2020-011681
紫外線吸収性ポリマー色素およびそれを使用する方法
- 審判番号
- 2020-011681
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-547979外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年08月21日
- 審決日
- 2022年01月05日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
- 【請求人代理人】河野 英仁
- 【請求人代理人】河野 登夫
- 分類
- P18 .537-WZ (G01N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
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本願は、2016年(平成28年)3月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年3月12日、米国)を国際出願日とする出願あって、令和元年12月3日付けで拒絶理由が通知され、令和2年3月3日に意見書及び手続補正書が提出され、同年4月9日付けで拒絶査定されたのに対し、同年8月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、それと同時に手続補正がなされ、その後、当審より令和3年6月16日付けで拒絶理由が通知され、令和3年9月17日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1~16に係る発明は、令和3年9月17日に提出された手続補正書により補正(以下「補正」という。)された特許請求の範囲の請求項1~16に記載されたとおりのものであるところ、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】6-5-6縮合三環系コモノマーと、紫外線吸光度修飾コモノマーとを含む共役セグメントを含んでおり、紫外線吸収極大を有しており、続きを表示(全19行)式(I):【化1】[図:0001384623000001.jpg]によって示され、式中、F1は、6-5-6縮合三環系コモノマーであり、M1およびM2は、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり、bは、1または2であり、a、c、dおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり、eは、1であり、L1は、化学選択的タグ-Z1に連結されている連結性コモノマーであり、nは、1~10,000の整数であり、mは、1~10,000の整数であり、pは、1~100,000の整数であり、かつG1およびG2は、それぞれ独立して、末端基と、π共役セグメントと、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーと、からなる群から選択される、水溶性集光性多発色団。」
第3 当審の拒絶理由の概要
1.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
2.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
拒絶理由1については、全体論を述べたうえで、各論について述べ、
「よって、本願発明の実施例は、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素のみであり、それを構成する各部分について拡張ないし一般化できる範囲について検討した上記(3)イ(ア)~(エ)を踏まえるに、請求項1~14の発明において、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素の例から拡張ないし一般化できる範囲のものはなく、いずれも発明の詳細な説明に記載したものとはいえないことから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。」と小括し、
拒絶理由2については、「よって、特許請求の範囲の記載は、上記(1)~(3)の点で不明確であるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。」と小括している。
以下、第4の「当審の判断」では、拒絶理由1の全体論及び各論の(ア)~(エ)、並びに拒絶理由2の(1)~(3)の点について、請求人からの補正書及び意見書を踏まえて、さらに検討することとする。
第4 当審の判断
1 拒絶理由1(サポート要件)について
(1)全体論について
ア 通知した具体的内容
(ア)課題について
本願明細書には、解決しようとする課題が何であるのか明確に記載されていないが、背景技術、課題を解決するための手段の記載として、以下の記載がある(下線は当審において付与した。以下同様。)。
