商標拒絶査定不服審判
2020-009057
ネイバーズ
- 審判番号
- 2020-009057
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2018-130930
- 請求日
- 2020年06月30日
- 審決日
- 2021年06月14日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】田中 克郎
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 美加
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 庄司 美和
- 分類
- T18 .261-Z (W0911123538414245) / T18 .262-Z (W0911123538414245) / T18 .263-Z (W0911123538414245)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第6条第1項、商標法第6条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2018-130930拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標
本願商標は、「NEIGHBORS」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類、第11類、第12類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2018年5月17日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成30年10月19日に登録出願されたものである。
そして、本願商標の指定商品及び指定役務については、原審における令和2年1月15日受付、当審における同年6月30日付け及び同3年3月1日受付の手続補正書において、最終的に、別掲のとおりの商品及び役務となったものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、以下の1ないし3のとおり、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
1 商標法第6条第1項について
本願商標の指定商品のうち、一部の商品は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められないから、商標法第6条第1項の要件を具備しない。
2 商標法第6条第2項について
本願商標の指定商品のうち、一部の商品は、政令で定める商品及び役務の区分に従って商品及び役務を指定したものと認めることもできないから、商標法第6条第2項の要件を具備しない。
3 商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、登録第5297676号商標(以下「引用商標」という。)と類似の商標であって、同一又は類似の商品若しくは役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
引用商標は、「ネイバー」の片仮名を横書きしてなり、平成20年10月23日登録出願、「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類、「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,文書又は磁気テープのファイリング」を含む第35類、「電子掲示板による通信,その他の電気通信(放送を除く。),放送」を含む第38類、「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,コンピューターネットワークを介したゲーム・音楽・映画の提供に関する情報の提供」を含む第41類、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を含む第42類、第16類、第36類及び第39類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年1月29日に設定登録、その後、令和2年1月28日に更新登録され、現に有効に存続するものである。
第3 当審の判断
1 商標法第6条第1項及び同条第2項について
本願商標の指定商品については、上記第1のとおり補正された結果、商品の内容が明確になり、かつ、商品及び役務の区分に従ったものと認められる。
その結果、本願は、同法第6条第1項及び同条第2項の規定の要件を具備するものとなった。
したがって、同法第6条第1項及び同条第2項に係る拒絶の理由は解消した。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本願商標
本願商標は、上記第1のとおり、「NEIGHBORS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「近所の人、隣人」の意味を有する広く知られている英単語「neighbor」(ベーシックジーニアス英和辞典第2版(株式会社大修館書店))の複数形を大文字で表したものと容易に認識されることから、これよりは、「ネイバーズ」の称呼を生じ、また、「近所の人、隣人」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、上記第2のとおり、「ネイバー」の片仮名を横書きしてなるところ、当該文字は、「隣人、近所の人」の意味を有する外来語(大辞泉第二版(株式会社小学館)、コンサイスカタカナ語辞典第4版(株式会社三省堂))として広く親しまれているものといえることから、これよりは、「ネイバー」の称呼を生じ、また、「隣人、近所の人」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、外観においては、文字の種類が欧文字と片仮名とで相違するとしても、いずれも普通に用いられる方法で表されたものであって、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記されることが一般的に行われている取引の実情があること、また、引用商標は本願商標の構成中「NEIGHBOR」の部分の読みである「ネイバー」と一致するものであることに鑑みれば、本願商標の語尾の「S」の文字を考慮しても、両者の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
