商標拒絶査定不服審判
2020-013430
ジコシャカイトリオー、ジコシャカイトリ、カイトリオー、カイトリ、オー
- 審判番号
- 2020-013430
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2018-150696
- 請求日
- 2020年09月25日
- 審決日
- 2022年02月03日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社SanWell
- 【請求人代理人】特許業務法人朝日特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .261-Z (W36) / T18 .262-Z (W36) / T18 .263-Z (W36)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2018-150696拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年12月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和元年11月18日付け:拒絶理由通知書
令和2年1月6日付け:意見書の提出
令和2年6月19日付け:拒絶査定
令和2年9月25日付け:審判請求書の提出
令和3年5月6日付け:手続中止通知書
令和3年12月16日付け:手続中止解除通知書
第2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第36類「中古自動車の買取価格の評価,中古自動車の評価,中古自動車の評価に関する情報の提供」を指定役務として登録出願されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4839785号商標(以下「引用商標」という。)は、「買取王」の文字を標準文字で表してなり、平成16年7月7日に登録出願、「中古自動車の評価」を含む第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同17年2月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第4 当審の判断
1 本願商標について
(1)本願商標は、別掲のとおり、上段に黒色で「事故車」の文字を表し、下段の左側に赤色で「買取」の文字を、同段の右側に黄色で「王」の文字とその上部に同じく黄色で王冠を模した図形を、それぞれ黒枠で縁取りしたデザインを施してなるものである(以下、本願商標の構成中、下段の図形を配した「買取王」部分を「本願下段部分」という場合がある。)。
そして、本願商標の構成中、上段の文字は、普通に用いられる方法で黒色にて表示されているのに対し、本願下段部分は、赤色又は黄色の各文字又は図形に、黒枠で縁取りしたデザインを施してなるものであって、両者は、色彩やデザインの構成態様の差異があるため、一体性に乏しく、視覚的に分離して観察され、外観上、密接不可分な関係にあるとはいい難いものである。
(2)本願商標の構成中、上段の「事故車」の文字は、「交通事故を起こした自動車。また、交通事故などで車体の骨格部分を修理したことがある自動車。」(広辞苑 第七版)の意味を有するところ、本願に係る指定役務を取り扱う業界において、原審で示したように、「事故車の買取価格の評価」等のサービスが提供されている実情が見受けられることに照らすと、当該文字は、「交通事故を起こした自動車」程の意味合いを認識させ、「中古自動車の買取価格の評価,中古自動車の評価」等の役務との関係においては、評価の対象となる物(中古自動車)の一種を表すにすぎず、出所識別標識としての称呼、観念を生じさせるとはいえない。
(3)してみれば、本願商標は、その構成中、本願下段部分が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから、当該部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成全体より生じる「ジコシャカイトリオウ」の称呼のほか、その要部である本願下段部分の「買取王」の構成文字に相応して「カイトリオウ」の称呼を生じるものであり、当該文字は、一般の辞書等に載録されている語ではなく、直ちに特定の意味合いを理解させるとはいい難いことから、特定の観念は生じないものである。
2 引用商標について
引用商標は、「買取王」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して「カイトリオウ」の称呼を生じ、上記1(3)と同様に、特定の観念は生じないものである。
3 本願商標と引用商標との類否について
(1)本願商標と引用商標は、それぞれ上記1及び2のとおりの構成からなるところ、外観については、本願商標と引用商標とは、全体としては相違するものの、本願商標の構成中、本願下段部分と引用商標との比較においては、両者は、デザイン、色彩や図形の有無等の差異を有するものの、「買取王」の構成文字を共通にし、共に横書きしてなるものであるから、外観において似かよった印象を与えるというべきである。
称呼については、両者は「カイトリオウ」の称呼を共通にするものである。
観念については、両者は、いずれも特定の観念を生じないものと認められるから、比較することができない。
(2)以上より、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものの、外観において似かよった印象を与え、「カイトリオウ」の称呼を共通にすることから、これらの観念、外観、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
4 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否
引用商標の指定役務中「中古自動車の評価」は、本願商標の指定役務と同一又は類似の役務である。
5 まとめ
以上によれば、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、かつ、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務も同一又は類似の役務である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
6 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、その全体が一体不可分として認識、把握されるとするのが自然であり、本願商標から「買取王」の部分を抽出し、この部分と他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判定すべき事情はない旨を主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標の構成中、上段の黒色の文字と、デザインを施してなる本願下段部分は、その構成態様の差異があるため、一体性に乏しく、視覚的に分離して観察されるものであり、外観上、密接不可分な関係にあるとはいい難いものである。そして、上記1(2)のとおり、本願商標の構成中、上段の「事故車」の文字は、「交通事故を起こした自動車」程の意味合いを認識させ、「中古自動車の買取価格の評価,中古自動車の評価」等の役務との関係においては、評価の対象となる物(中古自動車)の一種を表すにすぎず、出所識別標識としての称呼、観念を生じさせるとはいえないことに照らすと、上記1(3)のとおり、本願商標は、その構成中、本願下段部分が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから、当該部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
(2)請求人は、「エアコン買取王」や「チケット買取王」の登録例を挙げ、それらが引用商標と併存していることから、本願商標も登録されるべきである旨主張するが、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、上記登録例と引用商標は、いずれも標準文字にてまとまりよく一連に表されたものであって、商標の具体的構成等において本願商標とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記3においてした判断のとおりであるから、上記登録例をもってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
7 むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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