「【背景技術】【0002】蛍光色素は、それらが吸収する波長の光を照射した場合、(通常は)異なった波長の光を発する化合物である。蛍光色素は、生物化学、生物学および医学における様々な用途において、例えば診断キット、顕微鏡検査法または薬物スクリーニングにおける使用が見出されている。蛍光色素は、所望の目的に応じて、適切な色素を使用者が選択することを可能にする多くのパラメーターによって特徴付けられる。対象のパラメーターとしては、最大励起波長、最大発光波長、ストークスシフト、吸光係数、蛍光量子収量および蛍光寿命が挙げられる。色素は、例えば、生体試料内への励起放射線の透過を可能にするため、バックグラウンドの蛍光を最小限に抑えるために、かつ/または高いシグナル対ノイズ比を達成するために、目的の用途に応じて選択され得る。【0003】分子認識は、2つの分子の特異的な結合を要する。標的生体分子に対する結合特異性を有する分子は、様々な研究および診断用途、例えば検体の標識化および分離、フローサイトメトリー、in situハイブリダイゼーション、酵素免疫測定法(ELISA)、ウェスタンブロット分析、磁気細胞分離およびクロマトグラフィーでの使用が見出されている。標的生体分子は、蛍光色素で標識することによって検出され得る。【発明の概要】【課題を解決するための手段】【0004】紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団(multichromophore)が提供される。一部の実施形態において、多発色団は、6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾(UV absorbance-modifying)コモノマーを含む共役セグメントを含む。多発色団は、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団を含み得る。一部の実施形態において、特異的結合性メンバーは、多発色団に共有結合で連結される。標的検体の存在について試料を評価する方法、および集光性多発色団を含む組成物を使用して標的分子を標識する方法も提供される。主題の方法を実施するキットおよびシステムも提供される。」
上記下線部より、本願発明の蛍光色素(多発色団、ポリマータンデム色素)は、生体試料内への励起放射線の透過を可能にするため、バックグラウンドの蛍光を最小限に抑えるために、かつ/または高いシグナル対ノイズ比を達成するようにしたもの、ある目的の用途のために選択したものともいえるが、以下の(イ)で摘記する実施例の記載を参照しても、具体的に何を課題とし、何を解決したのかを明確に把握することはできない。
(イ)実施例について
実施例として、以下の記載があるのみである。
「【実施例】【0265】実験実施例1続きを表示(全16行)一連の結合されたフルオロフォアを含む以下に示すコア構造1に基づいて、一連のタンデム色素を製造した。図1は、様々な異なるアクセプター発色団に連結された多発色団コア構造1に基づく、様々なポリマータンデム色素の蛍光発光プロファイルを例示する。【0266】【化49】[図:0001384623000002.jpg]【0267】式中、色素は、Dyomics色素DY 431、DY 485XL、DY 610、DY 640、Cy3、Cy3.5またはジエチルアミノクマリン(DEAC)である。【0268】第2の一連の紫外線吸収性ポリマー色素を製造し、特徴付けた。図2は、対象の様々な多発色団、MC-1~MC-5の紫外線吸収スペクトルを例示する。【0269】【化50】[図:0001384623000003.jpg]」
と記載され、図1及び図2として以下の図面が記載されている。
【図1】
[図:0001384623000004.jpg]
【図2】
[図:0001384623000005.jpg]
ここで、上記【化50】で記載されている紫外線吸収性ポリマー色素は、いずれもm=0の場合に相当するものであり、本願発明は「mは、1~10,000の整数」であり、m=0の場合は含まないことから、本願発明の実施例ではなく、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素のみが本願発明の実施例ということになる。
(ウ)指摘した事項
本願発明の実施例は、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素のみであり、上記(ア)で述べたとおり、本願発明の解決しようとする課題が明確でないこともあり、【化49】で特定されるポリマータンデム色素以外のものまで本願発明とする合理的理由はないことから、【化49】で特定されるポリマータンデム色素以外のものを含む(補正前の)請求項1~14に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。
イ 請求人の主張
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請求人は、上記ア(ウ)の指摘事項に対し、補正はせず、意見書で以下のとおりに主張している。
