様である。以下、可動役物装置213について説明する。」
(エ)「【0434】
〔第3実施形態〕
図51及び図52は、本発明の第3実施形態に係るパチンコ機1-3を示す図である。
第3実施形態に係るパチンコ機1-3では、可動役物装置213-3に関して、第2実施形態のようにシャッターを模した役物ではなく、星形の役物を採用している。
続きを表示(全28行)
この可動役物装置213-3は、図51に示されるように、星形の部材213aが棒状の支持部材213bに支持されているものであり、支持部材213bを図示しない駆動機構によって送り出すことにより、星形の部材213aを第1液晶表示器42-1の前方に出没させることができる。また、図52に示されるように、第2液晶表示器42-2は、上述した実施形態のものと同様に左右にスライド可能である。
【0435】
〔第3実施形態の演出例〕
次に、第3実施形態の演出例について説明する。
図53は、第3実施形態による演出例を示す連続図である。
【0436】
〔変動表示演出開始〕
図53中(A):第1液晶表示器42-1の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。また、第2液晶表示器42-2では、第4図柄Zは、変動中を表す態様(斜線模様表示)で表示される。
【0437】
〔左演出図柄の停止〕
図53中(B):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止している。第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けている。
【0438】
〔リーチ状態の発生〕
図53中(C):ここで、左演出図柄及び右演出図柄が揃い、画面の横一線上に数字の「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生している。ここでも、第4図柄Zは、継続して変動中の態様で表示され続けている。
・・・
【0440】
〔リーチ演出の進行〕
図54中(E):リーチ発生後予告演出に続いて、リーチ演出はスーパーリーチ演出に突入する。この演出中には、第2液晶表示器42-2が第1液晶表示器42-1の右端位置から図中(E)内の矢印方向に移動しながら中央付近までスライドし、第2液晶表示器42-2がリーチ演出の表示を行う。第2液晶表示器42-2では、例えば数字の「2」~「9」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「7」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「大当り」であるが、数字の「7」も消去されて「8」以降(「9」は省略してもよい。)が画面手前に残ると「はずれ」であり、逆に数字の「6」が消去されずに残っても「はずれ」であることを意味する。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると、今度は「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。また、この際にも、第4図柄Zは、第2液晶表示器42-2に表示され続けている。
【0441】
〔リーチ演出の終了〕
図54中(F):そして、内部抽選の結果が当選に該当していれば、第2液晶表示器42-2に「7」の図柄が表示される。第4図柄Zは、継続して第2液晶表示器42-2に表示され続けている。
【0442】
〔結果表示演出〕
図54中(G):リーチ演出が終了すると、第2液晶表示器42-2は、第1液晶表示器42-1の中央付近から図中(G)内の矢印に示す右方向にスライドして元の位置に戻る。また、特別図柄の停止表示に略同期して、すべての中演出図柄が停止する。図示の例では、当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」を表す演出図柄が、第1液晶表示器42-1の表示画面の中央に停止表示される。さらに、第2液晶表示器42-2には、「大当り」の文字が表示されるとともに、第2液晶表示器42-2に表示されている第4図柄Zは、「15ラウンド確変大当り」に対応する態様(例えば緑表示色)で停止表示される。」
(オ)「【図53】
[図:0001383625000001.jpg]
」
(カ)「【図54】
[図:0001383625000002.jpg]
」

イ 認定事項

(キ)【0436】の「第1液晶表示器42-1」との記載、【0438】の「図53中(C):・・・「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生している」との記載を参酌すると、図54(E)には、第1液晶表示器42-1は「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生していることが図示されている。

(ク)【0440】の「図54中(E):・・・第2液晶表示器42-2が第1液晶表示器42-1の右端位置から・・・中央付近までスライドし、」との記載を参酌すると、図54(E)には、第2液晶表示器42-2が、第1液晶表示器42-1の右端位置から、遊技者から見て第1液晶表示器42-1と重なる位置であって第1液晶表示器42-1における手前の位置で、第1液晶表示器42-1の中央付近までスライドしていることが図示されている。

(ケ)図54(F)では、第1液晶表示器42-1の左右の「7」と、第2液晶表示器42-2の「7」とで、大当たり図柄「7」-「7」-「7」が形成されていることが図示されている。

(コ)【0023】には「〔第1実施形態〕」と記載され、【0397】には「〔第2実施形態〕」と記載され、【0398】には「第2実施形態に係るパチンコ機1-2では、・・・なお、可動役物装置213以外の構成は、第1実施形態のものと同様である。以下、可動役物装置213について説明する。」と記載され、【0434】には「〔第3実施形態〕・・・第3実施形態に係るパチンコ機1-3では、可動役物装置213-3に関して、第2実施形態のようにシャッターを模した役物ではなく、星形の役物を採用している。この可動役物装置213-3は、図51に示されるように、星形の部材213aが棒状の支持部材213bに支持されているものであり、」と記載され、【0435】には「〔第3実施形態の演出例〕次に、第3実施形態の演出例について説明する。」と記載されているとともに、第3実施形態では、可動役物装置以外の構成が第1実施形態のものと同様であるから、引用文献1には、可動役物装置213以外の構成が第1実施形態のものと同様である第3実施形態の演出例を行う第3実施形態が記載されている。

ウ 引用発明

上記記載事項(ア)~(カ)及び認定事項(キ)~(コ)から、引用文献1には、可動役物装置(「可動役物装置」は発明の特定事項として認定していない。))以外の構成が第1実施形態のものと同様である第3実施形態の演出例を行う第3実施形態として(上記(コ))、