次に、本願商標から生じる「ネイバーズ」の称呼と、引用商標から生じる「ネイバー」の称呼とを比較すると、両者は「ネイバー」の音を共通にし、相違は語尾に位置する「ズ」の音の有無のみである。そして、語尾音は、比較的聴取され難い音である上、英単語「neighbor」においては語頭にアクセントが置かれていることからすれば、本願商標の語尾に位置する「ズ」の音は明瞭に聴取され難いといい得るものである。そうすると、本願商標「NEIGHBORS」における「S」の文字に相応して生じる当該差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きいとはいい難いものであるから、本願商標から生じる称呼と引用商標から生じる称呼は、全体として語感、語調が近似したものであり、称呼上互いに紛れるおそれがあるものというのが相当である。
そして、両商標は、いずれも「近所の人、隣人」の観念を生じるものであるから、観念を同じくするものである。
以上のとおり、本願商標と引用商標は、称呼において類似し、観念を同一にするものであり、その外観において、称呼の類似性及び観念の同一性を凌駕するほどの顕著な差異があるとはいえないことから、外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
本願商標の指定商品及び指定役務のうち、第9類「ダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,コンピュータ・移動体・無線・電気通信ネットワークを介してデータ・オーディオ・ビデオ画像及びグラフィックを電子的に投稿及び交換するための通信用コンピュータソフトウェア,画像・グラフィック・オーディオ・ビデオ及びテキストの処理用のダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,ビデオを共有するためのコンピュータソフトウェア,ビデオを投稿及び共有するためのコンピュータアプリケーションソフトウェア,ビデオを投稿及び共有するためのコンピュータソフトウェアを含む携帯電話機その他の携帯型機械器具用のコンピュータアプリケーションソフトウェア,住宅・事務所その他の施設を監視することを可能にするダウンロード可能なコンピュータソフトウェア及びアプリケーションソフトウェア,インターネット・携帯用機械器具・無線インターネット回線又はシステム及びその他のコンピュータ又は電子通信ネットワークを介して使用するための住宅・事務所その他の施設を監視するためのダウンロード可能なアプリケーションソフトウェア,コンピュータソフトウェア,インターネットオブシングス機械器具を接続・制御するための機械器具及びソフトウェア,住宅及び住宅周辺用のビデオ監視装置,一般家庭において使用される空調装置・照明装置・その他の電気式、電子式及び機械式装置やシステムの機能や状態を遠隔で監視及び制御するための無線制御装置,防犯監視用機械器具,住宅及び環境の監視・制御及び自動化を容易化するための機械器具間でデータ及び情報を共有・送信することを可能にする機械器具及びコンピュータソフトウェア,データ処理装置,相互通信用機械器具,一般家庭において使用される空調装置・照明装置・その他の電気式、電子式及び機械式装置やシステムの機能や状態を遠隔で監視及び制御するための自動調節機械器具,一般家庭において使用される空調装置・照明装置・その他の電気式、電子式及び機械式装置やシステムの機能や状態を遠隔で監視及び制御するための電気通信機械器具,一般家庭において使用される空調装置・照明装置・その他の電気式、電子式及び機械式装置やシステムの機能や状態を遠隔で監視及び制御するための電子応用機械器具,スタンドアローン型の音声で制御される情報通信機械器具,写真機械器具,光学機械器具,音声又は映像の記録・送信及び再生用の機械器具,音声・データ又は画像送信用の通信機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」は、引用商標の指定商品のうち、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似の商品である。
本願商標の指定商品及び指定役務のうち、第12類「車載カメラ用マウント」は、引用商標の指定商品のうち、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具」と類似の商品である。
本願商標の指定商品及び指定役務のうち、第35類「オンラインによる電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,データ処理に関する事務の代行,データベースの管理,市場調査データの収集,コンピュータデータベースによるファイルの管理,コンピュータデータベースへの情報編集・情報構築,コンピュータによるデータベースの検索代行,保安及び防犯に関する消費者の意識を促進するための広告,警報器・監視カメラ用ライト・電気式及び電子式のビデオ監視装置・ビデオ監視装置・ビデオ監視カメラ・ビデオ監視用防犯システムの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オーディオビジュアル装置の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電子式ドアベル・電気式ドアベル・電子錠・動作感知センサー・警報器・警報用センサー・監視装置を備えた防犯アラーム・検知器及び検出探知装置(測定機械器具)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定商品及び指定役務のうち、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」、第35類「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,文書又は磁気テープのファイリング」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」と同一又は類似の役務である。