「蛍光色素は、蛍光標識に利用することができる。当業者に良く知られているように、蛍光色素の最大吸光度の波長が励起光の波長にほぼ一致する場合に、効果的に発光が行われ、バックグラウンドが抑えられ、シグナル対ノイズ比が高くなる。また、当業者に良く知られているように、紫外線を発光する紫外光源が存在する。本願の請求項1~16に係る発明では、紫外線吸光度修飾コモノマーを含む多発色団を用いることにより、蛍光色素の最大吸光度が紫外線領域に含まれるようになり、紫外線を励起光とすることができ、紫外光源を励起光源として利用することができる。即ち、請求項1~16に係る発明は、効果的に紫外光源を励起光源として利用することを課題とし、紫外線吸光度修飾コモノマーを含む多発色団を用いて最大吸光度を紫外線領域へシフトすることにより、課題を解決したものである。」
「本願の請求項1~16に係る発明の実施例は、[化49]で記載されるポリマータンデム色素以外にも、明細書の段落[0044]~[0242]にも記載されている。」
ウ 請求人の主張を踏まえた判断
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請求人が述べているように、蛍光色素とは、一般に蛍光色素自体が吸光し発光するものであるところ、下記の「拒絶理由2(明確性)について」の(1)で記載する意見書において、請求人は、
「請求項6及び明細書の段落[0150]に記載されているように、「ポリマータンデム色素」は、「多発色団」と「アクセプター発色団」とを含んだものである。また、請求項7及び12並びに明細書の段落[0150]に記載されているように、「色素」は「アクセプター発色団」と同じ意味である。従って、「多発色団」と「色素」とは異なるものであり、「多発色団」と「色素」とが「ポリマータンデム色素」に含まれていることが明確である。」と釈明している。
当該釈明と上記イで記載した請求人の主張に鑑みると、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素において、紫外線吸光度修飾コモノマーを含む多発色団の部分が、ポリマータンデム色素の最大吸光度を紫外線領域へシフトさせることに寄与し、色素の部分がポリマータンデム色素の発光に寄与するものといえることから、【化49】で記載されるポリマータンデム色素の吸光及び発光は、単に色素の部分で吸光し発光する蛍光色素とは異なり、吸光及び発光の作用はポリマータンデム色素の化学構造全体によって左右されるものであるといえる。
そうすると、【化49】で記載される化学構造以外のものにおいても、【化49】で記載されるポリマータンデム色素と同様に、最大吸光度を紫外線領域の波長へシフトさせ、色素に応じた別の波長で効果的な発光が行うことができるかどうかは、実験等によって確認しなければ、それを裏付けることはできない。
それに対し、請求人は、「本願の請求項1~16に係る発明の実施例は、[化49]で記載されるポリマータンデム色素以外にも、明細書の段落[0044]~[0242]にも記載されている。」と主張するのみで何ら具体的な説明はなく、そして【0044】~【0242】には、【化49】に記載される化学構造以外のもののうち本願の請求項1~16に係る発明の実施例として使用できそうな化学構造が例示されているだけであり、実際に使用した場合にどのような効果があるのか具体的に記載されていない。
したがって、意見書を参照しても、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素を、上記本願発明で特定される多発色団(なお、下記の「拒絶理由2(明確性)について」の(1)で述べるように、本願発明の「多発色団」は明確とはいえない)まで拡張ないし一般化できるものとはいえない。
よって、【化49】で特定されるポリマータンデム色素以外のものを含む本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。
(2)各論について
ア 紫外線吸光度修飾コモノマー(M1、M2)について
(ア)通知した具体的内容
上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素において、紫外線吸光度修飾コモノマーに相当するものはM2として、以下のトリフルオロメチルベンゼンである。
[図:0001384623000006.jpg]
また、本願明細書には、紫外線吸光度修飾コモノマーについて、
「本明細書で使用される「紫外線吸光度修飾コモノマー」という用語は、対照多発色団の最大吸光度、例えば、紫外線吸光度修飾コモノマーが反復単位に存在しない共役系ポリマーの最大吸光度に対して、紫外領域(例えば、400nm以下の波長までの)にある、より短い波長へとシフトする、最大吸光度を多発色団に付与するコモノマーを意味する。」(【0047】)
と記載されており、紫外線吸光度修飾コモノマーとは、対象多発色団の最大吸光度を紫外領域(400nm以下の波長)のより短い波長へとシフトさせるコモノマーを意味するといえ、そのコモノマー自体の最大吸光度が紫外領域にあるというものではない。
そうすると、最大吸光度が紫外領域にあるコモノマーをもってきても、それが対象多発色団に対して、どの程度最大吸光度のシフト作用があるのか不明であるから、上記トリフルオロメチルベンゼン以外のものについては裏付けがあるとはいえない。
(イ)請求人の主張
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請求人は、上記(ア)の指摘に対し、補正はせず、意見書で以下のとおりに主張している。