「a、c 第1液晶表示器42-1と、左右にスライド可能である第2液晶表示器42-2と(【0434】)、操作することで図柄の変動中や大当りの確定表示中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる演出切替ボタン45と(【0031】)、を備えるパチンコ機1-3であって(【0434】)、
d 「15ラウンド確変大当り」又は「15ラウンド非確変大当り」のいずれかに該当した場合、可変入賞装置30の開閉動作が15回の連続作動回数にわたって繰り返し実行され(【0318】)、「15ラウンド確変大当り」は、奇数図柄揃いによって「確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)され(【0319】)、「15ラウンド非確変大当り」は、偶数図柄揃いによって「非確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)され(【0320】)、
b、d、e、h 第1液晶表示器42-1の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始され(【0436】、【図53】(A))、画面の左側位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止し(【0437】、【図53】(B))、左演出図柄及び右演出図柄が揃い、画面の横一線上に数字の「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生し(【0438】、【図53】(C))、
b、d、f、i、j 第1液晶表示器42-1は「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生しているとき(上記(キ)、【図54】(E))、第2液晶表示器42-2が、第1液晶表示器42-1の右端位置から、遊技者から見て第1液晶表示器42-1と重なる位置であって第1液晶表示器42-1における手前の位置で、第1液晶表示器42-1の中央付近までスライドし(上記(ク)、【図54】(E))、第2液晶表示器42-2では、数字の「2」~「9」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われ、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「大当り」であり、数字の「7」も消去されて「8」以降が画面手前に残ると「はずれ」であり、逆に数字の「6」が消去されずに残っても「はずれ」であるが(【0440】、【図54】(E))、内部抽選の結果が当選に該当していれば、第2液晶表示器42-2に「7」の図柄が表示され(【0441】、【図54】(F))、第1液晶表示器42-1の左右の「7」と、第2液晶表示器42-2の「7」とで、大当たり図柄「7」-「7」-「7」が形成され(上記(ケ)、【図54】(F))、
b、g、l、m 第2液晶表示器42-2は、第1液晶表示器42-1の中央付近から右方向にスライドして元の位置に戻り、当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」を表す演出図柄が、第1液晶表示器42-1の表示画面の中央に停止表示され、さらに、第2液晶表示器42-2には、「大当り」の文字が表示される(【0442】、【図54】(G))、
a パチンコ機1-3(【0434】)。」

が記載されている(以下、「引用発明」という。なお、記号a等については、請求項1の上記A等に対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。)。

2 周知技術1

(1)引用文献2

当審における拒絶の理由(令和3年8月24日付け拒絶理由通知書)に引用文献2として引用され、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-131652号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 記載事項

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(ア)「【0056】
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。」
(イ)「【0384】
〔変動表示演出〕
図28中(A):第1特別図柄又は第2特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
・・・
続きを表示(全18行)
【0387】
〔左演出図柄の停止〕
図28中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左上段位置に数字の「6」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止している。
【0388】
〔リーチ状態の発生〕
図28中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、右下段位置には数字の「6」を表す演出図柄が停止しており、画面の右上段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止していることから、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「6」-「変動中」-「6」と「7」-「変動中」-「7」の2種類のリーチ状態が発生している。そして画面上には、対角線上でリーチ状態となる2本の斜めラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。さらに、この例では中演出図柄について数字の「6」と「7」という2つの候補があるため(いわゆるダブルリーチ、ダブルテンパイ)、それだけ期待度の高いリーチ状態である。また、この場合は数字の「7」が揃えば確率変動大当りであり、数字の「6」が揃えば非確変大当りであることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変か、非確変か、はずれか」という多様な緊張感を遊技者に抱かせることができる。
・・・
【0391】
〔リーチ演出の進行〕
図28中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」~「7」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「6」又は「7」のいずれかが最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「5」まで消去されて「6」が画面手前に残ると「通常(非確変)大当り」であるが、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「確変大当り」であり、そして数字の「7」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なおこの場合、数字の「7」が消去された後の画面上に例えば平仮名の「い」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「5」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「4」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「5」が消去されると、今度は「通常(非確変)大当り」又は「確変大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
・・・
【0394】
〔停止表示演出〕
図28中(I):第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。このとき、内部抽選の結果が当選に該当していれば、第1特別図柄又は第2特別図柄がそのときの当選種類に対応した当選図柄で停止表示されるため、その当選種類(当選図柄)に応じた態様で演出図柄が停止表示される。図示の例では、当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「確変大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われている。一方、当選図柄が「非確変図柄」であれば、偶数の「6」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「通常(非確変)大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われる。」
(ウ)「【0421】
〔進行回数9演出実行後〕
図30中(D):左側欄の囲み内に示されるように、進行回数9演出の実行後も引き続き高確率状態で大当りし、出玉のある確変図柄に該当すると、その変動中に特定リーチ演出が実行される。この場合の特定リーチ演出の内容は、先の大当り遊技中に実行された進行回数9演出の進行順序と同様に、第9回の特定態様演出に対応したものとなっている。例えば、左演出図柄と右演出図柄で数字の「0」が揃うと、その後のリーチ演出中に今回の進行回数9演出のタイトル(例えば「ラストゲーム」)に関係する主人公及び女性キャラクターを用いた特定リーチ演出(「進行回数9リーチ演出」とする)が実行される。」
(エ)「【図28】
[図:0001383625000003.jpg]
」
(オ)「【図30】
[図:0001383625000004.jpg]
」

イ 引用文献2記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

引用文献2には、

「液晶表示器42が設置され(【0056】)、左演出図柄と右演出図柄で数字の「0」が揃うと特定リーチ演出が実行されるが(【0421】、【図30】(D))、「6」-「変動中」-「6」と「7」-「変動中」-「7」の2種類のリーチ状態が発生しダブルリーチとなることもある(【0388】、【図28】(E))パチンコ機1において(【0056】)、
液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始され(【0384】、【図28】(A))、変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止され、画面の左上段位置に数字の「6」を表す演出図柄が停止し、左下段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止し(【0387】、【図28】(D))、右演出図柄の変動表示が停止され、右下段位置には数字の「6」を表す演出図柄が停止し、画面の右上段位置には数字の「7」を表す演出図柄が停止し、画面の対角線上(2本の斜めライン上)に数字の「6」-「変動中」-「6」と「7」-「変動中」-「7」の2種類のリーチ状態が発生し(【0388】、【図28】(E))、中演出図柄について(【0388】)、数字の「2」~「7」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われ、数字の「5」まで消去されて「6」が画面手前に残ると「通常(非確変)大当り」であるが、数字の「6」まで消去されて「7」が画面手前に残ると「確変大当り」であり、そして数字の「7」も消去されてしまうと「はずれ」であり(【0391】、【図28】(G))、
最後の中演出図柄が停止し、当選図柄が「確変図柄」に該当していたため、奇数の「7」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「確変大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われるが、当選図柄が「非確変図柄」であれば、偶数の「6」の方を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることで、「通常(非確変)大当り」であることを遊技者に教示する演出が行われる(【0394】、【図28】(I))
パチンコ機1(【0056】)。」

が記載されている(以下、「引用発明2記載事項」という。)。

(2)引用文献3

当審における拒絶の理由(令和3年8月24日付け拒絶理由通知書)に引用文献3として引用され、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特許4642152号公報(平成23年3月2日発行。以下「引用文献3」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 記載事項