本願商標の指定商品及び指定役務のうち、第38類「電気通信ネットワークを介したデータの送信及び受信,コンピュータ及び電気通信ネットワークを介して接続可能な音声・データ・オーディオ・ビデオ・テキスト及びグラフィックスの電子的な伝送交換,インスタントメッセージによる通信,インターネットアドレスへのあらゆる種類のメッセージの転送(ウェブメッセージング),ピアツーピアネットワークによるデジタル写真ファイル・動画ファイルの電子通信,コンピュータデータベース・電子データベース及びオンラインデータベースへの接続用回線の提供,データ・メッセージ・グラフィックス・画像・オーディオ・ビデオ及び情報の電子送信,電子掲示板による通信,地域の興味関心及び自宅の保安に関する通信のためのオンラインフォーラムへの接続用回線の提供,電気通信,電子通信,データ・オーディオ・ビデオ及びマルチメディアファイルの送信,グローバル通信ネットワークを介したメッセージ・音声・データ・ビデオ及び画像の送信,通信,放送,映像の通信,テレビ電話による通信,データ通信,ストリ-ミングによるデ-タの伝送交換,インターネット上での音声通信の提供,電気通信及び放送に関する相談及び助言の提供」は、引用商標の指定役務のうち、第38類「電子掲示板による通信,その他の電気通信(放送を除く。),放送」と同一又は類似の役務である。
本願商標の指定商品及び指定役務のうち、第41類「記録された音声及び映像(ダウンロードできないもの。)の記録物の提供,オンラインによる図書の供覧及び貸与,ビデオの記録物の制作に関する相談及び助言の提供,記録された音声及び映像(ダウンロードできないもの。)の記録物の提供に関する相談及び助言の提供,オンラインによる図書の供覧及び貸与に関する相談及び助言の提供,オーディオ及びビデオ編集に関する相談及び助言の提供,オーディオ及びビデオ編集」は、引用商標の指定役務のうち、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,コンピューターネットワークを介したゲーム・音楽・映画の提供に関する情報の提供」と同一又は類似の役務である。
本願商標の指定商品及び指定役務のうち、第42類「オンラインによるコンピュータ・移動体・無線・電気通信ネットワークを介してデータ・オーディオ・ビデオ画像及びグラフィックを電子的に投稿及び交換するための通信用のダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの提供,オンラインによる画像・グラフィック・オーディオ・ビデオ及びテキストの処理用のダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの提供,オンラインによるビデオを投稿及び共有するためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの提供,オンラインによる住宅・事務所その他の施設を監視することを可能にするダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの提供,データの共有を可能にする技術を内容とするオンラインネットワーク環境設定,自動化された住居及び環境監視システムの操作及び制御のためのコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PAAS],自動化された住居及び環境監視システムの操作及び制御のためのコンピュータソフトウェアを内容とするオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SAAS),住宅及び環境の監視・制御及び自動化用のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)ソフトウェアを内容とするアプリケーションサービスプロバイダーによるコンピュータソフトウェアの提供,インターネットオブシングス(IoT)においてネットワーク化された機械器具を接続・制御するためのコンピュータソフトウェアを内容とするコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供[PAAS],ネットワーク化された消費者向け電気機械器具類の接続・操作・統合・制御・管理のためのコンピュータソフトウェアを内容とするオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SAAS),音声によって制御される情報機械器具・クラウドに接続され音声で制御されるスマート消費者向け電気機械器具類の制御・統合・操作・接続・管理用のソフトウェアを内容とするアプリケーションサービスプロバイダーによるコンピュータソフトウェアの提供,ユーザーに開いているドア又は窓を通知し、玄関口の来訪者を通知し、ビデオカメラを操作するオンラインによるダウンロード不可能な保安・盗難防止用ソフトウエアの提供,ユーザーが玄関口にいる人物を特定し連絡することを可能にするオンラインによるダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの提供,クラウドに接続され音声で制御されるアプリケーションソフトウェアのカスタマイズ・強化及びパーソナライズのための音声で制御されるコンピュータソフトウェアの提供,インターネットウェブサイトを介して行うユーザーが自動化された住宅及び環境システムを監視・制御することを可能にする技術を内容とするコンピュータソフトウェアの提供,自動化された住宅及び環境システムを遠隔地から相互作用・操作・監視・制御することを可能にする技術を内容とするインターネットにおけるポータルサイト用のコンピュータソフトウェアの提供,オンライン上のオーディオおよびビデオを記録・視聴・保存・共有および分析するためのオンラインによるダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの提供,データの管理および送信のためのオンラインによるダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの一時的使用の提供,コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェアの設計及び開発,電子データの保存用記憶領域の貸与のためのウェブサイトのホスティング,適切な機能発揮を確実にするための遠隔制御によるコンピュータシステムの監視,防犯監視カメラシステムを制御するコンピュータシステムの遠隔監視,コンピュータソフトウェアのインストール・保守・修理,クラウドコンピューティングによる電子データの電子的保管,クラウドホスティングプロバイダーサービス及びデータの電子的保存のためのオンラインによるダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの一時的使用の提供,画像・テキスト・オーディオ・ビデオデータを含む電子データの保存用記憶領域の貸与,ユーザーがビデオを共有することを可能にする技術を内容とするオンラインによるダウンロード不可能なインターネットに依拠したアプリケーションソフトウェアの提供,データの記録・視聴・保存・共有および分析用のオンラインによるダウンロード不可能なコンピュータソフトウェアの一時的使用の提供,コンピュータソフトウェアの設計・作成・保守に関する技術的援助,コンピュータソフトウェア問題のトラブルシューティング(技術支援),コンピュータネットワークシステムの技術的稼働状況の監視を内容とする技術支援,コンピュータプログラムの提供に関する相談及び助言の提供,コンピュータのセキュリティに関する専門的な指導及び助言,コンピューターソフトウエアの設計・作成又は保守に関する相談及び助言の提供,コンピュータシステムの設計に関する助言,コンピュータシステムの統合に関する助言,コンピュータシステム分析に関する助言,コンピュータネットワーク上で取得可能な情報・ウェブサイトその他の電子情報の検索及び保存を可能にするコンピュータソフトウェアの一時的使用の提供,電子計算機用プログラムの提供」は、引用商標の指定役務のうち、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」と同一又は類似の役務である。
(5)小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似する商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、引用商標について、「広辞苑第7版」には、「ネイバー」の語は掲載されておらず、当該語が「近所の人、隣人」を意味するものとして我が国の需要者の間においてそれほど広く親しまれているものとはいい難く、これに接した需要者・取引者は特定の意味を有しない造語からなる商標と認識する可能性もあるというべきであり、さらには、引用商標の商標権者が運営していた検索ポータルサイトの名称が「ネイバー(NAVER)」であることなどからすると、引用商標に接した需要者や取引者はこれを、「NAVER」を片仮名表記したものと理解する可能性の方がむしろ高いと思われ、現に、新聞などでの報道記事においても「NAVER(ネイバー)」のように表記されているなどからすると、引用商標は英単語の「neighbor」の表音を片仮名で表記したものというよりは、その商標使用者の名称やブランド(サービス名)として知られた「NAVER」を片仮名で表した「ネイバー」という一種の造語を表してなる商標と認識されるとみるのが妥当である旨主張している。
しかしながら、引用商標は「ネイバー」の片仮名からなるところ、当該片仮名は、上記2(1)で示したとおり、「近所の人、隣人」の意味を有する語として、我が国において一般に知られている語であるから、これよりは、「ネイバー」の称呼を生じ、また、「近所の人、隣人」の観念を生じるというべきである。また、仮に、引用商標の商標権者が運営していた検索ポータルサイトの名称が「ネイバー(NAVER)」であるとしても、そのことによって、直ちに引用商標「ネイバー」が造語として認識されるということはできないし、他に引用商標が造語としてのみ認識されるとみるべき特段の事由も見いだせない。
イ 請求人は、本願商標の称呼「ネイバーズ」は、「バ」の音の後に長音を介して続き、「バ」の音と同様に重く低く響く破裂音を伴う有声破擦音である「z」(「ズ」)の音が、前音の「バ(ー)」に吸収されたり、明瞭に聴取し難くなるということはないから、本願商標「NEIGHBORS」は「ネイ」「バー」「ズ」のようにはっきりとした三音節からなる音として称呼され、聴者の記憶や印象にも残るものというべきであり、これに対し、引用商標の称呼「ネイバー」は、「ネイ」「バー」の二音節からなる音として明らかに「ネイ」「バー」「ズ」よりは短く簡潔な音として聴者の記憶、印象に残るものであるから、本願商標と引用商標のそれぞれの称呼の相違点は、末尾の「ズ」の音の有無のみであるとはいえ、4音ないし5音という短い音構成において、この相違点が両称呼全体の音調、音感に与える影響は決して小さなものとはいえない旨主張している。
しかしながら、上記(3)のとおり、本願商標から生じる「ネイバーズ」の称呼と、引用商標から生じる「ネイバー」の称呼とを比較すると、両称呼は、「ネイバー」の4音を共通にし、両者の差異は、語尾における「ズ」の音の有無のみである。そして、両者は、4音ないし5音という比較的短い音構成ではあるものの、語尾音は、比較的聴取され難い音である上、英単語「neighbor」は語頭にアクセントが置かれており、本願商標の語尾に位置する「ズ」の音は明瞭に聴取され難いといい得ることからすれば、本願商標「NEIGHBORS」における「S」の文字に相応して生じる当該差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きいとはいい難いものであって、両者を一連に称呼するときは、全体としての語調・語感が近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれがあるものというべきである。
ウ 請求人は、過去の登録例及び審決例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら、請求人が挙げる登録例及び審決例は、本願商標とは、その構成、態様及び指定商品等が異なることから、事案を異にするものであり、かつ、具体的事案の判断においては、過去の審決例や登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
エ したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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