「本願の請求項1~16に係る発明の実施例は明細書の段落[0044]~[0242]に記載されており、紫外線吸光度修飾コモノマーの例は、明細書の段落[0095]~[0118]に記載されている。明細書の段落[0095]に記載されているように、紫外線吸光度修飾コモノマーは305nm以下の紫外線領域に吸収極大を有する。紫外線領域に最大吸光度を有する紫外線吸光度修飾コモノマーが多発色団に含まれることによって、多発色団は紫外線領域に最大吸光度を有する。多発色団に紫外線吸光度修飾コモノマーが含まれることによって、紫外線吸光度修飾コモノマーを含まない対照多発色団の最大吸光度から、紫外線吸光度修飾コモノマーの最大吸光度まで、多発色団の最大吸光度がシフトすることとなる。明細書の段落[0095]~[0118]には、請求項1~16に係る発明に含まれる紫外線吸光度修飾コモノマーが記載されている。」
(ウ)請求人の主張を踏まえた判断
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【0044】~【0242】については、上記(1)ウで述べたとおりであるから、ここでは、請求人が引用した【0095】~【0118】の記載について検討する。
本願明細書の【0095】~【0118】には、紫外線吸光度修飾コモノマーとなり得る化学構造を有するものが多数記載されているが、これら記載されている化学構造をもつモノマーについての実施に関しての記載がないことから、上記【化49】で記載されるトリフルオロメチルベンゼンと同様に対照多発色団の最大吸光度を紫外領域(400nm以下の波長)のより短い波長へとシフトさせることについて、どの程度の効果があるのか理解することはできない。してみれば、【0095】~【0118】には、紫外線吸光度修飾コモノマーとなり得る化学構造を有するものが多数記載されているが、これらについて裏付けがあるとはいえない。
ましてや、本願発明では、紫外線吸光度修飾コモノマーについて「M1およびM2は、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり」と特定されるのみで、上記【0095】~【0118】で記載されているコモノマー以外のものも含むものであり、上記【0095】~【0118】で記載されているコモノマー以外のコモノマーにおいて、対象多発色団の最大吸光度を紫外領域(400nm以下の波長)のより短い波長へとシフトさせることについて、どの程度の効果があるのか理解することはできないことは、なおさらである。
よって、「M1およびM2は、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマー」との発明特定事項は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。
イ 化学選択的タグ(Z1)について
(ア)通知した具体的内容
請求項6の「L1は、化学選択的タグ-Z1に連結されている連結性コモノマー」を引用する請求項7において「L1は、前記アクセプター発色団-C1に連結されている連結性コモノマー」と特定され、さらにその請求項7を引用する請求項12において「C1は、任意選択的なリンカーを介してL1に連結されている、シアニン色素、キサンテン色素、クマリン色素、チアジン色素およびアクリジン色素からなる群から選択される」と特定されていることから、化学選択的タグ(Z1)は「色素」のこととも解される。
そうすると、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素において、化学選択的タグ(Z1)に相当するものは「色素」(○囲みで記載されている)ということになる。
一方、本願明細書には「「化学選択的官能基」および「化学選択的タグ」という用語は区別なく使用され、場合により、官能基のうちの1つを任意選択的に活性化した後、他の適合性官能基と選択的に反応して共有結合を形成することができる官能基を意味する。」(【0090】と記載されているが、上記化学選択的タグ(Z1)を「色素」以外の「官能基のうちの1つを任意選択的に活性化した後、他の適合性官能基と選択的に反応して共有結合を形成することができる官能基」に拡張ないし一般化できる理由はない。
よって、化学選択的タグ(Z1)として裏付けのあるものは「色素」のみであるといえる。
(イ)請求人の主張
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請求人は、上記(ア)の指摘に対し、補正はせず、意見書で以下のとおりに主張している。
「本願の請求項1~16に係る発明の実施例は明細書の段落[0044]~[0242]に記載されており、化学選択的タグについては、明細書の段落[0090]に記載されている。明細書の段落[0090]に記載の化学選択的タグは、明細書の段落[0044]~[0242]に記載されている請求項1~16に係る発明の実施例に適用することが可能である。」
(ウ)請求人の主張を踏まえた判断
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【0044】~【0242】については、上記(1)ウで述べたとおりであるから、ここでは、請求人が引用した【0090】の記載について検討する。