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(ア)「【0013】
以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。」
(イ)「【0248】
続いて、装飾図柄表示装置208における、「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様を停止表示するまでの装飾図柄の変動停止表示の態様について説明する。装飾図柄表示装置208における保留表示は、この装飾図柄の変動停止表示の間に表示される。
【0249】
図21(a)は、ノーマルリーチにおける装飾図柄の変動の様子を段階的に示す図である。
【0250】
ノーマルリーチでは、全ての図柄表示領域208a~208cの装飾図柄を変動表示した後(この変動表示を通常変動と称することがある)、左図柄表示領域208aと右図柄表示領域208cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域208bの装飾図柄だけ変動表示を継続する(この変動表示の態様をリーチ態様、第一のリーチ態様(通常リーチ態様)と称することがある)。そして、装飾図柄の変動表示の開始時点から時間を計測し、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した時点で、中図柄表示領域208bの装飾図柄を停止表示する。
【0251】
図21(b)は、ダブルラインリーチにおける装飾図柄の変動の様子を段階的に示す図である。
【0252】
ダブルラインリーチでは、全ての図柄表示領域208a~208cの装飾図柄を変動表示した後(通常変動した後)、左右図柄表示領域208a、208cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域208bの装飾図柄だけ変動表示を継続する(第一のリーチ態様に相当)。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、2種類の装飾図柄を上下2段に表示するように、左右図柄表示領域208a、208cの表示をそれぞれ変更し(この変動表示の態様をリーチ態様、第二のリーチ態様(マルチラインリーチ態様)と称することがある)、中図柄表示領域208bにこれら2種類の図柄のいずれかが停止すれば大当たりとなるといった期待感を遊技者に持たせる演出を行った後で、中図柄表示領域208bに装飾図柄を停止表示し、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した後に、左右図柄表示領域208a、208cを1つの装飾図柄の停止表示に戻す。」
(ウ)「【図21】
[図:0001383625000005.jpg]
」

イ 認定事項

(エ)【0248】には「装飾図柄表示装置208」と記載され、【0252】には「ダブルラインリーチでは、全ての図柄表示領域208a~208cの装飾図柄を変動表示した後(通常変動した後)、左右図柄表示領域208a、208cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域208bの装飾図柄だけ変動表示を継続する(第一のリーチ態様に相当)。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、2種類の装飾図柄を上下2段に表示するように、左右図柄表示領域208a、208cの表示をそれぞれ変更し(この変動表示の態様をリーチ態様、第二のリーチ態様(マルチラインリーチ態様)と称することがある)、中図柄表示領域208bにこれら2種類の図柄のいずれかが停止すれば大当たりとなるといった期待感を遊技者に持たせる演出を行った後で、中図柄表示領域208bに装飾図柄を停止表示し、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した後に、左右図柄表示領域208a、208cを1つの装飾図柄の停止表示に戻す。」と記載されているから、【図11】(b)、【0248】及び【0252】には、装飾図柄表示装置208(【0248】)の全ての図柄表示領域208a~208cの装飾図柄を変動表示した後(【図11】(b)(i)、【0248】、【0252】)、2本の斜めライン上に、「6」-「変動中」-「6」と、「7」-「変動中」-「7」の2種類のリーチ態様が発生し(【図11】(b)(iv)、【0252】)、2種類の図柄のいずれかが停止すれば大当たりとなるといった演出を行うので(【0252】)、中図柄表示領域208bに「6」が停止表示して「6」-「6」-「6」の大当たりになる場合と、中図柄表示領域208bに「7」が停止表示して「7」-「7」-「7」の大当たりになる場合とがある(【図11】(b)(v)、【0252】)ことが記載されている。

ウ 引用文献3記載事項

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上記記載事項(ア)~(ウ)及び認定事項(エ)から、引用文献3には、

「装飾図柄表示装置208を備え(【0248】)、全ての図柄表示領域208a~208cの装飾図柄を変動表示した後(【0250】、【0252】)、ノーマルリーチになるときと(【0249】、【図11】(a))、ダブルラインリーチになるときとがある(【0251】、【図11】(b))、パチンコ機100において(【0013】)、
装飾図柄表示装置208の全ての図柄表示領域208a~208cの装飾図柄を変動表示した後(上記(エ)、【図11】(b)(i))、2本の斜めライン上に、「6」-「変動中」-「6」と、「7」-「変動中」-「7」の2種類のリーチ態様が発生し(上記(エ)、【図11】(b)(iv))、
2種類の図柄のいずれかが停止すれば大当たりとなるといった演出を行うので(上記(エ))
中図柄表示領域208bに「6」が停止表示して「6」-「6」-「6」の大当たりになる場合と、中図柄表示領域208bに「7」が停止表示して「7」-「7」-「7」の大当たりになる場合とがある(上記(エ)、【図11】(b)(v))、
パチンコ機100(【0013】)。」

が記載されている(以下、「引用文献3記載事項」という。)。

(3)周知技術1

上記(1)「イ 引用文献2記載事項」、及び上記(2)「ウ 引用文献3記載事項」に記載されているように、

「第1の表示装置を備えたパチンコ機において、
ノーマルリーチに加え、ダブルリーチとして、
前記第1の表示装置に第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とを停止表示して、第1のリーチラインを形成すると共に、第4の装飾図柄と第5の装飾図柄とを停止表示して第2のリーチラインとを形成する表示演出をおこなった後、
停止表示した第3の装飾図柄と、前記第1のリーチラインを形成する前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄とで大当たり図柄を形成する場合と、停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第2のリーチラインを形成する前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄とで大当たり図柄を形成する場合を有する演出を行うパチンコ機。」は、周知(以下、「周知技術1」という。)である。

3 周知技術2

(1)周知例1

本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-62252号公報(以下「周知例1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 記載事項