本願明細書の【0090】には、
「【0090】本明細書で使用される「化学選択的官能基」および「化学選択的タグ」という用語は区別なく使用され、場合により、官能基のうちの1つを任意選択的に活性化した後、他の適合性官能基と選択的に反応して共有結合を形成することができる官能基を意味する。対象の化学選択的官能基としては、限定されないが、チオールおよびマレイミドまたはヨードアセトアミド、アミンおよびカルボン酸またはその活性エステル、ならびにClick化学を介して互いに反応することができる基、例えば、アジドおよびアルキン基(例えば、シクロオクチン基)、ならびにヒドロキシル、ヒドラジド、ヒドラジノ、アルデヒド、ケトン、アジド、アルキン、ホスフィン、エポキシド等が挙げられる。」と記載されている。
当該記載を参照するに、本願発明の「化学選択的タグZ1」とは、「チオールおよびマレイミドまたはヨードアセトアミド、アミンおよびカルボン酸またはその活性エステル、ならびにClick化学を介して互いに反応することができる基、例えば、アジドおよびアルキン基(例えば、シクロオクチン基)、ならびにヒドロキシル、ヒドラジド、ヒドラジノ、アルデヒド、ケトン、アジド、アルキン、ホスフィン、エポキシド等」であると主張しているようであるが、これらは「色素」とはいえず、請求人はこれらの基と色素との関係について何ら説明していない。
してみれば、化学選択的タグ(Z1)として裏付けのあるものは「色素」のみであるとの指摘を覆すことができず、そして仮に、化学選択的タグ(Z1)が色素でないものであるとしても、化学選択的タグ(Z1)として「チオールおよびマレイミドまたはヨードアセトアミド、アミンおよびカルボン酸またはその活性エステル、ならびにClick化学を介して互いに反応することができる基、例えば、アジドおよびアルキン基(例えば、シクロオクチン基)、ならびにヒドロキシル、ヒドラジド、ヒドラジノ、アルデヒド、ケトン、アジド、アルキン、ホスフィン、エポキシド等」を用いた場合に、どの程度の効果があるのか理解することはできないことから、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素から拡張ないし一般化できるものではない。
よって、「化学選択的タグZ1」との発明特定事項は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。
ウ 連結性コモノマー(L1)について
(ア)通知した具体的内容
本願請求項1を引用する請求項5(本願請求項7を引用する請求項8も同様である)には、
「L1は、構造:【化5】[図:0001384623000007.jpg]によって示され」ることが記載されている。
そして、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素において、連結性コモノマー(L1)に相当するものは、化学選択的タグ(Z1)である「色素」と連結するものであるから、以下の部分といえ、
[図:0001384623000008.jpg]
これは、上記【化5】とも対応するものである。そうすると、連結性コモノマー(L1)として裏付けのあるものは、上記【化5】で示されるものだけであり、上記【化5】以外の連結性コモノマーに拡張ないし一般化できる理由はない。
(イ)請求人の主張
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請求人は、上記(ア)の指摘に対し、補正はせず、意見書で以下のとおりに主張している。
「本願の請求項1~16に係る発明の実施例は明細書の段落[0044]~[0242]に記載されており、連結性コモノマーについては、明細書の段落[0091]及び[0093]に記載されている。明細書の段落[0091]及び[0093]に記載の連結性コモノマーは、明細書の段落[0044]~[0242]に記載されている請求項1~16に係る発明の実施例に適用することが可能である。」
(ウ)請求人の主張を踏まえた判断
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【0044】~【0242】については、上記(1)ウで述べたとおりであるから、ここでは、請求人が引用した【0091】及び【0093】の記載について検討する。
本願明細書の【0091】及び【0093】には、
「【0091】いずれかの簡便な連結性コモノマー(L1)を主題の多発色団に組み込んで、対象の簡便な部位に結合され得る結合性基を提供することができる。対象の連結性コモノマーとしては、限定されないが、フルオレンコモノマー、フェニレンビニレンコモノマー、フェニレンエチニレンコモノマー、カルバゾールコモノマー、C2~C12アルキンコモノマー、アリーレン-エチニレンコモノマー、ヘテロアリーレン-エチニレンコモノマー、アリーレンコモノマーおよびヘテロアリーレンコモノマーが挙げられる。」
「【0093】特定の場合において、連結性コモノマーは、置換または未置換1,4-フェニル、置換または未置換1,3-フェニル、置換または未置換4,4’-ビフェニル、置換または未置換2,5-ピリジル、および置換または未置換2,6-ピリジルである。一部の場合において、連結性モノマーはフルオレンコモノマーである。特定の場合において、連結性コモノマーは、紫外線吸光度修飾コモノマー(例えば、本明細書に記載される)である。」と記載されている。