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(ア)「【0022】
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで所定の遊技が行なわれる遊技機である。縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
・・・
【0024】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、後述する第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄、および、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄のそれぞれの変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示部)に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rがあるが、図柄表示エリア9Aの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L,9C,9Rの3つの領域が離れていてもよい。「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rでは、配列が予め定められた複数の図柄よりなる演出図柄が、配列順序にしたがって変動表示される。第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれは、主基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
・・・
【0043】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。」
(イ)「【0054】
打球供給皿3の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠における所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。なお、操作ボタン130は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン130に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン130は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。」
(ウ)「【0154】
そして、図9(D)のように1個目の保留記憶に対応する演出図柄の変動表示が開始され、その変動表示中において、先読み予告として、図9(E)のように「次の変動でボタンを押せ!」というメッセージ901、および、操作ボタン130が操作対象であることを示す操作対象画像903を表示する単発操作演出予告が行なわれ、その後、図9(F)のようにはずれ表示結果が停止表示されて変動表示が終了する。
・・・
【0159】
続きを表示(全14行)
次に、図10(G)のように2個目の保留記憶(最後の保留記憶)に対応する演出図柄の変動表示が開始された後、図10(H)のように「左」,「右」の図柄表示エリア9L,9Rの停止図柄が一致してリーチ状態となった後、図10(I)のように、「タイミングよくボタンを押せ!」という操作案内メッセージ907、および、操作対象画像903が表示され、タイミング操作演出が開始される。この時点において、リーチ状態の演出図柄は、演出表示装置9の表示画面の右下隅部で縮小表示される。
【0160】
そして、図10(J),(K)のように、変動表示中の演出図柄(中図柄)の停止図柄が取り得る数字範囲が連続的に示されたステージ908上を台車に乗って移動するキャラクタ909が表示される。具体的に、タイミング操作演出では、ステージ908においてキャラクタ909が停止した場所の数字が変動表示中の演出図柄(中図柄)の停止図柄となることを示す演出が行なわれ、操作ボタン130がタイミングよく操作されることにより変動表示中の演出図柄(中図柄)の停止図柄が大当り表示結果となり得ることが示唆される。
【0161】
遊技者により操作ボタン130が操作されると、操作に対応した操作結果画像が表示される。変動表示結果がはずれとなるときには、操作結果画像として、図10(L)のようにキャラクタ909がはずれ表示結果となる図柄(たとえば「6」)の上で停止する画像が表示された後、図10(M)のように「残念」というメッセージ905が表示される。一方、変動表示結果が大当りとなるときには、操作結果画像として、図示を省略するが、キャラクタ909が大当り表示結果となる図柄(たとえば「7」)の上で停止する画像が表示された後、「達成」というメッセージが表示される。このような操作結果画像が表示された後、図10(N)のように、すべての演出図柄の表示結果が導出表示(停止表示)されて変動表示が終了する。停止図柄としては、「残念」というメッセージ905が表示された後には、はずれの表示結果が導出表示され、「達成」というメッセージが表示された後には、大当りの表示結果が導出表示されることとなる。
・・・
【0167】
図9~図11に示した単発操作演出、タイミング操作演出、および、連打操作演出という複数種類の操作演出は、大当りとなるときに選択される割合が異なる。たとえば、連打操作演出>タイミング操作演出>単発操作演出という大小関係で、大当りとなる割合が異なるように設定されている。なお、複数種類の操作演出について、大当りとなるときに選択される割合は、同じであってもよい。
【0168】
このように、操作演出が行なわれると、遊技者が遊技に参加することが可能となるので、遊技に関与することができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、操作演出が行なわれる変動表示以前の変動表示(1回前の変動表示)において、先読み予告として操作演出予告が行なわれるので、操作演出が実行されることを遊技者が予め認識できるようになる。これにより、遊技者が、操作演出が実行されることに対して操作ボタン130を操作する準備をすることが可能となる。これにより、操作手段を用いた遊技への遊技者の参加意欲を向上させ、遊技者が遊技に積極的に参加できるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。」
(エ)「【図10】
[図:0001383625000006.jpg]
」

イ 周知例1記載事項

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上記記載事項(ア)~(エ)から、周知例1には、

「表示画面には、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄、および、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄のそれぞれの変動表示に同期した(【0024】)装飾用(演出用)の図柄としての(【0043】)演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある演出表示装置9と(【0024】)押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン130とが設けられた(【0054】)パチンコ遊技機1(【0022】)において、
演出図柄の変動表示が開始され(【0159】、【図10】(G))、「左」,「右」の図柄表示エリア9L,9Rの停止図柄が一致してリーチ状態となった後(【0159】、【図10】(H))、「タイミングよくボタンを押せ!」という操作案内メッセージ907(【0159】)、および、操作ボタン130が操作対象であることを示す操作対象画像903が表示され(【0154】、【0159】、【図10】(I))、タイミング操作演出が開始され、この時点において、リーチ状態の演出図柄は、演出表示装置9の表示画面の右下隅部で縮小表示され(【0159】、【図10】(I))、
タイミング操作演出では、ステージ908においてキャラクタ909が停止した場所の数字が変動表示中の演出図柄(中図柄)の停止図柄となることを示す演出が行なわれ(【0160】、【図10】(J),(K))
遊技者により操作ボタン130が操作されると、変動表示結果がはずれとなるときには、操作結果画像として、キャラクタ909がはずれ表示結果となる図柄(「6」)の上で停止する画像が表示された(【0161】、【図10】(L))後、「残念」というメッセージ905が表示され(【0161】、【図10】(M))、
変動表示結果が大当りとなるときには、操作結果画像として、キャラクタ909が大当り表示結果となる図柄(「7」)の上で停止する画像が表示された後、「達成」というメッセージが表示される(【0161】)
パチンコ遊技機1(【0022】)。」

が記載されている(以下、「周知例1記載事項」という。)。

(2)周知例2

本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-209632号公報(以下「周知例2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
(ア)「【0024】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
・・・
【0056】
次に、図5(a)~(c)を用いて、ぱちんこ機100の第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。同図(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。」
(イ)「【0252】
次に、図28を用いて、上述の操作手段画像表示処理によって行われる操作手段画像表示の実施例7について説明する。なお、同図は、実施例7の操作手段画像表示を時系列に示した図である。本実施例では、操作手段画像表示に加えて、上述の予告抽選処理による予告演出を行うように構成している。
【0253】
同図(a)に示すタイミングでは、チャンスボタン136の操作の受付期間(この例では、6秒間)の開始タイミングが到来したことを契機として、チャンスボタン136の1回目の操作に対応する第1の操作手段画像BG1(この例では、チャンスボタンを模した画像)を装飾図柄表示装置208の中央表示領域に表示している。
・・・
【0259】
なお、同図(f)は特図変動遊技の当否結果がはずれの場合のはずれ表示の一例を示した図であり、同図(g)は特図変動遊技の当否結果が大当り場合の大当り表示の一例を示した図である。これらのはずれ表示または大当り表示は、チャンスボタン136の操作の受付期間の開始タイミングから所定時間(6秒)が経過する前の状態(操作の受付期間中)において、チャンスボタン136の操作が行われた場合や、チャンスボタン136の操作が行われずに操作の受付期間の開始タイミングから所定時間(6秒)が経過した場合などに表示される。
【0260】
実施例7に係る操作手段画像表示によれば、遊技者に操作手段の操作を強く促すことができる場合がある。また、遊技者が操作手段の操作タイミングを逃すのを防ぎ、遊技の興趣を向上させることができる場合がある。また、遊技者の選択肢が増えることにより、遊技の興趣を向上させることができる場合がある。」
(ウ)「【図28】
[図:0001383625000007.jpg]
」

イ 認定事項

(エ)【図28】(a)には、「8」-「変動中」-「8」のリーチ状態が記載されている。

(オ)【0252】の「次に、図28を用いて」との記載、【0259】の「同図(f)は特図変動遊技の当否結果がはずれの場合のはずれ表示」との記載を参酌すると、【図28】(f)には、「8」-「7」-「8」のはずれ表示が表示されていること記載されている。

(カ)【0252】の「次に、図28を用いて」との記載、【0259】の「同図(g)は特図変動遊技の当否結果が大当り場合の大当り表示」との記載を参酌すると、【図28】(g)には、「8」-「8」-「8」の大当り表示が表示されていること記載されている。

ウ 周知例2記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

上記記載事項(ア)~(ウ)及び認定事項(エ)~(カ)から、周知例2には、

「装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行う装飾図柄表示装置208(【0024】、【0056】)とチャンスボタン136(【0253】)とを備えたぱちんこ機100(【0056】)において、
「8」-「変動中」-「8」のリーチ状態において(上記(エ))、チャンスボタン136の操作の受付期間(6秒間)の開始タイミングが到来したことを契機として、チャンスボタン136の操作に対応する第1の操作手段画像BG1(チャンスボタンを模した画像)を装飾図柄表示装置208の中央表示領域に表示し(【0253】、【図28】(a))、
チャンスボタン136の操作の受付期間の開始タイミングから所定時間(6秒)が経過する前の状態(操作の受付期間中)において、チャンスボタン136の操作が行われた場合、
特図変動遊技の当否結果がはずれの場合(【0259】)、「8」-「7」-「8」のはずれ表示が表示され(上記(オ)、【図28】(f))、
特図変動遊技の当否結果が大当りの場合(【0259】)、「8」-「8」-「8」の大当り表示が表示される(上記(カ)、【図28】(g))
ぱちんこ機100(【0056】)。」

が記載されている(以下、「周知例2記載事項」という。)。

(3)周知技術2

上記(1)「イ 周知例1記載事項」、及び上記(2)「ウ 周知例2記載事項」に記載されているように、

「表示装置と操作ボタンを備えたパチンコ機において、
第3の装飾図柄を停止表示して大当たり図柄を形成する表示演出における、第3の装飾図柄の停止表示を、操作ボタンを表す操作ボタン画像を前記表示装置に表示し、遊技者が前記操作ボタンを操作することに基づいて停止表示する場合があるようにするパチンコ機。」は、周知(以下、「周知技術2」という。)である。

第5 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

1 特定事項A、Cについて

引用発明の特定事項a、cの「第1液晶表示器42-1」、「左右にスライド可能である第2液晶表示器42-2」、及び「パチンコ機1-3」は、それぞれ、本願発明の「第1の表示手段」、「移動可能であ」る「第2の表示手段」、及び「遊技機」に相当する。

また、引用発明の特定事項a、cの「第1液晶表示器42-1」、及び「左右にスライド可能である第2液晶表示器42-2」は、本願発明の「表示手段」に相当する。

そして、引用発明の特定事項a、cの「操作することで図柄の変動中や大当りの確定表示中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる演出切替ボタン45」は、遊技者によって操作可能であることは、技術常識から明らかであるから、本願発明の「遊技者が操作可能な操作手段」に相当する。

したがって、引用発明の特定事項a、cは、本願発明の特定事項Aの「第1の表示手段と前記第1の表示手段とは異なる第2の表示手段とを含む表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段とを備える遊技機」、特定事項Cの「前記第2の表示手段は、移動可能であ」ること、及び特定事項Aの「遊技機」に相当する特定事項を有している。

2 特定事項Bについて

引用発明の特定事項b、d、e、hでは「第1液晶表示器42-1の画面上で」「「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生」する表示演出が行われ、特定事項b、g、l、mでは「奇数の「7」を表す演出図柄が、第1液晶表示器42-1の表示画面の中央に停止表示され」る表示演出が行われとともに、特定事項b、d、f、i、jでは「第2液晶表示器42-2では、数字の「2」~「9」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われ」、「内部抽選の結果が当選に該当していれば、第2液晶表示器42-2に「7」の図柄が表示され」る表示演出が行われ、特定事項b、g、l、mでは「第2液晶表示器42-2には、「大当り」の文字が表示される」表示演出が行われるから、

引用発明の「第1液晶表示器42-1」(第1の表示手段)と「第2液晶表示器42-2」(第2の表示手段)は、それぞれ複数種類の表示演出を実行可能である。

したがって、引用発明の特定事項b、d、e、h、特定事項b、d、f、i、j、及び特定事項b、g、l、mは、本願発明の特定事項Bの「前記第1の表示手段と前記第2の表示手段は、それぞれ複数種類の表示演出を実行可能であ」ることに相当する特定事項を有している。

3 特定事項Dについて

引用発明の特定事項b、d、f、i、jでは「第1液晶表示器42-1の左右の「7」と、第2液晶表示器42-2の「7」とで、大当たり図柄「7」-「7」-「7」が形成され」る。

また、引用発明の特定事項b、d、f、i、jの「第1液晶表示器42-1の左右の「7」」である「大当たり図柄「7」-「7」-「7」」の左右の「7」は、本願発明の特定事項Hの「第1の装飾図柄」及び「第2の装飾図柄」に相当し、引用発明の特定事項b、d、f、i、jの「第2液晶表示器42-2の「7」である「大当たり図柄「7」-「7」-「7」」の中央の「7」」は、本願発明の特定事項Jの「第3の装飾図柄」に相当する。

このことから、引用発明の特定事項b、d、f、i、jの「大当たり図柄「7」-「7」-「7」」は、複数種類の装飾図柄(第1~3の装飾図柄)によって形成された大当たり図柄である。

したがって、引用発明の特定事項b、d、f、i、jは、本願発明の特定事項Dの「前記第1の表示手段と前記第2の表示手段とを用いて、複数種類の装飾図柄によって大当たり図柄が形成される場合があ」ることに相当する特定事項を有している。

仮に、本願発明の特定事項Dの「複数種類の装飾図柄によって」「形成される」「大当たり図柄」が、「6」「7」等の異なる数字の装飾図柄を意味するとした場合についても検討することとする。

審判請求人が、令和3年10月27日付けの意見書3(1)において、本願発明の特定事項Dの補正の根拠として主張しているのは、出願当初の本願明細書の【0247】~【0252】、【図67】であり、本願明細書の【0250】には「図67(D)に示すように、大当たり表示演出1がおこなわれる。・・・本実施形態の遊技機1では、装飾図柄8L,8C,8Rがゾロ目で停止した場合に大当たり図柄となり、ゾロ目以外で停止表示した場合にはハズレ図柄となる。この大当たり図柄は、表示画面7aと左サブ表示装置10Lとで表示される。」と記載されている。

このことから、本願発明の特定事項Dの「複数種類の装飾図柄によって」「形成される」「大当たり図柄」は、「6」-「6」-「6」、「7」-「7」-「7」のような、装飾図柄の数字が異なる複数種類のゾロ目の大当たり図柄であるといえる。

また、引用発明の特定事項dでは「奇数図柄揃いによって「確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)され」る「15ラウンド確変大当り」だけでなく、「偶数図柄揃いによって「非確変図柄」であることが報知(又は教示、開示)され」る「15ラウンド非確変大当り」があるから、

引用発明の特定事項b、d、f、i、jの「第1液晶表示器42-1の左右の「7」と、第2液晶表示器42-2の「7」とで、大当たり図柄「7」-「7」-「7」が形成され」る場合があるだけでなく、

例えば、第1液晶表示器42-1の左右の「6」と、第2液晶表示器42-2の「6」とで、大当たり図柄「6」-「6」-「6」が形成される場合のように、「7」-「7」-「7」以外の「6」-「6」-「6」等のゾロ目で大当たり図柄が形成される場合があることは、明らかである。

したがって、引用発明の特定事項d、及び特定事項b、d、f、i、jは、本願発明の特定事項Dの「前記第1の表示手段と前記第2の表示手段とを用いて、複数種類の装飾図柄によって大当たり図柄が形成される場合があ」ることに相当する特定事項を有している。

4 特定事項E、Hについて

引用発明の特定事項b、d、e、hでは「第1液晶表示器42-1の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始され、画面の左側位置に数字の「7」を表す演出図柄が停止し、左演出図柄及び右演出図柄が揃い、画面の横一線上に数字の「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生」するとともに、「「7」-「変動中」-「7」」により、リーチラインが形成されていることは、技術常識から明らかである。

したがって、引用発明の特定事項b、d、e、hは、本願発明の特定事項Eの「前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第1の表示演出をおこなう場合があ」ることに相当する特定事項を有しているとともに、本願発明の特定事項Hと「前記第1の表示演出は、前記第1の表示手段に第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とを停止表示して、第1のリーチラインを形成する」「演出であ」る点で、共通している。

5 特定事項F、I、Jについて

引用発明の特定事項b、d、f、i、jでは「第1液晶表示器42-1は「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態のままであるとき、第2液晶表示器42-2が、第1液晶表示器42-1の右端位置から、遊技者から見て第1液晶表示器42-1と重なる位置であって第1液晶表示器42-1における手前の位置で、第1液晶表示器42-1の中央付近までスライドし、第2液晶表示器42-2では、数字の「2」~「9」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われ」、「内部抽選の結果が当選に該当していれば、第2液晶表示器42-2に「7」の図柄が表示され、第1液晶表示器42-1の左右の「7」と、第2液晶表示器42-2の「7」とで、大当たり図柄「7」-「7」-「7」が形成され」る。

したがって、引用発明の特定事項b、d、f、i、jは、本願発明の特定事項Fの「前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第2の表示演出をおこなう場合があ」ること、特定事項Iの「前記第2の表示演出は、前記第1の表示演出の後におこなわれる演出であ」ることに相当する特定事項を有しているとともに、本願発明の特定事項Jと「前記第2の表示演出は、前記第1の表示手段が停止した状態で、前記第2の表示手段を、遊技者から見て前記第1の表示手段と重なる位置であって前記第1の表示手段における前記第1のリーチライン」「の手前の位置に移動させて、前記第2の表示手段に第3の装飾図柄を停止表示し、停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第1のリーチラインを形成する前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合」「を有する演出であ」る点で、共通している。

6 特定事項G、L、Mについて

引用発明の特定事項b、d、f、i、jで「第1液晶表示器42-1の左右の「7」と、第2液晶表示器42-2の「7」とで、大当たり図柄「7」-「7」-「7」が形成され」た後、引用発明の特定事項b、g、l、mでは「第2液晶表示器42-2は、第1液晶表示器42-1の中央付近から右方向にスライドして元の位置に戻り」、「奇数の「7」を表す演出図柄が、第1液晶表示器42-1の表示画面の中央に停止表示され」る。

したがって、引用発明の特定事項b、d、f、i、j、及び特定事項b、g、l、mは、本願発明の特定事項Gの「前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第3の表示演出をおこなう場合があ」ること、特定事項Lの「前記第3の表示演出は、前記第2の表示演出の後におこなわれる演出であ」ることに相当する特定事項を有しているとともに、本願発明の特定事項Mと「前記第3の表示演出は、前記第2の表示手段に前記第3の装飾図柄が停止表示して前記大当たり図柄を形成した後、前記第2の表示手段を移動させると共に、前記第1の表示手段において、前記第2の表示手段に停止表示していた前記第3の装飾図柄に対応する位置に、前記第3の装飾図柄を表示して、前記第1の表示手段上に、前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合」「を有する」点で、共通している。

7 上記1~6から、本願発明と引用発明とは、

[一致点]

「A 第1の表示手段と前記第1の表示手段とは異なる第2の表示手段とを含む表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段とを備える遊技機であって、
B 前記第1の表示手段と前記第2の表示手段は、それぞれ複数種類の表示演出を実行可能であり、
C 前記第2の表示手段は、移動可能であり、
D 前記第1の表示手段と前記第2の表示手段とを用いて、複数種類の装飾図柄によって大当たり図柄が形成される場合があり、
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E 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第1の表示演出をおこなう場合があり、
F 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第2の表示演出をおこなう場合があり、
G 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第3の表示演出をおこなう場合があり、
H’前記第1の表示演出は、前記第1の表示手段に第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とを停止表示して、第1のリーチラインを形成する演出であり、
I 前記第2の表示演出は、前記第1の表示演出の後におこなわれる演出であり、
J’前記第2の表示演出は、前記第1の表示手段が停止した状態で、前記第2の表示手段を、遊技者から見て前記第1の表示手段と重なる位置であって前記第1の表示手段における前記第1のリーチラインの手前の位置に移動させて、前記第2の表示手段に第3の装飾図柄を停止表示し、停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第1のリーチラインを形成する前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する演出であり、
L 前記第3の表示演出は、前記第2の表示演出の後におこなわれる演出であり、
M’前記第3の表示演出は、前記第2の表示手段に前記第3の装飾図柄が停止表示して前記大当たり図柄を形成した後、前記第2の表示手段を移動させると共に、前記第1の表示手段において、前記第2の表示手段に停止表示していた前記第3の装飾図柄に対応する位置に、前記第3の装飾図柄を表示して、前記第1の表示手段上に、前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する、
N 遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](特定事項H)