当該記載を参照するに、請求人は、連結性コモノマー(L1)とは「主題の多発色団に組み込んで、対象の簡便な部位に結合され得る結合性基を提供する」ものであればよいとの主張をしているようであるが、その一方で「連結性コモノマーは、紫外線吸光度修飾コモノマー(例えば、本明細書に記載される)である」との記載も引用していることから、単に対象の簡便な部位に結合され得る結合性基を提供するものであるともいえない。
してみれば、単に対象の簡便な部位に結合され得る結合性基を提供するものとはいえない連結性コモノマー(L1)について、上記【化5】で示されるものから、上記【0091】及び【0093】に記載されているコモノマーを用いた場合に、どの程度の効果があるのか理解することはできないことから、上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素から拡張ないし一般化できるものではない。
ましてや、本願発明では、「L1は、化学選択的タグZ1に連結されている連結性コモノマーであり」と特定されるのみで、上記【0091】及び【0093】で記載されているコモノマー以外のものも含むものであるから、【0091】及び【0093】で記載されているコモノマー以外のものまで拡張ないし一般化できるものではないことはなおさらである。
よって、「L1は、化学選択的タグZ1に連結されている連結性コモノマー」との発明特定事項は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。
エ G1及びG2について
(ア)通知した具体的内容
a 上記【化49】で記載されるポリマータンデム色素において、G1及びG2に相当するものは、フェニル基(ベンゼン環)と、以下の部分である。
[図:0001384623000009.jpg]
一方、本願特許請求の範囲では、「G1およびG2は、それぞれ独立して、末端基と、π共役セグメントと、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーと、からなる群から選択される」(独立項である請求項1、6及び13)と特定されおり、本願明細書には、
「主題の多発色団の末端にいずれかの簡便な末端基(例えば、G1およびG2)を用いることができる。対象のG1およびG2基としては、限定されないが、末端キャップ形成基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーが挙げられる。一部の実施形態において、末端キャップ形成基は、重合後に多発色団の主鎖に結合される一価基である。特定の場合において、末端キャップ形成基は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルまたは置換アルキルである。特定の場合において、末端キャップ形成基は、重合方法で使用されるモノマー、例えば、さらなる結合を受けることができる、ハロゲン(例えば、Br)、ボロン酸またはボロン酸エステルなどの末端基から誘導される。一部の場合において、G1および/またはG2はπ共役セグメントである。本明細書で使用されるπ共役セグメントとは、多発色団が共役され得る、すなわち隣接単位にわたってπ電子の非局在化が可能となる、共役系ポリマーの簡便なセグメントを意味する。特定の実施形態において、G1および/またはG2は、特異的結合性部位への共役に適した官能基を含むリンカーなどである。多発色団のG1および/またはG2位に位置するリンカーは、多発色団の側鎖に(例えば、Z1において)存在し得る化学選択的タグを含む他のリンカーに対して直交するように選択され得ることが理解される。特定の実施形態において、アミノ官能基またはその誘導体は、G1および/またはG2において含有され、カルボン酸官能基またはその誘導体はZ1において含有される。特定の実施形態において、カルボン酸官能基またはその誘導体は、G1および/またはG2において含有され、アミノ官能基またはその誘導体はZ1において含有される。」(【0094】)と記載されている。
【化49】で記載されるポリマータンデム色素における上記G1及びG2が、特許請求の範囲における「末端基」、「π共役セグメント」、「リンカーおよび連結された特異的結合性メンバー」のどれに相当するものの例であるのか明確でないものの、「末端基」、「π共役セグメント」、「リンカーおよび連結された特異的結合性メンバー」の各々が発揮する化学的作用は異なることから、【化49】で記載される上記G1及びG2以外の化学的作用の異なるものまで拡張ないし一般化できるものではない。
(イ)請求人の主張
請求人は、上記(ア)の指摘に対し、補正はせず、意見書で以下のとおりに主張している。
「本願の請求項1~16に係る発明の実施例は明細書の段落[0044]~[0242]に記載されており、G1及びG2については、明細書の段落[0094]に記載されている。明細書の段落[0094]には、請求項1~16に係る発明に含まれるG1及びG2が記載されている。」
(ウ)請求人の主張を踏まえた判断
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【0044】~【0242】については、上記(1)ウで述べたとおりであるから、ここでは、請求人が引用した【0094】の記載について検討する。
一般に、ポリマーの末端に存在する基、セグメント、リンカー及びメンバーによって、そのポリマー全体の化学的作用及び効果が異なってくることは化学常識であるから、ある作用及び効果を発揮する基、セグメント、リンカー及びメンバーが記載されているからといって、それ以外の基、セグメント、リンカー及びメンバーによっても同様の作用及び効果を発揮するとはいえないものである。
請求人は、当審の「【化49】で記載されるポリマータンデム色素における上記G1及びG2が、特許請求の範囲における「末端基」、「π共役セグメント」、「リンカーおよび連結された特異的結合性メンバー」のどれに相当するものの例であるのか明確でない」との指摘について釈明しておらず、【化49】で記載されるポリマータンデム色素における上記G1及びG2がいかなる化学的作用及び効果を発揮するものであるのか明確でないものの、それらから、上記【0094】に記載されているような、それぞれ化学的作用及び効果が異なるものである末端キャップ形成基(重合後に多発色団の主鎖に結合される一価基)、π共役セグメント(多発色団が共役され得る、すなわち隣接単位にわたってπ電子の非局在化が可能となる、共役系ポリマーの簡便なセグメント)、リンカー(多発色団の側鎖に(例えば、Z1において)存在し得る化学選択的タグを含む他のリンカーに対して直交するように選択され得る)というものまで、拡張ないし一般化できるとはいえない。
よって、「G1およびG2は、それぞれ独立して、末端基と、π共役セグメントと、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーと、からなる群から選択される」との発明特定事項は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。
(3)サポート要件のまとめ
したがって、上記(1)の「全体論について」及び(2)の「各論について」で述べたように、上記【化49】に記載される化学構造以外のものについて、本願明細書では、使用できそうな化学構造が例示されているだけであり、実際に使用した場合にどのような効果があるのか具体的に記載されていないことから、本願発明は【化49】で記載されるポリマータンデム色素の例から拡張ないし一般化できる範囲を超えるものであり、発明の詳細な説明に記載したものとはいえず、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
2 拒絶理由2(明確性)について
(1)多発色団、ポリマータンデム色素、ポリマー色素共役体について
ア 通知した具体的内容
請求項6は「・・・水溶性集光性多発色団と、・・・前記多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団とを含み、前記水溶性集光性多発色団は、式(I):・・・L1は、化学選択的タグ-Z1に連結されている連結性コモノマーであり・・・、ポリマータンデム色素」の発明であるが、それを引用する請求項7では「L1は、前記アクセプター発色団-C1に連結されている連結性コモノマーであり、・・・請求項6に記載の色素」と特定されていることから、アクセプター発色団-C1がL1に連結されている点で「多発色団」と「色素」との間には差異がないといえる。してみれば、特許請求の範囲において、どのような観点で「多発色団」と「色素」とを区別しているのか、あるいは同じものを特定しているのか明確でない。
また、請求項13では「ポリマー色素共役体」とも記載されているが、「前記ポリマー色素共役体が、(i)水溶性集光性多発色団であって」と記載されていることから、特許請求の範囲において「ポリマー色素共役体」と「多発色団」、さらには「色素」とどのように区別しているのか、あるいは同じものを特定しているのか明確でない。
イ 請求人の釈明
請求人は、補正で、請求項6の「ポリマータンデム色素」を引用する請求項7~12について、請求項6に記載に整合させるべく「色素」を「ポリマータンデム色素」に補正し、意見書で以下のとおりに釈明している。
「請求項6及び明細書の段落[0150]に記載されているように、「ポリマータンデム色素」は、「多発色団」と「アクセプター発色団」とを含んだものである。また、請求項7及び12並びに明細書の段落[0150]に記載されているように、「色素」は「アクセプター発色団」と同じ意味である。従って、「多発色団」と「色素」とは異なるものであり、「多発色団」と「色素」とが「ポリマータンデム色素」に含まれていることが明確である。請求項14及び明細書の段落[0216]に記載されているように、「色素共役体」は、(i)多発色団と、(ii)特異的結合性メンバーとを含んだものである。従って、「色素共役体」と「色素」とは異なるものであることが明確である。また、「色素共役体」と「多発色団」とは異なるものであり、「多発色団」が「色素共役体」に含まれていることが明確である。」
ウ 請求人の釈明を踏まえた判断
上記請求人の釈明によれば、「多発色団」と「色素」とは異なるものであり、「多発色団」と「色素」が同時に存在することによって「ポリマータンデム色素」となると理解される。