「前記第1の表示手段に第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とを停止表示して、第1のリーチラインを形成する」「演出であ」る「前記第1の表示演出」に関して、

本願発明は、「第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とを停止表示して、第1のリーチラインを形成すると共に、第4の装飾図柄と第5の装飾図柄とを停止表示して第2のリーチラインとを形成する演出であ」るのに対して、

引用発明は、「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生する(第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とを停止して、第1のリーチラインを形成する)が、第2のリーチラインを形成する特定事項を有していない点。

[相違点2](特定事項J)

「前記第1の表示手段が停止した状態で、前記第2の表示手段を、遊技者から見て前記第1の表示手段と重なる位置であって前記第1の表示手段における前記第1のリーチライン」「の手前の位置に移動させて、前記第2の表示手段に第3の装飾図柄を停止表示し、停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第1のリーチラインを形成する前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合」「を有する演出であ」る「前記第2の表示演出」に関して、

本願発明は、「前記第2の表示手段を」「前記第1の表示手段における前記第1のリーチラインと前記第2のリーチラインの手前の位置に移動させて」「停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第2のリーチラインを形成する前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する演出であ」るのに対して、

引用発明は、「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態が発生(第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とを停止して、第1のリーチラインを形成)し、第2液晶表示器42-2が、第1液晶表示器42-1の右端位置から、第1液晶表示器42-1と重なる位置であって第1液晶表示器42-1における手前の位置で、第1液晶表示器42-1の中央付近までスライドし、第1液晶表示器42-1の左右の「7」(第1の装飾図柄、第2の装飾図柄)と、第2液晶表示器42-2の「7」(第3の装飾図柄)とで、大当たり図柄「7」-「7」-「7」(第1のリーチラインの大当たり図柄)が形成されるが、第2のリーチラインを形成する特定事項を有していないため、「停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第2のリーチラインを形成する前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する演出で」ない点。

[相違点3](特定事項K)

本願発明は、「前記第2の表示演出における前記第3の装飾図柄の停止表示は、前記操作手段を表す操作手段画像を前記表示手段に表示し、遊技者が前記操作手段を操作することに基づいて停止表示する場合を有」するのに対して、

引用発明は、演出切替ボタン45(操作手段)を備えるが、第1液晶表示器42-1(第1の表示手段)が「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態において、第2液晶表示器42-2(第2の表示手段)に「7」の図柄が表示されるときに、第1液晶表示器42-1(第1の表示手段、表示手段)、又は第2液晶表示器42-2(第2の表示手段、表示手段)に、演出切替ボタン45(操作手段)を表示する表示演出を行わない点。

[相違点4](特定事項M)

「前記第2の表示手段に前記第3の装飾図柄が停止表示して前記大当たり図柄を形成した後、前記第2の表示手段を移動させると共に、前記第1の表示手段において、前記第2の表示手段に停止表示していた前記第3の装飾図柄に対応する位置に、前記第3の装飾図柄を表示して、前記第1の表示手段上に、前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合」「を有する」「前記第3の表示演出」に関して、

本願発明は、「前記第2の表示手段に前記第3の装飾図柄が停止表示して前記大当たり図柄を形成した後」、「第1の表示手段上に」「前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する」のに対して、

引用発明は、第2液晶表示器42-2(第2の表示手段)に、「7」の図柄(第3の装飾図柄)が表示され、大当たり図柄「7」-「7」-「7」(第1のリーチラインの大当たり図柄)が形成された後、第1液晶表示器42-1(第1の表示手段)の表示画面の中央に「7」(第3の装飾図柄)が停止表示され、第1液晶表示器42-1(第1の表示手段)に大当たり図柄「7」-「7」-「7」(第1のリーチラインの大当たり図柄)が表示される場合はあるが、

第2液晶表示器42-2(第2の表示手段)に、「第3の装飾図柄が停止表示して」、第2のリーチラインの「大当たり図柄」「を形成した後」、第1液晶表示器42-1(第1の表示手段)上に「第4の装飾図柄と」「第5の装飾図柄と」「第3の装飾図柄とで」「大当たり図柄を形成する場合を有する」演出でない点。

第6 判断

[相違点1~4について](特定事項H、J、K、M)

相違点1~4は、関連するので、まとめて検討する。

本願発明の特定事項Jは「停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第1のリーチラインを形成する前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合と、停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第2のリーチラインを形成する前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する演出であり」(下線は、当審で付した。)という特定事項を有するとともに、

本願発明の特定事項Mは「前記第1の表示手段上に、前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合と、前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する」(下線は、当審で付した。)という特定事項を有しているから、

本願発明は、(第1のリーチラインの)「前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合と」、(第2のリーチラインの)「前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合」とが同時に発生しないものも含むものである。

また、本願発明の特定事項Dの「大当たり図柄」について、特定の種類の装飾図柄で形成されたもの(例:「7」-「7」-「7」)である旨の限定はされていないから、本願発明の特定事項Dの「大当たり図柄」を引用する、本願発明の特定事項J及び特定事項Mの「前記大当たり図柄」も同様に、特定の種類の装飾図柄で形成されたもの(例:「7」-「7」-「7」)である旨の限定はされておらず、

本願発明は、(第1のリーチラインの)「前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合と」、(第2のリーチラインの)「前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合」とが、異なる大当たり図柄である場合を含む(例:「7」-「7」-「7」と、「6」-「6」-「6」)ものである。

そして、第1の表示装置を備えたパチンコ機の技術分野において、ノーマルリーチに加え、ダブルリーチとして、前記第1の表示装置に第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とを停止表示して、第1のリーチラインを形成すると共に、第4の装飾図柄と第5の装飾図柄とを停止表示して第2のリーチラインとを形成する表示演出をおこなった後、停止表示した第3の装飾図柄と、前記第1のリーチラインを形成する前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄とで第1の大当たり図柄を形成する場合と、停止表示した前記第3の装飾図柄と、前記第2のリーチラインを形成する前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄とで第2の大当たり図柄を形成する場合を有する演出を行うことは、上記第4 2(3)において述べたように、周知技術1として周知の技術である。

さらに、表示装置と操作ボタンを備えたパチンコ機において、第3の装飾図柄を停止表示して大当たり表示を形成する表示演出における、第3の装飾図柄の停止表示を、操作ボタンを表す操作ボタン画像を前記表示装置に表示し、遊技者が前記操作ボタンを操作することに基づいて停止表示する場合があるようにすることも、上記第4 3(3)において述べたように、周知技術2として周知の技術である。

しかも、引用発明及び上記周知技術1~2は、ともにリーチ状態の表示装置において、第3の装飾図柄を停止表示させることにより大当たり図柄を表示させるパチンコ機の演出に関する技術であり、技術分野及び機能が共通している。