一方、本願明細書には、上記拒絶理由1(1)ア(イ)で摘記した【0268】に「第2の一連の紫外線吸収性ポリマー色素を製造し、特徴付けた。図2は、対象の様々な多発色団、MC-1~MC-5の紫外線吸収スペクトルを例示する。」と記載され、【化50】として、本願発明の「n」の繰り返しの部分について記載されていることから、「多発色団」とは、「n」の繰り返しの部分が「多発色団」といえるところ、本願発明では、「n」の繰り返しの部分と「m」の繰り返しの部分(上記請求人の釈明を参照すれば「色素」部分ともいえる)を合わせたものを「多発色団」としており、本願発明の「多発色団」との記載は、不明確であるといえる。
(2)化学選択的タグ-Z1について
ア 通知した具体的内容
本願明細書の「「化学選択的官能基」および「化学選択的タグ」という用語は区別なく使用され、場合により、官能基のうちの1つを任意選択的に活性化した後、他の適合性官能基と選択的に反応して共有結合を形成することができる官能基を意味する。」(【0090】)と記載され、具体的にどのようなものまでを化学選択的タグ-Z1にとして特定しようとしているのか化学的に不明確である。
イ 請求人の釈明
請求人は、上記アの指摘に対し、補正はせず、意見書で以下のとおりに主張している。
「化学選択的タグは、明細書の段落[0090]に記載されているように、他の適合性のある官能基と選択的に反応して共有結合を形成することができる官能基であり、その具体例も明細書の段落[0090]に記載されている。従って、化学選択的タグは明確に特定されている。」
ウ 請求人の釈明を踏まえた判断
当該判断は、上記拒絶理由1(2)イ(ウ)における判断とも関連するが、請求人は明細書の【0090】を引用して「他の適合性のある官能基と選択的に反応して共有結合を形成することができる官能基」であると釈明しており、「他の適合性のある」及び「選択的に」との用語があるものの、結果的に官能基同士が反応して共有結合を形成する基のすべてがその範疇に入り得ることになり、本願明細書を参照しても、「化学選択的タグ-Z1」が具体的に明確に特定できるものでもない。
(3)G1及びG2について
ア 通知した具体的内容
G1及びG2について、本願特許請求の範囲で「G1およびG2は、それぞれ独立して、末端基と、π共役セグメントと、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーと、からなる群から選択される」(独立項である請求項1、6及び13)と特定されおり、さらに、請求項9では「G1およびG2の少なくとも1つは-L3-Zであり、ここで、L3はリンカーであり、かつZは特異的結合性メンバーである」と特定されている。
しかし、「末端基」、「π共役セグメント」、「リンカーおよび連結された特異的結合性メンバー」は、上記拒絶理由1の(2)エで指摘したように各々の化学的作用は異なることから、多発色団、ポリマータンデム色素において、どのような化学的作用を担うものとして特定しようとしているのか不明確である。
イ 請求人の釈明
請求人は、上記アの指摘に対し、補正はせず、意見書で以下のとおりに主張している。
「G1及びG2は、「末端基」、「π共役セグメント」、又は「リンカーおよび連結された特異的結合性メンバー」である。G1及びG2が「末端基」である場合は、G1及びG2は、多発色団の繰り返し単位を終端させる作用を担う。G1及びG2が「π共役セグメント」、又は「リンカーおよび連結された特異的結合性メンバー」である場合は、G1及びG2は、多発色団のG1,G2以外の部分を、多発色団が含まれる組成物の多発色団以外の部分に連結させる作用を担う。G1及びG2の化学的作用は明細書の段落[0094]の記載から明らかであり、G1及びG2の化学的作用は明確である。」
ウ 請求人の釈明を踏まえた判断
「末端基」、「π共役セグメント」、「リンカー及び連結された特異的結合性メンバー」のそれぞれが担う化学的作用については一応理解される。 しかしながら、上記(1)ウで述べたように、「n」の繰り返しの部分を「多発色団」としているのか、あるいは、「n」の繰り返しの部分と「m」の繰り返しの部分を合わせたものを「多発色団」としているのか不明確であり、各々の場合において「多発色団のG1,G2以外の部分を、多発色団が含まれる組成物の多発色団以外の部分に連結させる作用を担う」との技術的意義も異なってくることから、G1及びG2が「π共役セグメント」又は「リンカーおよび連結された特異的結合性メンバー」の場合については、明確であるとはいえない。
(4)明確性のまとめ
したがって、本願発明の記載は、上記(1)~(3)の点で不明確であるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
第5 むすび
以上のことから、少なくとも、本願発明は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしておらず、本願発明の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないことから、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-011681