そして、引用発明は、「第1液晶表示器42-1は「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態のままであるとき、第2液晶表示器42-2が、第1液晶表示器42-1の右端位置から、遊技者から見て第1液晶表示器42-1と重なる位置であって第1液晶表示器42-1における手前の位置で、第1液晶表示器42-1の中央付近までスライドし」「第2液晶表示器42-2に「7」の図柄が表示され」たとき、2つの表示装置を用いて、立体的な1つの大当たり図柄が形成されるものであり、引用発明が遊技の興趣を向上させる効果を有することは自明である。

さらに、周知技術1は、2つのリーチラインにおける共通のライン上に第3の装飾図柄が止まることにより、大当たり図柄が形成される技術であり、周知技術1が遊技の興趣を向上させる効果を有することも自明である。

加えて、周知技術2は、大当たり図柄を形成する表示演出における、第3装飾図柄の停止表示を、操作手段を表す操作手段画像を表示し、遊技者が操作手段を操作することに基づいて停止表示される場合があるようにする技術であり、上記第4 3(1)(ウ)【0168】、及び第4 3(2)(イ)【0260】にも記載されているように、周知技術2の根拠である周知例1及び周知例2は、遊技の興趣を向上させる効果を有するものであるから、周知技術2も同様に、遊技の興趣を向上させる効果を有するものである。

これらのことから、引用発明及び上記周知技術1~2は、遊技の興趣を向上させるという共通の効果を奏するものである。

したがって、引用発明の「7」-「変動中」-「7」のリーチ状態において、第2液晶表示器42-2に「7」の図柄(第3の装飾図柄)が停止表示されるときに、上記周知技術1~2を適用して、「7」-「変動中」-「7」(第1のリーチライン)と、「6」-「変動中」-「6」(第2のリーチライン)の2種類のリーチ状態が同時に発生した(ダブルリーチとなった)後、第2液晶表示器42-2に「7」又は「6」の図柄(第3の装飾図柄)が表示されるときに、第1液晶表示器42-1(第1の表示手段、表示手段)に、演出切替ボタン45(操作手段)を表示し、遊技者が演出切替ボタン45(操作手段)を操作することに基づいて、第2液晶表示器42-2に「7」又は「6」の図柄(第3の装飾図柄)を停止表示し、大当たり図柄「7」-「7」-「7」「7」-「変動中」-「7」(第1のリーチラインの大当たり図柄)、又は大当たり図柄「6」-「6」-「6」(第2のリーチラインの大当たり図柄)になる場合があるようにして、上記相違点1~4に係る特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。

また、本願発明が奏する効果は、当業者が、引用発明及び上記周知技術1~2から予測し得た範囲内のものであって、格別なものではない。

第7 請求人の主張

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審判請求人は、令和3年10月27日提出の意見書の4(2)(2-2)において、概ね以下のように主張している。

引用文献1~3では、2つの表示手段を用いて、立体的な2つの同じ大当たり図柄が形成されること、および、2つのリーチラインにおける共通のライン上に1つの装飾図柄が止まることにより、2つの同じ大当たり図柄が形成される場合において、2つのリーチラインの共通のラインにおける1つの装飾図柄の停止表示は、操作手段を表す操作手段画像を表示し、遊技者が操作手段を操作することに基づいて停止表示されることについては、開示も示唆もされておらず、引用文献1~3を組み合わせても本願構成に想到することができないと思料致します。

一方、本願発明は、第2の表示演出は、第1の表示手段が停止した状態で、第2の表示手段を、遊技者から見て第1の表示手段と重なる位置であって第1の表示手段における第1のリーチラインと第2のリーチラインの手前の位置に移動させて、第2の表示手段に第3の装飾図柄を停止表示し、停止表示した第3の装飾図柄と、第1のリーチラインを形成する第1の装飾図柄と第2の装飾図柄とで大当たり図柄を形成する場合と、停止表示した第3の装飾図柄と、第2のリーチラインを形成する第4の装飾図柄と第5の装飾図柄とで前記大当たり図柄を形成する場合を有する演出であり、第2の表示演出における第3の装飾図柄の停止表示は、操作手段を表す操作手段画像を表示手段に表示し、遊技者が操作手段を操作することに基づいて停止表示する場合を有します。

この構成によれば、第1の表示手段において2つのリーチラインの手前の位置に第2の表示手段が移動し、第2の表示手段に1つの装飾図柄(第3の装飾図柄)が停止することにより、立体的な2つの同じ大当たり図柄が形成されるので、第2の表示手段のアクロバティックな動きで遊技者の関心を惹きつつ、遊技者に「大当たり図柄」を強調して表示することができます。

また、2つのリーチラインの手前の位置に配置される第2の表示手段において1つの装飾図柄(第3の装飾図柄)が停止し、それにより、2つの同じ大当たり図柄が形成される場合において、第2の表示手段における1つの装飾図柄(第3の装飾図柄)の停止表示は、操作手段を表す操作手段画像を表示し、遊技者に操作手段が操作されることに基づいて停止表示するので、遊技者が立体的な大当たり図柄の形成に参加することができ、ダイナミックで至福感が高い演出を提供することができます。

その結果、遊技の興趣を向上させることができます。

しかしながら、請求人が主張する、(1)「第2の表示手段のアクロバティックな動き」の点、(2)「ダイナミックで至福感が高い演出」である点については、本願発明の特定事項に基づく作用・効果ではないから、上記(1)~(2)の主張は、本願発明の特定事項に基づく主張ではない。

また、請求人が主張する、(3)「2つの同じ大当たり図柄が形成される」点については、上記第6[相違点1~4について]において既に検討したように、本願発明は、「前記第1の装飾図柄と前記第2の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで」「形成」される「前記大当たり図柄」と、「前記第4の装飾図柄と前記第5の装飾図柄と前記第3の装飾図柄とで」「形成」される「前記大当たり図柄」とが、同時に成立しない「2つの」異なる「大当たり図柄」(例:「7」-「7」-「7」と、「6」-「6」-「6」)である場合を含むことは明らかである。

そして、上記第6[相違点1~4について]において既に検討したように、引用発明及び上記周知技術1~2は、遊技の興趣を向上させるという共通の効果を奏するものである。

しかも、上記第6[相違点1~4について]において既に検討したように、本願発明は、引用発明、及び周知技術1~2に基づいて当業者が容易になし得たものである。

また、本願発明が奏する効果は、当業者が、引用発明及び上記周知技術1~2から予測し得た範囲内のものであって、格別なものではない。

したがって、請求人の主張を採用することはできない。

第8 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上記周知技術1~2に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

したがって、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-015789

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